JP2004205726A - ビームスプリッター - Google Patents

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JP2004205726A JP2002373587A JP2002373587A JP2004205726A JP 2004205726 A JP2004205726 A JP 2004205726A JP 2002373587 A JP2002373587 A JP 2002373587A JP 2002373587 A JP2002373587 A JP 2002373587A JP 2004205726 A JP2004205726 A JP 2004205726A
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Hitoshi Hara
仁 原
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Abstract

【課題】分割比可変のビームスプリッターを実現すること。
【解決手段】入力光を2分割して出力するビームスプリッターにおいて、
第一固定鏡と、この第一固定鏡に所定の第一ギャップを隔てて一方の面が対向配置される可動鏡と、この可動鏡の他方の面に所定の第二ギャップを隔てて対向配置される第二固定鏡と、前記第一固定鏡の前記可動鏡に対向しない面に形成される第一反射防止手段と、前記第二固定鏡の前記可動鏡に対向しない面に形成される第二反射防止手段、とを有し、前記可動鏡を前記第一固定鏡または前記第二固定鏡の方向に変位させることにより前記第一ギャップ及び前記第二ギャップの大きさを可変とし、前記第一固定鏡または前記第二固定鏡の一方に入力する入力光を反射光と他方からの透過光に前記第一ギャップ及び前記第二ギャップの大きさの差に対応した任意所望の分割比で2分割して出力光として出力するファブリペローフィルタを具備することを特徴とするビームスプリッター。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光通信装置や光計測装置等において使用され、光を2つに分割するビームスプリッターに関し、特にその分割比を可変できるビームスプリッター(Variable Beam Splitter)に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
光通信の分野では、伝送されている光パワーをモニタするため、ビームスプリッターによって光を2分割し、一方を光パワーモニタ用に使用し、他方を伝送用に使用するようにしている。また、光計測装置では、ビームスプリッターは、フィゾー干渉計など干渉計において参照用と測定用に光を分割する際に用いられる。また、光ファイバを用いた測定においては、ビームスプリッターと同じ働きをもつ光分割・結合器(スターカプラ)が使用されている。
【0003】
図7、図8は、従来のビームスプリッターの構成概略図である。
図7(a),(b)に示すビームスプリッターは、キューブビームスプリッターで、2つの直角プリズム30a,30bの斜面に半透膜31と反射防止膜32をそれぞれ形成し、斜面同士を接着剤33によって貼り合わせた構造である。
【0004】
そして、キューブビームスプリッターに入射した入射光Pinは、直角プリズム30a,30bの接着面で透過光と反射光に2分割され、それぞれ出射光Pout1,Pout2として出射される。
【0005】
この場合、接合されたプリズムにレーザー光などの干渉性のよい光をあてると、接合面部分のわずかな反射や使用していない面からの反射が干渉縞となりノイズとなる場合がある。この現象を除去するために反射防止膜32を形成したり、入射面または出射面が光軸に対して垂直とならないようにわずかに角度をつけることが行われている。
【0006】
図8に示すビームスプリッターは、平面ビームスプリッターであり、平行平面光学ガラス33の一方の面に半透過(部分反射)コーティングを施した第一面34、他方の面に減反射コーティングを施した第二面35を有する構造である。
同様の構造として、厚さ数ミクロンのニトロセルロース等の薄膜に半透過ミラーコーティングを施した薄膜ビームスプリッターがある。
【0007】
