JP2004079185A - コネクタと回路基板との組立体及びコネクタの回路基板へのリフロー半田付け方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】複数の端子間の平面度を高くすることなく確実にコネクタの端子と回路基板の電気回路とを接続することができるコネクタと回路基板との組立体を提供する。
【解決手段】コネクタ1は、内部ケース4と外部ケース5と操作レバー8とを備え、内部ケース4には端子7を装着する装着孔6が設けられている。端子7の先端の接続凸部7bは内部ケース4の裏面より突出している。回路基板3には接続凸部7bを収納する収納凹部12が設けられ、その外周及び内周面にはランド部11が設けられ、クリーム半田14が充填されている。内部ケース4のには掛止部材9が設けられ、掛止孔13に挿通されて爪部9aが回路基板3の裏面に掛止されている。接続凸部7bは収納凹部12に間隔を存して挿入されているため、複数の接続凸部7b同士の平面度が多少低い場合であってもクリーム半田14により吸収され、確実に端子7とランド部11とを半田付けできる。
【選択図】図3
【解決手段】コネクタ1は、内部ケース4と外部ケース5と操作レバー8とを備え、内部ケース4には端子7を装着する装着孔6が設けられている。端子7の先端の接続凸部7bは内部ケース4の裏面より突出している。回路基板3には接続凸部7bを収納する収納凹部12が設けられ、その外周及び内周面にはランド部11が設けられ、クリーム半田14が充填されている。内部ケース4のには掛止部材9が設けられ、掛止孔13に挿通されて爪部9aが回路基板3の裏面に掛止されている。接続凸部7bは収納凹部12に間隔を存して挿入されているため、複数の接続凸部7b同士の平面度が多少低い場合であってもクリーム半田14により吸収され、確実に端子7とランド部11とを半田付けできる。
【選択図】図3
Description
【0001】
【発明の属する技術の分野】
本発明は、CPU等の集積回路を装着するコネクタと、コネクタが表面に実装される回路基板に関する。
【0002】
【従来の技術】
CPU等の集積回路を回路基板上に装着するコネクタとしては、従来よりいわゆるピングリッドアレイタイプのコネクタ(以下PGAコネクタという。)或いはボールグリッドアレイタイプのコネクタ(以下BGAコネクタという。)が知られている。
【0003】
PGAコネクタは、絶縁体製のケースと、前記ケースに設けられた装着孔に装着される端子とを備え、前記端子は回路基板側に突出するピンを備えている。一方、回路基板には前記端子のピンが挿通される貫通孔が設けられており、回路基板の裏面には貫通孔の周囲に回路パターンと接続するためのランド部が設けられている。そして、PGAコネクタは、端子のピンが回路基板に設けられた貫通孔に挿通され、回路基板の裏面側でピンとランド部とが半田付けされる。
【0004】
このようなPGAコネクタでは回路基板に貫通孔を設けなければならないため、貫通孔を避けて回路パターンを配設しなければならず、回路パターンの設計及び端子間のピッチの高密度化が困難となる。特に、近年ではCPUの性能向上に伴う高密度化によってピンの数が増える傾向があるため、PGAコネクタでは端子間のピッチの高密度化に対応することは困難となる。
【0005】
また、BGAコネクタは、絶縁体製のケースと、前記ケースに設けられた装着孔に装着される端子とを備え、前記端子は回路基板側に半田ボールが装着されている。この半田ボールは、半田を溶融させてボール状に形成したものである。そして、回路基板の表面には回路パターンに接続されるランド部が設けられており、コネクタの端子に装着された半田ボールを前記ランド部上に載置し、リフロー半田付けすることにより、コネクタを回路基板上に表面実装するものである。
【0006】
このようなBGAコネクタは、半田ボールが回路基板のランド部に当接した状態でなければリフロー半田付けした際に端子とランド部とが接続されない場合がある。従って、多数の端子を備えたコネクタにおいては、半田ボールの先端部の揃い具合を示す平面度(コプラナリティ)を高める必要がある。しかしながら、半田ボールは変形しやすいものであるためコネクタに装着する前に変形するおそれがある。また、コネクタの端子の数が増えると、多数の半田ボールのコプラナリティを保たなければならないため、コプラナリティの低いコネクタは不良品となり、歩留まりが低下するという不都合がある。
【0007】
また、従来のBGAコネクタは、ケースの裏面側から突出する半田ボールを溶融させ、ケースを自重により沈ませてケースを回路基板に固定するものである。このため回路基板の表面にコネクタを載置した状態でなければリフロー半田付けすることができなかった。従って、例えば回路基板の両面にコネクタを装着しなければならない場合、まず回路基板の表面側にコネクタをリフロー半田付けし、次に回路基板の裏面側にコネクタをリフロー半田付けする必要があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、コネクタ及び回路基板の改良を目的とし、さらに詳しくは前記不都合を解消するために、確実にコネクタの端子と回路基板の電気回路とを接続することができ、複数の端子間のコプラナリティを高くする必要がないコネクタと回路基板との組立体及びリフロー半田付け方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本発明のコネクタと回路基板との組立体は、絶縁体製のケースと前記ケースに設けられた複数の装着孔に装着された複数の端子とを備えたコネクタと、前記コネクタが表面にリフロー半田付けされる回路基板との組立体であって、前記端子は前記回路基板側に向けて前記ケースの裏面から突出する接続凸部を有し、前記回路基板は、前記コネクタが所定位置に載置された際に前記接続凸部を収納する有底の収納凹部と、前記回路基板の表面に設けられ前記接続凸部に接続されるランド部を有する電気回路と、前記収納凹部に充填され加熱溶融された際に前記ランド部と前記接続凸部との間に介在するクリーム半田とを備えていることを特徴とする。
【0010】
