JP2004081687A - スロープ浴槽用入浴装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】スロープ浴槽での介護入浴作業において、スロープの昇降を容易にし介助者への負担を軽減することのできるスロープ浴槽用入浴装置を提供すること。
【解決手段】スロープ浴槽のスロープに設けられている昇降補助装置200と、この昇降補助装置200と連結可能な入浴用車椅子100とからなり、スロープの昇降時には、入浴用車椅子100を昇降補助装置200に連結し、人力によらずに昇降補助装置200の機械的な駆動力によりスロープを昇降可能にした。
【選択図】 図1
【解決手段】スロープ浴槽のスロープに設けられている昇降補助装置200と、この昇降補助装置200と連結可能な入浴用車椅子100とからなり、スロープの昇降時には、入浴用車椅子100を昇降補助装置200に連結し、人力によらずに昇降補助装置200の機械的な駆動力によりスロープを昇降可能にした。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、老人ホームや障害者施設に設置されている介護入浴用のスロープ浴槽に、高齢者や障害者等の要介護者を介護入浴させる際に使用するスロープ浴槽用入浴装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
老人ホームや障害者施設には、車椅子対応の介護入浴施設としてスロープ浴槽が設置されている。このスロープ浴槽には、要介護者(入浴者)が乗った車椅子を浴槽の中に運び入れるための通路として緩やかなスロープが設けられており、浴槽への介護入浴作業は以下の手順で行われる。
【0003】
▲1▼入浴者を入浴用車椅子に乗せて、後ろ向きにスロープを降りる。
【0004】
▲2▼浴槽で、入浴者を入浴用車椅子から降ろして、お湯につからせる。
【0005】
▲3▼入浴者を入浴用車椅子に乗せて、スロープを昇る。
【0006】
▲4▼入浴者を入浴用車椅子から降ろす。
【0007】
このような介護入浴作業において、上記▲2▼の作業では入浴者がバランスを崩して浴槽内で溺れてしまう危険性がある。そこで、浴槽で入浴者を降ろすことなく乗せたままで入浴を可能にするための入浴装置として、入浴者が着座する座面を昇降可能とし、スロープの昇り降り時には座面を上昇させ、浴槽内での入浴時には座面を下降させるようにした入浴用車椅子が、特開平7−204246号公報に提案されている。
【0008】
しかし、この提案された入浴用車椅子は、座面の昇降機構が複雑であることから価格が高くあまり普及していない。また、介護入浴作業において、上記▲1▼,▲3▼のスロープの昇降作業は、通常2名の介助者で実施されているが、介助者への負担は大きく、安全面でも改善が必要である。最近では体重の重い人も増加しており介助者への負担は増大している。この問題は、上記の特開平7−204246号公報において提案されているものでは全く未解決のままである。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明が解決しようとする課題は、スロープ浴槽での介護入浴作業において、スロープの昇降を容易にし介助者への負担を軽減することのできるスロープ浴槽用入浴装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明のスロープ浴槽用入浴装置は、スロープ浴槽のスロープに設けられている昇降補助装置と、この昇降補助装置と連結可能な入浴用車椅子とからなるもので、スロープの昇降時には、入浴用車椅子を昇降補助装置に連結し、人力によらずに昇降補助装置の機械的な駆動力によりスロープを昇降可能にしたものである。
【0011】
本発明における入浴用車椅子は、昇降補助装置の受けアダプタに着脱可能な可動の爪機構からなる連結部を有し、爪機構はハンドルのレバーの操作によって動作させるようにすることができる。また、入浴用車椅子に入浴者が着座する座面と連続してレッグレストを設け、レッグレストは、使用時には座面の前方に繰り出し可能で、不使用時には座面の下方に収納可能であり、両側部に入浴者の脚の落下を防止するためのストッパを有するものとすることができる。さらに、入浴用車椅子の座面を形成する座面フレームを本体フレームの昇降ガイドに沿って昇降可能とし、昇降ガイドは後方に向けて傾斜させ、座面フレームは上昇するに連れて後方に傾斜するようにすることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、添付図に示す実施例によって本発明の実施の形態を説明する。
【0013】
