JP3629862B2 - 基板周縁の不要物除去方法およびその装置 - Google Patents

基板周縁の不要物除去方法およびその装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶表示基板または半導体ウエハなどの基板の周縁及び裏面に存在する不要物を除去する方法および装置に関する。特に、本発明は、基板上にスピンコーティング法により塗布された塗布物のうち、基板の周縁領域に塗布された塗布物を除去するのに好適な方法および装置に関する。
【0002】
【背景技術】
従来より、たとえば液晶パネルのパネル基板上に、スピンコーティング法により薄膜を形成している。あるいは、半導体ウエハに液状のガラス材料(SOG;Spin On Glass)、有機レジスト、ポリイミドなどを、スピンコーティング法により塗布して、基板上に絶縁層やマスク層を形成している。塗布された液状の塗布物は、基板が回転駆動されることで、その遠心力に伴い、基板上の中央領域ではほぼ均一厚さに引き延ばされる。しかしながら、基板の輪郭に沿った周縁部(表面,側面および裏面)にも、塗布されてしまうという問題が生じていた。
【0003】
この場合、たとえば、液晶パネルあるいは半導体ウエハを搬送コンベアにより搬送したり、運搬用カセットに収容して運搬したり、あるいはイオン注入装置、ドライエッチング装置などのステージ上に載置した場合に、基板の周縁領域における塗布物が割れてダストが発生するという問題が生じていた。このダストが原因となって、基板上にパーティクルが付着し、製造工程での歩留りが大幅に低下するという問題があった。
【0004】
従来より、この種の基板の周縁領域における塗布物を除去するためには、スピンコーティング法による塗布工程の後に、一連のフォトリソグラフィー工程を実施して、基板の周縁領域における塗布物を除去していた。この一連のフォトリソグラフィー工程とは、レジスト塗布工程、周縁露光工程、現像およびベーク工程、ウエットエッチング工程、レジスト除去工程を含んでいる。このため、フォトリソグラフィー工程を実施することに長時間(たとえば1〜3時間程度)を要するため、製造効率が極めて悪化するという問題があった。
【0005】
一方、特開平5−82478号公報には、大気圧プラズマにより半導体ウエハの端面をエッチングする方法および装置が開示されている。この公報に開示された技術は、半導体ウエハの中央領域を上下のホルダー間に挟持し、ウエハの周縁領域のみをリング状に反応室に露出した状態として反応させるものである。円盤状の上下のホルダーの最外周部分には、それぞれOリングパッキングが配置される。この上下のOリングパッキングにより、半導体ウエハを挟持すると共に、半導体ウエハの中央領域と周縁領域との間を気密にシールしている。
【0006】
上記の公報に開示された技術では、能動素子が形成された半導体ウエハの中央領域にOリングを密着させる必要があるため、その圧力により能動素子などの表面構造に損傷を与えたり、能動素子が形成されたウエハ中央領域にパーティクルが付着するという問題があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明の目的とするところは、基板の中央領域を被覆材で圧着することなく、すなわち、基板表面の中央領域に影響を与えることなく、基板の周縁領域,側面における不要物を局所的に、かつ確実に除去することのできる不要物除去方法およびその装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の基板周縁の不要物除去方法は、表面側中央領域に有効な層が形成された基板の周縁の不要物を除去する方法において、処理室内に設けられ、上記基板の裏面側のみと接触して支持する支持手段にて上記基板を支持し、第1プラズマ発生用電極と第2プラズマ発生用電極にて構成され、上記基板の裏面側に配設されたプラズマ発生手段にて、上記第1プラズマ発生用電極に一方の電位の電圧を印加し、上記第2プラズマ発生用電極に他方の電位の電圧を印加することで、上記第1プラズマ発生用電極,上記第2プラズマ発生用電極間において大気圧またはその近傍の圧力下にてプラズマを生成し、上記基板の周縁領域に沿って上記プラズマ発生手段を相対的に移動させながら、上記プラズマにより活性化されたガスを上記基板の裏面側より上記周縁領域に吹きつけて、上記基板周縁の不要物を除去することを特徴とする。
【0009】
したがって、請求項1記載の基板周縁の不要物除去方法によれば、上記基板の表面,側面及び裏面の輪郭に沿った周縁領域において形成された塗布物がプラズマ処理によって除去でき、たとえば、基板搬送におけるダストの発生を防止することができる。
【0010】
請求項2記載の基板周縁の不要物除去方法は、上述した請求項1の特徴点に加え、上記プラズマ発生手段は、上記基板の上記周縁領域への上記ガスの吹きつけ方向が調整可能であることを特徴とする。
【0011】
したがって、請求項2記載の基板周縁の不要物除去方法によれば、上記ガスの吹きつけ方向を上記基板周縁領域の不要物の付着状況あるいは中央領域の範囲に応じて変化させることにより、効率の良い不要物除去が実現できる。
【0012】
請求項3記載の基板周縁の不要物除去方法は、表面側中央領域に有効な層が形成された基板の周縁の不要物を除去する方法において、処理室内に設けられ、上記基板の裏面側のみと接触して支持する支持手段にて上記基板を支持し、上記基板の裏面側に配置され、一方の電位の電圧が印加される第3プラズマ発生用電極と、上記基板の表面側に設けられ、少なくとも上記基板の表面に対向する電極面を有し、他方の電位の電圧が印加される第4プラズマ発生用電極と、により構成されるプラズマ発生手段にて、上記第3プラズマ発生用電極,上記第4プラズマ発生用電極間において、大気圧またはその近傍の圧力下にてプラズマを局所的に生成し、上記基板の周縁領域に沿って、上記第3プラズマ発生用電極を相対的に移動させながら、上記プラズマにより活性化されたガスに上記周縁領域をさらすことにより、上記基板周縁の不要物を除去することを特徴とする。
【0013】
したがって、請求項3記載の基板周縁の不要物除去方法によれば、上記基板の表面,側面及び裏面の輪郭に沿った周縁領域において形成された塗布物が除去でき、たとえば、基板搬送におけるダストの発生を防止することができる。そして、上記第4プラズマ発生用電極の電極面と基板表面との間隔を規定することにより、上記基板表面の中央領域におけるプラズマの発生及び活性化されたガスの回り込みを抑制することができる。
【0014】
請求項4記載の基板周縁の不要物除去方法は、上述した請求項1乃至3のいずれかの特徴点に加え、上記支持手段により、上記基板が回転可能なことを特徴とする。
【0015】
したがって、請求項4記載の基板周縁の不要物除去方法によれば、上記支持手段により基板を回転させることで、基板の方向を変えることができる。
【0016】
請求項5記載の基板周縁の不要物除去方法は、上述した請求項1乃至4のいずれかの特徴点に加え、上記プラズマ発生手段または上記第3プラズマ発生用電極は、上記基板の側面に対して進退する方向およびこの方向と直行する方向の少なくとも一方に移動が可能な支持部により支持されることを特徴とする。
【0017】
したがって、請求項5記載の基板周縁の不要物除去方法によれば、上記基板の上記周縁領域に沿って、上記プラズマにより活性化されたガスに上記周縁領域をさらす際の、上記プラズマ発生手段あるいは上記第3プラズマ発生用電極の移動において、2つの支持部をそれぞれの方向へ移動させることで、上記プラズマ発生手段あるいは上記第3プラズマ発生用電極の所望の位置への移動を容易に実現することができる。
【0018】
請求項6記載の基板周縁の不要物除去方法は、上述した請求項1乃至5のいずれかの特徴点に加え、平面形状が矩形である上記基板の不要物除去方法において、まず基板の側面に対して進退する方向に移動が可能な支持部にて、上記プラズマ発生手段または上記第3プラズマ発生用電極を移動させて基板周縁の不要物の除去開始位置を設定し、ついで上記方向と直行する方向に移動が可能な支持部にて上記プラズマ発生手段または上記第3プラズマ発生用電極を移動させて、基板周縁の一辺の不要物を活性化されたガスにさらすことにより該不要物を除去し、上記支持手段にて上記基板を回転させて方向変換を行ない、以後は上記プラズマ発生手段または上記第3プラズマ発生用電極の移動および基板の回転を繰り返すことにより基板の各辺の周縁領域の不要物を除去することを特徴とする。
【0019】
したがって、請求項6記載の基板周縁の不要物除去方法によれば、たとえば、矩形の液晶用基板において、その輪郭に沿って一辺ずつ基板周縁の不要物除去を行なうことができる。
【0020】
請求項7記載の基板周縁の不要物除去方法は、上述した請求項1乃至5のいずれかの特徴点に加え、平面形状が円形あるいは略円形である上記基板の不要物除去方法において、まず基板の側面に対して進退する方向に移動が可能な支持部にて上記プラズマ発生手段または上記第3プラズマ発生用電極を移動させて、基板周縁の不要物の除去開始位置を設定し、上記支持手段にて上記基板を所定の速度で回転させ、上記プラズマ発生手段により基板周縁の不要物を活性化されたガスにさらすことを特徴とする。
【0021】
したがって、請求項7記載の基板周縁の不要物除去方法によれば、たとえば、ほぼ円形の半導体ウエハにおいて、その輪郭に沿って基板周縁の不要物除去を行なうことができる。
【0022】
請求項8記載の基板周縁の不要物除去方法は、表面側中央領域に有効な層が形成された基板の周縁の不要物を除去する方法において、処理室内に設けられ、上記基板の裏面側のみと接触して支持する支持手段にて上記基板を支持し、第5プラズマ発生用電極と、複数の開口部を有する第6プラズマ発生用電極とを有する、上記基板の裏面側に配設されるプラズマ発生手段において、少なくとも上記基板の裏面に対向する電極面を有し、上記第5プラズマ発生用電極に一方の電位の電圧を印加し、上記第6プラズマ発生用電極に他方の電位を印加して、大気圧またはその近傍の圧力下でプラズマを生成し、上記プラズマにより活性化されたガスを上記基板の周縁領域および裏面に吹きつけて、少なくとも上記基板の周縁の不要物を除去することを特徴とする。
【0023】
したがって、請求項8記載の基板周縁の不要物除去方法によれば、上記基板の表面,側面及び裏面の輪郭に沿った周縁領域及び裏面において形成された塗布物が除去でき、たとえば、基板搬送におけるダストの発生を防止することができる。 請求項9記載の基板周縁の不要物除去方法は、表面側中央領域に有効な層が形成された基板の周縁の不要物を除去する方法において、処理室内に設けられ、上記基板の裏面側のみと接触して支持する支持手段にて上記基板を支持し、上記基板の裏面側に設けられ、少なくとも上記基板の裏面に対向する電極面を有する第7プラズマ発生用電極と、上記基板の表面側に設けられ、少なくとも上記基板の表面に対向する電極面を有する第8プラズマ発生用電極と、により構成されるプラズマ発生手段にて、上記第7プラズマ発生用電極に一方の電圧を印加し、上記第8プラズマ発生用電極に他方の電位を印加して、大気圧またはその近傍の圧力下でプラズマを生成し、上記プラズマにより活性化されたガスに、上記基板の周縁領域および裏面をさらすことにより、少なくとも上記周縁領域の不要物を除去することを特徴とする。
【0024】
したがって、請求項9記載の基板周縁の不要物除去方法によれば、上記基板の表面,側面及び裏面の輪郭に沿った周縁領域及び裏面において形成された塗布物が除去でき、たとえば、基板搬送におけるダストの発生を防止することができる。そして、上記第4プラズマ発生用電極の電極面と基板表面との間隔を規定することにより、上記基板表面の中央領域におけるプラズマの発生及び活性化されたガスの回り込みを抑制することができる。
【0025】
請求項10記載の基板周縁の不要物除去方法は、上述した請求項8または9の特徴点に加え、平面的に見て上記基板の径よりも大きい径を有する領域で、上記プラズマによって活性化されたガスを生成することを特徴とする。
【0026】
したがって、請求項10記載の基板周縁の不要物除去方法によれば、上記生成されたプラズマにより活性化されたガスが上記基板の側面および裏面に確実に接触することができ、周縁領域及び裏面の不要物を除去することができる。
【0027】
請求項11記載の基板周縁の不要物除去方法は、上述した請求項8乃至10のいずれかの特徴点に加え、上記支持手段により、上記基板が回転可能なことを特徴とする。
【0028】
したがって、請求項11記載の基板周縁の不要物除去方法によれば、基板を回転させることで基板の方向を変えることができる。
【0029】
請求項12記載の基板周縁の不要物除去方法は、上述した請求項9の特徴点に加え、上記第8プラズマ発生用電極に設けられた開口部より、上記基板表面にプラズマ発生を抑制するためのガスを供給することを特徴とする。
【0030】
したがって、請求項12記載の基板周縁の不要物除去方法によれば、上記開口部よりプラズマ生成を抑制するガスを導入して、上記基板表面に該ガスを供給することで、基板の中央領域におけるプラズマの発生及び活性化されたガスの侵入をより確実に抑止することができる。
【0031】
