JP2004079612A - プラズマ加工装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】端面加工やノッチ部の加工を、予め面取りを施すことなく、少ないガス消費量で行うこと。
【解決手段】加圧又は大気圧下での低温プラズマによる反応性エッチングを利用してウェハ5の加工を行うプラズマ加工装置1である。内部を所定の圧力に制御が可能なガスの供給装置2と排出装置3を備えたチャンバー4と、このチャンバー4内に固定配置されたウェハ5の回転機構7と、この回転機構7によって回転されるウェハ5の端面と対向すべくチャンバー4内に配置された少なくとも1基の電極部8を備えた構成である。
【効果】予め端面に面取りを施すことなく、難削材の端面の鏡面加工やノッチ部の加工を、少ないガス消費量で能率良く行える。
【選択図】 図1
【解決手段】加圧又は大気圧下での低温プラズマによる反応性エッチングを利用してウェハ5の加工を行うプラズマ加工装置1である。内部を所定の圧力に制御が可能なガスの供給装置2と排出装置3を備えたチャンバー4と、このチャンバー4内に固定配置されたウェハ5の回転機構7と、この回転機構7によって回転されるウェハ5の端面と対向すべくチャンバー4内に配置された少なくとも1基の電極部8を備えた構成である。
【効果】予め端面に面取りを施すことなく、難削材の端面の鏡面加工やノッチ部の加工を、少ないガス消費量で能率良く行える。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばSiインゴットやセラミックス等の難削材の特に端面の鏡面加工やノッチ部の加工を行うプラズマ加工装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
例えばシリコンウェハの周縁エッジ部分を加工する技術として、特開2000−186000号で提案されたものがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この特開2000−186000号で提案された技術は、別工程において予め端部を面取りされたウェハしか加工できず、しかもその加工に使用するガス量が多く、環境、コスト的にも問題があった。加えて、この特開2000−186000号で提案された技術では、一度にウェハの両面を加工できず、加工に要する工数が多くなるという問題もあった。
【0004】
また、通常のプラズマ加工では、加工に時間を要すると、加工に使用する反応ガスが密度、粘性の関係で加工物上に留まり易く、残留する未反応ガスにより表面を荒らすことで、白濁した表面になることから、上記の技術では、真空にして加工表面部でのガスの流速を速くすることで、前記反応ガスが加工物上から速く離れるようにしている。
【0005】
しかしながら、このような方法では、加工物上での反応に必要なガス濃度が早期に薄くなるため常に新しい反応ガスを吹き込む必要があり、ガス消費量が多くなってしまう。また、真空ではガス濃度が低いため、平均自由行程(気体分子が他の気体分子と衝突した後次に衝突するまでの飛行距離)が長くなり、プラズマが電極の周辺に拡散して発生し、十分なパワーが得られない。
【0006】
また、現在は、ウェハの周縁に形成されたノッチ部のプラズマによる加工は行われていない。
更に、現状の加工技術では、砥石を使った鏡面加工が多く、加工工程が増加して作業能率が悪くなると共に、設備コストもかかる。
【0007】
本発明は、上記した従来の問題点に鑑みてなされたものであり、端面の鏡面加工やノッチ部の加工を、予め面取りを施すことなく、しかも、少ないガス消費量で行うことができるプラズマ加工装置を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記した目的を達成するために、本発明に係るプラズマ加工装置は、内部を所定の圧力に制御が可能なガスの供給装置と排出装置を備えたチャンバーと、このチャンバー内に固定配置された加工物の回転機構と、この回転機構によって回転される加工物の端面と対向すべくチャンバー内に配置された少なくとも1基の電極部を備えさせている。そして、このようにすることで、端面の鏡面加工やノッチ部の加工を予め面取りを施すことなく、しかも、少ないガス消費量で行えるようになる。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明に係るプラズマ加工装置は、加圧又は大気圧下での低温プラズマによる反応性エッチングを利用して加工物の加工を行うプラズマ加工装置において、内部を所定の圧力に制御が可能なガスの供給装置と排出装置を備えたチャンバーと、このチャンバー内に固定配置された加工物の回転機構と、この回転機構によって回転される加工物の端面と対向すべくチャンバー内に配置された少なくとも1基の電極部を備えたものである。
