JP2004077708A - 光減衰器 - Google Patents

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Hitoshi Hara
原 仁
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岸 直輝
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Abstract

【課題】安価かつ高速動作可能で、通信波長帯域における減衰特性の波長依存性が小さい光減衰器を実現すること。
【解決手段】入力用光ファイバに入力した入力光を減衰させて出力用光ファイバから出力光として出力する光減衰器において、固定鏡と、固定鏡との間にギャップを形成した状態で固定鏡に対向配置される可動鏡とを有し、可動鏡を固定鏡に対して変位させることによりギャップの長さを可変とし、入力される入力光の反射光をギャップの長さに対応して減衰させた出力光として出力するファブリペローフィルタと、入力用光ファイバ及び出力用光ファイバに近接して設けられ、入力用光ファイバからの入力光を集光してファブリペローフィルタに入力すると共に、反射光を集光して出力用光ファイバに入力させるグリンレンズ、とを具備することを特徴とする光減衰器。
【選択図】   図7

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光通信システムに組込まれるDWDM(高密度波長分割多重方式)システム、EDFA光増幅器(エルビウム添加ファイバアンプ)、光計測装置等の光信号強度の調整に使用される光減衰器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図9〜図12は、従来の光減衰器の構成概略図である。
図9に示す光減衰器は、機械的に減衰効果を得るものであり、光ファイバ40から入射した光をコリメータ41で集光し、減衰率に波長依存性がほとんどないNDフィルタ42を図示しないステッピングモータ等で機械的に駆動して任意の強度に減衰させ、コリメータ43を介して光ファイバ44に出射する。
【0003】
NDフィルタ42は、板上に光の透過率が異なるフィルタを形成したもので、板上に連続的な減衰量(例えば0〜15dB)が得られるように透過率が連続的に異なるフィルタを形成した場合、板の位置に応じて任意の減衰量を選択することができる可変光減衰器を構成することができる。
【0004】
また、複数の固定減衰量(例えば5dB、10dB、15dB)が得られるよ.うに板上の複数箇所に透過率が異なるフィルタを形成してNDフィルタ42を構成した場合、板の位置に応じて任意の固定減衰量を得る固定光減衰器を構成することができる。
【0005】
図10に示す光減衰器は、熱光学的に減衰効果を得る可変光減衰器であり、温度によって屈折率が変化する光学結晶からなる基板45に2つの光導波路46a,46bを設けてマッハ・ツェンダー干渉計構造とし、一方の光導波路46aを制御電極47によって加熱し、光路差を得る。
光ファイバ40から入射した光は光導波路46a,46bを介して光ファイバ44に出射され、この出力光は温度差によって発生する光路差に依存して減衰される。
【0006】
図11に示す光減衰器は、通電することによって屈折率が変化する電気光学素子を使用して光の減衰効果を得る可変光減衰器である。
48はLiNbO2等の電気光学素子であり、光ファイバ40から入射しコリメータ41で集光された光は、電気光学素子48を介して任意の光強度に減衰されてコリメータ43を介して光ファイバ44に出射される。
【0007】
図12に示す光減衰器は、電磁石等によって磁界が印加されることによって屈折率が変化する磁気光学素子を使用して光の減衰効果を得る可変光減衰器である。
49は磁性ガーネット等の磁気光学素子、40は電磁石、51は永久磁石、52はくさび型複屈折結晶であり、光ファイバ40から入射しコリメータ41で集光された光は、磁気光学素子49を介して任意の光強度に減衰されてコリメータ43を介して光ファイバ44に出射される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このような光減衰器においては次のような問題点があった。
(1) NDフィルタを機械的に駆動する可変光減衰器においては、減衰量が安定するまでの時間が長くなる(例えば10dBに安定するまでに数100msec)。また、モータを駆動させる電流にサージが乗った場合、フィルタの動作がノイズの影響を受ける場合がある。
(2) NDフィルタを使用する固定光減衰器においては、減衰量が例えば5dB、10dB、15dBのように飛び数のため、減衰量の設定の自由度が低い。
