JP2004081934A - 紫外線照射装置 - Google Patents

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Eiichi Tadokoro
田所 榮一
Ryuji Kanda
神田 龍司
Yukio Murase
村瀬 幸雄
Takaaki Tanaka
田中 天顕
Yoji Tominaga
富永 洋二
Hisataka Uruta
宇留田 寿隆
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GEN GIJUTSU KENKYUSHO KK
WINTECH KK
Gen Maintenance Technology Inc GMT
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GEN GIJUTSU KENKYUSHO KK
WINTECH KK
Gen Maintenance Technology Inc GMT
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Abstract

【課題】従来よりも小さな入力電力で、作業性および安全性を向上でき、さらには小型化、軽量化が可能で硬化後の塗膜欠陥の少ない紫外線照射装置を提供することである。
【解決手段】床面に塗布した紫外線硬化型コーティング剤に紫外線を照射して、該紫外線硬化型コーティング剤を硬化させるために電源部と、該電源部に電気的に接続され、電源部からの電気の供給によって紫外線を発する光源部とを備え、該光源部の光源が低圧水銀灯とすくなくとも波長が280nm以上320nm以下である第二の光源部をさらに備えたことを特徴とする紫外線照射装置を使用することにより作業性および安全性を向上でき、さらには小型化、軽量化が可能で硬化後の塗膜欠陥をなくすこと。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、たとえば体育館、教室、デパート、事務所、店舗、ショールーム、一般家屋などの建造物の床に対して、現場で塗布された紫外線硬化型コーティング剤を硬化させるための紫外線照射に用いられる特願2001−400816等により開示された移動式紫外線照射装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、たとえば床材に紫外線硬化型のコーティング剤を塗布した後、移動式紫外線照射装置を移動させながら順次コーティング剤に紫外線を照射して、該コーティング剤を硬化させて床をコーティングすることが行われている。移動式紫外線照射装置は、車輪が装着された電源部と、該電源部に電気的に接続され、電源部からの電気の供給によって紫外線を発する光源部とを、基本的に備える。従来の移動式紫外線照射装置では、コーティング剤の硬化に要する時間が短くて済むため該装置の移動速度を大きくできる、また紫外線の照射幅を大きくできるなど、作業の効率がよいことから、その光源として、高圧水銀灯や中圧水銀灯が一般に用いられている。
【0003】
上記の高圧水銀灯および/または中圧水銀灯を光源として用いると、低圧水銀灯などを用いる場合と比較して、より大きな入力電力が必要とされる。従来の移動式紫外線照射装置では、汎用的な100V単相交流電源を使用すると、ランプの大きさや数に大きな制限ができて、該装置の移動速度が大きく制限されたり小面積の照射しかできなかったりして、作業時間が長くなる問題があるため、電源として200V三相交流の電源を使用するのが一般的であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、200V三相交流電源は、たとえばビルディングなどにおいては地下階など特定の箇所にしか配置されず、各階には100V単相交流電源が配置されるのが一般的である。たとえば、ビルディングの各階の床に、紫外線硬化型のコーティング剤を用いてコーティングを施そうとすると、移動式紫外線照射装置の電源を地下階などから取ってこなければならなかった。このように200V三相交流の電源を使用すると、作業場所と電源を取る場所とが大きく離れてしまうため、これらを長手の電源コードで電気的に接続せねばならず、作業性が悪いという問題があった。
【0005】
また従来の移動式紫外線照射装置では、上記のように大きな電力を印加する必要があるため、光源部の温度が高くなり過ぎ、紫外線を照射する際に熱線も放射してしまう問題があった。このためたとえば塩化ビニル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂などの一般に耐熱性の低い樹脂製の床材に上記コーティングを行う場合には、床面を焦がしたり、床材が熱変形したりしてしまうことがあった。また紫外線照射時や紫外線照射直後の光源部に作業者が誤って触ってしまった場合に、作業者が火傷を負ってしまう危険性もあった。
【0006】
さらに従来の移動式紫外線照射装置では、大きな電気容量が必要となるため、電源部が大きなものとなってしまい、装置全体が大がかりで重量の大きなものとなってしまう不具合があった。また高電圧用の電気コードの着脱は、安全性の観点から、一般に好ましくないこととされており、このため電源部と光源部とを常時電気的に接続した状態にしておかねばならず、装置の運搬などが困難であった。