【0010】
本発明に係るプラズマ加工装置では、回転機構によって回転される加工物の端面と対向すべくチャンバー内に配置された少なくとも1基の電極部によって、予め端面に面取りを施すことなく、端面の鏡面加工やノッチ部の加工を、少ないガス消費量で行えるようになる。
【0011】
本発明に係るプラズマ加工装置の電極部としては、
▲1▼ 加工物の端面と対向する加工物の表面及び裏面位置に配置された棒状電極や、
▲2▼ 加工物の端面と対向する加工物の表面及び裏面位置に凸部を設けた形状の電極や、
▲3▼ 加工物の端面の表裏面と対向する位置に配置されたく字状電極、
が採用される。
【0012】
本発明に係るプラズマ加工装置において、上記の電極を採用した場合には、加工物の表裏面の加工が同時に行えるようになって、より作業能率が向上する。
【0013】
また、上記の本発明に係るプラズマ加工装置において、上記の▲2▼▲3▼の電極を採用した電極部を、ガスの供給装置及び排出装置と連結した場合には、加工物と電極部を通過する混合ガスは、効率良く常に安定したフレッシュな状態が維持できるようになり、電極部に効率良くプラズマを発生させることができるのと共に、排出ガスを効果的に吸引でき、プラズマ通過後の未反応ガスによる再加工が防止できる。また、加圧・大気中で加工するため、真空中に比べてガス濃度が高くなり、平均自由行程(気体分子が他の気体分子と衝突した後次に衝突するまでの飛行距離)が短くなってプラズマが電極に局部的に発生し、エネルギーを高めることができる。
【0014】
また、上記の本発明に係るプラズマ加工装置において、前記電極部を加工物の端面に倣って移動させる倣い機構を備えさせた場合には、加工物の端部形状に倣って電極部が移動するので、ノッチ部の加工も可能になる。
【0015】
【実施例】
以下、本発明に係るプラズマ加工装置を図1〜図6に示す実施例に基づいて説明する。
図1は本発明に係るプラズマ加工装置の全体概略構成図、図2は図1の矢視A−A図とウェハ端部の拡大図、図3は電極部の第2の実施例を示した図、図4は本発明に係るプラズマ加工装置の他の実施例を示す全体概略構成図、図5は倣い機構の説明図、図6は加工するウェハの一例を示す説明図である。
【0016】
図1及び図2において、1は本発明に係るプラズマ加工装置であり、内部を所定の圧力に制御できるようにチャンバー4にガスの供給装置2と排出装置3を備えさせると共に、このチャンバー4内に、加工物である例えばウェハ5を固定する真空チャックを備えた冷却台6と、この冷却台6上のウェハ5の端面と対向すべく、例えば同一円周上の等角度位置4か所に電極部8を配置し、かつ、前記冷却台6の回転機構7と、前記電極部8に供給する高周波電源9を具備させた構成である。
【0017】
前記ガスの供給装置2は、供給管2aを通して送られてくる加工ガスを、図2(b)に示したように、各供給口2bへ供給するための装置で、夫々バルブ2ca〜2ccを有したボンベ2da〜2dcと、これらボンベ2da〜2dcから供給される加工ガスの混合器2eを備えている。
【0018】
なお、前記ボンベ2da〜2dc内の加工ガスとしては、例えば不活性ガスとしてヘリウムガスが、ハロゲン系ガスとして6フッ化硫黄ガスが、酸素系ガスとして酸素ガスが採用されるが、6フッ化硫黄ガスは他のガスと反応することで有毒ガスが発生したり、温暖化の原因となるため、環境上の問題がある上、高価であり、多く使用することは望ましくない。また、ヘリウムガス等も高価である。
【0019】
また、前記ガスの排出装置3は、図2(b)に示したように、例えばウェハ5の端面を介して前記供給口2bと向かい合うように配置された各吸引口3aからガス吸引配管3bを介して吸引ポンプ3cによって吸引される構成で、この吸引ポンプ3cによって吸引したチャンバー4内のガスはガス分離装置10で分離され、例えば前記混合器2eに送られて再利用される。
【0020】