(3) 熱光学的に減衰効果を得る可変光減衰器においては、光ファイバと基板との接合による損失が大きい。(例えば2dB以上)また、電流をオフにすると初期状態に戻り、減衰効果を得ることができない。
(4) 電気光学的及び磁気光学的に減衰効果を得る可変光減衰器においては、使用される光学素子が高価である。
また、電流をオフにすると初期状態に戻り、減衰効果を得ることができない。また、磁気光学的に減衰効果を得る可変光減衰器においては、部品点数が多く結合損失が大きい。
【0009】
本発明は上述した問題点を解決するためになされたものであり、モーターなどの駆動部や高価な光学結晶を使用することなく安価かつ高速動作可能で、初期状態においても所望の減衰量を得ることができる光減衰器を実現することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1においては、入力用光ファイバに入力した入力光を減衰させて出力用光ファイバから出力光として出力する光減衰器において、固定鏡と、前記固定鏡との間にギャップを形成した状態で前記固定鏡に対向配置される可動鏡とを有し、前記可動鏡を前記固定鏡に対して変位させることにより前記ギャップの長さを可変とし、入力される前記入力光の反射光を前記ギャップの長さに対応して減衰させた出力光として出力するファブリペローフィルタと、前記入力用光ファイバ及び前記出力用光ファイバに近接して設けられ、前記入力用光ファイバからの入力光を集光して前記ファブリペローフィルタに入力すると共に、前記反射光を集光して前記出力用光ファイバに入力させるグリンレンズ、とを具備することを特徴とする光減衰器である。
【0011】
本発明の請求項2においては、請求項1記載の光減衰器において、前記ファブリペローフィルタを透過した光を検出するモニター用の光検出器と、前記ファブリペローフィルタと前記光検出器を収納すると共に、前記グリンレンズが固定される収納容器、とを設けたことを特徴とする光減衰器である。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明による光減衰器は、2つの中間層(初期ギャップ)を有するDHW(Double Half Wave System)型のファブリぺローフィルタの波長選択特性を利用して減衰効果を得るものである。
【0013】
図1は本発明の光減衰器に使用されるDHW型のファブリペローフィルタの構成概略図である。
図1において、ファブリペローフィルタは、第一固定鏡としての第一シリコン基板1と、第一シリコン基板1に中間層としての第一ギャップg1を隔てて一方の面が対向配置される例えば単層のポリシリコンからなる可動鏡2と、この可動鏡2の他方の面に中間層としての第二ギャップg2を隔てて対向配置される第二固定鏡としての第二シリコン基板3と、第一シリコン基板1の可動鏡2に対向しない面に形成される例えば単層の酸化シリコン膜からなる第一反射防止手段としての第一反射防止膜4と、第二シリコン基板3の可動鏡2に対向しない面に形成される例えば単層の酸化シリコン膜からなる第二反射防止手段としての第二反射防止膜5、とから構成されている。
【0014】
この場合、第一シリコン基板1と第二シリコン基板3は、使用する光の波長と干渉を起こさない十分な基板厚さを有するか、または干渉を起こさない斜め研磨加工されている。
また、第一シリコン基板1、第二シリコン基板3、ポリシリコンの可動鏡2は例えば通信波長帯域であるC−band(波長1.53μm〜1.56μm)内で吸収が少ない高屈折率の材料で構成することも可能である。
【0015】
そして、各層の光学膜厚ndは、次のような関係を満たす。
(1)第一ギャップg1及び第二ギャップg2の光学膜厚(λ/2中間層)
nd=mλ/2 (n:屈折率、d:膜厚、m=1,2,3,……)
(2)可動鏡2の光学膜厚(λ/4層)
nd=(2m−1)λ/4 (n:屈折率、d:膜厚、m=1,2,3,……)
(3)第一反射防止膜4及び第二反射防止膜5の光学膜厚(λ/4層)
nd=λ/4(n:屈折率、d:膜厚)
【0016】
そして、ファブリペローフィルタは、第一シリコン基板1または第二シリコン基板3に光を入力させ、可動鏡2を第一シリコン基板1または第二シリコン基板3の方向に変位させることにより第一ギャップg1と第二ギャップg2の大きさを変化させ(和一定)、その両者の大きさの差に対応した任意所望の強度に入力光を減衰して出力光として出力する。
【0017】