本発明のコネクタと回路基板との組立体によれば、前記端子の接続凸部が前記回路基板の収納凹部に収納された状態で、前記クリーム半田が溶融されて前記接続凸部と前記ランド部とが接続されるため、前記接続凸部の先端部のコプラナリティが低い場合であっても前記収納凹部にばらつきが吸収される。従って、前記接続凸部の先端部のコプラナリティを高くすることなく前記接続凸部と前記ランド部とを確実に接続することができる。
【0011】
また、本発明のコネクタと回路基板との組立体においては、前記収納凹部は前記ランド部の中心に設けられていることが好ましい。前記収納凹部にクリーム半田が充填された状態で前記接続凸部を前記収納凹部に挿入した場合、クリーム半田は前記収納凹部の周囲に広がるが、前記収納凹部の周囲にランド部があるため、クリーム半田が溶融された際は前記ランド部上に溶融される。
【0012】
また、本発明のコネクタと回路基板との組立体においては、前記ランド部は前記収納凹部の内周面を覆うメッキ部と一体に形成されていることが好ましい。前記収納凹部の内周面が前記メッキ部に覆われることにより、リフロー半田付けされた際に前記接続凸部と前記ランド部及び前記メッキ部との接触面積が広くなる。従って、前記ランド部の外周を小径にした場合であっても前記接続凸部との接続を確保できるため、各ランド部間のピッチを狭くすることができる。従って、将来的に集積回路のピンのピッチが狭くなった場合であっても、当該ピッチに対応したランド部を形成することができる。
【0013】
また、本発明のコネクタと回路基板との組立体においては、前記回路基板が表面に前記ランド部を有する基板が複数枚積層された多層基板であり、前記収納凹部の一部が少なくとも一枚の基板を貫通して内周面に前記ランド部を露出させ、前記メッキ部により前記収納凹部の内周面に露出したランドと前記回路基板の表面のランドとが接続されていることが好ましい。このように前記収納凹部及び前記メッキ部を形成することにより、多層基板である回路基板の複数の基板にわたって電気回路の接続をすることができる。従って、回路パターンの設計において自由度が向上し、端子間のピッチが高密度化された場合であっても柔軟に対応することができる。
【0014】
また、本発明のコネクタと回路基板との組立体においては、前記接続凸部が前記収納凹部の底面近傍まで延設されていることが好ましい。これによれば、前記接続凸部をクリーム半田が充填された前記収納凹部に挿入したときは、前記接続凸部により前記収納凹部内の空気が押し出される。従って、リフロー半田付けの際に収納凹部内の空気が膨張した場合であっても、収納凹部から外部に押し出される空気の量は僅かなものとなるため、クリーム半田による接続凸部とランド部との接続を妨げない。
【0015】
また、本発明のコネクタと回路基板との組立体においては、前記ケースは、前記回路基板に載置された際に前記回路基板に掛止される掛止部を備えていることが好ましい。前記コネクタが前記回路基板の所定位置に載置されたときは、前記接続凸部が前記収納凹部に収納されるため、前記ケースは前記回路基板の表面に当接した状態となる。このように、リフロー半田付けを行った場合であっても前記回路基板に対する前記ケースの位置は移動しない。このため、リフロー半田付けを行う前に前記回路基板に前記ケースを固定することができるため、例えば前記回路基板の表裏にコネクタを実装する場合は、前記回路基板の表裏に前記コネクタを固定し、その状態で一度にリフロー半田付けを行うことができる。従って、従来のBGAコネクタのようにリフロー半田付けを二度行う必要がない。
【0016】
次に、コネクタの回路基板へのリフロー半田付け方法は、絶縁体製のケースと前記ケースに設けられた複数の装着孔に装着された複数の端子を備え、前記端子が前記回路基板側に向けて前記ケースの裏面から突出する接続凸部を有するコネクタを、前記コネクタが所定位置に載置された際に前記接続凸部を収納する有底の収納凹部と、前記回路基板の表裏に設けられ前記接続凸部に接続されるランド部を有する電気回路と、前記収納凹部に充填され加熱溶融された際に前記ランド部と前記接続凸部との間に介在するクリーム半田とを備えた回路基板にリフロー半田付けする方法であって、以下の工程を備える。
【0017】
まず、前記回路基板の表裏において前記収納凹部に前記接続凸部が収納されるように前記コネクタを前記回路基板に載置すると共に前記ケースを前記回路基板に固定するコネクタ装着工程である。次に、前記コネクタが装着された回路基板を加熱して前記クリーム半田を溶融し前記接続凸部と前記ランド部とを接続する加熱工程である。このように、本発明のリフロー半田付け方法によれば、回路基板の表裏に一度にコネクタを固定し、一度の加熱でリフロー半田付けを行うことができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
次に、本発明のコネクタ及び回路基板の実施形態の一例について、図1乃至図8を参照して説明する。図1は本実施形態のコネクタ及び回路基板を示す説明図、図2は本実施形態のコネクタに用いられる端子を示す説明図、図3は本実施形態のコネクタ及び回路基板の一部拡大断面図、図4は回路基板に設けられたランド部と収納凹部を示す断面図、図5は回路基板の表裏にコネクタが装着されている状態を示す説明図、図6は回路基板にコネクタをリフロー半田付けする工程を示す説明図、図7は本発明の他の実施形態を示す説明的断面図、図8は図7の一部拡大断面図である。
【0019】
まず、本実施形態におけるコネクタ1について説明する。本実施形態のコネクタ1は、図1に示すように、回路部2aと、矩形板状の端子部2bと、端子部2bの下方に突出するピン2cとを備えたCPU2を回路基板3に着脱自在に装着するCPUソケットである。コネクタ1は、それぞれ絶縁体により形成されている内部ケース4及び外部ケース5と、内部ケース4の表裏を貫通する装着孔6に装着される複数の端子7と、外部ケース5を内部ケース4に対して前後方向に摺動させる操作レバー8とを備えている。
【0020】