請求項13記載の基板周縁の不要物除去装置は、表面側中央領域に有効な層が形成された基板の周縁の不要物を除去する不要物除去装置であって、処理室内に配置され、上記基板の裏面側のみと接触して、上記基板を支持する支持手段と、一方の電位の電圧が印加される第1プラズマ発生用電極と、他方の電位の電圧が印加される第2プラズマ発生用電極とにより構成され、上記基板の裏面側に配設される大気圧またはその近傍の圧力下でプラズマを生成するプラズマ発生手段と、上記プラズマの生成に使用するガスを供給するガス供給手段と、上記基板へのプラズマ処理時に上記処理室を強制的に排気する排気手段と、を含み、上記プラズマ発生手段を上記基板の周縁領域に沿って相対的に移動させながら、上記基板へ活性化されたガスを吹きつけることを特徴とする。
【0032】
したがって、請求項13記載の基板周縁の不要物除去装置によれば、上記基板の表面,側面及び裏面の輪郭に沿った周縁領域において形成された塗布物が除去でき、たとえば、基板搬送におけるダストの発生を防止することができる。
【0033】
請求項14記載の基板周縁の不要物除去装置は、上述した請求項13の特徴点に加え、上記基板の表面側に設けられ、少なくとも上記基板の表面に対向する面を有するカバー部材を有することを特徴とする。
【0034】
したがって、請求項14記載の基板周縁の不要物除去装置によれば、上記基板の表面,側面及び裏面の輪郭に沿った周縁領域における塗布物が除去でき、更には例えば基板搬送におけるダストの発生を防止することができる。そして、上記カバー部材と基板表面との間隔を規定することにより、上記基板表面における中央領域へのプラズマにより活性化されたガスの回り込みを抑制できる。
【0035】
請求項15記載の基板周縁の不要物除去装置は、上述した請求項14の特徴点に加え、上記カバー部材は開口部を有し、この開口部を介して上記基板表面にプラズマの生成を抑止するガスを供給することを特徴とする。
【0036】
したがって、請求項15記載の基板周縁の不要物除去装置によれば、上記開口部よりプラズマの生成を抑制するガスを導入して、上記基板表面に該ガスを供給することで、基板の中央領域へのプラズマにより活性化されたガスの侵入をより確実に抑止することができる。
【0037】
請求項16記載の基板周縁の不要物除去装置は、表面側中央領域に有効な層が形成された基板の周縁の不要物を除去する不要物除去装置であって、処理室内に配置され、上記基板の裏面側のみと接触して、上記基板を支持する支持手段と、上記基板の裏面側に配置され、一方の電位の電圧が印加される第3プラズマ発生用電極と、上記基板の表面側に設けられ、少なくとも上記基板の表面に対向する電極面を有し、他方の電位の電圧が印加される第4プラズマ発生用電極とにより構成され、大気圧またはその近傍の圧力下で上記電極面に対して局所的にプラズマを生成するプラズマ発生手段と、上記プラズマの生成に使用するガスを供給するガス供給手段と、上記基板へのプラズマ処理時に上記処理室を強制的に排気する排気手段と、を含み、上記基板の周縁領域に沿って、上記第3プラズマ発生用電極を相対的に移動させながら、上記プラズマにより活性化されたガスに上記周縁領域にさらすことを特徴とする。
【0038】
したがって、請求項16記載の基板周縁の不要物除去装置によれば、上記基板の表面,側面及び裏面の輪郭に沿った周縁領域において形成された塗布物が除去でき、たとえば、基板搬送におけるダストの発生を防止することができる。そして、上記第4プラズマ発生用電極の電極面と基板表面との間隔を規定することにより、上記基板表面の中央領域におけるプラズマの発生及び活性化されたガスの回り込みを抑制することができる。
【0039】
請求項17記載の基板周縁の不要物除去装置は、請求項16の特徴点に加え、上記第4プラズマ発生用電極は、開口部を有し、この開口部を介して上記基板表面にプラズマの生成を抑止するガスを供給することを特徴とする。
【0040】
したがって、請求項17記載の基板周縁の不要物除去装置によれば、上記開口部よりプラズマの生成を抑制するガスを導入して、上記基板表面に該ガスを供給することで、基板の中央領域におけるプラズマの発生及び活性化されたガスの侵入をより確実に抑止することができる。
【0041】
請求項18記載の基板周縁の不要物除去装置は、上述した請求項13乃至17のいずれかの特徴点に加え、上記支持手段は、基板を回転させる回転部を含むことを特徴とする。
【0042】
したがって、請求項18記載の基板周縁の不要物除去装置によれば、上記支持手段により上記基板を回転させることで基板表面の方向を変えてやることができる。
【0043】
請求項19記載の基板周縁の不要物除去装置は、上述した請求項13乃至18のいずれかの特徴点に加え、上記プラズマ発生手段または上記第3プラズマ発生用電極は、上記基板の側面に対して進退する方向およびこの方向と直行する方向の少なくとも一方に移動が可能な支持部により支持されることを特徴とする。
【0044】
したがって、請求項19記載の基板周縁の不要物除去装置によれば、上記基板の上記周縁領域に沿って、上記プラズマにより活性化されたガスに上記周縁領域をさらす際の、上記プラズマ発生手段あるいは上記第3プラズマ発生用電極の移動において、2つの支持部をそれぞれの方向へ移動させることで、上記プラズマ発生手段あるいは上記第3プラズマ発生用電極の所望の位置への移動を容易に実現することができる。
【0045】
請求項20記載の基板周縁の不要物除去装置は、表面側中央領域に有効な層が形成された基板の周縁の不要物を除去する不要物除去装置であって、処理室内に配置され、上記基板の裏面側のみと接触して、上記基板を支持する支持手段と、一方の電位の電圧が印加される第5プラズマ発生用電極と、複数の開口部を有し、少なくとも上記基板の裏面に対向する電極面を有し、他方の電位の電圧が印加される第6プラズマ発生用電極とにより構成され、上記基板の裏面側に配設される、大気圧またはその近傍の圧力下でプラズマを生成するプラズマ発生手段と、上記プラズマ生成に使用するガスを供給するガス供給手段と、上記基板へのプラズマの処理時に上記処理室を排気する排気手段と、を含むことを特徴とする基板周縁の不要物除去装置であることを特徴とする。
【0046】
したがって、請求項20記載の基板周縁の不要物除去装置によれば、上記基板の表面,側面及び裏面の輪郭に沿った周縁領域及び裏面において形成された塗布物が除去でき、基板搬送におけるダストの発生を防止することができる。
【0047】
請求項21記載の基板周縁の不要物除去装置は、請求項20の特徴点に加え、上記基板の表面側に設けられ、少なくとも上記基板の表面に対向する面を有する、カバー部材を有することを特徴とする。
【0048】
したがって、請求項21記載の基板周縁の不要物除去装置によれば、上記基板の表面,側面及び裏面の輪郭に沿った周縁領域および裏面における塗布物が除去でき、更に、たとえば、基板搬送におけるダストの発生を防止することができる。そして、上記カバー部材と基板表面との間隔を規定することにより、上記基板表面における中央領域へのプラズマにより活性化されたガスの回り込みを抑制できる。
【0049】
請求項22記載の基板周縁の不要物除去装置は、請求項21の特徴点に加え、上記カバー部材は開口部を有し、この開口部を介して上記基板表面にプラズマの生成を抑止するガスを供給することを特徴とする。
【0050】
したがって、請求項22記載の基板周縁の不要物除去装置によれば、上記開口部よりプラズマの生成を抑制するガスを導入して、上記基板表面に該ガスを供給することで、基板の中央領域への上記活性化されたガスの侵入をより確実に抑止することができる。
【0051】
請求項23記載の基板周縁の不要物除去装置は、表面側中央領域に有効な層が形成された基板の周縁の不要物を除去する不要物除去装置であって、処理室内に配置され、上記基板の裏面側のみと接触して、上記基板を支持する支持手段と上記基板の裏面側に設けられて、少なくとも基板の裏面に対向する電極面を有し、一方の電位の電圧が印加される第7プラズマ発生用電極と、上記基板の表面側に設けられ、少なくとも上記基板の表面に対向する電極面を有し、他方の電位の電圧が印加される第8プラズマ発生用電極と、により構成され、大気圧またはその近傍の圧力下でプラズマを生成するプラズマ発生手段と、上記プラズマ生成に使用するガスを供給するガス供給手段と、上記基板へのプラズマの処理時に上記処理室を排気する排気手段と、を含むことを特徴とする。
【0052】
したがって、請求項23記載の基板周縁の不要物除去装置によれば、上記基板の表面,側面及び裏面の輪郭に沿った周縁領域および裏面において形成された塗布物が除去でき、たとえば、基板搬送におけるダストの発生を防止することができる。そして、上記第8プラズマ発生用電極の電極面と基板表面との間隔を規定することにより、上記基板表面の中央領域におけるプラズマの発生及び活性化されたガスの回り込みを抑制することができる。
【0053】
請求項24記載の基板周縁の不要物除去装置は、上述した請求項20乃至23のいずれかの特徴点に加え、上記支持手段は、基板を回転させる回転部を含むことを特徴とする。
【0054】
したがって、請求項24記載の基板周縁の不要物除去装置によれば、上記支持手段により上記基板を回転させることで基板の方向を変えることができる。
【0055】
請求項25記載の基板周縁の不要物除去装置は、上述した請求項20乃至24のいずれかの特徴点に加え、上記プラズマ発生手段は、そのプラズマ発生領域の外縁が上記基板の側面部よりも外側に位置することを特徴とする。
【0056】
したがって、請求項25記載の基板周縁の不要物除去装置によれば、上記生成されたプラズマにより活性化されたガスが上記基板の側面および裏面に確実に接触することができ、周縁領域および裏面の不要物を除去しやすくすることができる。
【0057】
請求項26記載の基板周縁の不要物除去装置は、上述した請求項23乃至25のいずれかの特徴点に加え、上記第8プラズマ発生用電極は、開口部を有し、この開口部を介して上記基板表面にプラズマの生成を抑制するガスを供給することを特徴とする。
【0058】
したがって、請求項26記載の基板周縁の不要物除去装置によれば、上記開口部よりプラズマの生成を抑制するガスを導入して、上記基板表面に該ガスを供給することで、基板の中央領域におけるプラズマの発生及び活性化されたガスの侵入をより確実に抑止することができる。
【0059】
【発明の実施の形態】
(実施の形態1)
図1には本発明による基板周縁の不要物除去装置の一部を破断した概略図が、図2には図1に示す不要物除去装置の要部の斜視図が示されている。
【0060】
基板12は、被処理体であって、たとえば、各種層、例えば、透明導電膜,能動素子,カラーフィルタ等のパターニング工程で作成されるスピンコーティング法によるレジスト塗布後の液晶基板である。図12に示すように、上記基板12において、周縁領域13は、少なくとも基板の側面及び表面、裏面側のテーパー部分、かつ中央領域11を除く領域を指すものである。中央領域11は、基板端面から内側へ3mmの領域以外の部分に形成されている素子パターン部分を指すものである。
【0061】
この不要物除去装置は、大別して、上記基板12を載置して支持するステージ15と、一対の対向電極を含むプラズマ発生源18と、上記基板12の裏面側から周縁領域13に向けてガスを供給するガス供給装置28と、除去された塗布物などを含む処理後のガスを強制排気する排気装置34とを有する。
【0062】
上記ステージ15は、基板12の裏面側の中心部を真空吸着して保持する吸着治具14と接続されている。上記ステージ15は、吸着治具14を介して回転テーブル16に支持され、該回転テーブル16の図示しない回転駆動手段により吸着治具14を一定の方向に所定の速度にて回転させることにより、上記基板12を回転させることができる。この基板12の回転は、後に述べるX−Yテーブル30によるプラズマ発生源18の方向移動と組み合わせて、上記周縁領域13に沿った不要物除去を行うのに用いられる。このことについては、後に詳細に説明する。
【0063】
ガス供給装置28は、図1に示すガス供給路29aを介して処理室10内にガスを供給する。ここで、図には簡略化させて示したが、上記ガス供給装置28は、処理に必要なガス種を供給することができ、例えば上記ガス供給装置28はガス種に対応したガスボンベを有する。図には省略して示したが、該ガスボンベはそれぞれ異なるガス供給路と接続されており、上記ガス供給路29aを介して処理室10内のプラズマ発生源18に導入される。上記ガスは大気圧プラズマ励起用ガスあるいは反応ガスとして使用される。上記ガスには、たとえば、プラズマ励起用ガスとしてHe,Ar等の希ガス、エッチングあるいはアッシング用としてフッ素化合物,塩素化合物等のハロゲンを含むガス、酸素,窒素等の反応ガスを選択することができる。また、特に図示しないが、上記プラズマ励起用ガス、エッチングガス等のガスの上記処理室18への供給量は、たとえばガス流量調整用バルブ等により制御される。
【0064】