また、前記電極部8は、ウェハ5の端面と対向するウェハ5の表面位置と裏面位置に夫々2基ずつ配置された棒状電極8aを備えた構成である。
なお、図1中の11はチャンバー4に備えた圧力計を示す。
【0021】
本発明に係るプラズマ加工装置では、回転機構7によって回転されるウェハ5の端面の表裏面と夫々棒状電極8aが対向すべくチャンバー4内に配置された4基の電極部8によって、予め面取りを施すことなく、ウェハ5の端面やノッチ部の表裏面の加工を、少ないガス消費量で同時に能率良く行なえるようになる。
【0022】
また、加圧・大気中で加工するため、真空中に比べてガス濃度が高くなり、平均自由行程(気体分子が他の気体分子と衝突した後次に衝突するまでの飛行距離)が短くなってプラズマが電極に局部的に発生し、エネルギーを高めることができる。
【0023】
本発明に係るプラズマ加工装置1は上記の実施例に限るものではない。
例えば、上記図1及び図2に示した実施例では、電極部5の電極として棒状電極8aを採用したものを示したが、上記の構成の電極に代えて、ウェハ5の端面と対向するウェハ5の表面や裏面位置に、図3に示したように、所定幅を有する凸部8baを設けた形状の電極8bを配置したものを採用した場合には、加工時に局部的にプラズマを発生させることで、図6(b)に示したウェハ5端部の鏡面加工が能率良く、高精度に行えるようになる。
【0024】
また、図4に示したように、ウェハ5の端面の表裏面と対向する位置にく字状電極8cを配置したものを採用した場合には、ウェハ5端部の表裏面の鏡面加工が同時に、しかも、高精度に行えるようになる。
【0025】
そして、これら電極を採用した電極部8を、図4に示したように、ガスの供給装置2の供給管2a及び排出装置3の吸引配管3bと連結した場合には、ウェハ5と電極部8を通過する混合ガスは、効率良く常に安定したフレッシュな状態が維持できるようになって、電極部8に効率良くプラズマを発生させることができるのと共に、排出ガスを効果的に吸引でき、プラズマ通過後の未反応ガスによる再加工を防止できるようになる。
【0026】
また、上記の本発明に係るプラズマ加工装置1において、図4に示したように、前記電極部8をウェハ5の端面に倣って移動させる倣い機構12を備えさせた場合には、電極部8がウェハ5の端部形状に倣って移動するので、図6(a)に示したような、ノッチ部5aの加工も容易に行なえるようになる。
【0027】
この倣い機構12は、電極部8の電極がウェハ5の周縁端面に倣うことができるものであれば、その構成は問わないが、図4に示したものは、冷却台6とこの冷却台6を回転させる回転機構7との間に、図5に示したような、加工するウェハ5の周縁端面と同じ周縁形状のカム面12aaを有するカム円板12aを、冷却台6と一体的な回転可能に設け、このカム面12aaに倣うカムローラ12bに電極部8(電極8b、8c)が連動するように、一体的に連結した構成のものを示している。
【0028】
なお、図5中の12cはカム円板12aの保持ローラ、12dはカムローラ12bと電極部8を連結する連結軸12eを支持する支持板で、前記回転機構7を構成するモータ7aと冷却台6を連結する回転軸7bに回転が自在なように取り付けられ、かつ、カムローラ12bが常にカム面12aaに倣うよう、例えば前記連結軸12eを回転軸7b側に付勢している。
【0029】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係るプラズマ加工装置によれば、予め端面に面取りを施すことなく、難削材の端面の鏡面加工やノッチ部の加工を、少ないガス消費量で能率良く行えるようになる。
【0030】
そして、電極を加工物の表裏面に対向して配置すれば、加工物の表裏面の加工が同時に行えるようになって、より作業能率が向上する。
【0031】
また、その際、電極部をガスの供給装置及び排出装置と連結した場合には、加工物と電極部を通過する混合ガスは、効率良く常に安定したフレッシュな状態が維持できるようになり、電極部に効率良くプラズマを発生させることができるのと共に、排出ガスを効果的に吸引でき、プラズマ通過後の未反応ガスによる再加工が防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るプラズマ加工装置の全体概略構成図である。
【図2】(a)は図1のA−A断面図、(b)はウェハ端部の拡大図である。