端子7は、図2に示すように、内部ケース4の装着孔6の内壁に固定される本体7aと、本体7aの斜め下方に傾斜すると共に先端部が垂直に下方に延設される接続凸部7bと、本体7aの上方に設けられCPU2のピン2cが接続される接続部7cとを備えている。また、本体7aから接続凸部7bにかけて略半円状に突出するリブ7dが設けられている。この端子7が内部ケース4の装着孔6に装着されたときは、図3に示すように、内部ケース4の裏面から回路基板3側に向けて接続凸部7bが突出する。
【0021】
また、本実施形態においては、図1に示すように、内部ケース4の裏面において対角線上の2カ所に下方に突出する掛止部9が設けられている。この掛止部9は、図3に示すように、内部ケース4の底面から二股に分かれて下方に延設されると共に、下端部には外方に向けて突出する一対の爪部9aが設けられている。
【0022】
次に、本実施形態における回路基板3について説明する。本実施形態の回路基板3は、図1及び図3に示すように、3枚の基板3a乃至3cが積層されたものであり、その表面及び裏面と、各基板3a乃至3cが重なり合っている重合部分に電気回路10が内蔵されている。また、電気回路10は、図1に示すようにその端部が端子7の接続凸部7bが半田付けされる略円形のランド部11となっている。
【0023】
また、本実施形態においては、図1及び図3に示すように、回路基板3の表面から下方に向けて凹入する収納凹部12が設けられている。この収納凹部12は、図1に示すようにランド部11の中心に設けられており、その径は端子7の接続凸部7bよりも若干大径に形成されている。また、本実施形態においては、図4aに示すように収納凹部12の内周面にメッキ部12aが設けられている。収納凹部12の深さは、図6b及びcに示すようにコネクタ1が回路基板3の所定位置に載置された際に、端子7の接続凸部7bの先端部が収納凹部12の底に当接しない深さとなっている。また、図3に示すように、回路基板3にはその表裏を貫通し内部ケース4の掛止部9が挿入される掛止孔13が設けられている。
【0024】
次に、本実施形態のコネクタ1と回路基板3とを用いてコネクタ1を回路基板3にリフロー半田付けする方法について説明する。本実施形態においては、図5に示すように、回路基板3の表裏にコネクタ1が装着される場合について説明する。まず、回路基板3の表裏の収納凹部12にクリーム半田14を充填する。このとき、図6aに示すように、収納凹部12の周囲のランド部11にもクリーム半田14が付着するようにする。
【0025】
次に、コネクタ1を回路基板3の表面に装着する。このとき、図6bに示すように端子7の接続凸部7bが回路基板3の収納凹部12に挿入されるようにコネクタ1を載置する。これにより、端子7の接続凸部7bと回路基板3のランド部11とがクリーム半田14により接続される。また、このとき、図3に示すように、内部ケース4に設けられた掛止部9が回路基板3に設けられた掛止孔13に挿入され、爪部9aが回路基板3の裏面に掛止され、内部ケース4が回路基板3に固定される。次に、回路基板3の裏面側にも同様にコネクタ1を装着する。
【0026】
そして、次に表裏にそれぞれコネクタ1が固定された回路基板3を図示しないリフロー炉により加熱し、クリーム半田14を溶融させる。これにより、図6cに示すように、端子7の接続凸部7bと回路基板3のランド部11とが溶融されたクリーム半田14により接続される。
【0027】
このように、本実施形態のリフロー半田付け方法においては、リフロー半田付けする際にコネクタ1を回路基板3の表裏に固定することができるため、表裏のコネクタ1を一度に回路基板3に半田付けすることができる。また、本実施形態においては、端子7の接続凸部7bが回路基板3の収納凹部12に間隔を存して挿入され、リフロー半田付けの前段階で接続凸部7bとランド部11との間にクリーム半田14が介在している。このため、コネクタ1や回路基板3にひずみ等が生じている場合であっても、接続凸部7bと収納凹部12との間に介在するクリーム半田14によりひずみが吸収されて端子7とランド部11とが接続不良を起こすおそれがない。
【0028】
従って、端子7の接続凸部7bのコプラナリティが低い場合であっても端子7とランド部11とが確実に接続されるため、接続凸部7bのコプラナリティに高い精度が必要とされない。このため、複数の半田ボールの高いコプラナリティが要求される従来のBGAコネクタに比べて製造が容易であり、製品の歩留まりも向上する。また、従来のBGAコネクタのように端子に予め半田ボール等を固定しておく必要がないので、BGAコネクタのようにコネクタを回路基板上にリフロー半田付けする際に半田ボールが端子より脱落する等の不都合が生じない。
【0029】
また、本実施形態の回路基板では、収納凹部12は回路基板3の表裏を貫通するものではなく、基板3bの表裏と中央の基板3cの裏面には収納凹部12が到達していないため、これらの基板3b,3cにおいてはの電気回路10のレイアウトが容易となる。
【0030】
さらに、上記実施形態においては収納凹部12の内周面にメッキ部12aが設けられているため、平板状のランド部11のみの場合に比べて端子7との半田を介した接触面積が広い。従って、ランド部11の外径を小さくしても確実に端子7とランド部11側とが接続される。このように、ランド部11の外径を小さくすることにより、今後CPU2の能力向上のためにピン2c同士のピッチが狭められた場合であっても、当該狭いピッチにあわせてランド部11を配列することができる。
【0031】
尚、上記実施形態においては、図4aに示すように、収納凹部12の内周面にメッキ部12aを設けてランド部11と一体に形成しているが、これに限らず、断面形状を図4b乃至dに示すような形状としてもよい。例えば、図4c及びdのように収納凹部12の内周面にメッキ部12aを設けていない場合は、収納凹部12に充填されたクリーム半田14が加熱溶融されることにより、表面張力によって収納凹部12の上方に移動する。これにより、収納凹部12に充填するクリーム半田14の量を少なくした場合であっても、ランド部11と端子7の接続凸部7bとの間に収納凹部12の底部のクリーム半田14が充填されるため、収納凹部12に充填するクリーム半田14の量を端子7とランド部11との接続に支障がない範囲で少なくすることもできる。
【0032】