図1は、本発明のスロープ浴槽用入浴装置の概要を示す斜視図である。本発明のスロープ浴槽用入浴装置は、スロープ浴槽のスロープに設けた昇降補助装置200と、この昇降補助装置200と連結可能な入浴用車椅子100とからなる。
【0014】
図2は入浴用車椅子100の概要を示し、(a)は平面図、(b)は側面図である。入浴用車椅子100は、座面フレーム1と、この座面フレーム1を昇降可能に支持する本体フレーム2とからなる。図2では、座面フレーム1に装着される座面シートは省略している。
【0015】
座面フレーム1には座面11が形成されており、その先端には入浴者の脚を保持するためのレッグレスト12がヒンジ13を介して接続されている。このヒンジ13によって、レッグレスト12は、使用時には座面11の前方に繰り出し可能、かつ不使用時には座面11の下方に収納可能とされている。レッグレスト12の両側部には、入浴者の脚が横にずれ出さないように位置決めするためのストッパ121,121が設けられている。座面フレーム1の背もたれ部となる部分には、2つのローラからなるローラ対14が上下左右の4箇所に設けられ、各ローラ対14のローラ間に本体フレーム2の昇降ガイド21が挟持されている。これによって、座面フレーム1が昇降ガイド21に沿って昇降可能となっている。ここで、昇降ガイド21は後方に向けて傾斜させているので、座面フレーム1は昇降ガイド2に沿って上昇するに連れて後方に傾斜するようになる。これによって、座面フレーム1を上昇させたときに入浴者が安定して座面11に着座でき、入浴者に安心感を与えることができる。座面フレーム1の昇降操作は、座面フレーム1の背もたれ部となる部分の中段付近に設けられている操作フレーム15を介助者が握って手動で行う。座面フレーム1と本体フレーム2との間にはガスダンパー3を設け、昇降時の操作荷重を軽減するようにしている。
【0016】
図3は、ガスダンパー3の概略構成図である。ガスダンパー3は、内部にガスが充填されたピストン付きシリンダであり、シリンダ31の両端にあるガス出口32,32間をパイプ33で接続し、このパイプ33の途中にストッパバルブ34が設けられている。ストッパバルブ34は、図2に示す本体フレーム2の上端に設けられているハンドル22の一方のレバー221と接続されたワイヤ35をレバー221にて操作することによって開閉される。ストッパバルブ34を開にしたときにガスダンパー3のシャフト36が移動可能となり、図2に示す座面フレーム1を昇降させることができる。ストッパバルブ34を閉にしたときにはシャフト36が移動不能となるので、座面フレーム1を所定の高さ位置に固定することができる。
【0017】
図2に戻って、本体フレーム2の最下部には、前後に各一対の車輪23,24が設けられ、前側の車輪23,23の間には、図1に示すスロープ浴槽のスロープの昇降補助装置200の連結体210と連結させるための連結部4が設けられている。
【0018】
図4は、昇降補助装置200を示し、(a)は平面図、(b)は側面図である。昇降補助装置200は、連結体210と、連結体210をフレーム220に沿って移動させるためのモータ230を主要な構成としている。連結体210の長さは約300mmである。
【0019】
モータ230の回転駆動力はギヤボックス240で減速され、ベルト250にて駆動側スプロケット260に伝達される。駆動側スプロケット260と反対側スプロケット270との間には、上下2本のチェーン280,280が掛けられている。チェーン280,280はフレーム220内を走行する。また、連結部210は、2本のチェーン280,280に連結されており、モータ230を駆動することにより、チェーン280,280が動き、これに伴って連結部210がフレーム220に沿って移動する。このときの移動をスムーズにするために、フレーム220の外には棒状のガイドレール290,290が上下に2本設けられている。そして、連結部210のプーリー(図示せず)を上下2本のガイドレール290,290間に位置させるようにし、上下2本のガイドレール290,290に沿って、連結部210のプーリー(図示せず)が動くようにしている。連結体210の先端には、前述の入浴用車椅子100の座面フレーム1に設けられた連結部4と着脱可能な受けアダプタ211が設けられている。
【0020】
昇降補助装置としては直線移動の場合、上記実施例のようなチェーン駆動方式+ガイドレールのほかに、スクリューシャフト・ナット方式やラックピニオン方式のスライドレールなどが考えられるが、これらのものは高コストとなるので、コスト低減の点からは上記実施例のチェーン駆動方式+ガイドレールが好ましい。また、スロープ浴槽側のニーズとして、スロープを直線ではなく、スペース効率を考慮して曲線とすることがあるが、曲線スロープに対応するには、上記実施例において、チェーンを自由自在に曲げることができるカーブドチェーンとし、ガードレールを曲線スロープに合わせた曲線状のガードレールとすればよい。