ところで、ファブリペローフィルタに入射する入射光の光量は、第一シリコン基板1の透過光の光量と第二シリコン基板3の反射光の光量の和に等しくなる。従って、第一シリコン基板1の透過光と第二シリコン基板13の反射光のどちらもファブリペローフィルタの出力光とすることが可能であるが、以後、入力光の反射光を出力光とした場合を説明する。
【0018】
次に、ファブリペローフィルタのより具体的な実施例について説明する。
図2は、本発明に使用されるファブリペローフィルタの一実施例の断面図である。
図2において、10は第一固定鏡としての第一シリコン基板(第一半導体基板)、11は第一シリコン基板10上に形成され厚さが第一ギャップg1に相当する犠牲層、12は犠牲層11上に形成される例えばポリシリコンの単層からなる可動鏡、13は第二固定鏡としての第二シリコン基板(第二半導体基板)、14は第二シリコン基板13上に形成され厚さが第二ギャップg2に相当するスペーサ、15は第一シリコン基板10の可動鏡12と対向しない面に形成される例えば単層の酸化シリコン膜からなる第一反射防止手段としての第一反射防止膜、16は第二シリコン基板13の可動鏡12と対向しない面に形成される例えば単層の酸化シリコン膜からなる第二反射防止手段としての第二反射防止膜である。
【0019】
そして、可動鏡12は、犠牲層11を選択的に除去することにより第一シリコン基板10との間に第一ギャップg1を形成した状態で、図3(a)に示すようなダイアフラム状または図3(b)に示すような両端支持梁状に形成される。
【0020】
そして、第一シリコン基板10の可動鏡12と対向する面には、高濃度の不純物がドーピングされて導電性を持つ固定電極(図示しない)が形成され、同様に可動鏡12の第一シリコン基板10に対向する面には高濃度の不純物がドーピングされて導電性を持つ可動電極(図示しない)が形成されている。
【0021】
そして、第二シリコン基板13の一方の面上には、膜厚が第二ギャップg2の大きさに対応するスペーサ14が形成されており、ファブリペローフィルタは、第一シリコン基板上10に形成された可動鏡12と、第二シリコン基板13の一方の面上に形成されたスペーサ14を接合することにより、2つの中間層(第一ギャップg1及び第二ギャップg2)を有するDHW型として形成される。
尚、固定電極を第二シリコン基板13の可動鏡12と対向する面に形成し、可動電極を可動鏡12の第二シリコン基板13に対向する面に形成しても良い。
【0022】
図4は、本発明に使用されるファブリペローフィルタのその他の実施例の断面図である。
尚、図2と重複する部分は同一番号を付してその説明は適宜に省略する。
図4において、17は可動鏡12上に積層され厚さが第二ギャップg2に相当する犠牲層、18は犠牲層上に形成される第二固定鏡としての例えば単層のシリコンからなるシェルである。
【0023】
そして、可動鏡12は、犠牲層11,17を選択的に除去することにより第一シリコン基板10との間に第一ギャップg1を形成し、シェル18との間に第二ギャップg2を形成した状態で、例えば図3(a)に示すようなダイアフラム状または図3(b)に示すような両端支持梁状に形成される。
【0024】
そして、第一シリコン基板10の可動鏡12と対向する面には、高濃度の不純物がドーピングされて導電性を持つ固定電極(図示しない)が形成され、同様に可動鏡12の第一シリコン基板10に対向する面には高濃度の不純物がドーピングされて導電性を持つ可動電極(図示しない)が形成されている。
尚、固定電極をシェル18の可動鏡12と対向する面に形成し、可動電極を可動鏡12のシェル18に対向する面に形成しても良い。
【0025】
図2に示したファブリペローフィルタが2つのシリコン基板を貼り合わせて作成されるのに対して、図4に示したファブリペローフィルタは、一つのシリコン基板上に膜を積層して作成される。(図2における第二シリコン基板13が図4におけるシェル18に置換される。)
従って、基板の貼り合わせ工程がないため、製造工程を簡略化することができる。
【0026】
次に、本発明に使用されるファブリペローフィルタの光減衰動作について、図2に示したファブリペローフィルタを例にとり、第二シリコン基板13に光が入射し、第一シリコン基板10から反射した光が出力光として出力された場合について説明する。
【0027】
図2において、固定電極と可動電極の間に駆動電圧Vを印加すると、可動鏡12は固定電極と可動電極との間に働く静電力により固定電極の方向にたわんで第一ギャップg1が小さくなり、一方第二ギャップg2は逆に大きくなる。
この場合、第一ギャップg1と第二ギャップg2の大きさの和は一定を保っている。(第一ギャップg1+第二ギャップg2=一定)
【0028】