本発明の目的は、従来よりも小さな入力電力で、作業性および安全性を向上でき、さらには小型化、軽量化が可能でかつ硬化後の塗膜欠陥の少ない紫外線照射装置を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意研究を行った結果、本発明を完成するに至った。即ち、本発明は以下のとおりである。
(1) 床面に塗布した紫外線硬化型コーティング剤に紫外線を照射して、該紫外線硬化型コーティング剤を硬化させるために電源部と、該電源部に電気的に接続され、電源部からの電気の供給によって紫外線を発する光源部とを備え、該光源部の光源が低圧水銀灯とすくなくとも波長が280nm以上320nm以下であるエネルギー線を放射する第二の光源をさらに備えたことを特徴とする紫外線照射装置。
(2) 床面に塗布した紫外線硬化型コーティング剤に紫外線を照射して、該紫外線硬化型コーティング剤を硬化させるために車輪が装着された電源部と、該電源部に電気的に接続され、電源部からの電気の供給によって紫外線を発する光源部とを備え、光源部の光源が低圧水銀灯とすくなくとも波長が280nm以上320nm以下であるエネルギー線を放射する第二の光源をさらに備えたことを特徴とする移動式紫外線照射装置。
(3)すくなくとも波長が280nm以上320nm以下であるエネルギー線を放射する第二の光源部が、第一光源部の片側もしくは両側に配置されたことを特徴とする(2)に記載の移動式紫外線照射装置。
(4) すくなくとも波長が280nm以上320nm以下であるエネルギー線を放射する第二の光源部が、第一光源部の前方向端部もしくは後方端部(手前)もしくは前方向端部と後方端部(手前)に配置されてなるものである(2)、(3)に記載の移動式紫外線照射装置。
(5)上記(2),(3),(4)において第二の光源がUV−Bランプであることを特徴とする移動式紫外線照射装置。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
図1は、移動式紫外線照射装置1を簡略化して示す側面図であり、図2は、図1に示す移動式紫外線照射装置1の上面図である。なお図1および図2には、紫外線を照射可能な状態の移動式紫外線照射装置1を示すものとする。移動式紫外線照射装置1は、床面に塗布してなる紫外線硬化型コーティング剤の上面に、紫外線を照射して、該紫外線硬化型コーティング剤を硬化させて硬化皮膜(硬化塗膜)を形成するための装置であって、車輪が装着された電源部2と、該電源部2に電気的に接続され、電源部2からの電気の供給によって紫外線を発する光源部3とを基本的に備える。なお本明細書中において、前方向A1とは、紫外線を照射可能な状態で移動式紫外線照射装置1の光源部3が配置される側を指し、後方向A2とは、前方向A1の反対側を指すものとして説明する。
【0009】
電源部2は箱状のハウジング4を有し、該ハウジング4内に安定器(図示せず)や制御器(図示せず)を有する。電源部2は、図1に示す例のように電源コード5で、たとえばコンセントなどを電源として電気を得るような構成であってもよいし、バッテリなどその内部に電源を備えるように実現されてもよい。
【0010】
電源部2は、車輪、具体的には、ハウジング4の下端付近の前方側に装着される前輪6と、ハウジング4の下端付近の後方側に装着される後輪7とを有する。図1に示す例では、前輪6および後輪7は各々二輪で構成されるが、これに限定されるものではなく、いずれかが一輪で構成されてもよい。前輪6および後輪7は、電源部2に設けられることで、移動しながら紫外線を照射するに際して、床面に塗布された未硬化の紫外線硬化型コーティング剤を踏まないように構成される。すなわち、移動式紫外線照射装置1は通常、光源部3が配置される側に進行するようにして移動されながら紫外線を照射するため、光源部3が通過した後を必ず車輪が通過することになり、該車輪は紫外線照射により紫外線硬化型コーティング剤が硬化してなる硬化塗膜のみを踏み、未硬化の紫外線硬化型コーティング剤を踏むことがない。このような上記前輪6および後輪7によって、移動式紫外線照射装置1は、前後方向への円滑な移動が可能なように構成される。
【0011】
光源部3は、上記電源部2に電気的に接続され、電源部2からの電気の供給によって紫外線を発する。図1および図2に示す例では、光源部3は、紫外線を通過させるための開口を有する箱状のカバー体(ランプハウジング)8と、該カバー体8内に収容される光源(ランプ)9とを有する。
【0012】
本発明において重要なことは、床面に塗布した紫外線硬化型のコーティング剤を紫外線の照射によって硬化させるための光源として、移動式紫外線照射装置の光源としては従来全く用いられることのなかった低圧水銀灯を用いたことである。前記低圧水銀灯とは、水銀蒸気中を放電させることにより得られる発光を利用したランプである水銀灯のうち、内圧1mmHg以下であるものを指す。該低圧水銀灯は、光エネルギーの大部分が254nm近辺(253nm〜255nm)の波長に集中するものである。本発明において用いる低圧水銀灯は、その形状や大きさに特に制限はない。