そして、図8において、平面ビームスプリッターの第一面34に入射した入射光Pinは、第一面34からの反射光と第二面の透過光に2分割され、出射光Pref.,Ptrans.として出射される。
【0008】
上述のビームスプリッターにおいて行われている半透過膜の形成及び半透過コーティングは、いずれも、反射率、適応波長範囲、偏光特性を考慮して金属薄膜、誘電体多層膜、あるいは両者を組み合わせたハイブリッドコーティングで形成される。このコーティングの反射/透過特性の違いにより、分割比を50/50,30/70、70/30などに自在に変化させることができるがその分割比は固定であって、可変ではない。
【0009】
【特許文献1】
特開平6−27306号公報
【特許文献2】
特開平7−84124号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
上述のような従来のビームスプリッターにおいては次のような問題点があった。
(1) キューブビームスプリッターにおいては、分割比が固定であり、同じ波長
領域でも、分割比が異なるのものを得るためには別の作製プロセスにより別のものを製作しなければならない。
また、2つのプリズムが張り合わされているため、高いエネルギーのレーザービームを使用すると破壊される場合がある。
(2)平面ビームスプリッターにおいては、分割比が固定であり、同じ波長領域でも、分割比が異なるのものを得るためには別の作製プロセスにより別のものを製作しなければならない。
【0011】
本発明は上述した問題点を解決するためになされたものであり、設計した波長領域で、分割比可変のビームスプリッターを実現することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1においては、入力光を2分割して出力するビームスプリッターにおいて、第一固定鏡と、この第一固定鏡に所定の第一ギャップを隔てて一方の面が対向配置される可動鏡と、この可動鏡の他方の面に所定の第二ギャップを隔てて対向配置される第二固定鏡と、前記第一固定鏡の前記可動鏡に対向しない面に形成される第一反射防止手段と、前記第二固定鏡の前記可動鏡に対向しない面に形成される第二反射防止手段、とを有し、前記可動鏡を前記第一固定鏡または前記第二固定鏡の方向に変位させることにより前記第一ギャップ及び前記第二ギャップの大きさを可変とし、前記第一固定鏡または前記第二固定鏡の一方に入力する入力光を反射光と他方からの透過光に前記第一ギャップ及び前記第二ギャップの大きさの差に対応した任意所望の分割比で2分割して出力光として出力するファブリペローフィルタを具備することを特徴とするビームスプリッターである。
【0013】
本発明の請求項2においては、請求項1記載のビームスプリッターにおいて、前記第一固定鏡は第一半導体基板であり、前記可動鏡は前記第一半導体基板上に厚さが前記第一ギャップに相当する犠牲層を介して形成され、前記犠牲層を除去することにより前記第一ギャップを形成した状態でダイアフラム状または両端支持梁状に形成され、前記第二固定鏡は第二半導体基板であり、前記第二ギャップの大きさに対応するスペーサを介して前記可動鏡に接合されてなることを特徴とするビームスプリッターである。
【0014】
本発明の請求項3においては、請求項1記載のビームスプリッターにおいて、前記第一固定鏡は第一半導体基板であり、前記可動鏡は前記第一半導体基板上に厚さが前記第一ギャップに相当する犠牲層を介して形成され、前記犠牲層を除去することにより前記第一ギャップを形成した状態でダイアフラム状または両端支持梁状に形成され、前記第二固定鏡は前記可動鏡上に厚さが前記第二ギャップに相当する犠牲層を介して形成され、前記犠牲層を除去することにより前記第二ギャップを形成した状態でダイアフラム状または両端支持梁状に形成されてなることを特徴とするビームスプリッターである。
【0015】
本発明の請求項4においては、請求項2または請求項3のいずれかに記載のビームスプリッターにおいて、前記第一固定鏡または前記第二固定鏡に形成される固定電極と、前記可動鏡に形成される可動電極とを設け、前記可動鏡は、前記固定電極と前記可動電極との間に電圧を印加することにより発生する静電力により駆動されることを特徴とするビームスプリッターである。
【0016】