また、上記実施形態においては収納凹部12をランド部11の中心に設けているが、これに限らず、接続凸部7bとランド部11とが溶融されたクリーム半田14により接続される範囲でランド部11の近傍に設けてもよい。また、上記実施形態においては、内部ケース4の底面に掛止部9が一体に成形されているが、掛止部9を別部材として内部ケース4に固定してもよい。
【0033】
次に、本発明の他の実施形態について図7及び図8を参照して説明する。他の実施形態のコネクタ21は、図7に示すように、いわゆるLGA(ランドグリッドアレイ)タイプのCPU22を回路基板23に着脱自在に装着するCPUソケットである。また、この実施形態においては、ヒートシンク24によってCPU22をコネクタ21の表面に付勢することにより、CPU22をコネクタ21に装着している。CPU22は、図7に示すように、板状の端子部22bの表面に回路部22aが突出している。また、図8に示すように、端子部22bの裏面にはピンではなく、ランド22cが設けられている。
【0034】
コネクタ21は、図7及び図8に示すように、絶縁性の合成樹脂により形成されたケース25と、ケース25に装着されている複数の端子26とを備えており、回路基板23上に表面実装されている。ケース25には表裏を貫通し後述する端子26の固定部26aが挿入される装着孔25aが設けられている。この装着孔25aは、CPU22のランド22cと同一の数で同一の配列となっている。
【0035】
端子26は、銅合金等の金属により形成されており、図8に示すように、後述するケース25に設けられた装着孔25aに挿入される固定部26aと、ケース25の表面に露出する接触部26bと、後述する回路基板23の収納凹部28に収納される接続凸部26cとを備えている。
【0036】
回路基板23は、図7及び図8に示すように、4枚の基板23a〜dが積層された積層基板である。また、回路基板23には図8に示すように表面にランド部27が設けられており、ランド部27の中心部に収納凹部28が形成されている。この収納凹部28は、図8に示すように、上方から2枚の基板23bを貫通し、3枚目の基板23cに到達している。そして、その内周面にはメッキが施されたメッキ部29となっている。
【0037】
他の実施形態においては、図8に示すように、上方から1枚目の基板23aの裏面側に設けられたランド部27とメッキ部29とが接続されている。また、上方から3枚目の基板23cの表面に設けられているランド部27は収納凹部28及びメッキ部29と間隔を存して設けられているため、メッキ部29とは接続されていない。
【0038】
また、他の収納凹部28においては、上方から1枚目の基板23aのみに設けられ、2枚目の基板23bまで達しないものもある。その他、2枚目の基板23bまで到達しているもの、或いは4枚目の23dまで到達しているもの等、回路パターンに応じてそれぞれ混在して設けられている。
【0039】
クリーム半田30は、コネクタ21がリフロー半田付けされる前の段階では、収納凹部28の上方部分に充填される。この状態からコネクタ21の接続凸部26cが収納凹部28に挿入されると、接続凸部26cによってクリーム半田30が収納凹部28の内部に案内される。そして、図示しないリフロー炉によりコネクタ21及び回路基板23が加熱されると、クリーム半田30が溶融されて図8に示すようにランド部27と端子26の接続凸部26cとが接続される。
【0040】
このとき、接続凸部26cの先端は収納凹部28の底面近傍まで延設されているので、接続凸部26cによって収納凹部28内の空気の多くが押し出される。これにより、リフロー炉内で加熱された際に収納凹部28内の空気が膨張した場合であっても、収納凹部28から外部に押し出される空気の量は僅かなものであるため、クリーム半田30による接続凸部26cとランド部27との接続状態は良好なものとなる。
【0041】
また、ヒートシンク24はアルミ合金で形成されており、底面部が平面状に形成され上方には放熱フィンが形成されている。また、回路基板23には装着孔25aを介してビス31により固定される。また、ヒートシンク24と回路基板23との間にはスペーサ32が配設されており、回路基板23の裏面には回路基板23を補強する補強板33が配設されている。
【0042】
当該他の実施形態においては、収納凹部28が積層基板である回路基板23の内部まで延設され、積層された基板23a及び23cに設けられたランド部27がメッキ部29により接続されている。これにより、複数の基板23a及び23cにわたって回路を接続することができるため、回路パターンの設計及び端子間のピッチの高密度化が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態のコネクタ及び回路基板を示す説明図。
【図2】本実施形態のコネクタに用いられる端子を示す説明図。
【図3】本実施形態のコネクタ及び回路基板の一部拡大断面図。
【図4】回路基板に設けられたランド部と収納凹部を示す断面図。
【図5】回路基板の表裏にコネクタが装着されている状態を示す説明図。
【図6】回路基板にコネクタをリフロー半田付けする工程を示す説明図。
【図7】他の実施形態のコネクタ及び回路基板を示す説明的断面図。
【図8】図7の一部拡大断面図。
【符号の説明】
1,21…コネクタ、3,23…回路基板、4…内部ケース、5…外部ケース、6,25a…装着孔、7,26…端子、7b…接続凸部、10…電気回路、11,27…ランド部、14,30…クリーム半田、25…ケース。
【発明の属する技術の分野】
本発明は、CPU等の集積回路を装着するコネクタと、コネクタが表面に実装される回路基板に関する。
【0002】
【従来の技術】
CPU等の集積回路を回路基板上に装着するコネクタとしては、従来よりいわゆるピングリッドアレイタイプのコネクタ(以下PGAコネクタという。)或いはボールグリッドアレイタイプのコネクタ(以下BGAコネクタという。)が知られている。
【0003】
PGAコネクタは、絶縁体製のケースと、前記ケースに設けられた装着孔に装着される端子とを備え、前記端子は回路基板側に突出するピンを備えている。一方、回路基板には前記端子のピンが挿通される貫通孔が設けられており、回路基板の裏面には貫通孔の周囲に回路パターンと接続するためのランド部が設けられている。そして、PGAコネクタは、端子のピンが回路基板に設けられた貫通孔に挿通され、回路基板の裏面側でピンとランド部とが半田付けされる。