プラズマ発生源18は第1電極20,第2電極22,上記第1電極20−第2電極22間に設けられた誘電体管23により構成される。ここで、上記誘電体管23は、たとえば、ガラス,アルミナ等のような誘電体によって構成される。上記誘電体管23は、ガス供給路29aを介して上記ガス供給装置28により、上述したようなガスを上記第1電極20−第2電極22間に供給する。上記第1電極20には接地電位が接続され、上記第2電極22にはたとえば、13.56MHzの高周波電力を供給する高周波電源24が接続される。このことにより、上記第1電極20−第2電極22間で大気圧またはその近傍の圧力下にてプラズマが励起される。また、上記第2電極22と上記高周波電源24の間に処理室10への高電圧の通電を防止するため、上記処理室10と、上記高周波電源24からの配線との接触部においては、上記配線を覆うための絶縁体26が設けられる。この絶縁体26は、たとえば、セラミックス,ゴム等により構成される。
【0065】
ここで、本実施の形態においては、上記第1電極を接地電位に接続し、上記第2電極を高周波電源に接続した例について記載したが、これに限定されることなく、上記第1電極を高周波電源に接続し、上記第2電極を接地電位に接続することもできる。つまり、上記第1電極−第2電極間にプラズマ放電させるため、上記第1電極と上記第2電極のそれぞれの接続電位が異なる電位であれば特に限定されない。
【0066】
X−Yテーブル30は上記プラズマ発生源18を支持し、該プラズマ発生源18を横方向(X方向)つまり基板12に対して進退する方向、あるいは縦方向つまり横方向と直行する方向(Y方向)に移動させるためのものである。図2に示すように、このX−Yテーブル30は、横方向(X方向)に移動する第1パーツ30aと、縦方向(Y方向)に移動する第2パーツ30bの2つのパーツにより構成されている。上記X−Yテーブル30は、上記第1パーツ30aと上記第2パーツ30bが、垂直方向に接続されることにより構成されている。そして、横方向(X方向)に移動する第1パーツ30aに上記プラズマ発生源18が取り付けられている。上記第2パーツ30bは、処理室10の底面に固定されたY方向に伸びるガイド体36bと、このガイド体36bに案内されてスライドする移動体37bとから構成されている。また、上記第1パーツ30aは、上記移動体37bに固定された、X方向に伸びるガイド体36aと、このガイド体36aに案内されてスライドする移動体37aと上記プラズマ発生源18が取り付けられる支持部38と、この支持部38を上記移動体37aに固定する基台39と、を有する。そして、X−Yテーブル30の第1パーツ30aおよび第2パーツ30bにおいて、移動体37a,37bをそれぞれ移動させることにより、プラズマ発生源18の位置を定めることができる。
【0067】
上記横方向(X方向)に移動する第1パーツ30aは、処理開始の位置決めの際に用いられる。また、縦方向(Y方向)に移動する第2パーツ30bは、プラズマ放電中における、上記基板12の輪郭に沿った直線的な移動に用いられる。そして、上述した回転テーブル16と上記X−Yテーブル30とを組み合わせて使用することにより、上記基板12の輪郭に沿った周縁領域13全面に対してプラズマ処理を行うことができる。つまり、上記X−Yテーブル30の第1パーツ30aを、横方向(X方向)に移動させることにより処理開始の位置決めを行い、ついでX−Yテーブル30の第2パーツ30bを縦方向(Y方向)に移動させつつ、上記プラズマ発生源18にてプラズマ放電させる。このことにより、該プラズマ放電によって発生した活性な処理ガスが上記基板12の側面に沿って吹きつけられ、上記基板12の輪郭に沿ったプラズマ処理を直線的に行うことができる。そして、処理面を変更する際に、上記回転テーブル16を使用して基板12を回転させる。
【0068】
たとえば、液晶基板のような四角形に形成された基板については、X−Yテーブルの第1パーツ30aにより処理開始位置を決定し、上記プラズマ発生源18による処理領域が上記基板12の周縁の直下になるよう設定にする。そして、上記X−Yテーブルの第2パーツ30bを直線的に移動させることにより、上記基板12において4辺ある辺のうち、1辺に沿って処理を行い、処理終了後に上記回転テーブル16によって基板12を90度回転させる。このことにより、上記基板12における上記処理を行なった辺と隣り合った辺がセットされ、さらに上述した手順にて処理を基板12の輪郭に沿って直線的に行うことができる。この場合、4つの辺に沿ってプラズマ放電を行うことになるため、全体で基板を3回,1回につき90度ずつ回転させることにより、上記基板12のそれぞれの辺に対する周縁領域13でプラズマ処理を行うことができる。
【0069】
また、たとえば、半導体基板のような略円形の基板についてはオリエンテーションフラット以外の領域に角部が存在しないため、上記X−Yテーブルの第1パーツ30aを処理開始の位置決めの際に固定し、上記回転テーブル16にて上記基板12を所望の角度分,一定の速度で回転させることのみで、上記基板12の周縁領域13におけるプラズマ処理を行うことができる。
【0070】
排気装置34は、図1に示すように、上記ステージ15上に支持された基板12の近傍に設けられた排気路32と接続され、プラズマ放電及び処理により発生した反応生成物を含むガスを強制的に排除するため、プラズマ発生源18近傍に設けられることが好ましい。上記排気装置34は、たとえば、排気ファン等のような装置を用いることができる。そして、特に図示しないが、排気バルブにより処理室18の排気量が調整される。
【0071】
次に、本発明の不要物除去方法について、図1および図2を用いて説明する。まず、基板12が処理室10内のステージ15上に載置される。このとき、上記基板12は、その裏面が吸着治具14により真空吸着にて保持される。また、予め上記基板12における周縁領域13および中央領域11を特定し、上記基板12の周縁領域上での不要物のみを除去し、中央領域11に影響を与えないよう、上記基板12における処理開始位置を予め設定しておく。そして、X−Yテーブル30の第1パーツ30aを図の横方向(X方向)に移動させることにより、上記誘電体管23の上方先端部が、予め設定した上記処理開始位置の直下となるようにする。
【0072】
次に、ガス供給装置28によりガス供給路29aを介して、上記誘電体管23にガスを供給する。一方、プラズマ発生源18において第1電極20の電位を接地し、第2電極22に、高周波電源24による高電圧を印加する。このことにより、大気圧またはその近傍の圧力下で上記第1電極20−第2電極22間にプラズマ放電が発生し、該プラズマ放電によって発生した活性ガスは上記基板12の裏面側から側面に沿って吹きつけられる。そして、該プラズマ放電により、上記基板12の周縁領域13の塗布物Cと上記ガスとが反応する。この反応は使用ガスにより異なるが、エッチングまたはアッシング等を行うことで、上記基板12の周縁領域13における塗布物Cが除去される。たとえば、基板側面及び裏面については上記塗布物Cはほぼ完全に除去され、基板表面については、活性種が側面から回り込んだ分だけ除去される。
【0073】
そして、上記塗布物と反応して形成された反応生成物は、上記プラズマ放電領域近傍に設けられた排気路32を介して、排気装置34により、処理室10内が強制的に排気されることにより除去される。このようにして、上記基板12における上記周縁領域13の塗布物Cを除去することができるため、基板の搬送コンベアによる搬送、運搬用カセットに収容することによる運搬の際に、基板の周縁領域における塗布物の割れ剥離によるダスト発生が防止できる。このため、基板上のパーティクル付着を抑止し、基板製造工程での歩留りを向上することができる。
【0074】
また、本実施の形態として上記プラズマ発生源による基板へのプラズマ活性種の照射角度が裏面に対して垂直である例を記載したが、上記プラズマ発生源18の支持部38と、これを支持する基台39とは、たとえば、ねじ等の角度調整手段により調整されて固定されているため、ねじにより調整することによりプラズマ発生源18を基台39に対して任意の角度をもって構成することができる。このことにより、上記基板に対するプラズマにより活性化されたガスの照射方向を調整することができる。この場合、上記周縁領域における塗布物の形状あるいは基板表面への影響を考慮して、上記角度を選択することができ、効率かつ信頼性の高い処理が可能となる。
【0075】
次に、本発明をTFTの製造工程中に応用した場合の適用実験例、および本発明を適用しない場合の比較実験例について説明する。ここで、本適用実験例,比較実験例のいずれにおいても、基板として125×115×1.2mmの石英ガラスを使用し、電極形成工程における、特にレジストを使用したパターニング工程に本発明を適用した適用実験例を示す。ここで、アッシングの処理条件として、ヘリウムの流量を5000CCM,酸素の流量を500CCMとし、電力を500W,周波数を13.56MHzとし、誘電体管として外径3mm,内径1.7mmの石英ガラス管を使用した。
【0076】
まず、石英ガラス基板上において、広く知られている減圧CVDにより、ポリシリコンを上記基板の全面(表面,裏面及び側面)に膜厚約100nmにて形成した。
【0077】
そして、上記ポリシリコンを所望の形状にエッチングして電極を形成するために、上記ポリシリコン上に全面的にスピンコーティング法にて、ポジレジストを塗布した。このとき、基板の中央領域における膜厚を約1マイクロメートルで形成したが、上記基板表面,側面の周縁領域においては、膜厚が1マイクロメートルよりも大きく形成された。
【0078】
そして、上記ポジレジストのポリシリコンへの密着性を向上させるために、プレベークを行い、電極形成部をマスクして露光を行い現像した。
【0079】
そして、上記レジスト中のガスを取り除き、硬化させ、上記ポリシリコンとの密着性を向上するために、ポストベークを行った。一般に、この後のエッチング工程時に搬送が行われるが、比較実験例においては、治具等により、上記周縁領域の、特に、側面部におけるレジストがこすれてダストとなり、該ダストが基板表面,側面及び裏面にも再付着した。
【0080】
そして、電極を所望の形状にパターニングするために、フッ酸にてエッチングを行ったが、基板表面,側面または基板裏面においてもエッチングすべき部分が一部残存してしまった。また、上記レジストの露光は基板裏面にて行われなかったため、基板裏面でのポリシリコンの残りにより、組み立て後のバックライトで点灯すると、点欠陥が生じ、良品を生産することができなかった。
【0081】
ところが、本発明を上記ポストベーク工程とエッチング工程の間に適用したところ、基板の周縁領域のレジストを除去することができた。基板表面への回り込みは、端面から約2.5mmのところまでアッシングされ、中央領域には影響を与えなかった。この基板を前記同様にエッチングを行なったところ、エッチングすべき部分にポリシリコンのエッチング残りは発生せず、良好な製品が得られた。
【0082】
本実験では、基板側面と誘電体管との角度を約0度に設定したが、これは中央領域への回り込みを抑制するためであり、これに限定されるものではない。たとえば、上記角度を裏面側から約45度に設定した場合は、基板表面において端面から約5mm程度アッシングされた。中央領域がこれ以上内側に形成されている場合は、このような角度設定でも構わない。
【0083】
このように、上述した実験により、本発明による不要物除去装置を用いた不要物の除去に関する効果を定量的に確認することができた。
【0084】
(実施の形態2)
図3には、本発明による基板周縁の不要物除去装置の別の実施の形態の一部を破断した概略図が示されている。本発明は、プラズマ処理の範囲が、基板表面の能動素子が形成された中央領域に延びることを防止し、基板の周縁領域のみに処理の範囲を限定するための遮へい手段を設けたことを特徴とするものである。つまり、実施の形態1と異なる点は、基板上方に平行に配置させてカバー部材を設け、基板の周縁領域における不要物を除去するものである。以下、簡単のため実施の形態1と同一のものについては説明を省略し、本発明の特徴となる部分に関する点のみを説明する。
【0085】
上記カバー部材38は、たとえば、上記基板12よりも底面の面積が大きいものを使用し、上記基板12の上方に一定の間隔をもって実質的に平行に配置される。このとき、上記基板12は平面的に見てその表面が上記カバー部材38に完全に覆われるように配置される。
【0086】
次に本発明の不要物除去方法について図3を用いて説明する。以下、簡単のため実施の形態1と同一の点については説明を省略し、本発明の特徴となる部分に関する点のみを説明する。
【0087】
まず、基板12が処理室10内のステージ15上に載置される。このとき、上記基板12は、その裏面が吸着治具14により真空吸着にて保持される。また、予め上記基板12における周縁領域13および中央領域11を特定し、上記基板12における周縁領域13の不要物を除去し、中央領域11に影響を与えないように、上記基板12における処理開始位置を予め設定しておく。そして、X−Yテーブルの第1パーツ30aを図の横方向(X方向)に移動させることにより、上記プラズマ発生源18の上方先端部が、予め設定された上記処理開始位置の直下となるようにする。
【0088】