本発明の請求項5においては、請求項1記載のビームスプリッターにおいて、前記ファブリペローフィルタへの入射光用と前記ファブリペローフィルタからの反射光用の光ファイバが固定された2芯ピグテールと、前記2芯ピグテールに固定され、前記入射光用の光ファイバからの入射光を前記ファブリペローフィルタに集光すると共に前記ブリペローフィルタからの反射光を前記反射光用の光ファイバに集光するレンズと、前記ファブリペローフィルタを透過する透過光用の光ファイバが固定される単芯ピグテールと、前記単芯ピグテールに固定され、前記ファブリペローフィルタからの透過光を前記透過用光ファイバに集光するレンズ、とを設けたことを特徴とするビームスプリッタである。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明によるビームスプリッターは、2つの中間層(初期ギャップ)を有するDHW(Double Half Wave System)型のファブリぺローフィルタの波長選択特性を利用して光分割効果を得るものである。
【0018】
図1は本発明のビームスプリッターに使用されるDHW型のファブリペローフィルタの構成概略図である。
図1において、ファブリペローフィルタは、第一固定鏡としての第一シリコン基板1と、第一シリコン基板1に中間層としての第一ギャップg1を隔てて一方の面が対向配置される例えば単層のポリシリコンからなる可動鏡2と、この可動鏡2の他方の面に中間層としての第二ギャップg2を隔てて対向配置される第二固定鏡としての第二シリコン基板3と、第一シリコン基板1の可動鏡2に対向しない面に形成される例えば単層の酸化シリコン膜からなる第一反射防止手段としての第一反射防止膜4と、第二シリコン基板3の可動鏡2に対向しない面に形成される例えば単層の酸化シリコン膜からなる第二反射防止手段としての第二反射防止膜5、とから構成されている。
【0019】
この場合、第一シリコン基板1と第二シリコン基板3は、使用する光の波長と干渉を起こさない十分な基板厚さを有している。
また、第一シリコン基板1、第二シリコン基板3、ポリシリコンの可動鏡2は例えば通信波長帯域であるC−band(波長1.53μm〜1.56μm)内で吸収が少ない高屈折率の材料で構成することも可能である。
【0020】
そして、各層の光学膜厚ndは、次のような関係を満たす。
(1)第一ギャップg1及び第二ギャップg2の光学膜厚(λ/2中間層)
nd=mλ/2 (n:屈折率、d:膜厚、m=1,2,3,……)
(2)可動鏡2の光学膜厚(λ/4層)
nd=(2m−1)λ/4
(n:屈折率、d:膜厚、m=1,2,3,……)
(3)第一反射防止膜4及び第二反射防止膜5の光学膜厚(λ/4層)
nd=λ/4(n:屈折率、d:膜厚)
【0021】
そして、ファブリペローフィルタは、第一シリコン基板1または第二シリコン基板3に光を入力させ、可動鏡2を第一シリコン基板1または第二シリコン基板3の方向に変位させることにより第一ギャップg1と第二ギャップg2の大きさを変化させ(和一定)、第一シリコン基板1または第二シリコン基板3の一方に入力する入力光を反射光と他方からの透過光に第一ギャップg1及び第二ギャップg2の大きさの差に対応した任意所望の分割比で2分割して出力光として出力する。
【0022】
次に、ファブリペローフィルタのより具体的な実施例について説明する。
図2は、本発明に使用されるファブリペローフィルタの一実施例の断面図である。
図2において、10は第一固定鏡としての第一シリコン基板(第一半導体基板)、11は第一シリコン基板10上に形成され厚さが第一ギャップg1に相当する犠牲層、12は犠牲層11上に形成される例えばポリシリコンの単層からなる可動鏡、13は第二固定鏡としての第二シリコン基板(第二半導体基板)、14は第二シリコン基板13上に形成され厚さが第二ギャップg2に相当するスペーサ、15は第一シリコン基板10の可動鏡12と対向しない面に形成される例えば単層の酸化シリコン膜からなる第一反射防止手段としての第一反射防止膜、16は第二シリコン基板13の可動鏡12と対向しない面に形成される例えば単層の酸化シリコン膜からなる第二反射防止手段としての第二反射防止膜である。
【0023】
そして、可動鏡12は、犠牲層11を選択的に除去することにより第一シリコン基板10との間に第一ギャップg1を形成した状態で、図3(a)に示すようなダイアフラム状または図3(b)に示すような両端支持梁状に形成される。