【図3】電極部の第2の実施例を示した図で、(a)は断面して示す正面図、(b)は(a)の右側面図、(c)は(a)の下面図である。
【図4】(a)は本発明に係るプラズマ加工装置の他の実施例を示す全体概略構成図、(b)は(a)の電極部の詳細を示した図で側面から見た半断面図、(c)は(b)の矢視A−A図である。
【図5】倣い機構を構成するカム円板の説明図である。
【図6】加工するウェハの一例を示す説明図で、(a)は平面図、(b)は端部を断面して示した図である。
【符号の説明】
1 プラズマ加工装置
2 供給装置
2a 供給管
2b 供給口
3 排出装置
3a 吸引口
3b 吸引配管
3c 吸引ポンプ
4 チャンバー
5 ウェハ
7 回転機構
8 電極部
8a 棒状電極
8ba 凸部
8c く字状電極
9 高周波電源
12 倣い機構
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばSiインゴットやセラミックス等の難削材の特に端面の鏡面加工やノッチ部の加工を行うプラズマ加工装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
例えばシリコンウェハの周縁エッジ部分を加工する技術として、特開2000−186000号で提案されたものがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この特開2000−186000号で提案された技術は、別工程において予め端部を面取りされたウェハしか加工できず、しかもその加工に使用するガス量が多く、環境、コスト的にも問題があった。加えて、この特開2000−186000号で提案された技術では、一度にウェハの両面を加工できず、加工に要する工数が多くなるという問題もあった。
【0004】
また、通常のプラズマ加工では、加工に時間を要すると、加工に使用する反応ガスが密度、粘性の関係で加工物上に留まり易く、残留する未反応ガスにより表面を荒らすことで、白濁した表面になることから、上記の技術では、真空にして加工表面部でのガスの流速を速くすることで、前記反応ガスが加工物上から速く離れるようにしている。
【0005】
しかしながら、このような方法では、加工物上での反応に必要なガス濃度が早期に薄くなるため常に新しい反応ガスを吹き込む必要があり、ガス消費量が多くなってしまう。また、真空ではガス濃度が低いため、平均自由行程(気体分子が他の気体分子と衝突した後次に衝突するまでの飛行距離)が長くなり、プラズマが電極の周辺に拡散して発生し、十分なパワーが得られない。
【0006】
また、現在は、ウェハの周縁に形成されたノッチ部のプラズマによる加工は行われていない。
更に、現状の加工技術では、砥石を使った鏡面加工が多く、加工工程が増加して作業能率が悪くなると共に、設備コストもかかる。
【0007】
本発明は、上記した従来の問題点に鑑みてなされたものであり、端面の鏡面加工やノッチ部の加工を、予め面取りを施すことなく、しかも、少ないガス消費量で行うことができるプラズマ加工装置を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記した目的を達成するために、本発明に係るプラズマ加工装置は、内部を所定の圧力に制御が可能なガスの供給装置と排出装置を備えたチャンバーと、このチャンバー内に固定配置された加工物の回転機構と、この回転機構によって回転される加工物の端面と対向すべくチャンバー内に配置された少なくとも1基の電極部を備えさせている。そして、このようにすることで、端面の鏡面加工やノッチ部の加工を予め面取りを施すことなく、しかも、少ないガス消費量で行えるようになる。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明に係るプラズマ加工装置は、加圧又は大気圧下での低温プラズマによる反応性エッチングを利用して加工物の加工を行うプラズマ加工装置において、内部を所定の圧力に制御が可能なガスの供給装置と排出装置を備えたチャンバーと、このチャンバー内に固定配置された加工物の回転機構と、この回転機構によって回転される加工物の端面と対向すべくチャンバー内に配置された少なくとも1基の電極部を備えたものである。
【0010】