次に、ガス供給装置28によりガス供給路29aを介して上記誘電体管23にガスを供給する。一方、プラズマ発生源18において上記第1電極20の電位を接地し、第2電極22に、高周波電源24による高電圧を印加する。このことにより、大気圧またはその近傍の圧力下で、上記第1電極20−第2電極22間にプラズマ放電が発生し、該プラズマ放電によって発生した活性ガスが上記基板12の裏面側から吹きつけられる。そして、上記基板12表面側に設けられたカバー部材38により、上記基板12表面と上記カバー部材38底面との距離を所定値に設定することにより、基板12表面に流れ込む上記ガスの量を規定できる。すなわち、上記活性ガスは、上記カバー部材と基板12の表面における周縁領域13の塗布物に衝突し、中央領域11上へ回り込みにくくなるため、上記基板12表面の上記中央領域11に対して、活性ガスの影響は実施の形態1よりも小さくなる。そして、該プラズマ放電により、上記基板12の周縁領域13の塗布物Cと上記ガスとが反応する。この反応は、使用ガスにより異なるが、エッチングまたはアッシング等を行うことで、上記基板12の周縁領域13において形成された塗布物Cが除去される。基板側面及び裏面については、上記塗布物はほぼ完全に除去され、基板表面については活性ガスの回り込みが小さいため、中央領域11はほとんど影響を受けない。
【0089】
そして、上記塗布物と反応して形成された反応生成物は、上記プラズマ放電領域近傍に設けられた排気路32を介して排気装置34により処理室10内が強制的に排気されることにより除去される。
【0090】
このようにして、上記基板12における周縁領域13の塗布物Cを除去することができるため、基板の搬送コンベアによる搬送、運搬用カセットに収容することによる運搬の際に、基板の周縁領域における塗布物の割れによるダスト発生がさらに防止できる。このため、基板上のパーティクル付着を抑止し、基板製造工程での歩留りを向上することができる。さらに、プラズマにより活性されたガスの基板表面への供給を抑制することで、基板表面の少なくとも中央領域への影響をほとんどなくすことができる。従って、素子領域が基板端から近い場合には、非常に有効である。
【0091】
(実施の形態3)
図4には本発明による基板周縁の不要物除去装置の別の実施の形態の概略図が示されている。
【0092】
本発明は、処理の範囲を周縁領域のみにより確実に限定し、基板表面側からプラズマ処理用ガスの侵入を抑制できるバリアガスを供給することで、基板裏面側から供給される処理用ガスの流路を周縁領域のみに限定するための手段を設けたことを特徴とするものである。つまり、実施の形態2と異なる点は、基板上方に平行配置させたカバー部材38のほぼ中央に貫通させて開口部39を設け、ガス供給路29bを設ける。このガス供給路29bは、ガス供給装置28に接続されている。そして、該ガス供給路29bより放電開始電圧の高いガスを基板12の表面に供給するものである。すなわち、本発明は、上記ガス供給装置28より2系統のガス供給路29a,29bを使用して処理室10内にガスを上方ならびに下方から供給するものである。つまり、一方のガス供給路29aからプラズマ処理用ガスをプラズマ発生源18に導入することにより、上記第1電極20−上記第2電極22間でプラズマ放電させて、上記基板12の周縁領域13における不要物を除去する。そして、他方のガス供給経路29bからの基板12表面にバリアガスを供給することによって、そのガス流を利用して、強制的に上記基板12表面の中央領域11上に上記ガス供給路29aにより供給されたプラズマ処理用ガスが回り込まないようにするものである。以下、簡単のため実施の形態2と同一のものについては説明を省略し、本発明の特徴となる部分に関する点のみを説明する。
【0093】
プラズマ放電に関しては実施の形態2と同様のため説明を省略するが、大気圧またはその近傍の圧力下で上記第1電極20−第2電極22間にプラズマ放電が発生し、該プラズマ放電によって発生した活性ガスは上記基板12の周縁領域13に向かって流れる。そして、上記基板12表面側に設けられたカバー部材38により、上記基板12表面と上記カバー部材38の底面との距離を所定値に設定することにより、基板12表面に流れ込む上記ガス量を規定できる。すなわち、上記活性ガスは、上記カバー部材と基板12の表面における周縁領域13の塗布物に衝突し、中央領域11上へ回り込みにくくなるため、上記基板12表面の上記中央領域11に対して、活性ガスの影響は実施の形態1よりも小さくなる。ここで、本実施の形態においては、さらに上記プラズマ処理用ガスのガス流をコントロールすることを特徴としている。つまり、本発明においては、上記基板12上方に平行配置されたカバー部材38に設けられたガス供給路29bにより、放電開始電圧の高いバリアガスを導入して、基板表面に吹きつけている。つまり、上記ガス供給路29bからの基板12表面へのガス流量は、上記ガス供給路29aからのガス流量を鑑みて調整されるとともに、上記基板12表面における基板12の塗布物Cの除去状態を元に設定される。
【0094】
また、先に述べたように、上記ガス供給路29bから供給するガスは、放電開始電圧の高いガスが使用される。すなわち、基板12の表面とカバー部材38との間にてプラズマ放電させないようにするため、ヘリウムのようなプラズマ励起し易い不活性ガス以外のガスを使用するものである。つまり、たとえば、基板をアッシングする場合、反応ガスとして酸素ガスを用い、エッチングする場合はフッ素系化合物を使用しているので、バリアガスとしてはガス供給装置28より処理室10に供給する上記反応ガスと同一のガスを使用することができる。このため、ガス供給路29a,29bに対し、同一のガスボンベ等のガス供給ができ、また、途中から分割させて設けることもできる。これらの方式については、上記ガス流の調整を鑑みた上で最適の方式を選択することができる。
【0095】
このようにして、該プラズマ放電により、上記基板12の表面,側面および裏面の周縁領域13の塗布物と上記反応性ガスとが反応する。この反応は、使用ガスにより異なるが、基板12のエッチングまたはアッシング等を行うことで、上記塗布物と上記反応性ガスとが反応し、上記基板12の周縁領域13における塗布物が除去される。基板側面及び裏面については、上記塗布物はほぼ完全に除去され、基板表面については活性ガスの回り込みが小さいため、中央領域11は実質的にほとんど影響を受けない。そして、上記基板12と反応して形成された反応生成物は、排気路32を介して排気装置34により処理室10内が排気されることにより除去される。
【0096】
このようにして、上記基板12における上記周縁領域13の塗布物Cを除去することができるため、基板の搬送コンベアによる搬送、運搬用カセットに収容することによる運搬の際に、基板の周縁領域における塗布物の割れによるダスト発生が防止できる。このため、基板上のパーティクル付着を抑止し、基板製造工程での歩留りを向上することができる。
【0097】
以上本発明を簡単に説明したが、本発明はいずれの実施の形態の不要物除去においても、液晶製造技術のみでなく半導体製造技術等、基板表面の不要物を除去することが必要な工程を含む技術において適用することができる。
【0098】
(実施の形態4)
図5には本発明による基板周縁の不要物除去装置の別の実施の形態の一部を破断した概略図が示されている。本発明は、プラズマを基板の周縁領域に限定して発生させ、該周縁領域を直接プラズマ中にさらすことを特徴とするものである。つまり、実施の形態1と異なる点は、基板の表面側に実質的に平行に第3電極を配置し、上記基板の裏面側の周縁領域近傍に第4電極を設け、上記第3電極−第4電極間でプラズマ放電させて、基板の周縁領域における不要物を除去するものである。以下、簡単のため実施の形態1と同一のものについては説明を省略し、本発明の特徴となる部分に関する点のみを説明する。
【0099】
上記第3電極40は、たとえば、アルミニウム,ステンレススチール等の金属により構成され、上記基板12よりも底面の面積が大きいものを使用し、上記基板12の上方に一定の間隔をもって平行に配置される。このとき、上記基板12はその表面が平面的に見て上記第3電極40に完全にカバーされるように配置され、上記第3電極40は接地電位と接続される。
【0100】
そして、上記第4電極42は、その軸方向が上記第3電極40に対して約90度の角度をもって配置されるとともに、上記第4電極42の先端部が上記基板12の周縁領域近傍となるように配置される。また、上記第4電極42は、その先端部を除き、誘電体管23により囲まれて設けられており、該誘電体管にガス供給路29aが接続され、該ガス供給路29aへガス供給装置28によりプラズマ処理のためのガスが供給される。ここで、上記ガスについては上述した実施の形態1と同様にして、処理に必要なガス種をもって構成される。そして、上記第4電極42は絶縁体26aを介して高周波電源と接続され、たとえば、その周波数は13.56MHzに設定される。上記第4電極42の下部は、たとえば、セラミックス等の絶縁体26bと密着される。上記絶縁体26aは、上記第4電極42と上記高周波電源24の間に処理室10への高電圧の通電を防止するため、上記処理室10と、上記高周波電源24からの配線との接触部においては、上記配線を覆うために設けられる。上記絶縁体26bは上記X−Yテーブル30の第1パーツ30aに固定されて支持され、実施の形態1に示したように、上記第4電極42の処理開始の位置決めおよび第4電極42の移動に使用される。
【0101】
次に本発明の不要物除去方法について図5を用いて説明する。以下、簡単のため実施の形態1と同一の点については説明を省略し、本発明の特徴となる部分に関する点のみを説明する。
【0102】
まず、基板12が処理室10内のステージ15上に載置される。このとき、上記基板12は、その裏面が吸着治具14により真空吸着にて保持される。また、予め上記基板12における周縁領域13および中央領域11を特定し、上記基板12の周縁領域13の不要物を除去し、中央領域11に影響を与えないように、上記基板12における処理開始位置を予め設定しておく。そして、X−Yテーブルの第1パーツ30aを図の横方向(X方向)に移動させることにより、上記第4電極42の上方先端部が、予め設定された上記処理開始位置の直下となるようにする。
【0103】
次に、ガス供給装置28によりガス供給路29aを介して上記誘電体管23にガスを供給する。一方、上記第4電極42に、高周波電源24により高電圧を印加し、第3電極40に接地電圧を印加する。このことにより、大気圧あるいはその近傍の圧力下で、上記第3電極40−第4電極42間にプラズマ放電が発生し、該プラズマ放電によって発生した活性ガスに上記基板12の周縁領域13がさらされる。そして、上記基板12表面側に設けられた第3電極40により、上記基板12表面と上記第4電極底面との距離を所定値に設定することにより、基板12表面に流れ込む上記活性ガスの量を抑制でき、基板の表面側でのプラズマの発生を抑制できる。
【0104】
すなわち、プラズマにより活性化されたガスが基板表面の中央領域11上へ到達しにくくなるため、上記基板12表面の上記中央領域11にてプラズマ活性ガスの影響はほとんどなくなる。そして、該プラズマ放電により、上記基板12の表面,側面および裏面の周縁領域13の塗布物Cと上記ガスとが反応する。この反応は、使用ガスにより異なるが、エッチングまたはアッシング等を行うことで、上記基板12の周縁領域13において形成された塗布物が除去される。つまり、たとえば、基板12の側面及び裏面の周縁領域においては、上記塗布物Cがほぼ完全に除去され、表面においては、中央領域11はプラズマ放電の影響をほとんど受けず、周縁領域のみ除去される。
【0105】
そして、上記塗布物と反応して形成された反応生成物は、上記プラズマ放電領域近傍に設けられた排気路32を介して排気装置34により処理室10内が強制的に排気されることにより除去される。
【0106】
このようにして、上記基板12における周縁領域13の塗布物Cを除去することができるため、基板の搬送コンベアによる搬送、運搬用カセットに収容することによる運搬の際に、基板の周縁領域における塗布物の割れによるダスト発生が防止できる。このため、基板上のパーティクル付着を抑止し、基板製造工程での歩留りを向上することができる。
【0107】
次に、本発明をTFTの製造工程中に応用した場合の適用実験例および本発明を適用しない場合の比較実験例について説明する。ここで、本適用実験例、比較実験例のいずれにおいても、基板として125×115×1.2mmの石英ガラスを使用し、電極形成工程における、特にレジストを使用したパターニング工程に本発明を適用した適用実験例を示す。ここで、アッシングの処理条件として、ヘリウムの流量を5000CCM,酸素の流量を50CCMとし、電力を200W,周波数を13.56MHzとした。
【0108】
まず、石英ガラス基板上において、広く知られている減圧CVDにより、ポリシリコンを上記基板の全面(表面,裏面及び側面)に膜厚約100nmにて形成した。
【0109】
そして、上記ポリシリコンを所望の形状にエッチングして電極を形成するために、上記ポリシリコン上に全面的にスピンコーティング法にて、ポジレジストを塗布した。このとき、基板の中央領域における膜厚を約1マイクロメートルで形成したが、上記基板表面,側面の周縁領域においては、膜厚が1マイクロメートルよりも大きく形成された。
【0110】
そして、上記ポジレジストのポリシリコンへの密着性を向上させるために、プレベークを行い、電極形成部をマスクして露光を行い現像した。
【0111】