【0024】
そして、第一シリコン基板10の可動鏡12と対向する面には、高濃度の不純物がドーピングされて導電性を持つ固定電極(図示しない)が形成され、同様に可動鏡12の第一シリコン基板10に対向する面には高濃度の不純物がドーピングされて導電性を持つ可動電極(図示しない)が形成されている。
【0025】
そして、第二シリコン基板13の一方の面上には、膜厚が第二ギャップg2の大きさに対応するスペーサ14が形成されており、ファブリペローフィルタは、第一シリコン基板上10に形成された可動鏡12と、第二シリコン基板13の一方の面上に形成されたスペーサ14を接合することにより、2つの中間層(第一ギャップg1及び第二ギャップg2)を有するDHW型として形成される。
尚、固定電極を第二シリコン基板13の可動鏡12と対向する面に形成し、可動電極を可動鏡12の第二シリコン基板13に対向する面に形成しても良い。
【0026】
図4は、本発明に使用されるファブリペローフィルタのその他の実施例の断面図である。
尚、図2と重複する部分は同一番号を付してその説明は適宜に省略する。
図4において、17は可動鏡12上に積層され厚さが第二ギャップg2に相当する犠牲層、18は犠牲層上に形成される第二固定鏡としての例えば単層のシリコンからなるシェルである。
【0027】
そして、可動鏡12は、犠牲層11,17を選択的に除去することにより第一シリコン基板10との間に第一ギャップg1を形成し、シェル18との間に第二ギャップg2を形成した状態で、例えば図3(a)に示すようなダイアフラム状または図3(b)に示すような両端支持梁状に形成される。
【0028】
そして、第一シリコン基板10の可動鏡12と対向する面には、高濃度の不純物がドーピングされて導電性を持つ固定電極(図示しない)が形成され、同様に可動鏡12の第一シリコン基板10に対向する面には高濃度の不純物がドーピングされて導電性を持つ可動電極(図示しない)が形成されている。
尚、固定電極をシェル18の可動鏡12と対向する面に形成し、可動電極を可動鏡12のシェル18に対向する面に形成しても良い。
【0029】
図2に示したファブリペローフィルタが2つのシリコン基板を貼り合わせて作成されるのに対して、図4に示したファブリペローフィルタは、一つのシリコン基板上に膜を積層して作成される。(図2における第二シリコン基板13が図4におけるシェル18に置換される。)
従って、基板の貼り合わせ工程がないため、製造工程を簡略化することができる。
【0030】
次に、本発明に使用されるファブリペローフィルタの光分割動作について、図2に示したファブリペローフィルタを例にとり、第二シリコン基板13に光が入射し、第二シリコン基板13からの反射光と第一シリコン基板10を透過した光とに2分割されて出力光として出力された場合について説明する。
【0031】
図2において、固定電極と可動電極の間に駆動電圧Vを印加すると、可動鏡12は固定電極と可動電極との間に働く静電力により固定電極の方向にたわんで第一ギャップg1が小さくなり、一方第二ギャップg2は逆に大きくなる。
この場合、第一ギャップg1と第二ギャップg2の大きさの和は一定を保っている。(第一ギャップg1+第二ギャップg2=一定)
【0032】
そして、DHW型のファブリペローフィルタの構成は、基板/(λ/2中間層)(λ/4層)(λ/2中間層)/基板であり、中間層の厚さが等しい場合(第一ギャップg1及び第二ギャップg2の大きさが等しい場合)に、フィルタの中心波長の反射光が最小の反射率を示して反射光の減衰が大きくなり(透過光の減衰が小さくなる)、中間層の厚さの差が大きくなるにしたがって(第一ギャップg1及び第二ギャップg2の大きさの差が大きくなるにしたがって)反射率が大きくなりその減衰が小さくなる(透過光の減衰が大きくなる)ような光学特性を示す。
【0033】
従って、可動鏡12を静電駆動する場合、駆動電圧Vが0の時は反射率が最小で、駆動電圧Vが大きくなるに従って反射率が大きくなるので、駆動電圧Vを制御することによって、入力光を中間層の厚さに対応した任意所望の分割比で、反射光と透過光に2分割して出力光として出力することができる。
【0034】
図5は、例えば図2に示した分割比可変のファブリペローフィルタを分割素子として使用したビームスプリッターの一例の構成概略図である。
