JP2004078564A - 制御装置の設定値変更方法及びそれに用いる保守装置 - Google Patents

制御装置の設定値変更方法及びそれに用いる保守装置 Download PDF

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Abstract

【課題】誤入力を可能な限り防止し、例え誤入力が生じても、それを速やかに認識できるようにする。
【解決手段】チューニング機能画面表示手段15により変更する機器が含まれるロジック図画面、変更する新しい設定値を画面入力できるようにし、また変更中の状態が確認できるようにチューニング増減ボタン、現在値画面、変更前の値を示す前設定値画面、変更状態を示す変更状態モニタ画面等の各画面を表示させる。そして、チューニング操作手段(チューニング増減ボタン)12により画面入力した新たな設定値になるようにシミュレーション手段16で変化率や上下限値を演算し、この変化率で値を変化させながら設定値を変更し、その時の変更状態を変更状態モニタでモニタして設定の適否を視覚的にも確認できるようにする。
【選択図】    図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、発電プラント等における各種の機器を制御する制御装置の設定値を変更設定する際の設定値変更方法及びそれに用いる保守装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、発電プラント等のシステムにおいては、各種の機器が用いられ、これらは制御装置により制御されることが一般的である。
【0003】
このような制御装置には、機器の制御値となる設定値が設定され、この設定値に基づき各機器が制御される。そして、当該設定値は保守装置により変更設定が行われるようになっている。
【0004】
図6は、かかる保守装置110を用いて制御装置120の設定値を変更する際の様子を示した図で、機器130は制御装置120に接続され、この制御装置120に保守装置110が接続されて、該保守装置110から制御装置120に設定値信号を送ることで設定値の変更設定が行われる。
【0005】
そして、このような保守装置110が起動されると、図7に示すような系統図に沿ったロジック図画面140が表示され、このロジック図画面140で設定変更箇所を選択すると変更値入力画面141が表示される。なお、図7においては、選択された設定変更箇所を斜線で示している。
【0006】
そして、運転員がキーボード等の図示しない外部入力機器から新たに設定する設定値を入力し、送信ボタン142を選択すると、その設定値が制御装置120に送信されて当該制御装置120の値が変更されるようになっている。
【0007】
しかし、変更する値をキーボード等から入力する場合には、桁間違い、小数点とコンマとの間違い等の誤入力を生じる恐れがある。
【0008】
一般に、制御装置120の設定値には、わずかな変更でもシステムに大きな影響を及すものが多く存在し、このような誤入力が発生すると制御の安定性が損なわれたり、制御対象の機器130が状態急変を起したり、また甚だしい時には機器130の損傷や作業者に危険を及ぼす恐れがある。
【0009】
そこで、かかる誤入力を未然に防止することを目的として特開平10−83246号公報、特開平11−160485号公報、特開2001−286169号公報等の多くの技術が開示されている。
【0010】
例えば、特開平10−83246号公報では、1つの機器に信号入出力をする制御装置からの情報を監視し、情報に関する複数の制御データについての現在値、設定値、上下限値等のパラメータを対話形式入力で変更する。
【0011】
このとき、複数の制御データ夫々に対する少なくとも1つのパラメータの入力形式を記憶したデータベースと、変更対象となる制御データの名称に基づいたデータベースの検索結果から、当該制御データのパラメータについて入力形式を設定し、対話形式入力に応じて、パラメータの変更を行う入力処理部とを備えて、オペレータのデータ変更方法指定の負担を軽減し、さらに入力ミスによる入力エラーの低減を図るようにした構成が開示されている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記各公報に係る構成では、誤入力の防止を主眼としているため、一旦誤入力された場合には、その値が正しいものとして処理が進行してしまい、思わぬ事故を招く恐れがある。