そして、上記レジスト中のガスを取り除き、硬化させ、上記ポリシリコンとの密着性を向上するために、ポストベークを行った。一般に、この後のエッチング工程時に搬送が行われるが、比較実験例においては、治具等により、上記周縁領域の、特に、側面部におけるレジストがこすれてダストとなり、該ダストが基板表面,側面及び裏面にも再付着した。
【0112】
そして、電極を所望の形状にパターニングするために、フッ酸にてエッチングを行ったが、基板表面,側面または基板裏面においてもエッチングすべき部分が一部残存してしまった。また、上記レジストの露光は基板裏面にて行われなかったため、基板裏面でのポリシリコンの残りにより、組み立て後のバックライトで点灯すると、点欠陥が生じ、良品を生産することができなかった。
【0113】
ところが、本発明を上記ポストベーク工程とエッチング工程の間に適用したところ、基板の周縁領域のレジストを除去することができた。基板表面への回り込みは、端面から約2.5mmのところまでアッシングされ、中央領域には影響を与えなかった。この基板を前記同様にエッチングを行なったところ、エッチングすべき部分にエッチング残りは発生せず、良好な製品が得られた。
【0114】
このように、上述した実験により、本発明による不要物除去装置を用いた不要物の除去に関する効果を定性的に確認することができた。
【0115】
(実施の形態5)
図6には本発明による基板周縁の不要物除去装置の別の実施の形態の概略図が示されている。
【0116】
本発明は、処理の範囲を周縁領域のみにより確実に限定し、基板表面側からプラズマ処理用ガスの侵入を抑制できるバリアガスを供給することで、基板裏面側から供給される処理用ガスの流路を周縁領域のみに限定にするための手段を設けたことを特徴とするものである。つまり、実施の形態4と異なる点は、基板上方に平行配置させた第3電極40のほぼ中央に貫通させて開口部41を設け、ガス供給路29bを設ける。このガス供給路29bは、ガス供給装置28に接続されている。そして、該ガス供給路29bより放電開始電圧の高いガスを基板12の表面に供給するものである。すなわち、本発明は、上記ガス供給装置28より2系統のガス供給路29a,29bを使用して処理室10内にガスを上方ならびに下方から供給するものである。つまり、一方のガス供給路29aからプラズマ処理用ガスをプラズマ発生源18に導入することにより、上記第3電極40−上記第4電極42間でプラズマ放電させて、上記基板12の周縁領域13における不要物を除去する。そして、他方のガス供給経路29bからの基板12表面にバリアガスを供給することによって、そのガス流を利用して、強制的に上記基板12表面の中央領域11上に上記ガス供給路29aにより供給されたプラズマ処理用ガスが回り込まないようにするものである。以下、簡単のため実施の形態4と同一のものについては説明を省略し、本発明の特徴となる部分に関する点のみを説明する。
【0117】
プラズマ放電に関しては実施の形態4と同様のため説明を省略するが、大気圧またはその近傍の圧力下で上記第3電極40−第4電極42間にプラズマ放電が発生し、該プラズマ放電によって発生した活性ガスに上記基板12の周縁領域13がさらされる。そして、上記基板12表面側に設けられた第3電極40により、上記基板12表面と上記第3電極40の底面との距離を所定値に設定することにより、基板12表面に流れ込む上記活性ガスを抑制でき、基板表面側でのプラズマの発生を抑制できる。すなわち、プラズマにより活性化されたガスが、基板表面の中央領域11上へ到達しにくくなるため、上記基板12表面の上記中央領域11にてプラズマ活性ガスの影響はほとんどなくなる。
【0118】
ここで、本実施の形態においては、さらに上記プラズマ処理用ガスのガス流をコントロールすることを特徴としている。つまり、本発明においては、上記基板12上方に平行配置された第3電極40に設けられたがガス供給路29bにより、放電開始電圧の高いバリアガスを導入して、基板表面に吹きつけている。つまり、上記ガス供給路29bからの基板12表面へのガス流量は、上記ガス供給路29aからのガス流量を鑑みて調整されるとともに、上記基板12表面における基板12の塗布物Cの除去状態を元に設定される。
【0119】
また、先に述べたように、上記ガス供給路29bから供給するガスは、放電開始電圧の高いガスが使用される。すなわち、基板12と上記第3電極40との間でプラズマを発生させないようにするため、たとえば、ヘリウムのような放電開始電圧の低いガスは使用しないようにするものである。たとえば、アッシングの場合は、反応ガスとして酸素を用い、エッチングの場合でフッ素化合物を用いるが、それぞれの場合、バリアガスとしては酸素,フッ素化合物を用いることができる。いずれもガス供給装置28より処理室10に供給する上記反応ガスと同一のガスを使用することができため、ガス供給路29a,29bに対し、同一のガスボンベ等からガス供給ができ、また、途中から分割させて設けることもできる。これらの方式については、上記ガス流量の調整を鑑みた上で最適の方式を選択することができる。
【0120】
このようにして、該プラズマ放電により、上記基板12の周縁領域13における塗布物と上記反応性ガスとが反応する。この反応は、使用ガスにより異なるが、基板12のエッチングまたはアッシング等を行うことで、上記塗布物と上記反応性ガスとが反応し、上記基板12の周縁領域13における塗布物が除去される。そして、上記基板12と反応して形成された反応生成物は、排気路32を介して排気装置34により処理室10内が排気されることにより除去される。
【0121】
このようにして、上記基板12における上記周縁領域13の塗布物Cを除去することができるため、基板の搬送コンベアによる搬送、運搬用カセットに収容することによる運搬の際に、基板の周縁領域における塗布物の割れによるダスト発生が防止できる。このため、基板上のパーティクル付着を抑止し、基板製造工程での歩留りを向上することができる。
【0122】
以上本発明を簡単に説明したが、本発明はいずれの実施の形態の不要物除去においても、液晶製造技術のみでなく半導体製造技術等、基板表面の不要物を除去することが必要な工程を含む技術において適用することができる。
【0123】
(実施の形態6)
図7には本発明による基板周縁の不要物除去装置の別の実施形態の概略図が示されている。
【0124】
基板12は、被処理体であって、たとえば、各種層,例えば透明導電膜,能動素子,カラーフィルタ等のパターニング工程で作成されるスピンコーティング法によるレジスト塗布後の液晶基板である。
【0125】
この塗布物除去装置は、大別して、上記基板12を載置して支持するステージ15と、一対の対向電極を含むプラズマ発生源18と、該プラズマ発生源18内にガスを供給するガス供給装置28と、除去された塗布物などを含む処理後のガスを強制排気する排気装置34とを有する。
【0126】
上記ステージ15は、基板12の裏面側の中心部を真空吸着して保持する吸着治具14に接続されている。上記ステージ15は、吸着治具14を介して回転テーブル16に支持され、該回転テーブル16の図示しない回転駆動手段により吸着治具14を一定の方向に所定の速度にて回転させることにより上記基板12を回転させることができる。そして、プラズマ発生源18により上記基板12の周縁領域13及び裏面に対して処理を行う。このことについては、後に詳細に説明する。
【0127】
ガス供給装置28は、ガス供給路29aを介して処理室10内のプラズマ発生源18にガスを導入する。ここで、図には簡略化させて示したが、上記ガス供給装置28は、処理に必要なガス種を供給することができ、例えば、上記ガス供給装置28はガス種に対応したガスボンベを有する。図7には省略して示したが、該ガスボンベはそれぞれ異なるガス供給路と接続されており、上記ガス供給路29aを介して処理室10内のプラズマ発生源18に導入される。上記ガスは大気圧プラズマ励起用ガスあるいは反応ガスとして使用される。上記ガスには、たとえば、プラズマ励起用ガスとしてHe,Ar等のような希ガス、エッチングあるいはアッシング用としてフッ素化合物,塩素化合物等のハロゲンを含むガス,酸素,窒素等の反応ガスを選択することができる。また、特に図示しないが、上記プラズマ励起用ガス、エッチングガス等の上記プラズマ発生源18への導入量は、たとえばガス流量調整用バルブ等により制御される。
【0128】
プラズマ発生源18は、多孔質の第5電極50及びメッシュ状電極52を有し、上記第5電極50と上記メッシュ状電極52は平行に配置されている。上記第5電極50−メッシュ状電極52間には誘電体多孔板54が設けられ、上記誘電体多孔板54を介して上記第5電極50−メッシュ状電極52間にてプラズマ放電が発生する。
【0129】
また、上記第5電極50側面および誘電体多孔板54側面には絶縁体26cが、上記第5電極50に高周波電圧を印加するための配線と、上記プラズマ発生源18壁との接触部には絶縁体26aが設けられることで、上記プラズマ発生源18壁部及び上記メッシュ状電極52−上記第5電極50間を電気的に絶縁する。さらに、上記第5電極50と上記高周波電源24の間に処理室10への高電圧の通電を防止するため、上記処理室10と、上記高周波電源24からの配線との接触部においては、上記配線を覆って絶縁体26bが設けられる。ここで、たとえば、上記第5電極50は多孔質のステンレススチール等のような金属多孔板により構成される。上記誘電体多孔板54は、たとえば、ガラス,アルミナ等のような誘電体によって構成される。ここで、上記第5電極50上に誘電体多孔板54を設けることによって、上記第5電極50,誘電体多孔板54の通気孔を介して、上記プラズマ発生源18下方から導入されたガスが、上記メッシュ状電極52下部に供給されることにより、上記ガスが均一化される。このような構成により、上記第5電極50−メッシュ状電極52間に均一な放電を形成することができる。
【0130】
このようにして、上記ガス供給路29aを介して上述したようなガスを、上記プラズマ発生源18内に導入し、上記第5電極50−メッシュ状電極52間に供給する。上記メッシュ状電極52には接地電位が印加され、上記第5電極50にはたとえば、13.56MHzで発振する高周波電源24が接続される。このことによって、上記メッシュ状電極52−第5電極50間で大気圧またはその近傍の圧力下にてプラズマ放電が発生する。そして、上記メッシュ状電極52下方にて形成されたプラズマ活性種が、メッシュ状電極52における通気孔を通して、基板12の裏面全体および周縁領域13に吹きつけられ、該当部分の不要物除去が行われる。
【0131】
また、上記基板12の周縁領域における不要物を除去するためには、上記プラズマ放電によって活性化されたガスに上記基板12の側面を確実にさらさなければならない。よって、上記プラズマ発生源18,すなわち上記メッシュ状電極52,誘電体多孔板54,第5電極50は、上記基板12の側面部よりも外方に所定長さLだけ張り出させて配置させる。つまり、プラズマ放電は平面的に見て上記基板12の径よりも大きい径を有する領域で行われる。
【0132】
また、上記基板の裏面については、上記基板12直下に吸着治具14と接触しない程度に上記プラズマ発生源18が設けられているため、基板の裏面側のほぼ全面で不要物が除去できる。
【0133】
排気装置34は、図7に示すように、排気路32と接続され、処理室10内のプラズマ放電及び処理により発生した反応生成物を含むガスを排除する。上記排気装置34は、たとえば、排気ファン等のような装置を用いることができる。そして、特に図示しないが、排気バルブにより処理室10の排気量が調整される。
【0134】
次に、本発明の不要物除去方法について、図7を用いて説明する。
【0135】
まず、基板12が処理室18内のステージ15上に載置される。このとき、上記基板12は、その裏面が吸着治具14により真空吸着にて保持される。
【0136】
次に、ガス供給装置28によりガス供給路29aを介してプラズマ発生源18に上記ガスを導入する。一方、プラズマ発生源18においてメッシュ状電極52の電位を接地し、第5電極50に高周波電源24により高電圧を印加する。このことにより、大気圧またはその近傍の圧力下で上記第5電極50−メッシュ状電極52間にプラズマ放電が発生し、該プラズマ放電によって発生した活性ガスは上記基板12の裏面及び周縁領域13に向かって流れる。そして、上記基板12裏面全体および周縁領域13の塗布物Cと上記活性ガスとが反応する。この反応は使用ガスにより異なるが、エッチングまたはアッシング等を行うことで、上記基板12の輪郭に沿った周縁領域13および裏面全体における塗布物が除去される。
【0137】
そして、上記塗布物と反応して形成された反応生成物は、排気路32を介して排気装置34にて処理室10内が排気されることにより除去される。このようにして、上記基板12における上記周縁領域13の塗布物Cを除去することができるため、基板の搬送コンベアによる搬送、運搬用カセットに収容することによる運搬の際に、基板の裏面全体および周縁領域における塗布物の割れによるダスト発生が防止できる。このため、基板上のパーティクル付着を抑止し、基板製造工程での歩留りを大幅に向上することができる。
【0138】
加えて、本発明においては、特に基板裏面の不要物が全面的に除去できるため、組み立て後のバックライトで点灯したときの点欠陥をなくすことができ、製品の生産性を向上することができる。たとえば、レジスト等の塗布物をスピンコーティングで塗布した際、基板裏面に塗布物が回り込んだり、飛び散ったとしても、裏面を全面的に除去できるため、これに起因するTFTパネル点灯時の点欠陥等の不良をなくすことができる。
