JP2004079289A - 電子銃電極、電子銃電極の製造方法、および電子銃 - Google Patents
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Abstract
【課題】カソード12から蒸発して第1グリッド電極G1に蒸着したバリウムの剥離、脱落を低減し、品位の低下や故障を防止できる電子銃電極13を提供する。
【解決手段】電子銃11に用いる複数の電子銃電極13のうち、カソード12側に位置する第1グリッド電極G1である。第1グリッド電極G1の表面を、第2グリッド電極G2の表面より表面粗さが粗い粗面27に形成する。第1グリッド電極G1の粗面27とカソード12から蒸発して粗面27に蒸着するバリウムとの結合強度を高め、バリウムの剥離、脱落を低減する。粗面27の表面粗度Rzは0.2μm〜1.5μmの範囲とし、バリウムの十分な結合強度の確保と、凹凸が大き過ぎることで引き起こす不要な電子放射の防止とを両立する。
【選択図】 図1
【解決手段】電子銃11に用いる複数の電子銃電極13のうち、カソード12側に位置する第1グリッド電極G1である。第1グリッド電極G1の表面を、第2グリッド電極G2の表面より表面粗さが粗い粗面27に形成する。第1グリッド電極G1の粗面27とカソード12から蒸発して粗面27に蒸着するバリウムとの結合強度を高め、バリウムの剥離、脱落を低減する。粗面27の表面粗度Rzは0.2μm〜1.5μmの範囲とし、バリウムの十分な結合強度の確保と、凹凸が大き過ぎることで引き起こす不要な電子放射の防止とを両立する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子銃の第1グリッド電極として用いる電子銃電極、電子銃電極の製造方法、およびこの電子銃電極を第1グリッド電極として用いる電子銃に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、陰極線管に用いられる電子銃は、例えば、特開昭64−43952号公報に記載されているように、電子を放射するカソードおよびこのカソードに対して同一軸線上に配置される複数の電子銃電極を有している。
【0003】
このような電子銃では、稼動時に、カソードの電子放射物質である酸化バリウム(BaO)を還元させるために、バリウム(Ba)が蒸発し、この蒸発したバリウム(Ba)の大部分が複数の電子銃電極のうちのカソード側に位置する第1グリッド電極に蒸着し易い。
【0004】
特開昭64−43952号公報に記載の電子銃では、第1グリッド電極の表面に形成した金属皮膜の還元作用によって蒸着したバリウム(Ba)を積極的に除去しようとしているが、金属皮膜は陰極線管の製造工程で酸化しやすいために十分に機能せず、第1グリッド電極の表面にバリウム(Ba)が膜状に堆積し易い。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上述のように、稼働時間の経過に伴って、第1グリッド電極の表面にバリウム(Ba)が膜状に堆積した場合、その膜が振動などの種々の要因で剥離して脱落し、この脱落した膜で第1グリッド電極とカソード或いは第1グリッド電極と第2グリッド電極とを電気的に接触させて短絡させるタッチ不良を引き起こすことがあり、品位の低下や故障を生じさせる問題がある。
【0006】
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、カソードから蒸発して第1グリッド電極に蒸着した蒸着物の剥離、脱落を低減し、品位の低下や故障を防止できる電子銃電極、電子銃電極の製造方法、および電子銃を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、電子銃に用いられる複数の電子銃電極のうちのカソード側に位置する第1グリッド電極であって、この第1グリッド電極の表面が、第1グリッド電極に隣り合う第2グリッド電極の表面より粗面に形成されているものであり、第1グリッド電極の粗面とカソードから蒸発して粗面に蒸着する蒸着物との結合強度を高め、蒸着物の剥離、脱落を低減し、品位の低下や故障を防止する。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態を図面を参照して説明する。
【0009】
図1に陰極線管に用いられる電子銃11の断面図を示し、この電子銃11は、電子を放射する陰極であるカソード12、このカソード12に対して同一軸線上に所定間隔をもって順に配列される複数の電子銃電極13、およびこれらカソード12および複数の電子銃電極13の両側を一体に固定する絶縁部材であるビードガラス14を備えている。
【0010】