本発明に係るプラズマ加工装置では、回転機構によって回転される加工物の端面と対向すべくチャンバー内に配置された少なくとも1基の電極部によって、予め端面に面取りを施すことなく、端面の鏡面加工やノッチ部の加工を、少ないガス消費量で行えるようになる。
【0011】
本発明に係るプラズマ加工装置の電極部としては、
▲1▼ 加工物の端面と対向する加工物の表面及び裏面位置に配置された棒状電極や、
▲2▼ 加工物の端面と対向する加工物の表面及び裏面位置に凸部を設けた形状の電極や、
▲3▼ 加工物の端面の表裏面と対向する位置に配置されたく字状電極、
が採用される。
【0012】
本発明に係るプラズマ加工装置において、上記の電極を採用した場合には、加工物の表裏面の加工が同時に行えるようになって、より作業能率が向上する。
【0013】
また、上記の本発明に係るプラズマ加工装置において、上記の▲2▼▲3▼の電極を採用した電極部を、ガスの供給装置及び排出装置と連結した場合には、加工物と電極部を通過する混合ガスは、効率良く常に安定したフレッシュな状態が維持できるようになり、電極部に効率良くプラズマを発生させることができるのと共に、排出ガスを効果的に吸引でき、プラズマ通過後の未反応ガスによる再加工が防止できる。また、加圧・大気中で加工するため、真空中に比べてガス濃度が高くなり、平均自由行程(気体分子が他の気体分子と衝突した後次に衝突するまでの飛行距離)が短くなってプラズマが電極に局部的に発生し、エネルギーを高めることができる。
【0014】
また、上記の本発明に係るプラズマ加工装置において、前記電極部を加工物の端面に倣って移動させる倣い機構を備えさせた場合には、加工物の端部形状に倣って電極部が移動するので、ノッチ部の加工も可能になる。
【0015】
【実施例】
以下、本発明に係るプラズマ加工装置を図1〜図6に示す実施例に基づいて説明する。
図1は本発明に係るプラズマ加工装置の全体概略構成図、図2は図1の矢視A−A図とウェハ端部の拡大図、図3は電極部の第2の実施例を示した図、図4は本発明に係るプラズマ加工装置の他の実施例を示す全体概略構成図、図5は倣い機構の説明図、図6は加工するウェハの一例を示す説明図である。
【0016】
図1及び図2において、1は本発明に係るプラズマ加工装置であり、内部を所定の圧力に制御できるようにチャンバー4にガスの供給装置2と排出装置3を備えさせると共に、このチャンバー4内に、加工物である例えばウェハ5を固定する真空チャックを備えた冷却台6と、この冷却台6上のウェハ5の端面と対向すべく、例えば同一円周上の等角度位置4か所に電極部8を配置し、かつ、前記冷却台6の回転機構7と、前記電極部8に供給する高周波電源9を具備させた構成である。
【0017】
前記ガスの供給装置2は、供給管2aを通して送られてくる加工ガスを、図2(b)に示したように、各供給口2bへ供給するための装置で、夫々バルブ2ca〜2ccを有したボンベ2da〜2dcと、これらボンベ2da〜2dcから供給される加工ガスの混合器2eを備えている。
【0018】
なお、前記ボンベ2da〜2dc内の加工ガスとしては、例えば不活性ガスとしてヘリウムガスが、ハロゲン系ガスとして6フッ化硫黄ガスが、酸素系ガスとして酸素ガスが採用されるが、6フッ化硫黄ガスは他のガスと反応することで有毒ガスが発生したり、温暖化の原因となるため、環境上の問題がある上、高価であり、多く使用することは望ましくない。また、ヘリウムガス等も高価である。
【0019】
また、前記ガスの排出装置3は、図2(b)に示したように、例えばウェハ5の端面を介して前記供給口2bと向かい合うように配置された各吸引口3aからガス吸引配管3bを介して吸引ポンプ3cによって吸引される構成で、この吸引ポンプ3cによって吸引したチャンバー4内のガスはガス分離装置10で分離され、例えば前記混合器2eに送られて再利用される。
【0020】
また、前記電極部8は、ウェハ5の端面と対向するウェハ5の表面位置と裏面位置に夫々2基ずつ配置された棒状電極8aを備えた構成である。
なお、図1中の11はチャンバー4に備えた圧力計を示す。
【0021】
本発明に係るプラズマ加工装置では、回転機構7によって回転されるウェハ5の端面の表裏面と夫々棒状電極8aが対向すべくチャンバー4内に配置された4基の電極部8によって、予め面取りを施すことなく、ウェハ5の端面やノッチ部の表裏面の加工を、少ないガス消費量で同時に能率良く行なえるようになる。
【0022】