【0139】
(実施の形態7)
図8には、本発明による基板周縁の不要物除去装置の別の実施の形態の一部を破断した概略図が示されている。本発明は、プラズマ処理の範囲が、基板表面の能動素子が形成された中央領域に延びることを防止し、基板の周縁領域および裏面全体のみに処理の範囲を限定するための手段を設けたことを特徴とするものである。つまり、実施の形態6と異なる点は、基板上方に平行に配置させてカバー部材38を設け、上記第5電極50−メッシュ状電極52間でプラズマ放電させて、基板の裏面全体および周縁領域13における不要物を除去するものである。以下、簡単のため実施の形態6と同一のものについては説明を省略し、本発明の特徴となる部分に関する点のみを説明する。
【0140】
上記カバー部材38は、たとえば、上記基板12よりも底面の面積が大きいものを使用し、上記基板12の上方に一定の間隔をもって平行に配置される。このとき、上記基板12はその表面が平面的に見て上記カバー部材38に完全に覆われるように配置される。
【0141】
そして、実施の形態6と同様に、プラズマ発生源18は、多孔質の第5電極50及びメッシュ状電極52を有し、上記第5電極50と上記メッシュ状電極52は平行に配置されている。上記第5電極50−メッシュ状電極52間には誘電体多孔板54が設けられ、上記誘電体多孔板54を介して上記第5電極50−メッシュ状電極52間にて、プラズマ放電が発生する。
【0142】
次に本発明の不要物除去方法について図8を用いて説明する。以下、簡単のため実施の形態6と同一の点については説明を省略し、本発明の特徴となる部分に関する点のみを説明する。
【0143】
まず、基板12が処理室10内のステージ15上に載置される。このとき、上記基板12は、その裏面が吸着治具14により真空吸着にて保持される。
【0144】
次に、ガス供給装置28によりガス供給路29aを介してプラズマ発生源18にガスを供給する。一方、プラズマ発生源18において上記メッシュ状電極52の電位を接地し、第5電極50に、高周波電源24による高電圧を印加する。このことにより、大気圧またはその近傍の圧力下で、上記メッシュ状電極52−第5電極50間にプラズマ放電が発生し、該プラズマ放電によって発生した活性ガスは上記基板12の裏面及び周縁領域13に向かって流れる。そして、上記基板12表面側に設けられたカバー部材38により、上記基板12表面と上記カバー部材38底面との距離を所定値に設定することにより、基板12表面に流れ込む上記ガスの量を規定できる。すなわち、上記活性ガスは、上記カバー部材38と基板12の表面における周縁領域13に衝突し、中央領域11上へ回り込みにくくなるため、上記基板12表面の上記中央領域11に対して、活性ガスの影響は実施の形態6よりも小さくなる。そして、該プラズマ放電により、上記基板12の周縁領域13及び裏面の塗布物Cと上記ガスとが反応する。この反応は、使用ガスにより異なるが、エッチングまたはアッシング等を行うことで、上記基板12の周縁領域13及び裏面において形成された塗布物Cが除去される。
【0145】
そして、上記塗布物と反応して形成された反応生成物は、上記プラズマ放電領域近傍に設けられた排気路32を介して排気装置34により処理室10内が強制的に排気されることにより除去される。
【0146】
このようにして、上記基板12における上記周縁領域13の塗布物Cを除去することができるため、基板の搬送コンベアによる搬送、運搬用カセットに収容することによる運搬の際に、基板の側面および裏面全体かつ表面の周縁領域における塗布物の割れによるダスト発生が防止できる。このため、基板上のパーティクル付着を抑止し、基板製造工程での歩留りを向上することができる。
【0147】
加えて、本発明においては、特に基板裏面の不要物が全面的に除去できるため組み立て後のバックライトで点灯したときの点欠陥をなくすことができ、製品の生産性を向上することができる。たとえば、レジスト等の塗布物をスピンコーティングで塗布した際、基板裏面に塗布物が回り込んだり、飛び散ったとしても、裏面を全体的に除去できるため、これに起因するTFTパネル点灯時の点欠陥等の不良をなくすことができる。
【0148】
(実施の形態8)
図9には本発明による基板周縁の不要物除去装置の別の実施の形態の概略図が示されている。
【0149】
本発明は、処理の範囲を基板の裏面全体および周縁領域のみに、より確実に限定し、基板表面側からプラズマ処理用ガスの侵入を抑制できるバリアガスを供給することで、基板裏面側から供給される処理用ガスの流路を基板の周縁領域及び裏面のみに限定にするための手段を設けたことを特徴とするものである。つまり、実施の形態7と異なる点は、基板上方に平行配置させたカバー部材38のほぼ中央に貫通させて開口部39を設け、ガス供給路29bを設ける。このガス供給路29bは、ガス供給装置28に接続されており、該ガス供給路29bより放電開始電圧の高いガスを基板12の表面に供給するものである。すなわち、本発明は、上記ガス供給装置28より2系統のガス供給路29a,29bを使用して処理室10内にガスを上方ならびに下方から供給するものである。つまり、一方のガス供給路29aからプラズマ処理用ガスをプラズマ発生源18に導入することにより、上記メッシュ状電極52−上記第5電極50間でプラズマ放電させて、上記基板12の周縁領域13及び裏面における不要物を除去する。そして、他方のガス供給経路29bからの基板12表面にバリアガスを供給することによって、そのガス流を利用して、強制的に上記基板12表面の中央領域11上に上記ガス供給路29aにより供給されたプラズマ処理用ガスが回り込まないようにするものである。以下、簡単のため実施の形態7と同一のものについては説明を省略し、本発明の特徴となる部分に関する点のみを説明する。
【0150】
プラズマ放電に関しては実施の形態6および7と同様のため説明を省略するが、大気圧またはその近傍の圧力下で上記メッシュ状電極52−第5電極50間にプラズマ放電が発生し、該プラズマ放電によって発生した活性ガスは上記基板12の周縁領域13及び裏面に向かって流れる。そして、上記基板12表面側に設けられたカバー部材38により、上記基板12表面と上記カバー部材38の底面との距離を所定値に設定することにより、基板12表面に流れ込む上記ガスの量の規定ができる。すなわち、上記活性ガスは、上記カバー部材と基板12の表面における周縁領域13に衝突し、中央領域11上へ回り込みにくくなるため、上記基板12表面の中央領域11に対して、活性ガスの影響は実施の形態6よりも小さくなる。
【0151】
ここで、本実施の形態においては、さらに上記プラズマ処理用ガスのガス流をコントロールすることを特徴としている。つまり、本発明においては、上記基板12上方に平行配置されたカバー部材38に設けられたガス供給路29bにより、放電開始電圧の高いバリアガスを導入して、基板表面に吹きつけている。つまり、上記ガス供給路29bからの基板12表面へのガス流量は、上記ガス供給路29aからのガス流量を鑑みて調整されるとともに、上記基板12表面における基板12の塗布物Cの除去状態を元に設定される。また、先に述べたように、上記ガス供給路29bから供給されるガスは、放電開始電圧の高いガスが使用される。すなわち、基板12の表面と上記第5電極50との間にてプラズマ放電させないようにするため、ヘリウムのようなプラズマ励起用である不活性ガスを使用しないようにするものである。つまり、たとえば、基板12をアッシングする場合、反応ガスとして酸素ガスを用い、エッチングする場合はフッ素系化合物を使用しているので、バリアガスとしてはガス供給装置28より処理室10に供給する上記反応ガスと同一のガスを使用するとができる。このため、ガス供給路29a,29bに対し、同一のガスボンベ等からのガス供給ができ、また、途中から分割させて設けることもできる。
【0152】
このようにして、該プラズマ放電により、上記基板12の裏面及び周縁領域13の塗布物Cと上記反応性ガスとが反応する。この反応は、使用ガスにより異なるが、基板12のエッチングまたはアッシング等を行うことで、上記塗布物と上記反応性ガスとが反応し、上記基板12の裏面及び周縁領域13における塗布物が除去される。基板側面及び裏面については、上記塗布物はほぼ完全に除去され、基板表面については、活性ガスの回り込みが小さいため、中央領域11はほとんど影響を受けない。そして、上記基板12と反応して形成された反応生成物は、排気路32を介して排気装置34により処理室10内が排気されることにより除去される。
【0153】
このようにして、上記基板12における上記周縁領域13の塗布物Cを除去できるため、基板の搬送コンベアによる搬送、運搬用カセットに収容することによる運搬の際に、基板の裏面全体及び周縁領域における塗布物の割れによるダスト発生が防止できる。このため、基板上のパーティクル付着を抑止し、基板製造工程での歩留りを向上することができる。
【0154】
加えて、本発明においては、特に基板裏面の不要物が全面的に除去できるため組み立て後のバックライトで点灯したときの点欠陥をなくすことができ、製品の生産性を向上することができる。たとえば、レジスト等の塗布物をスピンコーティングで塗布した際、基板裏面に塗布物が回り込んだり、飛び散ったとしても、裏面を全体的に除去できるため、これに起因するTFTパネル点灯時の点欠陥等の不良をなくすことができる。
【0155】
以上本発明を簡単に説明したが、本発明はいずれの実施の形態の不要物除去においても、液晶製造技術のみでなく半導体製造技術等、基板表面の不要物を除去することが必要な工程を含む技術において適用することができる。
【0156】
(実施の形態9)
図10には本発明による基板周縁の不要物除去装置の別の実施の形態の一部を破断した概略図が示されている。
【0157】
本発明は、基板の周縁領域および裏面にのみプラズマを発生させ、該領域を直接プラズマにさらすことを特徴とするものである。つまり、基板の表面側に平行に配置させて第6電極を設け、上記基板の裏面側に平行に配置させて第5電極を設け、上記第6電極−上記第5電極間でプラズマ放電させて、上記基板の周縁領域及び裏面における不要物を除去するものである。以下、簡単のため実施の形態1と同一のものについては説明を省略し、本発明の特徴となる部分に関する点のみを説明する。
【0158】
上記第6電極60は、たとえば、アルミニウム,ステンレススチールなどの金属により構成され、上記基板12よりも底面の面積が大きいものが使用され、上記基板12の表面側に一定の間隔をもって平行に配置される。このとき、上記基板12表面は上記第6電極60にその表面が完全にカバーされるように配置され、上記第6電極60は接地電位と接続される。
【0159】
基板12の裏面側には、第5電極50および誘電体多孔板54が設けられ、上記誘電体多孔板54を介して上記第5電極50−第6電極電極60間にて、上記プラズマ放電が発生する。そして、上記第5電極50と上記高周波電源24の間に処理室10への高電圧の通電を防止するため、上記処理室10と、上記高周波電源24からの配線との接触部においては、上記配線を覆って絶縁体26が設けられる。ここで、たとえば、上記第5電極50は多孔質のステンレススチール等のような金属多孔板により構成される。上記誘電体多孔板54は、たとえば、ガラス,アルミナ等のような絶縁物によって構成される。ここで、上記第5電極50上に誘電体多孔板54を設けることによって、上記第5電極50,誘電体多孔板54の通気孔を介して、上記プラズマ発生源18下方から導入されたガスが、基板12下部および上記第6電極下部に供給されることにより、上記ガスが均一化される。このような構成により、上記第5電極50−第6電極60間に均一な放電を形成することができる。
【0160】
このようにして、上記ガス供給路29aを介して上述したようなガスを、上記第5電極50−第6電極60間に供給する。上記第6電極60には接地電位が印加され、上記第5電極50にはたとえば、13.56MHzで発振する高周波電源24が接続される。このことによって、上記第6電極60−第5電極50間で大気圧またはその近傍の圧力下にてプラズマ放電が発生する。そして、プラズマ放電によって形成された活性ガスに、上記基板12の周縁領域13及び裏面がさらされ、該当部分の不要物が除去される。
【0161】
ここで、本実施の形態においては、第6電極60を接地電位に接続し、上記第5電極50を高周波電源24に接続した例について記載したが、これに限定されることなく、上記第6電極60を高周波電源24に接続し、上記第5電極50を接地電位に接続することもできる。
【0162】
また、上記基板12の周縁領域における不要物を除去するためには、上記プラズマ放電に上記基板12の側面を確実にさらさなければならない。よって、上記プラズマ発生源18,すなわち上記第6電極60,上記誘電体多孔板54,第5電極50は、上記基板12の側面部よりも張り出させて配置される。
【0163】