複数の電子銃電極13は、カソード12側から順に、第1グリッド電極G1、第2グリッド電極G2、第3グリッド電極G3、第4グリット電極G4、第5グリッド電極G5、および第6グリッド電極G6を含む複数のグリット電極を備えている。
【0011】
カソード12は、例えば、空孔率が約20%の多孔質タングステンによって形成され、モル比で4:1:1の酸化バリウム(BaO)、酸化カルシウム(CaO)、および酸化アルミニウム(Al2O3)の電子放射物質であるエミッタが高温の水素雰囲気中で溶融含浸され、表面にはイリジウム(Ir)膜が0.2μmの厚さで被覆形成されている。
【0012】
また、図2ないし図4に第1グリッド電極G1を示し、この第1グリッド電極G1は、例えば、ステンレス鋼鈑、コバール合金、ニッケル鉄合金などの板厚が約0.15から0.25mm程度の薄い金属板を素材20とし、カラー画像を再生するための赤、青および緑のビーム通過位置に対応した3箇所にビーム通過部21がプレス加工によって形成されている。
【0013】
各ビーム通過部21には、コイン部22、およびこのコイン部22の周囲でカソード12側に対向する一方の面20aに山形に突出するビード部23が形成されている。コイン部22には、カソード12と反対側の他方の面20bに凹部24が形成されて板厚が約0.06mm〜0.08mm程度の薄肉部25が形成され、この薄肉部25にビームが通過するビーム通過孔26が形成されている。
【0014】
第1グリッド電極G1の表面には、この第1グリッド電極G1に隣り合う少なくとも第2グリッド電極G2の表面より表面粗さが粗い粗面27が形成されている。
【0015】
粗面27は、第1グリッド電極G1の全体に形成されるか、カソード12から蒸発して第1グリッド電極G1に蒸着する蒸着物がビーム通過孔26の周辺に集中することから少なくともビーム通過孔26の周辺のみに形成される。このビーム通過孔26の周辺とは、ビーム通過孔26の内周面、カソード12に対向する一方の面20aおよびカソード12と反対側の他方の面20bが含まれる。
【0016】
粗面27の表面粗度Rzは0.2μm〜1.5μmの範囲が好ましい。表面粗度Rzが、0.2μmより小さい場合には、凹凸が小さく蒸着物との十分な結合強度が得られず、また、1.5μmより大きい場合には、凹凸が大きく蒸着物との十分な結合強度が得られるものの、凹凸が大き過ぎることで第1グリッド電極G1の電位により不要な電子放射を引き起こし易く、陰極線管をオフした後にも画面が完全に消えずに一部が光るような現象が生じ、しかも、粗面27が傷のようにも見えて外観上も好ましくない。
【0017】
粗面27は、素材20の表面の状態を改質する表面改質によって形成されている。表面改質には、例えば、酸などを用いた化学研磨によるエッチング、成膜装置での逆スパッタリングによるエッチング、大気中で焼いて表面を酸化させる空気焼処理などの方法があり、いずれも素材20の表面に気泡を形成することで凹凸状に表面改質する。
【0018】
そして、この電子銃11を用いて形成した陰極線管の稼動時には、カソード12の電子放射物質である酸化バリウム(BaO)を還元させるために、バリウム(Ba)が蒸発し、この蒸発したバリウム(Ba)の大部分が複数の電子銃電極13のうちのカソード12側に位置する第1グリッド電極G1の表面で、かつビーム通過孔26の周辺に多く蒸着する。
【0019】
第1グリッド電極G1の少なくともビーム通過孔26の周辺には粗面27が形成されているため、この粗面27の表面に蒸着物であるバリウム(Ba)が蒸着し、稼働時間の経過に伴って膜状に堆積する。
【0020】
粗面27は、凹凸が大きく、堆積するバリウム(Ba)の膜との接触面積が増加するとともに、凹凸が楔的な役目を果たすために、第1グリッド電極G1の粗面27と堆積するバリウム(Ba)の膜との結合強度が強固になり、堆積するバリウム(Ba)の膜の剥離、脱落を低減でき、そのため、脱落した膜がカソード12と第1グリッド電極G1或いは第1グリッド電極G1と第2グリッド電極G2とを短絡させるタッチ不良による品位の低下や故障を防止できる。
【0021】
粗面27の表面粗度Rzを0.2μm〜1.5μmの範囲とすることにより、堆積するバリウム(Ba)の膜の十分な結合強度の確保と、凹凸が大き過ぎることで引き起こす不要な電子放射の防止とを両立する適正な範囲を規定できる。
【0022】
粗面27を表面改質によって形成するため、堆積するバリウム(Ba)の膜の十分な結合強度が得られる凹凸を容易に形成できる。
【0023】
なお、第1グリッド電極G1に粗面27を形成する場合、凹凸を有する圧延ローラで素材20を圧延して素材20の表面に凹凸をつける方法もあるが、素材20をプレス加工してコイン部22および薄肉部24などを形成するため、表面の凹凸がつぶれ易く、第1グリッド電極G1の形状に形成した後に表面改質によって形成した方が粗面27を確実に形成できる。