【0013】
即ち、設定値の入力は、各種のアシスト機能に基づき操作員がキーボードから入力する構成であるため、人為的ミスによる誤入力は皆無にすることができず、一旦誤入力された場合には、そのことを知ることが困難であった。
【0014】
また、各公報にかかる構成を含め従来の構成では、新設定値が適正な値であっても、一旦設定されると機器130は新設定値に設定され、この設定値に基づき制御されてしまうので、現状値と新設定値とに大きな差があると、機器が急変してしまいシステムに大きな擾乱を起してしまうことがあった。
【0015】
そこで、本発明は、人為的ミスによる誤入力は完全に無くすことができないとの思想の下に、かかる誤入力を可能な限り防止し、例え誤入力が生じても、それを速やかに認識できるようにすると共に、システムに無用な擾乱を与えることなく新たな設定値に変更できるようにした制御装置の設定値変更方法及びそれに用いる保守装置を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、請求項1にかかる発明は、制御装置が当該制御装置に設定された設定値に基づきプラント等のシステムを構成する機器を制御する際の、該設定値を設定変更する設定値変更方法において、画面入力により値を増減して新設定値を指定すると共に、システムに急激な変動を与えないように、現在の設定値から新たな設定値まで滑らかに値を変化させて変更するようにして、誤入力を可能な限り防止し、例え誤入力が生じても、それを速やかに認識できるようにすると共に、システムに無用な擾乱を与えることなく新たな設定値に変更できるようにしたことを特徴とする。
【0017】
請求項2にかかる発明は、制御装置が当該制御装置に設定された設定値に基づきプラント等のシステムを構成する機器を制御する際の、該設定値を設定変更する設定値変更方法において、現在の設定値に対する増減量をステップ量とし、画面入力により該ステップ量を増減して指定すると共に、現在の設定値を当該ステップ量だけ増減させた際のシステムの挙動を模擬し、該挙動が当該システムで許容される範囲内である場合に現在の設定値をステップ量だけ増減した新設定値に変更するようにして、誤入力を可能な限り防止し、例え誤入力が生じても、それを速やかに認識できるようにすると共に、システムに無用な擾乱を与えることなく新たな設定値に変更できるようにしたことを特徴とする。
【0018】
請求項3にかかる発明は、制御装置が当該制御装置に設定された設定値に基づきプラント等のシステムを構成する機器を制御する際の、該設定値を設定変更する保守装置において、設定値の変更を行う機器を含む系統のロジック図を表示するロジック図画面、ロジック図画面で設定値変更する機器を指定すると、当該機器と線で結ばれて設定値変更対象機器であることを明示すると共に、チューニング操作手段により値を増減して設定値変更中の値を示す現在値画面、設定値の変更前の値を表示する前設定値画面、及び、制御装置の設定値を新設定値に変更する過程をグラフ表示する変更状態モニタ画面の各画面を表示させるチューニング機能画面表示手段と、システムに急激な変動を与えないように、現在の設定値から新設定値まで滑らかに変化させて変更すべく、その変化率を演算し、また該変化率で設定値を滑らかに変更したときに、システムで許容される範囲内での変更になるように新設定値の上限値又は下限値を演算して、変化率で変化し、上限値又は下限値が制限された設定値信号を出力する設定値信号出力手段と、該設定値信号出力手段からの制御信号を制御装置に出力する際に、当該設定値信号により設定値と変更開始時における当該制御装置に設定されている設定値との差が、予め設定された許容範囲より小さくなるまで該制御装置への出力を制限するトラッキング手段とを設けて、誤入力を可能な限り防止し、例え誤入力が生じても、それを速やかに認識できるようにすると共に、システムに無用な擾乱を与えることなく新たな設定値に変更できるようにしたことを特徴とする。
【0019】