【0013】
移動式紫外線照射装置1は、光源9として低圧水銀灯を用いることによって、従来の高圧水銀灯や中圧水銀灯を光源として用いる場合と比較して、電源部2への入力に必要とされる電力を小さくできる。したがって本発明では、電源部への入力電圧が200V未満であり、かつ入力電流が20A以下であるような移動式紫外線照射装置を実現でき、さらには汎用的な100V単相交流電源(100V・15A程度の電源コンセント)を電源として利用可能な移動式紫外線照射装置を実現できる。これによって、200V三相交流の電源を使用せねばならなかった従来とは異なり、ビルディングの各階の床に、紫外線硬化型のコーティング剤を用いてコーティングを施す場合など、各階の施工現場において電源を取ることができ、作業性を向上できる。
【0014】
また本発明においては、光源として低圧水銀灯を用いることによって、紫外線の照射による光源部における発熱量を、蛍光灯と同程度とすることができる。したがって高圧水銀灯や中圧水銀灯を光源として用いていた従来とは異なり、紫外線照射時や紫外線照射直後の光源部3に作業者が誤って触ってしまった場合であっても、作業者が火傷を負ってしまう危険性がない。また一般に耐熱性の低い床材にコーティングを行う場合であっても、床面を焦がしたり、床材が熱変形してしまうことがない。
【0015】
またさらに光源9として低圧水銀灯を用いることで、蛍光灯に必要とされる程度の小電力で済むので、電源部2を従来の移動式紫外線照射装置の電源部よりも小型化、軽量化できる。したがって紫外線照射装置1全体として従来よりも小型化、軽量化することができる。
【0016】
またさらに、従来のように光源として高圧水銀灯を用いた場合、電源スイッチを入れてから光源の輝度が所定の値に到達して紫外線を照射するまでに2分〜6分程度の時間が必要であったが、本発明では光源として低圧水銀灯を用いたことにより、電源スイッチを入れると数秒以内に紫外線を照射可能である。このように光源部に電気が供給されて紫外線を照射するまでの時間を従来よりも短縮することができ、作業性が向上されるという利点もある。
【0017】
本発明において用いられる低圧水銀灯は、単位寸法あたりの入力電力(光源の発光長あたりの入力電力)が1W/cm以上であることが好ましい。該単位寸法あたりの入力電力が1W/cm未満であると、床面に塗布してなる紫外線硬化型コーティング剤に紫外線を照射しても、該紫外線硬化型コーティング剤が充分に硬化するまでの時間が長過ぎてしまい、作業性が低下してしまう傾向にあるため好ましくない。単位寸法あたりの入力電力が1W/cm以上の低圧水銀灯を用いることで、紫外線を照射してから数秒程度の時間で紫外線硬化型コーティング剤を充分に硬化でき、効率よく床材のコーティングを行うことができる。
【0018】
本発明において、低圧水銀灯の設置の仕方に特に制限はない。直管タイプの低圧水銀灯を用いる場合、縦方向(前後方向に略平行な方向)であっても横方向(前後方向に略垂直な方向)であってもよく、またたとえば米国特許US6,207,118,B1に開示されているような曲線状の低圧水銀灯を用いる場合、その設置は任意の向きであってよい。
図1および図2には、たとえば、実発光長(ランプの長手方向における長さ)が64cm、入力電力が100W(単位寸法あたりの入力電力:約1.5W/cm)の低圧水銀ランプ(QGL100−2X、岩崎電気(株)社製)を7本横(前後方向に略垂直な方向)に並べて光源9として、光源部3を実現した場合の移動式紫外線照射装置1を示す。このような場合、移動式紫外線照射装置1を用いて床面に紫外線を照射すると、当該床面における紫外線照射強度(照射強度測定器(UVP254、岩崎電気(株))を用いて測定)は、カバー体の側部よりカバー体内側に3.5cm離れた位置において4.3mW/cm(254nm強度)、カバー体の側部よりカバー体外側に3.5cm離れた位置において0.8mW/cm(254nm強度)である。上記のように実現された光源部3を有する紫外線照射装置1を用いて、たとえば後述のようなウレタン(メタ)アクリレート樹脂を含む紫外線硬化型コーティング剤を、硬化塗膜厚が15ミクロンとなるように塗布して、紫外線を照射すると、入力電力が100V・15A未満であるにもかかわらず、6m/分程度の硬化速度とすることができる(上述の場合、実質硬化幅は80cm程度)。
【0019】
また移動式紫外線照射装置1は、電源部2と光源部3とが、着脱可能な電気コード10にて電気的に接続される。本発明においては、従来のような高電圧を電源部2から光源部3へ伝達しないので、紫外線を照射しない状態(たとえば施工現場への運搬時、保管時など)には、電気コード10を電源部2および光源部3から抜いたとしても、安全性の点において問題がない。このため、本発明では、上記の紫外線を照射しない状態には、電気コード10を抜き、さらには電源部2と光源部3とを切り離し、光源部3を電源部2の上に載置し得るように実現することが可能である。
【0020】