【0024】
【発明の効果】
本発明によれば、複数の電子銃電極のうちのカソード側に位置する第1グリッド電極の表面を、第2グリッド電極の表面より粗面に形成したため、第1グリッド電極の粗面とカソードから蒸発して粗面に蒸着した蒸着物との結合強度を高め、蒸着物の剥離、脱落を低減し、品位の低下や故障を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態を示す電子銃の断面図である。
【図2】同上第1グリッド電極のカソード側から視る斜視図である。
【図3】同上第1グリッド電極のカソードと反対側から視る斜視図である。
【図4】同上第1グリッド電極の断面図である。
【符号の説明】
11 電子銃
12 カソード
13 電子銃電極
26 ビーム通過孔
27 粗面
G1 第1グリッド電極
G2 第2グリッド電極
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子銃の第1グリッド電極として用いる電子銃電極、電子銃電極の製造方法、およびこの電子銃電極を第1グリッド電極として用いる電子銃に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、陰極線管に用いられる電子銃は、例えば、特開昭64−43952号公報に記載されているように、電子を放射するカソードおよびこのカソードに対して同一軸線上に配置される複数の電子銃電極を有している。
【0003】
このような電子銃では、稼動時に、カソードの電子放射物質である酸化バリウム(BaO)を還元させるために、バリウム(Ba)が蒸発し、この蒸発したバリウム(Ba)の大部分が複数の電子銃電極のうちのカソード側に位置する第1グリッド電極に蒸着し易い。
【0004】
特開昭64−43952号公報に記載の電子銃では、第1グリッド電極の表面に形成した金属皮膜の還元作用によって蒸着したバリウム(Ba)を積極的に除去しようとしているが、金属皮膜は陰極線管の製造工程で酸化しやすいために十分に機能せず、第1グリッド電極の表面にバリウム(Ba)が膜状に堆積し易い。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上述のように、稼働時間の経過に伴って、第1グリッド電極の表面にバリウム(Ba)が膜状に堆積した場合、その膜が振動などの種々の要因で剥離して脱落し、この脱落した膜で第1グリッド電極とカソード或いは第1グリッド電極と第2グリッド電極とを電気的に接触させて短絡させるタッチ不良を引き起こすことがあり、品位の低下や故障を生じさせる問題がある。
【0006】
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、カソードから蒸発して第1グリッド電極に蒸着した蒸着物の剥離、脱落を低減し、品位の低下や故障を防止できる電子銃電極、電子銃電極の製造方法、および電子銃を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、電子銃に用いられる複数の電子銃電極のうちのカソード側に位置する第1グリッド電極であって、この第1グリッド電極の表面が、第1グリッド電極に隣り合う第2グリッド電極の表面より粗面に形成されているものであり、第1グリッド電極の粗面とカソードから蒸発して粗面に蒸着する蒸着物との結合強度を高め、蒸着物の剥離、脱落を低減し、品位の低下や故障を防止する。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態を図面を参照して説明する。
【0009】
図1に陰極線管に用いられる電子銃11の断面図を示し、この電子銃11は、電子を放射する陰極であるカソード12、このカソード12に対して同一軸線上に所定間隔をもって順に配列される複数の電子銃電極13、およびこれらカソード12および複数の電子銃電極13の両側を一体に固定する絶縁部材であるビードガラス14を備えている。
【0010】
複数の電子銃電極13は、カソード12側から順に、第1グリッド電極G1、第2グリッド電極G2、第3グリッド電極G3、第4グリット電極G4、第5グリッド電極G5、および第6グリッド電極G6を含む複数のグリット電極を備えている。
【0011】
カソード12は、例えば、空孔率が約20%の多孔質タングステンによって形成され、モル比で4:1:1の酸化バリウム(BaO)、酸化カルシウム(CaO)、および酸化アルミニウム(Al2O3)の電子放射物質であるエミッタが高温の水素雰囲気中で溶融含浸され、表面にはイリジウム(Ir)膜が0.2μmの厚さで被覆形成されている。
【0012】