プラズマ放電の形態に関して以下に説明する。大気圧またはその近傍の圧力下で上記第5電極50−第6電極60間にプラズマ放電が発生し、該プラズマ放電で発生した活性ガスに上記基板12の裏面及び周縁領域13がさらされる。そして、上記基板表面側に設けられた第6電極60により、上記基板12表面と上記第5電極50の底面との距離を所定値に設定することにより、基板12表面に流れ込む上記活性ガスの量を抑制でき、基板の表面側でのプラズマの発生を抑制できる。すなわち、プラズマにより活性化されたガスが基板表面の中央領域11上へ到達しにくくなるため、上記基板12表面の上記中央領域11にてプラズマ活性ガスの影響はほとんどなくなる。そして、該プラズマ放電により、上記基板12の裏面及び周縁領域13の塗布物Cと上記ガスとが反応する。この反応は、使用ガスにより異なるが、基板12のエッチングまたはアッシング等を行うことで、上記基板12の周縁領域13及び裏面において形成された塗布物が除去される。基板12の側面及び裏面においては、上記塗布物Cがほぼ完全に除去され、表面においては、中央領域11は影響をほとんど受けず、裏面及び周縁領域のみ除去される。
【0164】
そして、上記基板12と反応して形成された反応生成物は、排気路32を介して排気装置34により処理室18内が排気されることにより除去される。
【0165】
このようにして、上記基板12における周縁領域13の塗布物Cを除去することができるため、基板の搬送コンベアによる搬送、運搬用カセットに収容することによる運搬の際に、基板の周縁領域及び裏面における塗布物の割れによるダスト発生が防止できる。このため、基板上のパーティクル付着を抑止し、基板製造工程での歩留りを向上することができる。
【0166】
次に、本発明をTFTの製造工程中に応用した場合の適用実験例および本発明を適用しない場合の比較実験例について説明する。ここで、本適用実験例,比較実験例のいずれにおいても、基板として125×115×1.2mmの石英ガラスを使用し、電極形成工程における、特にレジストを使用したパターニング工程に本発明を適用した適用実験例を示す。ここで、アッシングの処理条件として、ヘリウムの流量を2000CCM,酸素の流量を500CCMとし、電力を2500W,周波数を13.56MHzとし、第5電極として多孔質のステンレススチールを使用し、誘電体としてアルミナ多孔質を使用し、第6電極としてアルミニウム,ステンレススチール等の金属を使用した。また、第6電極−基板表面の距離を0.4mm,基板裏面−メッシュ状電極の距離を1mm,Lを15mmに設定して実験を行なった。
【0167】
まず、石英ガラス基板上において、広く知られた減圧CVDにより、ポリシリコンを上記基板の全面(表面,裏面,側面)に膜厚約100nmにて形成した。
【0168】
そして、上記ポリシリコンを所望の形状にエッチングして電極を形成するために、上記ポリシリコン上に全面的にスピンコーティング法にて、たとえばポジレジストを塗布した。このとき、基板の中央領域における膜厚を約1マイクロメートルで形成したが、上記基板表面,側面の周縁領域においては、部分的に膜厚が1マイクロメートルよりも大きく形成された。裏面においては、周縁領域にレジストの回り込み及び飛び散ったレジストが再付着した。
【0169】
そして、上記レジストのポリシリコンへの密着性を向上させるために、プレベークを行い、電極形成部をマスクして露光を行い現像した。
【0170】
そして、上記レジスト中のガスを取り除き、硬化させ、上記ポリシリコンとの密着性を向上するために、ポストベークを行った。一般に、この後のエッチング工程時に搬送が行われるが、比較実験例においては、このとき治具等により、上記周縁領域の特に、側面部におけるレジストがこすれてダストとなり、該ダストが基板表面,側面及び裏面に付着した。また、裏面においては、スピンコーティングの際飛び散ったレジストが残存していた。
【0171】
そして、電極を所望の形状にパターニングするために、フッ酸にてエッチングを行ったが、基板表面,側面または基板裏面においてもエッチングすべき部分が一部残存してしまった。また、上記レジストの露光は基板裏面にて行われなかったため、基板裏面でのポリシリコン残りにより、組み立て後のバックライトで点灯すると、点欠陥が生じ、良品を生産することができなかった。
【0172】
ところが、本発明を上記ポストベーク工程とエッチング工程の間に適用したところ、基板の周縁領域及び裏面のレジストを除去することができた。この基板を前記同様にエッチングを行なったところ、エッチングすべき部分においてポリシリコンの残りは発生せず、良好な製品が得られた。
【0173】
このように、上述した実験により、本発明による不要物除去装置を用いた不要物の除去に関する効果を定性的に確認することができた。本発明による不要物除去においては、上述したように、特に基板におけるアッシングの信頼性を向上できることが確認された。
【0174】
(実施の形態10)
図11には本発明による基板周縁の不要物除去装置の別の実施の形態の概略図が示されている。
【0175】
本発明は、処理の範囲を周縁領域及び裏面のみにより確実に限定し、基板表面側からプラズマ処理用ガスの侵入を抑制できるバリアガスを供給することで、基板裏面側から供給される処理用ガスの流路を裏面及び周縁領域のみに限定にするための手段を設けたことを特徴とするものである。つまり、実施の形態9と異なる点は、基板上方に平行配置させた第7電極70のほぼ中央に貫通させて開口部72を設け、ガス供給路29bを設ける。このガス供給路29bは、ガス供給装置28に接続されている。そして、該ガス供給路29bより放電開始電圧の高いガスを基板12の表面に供給するものである。すなわち、本発明は、上記ガス供給装置28より2系統のガス供給路29a,29bを使用して処理室10内にガスを上方ならびに下方から供給するものである。つまり、一方のガス供給路29aからプラズマ処理用ガスをプラズマ発生源18に導入することにより、上記第7電極70−上記第5電極50間でプラズマ放電させて、上記基板12の周縁領域13及び裏面における不要物を除去する。そして、他方のガス供給経路29bからの基板12表面にバリアガスを供給することによって、そのガス流を利用して、強制的に上記基板12表面の中央領域11上に上記ガス供給路29aにより供給されたプラズマ処理用ガスが回り込まないようにするものである。以下、簡単のため実施の形態9と同一のものについては説明を省略し、本発明の特徴となる部分に関する点のみを説明する。
【0176】
プラズマ放電に関しては実施の形態9と同様のため説明を省略するが、大気圧またはその近傍の圧力下で上記第5電極50−第7電極70間にプラズマ放電が発生し、該プラズマ放電によって発生した活性ガスに上記基板12の周縁領域13及び裏面がさらされる。そして、上記基板12表面側に設けられた第7電極70により、上記基板12表面と上記第7電極の底面との距離を所定値に設定することにより、基板12表面に流れ込む上記ガスの量を規定することができる。
【0177】
すなわち、上記活性ガスは、上記カバー部材と基板12の表面における周縁領域13に衝突し、中央領域11上へ流れ込みにくくなるため、上記基板12表面の上記中央領域11に対して、活性ガスの影響は実施の形態8よりも小さくなる。ここで、本実施の形態においては、さらに上記プラズマ処理用ガスのガス流をコントロールすることを特徴としている。つまり、本発明においては、上記基板12上方に平行配置された第7電極70に設けられたガス供給路29bにより、放電開始電圧の高いバリアガスを導入して、基板表面に吹きつけている。つまり、上記ガス供給路29bからの基板12表面へのガス流量は、上記ガス供給路29aからのガス流量を鑑みて調整されるとともに、上記基板12表面における基板12の塗布物Cの除去状態を元に設定される。
【0178】
また、先に述べたように、上記ガス供給路29bから供給するガスは、放電開始電圧の高いガスが使用される。すなわち、基板12と上記第7電極70との間でプラズマを発生させないようにするため、たとえば、ヘリウムのような放電開始電圧の低いガスは使用しないようにするものである。たとえば、アッシングの場合は、反応ガスとして酸素を用い、エッチングの場合で、フッ素化合物を用いるが、それぞれの場合、バリアガスとしては酸素,フッ素化合物を用いることができる。いずれも、ガス供給装置28より処理室10に供給する上記反応ガスと同一のガスを使用することができるため、ガス供給路29a,29bに対し、同一のガスボンベ等からガス供給ができ、また、途中から分割させて設けることもできる。これらの方式については、上記ガス流の調整を鑑みた上で最適の方式を選択することができる。
【0179】
このようにして、該プラズマ放電により、上記基板12の周縁領域及び裏面における塗布物と上記反応性ガスとが反応する。この反応は、使用ガスにより異なるが、基板12のエッチングまたはアッシング等を行うことで、上記塗布物と上記反応性ガスとが反応し、上記基板12の裏面及び周縁領域における塗布物が除去される。そして、上記基板12と反応して形成された反応生成物は、排気路32を介して排気装置34により処理室10内が排気されることにより除去される。
【0180】
このようにして、上記基板12の裏面及び周縁領域13の塗布物Cが除去できるため、基板の搬送コンベアによる搬送、運搬用カセットに収容することによる運搬の際に、基板の塗布物の割れによるダスト発生が防止できる。このため、基板上のパーティクル付着を抑止し、基板製造工程での歩留りを向上することができる。
【0181】
以上本発明を簡単に説明したが、本発明はいずれの実施の形態の不要物除去においても、液晶製造技術のみでなく半導体製造技術等、基板表面の不要物を除去することが必要な工程を含む技術において適用することができる。
【0182】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による第1の不要物除去装置の概略図である。
【図2】本発明による第1の不要物除去装置の要部斜視図である。
【図3】本発明による第2の不要物除去装置の概略図である。
【図4】本発明による第3の不要物除去装置の概略図である。
【図5】本発明による第4の不要物除去装置の概略図である。
【図6】本発明による第5の不要物除去装置の概略図である。
【図7】本発明による第6の不要物除去装置の概略図である。
【図8】本発明による第7の不要物除去装置の要部斜視図である。
【図9】本発明による第8の不要物除去装置の概略図である。
【図10】本発明による第9の不要物除去装置の概略図である。
【図11】本発明による第10の不要物除去装置の概略図である。
【図12】基板の周縁領域を説明するための図である。
【符号の説明】
10 処理室
11 中央領域
12 基板
13 周縁領域
14 吸着治具
15 ステージ
16 回転テーブル
18 プラズマ発生源
20 第1電極
22 第2電極
23 誘電体管
24 高周波電源
26a,26b,26c 絶縁体
28 ガス供給装置
29a,29b ガス供給路
30 X−Yテーブル
30a 第1パーツ
30b 第2パーツ
32 排気路
34 排気装置
36a,36b 移動体
37a,37b ガイド
38 カバー部材
39 開口部
40 第3電極
41 開口部
42 第4電極
50 第5電極
52 メッシュ状電極
54 誘電体多孔板
60 第6電極
70 第7電極

Claims (30)

  1. 表面側中央領域に有効な層が形成された基板の周縁の不要物を除去する方法において、
    処理室内に設けられ、上記基板の裏面側のみと接触して該基板を回転可能に支持する支持手段にて上記基板を支持し、
    第1プラズマ発生用電極と第2プラズマ発生用電極にて構成され、上記基板の裏面側に配設されたプラズマ発生手段にて、上記第1プラズマ発生用電極に一方の電位の電圧を印加し、上記第2プラズマ発生用電極に他方の電位の電圧を印加することで、上記第1プラズマ発生用電極,上記第2プラズマ発生用電極間において大気圧またはその近傍の圧力下にてプラズマを生成し、
    上記プラズマ発生手段を上記基板と平行に移動させることにより、上記基板の周縁領域に沿って上記プラズマ発生手段を相対的に移動させながら、上記プラズマにより活性化されたガスを上記基板の裏面側より上記周縁領域に吹きつけて、上記基板周縁の不要物を除去することを特徴とする基板周縁の不要物除去方法。
  2. 表面側中央領域に有効な層が形成された基板の、周縁の不要物を除去する方法において、
    処理室内に設けられ、上記基板の裏面側のみと接触して該基板を回転可能に支持する支持手段にて上記基板を支持し、
    第1プラズマ発生用電極と第2プラズマ発生用電極にて構成され、上記基板の裏面側に配設されたプラズマ発生手段にて、上記第1プラズマ発生用電極に一方の電位の電圧を印加し、上記第2プラズマ発生用電極に他方の電位の電圧を印加することで、上記第1プラズマ発生用電極,上記第2プラズマ発生用電極間において大気圧またはその近傍の圧力下にてプラズマを生成し、
    上記プラズマ発生手段を上記基板と平行に移動させることにより、上記基板の周縁領域に沿って上記プラズマ発生手段を相対的に移動させながら、上記プラズマにより活性化されたガスを上記基板の裏面側より上記周縁領域に吹きつけて、上記基板周縁の不要物を除去するとともに、上記基板の表面側に上記活性化されたガスが回りこむことを規制するための、カバー部材を設けたことを特徴とする基板周縁の不要物除去方法。
  3. 請求項2において、