【0021】
図5は、昇降補助装置200側の受けアダプタ211と、入浴用車椅子100側の連結部4を示す断面図である。図5(a)に示すように、昇降補助装置200側の受けアダプタ211は一面が開放した筒状体であり、その筒状体の両側面には、入浴用車椅子100側の連結部4の係合爪41,41を受け入れ係合させるため係合孔212,212が設けられている。一方、入浴用車椅子100側の連結部4は、図5(b)に示すように係合爪41,41からなる爪機構であり、係合爪41,41をリンク42によって可動としている。リンク42には操作棒43が接続されており、操作棒43には、一端をハウジング45に固定したスプリング44が装着されている。スプリング44によって操作棒43は、リンク42を介して係合爪41,41をハウジング45から突出させる方向(図において左方向)に常時付勢されている。また、操作棒43は、図2に示すハンドル22の他方のレバー221とワイヤ(図示せず)にて接続されており、このレバー221を操作することによってワイヤを介して操作棒43を、係合爪41,41がハウジング45内に収まる方向(図において右方向)に動かすことができる。このような機構において、連結部4を受けアダプタ211の開放面側から挿入すると、連結部4の係合爪41,41が一旦ハウジング45内に収まるように動き、その後、係合爪41,41が受けアダプタ211の係合孔212,212まで達すると、スプリング44による付勢力によって係合爪41,41が再び突出して係合孔212,212と係合し、連結部4と受けアダプタ211とが連結される。連結部4と受けアダプタ211との連結を解除するときには、前述のように、レバー221を操作することによって係合爪41,41をハウジング45内に収めるように動かし、そのまま連結部4を受けアダプタ211から引き抜けばよい。
【0022】
次に、本発明のスロープ浴槽用入浴装置の使用方法を図6を参照して説明する。図6では、入浴用車椅子100の座面フレーム1に装着される座面シートは省略している。図6(a)は、座面フレーム1を上限まで上昇させ、レッグレスト12を座面11の下方に収納した状態を示し、この状態で入浴者を入浴用車椅子100に乗せる。次に図6(b)に示すように、レッグレスト12を座面11の前方に繰り出して入浴者の脚を支持できるようにする。そして、図5で説明したように昇降補助装置200側の受けアダプタ211と入浴用車椅子100側の連結部4とを連結し、図1に示すようにスロープ浴槽のスロープを昇降補助装置200の駆動力によって降りる。このとき介助者は1名のみで充分であり、介助者への体力的な負担は殆どない。スロープ浴槽のスロープを降り終わったら、昇降補助装置200側の受けアダプタ211と入浴用車椅子100側の連結部4との連結を解除し、その後、図6(c)に示すように座面フレーム1を下降させて入浴者を浴槽のお湯につからせる。入浴が終わったら、座面フレーム1を上昇させて図6(b)の状態とし、先と同じ要領でスロープを昇降補助装置200の駆動力によって昇る。そして、図6(a)の状態として入浴者を入浴用車椅子から降ろす。
【0023】
【発明の効果】
本発明によって以下の効果を奏する。
【0024】
1. スロープ浴槽のスロープの昇降を昇降補助装置による機械的な駆動力によって行うことができ、従来2名必要だった介助者が1名で済み、しかもスロープ昇降時の介助者への負担が大幅に軽減され、安全性も向上する。
【0025】
2. 入浴用車椅子の連結部を昇降補助装置の受けアダプタに着脱可能な可動の爪機構とし、この爪機構をハンドルのレバーの操作によって動作させるようにしているので、介助者が連結部に直接手をのばして連結を解除する必要がなく、介助者の負担が軽減される。
【0026】
3. 入浴用車椅子のレッグレストを使用時には座面の前方に繰り出し可能で、不使用時には座面の下方に収納可能としているので、入浴者の乗り降り時には座面の下方に収納でき、乗り降りを容易かつ安全に行うことができる。スロープ昇降時等の移動時には、レッグレストを座面の前方に繰り出して使用すれば、入浴者の脚が床面等に着いて怪我することが防止できる。また、レッグレストの両側部にストッパを設けているので入浴者の脚がレッグレストから落ちることも防止できる。
【0027】
4. 入浴用車椅子の座面を形成する座面フレームを本体フレームの昇降ガイドに沿って昇降可能とし、昇降ガイドを後方に向けて傾斜させ、座面フレームが上昇するに連れて後方に傾斜するようにしているので、座面フレームを上昇させたときには、入浴者の体が確実に保持され、安心感を与えることができるとともに安全性も向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のスロープ浴槽用入浴装置の概要を示す斜視図である