【0004】
このようなPGAコネクタでは回路基板に貫通孔を設けなければならないため、貫通孔を避けて回路パターンを配設しなければならず、回路パターンの設計及び端子間のピッチの高密度化が困難となる。特に、近年ではCPUの性能向上に伴う高密度化によってピンの数が増える傾向があるため、PGAコネクタでは端子間のピッチの高密度化に対応することは困難となる。
【0005】
また、BGAコネクタは、絶縁体製のケースと、前記ケースに設けられた装着孔に装着される端子とを備え、前記端子は回路基板側に半田ボールが装着されている。この半田ボールは、半田を溶融させてボール状に形成したものである。そして、回路基板の表面には回路パターンに接続されるランド部が設けられており、コネクタの端子に装着された半田ボールを前記ランド部上に載置し、リフロー半田付けすることにより、コネクタを回路基板上に表面実装するものである。
【0006】
このようなBGAコネクタは、半田ボールが回路基板のランド部に当接した状態でなければリフロー半田付けした際に端子とランド部とが接続されない場合がある。従って、多数の端子を備えたコネクタにおいては、半田ボールの先端部の揃い具合を示す平面度(コプラナリティ)を高める必要がある。しかしながら、半田ボールは変形しやすいものであるためコネクタに装着する前に変形するおそれがある。また、コネクタの端子の数が増えると、多数の半田ボールのコプラナリティを保たなければならないため、コプラナリティの低いコネクタは不良品となり、歩留まりが低下するという不都合がある。
【0007】
また、従来のBGAコネクタは、ケースの裏面側から突出する半田ボールを溶融させ、ケースを自重により沈ませてケースを回路基板に固定するものである。このため回路基板の表面にコネクタを載置した状態でなければリフロー半田付けすることができなかった。従って、例えば回路基板の両面にコネクタを装着しなければならない場合、まず回路基板の表面側にコネクタをリフロー半田付けし、次に回路基板の裏面側にコネクタをリフロー半田付けする必要があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、コネクタ及び回路基板の改良を目的とし、さらに詳しくは前記不都合を解消するために、確実にコネクタの端子と回路基板の電気回路とを接続することができ、複数の端子間のコプラナリティを高くする必要がないコネクタと回路基板との組立体及びリフロー半田付け方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本発明のコネクタと回路基板との組立体は、絶縁体製のケースと前記ケースに設けられた複数の装着孔に装着された複数の端子とを備えたコネクタと、前記コネクタが表面にリフロー半田付けされる回路基板との組立体であって、前記端子は前記回路基板側に向けて前記ケースの裏面から突出する接続凸部を有し、前記回路基板は、前記コネクタが所定位置に載置された際に前記接続凸部を収納する有底の収納凹部と、前記回路基板の表面に設けられ前記接続凸部に接続されるランド部を有する電気回路と、前記収納凹部に充填され加熱溶融された際に前記ランド部と前記接続凸部との間に介在するクリーム半田とを備えていることを特徴とする。
【0010】
本発明のコネクタと回路基板との組立体によれば、前記端子の接続凸部が前記回路基板の収納凹部に収納された状態で、前記クリーム半田が溶融されて前記接続凸部と前記ランド部とが接続されるため、前記接続凸部の先端部のコプラナリティが低い場合であっても前記収納凹部にばらつきが吸収される。従って、前記接続凸部の先端部のコプラナリティを高くすることなく前記接続凸部と前記ランド部とを確実に接続することができる。
【0011】
また、本発明のコネクタと回路基板との組立体においては、前記収納凹部は前記ランド部の中心に設けられていることが好ましい。前記収納凹部にクリーム半田が充填された状態で前記接続凸部を前記収納凹部に挿入した場合、クリーム半田は前記収納凹部の周囲に広がるが、前記収納凹部の周囲にランド部があるため、クリーム半田が溶融された際は前記ランド部上に溶融される。
【0012】
また、本発明のコネクタと回路基板との組立体においては、前記ランド部は前記収納凹部の内周面を覆うメッキ部と一体に形成されていることが好ましい。前記収納凹部の内周面が前記メッキ部に覆われることにより、リフロー半田付けされた際に前記接続凸部と前記ランド部及び前記メッキ部との接触面積が広くなる。従って、前記ランド部の外周を小径にした場合であっても前記接続凸部との接続を確保できるため、各ランド部間のピッチを狭くすることができる。従って、将来的に集積回路のピンのピッチが狭くなった場合であっても、当該ピッチに対応したランド部を形成することができる。
【0013】
また、本発明のコネクタと回路基板との組立体においては、前記回路基板が表面に前記ランド部を有する基板が複数枚積層された多層基板であり、前記収納凹部の一部が少なくとも一枚の基板を貫通して内周面に前記ランド部を露出させ、前記メッキ部により前記収納凹部の内周面に露出したランドと前記回路基板の表面のランドとが接続されていることが好ましい。このように前記収納凹部及び前記メッキ部を形成することにより、多層基板である回路基板の複数の基板にわたって電気回路の接続をすることができる。従って、回路パターンの設計において自由度が向上し、端子間のピッチが高密度化された場合であっても柔軟に対応することができる。
【0014】
また、本発明のコネクタと回路基板との組立体においては、前記接続凸部が前記収納凹部の底面近傍まで延設されていることが好ましい。これによれば、前記接続凸部をクリーム半田が充填された前記収納凹部に挿入したときは、前記接続凸部により前記収納凹部内の空気が押し出される。従って、リフロー半田付けの際に収納凹部内の空気が膨張した場合であっても、収納凹部から外部に押し出される空気の量は僅かなものとなるため、クリーム半田による接続凸部とランド部との接続を妨げない。
【0015】