    上記カバー部材の開口部から上記基板の表面側にガスを供給し、上記基板の表面側に、上記活性化されたガスが回りこむことを規制したことを特徴とする基板周縁の不要物除去方法。
  4. 請求項1乃至3のいずれかにおいて、
    上記プラズマ発生手段は、上記基板の上記周縁領域への上記ガスの吹きつけ方向が調整可能であることを特徴とする基板周縁の不要物除去方法。
  5. 表面側中央領域に有効な層が形成された基板の、周縁の不要物を除去する方法において、
    処理室内に設けられ、上記基板の裏面側のみと接触して該基板を回転可能に支持する支持手段にて上記基板を支持し、
    上記基板の裏面側に配置され、一方の電位の電圧が印加される第3プラズマ発生用電極と、上記基板の表面側に設けられ、少なくとも上記基板の表面に対向する電極面を有し、他方の電位の電圧が印加される第4プラズマ発生用電極と、により構成されるプラズマ発生手段にて、上記第3プラズマ発生用電極,上記第4プラズマ発生用電極間において、大気圧またはその近傍の圧力下にてプラズマを局所的に生成し、
    上記第3プラズマ発生用電極を上記基板と平行に移動させることにより、上記基板の周縁領域に沿って上記第3プラズマ発生用電極を相対的に移動させながら、上記プラズマにより活性化されたガスに上記周縁領域をさらすことにより、上記基板周縁の不要物を除去することを特徴とする基板周縁の不要物除去方法。
  6. 請求項5において、
    上記第4プラズマ発生用電極の開口部から上記基板の表面側にガスを供給し、上記基板 の表面側に、上記活性化されたガスが回りこむことを規制したことを特徴とする基板周縁の不要物除去方法。
  7. 請求項1乃至のいずれかにおいて、
    上記プラズマ発生手段または上記第3プラズマ発生用電極は、上記基板の側面に対して進退する方向およびこの方向と直行する方向の少なくとも一方に移動が可能な支持部により支持されることを特徴とする基板周縁の不要物除去方法。
  8. 請求項1乃至のいずれかにおいて、
    平面形状が矩形である上記基板の不要物除去方法において、
    まず、基板の側面に対して進退する方向に移動が可能な支持部にて、上記プラズマ発生手段または上記第3プラズマ発生用電極を移動させて基板周縁の不要物の除去開始位置を設定し、
    ついで、上記方向と直行する方向に移動が可能な支持部にて上記プラズマ発生手段または上記第3プラズマ発生用電極を移動させて、基板周縁の一辺の不要物を活性化されたガスにさらすことにより該不要物を除去し、
    ついで、上記支持手段にて上記基板を回転させて方向変換を行ない、
    以後は上記プラズマ発生手段または上記第3プラズマ発生用電極の移動および基板の回転を繰り返すことにより基板の各辺の周縁領域の不要物を除去することを特徴とする基板周縁の不要物除去方法。
  9. 請求項1乃至のいずれかにおいて、
    平面形状が円形あるいは略円形である上記基板の不要物除去方法において、
    まず、基板の側面に対して進退する方向に移動が可能な支持部にて上記プラズマ発生手段または上記第3プラズマ発生電極を移動させて、基板周縁の不要物の除去開始位置を設定し、
    ついで、上記支持手段にて上記基板を所定の速度で回転させ、上記プラズマ発生手段により基板周縁の不要物を活性化されたガスにさらすことを特徴とする基板周縁の不要物除去方法。
  10. 表面側中央領域に有効な層が形成された基板の周縁の不要物を除去する方法において、
    処理室内に設けられ、上記基板の裏面側のみと接触して該基板を回転可能に支持する支持手段にて上記基板を支持し、
    誘電体多孔体を有する第5プラズマ発生用電極と、複数の開口部を有する第6プラズマ発生用電極とを有する、上記基板の裏面側に配設されるプラズマ発生手段において、少なくとも上記基板の裏面に対向する電極面を有し、上記第5プラズマ発生用電極に一方の電位の電圧を印加し、上記第6プラズマ発生用電極に他方の電位を印加して、大気圧またはその近傍の圧力下でプラズマを生成し、
    上記プラズマにより活性化されたガスを上記基板を回転させながら周縁領域および裏面に吹きつけて、少なくとも上記基板の周縁の不要物を除去することを特徴とする基板周縁の不要物除去方法。
  11. 請求項10において、
    上記基板の表面側に、上記活性化されたガスが回りこむことを規制するための、カバー部材を設けたことを特徴とする基板周縁の不要物除去方法。
  12. 請求項11において、
    上記カバー部材の開口部から上記基板の表面側にガスを供給し、上記基板の表面側に、上記活性化されたガスが回りこむことを規制したことを特徴とする基板周縁の不要物除去方法。
  13. 表面側中央領域に有効な層が形成された基板の周縁の不要物を除去する方法において、
    処理室内に設けられ、上記基板の裏面側のみと接触して支持する支持手段にて上記基板を支持し、
    上記基板の裏面側に設けられ、少なくとも上記基板の裏面に対向する電極面を有する第7プラズマ発生用電極と、上記基板の表面側に設けられ、少なくとも上記基板の表面に対向する電極面を有する第8プラズマ発生用電極と、により構成されるプラズマ発生手段にて、上記第7プラズマ発生用電極に一方の電圧を印加し、上記第8プラズマ発生用電極に他方の電位を印加して、大気圧またはその近傍の圧力下でプラズマを生成し、
    上記プラズマにより活性化されたガスに、上記基板の周縁領域および裏面をさらすことにより、少なくとも上記周縁領域の不要物を除去するとともに、上記第8プラズマ発生用電極により上記活性化されたガスが、上記基板表面に回りこむことを規制したことを特徴とする基板周縁の不要物除去方法。
  14. 請求項13において、
    上記第8プラズマ発生用電極の開口部から上記基板の表面側にガスを供給し、上記基板の表面側に、上記活性化されたガスが回りこむことを規制したことを特徴とする基板周縁の不要物除去方法。
  15. 請求項10乃至14のいずれかにおいて、
    平面的に見て上記基板の径よりも大きい径を有する領域で、上記プラズマによって活性化されたガスを生成することを特徴とする基板周縁の不要物除去方法。
  16. 請求項13乃至15のいずれかにおいて
    上記支持手段により、上記基板が回転可能なことを特徴とする基板周縁の不要物除去方法。
  17. 表面側中央領域に有効な層が形成された基板の周縁の不要物を除去する不要物除去装置であって、
    処理室内に配置され、上記基板の裏面側のみと接触して、上記基板を回転可能に支持する支持手段と、
    一方の電位の電圧が印加される第1プラズマ発生用電極と、他方の電位の電圧が印加される第2プラズマ発生用電極とにより構成され、上記基板の裏面側に配設される大気圧またはその近傍の圧力下でプラズマを生成するプラズマ発生手段と、
    上記プラズマの生成に使用するガスを供給するガス供給手段と、
    上記基板へのプラズマ処理時に上記処理室を強制的に排気する排気手段と、を含み、
    上記プラズマ発生手段は、上記基板と平行に移動が可能な支持部により支持され、
    上記プラズマ発生手段を上記基板の周縁領域に沿って相対的に移動させながら、上記基板へ活性化されたガスを吹きつけることを特徴とする基板周縁の不要物除去装置。
  18. 表面側中央領域に有効な層が形成された基板の周縁の不要物を除去する不要物除去装置であって、
    処理室内に配置され、上記基板の裏面側のみと接触して、上記基板を回転可能に支持する支持手段と、
    一方の電位の電圧が印加される第1プラズマ発生用電極と、他方の電位の電圧が印加される第2プラズマ発生用電極とにより構成され、上記基板の裏面側に配設される大気圧またはその近傍の圧力下でプラズマを生成するプラズマ発生手段と、
    上記プラズマの生成に使用するガスを供給するガス供給手段と、
    上記基板へのプラズマ処理時に上記処理室を強制的に排気する排気手段と、
    上記基板の表面側に設けられ、少なくとも上記基板の表面に対向する面を有するカバー部材と、を含み、
    上記プラズマ発生手段は、上記基板と平行に移動が可能な支持部により支持され、
    上記プラズマ発生手段を上記基板の周縁領域に沿って相対的に移動させながら、上記基板へ活性化されたガスを吹きつけるとともに、上記基板の表面側に上記活性化されたガスが回り込むことを規制することを特徴とする基板周縁の不要物除去装置。
  19. 請求項18において、
    上記カバー部材は開口部を有し、この開口部を介して上記基板表面にプラズマの生成を抑止するガスを供給することを特徴とする基板周縁の不要物除去装置。
  20. 請求項17乃至19のいずれかにおいて、
    上記プラズマ発生手段は、角度調節手段によって、上記基板の上記周縁領域への上記ガ スの吹きつけ方向が調整可能であることを特徴とする基板周縁の不要物除去装置。
  21. 表面側中央領域に有効な層が形成された基板の周縁の不要物を除去する不要物除去装置であって、
    処理室内に配置され、上記基板の裏面側のみと接触して、上記基板を回転可能に支持する支持手段と、
    上記基板の裏面側に配置され、一方の電位の電圧が印加される第3プラズマ発生用電極と、上記基板の表面側に設けられ、少なくとも上記基板の表面に対向する電極面を有し、他方の電位の電圧が印加される第4プラズマ発生用電極とにより構成され、大気圧またはその近傍の圧力下で上記電極面に対して局所的にプラズマを生成するプラズマ発生手段と、
    上記プラズマの生成に使用するガスを供給するガス供給手段と、
    上記基板へのプラズマ処理時に上記処理室を強制的に排気する排気手段と、を含み、
    上記プラズマ発生手段は、上記基板と平行に移動が可能な支持部により支持され、
    上記基板の周縁領域に沿って、上記第3プラズマ発生用電極を相対的に移動させながら、上記プラズマにより活性化されたガスに上記周縁領域をさらすことを特徴とする基板周縁の不要物除去装置。
  22. 請求項21において、
    上記第4プラズマ発生用電極は、開口部を有し、この開口部を介して上記基板表面にプラズマの生成を抑止するガスを供給することを特徴とする基板周縁の不要物除去装置。
  23. 請求項17乃至22のいずれかにおいて、移動可能な、上記プラズマ発生手段または上記第3プラズマ発生用電極は、上記基板の側面に対して進退する方向およびこの方向と直交する方向の少なくとも一方に移動が可能な支持部により支持されることを特徴とする基板周縁の不要物除去装置。
  24. 表面側中央領域に有効な層が形成された基板の周縁の不要物を除去する不要物除去装置であって、
    処理室内に配置され、上記基板の裏面側のみと接触して、上記基板を回転可能に支持する支持手段と、
    一方の電位の電圧が印加され、かつ誘電体多孔体を有する第5プラズマ発生用電極と、複数の開口部を有し、少なくとも上記基板の裏面に対向する電極面を有し、他方の電位の電圧が印加される第6プラズマ発生用電極とにより構成され、上記基板の裏面側に配設される、大気圧またはその近傍の圧力下でプラズマを生成するプラズマ発生手段と、
    上記プラズマ生成に使用するガスを供給するガス供給手段と、
    上記基板へのプラズマ処理時に上記処理室を排気する排気手段と、を含むことを特徴とする基板周縁の不要物除去装置。
  25. 請求項24において、
    上記基板の表面側に設けられ、少なくとも上記基板の表面に対向する面を有するカバー部材を有することを特徴とする基板周縁の不要物除去装置。
  26. 請求項25において、
    上記カバー部材は開口部を有し、この開口部を介して上記基板表面にプラズマの生成を抑止するガスを供給することを特徴とする基板周縁の不要物除去装置。
  27. 表面側中央領域に有効な層が形成された基板の周縁の不要物を除去する不要物除去装置であって、
    処理室内に配置され、上記基板の裏面側のみと接触して、上記基板を支持する支持手段と、
    上記基板の裏面側に設けられ、少なくとも基板の裏面に対向する電極面を有し、一方の電位の電圧が印加される第7プラズマ発生用電極と、上記基板の表面側に設けられて、少なくとも上記基板の表面に対向する電極面を有し、他方の電位の電圧が印加される第8プラズマ発生用電極と、により構成され、大気圧またはその近傍の圧力下でプラズマを生成するプラズマ発生手段と、
    上記プラズマ生成に使用するガスを供給するガス供給手段と、
    上記基板へのプラズマ処理時に上記処理室を排気する排気手段と、を含み、
    上記第8プラズマ発生電極により前記活性化されたガスが、前記基板表面に回りこむことを規制したことを特徴とする基板周縁の不要物除去装置。
  28. 請求項27において、
    上記支持手段は、基板を回転させる回転部を含むことを特徴とする基板周縁の不要物除去装置。
  29. 請求項24乃至28のいずれかにおいて、
    上記プラズマ発生手段は、そのプラズマ発生領域の外縁が上記基板の側面部よりも外側に位置することを特徴とする基板周縁の不要物除去装置。
  30. 請求項27乃至29のいずれかにおいて、上記第8プラズマ発生用電極は、開口部を有し、この開口部を介して上記基板表面にプラズマの生成を抑止するガスを供給することを特徴とする基板周縁の不要物除去装置。
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