【図2】入浴用車椅子の概要を示し、(a)は平面図、(b)は側面図である。
【図3】ガスダンパーの概略構成図である。
【図4】昇降補助装置を示し、(a)は平面図、(b)は側面図である。
【図5】昇降補助装置側の受けアダプタと、入浴用車椅子側の連結部を示す断面図である。
【図6】入浴用車椅子の使用形態を示す側面図である。
【符号の説明】
100 入浴用車椅子
1 座面フレーム
11 座面
12 レッグレスト
121 ストッパ
13 ヒンジ
14 ローラ対
15 操作フレーム
2 本体フレーム
21 昇降ガイド
22 ハンドル
221 レバー
23,24 車輪
3 ガスダンパー
31 シリンダ
32 ガス出口
33 パイプ
34 ストッパバルブ
35 ワイヤ
36 シャフト
4 連結部
41 係合爪
42 リンク
43 操作棒
44 スプリング
45 ハウジング
200 昇降補助装置
210 連結体
211 受けアダプタ
212 係合孔
220 フレーム
230 モータ
240 ギヤボックス
250 ベルト
260 駆動側スプロケット
270 反対側スプロケット
280 チェーン
290 ガイドレール
【発明の属する技術分野】
本発明は、老人ホームや障害者施設に設置されている介護入浴用のスロープ浴槽に、高齢者や障害者等の要介護者を介護入浴させる際に使用するスロープ浴槽用入浴装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
老人ホームや障害者施設には、車椅子対応の介護入浴施設としてスロープ浴槽が設置されている。このスロープ浴槽には、要介護者(入浴者)が乗った車椅子を浴槽の中に運び入れるための通路として緩やかなスロープが設けられており、浴槽への介護入浴作業は以下の手順で行われる。
【0003】
▲1▼入浴者を入浴用車椅子に乗せて、後ろ向きにスロープを降りる。
【0004】
▲2▼浴槽で、入浴者を入浴用車椅子から降ろして、お湯につからせる。
【0005】
▲3▼入浴者を入浴用車椅子に乗せて、スロープを昇る。
【0006】
▲4▼入浴者を入浴用車椅子から降ろす。
【0007】
このような介護入浴作業において、上記▲2▼の作業では入浴者がバランスを崩して浴槽内で溺れてしまう危険性がある。そこで、浴槽で入浴者を降ろすことなく乗せたままで入浴を可能にするための入浴装置として、入浴者が着座する座面を昇降可能とし、スロープの昇り降り時には座面を上昇させ、浴槽内での入浴時には座面を下降させるようにした入浴用車椅子が、特開平7−204246号公報に提案されている。
【0008】
しかし、この提案された入浴用車椅子は、座面の昇降機構が複雑であることから価格が高くあまり普及していない。また、介護入浴作業において、上記▲1▼,▲3▼のスロープの昇降作業は、通常2名の介助者で実施されているが、介助者への負担は大きく、安全面でも改善が必要である。最近では体重の重い人も増加しており介助者への負担は増大している。この問題は、上記の特開平7−204246号公報において提案されているものでは全く未解決のままである。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明が解決しようとする課題は、スロープ浴槽での介護入浴作業において、スロープの昇降を容易にし介助者への負担を軽減することのできるスロープ浴槽用入浴装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明のスロープ浴槽用入浴装置は、スロープ浴槽のスロープに設けられている昇降補助装置と、この昇降補助装置と連結可能な入浴用車椅子とからなるもので、スロープの昇降時には、入浴用車椅子を昇降補助装置に連結し、人力によらずに昇降補助装置の機械的な駆動力によりスロープを昇降可能にしたものである。
【0011】
本発明における入浴用車椅子は、昇降補助装置の受けアダプタに着脱可能な可動の爪機構からなる連結部を有し、爪機構はハンドルのレバーの操作によって動作させるようにすることができる。また、入浴用車椅子に入浴者が着座する座面と連続してレッグレストを設け、レッグレストは、使用時には座面の前方に繰り出し可能で、不使用時には座面の下方に収納可能であり、両側部に入浴者の脚の落下を防止するためのストッパを有するものとすることができる。さらに、入浴用車椅子の座面を形成する座面フレームを本体フレームの昇降ガイドに沿って昇降可能とし、昇降ガイドは後方に向けて傾斜させ、座面フレームは上昇するに連れて後方に傾斜するようにすることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、添付図に示す実施例によって本発明の実施の形態を説明する。