請求項4にかかる発明は、制御装置が当該制御装置に設定された設定値に基づきプラント等のシステムを構成する機器を制御する際の、該設定値を設定変更する保守装置において、設定値の変更を行う機器を含む系統のロジック図を表示するロジック図画面、該ロジック図画面で設定値変更する機器が指定されると、当該機器と線で結ばれて該機器の設定値が変更対象であることを明示すると共に、ステップ量操作手段により値を増減させて該設定値変更対象機器を制御するための新たな設定値にステップ変更する際のステップ量が指定できるようにするステップ量設定画面、ステップ量で設定値を変更させた際のシステムの挙動を模擬して表示する挙動モニタ画面、及び、該挙動モニタ画面上のカーソル点の値を表示させるポイントデータ表示画面の各画面を表示させるステップ応答機能画面表示手段と、ステップ量で設定値を変更した際に、システムで許容される範囲内での変更になるように、当該ステップ量の上限値又は下限値を演算して制限するステップ上下限値制限手段と、ステップ量で制御装置の設定値を変更した際に、システムの挙動を模擬する模擬手段とを設けて、誤入力を可能な限り防止し、例え誤入力が生じても、それを速やかに認識できるようにすると共に、システムに無用な擾乱を与えることなく新たな設定値に変更できるようにしたことを特徴とする。
【0020】
請求項5にかかる発明は、制御装置が当該制御装置に設定された設定値に基づきプラント等のシステムを構成する機器を制御する際の、該設定値を設定変更する設定値変更用保守装置において、設定値の変更を行う機器を含む系統のロジック図を表示するロジック図画面、ロジック図画面で設定値変更する機器を指定すると、当該機器と線で結ばれて設定値変更対象機器であることを明示すると共に、チューニング操作手段により値を増減して設定値変更中の値を示す現在値画面、制御装置の設定値を新設定値に変更する過程をモニタ表示する変更状態モニタ画面、設定値変更対象機器と線で結ばれて当該機器の制御値が変更対象であることを明示すると共に、ステップ量操作手段により値を増減させて該設定値変更対象機器の新たな設定値をステップ変更する際のステップ量が指定できるようにするステップ量設定画面、ステップ量で設定値を変更した際のシステムの挙動を模擬して表示する挙動モニタ画面、及び、該挙動モニタ画面上のカーソル点の値を表示させるポイントデータ表示画面の各画面を表示させる機能画面表示手段と、システムに急激な変動を与えないように、現在の設定値から新設定値まで滑らかに変化させて変更すべく、その変化率を演算し、また該変化率で設定値を滑らかに変更したときに、システムで許容される範囲内での変更になるように新設定値の上限値又は下限値を演算して、変化率で変化し、上限値又は下限値が制限された設定値信号を出力する設定値信号出力手段と、該設定値信号出力手段からの制御信号を制御装置に出力する際に、当該設定値信号により設定値と変更開始時における当該制御装置に設定されている設定値との差が、予め設定された許容範囲より小さくなるまで該制御装置への出力を制限するトラッキング手段と、ステップ量で設定値を変更した際に、システムで許容される範囲内での変更になるように、当該ステップ量の上限値又は下限値を演算して制限するステップ上下限値制限手段と、ステップ量で制御装置の設定値を変更した際に、システムの挙動を模擬する模擬手段とを設けて、誤入力を可能な限り防止し、例え誤入力が生じても、それを速やかに認識できるようにすると共に、システムに無用な擾乱を与えることなく新たな設定値に変更できるようにしたことを特徴とする。
【0021】
請求項6にかかる発明は、ステップ量で設定値変更対象機器の設定値をステップ変更した際に、ロジック図画面の中の任意の機器を指定することにより、当該機器の挙動が挙動モニタ画面に表示されると共に、該挙動モニタ画面上のカーソル点の値がポイントデータ表示画面に表示されるようにしたことを特徴とする。
【0022】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図を参照して説明する。図1は実施の形態にかかる保守装置2を用いて制御装置3の設定値を変更する際の様子を示す概略構成図で、機器4に制御装置3が接続されると共に、該制御装置3と保守装置2とが保守装置接続コード9により接続されている。
【0023】
なお、以下の説明では、保守装置2が制御装置3の設定値を変更する際に、当該設定値に基づき制御される機器4を設定値変更対象機器4と記載する。
【0024】