また、加圧・大気中で加工するため、真空中に比べてガス濃度が高くなり、平均自由行程(気体分子が他の気体分子と衝突した後次に衝突するまでの飛行距離)が短くなってプラズマが電極に局部的に発生し、エネルギーを高めることができる。
【0023】
本発明に係るプラズマ加工装置1は上記の実施例に限るものではない。
例えば、上記図1及び図2に示した実施例では、電極部5の電極として棒状電極8aを採用したものを示したが、上記の構成の電極に代えて、ウェハ5の端面と対向するウェハ5の表面や裏面位置に、図3に示したように、所定幅を有する凸部8baを設けた形状の電極8bを配置したものを採用した場合には、加工時に局部的にプラズマを発生させることで、図6(b)に示したウェハ5端部の鏡面加工が能率良く、高精度に行えるようになる。
【0024】
また、図4に示したように、ウェハ5の端面の表裏面と対向する位置にく字状電極8cを配置したものを採用した場合には、ウェハ5端部の表裏面の鏡面加工が同時に、しかも、高精度に行えるようになる。
【0025】
そして、これら電極を採用した電極部8を、図4に示したように、ガスの供給装置2の供給管2a及び排出装置3の吸引配管3bと連結した場合には、ウェハ5と電極部8を通過する混合ガスは、効率良く常に安定したフレッシュな状態が維持できるようになって、電極部8に効率良くプラズマを発生させることができるのと共に、排出ガスを効果的に吸引でき、プラズマ通過後の未反応ガスによる再加工を防止できるようになる。
【0026】
また、上記の本発明に係るプラズマ加工装置1において、図4に示したように、前記電極部8をウェハ5の端面に倣って移動させる倣い機構12を備えさせた場合には、電極部8がウェハ5の端部形状に倣って移動するので、図6(a)に示したような、ノッチ部5aの加工も容易に行なえるようになる。
【0027】
この倣い機構12は、電極部8の電極がウェハ5の周縁端面に倣うことができるものであれば、その構成は問わないが、図4に示したものは、冷却台6とこの冷却台6を回転させる回転機構7との間に、図5に示したような、加工するウェハ5の周縁端面と同じ周縁形状のカム面12aaを有するカム円板12aを、冷却台6と一体的な回転可能に設け、このカム面12aaに倣うカムローラ12bに電極部8(電極8b、8c)が連動するように、一体的に連結した構成のものを示している。
【0028】
なお、図5中の12cはカム円板12aの保持ローラ、12dはカムローラ12bと電極部8を連結する連結軸12eを支持する支持板で、前記回転機構7を構成するモータ7aと冷却台6を連結する回転軸7bに回転が自在なように取り付けられ、かつ、カムローラ12bが常にカム面12aaに倣うよう、例えば前記連結軸12eを回転軸7b側に付勢している。
【0029】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係るプラズマ加工装置によれば、予め端面に面取りを施すことなく、難削材の端面の鏡面加工やノッチ部の加工を、少ないガス消費量で能率良く行えるようになる。
【0030】
そして、電極を加工物の表裏面に対向して配置すれば、加工物の表裏面の加工が同時に行えるようになって、より作業能率が向上する。
【0031】
また、その際、電極部をガスの供給装置及び排出装置と連結した場合には、加工物と電極部を通過する混合ガスは、効率良く常に安定したフレッシュな状態が維持できるようになり、電極部に効率良くプラズマを発生させることができるのと共に、排出ガスを効果的に吸引でき、プラズマ通過後の未反応ガスによる再加工が防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るプラズマ加工装置の全体概略構成図である。
【図2】(a)は図1のA−A断面図、(b)はウェハ端部の拡大図である。
【図3】電極部の第2の実施例を示した図で、(a)は断面して示す正面図、(b)は(a)の右側面図、(c)は(a)の下面図である。
【図4】(a)は本発明に係るプラズマ加工装置の他の実施例を示す全体概略構成図、(b)は(a)の電極部の詳細を示した図で側面から見た半断面図、(c)は(b)の矢視A−A図である。
【図5】倣い機構を構成するカム円板の説明図である。
【図6】加工するウェハの一例を示す説明図で、(a)は平面図、(b)は端部を断面して示した図である。
【符号の説明】
1 プラズマ加工装置
2 供給装置
2a 供給管
2b 供給口