図1に示す例の紫外線を照射可能な状態の移動式紫外線照射装置1は、たとえば、電源部2のハウジング4の側壁に固定された支持部材11をカバー体8に挿入してカバー体8の上壁を内側から支持し、さらにカバー体8の上壁からボルト状のネジを挿入し、該ネジを支持部材11まで到達させ、該ネジによりカバー体8と支持部材11とを固定することによって、光源部3が床面から1cm〜15cm程度離反した状態に保持されるようにして、電源部2の前方に連結される。図3は、紫外線を照射しない状態の一例の移動式紫外線照射装置1を簡略化して示す側面図である。図3の例では、図1および図2に示す紫外線を照射可能な状態から、電源スイッチ(図示せず)を切るなどして紫外線を照射しないようにした後、電源部2と光源部3との間を電気的に接続する電気コード10を抜き、光源部3を電源部2から切り離し、光源部3を電源部2の上に載置した状態を示している。
【0021】
移動式紫外線照射装置1は、紫外線を照射しない状態において電源部2と光源部3とを切り離すことが可能であり、切り離した光源部3を電源部2上に載置することで、電源部と光源部とを切り離すことが困難であった従来の移動式紫外線照射装置と比較して、床への投影面積(図2のように上面からみた場合の装置全体の面積)をより小さくできる。したがって従来の移動式紫外線照射装置では載せることが困難であったバンなどの小型自動車に載せて運搬することができる。また光源部3を電源部2上に載置すると、電源部2のハウジング4の上面にて、光源部3のカバー体の紫外線を通過させるための開口を塞ぐことができ、これにより光源9を外部空間から遮断させて、光源の汚れや破損を防止することができる。
【0022】
図3の場合では、光源部3を90度向きを変えて電源部2上に載置しており、電源部2の前方向の上部に設けられる支持体12にて光源部3の電源部2からはみ出した部分を支持させている。この状態で、たとえば錠13などをかけて光源部3を電源部2上に固定すれば、運搬などが容易となる。
【0023】
なお電源部2の上面周囲に、振動防止用ゴムを貼るようにしてもよい。これにより、光源部3を電源部2上に載置した状態での該紫外線照射装置1の運搬時、光源9に伝わる振動を減少させることができる。
【0024】
上述のように本発明においては、光源に低圧水銀灯を用いることによって、従来、光源として高圧水銀灯のみを用いた紫外線照射装置が抱えていた問題を解消することができる。低圧水銀灯による紫外線照射の条件は、紫外線硬化型コーティング剤の種類やコーティング条件の選択(処方)、床面に塗布した紫外線硬化型コーティング剤の厚みによって変更することが可能である。しかしながら光源が低圧水銀灯のみであると、コーティング剤の処方や、光源部の構造、紫外線の照射条件、照射位置などによっては、得られた硬化塗膜に亀の甲羅状の模様(以下、「コウラ」と称する。)や縮み織り状の模様(以下、「チヂミ」と称する。)や極微細な凹凸模様(以下、「ツヤビケ」と称する。)などの塗膜欠陥が生じてしまうことがある。すなわち、本発明においては、254nm程度の短波長の強度、照射量の低い低圧水銀灯由来の紫外線の照射によって紫外線硬化型コーティング剤を硬化させるため、照射の量が充分であれば上記塗膜欠陥は生じない。しかしながら紫外線が充分に照射されない箇所においては、塗膜の表面近傍のみが比較的短時間で硬化してしまい、その極めて薄い硬化部分が硬化収縮することにより上述した塗膜欠陥が生じるものと考えられる(上記コウラ、チヂミ、ツヤビケの形態の違いは、その硬化収縮に関する諸条件の違いによる。)。特に、光源部から離れた位置にあるコーティング剤表面においては、光源部のカバー体より漏れた紫外線が不所望に照射され、当然ながらそこでの紫外線強度はかなり低いので、そうした箇所においては上記の塗膜欠陥が生じやすい。また結果的に紫外線の照射量(=紫外線強度×照射時間)が小さくなって、光源部直下のコーティング剤であっても、上記の塗膜欠陥が生じる場合もあると考えられる。当該塗膜欠陥は、コーティング剤に関する諸条件および紫外線照射装置の移動速度(照射速度)や照射の重ね方などを適切に設定することにより防止することは可能であるが、たとえば施工床面が狭かったり複雑な形状をしているような場合には、上記設定に応じた紫外線照射装置の適切な操作が困難となる傾向がある。
【0025】
本発明者らは、本発明の移動式紫外線照射装置についてさらなる検討を行った結果、低圧水銀灯から発する短波長の紫外線に加えて、すくなくとも波長が280nm以上でかつ320nm以下である第二の光源から発する中波長の紫外線を重畳させると、驚くべきことに上記塗膜欠陥を確実に防止することができることを発見した。波長が280nm以上でかつ320nm以下の紫外線の発生線源としてはすくなくとも280nm以上でかつ320nm以下の紫外線を発生するランプならいずれのタイプ、方法でもよく、例えばUV−Bランプ、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ等がある。上記の塗膜欠陥を無くすためには塗膜の厚み方向の硬化を調整することが必要と考えられる。紫外線による塗膜の硬化挙動は低圧水銀灯では塗膜の表面部のみを硬化しやすく、他方高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ等は塗膜の全厚(塗膜深層部分まで)を硬化させることが可能であるが、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ等は点灯のための消費電力がUV−Bランプに比較して多大である。