また、本明細書では、設定値を変更する際に、変更処理を行う直前の値を前設定値、変更中の値を変更途中値、目標とする値を目標設定値という。
【0025】
保守装置2は、変更途中値を連続的に変化させて目標設定値に変更させるチューニング機能5及び、前設定値から指定したステップ量だけ大きい(小さい)目標設定値に変更させて、例えばシステムに所望の擾乱を与えた時の挙動を監視するような場合に利用されるステップ応答機能6を備え、これら各機能に基づく設定値信号がインターフェース7を介して制御装置3に送られるようになっている。
【0026】
チューニング機能5は、図2に示すように、設定値信号出力手段10、トラッキング手段11、チューニング機能画面表示手段15等により構成されている。
【0027】
設定値信号出力手段10は、変更途中値の変化率やその上下限値等を設定して、これらに基づく信号を出力するもので、チューニング操作手段12、シミュレーション手段16、変化率制限手段13、チューニング上下限制限手段14等により構成されている。
【0028】
チューニング操作手段12は、目標設定値の画面入力等を行うものであり、シミュレーション手段16は変更途中値の変化率や目標設定値の上下限値を演算するものである。
【0029】
変化率制限手段13は、シミュレーション手段16で演算された変化率で変化する信号を変更途中値として出力するものであり、チューニング上下限制限手段14はシミュレーション手段16で演算された上下限値を超えないように変更途中値の出力を制限するものである。
【0030】
この変化率は、システムが許容された範囲で急変しないように設定値を時間的に変化させて目標設定値にするが、その際の値(変更途中値)の変化率を示すものである。
【0031】
例えば、設定値変更対象機器4が弁の場合に、弁の開度速度を指定するパラメータが、この変化率に相当する。
【0032】
また、上限値又は下限値は、上記変化率で変化する変更途中値が許容範囲を超えないように、その上下限値を示すものである。
【0033】
例えば、設定値変更対象機器4が弁で、その最大開度が90%の場合に、90%を超えるような信号が変化率制限手段13から出力されようとすると、90%の開度にならないように当該信号の出力を遮断又は変化を止めるようにする。このときの開度90%が、上下限値に相当する。
【0034】
また、シミュレーション手段16は、変化率制限手段13で用いる変化率やチューニング上下限制限手段14で用いる上限値、下限値を制御プログラム18及び制御対象模擬プログラム19により演算する定数設定手段17等により構成されている。
【0035】
なお、制御プログラム18は制御装置3が機器4を制御する際のプログラムであり、制御対象模擬プログラム19は当該制御プログラム18に従い制御対象が制御された際の状況を模擬するプログラムである。
【0036】
トラッキング手段11は、設定値の変更を開始する際に、変更途中値と前設定値とが大きく異なることによりシステムに急激な変動が発生しないように、変更途中値の値が増大(減少)して前設定値との差が所定範囲になるまで制御装置3への出力を規制するものである。
【0037】
設定値変更対象機器4が弁で、現在30%の開度であり、開度10%から60%に変化して設定値を変更するような信号がチューニング上下限制限手段14から出力される信号の場合を考える。
【0038】
この場合には、弁の操作仕様としては何ら問題ではないが、この信号をそのまま制御装置に出力して設定値の変更を行うと、弁の開度が大きく変化するためにシステムに無用の擾乱を起してしまうことがある。
【0039】
そこで、トラッキング手段11は、チューニング上下限制限手段14からの信号が前設定値(上記説明では30%)になるまで制御装置3への出力を規制する。
【0040】
チューニング画面32は、後述するロジック図画面やチューニング画面等の各種の画面を表示させるものである。
【0041】
一方、ステップ応答機能6は、図3に示すように、ステップ操作手段20、ステップ上下限値制限手段21、模擬手段23、ステップ応答機能画面表示手段24、ステップ実行手段22等により構成されている。
【0042】
ステップ操作手段20は、設定値の変更をステップ的に変更する際のステップ量を画面入力して指定するものである。
【0043】