そして、DHW型のファブリペローフィルタの構成は、基板/(λ/2中間層)(λ/4層)(λ/2中間層)/基板であり、中間層の厚さが等しい場合(第一ギャップg1及び第二ギャップg2の大きさが等しい場合)に、フィルタの中心波長の反射光の反射率が最小となり、即ち光減衰が大きくなり、中間層の厚さの差が大きくなるにしたがって(第一ギャップg1及び第二ギャップg2の大きさの差が大きくなるにしたがって)反射率が大きくなり減衰が小さくなるような光学特性を示す。
【0029】
従って、可動鏡12を静電駆動する場合、駆動電圧Vが0の時は減衰が大きく(反射率最小)、駆動電圧Vが大きくなるに従って減衰が小さくなる(反射率が大きくなる)ので、駆動電圧Vを制御することによって入力光を所望の強度に減衰して出力することができる。
【0030】
ところで、多層膜で干渉鏡を作製すると、層数が少なくなるほどフィネスが低下してファブリペローフィルタの波長選択特性がブロード(分光特性の山がなだらか)となる。
従って、干渉鏡を単層で構成した場合に最もフィネスが小さく、波長特性をブロードにすることができる。
上述の実施例の場合、可動鏡12をポリシリコンの単層、第一反射防止膜15及び第二反射防止膜16を単層の酸化シリコン膜で構成しているため、通信波長帯のC−bandである1530〜1565nmで波長依存性がないフラットトップな分光特性を得ることができる。
【0031】
また、λ/4層(可動鏡12)の層数が少ない場合(上述の場合は単層)、以下の関係が成り立つ。
干渉条件を満たす時(g1=g2)の反射光量<干渉条件を満たさない時(g1≠g2)の透過光量
即ち、反射光を出力光とした反射型光減衰器と、透過光を出力光とした透過型光減衰器とを比較すると、反射型の最大減衰率>透過型の最大減衰率、という関係が成り立ち、透過型よりも反射型の光減衰可変範囲を広くすることができる。
【0032】
次に、通信波長帯域1530nm〜1565nmのC−bandで使用される場合を想定し、中心波長λを帯域中心である1547.5nmとしてDHW型のファブリペローフィルタを設計した場合の可動鏡12、第一ギャップg1の初期ギャップ、第二ギャップg2の初期ギャップの光学膜厚の組み合わせの例を以下に示す。
【0033】
組合わせA.
可動鏡光学膜厚:λ/4 n=3.3,d=117.24nm
第一ギャップ光学膜厚:2λ/2  n=1.0, 1547.50nm
第二ギャップ光学膜厚:2λ/2  n=1.0, 1547.50nm
組合わせB.
可動鏡光学膜厚:λ/4 n=3.3,d=117.24nm
第一ギャップ光学膜厚:3λ/2  n=1.0, 2321.25nm
第二ギャップ光学膜厚:3λ/2  n=1.0, 2321.25nm
組合わせC.
可動鏡光学膜厚:λ/4 n=3.3,d=117.24nm
第一ギャップ光学膜厚:4λ/2  n=1.0, 3095.00nm
第二ギャップ光学膜厚:4λ/2  n=1.0, 3095.00nm
【0034】
上記の組合わせA,B,Cによる光減衰器(ファブリペローフィルタ)は同一の減衰特性を持つので、組合わせA(設計波長=1547.50nm)で作成されたファブリペローフィルタについて光学シミュレーションを行い、得られた特性を図5及び図6に示す。
尚、シミュレーションに用いた材料特性値は以下の通りである。
第一,第二ギャップ:空気(n=1.00,d=1547.5nm)
・可動鏡:ポリシリコン(n=3.30,d=117.24nm)
・第一,第二反射防止膜:酸化シリコン(n=1.38,d=280.34nm)
・第一,第二シリコン基板:シリコン(n=3.46,d=0.525mm)
【0035】
図5は、光減衰器(ファブリペローフィルタ)の分光反射特性図である。
図5において、駆動電圧を徐々に大きくして第一ギャップの大きさをa(初期ギャップ)→b→c→d→e→f→gと順次小さくした場合、反射率が徐々に大きくなる(減衰率が低下する)様子が示されている。
また、使用するC−band帯域の全域において、それぞれのギャップの大きさで、波長依存性の小さい(フラットな)反射率(減衰率)となることが示されている。
【0036】
これは、ファブリペローフィルタを2つのギャップを持ち一つのギャップが大きくなると他のギャップが小さくなるDHW型としたので、2つのピーク(反射率が最小となる点)の中間部に反射率がフラットとなる領域を持ち、ギャップ変動とともに2つのピークが離れて行く、という特性を利用して所定の波長帯域(例えばC−band)内でほぼフラットな(波長依存性の小さい)反射特性(減衰特性)を持つようにしたものである。
【0037】
また、上述のように、可動鏡12をポリシリコンの単層、第一反射防止膜15及び第二反射防止膜16を単層の酸化シリコン膜で構成しているため、通信波長帯のC−band内で波長依存性がないフラットトップな分光特性を得ることができる。