また、本発明のコネクタと回路基板との組立体においては、前記ケースは、前記回路基板に載置された際に前記回路基板に掛止される掛止部を備えていることが好ましい。前記コネクタが前記回路基板の所定位置に載置されたときは、前記接続凸部が前記収納凹部に収納されるため、前記ケースは前記回路基板の表面に当接した状態となる。このように、リフロー半田付けを行った場合であっても前記回路基板に対する前記ケースの位置は移動しない。このため、リフロー半田付けを行う前に前記回路基板に前記ケースを固定することができるため、例えば前記回路基板の表裏にコネクタを実装する場合は、前記回路基板の表裏に前記コネクタを固定し、その状態で一度にリフロー半田付けを行うことができる。従って、従来のBGAコネクタのようにリフロー半田付けを二度行う必要がない。
【0016】
次に、コネクタの回路基板へのリフロー半田付け方法は、絶縁体製のケースと前記ケースに設けられた複数の装着孔に装着された複数の端子を備え、前記端子が前記回路基板側に向けて前記ケースの裏面から突出する接続凸部を有するコネクタを、前記コネクタが所定位置に載置された際に前記接続凸部を収納する有底の収納凹部と、前記回路基板の表裏に設けられ前記接続凸部に接続されるランド部を有する電気回路と、前記収納凹部に充填され加熱溶融された際に前記ランド部と前記接続凸部との間に介在するクリーム半田とを備えた回路基板にリフロー半田付けする方法であって、以下の工程を備える。
【0017】
まず、前記回路基板の表裏において前記収納凹部に前記接続凸部が収納されるように前記コネクタを前記回路基板に載置すると共に前記ケースを前記回路基板に固定するコネクタ装着工程である。次に、前記コネクタが装着された回路基板を加熱して前記クリーム半田を溶融し前記接続凸部と前記ランド部とを接続する加熱工程である。このように、本発明のリフロー半田付け方法によれば、回路基板の表裏に一度にコネクタを固定し、一度の加熱でリフロー半田付けを行うことができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
次に、本発明のコネクタ及び回路基板の実施形態の一例について、図1乃至図8を参照して説明する。図1は本実施形態のコネクタ及び回路基板を示す説明図、図2は本実施形態のコネクタに用いられる端子を示す説明図、図3は本実施形態のコネクタ及び回路基板の一部拡大断面図、図4は回路基板に設けられたランド部と収納凹部を示す断面図、図5は回路基板の表裏にコネクタが装着されている状態を示す説明図、図6は回路基板にコネクタをリフロー半田付けする工程を示す説明図、図7は本発明の他の実施形態を示す説明的断面図、図8は図7の一部拡大断面図である。
【0019】
まず、本実施形態におけるコネクタ1について説明する。本実施形態のコネクタ1は、図1に示すように、回路部2aと、矩形板状の端子部2bと、端子部2bの下方に突出するピン2cとを備えたCPU2を回路基板3に着脱自在に装着するCPUソケットである。コネクタ1は、それぞれ絶縁体により形成されている内部ケース4及び外部ケース5と、内部ケース4の表裏を貫通する装着孔6に装着される複数の端子7と、外部ケース5を内部ケース4に対して前後方向に摺動させる操作レバー8とを備えている。
【0020】
端子7は、図2に示すように、内部ケース4の装着孔6の内壁に固定される本体7aと、本体7aの斜め下方に傾斜すると共に先端部が垂直に下方に延設される接続凸部7bと、本体7aの上方に設けられCPU2のピン2cが接続される接続部7cとを備えている。また、本体7aから接続凸部7bにかけて略半円状に突出するリブ7dが設けられている。この端子7が内部ケース4の装着孔6に装着されたときは、図3に示すように、内部ケース4の裏面から回路基板3側に向けて接続凸部7bが突出する。
【0021】
また、本実施形態においては、図1に示すように、内部ケース4の裏面において対角線上の2カ所に下方に突出する掛止部9が設けられている。この掛止部9は、図3に示すように、内部ケース4の底面から二股に分かれて下方に延設されると共に、下端部には外方に向けて突出する一対の爪部9aが設けられている。
【0022】
次に、本実施形態における回路基板3について説明する。本実施形態の回路基板3は、図1及び図3に示すように、3枚の基板3a乃至3cが積層されたものであり、その表面及び裏面と、各基板3a乃至3cが重なり合っている重合部分に電気回路10が内蔵されている。また、電気回路10は、図1に示すようにその端部が端子7の接続凸部7bが半田付けされる略円形のランド部11となっている。
【0023】
また、本実施形態においては、図1及び図3に示すように、回路基板3の表面から下方に向けて凹入する収納凹部12が設けられている。この収納凹部12は、図1に示すようにランド部11の中心に設けられており、その径は端子7の接続凸部7bよりも若干大径に形成されている。また、本実施形態においては、図4aに示すように収納凹部12の内周面にメッキ部12aが設けられている。収納凹部12の深さは、図6b及びcに示すようにコネクタ1が回路基板3の所定位置に載置された際に、端子7の接続凸部7bの先端部が収納凹部12の底に当接しない深さとなっている。また、図3に示すように、回路基板3にはその表裏を貫通し内部ケース4の掛止部9が挿入される掛止孔13が設けられている。
【0024】
次に、本実施形態のコネクタ1と回路基板3とを用いてコネクタ1を回路基板3にリフロー半田付けする方法について説明する。本実施形態においては、図5に示すように、回路基板3の表裏にコネクタ1が装着される場合について説明する。まず、回路基板3の表裏の収納凹部12にクリーム半田14を充填する。このとき、図6aに示すように、収納凹部12の周囲のランド部11にもクリーム半田14が付着するようにする。
【0025】
次に、コネクタ1を回路基板3の表面に装着する。このとき、図6bに示すように端子7の接続凸部7bが回路基板3の収納凹部12に挿入されるようにコネクタ1を載置する。これにより、端子7の接続凸部7bと回路基板3のランド部11とがクリーム半田14により接続される。また、このとき、図3に示すように、内部ケース4に設けられた掛止部9が回路基板3に設けられた掛止孔13に挿入され、爪部9aが回路基板3の裏面に掛止され、内部ケース4が回路基板3に固定される。次に、回路基板3の裏面側にも同様にコネクタ1を装着する。