ステップ上下限値制限手段21は、前設定値をステップ操作手段20で指定したステップ量で変えてなる目標設定値に変更した際に、システムで許容される範囲内での変更になるように、当該ステップ量の上限値又は下限値を演算して制限するものである。
【0044】
模擬手段23は、ステップ量で設定値を変更した際に、システムの挙動を模擬するものであり、ステップ実行手段22は設定したステップ量で設定値の変更を実行させるものである。
【0045】
ステップ応答機能画面表示手段24は、ロジック図画面や挙動モニタ画面等の各画面の画面表示を行うものである。
【0046】
このような保守装置2が動作すると、チューニング機能選択ボタン27とステップ応答機能選択ボタン28とを備えたメニュー画面29が表示される(図4及び図5参照)。
【0047】
チューニング機能選択ボタン27を選択するとチューニング機能5が起動され、チューニング機能画面表示手段15が図4に示すようなチューニング設定画面30を表示する。
【0048】
一方、ステップ応答機能選択ボタン28を選択するとステップ応答機能6が起動され、ステップ応答機能画面表示手段24が図5に示すようなステップ設定画面40を表示する。
【0049】
チューニング設定画面30は、設定値を変更しようとする設定値変更対象機器4が含まれる系統のロジック図を示すロジック図画面31、設定値変更対象機器4の前設定値や変更途中値等の情報が表示されるチューニング画面32を主要構成としている。
【0050】
チューニング画面32は、変更途中値の時間的変化を示す変更状態モニタ画面34、前設定値を示す前設定値画面35、設定値変更対象機器4を示すチューニング箇所表示画面36、指定した目標設定値に対する現在値が表示される現在値画面38、目標設定値の増減を行うチューニング操作手段12をなすチューニング増減ボタン37等により構成されている。
【0051】
なお、チューニング増減ボタン37を操作することにより、原則的に設定値はリアルタイムに変更されると共に、その時の値が現在値画面38に表示される。原則的に設定値はリアルタイムに変更されるとするのは、トラッキング手段11が動作するような場合には、その動作中は設定値の変更が行われないことがあるからである。
【0052】
また、ステップ設定画面40は、設定値を変更しようとする設定値変更対象機器4が含まれる系統のロジック図を示すロジック図画面41、ステップ量を指定するステップ操作手段20をなすステップ量増減ボタン48、指定したステップ量が表示されるステップ量設定画面47、ステップ量の設定が完了した旨を示すためのステップ量確定ボタン50、設定したステップ量で設定値を変更した際にシステムの挙動を模擬させる変更時挙動予測ボタン51、設定したステップ量で設定値の変更を実行させるステップ実行手段52をなすステップ変更実行ボタン52、システムの挙動を模擬結果をグラフ表示するトレンド画面(挙動モニタ画面)44、レジスタ番号欄とカーソル箇所欄とを対として、これらが複数設けられた監視信号設定画面46、設定値変更対象機器と線で結ばれて、設定値変更対象の機器であることを明示すると共に、この機器の模擬結果を示すステップ変更レジスタ設定画面(ポイントデータ表示画面)49等を有している。
【0053】
なお、設定値変更対象機器を含めた各機器の模擬結果は、レジスタメモリに記憶される。従って、設定値の変更に伴う任意の機器の挙動は該当するレジスタ番号の内容を見ることにより知ることができる。
【0054】
このためには、挙動が知りたい機器をロジック図画面41で指定する。これにより、指定された機器と監視信号設定画面46の空き欄とが線で結ばれて、当該機器の模擬結果が保存されているレジスタ番号がレジスタ番号欄に表示され、かつ、トレンド画面44に結果が表示される。また、カーソル箇所欄には、カーソル位置での値が表示される。
【0055】
なお、図5においては、ステップ変更レジスタ設定画面49と機器とを結ぶ線は実線で示し、監視信号設定画面46と機器とを結ぶ線は点線で示しているが、共に実線であっても良く、また色分けして表示しても良い。
【0056】
このような構成で、先ずチューニング機能選択ボタン27が選択されてチューニング機能5が起動した場合について説明する。
【0057】
操作員は、ロジック図画面31で、設定値変更対象機器4を選択する。これにより選択された機器が設定値変更対象機器4として枠掛や色分け等されると共に、当該設定値変更対象機器4がチューニング箇所表示画面36と線で結ばれる。