【0038】
図6は、C−band領域内における光減衰器(ファブリペローフィルタ)の光減衰特性図であり、図5におけるC−band領域内の反射特性を減衰特性に置き換えたものである。
図6において、駆動電圧を徐々に大きくして第一ギャップg1の大きさをa(初期ギャップ)→b→c→d→eと順次小さくした場合、減衰量が徐々に減少する様子が示されている。(減衰レンジ:1db〜20db)
この場合、上述のファブリペローフィルタを透過型光減衰器として使用した場合の減衰レンジが1db〜15dbよりも、反射型光減衰器の減衰レンジは広くなる。
【0039】
また、一つのギャップにおける減衰量は一定ではないので、最小減衰量、最大減衰量、平均減衰量をそれぞれプロットしているが、これらはほぼ重なっており、ファブリペローフィルタの減衰特性がC−band領域内において、波長依存性が小さく、ほぼフラットな減衰特性を持つことが示されている。
【0040】
また、上述のシミュレーション結果は、第一ギャップg1及び第二ギャップg2の初期ギャップの大きさ(犠牲層11及びスペーサ14の厚さ)が1547.5nmの場合を示したが、この初期ギャップの大きさ(犠牲層犠牲層11及びスペーサ14の厚さ)を任意に設定することにより、ファブリペローフィルタの減衰レンジが所望の減衰レンジとなるように設計することができる。
即ち、静電駆動電圧を印加していない初期状態においても所望の減衰量で入射光を減衰させるファブリペローフィルタを設計することができる。
【0041】
尚、上述のようなファブリペローフィルタは、例えばシリコン基板を使用して既知の半導体製造技術によって製造されるので、基板上に複数のファブリペローフィルタを安価に複数個集積して作成することができる。
【0042】
また、上述のようなファブリペローフィルタを一つのモジュールに複数個まとめて設け、それぞれのファブリペローフィルタに異なる波長の光を入力させるようにすることにより、複数の波長に対応した多チャンネルの光減衰器を構成することができる。
【0043】
次に上述のようなファブリペローフィルタの光減衰器としての使用例について説明する。
図7(a),(b)は、透過光の光量をモニターする反射型光減衰器の一例の構成図であり、図7(a)は断面図、図7(b)はその分解斜視図である。
図7(a),(b)において、21はヘッダーであり、その上面には光量をモニターするための光検出器22が固定されている。
【0044】
23はファブリペローフィルタであり、光検出器22の上部に固定されている。
24は収納容器としてプライマリキャップであり、ヘッダー21に上部から固定されて光検出器22とファブリペローフィルタ23を収納する。
そして、25はグリンレンズであり、プライマリキャップ24のファブリペローフィルタ23と対抗する面に設けられ、このグリンレンズ25は外部からの入力光を集光してファブリペローフィルタ23に入力すると共に、ファブリペローフィルタ23からの反射光を集光して外部に出力する。
【0045】
26はグリンレンズ25に対して位置決めされてグリンレンズ25を覆うセカンダリキャップ、27は入力光が入力される入力用光ファイバ、28はファブリペローフィルタからの反射光が出力光として入力される出力用光ファイバである。
【0046】
29は、入力用光ファイバ27及び出力用光ファイバ28を位置決め固定するキャピラリであり、キャピラリ29はセカンダリキャップ26の内部に収納され、入力用光ファイバ27及び出力用光ファイバ28はグリンレンズ25に対して互いに異なる位置に位置決めされてその端面が近接されている。
【0047】
図8はグリンレンズの動作を説明するための、グリンレンズと入力用光ファイバ及び出力用光ファイバの断面図である。
グリンレンズ25の内部には2つの集光手段(導光路)が形成されており、入力用光ファイバ27からの光はグリンレンズ25の内部で広がり平行光となってグリンレンズ25より出力され、ファブリペローフィルタ(図示しない)に入力される。
そして、ファブリペローフィルタからの反射光は再びグリンレンズ25の内部に入力されて入力された位置とは異なる出力用光ファイバ28が近接する位置に集光されて出力用光ファイバ28に入力される。
【0048】
そして、図7において、ファブリペローフィルタ23を透過した光は光検出器22によって検出される。
この場合、光量をモニターしながらファブリペローフィルタ23のギャップを調整することにより、透過光量を最適化することができる。