【0026】
そして、次に表裏にそれぞれコネクタ1が固定された回路基板3を図示しないリフロー炉により加熱し、クリーム半田14を溶融させる。これにより、図6cに示すように、端子7の接続凸部7bと回路基板3のランド部11とが溶融されたクリーム半田14により接続される。
【0027】
このように、本実施形態のリフロー半田付け方法においては、リフロー半田付けする際にコネクタ1を回路基板3の表裏に固定することができるため、表裏のコネクタ1を一度に回路基板3に半田付けすることができる。また、本実施形態においては、端子7の接続凸部7bが回路基板3の収納凹部12に間隔を存して挿入され、リフロー半田付けの前段階で接続凸部7bとランド部11との間にクリーム半田14が介在している。このため、コネクタ1や回路基板3にひずみ等が生じている場合であっても、接続凸部7bと収納凹部12との間に介在するクリーム半田14によりひずみが吸収されて端子7とランド部11とが接続不良を起こすおそれがない。
【0028】
従って、端子7の接続凸部7bのコプラナリティが低い場合であっても端子7とランド部11とが確実に接続されるため、接続凸部7bのコプラナリティに高い精度が必要とされない。このため、複数の半田ボールの高いコプラナリティが要求される従来のBGAコネクタに比べて製造が容易であり、製品の歩留まりも向上する。また、従来のBGAコネクタのように端子に予め半田ボール等を固定しておく必要がないので、BGAコネクタのようにコネクタを回路基板上にリフロー半田付けする際に半田ボールが端子より脱落する等の不都合が生じない。
【0029】
また、本実施形態の回路基板では、収納凹部12は回路基板3の表裏を貫通するものではなく、基板3bの表裏と中央の基板3cの裏面には収納凹部12が到達していないため、これらの基板3b,3cにおいてはの電気回路10のレイアウトが容易となる。
【0030】
さらに、上記実施形態においては収納凹部12の内周面にメッキ部12aが設けられているため、平板状のランド部11のみの場合に比べて端子7との半田を介した接触面積が広い。従って、ランド部11の外径を小さくしても確実に端子7とランド部11側とが接続される。このように、ランド部11の外径を小さくすることにより、今後CPU2の能力向上のためにピン2c同士のピッチが狭められた場合であっても、当該狭いピッチにあわせてランド部11を配列することができる。
【0031】
尚、上記実施形態においては、図4aに示すように、収納凹部12の内周面にメッキ部12aを設けてランド部11と一体に形成しているが、これに限らず、断面形状を図4b乃至dに示すような形状としてもよい。例えば、図4c及びdのように収納凹部12の内周面にメッキ部12aを設けていない場合は、収納凹部12に充填されたクリーム半田14が加熱溶融されることにより、表面張力によって収納凹部12の上方に移動する。これにより、収納凹部12に充填するクリーム半田14の量を少なくした場合であっても、ランド部11と端子7の接続凸部7bとの間に収納凹部12の底部のクリーム半田14が充填されるため、収納凹部12に充填するクリーム半田14の量を端子7とランド部11との接続に支障がない範囲で少なくすることもできる。
【0032】
また、上記実施形態においては収納凹部12をランド部11の中心に設けているが、これに限らず、接続凸部7bとランド部11とが溶融されたクリーム半田14により接続される範囲でランド部11の近傍に設けてもよい。また、上記実施形態においては、内部ケース4の底面に掛止部9が一体に成形されているが、掛止部9を別部材として内部ケース4に固定してもよい。
【0033】
次に、本発明の他の実施形態について図7及び図8を参照して説明する。他の実施形態のコネクタ21は、図7に示すように、いわゆるLGA(ランドグリッドアレイ)タイプのCPU22を回路基板23に着脱自在に装着するCPUソケットである。また、この実施形態においては、ヒートシンク24によってCPU22をコネクタ21の表面に付勢することにより、CPU22をコネクタ21に装着している。CPU22は、図7に示すように、板状の端子部22bの表面に回路部22aが突出している。また、図8に示すように、端子部22bの裏面にはピンではなく、ランド22cが設けられている。
【0034】
コネクタ21は、図7及び図8に示すように、絶縁性の合成樹脂により形成されたケース25と、ケース25に装着されている複数の端子26とを備えており、回路基板23上に表面実装されている。ケース25には表裏を貫通し後述する端子26の固定部26aが挿入される装着孔25aが設けられている。この装着孔25aは、CPU22のランド22cと同一の数で同一の配列となっている。
【0035】
端子26は、銅合金等の金属により形成されており、図8に示すように、後述するケース25に設けられた装着孔25aに挿入される固定部26aと、ケース25の表面に露出する接触部26bと、後述する回路基板23の収納凹部28に収納される接続凸部26cとを備えている。
【0036】
回路基板23は、図7及び図8に示すように、4枚の基板23a〜dが積層された積層基板である。また、回路基板23には図8に示すように表面にランド部27が設けられており、ランド部27の中心部に収納凹部28が形成されている。この収納凹部28は、図8に示すように、上方から2枚の基板23bを貫通し、3枚目の基板23cに到達している。そして、その内周面にはメッキが施されたメッキ部29となっている。
【0037】
他の実施形態においては、図8に示すように、上方から1枚目の基板23aの裏面側に設けられたランド部27とメッキ部29とが接続されている。また、上方から3枚目の基板23cの表面に設けられているランド部27は収納凹部28及びメッキ部29と間隔を存して設けられているため、メッキ部29とは接続されていない。
【0038】
また、他の収納凹部28においては、上方から1枚目の基板23aのみに設けられ、2枚目の基板23bまで達しないものもある。その他、2枚目の基板23bまで到達しているもの、或いは4枚目の23dまで到達しているもの等、回路パターンに応じてそれぞれ混在して設けられている。