【0058】
従って、設定値変更対象機器4が他の機器と差別化されて明示されるので視認性が向上し、設定値変更対象機器4の選択ミスの発生が低減する。
【0059】
このようにして設定値変更対象機器4が指定されると、変更前の現在の設定値が前設定値画面35に表示される。
【0060】
そこで、操作員は、チューニング増減ボタン37を操作して現在値画面38の値を増減する。これによりシミュレーション手段は変化率や上下限値を演算し、この変化率で変化する信号を出力する。
【0061】
このとき、出力信号が前設定値から大きくずれていて、直ちに設定値を変更してしまうと設定値変更対象機器の状態が大きく変り、システムに許容される以上の擾乱を及すことがある。
【0062】
この場合にはトラッキング手段11が、出力信号と前設定値との差が所定範囲(システムに許容される範囲)になるまで制御装置への出力を規制し、当該範囲内に入ると出力するように動作する。
【0063】
従って、システムには急激に大きな擾乱が発生しないようになり制御の安定性が向上する。
【0064】
制御装置への出力が開始されて変更が開始されると、その時の設定値がリアルタイムに現在値画面38に表示されると共に変更状態モニタ画面34で設定値の時間変化が表示され、、操作員はこれらの画面を見ながら設定値の適正等を監視する。
【0065】
このように、設定値を変更する際に、キーボード等から直接変更値を入力することがないので、キー入力ミスによる入力値の桁誤り、過大、過小入力等を防止することができると共に、例えチューニング増減ボタン37の過剰操作等により誤入力状態が発生しても、現在値画面38や変更状態モニタ画面34を監視することにより、大きな擾乱が発生する前にこれを修正し、また調整できるのでシステムの安定性が向上する。
【0066】
次に、ステップ応答機能選択ボタン28を選択してステップ応答機能6が起動した場合を説明する。
【0067】
この場合、図5に示すようなステップ設定画面40が表示されるので、操作員は、ロジックモニタ画面41で、ステップ的に設定値を変更する設定値変更対象機器4を選択する。
【0068】
これにより選択された機器4は、設定変更対象43として枠掛や色分け等して表示され、ステップ変更レジスタ設定画面49と線で結ばれる。
【0069】
これにより、設定値変更対象機器が視覚的に認識できるようになり、設定値変更対象機器の選択ミス等が防止できるようになる。
【0070】
次に、操作員はステップ量増減ボタン48を操作する。これによりステップ量が増減され、この値はステップ量設定画面47に表示されるので確認を容易に行うことが可能になる。
【0071】
このように、設定値を変更する際に、キーボード等から直接変更値を入力することがないので、キー入力ミスによる入力値の桁誤り、過大、過小入力等を防止することができる。
【0072】
そして、ステップ量が適正に設定されたことを確認すると、ステップ量確定ボタン50を選択して設定したステップ量を確定する。
【0073】
その後、変更時挙動予測ボタン51を選択して、設定したステップ量で設定値を変更した場合にシステムがどのような挙動を示すか模擬して、その結果をトレンド画面44に表示させる。
【0074】
システムの挙動についての模擬結果は、レジスタに記憶されるので、設定値変更対象機器4の設定値を変更したことにより他の機器がどのような挙動を示すかについて知りたいときには、ロジックモニタ画面41で、その機器を選択する。
【0075】
これにより、選択された機器が監視信号設定画面46と線で結ばれ、レジスタ番号欄及びカーソル箇所欄に該当するデータが表示され、トレンド画面44に挙動がグラフ表示される。
【0076】
従って、当該ステップ量で設定値を変更(前設定値にステップ量を加算した値)した場合のシステムの挙動をグラフで監視できるので、変更値の適否が視覚的に監視でき、前設定値に戻すことを含め、設定が容易に行えるようになる。
【0077】
このようにしてステップ量が所望する値であることを確認すると、ステップ変更実行ボタン52を選択して、実際に設定値の変更を行う。
【0078】