【0049】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、静電駆動されるファブリペローフィルタを光減衰器として使用したので、モーターなどの駆動部を使用する必要はなく、安定で高速動作可能な光減衰器を実現することができる。
また、駆動電圧を制御することにより任意の減衰量を得ることができる。
【0050】
また、本発明によれば、ファブリペローフィルタをDHW型とし、可動鏡及び反射防止膜を単層で構成したので、所望の波長帯域で減衰特性の波長依存性が小さく、フラットな分光特性を有する光減衰器を実現することができる。
【0051】
また、本発明によれば、光減衰器の出力光をファブリペロフィルタの反射光とした反射型光減衰器を構成したので、透過光を出力光とした透過型光減衰器とを比較すると、反射型の最大減衰率>透過型の最大減衰率、という関係が成り立ち、透過型よりも光減衰可変範囲の広い光減衰器を実現することができる。
【0052】
また、本発明によれば、ファブリペローフィルタはシリコン基板を使用して既知の半導体製造技術により一つの基板に複数個集積させて製造することができるので、高価な光学結晶を使用せず、安価な光減衰器を実現することができる。
【0053】
また、本発明によれば、ファブリペローフィルタの静電駆動電圧がゼロの初期状態においても所望の減衰量を得ることができ、ファブリペローフィルタの初期ギャップを任意に設定することにより、減衰レンジを任意に設定することができる。
【0054】
また、本発明によれば、ファブリペローフィルタを一つのモジュールに複数個まとめて設け、それぞれのファブリペローフィルタに異なる波長の光を入力させることにより、複数の波長に対応した多チャンネルの光減衰器を実現することができる。
【0055】
また、本発明によれば、ファブリペローフィルタに入射する光の入射角を変化させる手段を設けたので、初期ギャップが目標値よりも大きくなった場合でも入射角を変化させることにより特性のずれを補正し、所望の特性を得ることができる。
【0056】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による光減衰器に使用されるDHW型のファブリペローフィルタの構成概略図である。
【図2】本発明に使用されるファブリペローフィルタの一実施例の断面図である。
【図3】ファブリペローフィルタの可動鏡の構成を示す断面図である。
【図4】本発明に使用されるファブリペローフィルタの他の実施例の断面図である。
【図5】光減衰器(ファブリペローフィルタ)の波長反射特性図である。
【図6】光減衰器(ファブリペローフィルタ)の光減衰特性図である。
【図7】反射型光減衰器の使用例を示す図である。
【図8】グリンレンズと入力用光ファイバ及び出力用光ファイバの断面図である。
【図9】従来の光減衰器の構成概略図である。
【図10】従来の光減衰器の構成概略図である。
【図11】従来の光減衰器の構成概略図である。
【図12】従来の光減衰器の構成概略図である。
【符号の説明】
1 第一シリコン基板
2 可動鏡
3 第二シリコン基板
4 第一反射防止膜
5 第二反射防止膜
10 第一シリコン基板
11 犠牲層
12 可動鏡
13 第二シリコン基板
14 スペーサ
15 第一反射防止膜
16 第二反射防止膜
17 犠牲層
18 シェル
21 ヘッダー
22 光検出器
23 ファブリペローフィルタ
24 プライマリキャップ
25 グリンレンズ
27 入力用光ファイバ
28 出力用光ファイバ
32 回転台
33 調整ネジ

Claims (2)

  1. 入力用光ファイバに入力した入力光を減衰させて出力用光ファイバから出力光として出力する光減衰器において、
    固定鏡と、前記固定鏡との間にギャップを形成した状態で前記固定鏡に対向配置される可動鏡とを有し、前記可動鏡を前記固定鏡に対して変位させることにより前記ギャップの長さを可変とし、入力される前記入力光の反射光を前記ギャップの長さに対応して減衰させた出力光として出力するファブリペローフィルタと、
    前記入力用光ファイバ及び前記出力用光ファイバに近接して設けられ、前記入力用光ファイバからの入力光を集光して前記ファブリペローフィルタに入力すると共に、前記反射光を集光して前記出力用光ファイバに入力させるグリンレンズ、とを具備することを特徴とする光減衰器。
  2. 請求項1記載の光減衰器において、
    前記ファブリペローフィルタを透過した光を検出するモニター用の光検出器と、
    前記ファブリペローフィルタと前記光検出器を収納すると共に、前記グリンレンズが固定される収納容器、とを設けたことを特徴とする光減衰器。
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