そのため、波長が280nm以上でかつ320nm以下の紫外線の発生線源としてはUV−Bランプを使用することが特に好ましい。以下、これらすくなくとも波長が280nm以上でかつ320nm以下の紫外線発生線源の例としてUV−Bランプを用いて説明をすることとする。もちろん実施態様はこれらに限定されるものではない。UB−B由来の紫外線を低圧水銀灯由来の紫外線に重畳させることによって、低圧水銀灯由来の紫外線の照射が不充分で塗膜表面に薄い硬化部分が生じたとしても、この部分にもUV−B由来の紫外線が照射され、塗膜の表面以外の部分にも充分な硬化を行えるようになるためである。
すなわち、移動式紫外線照射装置においては、上記の低圧水銀灯である光源に加え、UV−Bである280nm以上でかつ320nm以下の第二の光源をさらに備えるように実現されてなるのが好ましい。これにより、高圧水銀灯のみを光源として用いた従来の紫外線照射装置と比較した上述の利点に加え、塗膜欠陥の発生を確実に防止できる紫外線照射装置を実現することが可能となる。
【0026】
図4は、本発明の好ましい第二の例の移動式紫外線照射装置21を簡略化して示す側面図であり、図5はその上面図である。なお図4および図5に示す例の移動式紫外線照射装置21においては、第二の光源部22をさらに設置した以外は図1〜図3に示した態様の移動式紫外線照射装置1と同様であり、同じ構成については同一の参照符を付し、説明を省略する。
図4および図5に示す紫外線照射装置21においては、光源部3の両側方、ならびに光源部の前方向端部において低圧水銀灯の上側もしくは前方に、UV−Bランプ23,24を配置する。UV−Bランプ24は進行方向前方のほか後方にも装着することも可能である。特にランプハウジングの4側端(前方端、後方端、両側端)にUV−Bランプを装着し、かつランプハウジングの前方、後方部方向と両側端部方向に電源部への装着機構を設けることにより必要に応じて照射幅の変更をすることが可能となり、さらに好ましい移動式照射装置を実現することが出来る(図示せず)。このようなUV−Bランプの配置で実現される第二の光源部を備える紫外線照射装置においては、上記塗膜の欠陥を確実に防止することができる。これら低圧水銀灯とUV−Bランプは同じランプハウジング(灯体)に配置することも、また各々個別のランプハウジング(灯体)として、連結することにより使用することも可能である。
【0027】
なお第二の光源部は、光源部3の両側方に配置されたUV−Bランプ23のみによって実現されてもよいし、低圧水銀灯9の上側もしくは前方に配置されたUV−Bランプ24のみによって実現されてもよい。ただし、図4および図5に示したようにその両方に配置されたUV−Bランプ23,24にて第二の光源部22が実現されると、上記の如き塗膜欠陥を確実に防止し得る効果に加え、紫外線照射装置による照射作業を途中で停止してそのまま後戻りする必要がある場合でも、光源部の前方向側のコーティング剤に低圧水銀灯のみによる紫外線照射だけでなくUV−Bランプ由来の紫外線を重畳し得、上記塗膜欠陥の発生を防止し得ることから、特に好ましい。
【0028】
ここで、UV−Bランプ由来の紫外線の重畳は、一般的にUV−B由来の照射エネルギーが低圧水銀灯由来の照射エネルギーに比較して塗膜を硬化させる能力が不十分等との理由により、低圧水銀灯由来の短波長の紫外線の照射時間と同一かあるいはそれ以上であることが好ましい。
【0029】
UV−Bランプを光源とする第二の光源部を備える場合、UV−Bランプの種類に特に制限はない。図4および図5には、たとえば、低圧水銀灯の上側にUV−Bランプ(FL15T8.UV−B 三共電気株式会社 製)を2本直列に配置し、かつ光源部の両側方にUV−Bランプ(FL15T8.UV−B 三共電気株式会社 製)を1本ずつ配置した例を示す。また光源部の両側方に配置されるUV−Bランプにて床面より100cmの高さより照射した床面における紫外線照射強度は、メーカーデータにより3.8μW/cm(306nm強度)である。なお、上記UV−Bランプは、一般の高圧水銀灯と比較して出力が弱く、これを両側方に配置して見かけ上、中波長紫外線源として用いることで消費電力を少なくすることができるという利点がある。
【0030】
本発明の移動式紫外線照射装置は、車輪が装着された電源部と、該電源部に電気的に接続され、電源部からの電気の供給によって紫外線を発する光源部を備え、該光源部の光源が低圧水銀灯であるならば、図1〜図3に示した例の構成に限定されるものではない。
たとえば、車輪が装着された電源部と、該電源部に電気的に接続され、電源部からの電気の供給によって紫外線を発する光源部を備え、該光源部が小型の低圧水銀灯であるような、所謂ハンディータイプの紫外線照射装置で実現されてもよい。このようなハンディータイプの紫外線照射では、電源部に車輪が装着されていることにより、作業者は、光源部と電源部とをつなぐ電気コードの長さに制約されず、電源部を引っ張りながら光源部を手に照射作業を進めることも可能となる。
【0031】