なお、上記説明では、チューニング機能5とステップ応答機能6とを備える場合について説明したが、必ずしもこれらを同時に備える必要は無く、必要に応じてどちらか一方の機能のみを備える保守装置2であってもよい。
【0079】
また、上記説明では、かかる保守装置は制御装置とべったいで有ることを前提に説明したが、当該制御装置に組込まれた構成とすることも可能である。
【0080】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、設定値を変更する際にキーボード等から直接入力する事がないので誤入力が防止できると共に、偏光状態がモニタすることができるので例え誤入力状態が発生しても直ちに修正等が可能になり制御の信頼性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる保守装置による設定値変更を行う際の概略構成図である。
【図2】チューニング機能の構成を示す図である。
【図3】ステップ応答機能の構成を示す図である。
【図4】チューニング設定画面の構成を示す図である。
【図5】ステップ設定画面の構成を示す図である。
【図6】従来の技術の説明に適用される保守装置による設定値変更を行う際の概略構成図である。
【図7】従来の保守装置におけるロジック図画面の構成を示す図である。
【符号の説明】
2 保守装置
3 制御装置
4 設定値変更対象機器
5 チューニング機能
6 ステップ応答機能
10 設定値信号出力手段
11 トラッキング手段
12 チューニング操作手段
13 変化率制限手段
14 チューニング上下限制限手段
15 チューニング機能画面表示手段
16 シミュレーション手段
20 ステップ操作手段
21 ステップ上下限値制限手段
22 ステップ実行手段
23 模擬手段
24 ステップ応答機能画面表示手段
27 チューニング機能選択ボタン
28 ステップ応答機能選択ボタン
30 チューニング設定画面
32 チューニング画面
34 変更状態モニタ画面
35 前設定値画面
36 チューニング箇所表示画面
37 チューニング増減ボタン
38 現在値画面
40 ステップ設定画面
43 設定変更対象
44 トレンド画面
46 監視信号設定画面
47 ステップ量設定画面
48 ステップ量増減ボタン
49 ステップ変更レジスタ設定画面
50 ステップ量確定ボタン
51 変更時挙動予測ボタン
52 ステップ変更実行ボタン
52 ステップ実行手段

Claims (6)

  1. 制御装置が当該制御装置に設定された設定値に基づきプラント等のシステムを構成する機器を制御する際の、該設定値を設定変更する設定値変更方法において、
    画面入力により値を増減して新設定値を指定すると共に、前記システムに急激な変動を与えないように、現在の設定値から新たな設定値まで滑らかに値を変化させて変更するようにしたことを特徴とする制御装置の設定値変更方法。
  2. 制御装置が当該制御装置に設定された設定値に基づきプラント等のシステムを構成する機器を制御する際の、該設定値を設定変更する設定値変更方法において、
    現在の設定値に対する増減量をステップ量とし、画面入力により該ステップ量を増減して指定すると共に、現在の設定値を当該ステップ量だけ増減させた際の前記システムの挙動を模擬し、該挙動が当該システムで許容される範囲内である場合に現在の設定値を前記ステップ量だけ増減した新設定値に変更するようにしたことを特徴とする制御装置の設定値変更方法。
  3. 制御装置が当該制御装置に設定された設定値に基づきプラント等のシステムを構成する機器を制御する際の、該設定値を設定変更する保守装置において、
    設定値の変更を行う機器を含む系統のロジック図を表示するロジック図画面、該ロジック図画面で設定値変更する機器を指定すると、当該機器と線で結ばれて設定値変更対象機器であることを明示すると共に、チューニング操作手段により値を増減して設定値変更中の値を示す現在値画面、
    設定値の変更前の値を表示する前設定値画面、及び、
    前記制御装置の設定値を新設定値に変更する過程をグラフ表示する変更状態モニタ画面の各画面を表示させるチューニング機能画面表示手段と、
    前記システムに急激な変動を与えないように、現在の設定値から新設定値まで滑らかに変化させて変更すべく、その変化率を演算し、また該変化率で設定値を滑らかに変更したときに、前記システムで許容される範囲内での変更になるように新設定値の上限値又は下限値を演算して、前記変化率で変化し、上限値又は下限値が制限された設定値信号を出力する設定値信号出力手段と、