また、図2ないし図4に第1グリッド電極G1を示し、この第1グリッド電極G1は、例えば、ステンレス鋼鈑、コバール合金、ニッケル鉄合金などの板厚が約0.15から0.25mm程度の薄い金属板を素材20とし、カラー画像を再生するための赤、青および緑のビーム通過位置に対応した3箇所にビーム通過部21がプレス加工によって形成されている。
【0013】
各ビーム通過部21には、コイン部22、およびこのコイン部22の周囲でカソード12側に対向する一方の面20aに山形に突出するビード部23が形成されている。コイン部22には、カソード12と反対側の他方の面20bに凹部24が形成されて板厚が約0.06mm〜0.08mm程度の薄肉部25が形成され、この薄肉部25にビームが通過するビーム通過孔26が形成されている。
【0014】
第1グリッド電極G1の表面には、この第1グリッド電極G1に隣り合う少なくとも第2グリッド電極G2の表面より表面粗さが粗い粗面27が形成されている。
【0015】
粗面27は、第1グリッド電極G1の全体に形成されるか、カソード12から蒸発して第1グリッド電極G1に蒸着する蒸着物がビーム通過孔26の周辺に集中することから少なくともビーム通過孔26の周辺のみに形成される。このビーム通過孔26の周辺とは、ビーム通過孔26の内周面、カソード12に対向する一方の面20aおよびカソード12と反対側の他方の面20bが含まれる。
【0016】
粗面27の表面粗度Rzは0.2μm〜1.5μmの範囲が好ましい。表面粗度Rzが、0.2μmより小さい場合には、凹凸が小さく蒸着物との十分な結合強度が得られず、また、1.5μmより大きい場合には、凹凸が大きく蒸着物との十分な結合強度が得られるものの、凹凸が大き過ぎることで第1グリッド電極G1の電位により不要な電子放射を引き起こし易く、陰極線管をオフした後にも画面が完全に消えずに一部が光るような現象が生じ、しかも、粗面27が傷のようにも見えて外観上も好ましくない。
【0017】
粗面27は、素材20の表面の状態を改質する表面改質によって形成されている。表面改質には、例えば、酸などを用いた化学研磨によるエッチング、成膜装置での逆スパッタリングによるエッチング、大気中で焼いて表面を酸化させる空気焼処理などの方法があり、いずれも素材20の表面に気泡を形成することで凹凸状に表面改質する。
【0018】
そして、この電子銃11を用いて形成した陰極線管の稼動時には、カソード12の電子放射物質である酸化バリウム(BaO)を還元させるために、バリウム(Ba)が蒸発し、この蒸発したバリウム(Ba)の大部分が複数の電子銃電極13のうちのカソード12側に位置する第1グリッド電極G1の表面で、かつビーム通過孔26の周辺に多く蒸着する。
【0019】
第1グリッド電極G1の少なくともビーム通過孔26の周辺には粗面27が形成されているため、この粗面27の表面に蒸着物であるバリウム(Ba)が蒸着し、稼働時間の経過に伴って膜状に堆積する。
【0020】
粗面27は、凹凸が大きく、堆積するバリウム(Ba)の膜との接触面積が増加するとともに、凹凸が楔的な役目を果たすために、第1グリッド電極G1の粗面27と堆積するバリウム(Ba)の膜との結合強度が強固になり、堆積するバリウム(Ba)の膜の剥離、脱落を低減でき、そのため、脱落した膜がカソード12と第1グリッド電極G1或いは第1グリッド電極G1と第2グリッド電極G2とを短絡させるタッチ不良による品位の低下や故障を防止できる。
【0021】
粗面27の表面粗度Rzを0.2μm〜1.5μmの範囲とすることにより、堆積するバリウム(Ba)の膜の十分な結合強度の確保と、凹凸が大き過ぎることで引き起こす不要な電子放射の防止とを両立する適正な範囲を規定できる。
【0022】
粗面27を表面改質によって形成するため、堆積するバリウム(Ba)の膜の十分な結合強度が得られる凹凸を容易に形成できる。
【0023】
なお、第1グリッド電極G1に粗面27を形成する場合、凹凸を有する圧延ローラで素材20を圧延して素材20の表面に凹凸をつける方法もあるが、素材20をプレス加工してコイン部22および薄肉部24などを形成するため、表面の凹凸がつぶれ易く、第1グリッド電極G1の形状に形成した後に表面改質によって形成した方が粗面27を確実に形成できる。
【0024】
【発明の効果】
本発明によれば、複数の電子銃電極のうちのカソード側に位置する第1グリッド電極の表面を、第2グリッド電極の表面より粗面に形成したため、第1グリッド電極の粗面とカソードから蒸発して粗面に蒸着した蒸着物との結合強度を高め、蒸着物の剥離、脱落を低減し、品位の低下や故障を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態を示す電子銃の断面図である。
【図2】同上第1グリッド電極のカソード側から視る斜視図である。
【図3】同上第1グリッド電極のカソードと反対側から視る斜視図である。
【図4】同上第1グリッド電極の断面図である。
【符号の説明】
11 電子銃
12 カソード