【0013】
図1は、本発明のスロープ浴槽用入浴装置の概要を示す斜視図である。本発明のスロープ浴槽用入浴装置は、スロープ浴槽のスロープに設けた昇降補助装置200と、この昇降補助装置200と連結可能な入浴用車椅子100とからなる。
【0014】
図2は入浴用車椅子100の概要を示し、(a)は平面図、(b)は側面図である。入浴用車椅子100は、座面フレーム1と、この座面フレーム1を昇降可能に支持する本体フレーム2とからなる。図2では、座面フレーム1に装着される座面シートは省略している。
【0015】
座面フレーム1には座面11が形成されており、その先端には入浴者の脚を保持するためのレッグレスト12がヒンジ13を介して接続されている。このヒンジ13によって、レッグレスト12は、使用時には座面11の前方に繰り出し可能、かつ不使用時には座面11の下方に収納可能とされている。レッグレスト12の両側部には、入浴者の脚が横にずれ出さないように位置決めするためのストッパ121,121が設けられている。座面フレーム1の背もたれ部となる部分には、2つのローラからなるローラ対14が上下左右の4箇所に設けられ、各ローラ対14のローラ間に本体フレーム2の昇降ガイド21が挟持されている。これによって、座面フレーム1が昇降ガイド21に沿って昇降可能となっている。ここで、昇降ガイド21は後方に向けて傾斜させているので、座面フレーム1は昇降ガイド2に沿って上昇するに連れて後方に傾斜するようになる。これによって、座面フレーム1を上昇させたときに入浴者が安定して座面11に着座でき、入浴者に安心感を与えることができる。座面フレーム1の昇降操作は、座面フレーム1の背もたれ部となる部分の中段付近に設けられている操作フレーム15を介助者が握って手動で行う。座面フレーム1と本体フレーム2との間にはガスダンパー3を設け、昇降時の操作荷重を軽減するようにしている。
【0016】
図3は、ガスダンパー3の概略構成図である。ガスダンパー3は、内部にガスが充填されたピストン付きシリンダであり、シリンダ31の両端にあるガス出口32,32間をパイプ33で接続し、このパイプ33の途中にストッパバルブ34が設けられている。ストッパバルブ34は、図2に示す本体フレーム2の上端に設けられているハンドル22の一方のレバー221と接続されたワイヤ35をレバー221にて操作することによって開閉される。ストッパバルブ34を開にしたときにガスダンパー3のシャフト36が移動可能となり、図2に示す座面フレーム1を昇降させることができる。ストッパバルブ34を閉にしたときにはシャフト36が移動不能となるので、座面フレーム1を所定の高さ位置に固定することができる。
【0017】
図2に戻って、本体フレーム2の最下部には、前後に各一対の車輪23,24が設けられ、前側の車輪23,23の間には、図1に示すスロープ浴槽のスロープの昇降補助装置200の連結体210と連結させるための連結部4が設けられている。
【0018】
図4は、昇降補助装置200を示し、(a)は平面図、(b)は側面図である。昇降補助装置200は、連結体210と、連結体210をフレーム220に沿って移動させるためのモータ230を主要な構成としている。連結体210の長さは約300mmである。
【0019】
モータ230の回転駆動力はギヤボックス240で減速され、ベルト250にて駆動側スプロケット260に伝達される。駆動側スプロケット260と反対側スプロケット270との間には、上下2本のチェーン280,280が掛けられている。チェーン280,280はフレーム220内を走行する。また、連結部210は、2本のチェーン280,280に連結されており、モータ230を駆動することにより、チェーン280,280が動き、これに伴って連結部210がフレーム220に沿って移動する。このときの移動をスムーズにするために、フレーム220の外には棒状のガイドレール290,290が上下に2本設けられている。そして、連結部210のプーリー(図示せず)を上下2本のガイドレール290,290間に位置させるようにし、上下2本のガイドレール290,290に沿って、連結部210のプーリー(図示せず)が動くようにしている。連結体210の先端には、前述の入浴用車椅子100の座面フレーム1に設けられた連結部4と着脱可能な受けアダプタ211が設けられている。
【0020】