    該設定値信号出力手段からの制御信号を前記制御装置に出力する際に、当該設定値信号により設定値と変更開始時における当該制御装置に設定されている設定値との差が、予め設定された許容範囲より小さくなるまで該制御装置への出力を制限するトラッキング手段とを設けたことを特徴とする保守装置。
  4. 制御装置が当該制御装置に設定された設定値に基づきプラント等のシステムを構成する機器を制御する際の、該設定値を設定変更する保守装置において、
    設定値の変更を行う機器を含む系統のロジック図を表示するロジック図画面、該ロジック図画面で設定値変更する機器が指定されると、当該機器と線で結ばれて該機器の設定値が変更対象であることを明示すると共に、ステップ量操作手段により値を増減させて該設定値変更対象機器を制御するための新たな設定値にステップ変更する際のステップ量が指定できるようにするステップ量設定画面、前記ステップ量で設定値を変更させた際の前記システムの挙動を模擬して表示する挙動モニタ画面、及び、該挙動モニタ画面上のカーソル点の値を表示させるポイントデータ表示画面の各画面を表示させるステップ応答機能画面表示手段と、
    前記ステップ量で設定値を変更した際に、前記システムで許容される範囲内での変更になるように、当該ステップ量の上限値又は下限値を演算して制限するステップ上下限値制限手段と、
    前記ステップ量で前記制御装置の設定値を変更した際に、前記システムの挙動を模擬する模擬手段とを設けたことを特徴とする保守装置。
  5. 制御装置が当該制御装置に設定された設定値に基づきプラント等のシステムを構成する機器を制御する際の、該設定値を設定変更する設定値変更用保守装置において、
    設定値の変更を行う機器を含む系統のロジック図を表示するロジック図画面、該ロジック図画面で設定値変更する機器を指定すると、当該機器と線で結ばれて設定値変更対象機器であることを明示すると共に、チューニング操作手段により値を増減して設定値変更中の値を示す現在値画面、
    前記制御装置の設定値を新設定値に変更する過程をモニタ表示する変更状態モニタ画面、前記設定値変更対象機器と線で結ばれて当該機器の制御値が変更対象であることを明示すると共に、ステップ量操作手段により値を増減させて該設定値変更対象機器の新たな設定値をステップ変更する際のステップ量が指定できるようにするステップ量設定画面、前記ステップ量で設定値を変更した際の前記システムの挙動を模擬して表示する挙動モニタ画面、及び、該挙動モニタ画面上のカーソル点の値を表示させるポイントデータ表示画面の各画面を表示させる機能画面表示手段と、
    前記システムに急激な変動を与えないように、現在の設定値から新設定値まで滑らかに変化させて変更すべく、その変化率を演算し、また該変化率で設定値を滑らかに変更したときに、前記システムで許容される範囲内での変更になるように新設定値の上限値又は下限値を演算して、前記変化率で変化し、上限値又は下限値が制限された設定値信号を出力する設定値信号出力手段と、
    該設定値信号出力手段からの制御信号を前記制御装置に出力する際に、当該設定値信号により設定値と変更開始時における当該制御装置に設定されている設定値との差が、予め設定された許容範囲より小さくなるまで該制御装置への出力を制限するトラッキング手段と、
    前記ステップ量で設定値を変更した際に、前記システムで許容される範囲内での変更になるように、当該ステップ量の上限値又は下限値を演算して制限するステップ上下限値制限手段と、
    前記ステップ量で前記制御装置の設定値を変更した際に、前記システムの挙動を模擬する模擬手段とを設けたことを特徴とする保守装置。
  6. 前記ステップ量で設定値変更対象機器の設定値をステップ変更した際に、前記ロジック図画面の中の任意の機器を指定することにより、当該機器の挙動が前記挙動モニタ画面に表示されると共に、該挙動モニタ画面上のカーソル点の値がポイントデータ表示画面に表示されるようにしたことを特徴とする請求項4又は5記載の保守装置。
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