【0039】
クリーム半田30は、コネクタ21がリフロー半田付けされる前の段階では、収納凹部28の上方部分に充填される。この状態からコネクタ21の接続凸部26cが収納凹部28に挿入されると、接続凸部26cによってクリーム半田30が収納凹部28の内部に案内される。そして、図示しないリフロー炉によりコネクタ21及び回路基板23が加熱されると、クリーム半田30が溶融されて図8に示すようにランド部27と端子26の接続凸部26cとが接続される。
【0040】
このとき、接続凸部26cの先端は収納凹部28の底面近傍まで延設されているので、接続凸部26cによって収納凹部28内の空気の多くが押し出される。これにより、リフロー炉内で加熱された際に収納凹部28内の空気が膨張した場合であっても、収納凹部28から外部に押し出される空気の量は僅かなものであるため、クリーム半田30による接続凸部26cとランド部27との接続状態は良好なものとなる。
【0041】
また、ヒートシンク24はアルミ合金で形成されており、底面部が平面状に形成され上方には放熱フィンが形成されている。また、回路基板23には装着孔25aを介してビス31により固定される。また、ヒートシンク24と回路基板23との間にはスペーサ32が配設されており、回路基板23の裏面には回路基板23を補強する補強板33が配設されている。
【0042】
当該他の実施形態においては、収納凹部28が積層基板である回路基板23の内部まで延設され、積層された基板23a及び23cに設けられたランド部27がメッキ部29により接続されている。これにより、複数の基板23a及び23cにわたって回路を接続することができるため、回路パターンの設計及び端子間のピッチの高密度化が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態のコネクタ及び回路基板を示す説明図。
【図2】本実施形態のコネクタに用いられる端子を示す説明図。
【図3】本実施形態のコネクタ及び回路基板の一部拡大断面図。
【図4】回路基板に設けられたランド部と収納凹部を示す断面図。
【図5】回路基板の表裏にコネクタが装着されている状態を示す説明図。
【図6】回路基板にコネクタをリフロー半田付けする工程を示す説明図。
【図7】他の実施形態のコネクタ及び回路基板を示す説明的断面図。
【図8】図7の一部拡大断面図。
【符号の説明】
1,21…コネクタ、3,23…回路基板、4…内部ケース、5…外部ケース、6,25a…装着孔、7,26…端子、7b…接続凸部、10…電気回路、11,27…ランド部、14,30…クリーム半田、25…ケース。
Claims (7)
- 絶縁体製のケースと前記ケースに設けられた複数の装着孔に装着された複数の端子とを備えたコネクタと、前記コネクタが表面にリフロー半田付けされる回路基板との組立体であって、
前記端子は前記回路基板側に向けて前記ケースの裏面から突出する接続凸部を有し、
前記回路基板は、前記コネクタが所定位置に載置された際に前記接続凸部を収納する有底の収納凹部と、前記回路基板の表面に設けられ前記接続凸部に接続されるランド部を有する電気回路と、前記収納凹部に充填され加熱溶融された際に前記ランド部と前記接続凸部との間に介在するクリーム半田とを備えていることを特徴とするコネクタと回路基板との組立体。 - 前記収納凹部は前記ランド部の中心に設けられていることを特徴とする請求項1に記載のコネクタと回路基板との組立体。
- 前記ランド部は前記収納凹部の内周面を覆うメッキ部と一体に形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のコネクタと回路基板との組立体。
- 前記回路基板は表面に前記ランド部を有する基板が複数枚積層された多層基板であり、前記収納凹部の一部は少なくとも一枚の基板を貫通して内周面に前記ランド部を露出させ、前記メッキ部により前記収納凹部の内周面に露出したランドと前記回路基板の表面のランドとが接続されていることを特徴とする請求項3に記載のコネクタと回路基板との組立体。
- 前記接続凸部は、前記収納凹部の底面近傍まで延設されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のコネクタと回路基板との組立体。
- 前記ケースは、前記回路基板に載置された際に前記回路基板に掛止される掛止部を備えていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のコネクタと回路基板との組立体。
- 絶縁体製のケースと前記ケースに設けられた複数の装着孔に装着された複数の端子を備え、前記端子が回路基板側に向けて前記ケースの裏面から突出する接続凸部を有するコネクタを、
前記コネクタが所定位置に載置された際に前記接続凸部を収納する有底の収納凹部と、前記回路基板の表裏に設けられ前記接続凸部に接続されるランド部を有する電気回路と、前記収納凹部に充填され加熱溶融された際に前記ランド部と前記接続凸部との間に介在するクリーム半田とを備えた回路基板にリフロー半田付けする方法であって、
前記回路基板の表裏において前記収納凹部に前記接続凸部が収納されるように前記コネクタを前記回路基板に載置すると共に前記ケースを前記回路基板に固定するコネクタ装着工程と、
前記コネクタが装着された回路基板を加熱して前記クリーム半田を溶融し前記接続凸部と前記ランド部とを接続する加熱工程とを備えたことを特徴とするコネクタの回路基板へのリフロー半田付け方法。
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Cited By (1)
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-
2002
- 2002-07-23 JP JP2002213730A patent/JP2004079185A/ja not_active Withdrawn
Cited By (2)
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