3 排出装置
3a 吸引口
3b 吸引配管
3c 吸引ポンプ
4 チャンバー
5 ウェハ
7 回転機構
8 電極部
8a 棒状電極
8ba 凸部
8c く字状電極
9 高周波電源
12 倣い機構
Claims (6)
- 加圧又は大気圧下での低温プラズマによる反応性エッチングを利用して加工物の加工を行うプラズマ加工装置において、
内部を所定の圧力に制御が可能なガスの供給装置と排出装置を備えたチャンバーと、このチャンバー内に固定配置された加工物の回転機構と、この回転機構によって回転される加工物の端面と対向すべくチャンバー内に配置された少なくとも1基の電極部を備えたことを特徴とするプラズマ加工装置。 - 前記電極部は、加工物の端面と対向する加工物の表面及び裏面位置に配置された棒状電極であることを特徴とする請求項1記載のプラズマ加工装置。
- 前記電極部は、加工物の端面と対向する加工物の表面及び裏面位置に凸部を設けた形状の電極であることを特徴とする請求項1記載のプラズマ加工装置。
- 前記電極部は、加工物の端面の表裏面と対向する位置に配置されたく字状電極であることを特徴とする請求項1記載のプラズマ加工装置。
- 前記電極部は、ガスの供給装置及び排出装置と連結されていることを特徴とする請求項3又は4記載のプラズマ加工装置。
- 前記電極部を加工物の端面に倣って移動させる倣い機構を備えたことを特徴とする請求項1〜5の何れか記載のプラズマ加工装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002234624A JP2004079612A (ja) | 2002-08-12 | 2002-08-12 | プラズマ加工装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2002234624A JP2004079612A (ja) | 2002-08-12 | 2002-08-12 | プラズマ加工装置 |
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Publication Number | Publication Date |
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JP2004079612A true JP2004079612A (ja) | 2004-03-11 |
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ID=32019384
Family Applications (1)
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JP2002234624A Pending JP2004079612A (ja) | 2002-08-12 | 2002-08-12 | プラズマ加工装置 |
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JP (1) | JP2004079612A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100668955B1 (ko) | 2004-12-17 | 2007-01-12 | 동부일렉트로닉스 주식회사 | 플라즈마 식각장치 및 이를 이용한 반도체 소자의 제조방법 |
JP2009043969A (ja) * | 2007-08-09 | 2009-02-26 | Osaka Univ | 半導体ウエハ外周部の加工方法及びその装置 |
JP2011192687A (ja) * | 2010-03-12 | 2011-09-29 | Hitachi Metals Ltd | 半導体基板の加工装置、半導体基板の製造方法、及び半導体基板 |
JP2012126584A (ja) * | 2010-12-13 | 2012-07-05 | Sekisui Chem Co Ltd | ガラス板の端部処理方法及び装置 |
-
2002
- 2002-08-12 JP JP2002234624A patent/JP2004079612A/ja active Pending
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