図6は、ハンディータイプとした場合の本発明における光源部31を簡略化して示す断面図である。ハンディータイプとする場合、光源(低圧水銀灯32、UV−Bランプ33)およびカバー体34は、上述したような態様のものと比較して、小さなものを用いる。カバー体34は、紫外線を通過させるための開口が形成されたのとは反対側に把持部35を有する。この把持部35を把持して、作業者は移動式紫外線照射装置のうち光源部31のみを手にもって照射作業を円滑に進めることができる。
なお図6に示した例においては、低圧水銀灯32の上側にUV−Bランプ33が配置されてなる。本発明においては、このように上述の低圧水銀灯とUV−Bランプとを併用した態様でハンディータイプに実現するのがよい。
【0032】
なお本発明の移動式紫外線照装置1により紫外線を照射して硬化させる紫外線硬化型コーティング剤としては、床材表面を保護し、美観を付与する目的で使用することができる塗膜材料であり、たとえば塗料、ポリッシュ、ワックス、表面処理剤などとして使用され得るものであって、上記の254nm近辺の波長の紫外線を強く吸収し、それにより硬化塗膜を形成し得るものであれば、特に限定はないが、たとえばウレタン(メタ)アクリレート樹脂を主成分とする光重合性樹脂および光重合開始剤を含む紫外線硬化型コーティング剤が好適なものとして挙げられる。
【0033】
ウレタン(メタ)アクリレート樹脂を主成分とする光重合性樹脂は光重合開始剤の存在下、200nm〜800nmの波長の光に感光することにより硬化する樹脂である。具体的なウレタン(メタ)アクリレート樹脂としては、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、1,4−ブタンジオール、およびネオペンチルグリコール、ポリカーボネートジオール、ポリカプロラクトンポリオール、ポリテトラメチレングリコール等のポリオール成分にアジピン酸等のカルボン酸をエステル化させてポリエステルポリオールとしたものと、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、メチレンビス(4−シクロヘキシルイソシアネート)等の有機ポリイソシアネート類と2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールモノ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートのイプシロン−カプロラクトン付加物、ペンタエスリトールトリ(メタ)アクリレート等の水酸基含有エチレン性不飽和化合物類を反応させたポリエステルウレタン(メタ)アクリレートや、前記ジオール成分に前記イソシアネートを反応させポリエーテルイソシアネートとし、これに前記のような水酸基含有エチレン性不飽和化合物類を反応させたポリエーテルウレタン(メタ)アクリレートを挙げることができる。
光重合開始剤としては、光を吸収してラジカルまたはカチオンを生じる物質であれば特に限定はないが、254nm近辺の波長の紫外線を強く吸収するものを用いるのが好ましい。このような光重合開始剤としては、例えば、ベンゾイル系(例えば、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、4’−イソプロピル−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノンなど)、ベンゾイン系(例えば、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、n−ブチルベンゾインエーテルなど)、ベンゾフェノン系(例えば、ベンゾフェノン、4,4’−ジクロロベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、3,3’,4,4’−テトラ(tert−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3’−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノンなど)、アントラキノン類(例えば、アントラキノン、2−エチルアントラキノン、アルファ−クロロアントラキノン、2−tert−ブチルアントラキノンなど)、安息香酸エステル系(例えば、o−ベンゾイル安息香酸メチル、p−ジメチルアミノ安息香酸メチルなど)、ケタール系(例えば、ベンジルジメチルケタール、アセトフェノンジエチルケタールなど)などが挙げられる。また254nm近辺の波長の紫外線を強く吸収する従来公知の光増感剤と組み合わせてもよい。
上記光重合性樹脂および光重合開始剤を含む紫外線硬化型コーティング剤には、さらに従来公知の反応性希釈剤やその他の添加物(たとえば、着色剤、顔料、艶消し剤、消泡剤、脱泡剤、湿潤剤、レベリング剤、帯電防止剤、粘度調整剤、貯蔵安定剤、抗菌剤、防腐剤、滑り止め剤、塗膜ひび割れ防止剤、密着促進剤、分散剤、界面活性剤、体質顔料、離型剤、シランカップリング剤、安定剤、難燃剤など)が配合されていてもよい。
【0034】