昇降補助装置としては直線移動の場合、上記実施例のようなチェーン駆動方式+ガイドレールのほかに、スクリューシャフト・ナット方式やラックピニオン方式のスライドレールなどが考えられるが、これらのものは高コストとなるので、コスト低減の点からは上記実施例のチェーン駆動方式+ガイドレールが好ましい。また、スロープ浴槽側のニーズとして、スロープを直線ではなく、スペース効率を考慮して曲線とすることがあるが、曲線スロープに対応するには、上記実施例において、チェーンを自由自在に曲げることができるカーブドチェーンとし、ガードレールを曲線スロープに合わせた曲線状のガードレールとすればよい。
【0021】
図5は、昇降補助装置200側の受けアダプタ211と、入浴用車椅子100側の連結部4を示す断面図である。図5(a)に示すように、昇降補助装置200側の受けアダプタ211は一面が開放した筒状体であり、その筒状体の両側面には、入浴用車椅子100側の連結部4の係合爪41,41を受け入れ係合させるため係合孔212,212が設けられている。一方、入浴用車椅子100側の連結部4は、図5(b)に示すように係合爪41,41からなる爪機構であり、係合爪41,41をリンク42によって可動としている。リンク42には操作棒43が接続されており、操作棒43には、一端をハウジング45に固定したスプリング44が装着されている。スプリング44によって操作棒43は、リンク42を介して係合爪41,41をハウジング45から突出させる方向(図において左方向)に常時付勢されている。また、操作棒43は、図2に示すハンドル22の他方のレバー221とワイヤ(図示せず)にて接続されており、このレバー221を操作することによってワイヤを介して操作棒43を、係合爪41,41がハウジング45内に収まる方向(図において右方向)に動かすことができる。このような機構において、連結部4を受けアダプタ211の開放面側から挿入すると、連結部4の係合爪41,41が一旦ハウジング45内に収まるように動き、その後、係合爪41,41が受けアダプタ211の係合孔212,212まで達すると、スプリング44による付勢力によって係合爪41,41が再び突出して係合孔212,212と係合し、連結部4と受けアダプタ211とが連結される。連結部4と受けアダプタ211との連結を解除するときには、前述のように、レバー221を操作することによって係合爪41,41をハウジング45内に収めるように動かし、そのまま連結部4を受けアダプタ211から引き抜けばよい。
【0022】
次に、本発明のスロープ浴槽用入浴装置の使用方法を図6を参照して説明する。図6では、入浴用車椅子100の座面フレーム1に装着される座面シートは省略している。図6(a)は、座面フレーム1を上限まで上昇させ、レッグレスト12を座面11の下方に収納した状態を示し、この状態で入浴者を入浴用車椅子100に乗せる。次に図6(b)に示すように、レッグレスト12を座面11の前方に繰り出して入浴者の脚を支持できるようにする。そして、図5で説明したように昇降補助装置200側の受けアダプタ211と入浴用車椅子100側の連結部4とを連結し、図1に示すようにスロープ浴槽のスロープを昇降補助装置200の駆動力によって降りる。このとき介助者は1名のみで充分であり、介助者への体力的な負担は殆どない。スロープ浴槽のスロープを降り終わったら、昇降補助装置200側の受けアダプタ211と入浴用車椅子100側の連結部4との連結を解除し、その後、図6(c)に示すように座面フレーム1を下降させて入浴者を浴槽のお湯につからせる。入浴が終わったら、座面フレーム1を上昇させて図6(b)の状態とし、先と同じ要領でスロープを昇降補助装置200の駆動力によって昇る。そして、図6(a)の状態として入浴者を入浴用車椅子から降ろす。
【0023】
【発明の効果】
本発明によって以下の効果を奏する。
【0024】
1. スロープ浴槽のスロープの昇降を昇降補助装置による機械的な駆動力によって行うことができ、従来2名必要だった介助者が1名で済み、しかもスロープ昇降時の介助者への負担が大幅に軽減され、安全性も向上する。
【0025】
2. 入浴用車椅子の連結部を昇降補助装置の受けアダプタに着脱可能な可動の爪機構とし、この爪機構をハンドルのレバーの操作によって動作させるようにしているので、介助者が連結部に直接手をのばして連結を解除する必要がなく、介助者の負担が軽減される。
【0026】
3. 入浴用車椅子のレッグレストを使用時には座面の前方に繰り出し可能で、不使用時には座面の下方に収納可能としているので、入浴者の乗り降り時には座面の下方に収納でき、乗り降りを容易かつ安全に行うことができる。スロープ昇降時等の移動時には、レッグレストを座面の前方に繰り出して使用すれば、入浴者の脚が床面等に着いて怪我することが防止できる。また、レッグレストの両側部にストッパを設けているので入浴者の脚がレッグレストから落ちることも防止できる。