13 電子銃電極
26 ビーム通過孔
27 粗面
G1 第1グリッド電極
G2 第2グリッド電極
Claims (9)
- 電子銃に用いられる複数の電子銃電極のうちのカソード側に位置する第1グリッド電極であって、
この第1グリッド電極の表面が、第1グリッド電極に隣り合う第2グリッド電極の表面より粗面に形成されている
ことを特徴とする電子銃電極。 - 第1グリッド電極は、ビーム通過孔を有し、このビーム通過孔の周辺のみに粗面が形成されている
ことを特徴とする請求項1記載の電子銃電極。 - 粗面の表面粗度Rzは0.2μm〜1.5μmである
ことを特徴とする請求項1または2記載の電子銃電極。 - 粗面は表面改質によって形成されている
ことを特徴とする請求項1ないし3いずれか記載の電子銃電極。 - 電子銃に用いられる複数の電子銃電極のうちのカソード側に位置する第1グリッド電極であって、
この第1グリッド電極の表面を、第1グリッド電極に隣り合う第2グリッド電極の表面より粗面に形成する
ことを特徴とする電子銃電極の製造方法。 - 第1グリッド電極が有するビーム通過孔の周辺のみを粗面に形成する
ことを特徴とする請求項5記載の電子銃電極の製造方法。 - 粗面の表面粗度Rzを0.2μm〜1.5μmとする
ことを特徴とする請求項5または6記載の電子銃電極の製造方法。 - 粗面を表面改質によって形成する
ことを特徴とする請求項5ないし7いずれか記載の電子銃電極の製造方法。 - 請求項1ないし4いずれか記載の電子銃電極を第1グリッド電極として用いる
ことを特徴とする電子銃。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002236052A JP2004079289A (ja) | 2002-08-13 | 2002-08-13 | 電子銃電極、電子銃電極の製造方法、および電子銃 |
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Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002236052A JP2004079289A (ja) | 2002-08-13 | 2002-08-13 | 電子銃電極、電子銃電極の製造方法、および電子銃 |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
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Family
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JP2002236052A Abandoned JP2004079289A (ja) | 2002-08-13 | 2002-08-13 | 電子銃電極、電子銃電極の製造方法、および電子銃 |
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JP (1) | JP2004079289A (ja) |
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JPH06103621B2 (ja) * | 1986-09-12 | 1994-12-14 | 株式会社日立製作所 | 電子銃用電極の成形方法 |
JPS6443952A (en) | 1987-08-12 | 1989-02-16 | Hitachi Ltd | Electron gun for electronic tube |
-
2002
- 2002-08-13 JP JP2002236052A patent/JP2004079289A/ja not_active Abandoned
-
2003
- 2003-08-12 US US10/638,423 patent/US6989630B2/en not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
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US20040095055A1 (en) | 2004-05-20 |
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Legal Events
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Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20050412 |
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