該紫外線硬化型コーティング剤は、本発明の移動式紫外線照射装置による紫外線の照射で、75ミクロン未満の厚みの硬化塗膜を形成するように床面に塗布されるのが好ましい。硬化塗膜の厚みが75ミクロン以上である場合、充分に硬化させようとすると紫外線照射装置の移動時間がかかり過ぎてしまい作業性が悪い、前記コーティング剤の硬化収縮によって硬化塗膜を形成した床面が反りやすい、割れやすいなどの不具合があるため好ましくない。
【0035】
本発明の移動式紫外線照射装置にて紫外線を照射する紫外線硬化型コーティング剤を塗布する床材としては、プラスチック、木材、石材、セラミック、プラスチック、金属など特に限定はない。本発明の移動式紫外線照射装置を用いることで、塩化ビニル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂などの耐熱性の低い樹脂製の床材であっても、床面が焦げたり、床材が熱変形したりしてしまうことなく、コーティングを施すことができる。
【0036】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。本例では、各種光硬化型オリゴマーを用いて被覆組成物を調製し、これをコンポション系塩化ビニル床タイル(東リ株式会社製、マチコV)に15ミクロンの乾膜塗布厚になるように塗布した後、1時間室温に放置した。その後、本発明による照射装置を使用して照射テストを実施した。照射後、塗膜の硬化時の欠陥であるコウラ、チヂミ、ツヤビケや硬化後の塗膜の光沢保持性能や耐汚染性能を評価した。以下の、実施例および比較例において、「部」とは、特にその趣旨に反しない限り「重量部」のことである。
【0037】
処方 A
6官能ウレタンアクリレートオリゴマー(ダイセル・ユーシービー株式会社製:エベクリル1290)80部、モノマーとして、アクリロイルモルホリン(株式会社興人:ACMO)20部、光開始剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社製:ダロキュア1173)3部を攪拌機で混合し、添加剤を加え、均一にして紫外線硬化型コーティング剤である被覆組成物を得た。
処方 B
9官能ウレタンアクリレートオリゴマー(新中村化学工業株式会社製:UA9120)70部、モノマーとして、ノニルフェノールEO変成アクリレート(東亞合成株式会社:アロニックスM111)30部、光開始剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社製:ダロキュア1173)3部を攪拌機で混合し、添加剤を加え、均一にして紫外線硬化型コーティング剤である被覆組成物を得た。
処方 C
6官能水性エマルション型ウレタンアクリレートオリゴマー(荒川化学工業株式会社製:ビームセットEM−90)100部、光開始剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社製:ダロキュア1173)2部を攪拌機で混合し、添加剤を加え、均一にして紫外線硬化型コーティング剤である被覆組成物を得た。
処方 D
4官能ポリエステルアクリレートオリゴマー(ダイセル・ユーシービー株式会社製:エベクリル80)80部、酢酸ブチル20部、光開始剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社製:ダロキュア1173)3部を攪拌機で混合し、添加剤を加え、均一にして紫外線硬化型コーティング剤である被覆組成物を得た。
処方 E
3官能ウレタンアクリレートオリゴマー(大日本インキ化学工業株式会社製:ユニディックV−4260)100部、光開始剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社製:ダロキュア1173)3部を攪拌機で混合し、添加剤を加え、均一にして紫外線硬化型コーティング剤である被覆組成物を得た。
処方 F
3官能ウレタンアクリレートオリゴマー(大日本インキ化学工業株式会社製:ユニディックV−4260)80部、モノマーとして、アクリロイルモルホリン(株式会社興人:ACMO)20部、光開始剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社製:ダロキュア1173)3部を攪拌機で混合し、添加剤を加え、均一にして紫外線硬化型コーティング剤である被覆組成物を得た。
処方 G
3.5官能水性エマルション型ウレタンアクリレートオリゴマー(BASF社製:ラロマーPW55W)100部、光開始剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社製:ダロキュア1173)2部を攪拌機で混合し、添加剤を加え、均一にして紫外線硬化型コーティング剤である被覆組成物を得た。
照射装置  W
株式会社アイグラフィックス社製 W100 UV照射装置
この装置には床面までの照射距離は10cmであり、使用している低圧水銀灯は株式会社アイグラフィックス社製 QGL100−2Xである。
照射装置  WBLB
上記照射装置 W の側端外側3cm、床面までの照射距離が5cmとなるような位置に株式会社東芝製のBLBランプ(FL15BLB)を装着した照射装置。
照射装置  WUVB
上記照射装置 W の側端外側3cm、床面までの照射距離が5cmとなるような位置に三共電気株式会社製のUV−Bランプ(FL15T8.UV−B)を装着した照射装置。