【0027】
4. 入浴用車椅子の座面を形成する座面フレームを本体フレームの昇降ガイドに沿って昇降可能とし、昇降ガイドを後方に向けて傾斜させ、座面フレームが上昇するに連れて後方に傾斜するようにしているので、座面フレームを上昇させたときには、入浴者の体が確実に保持され、安心感を与えることができるとともに安全性も向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のスロープ浴槽用入浴装置の概要を示す斜視図である
【図2】入浴用車椅子の概要を示し、(a)は平面図、(b)は側面図である。
【図3】ガスダンパーの概略構成図である。
【図4】昇降補助装置を示し、(a)は平面図、(b)は側面図である。
【図5】昇降補助装置側の受けアダプタと、入浴用車椅子側の連結部を示す断面図である。
【図6】入浴用車椅子の使用形態を示す側面図である。
【符号の説明】
100 入浴用車椅子
1 座面フレーム
11 座面
12 レッグレスト
121 ストッパ
13 ヒンジ
14 ローラ対
15 操作フレーム
2 本体フレーム
21 昇降ガイド
22 ハンドル
221 レバー
23,24 車輪
3 ガスダンパー
31 シリンダ
32 ガス出口
33 パイプ
34 ストッパバルブ
35 ワイヤ
36 シャフト
4 連結部
41 係合爪
42 リンク
43 操作棒
44 スプリング
45 ハウジング
200 昇降補助装置
210 連結体
211 受けアダプタ
212 係合孔
220 フレーム
230 モータ
240 ギヤボックス
250 ベルト
260 駆動側スプロケット
270 反対側スプロケット
280 チェーン
290 ガイドレール
Claims (4)
- スロープ浴槽のスロープに設けた昇降補助装置と、この昇降補助装置と連結可能な入浴用車椅子とからなるスロープ浴槽用入浴装置。
- 前記入浴用車椅子は、前記昇降補助装置の受けアダプタに着脱可能な連結部を有し、前記連結部は可動の爪機構からなり、前記爪機構はハンドルのレバーの操作によって動作する請求項1に記載のスロープ浴槽用入浴装置。
- 前記入浴用車椅子は、入浴者が着座する座面と連続するレッグレストを有し、前記レッグレストは、使用時には座面の前方に繰り出し可能で、不使用時には座面の下方に収納可能であり、両側部に入浴者の脚の落下を防止するためのストッパを有する請求項1又は2に記載のスロープ浴槽用入浴装置。
- 前記入浴用車椅子の座面を形成する座面フレームを本体フレームの昇降ガイドに沿って昇降可能とし、前記昇降ガイドは後方に向けて傾斜させ、前記座面フレームは上昇するに連れて後方に傾斜する請求項1、2又は3に記載のスロープ浴槽用入浴装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002249155A JP2004081687A (ja) | 2002-08-28 | 2002-08-28 | スロープ浴槽用入浴装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002249155A JP2004081687A (ja) | 2002-08-28 | 2002-08-28 | スロープ浴槽用入浴装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004081687A true JP2004081687A (ja) | 2004-03-18 |
Family
ID=32056352
Family Applications (1)
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Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004081687A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006109977A (ja) * | 2004-10-13 | 2006-04-27 | Og Giken Co Ltd | 入浴用車椅子 |
-
2002
- 2002-08-28 JP JP2002249155A patent/JP2004081687A/ja not_active Withdrawn
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2006109977A (ja) * | 2004-10-13 | 2006-04-27 | Og Giken Co Ltd | 入浴用車椅子 |
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