【0038】
紫外線の照射条件 A
上記の各々の照射装置を点灯後、紫外線出力が安定した15分後、各々の塗布処方を前述の床タイルに温度25℃、湿度65%の環境下で塗布、乾燥して、温度25℃、湿度65%の環境下にて照射装置の灯体端部の中央部分より挿入して床面上に静置して10秒間照射した。
紫外線の照射条件 B
上記の各々の照射装置を点灯後、紫外線出力が安定した15分後、各々の塗布処方を前述の床タイルに温度25℃、湿度83%の環境下で塗布、乾燥して、温度25℃、湿度83%の環境下にて照射装置の灯体端部の中央部分より挿入して床面上に静置して10秒間照射した。
【0039】
硬化後の塗膜欠陥の評価方法
照射後、30分放置してW100灯体外側の低圧水銀灯のもれ照射部0cmから5cmに発生するコウラ、チヂミ、ツヤビケの有無を目視で観察する。
○:コウラ、チヂミ、ツヤビケのいずれも全く発生していない。
×:コウラ、チヂミ、ツヤビケのいずれかが発生している。
【0040】
光沢保持性能の評価方法
実施例1〜14および比較例1〜28で得られた塗膜の光沢保持性能は、以下の方法により評価した。当該塗膜表面上に珪砂8号を介して1200g/cmの金属塊をのせ、この金属塊を40回往復させる試験を行い、試験前後の光沢変化を目視判断した。得られた結果を表1〜表6に示す。
○:ほとんど光沢変化が認められない。
×:はっきりした光沢変化が認められる。
【0041】
耐汚染性能の評価方法
実施例1〜14および比較例1〜28で得られた塗膜の耐汚染性能は、水性赤インク(パイロットインキ;(株)パイロット製)、および油性黒インク(油性マジックインキNo.500)を用いて、以下の方法により評価した。当該表面に上記汚染物質をそれぞれ付着させ、該当部を時計皿で覆い、室温で3時間放置した。次に、時計皿を除いて該当部を水道水で洗浄し、さらに油性黒インクを付着させた場合には石油ベンジンを染み込ませたウエスでふき取った後、耐汚染性能を次の基準に従い評価した。得られた結果を表1〜表6に示す。
○:ほとんど痕跡が認められない。
×:はっきりと痕跡が認められる。
【0042】
実施例、比較例のテスト条件、結果については表1−表6にしめす。
【0043】
【表1】
Figure 2004081934
【表2】
Figure 2004081934
【表3】
Figure 2004081934
【表4】
Figure 2004081934
【表5】
Figure 2004081934
【表6】
Figure 2004081934
【発明の効果】
以上の説明で明らかなように、本発明によれば、従来よりも小さな入力電力で、作業性および安全性を向上でき、さらには小型化、軽量化が可能で塗膜硬化時の欠陥の無い紫外線照射装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好ましい第一の例の移動式紫外線照射装置1を簡略化して示す側面図である。
【図2】図1に示す移動式紫外線照射装置1の上面図である。
【図3】紫外線を照射しない状態の一例の移動式紫外線照射装置1を簡略化して示す側面図である。
【図4】本発明の好ましい第二の例の移動式紫外線照射装置21を簡略化して示す側面図である。
【図5】図4に示す移動式紫外線照射装置21の上面図である。
【図6】ハンディータイプとした場合の本発明における光源部31を簡略化して示す断
面図である。
【符号の説明】
1    移動式紫外線照射装置
2    電源部
3    光源部

Claims (5)

  1. 床面に塗布した紫外線硬化型コーティング剤に紫外線を照射して、該紫外線硬化型コーティング剤を硬化させるために電源部と、該電源部に電気的に接続され、電源部からの電気の供給によって紫外線を発する光源部とを備え、該光源部の光源が低圧水銀灯とすくなくとも波長が280nm以上320nm以下であるエネルギー線を放射する第二の光源をさらに備えたことを特徴とする紫外線照射装置。
  2. 床面に塗布した紫外線硬化型コーティング剤に紫外線を照射して、該紫外線硬化型コーティング剤を硬化させるために車輪が装着された電源部と、該電源部に電気的に接続され、電源部からの電気の供給によって紫外線を発する光源部とを備え、光源部の光源が低圧水銀灯とすくなくとも波長が280nm以上320nm以下であるエネルギー線を放射する第二の光源をさらに備えたことを特徴とする移動式紫外線照射装置。
  3. すくなくとも波長が280nm以上320nm以下であるエネルギー線を放射する第二の光源部が、第一光源部の片側もしくは両側に配置されたことを特徴とする請求項2に記載の移動式紫外線照射装置。
  4. すくなくとも波長が280nm以上320nm以下であるエネルギー線を放射する第二の光源部が、第一光源部の前方向端部もしくは後方端部(手前)もしくは前方向端部と後方端部(手前)に配置されてなるものである請求項2、3に記載の移動式紫外線照射装置。
  5. 請求項2,3,4において第二の光源がUV−Bランプであることを特徴とする移動式紫外線照射装置。
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