図5において、ビームスプリッタは、分割素子としてのファブリペローフィルタ20と、光ファイバ21a,21bがフェルールで固定された2芯ピグテール22、セルフォックレンズ23,24、光ファイバ25が固定された単芯ピグテール26、ベース27、キャップ28、とから構成されている。
【0035】
光ファイバ21aは入射光Pinをファブリペローフィルタ20に導き、光ファイバ21bはファブリペローフィルタ20からの反射光Pref.を取り出すもので、2芯ピグテール22はこの光ファイバ21a,21bをフェルールで固定したものである。
【0036】
そして、セルフォックレンズ23の一方の面に光ファイバ21a,21bの端面が対向するように2芯ピグテール22がセルフォックレンズ23に固定され、セルフォックレンズ23の他方の面がファブリペローフィルタ20の一方の面に対向配置されている。そしてセルフォックレンズ23は光ファイバ21aからの入射光Pinをファブリペローフィルタ20に集光し、ファブリペローフィルタ20からの反射光Pref.を光ファイバ21bに集光する。
【0037】
また、セルフォックレンズ24の一方の端面はファブリペローフィルタ20の他方の面に固定され、セルフォックレンズ24の他方の面に光ファイバ25の端面が対向するように単芯ピグテール26がセルフォックレンズ24に固定されている。そして、セルフォックレンズ24は、ファブリペローフィルタ20からの透過光Ptrans.を光ファイバ25に集光する。
【0038】
そして、ベース27にはファブリペローフィルタ20及びセルフォックレンズ24が固定され、キャップ28とベース27とが接着固定されることにより、キャップ28の内部にファブリペローフィルタ20が収容されている。
また、ベース27には外部からファブリペローフィルタ20に駆動電圧Vを供給するための配線が設けられている。
【0039】
このようなビームスプリッタにおいて、光ファイバ21aに入射した入射光Pinはセルフォックレンズ23を伝搬して、ファブリペローフィルタ20で反射・透過される。反射光.はセルフォックレンズ23から光ファイバ21bを伝搬して反射光Prefとなり、透過光は透過側にもうけられたセルフォックレンズ24から光ファイバ24を伝搬して透過光Ptrans.となる。
【0040】
次に、図6に示した可変ビームスプリッタを通信波長帯域1530nm〜1565nmのC−bandで使用する場合を想定し、中心波長λを帯域中心である1547.5nmとしてDHW型のファブリペローフィルタを設計した場合の可動鏡12、第一ギャップg1の初期ギャップ、第二ギャップg2の初期ギャップの光学膜厚の組み合わせの例を以下に示す。
【0041】
組合わせA.
可動鏡光学膜厚:λ/4 n=3.3,d=117.24nm
第一ギャップ光学膜厚:2λ/2 n=1.0, 1547.50nm
第二ギャップ光学膜厚:2λ/2 n=1.0, 1547.50nm
組合わせB.
可動鏡光学膜厚:λ/4 n=3.3,d=117.24nm
第一ギャップ光学膜厚:3λ/2 n=1.0, 2321.25nm
第二ギャップ光学膜厚:3λ/2 n=1.0, 2321.25nm
組合わせC.
可動鏡光学膜厚:λ/4 n=3.3,d=117.24nm
第一ギャップ光学膜厚:4λ/2 n=1.0, 3095.00nm
第二ギャップ光学膜厚:4λ/2 n=1.0, 3095.00nm
【0042】
上記の組合わせA,B,Cによって製作され可動鏡を駆動することにより分割比を変化させることができるビームスプリッター(ファブリペローフィルタ)は、同一の分割特性を持つので、組合わせA(設計波長=1547.50nm)で作成されたファブリペローフィルタについて光学シミュレーションを行い、得られた特性を図6に示す。
【0043】
尚、シミュレーションに用いた材料特性値は以下の通りである。
第一,第二ギャップ:空気(n=1.00,d=1547.5nm)
・可動鏡:ポリシリコン(n=3.30,d=117.24nm)
・第一,第二反射防止膜:酸化シリコン(n=1.38,d=280.34nm)
・第一,第二シリコン基板:シリコン(n=3.46,d=0.525mm)
【0044】
図6は、ビームスプリッター(ファブリペローフィルタ)のギャップ変位量、透過率及び反射率の特性(分割比特性)図である。
図6において、駆動電圧を徐々に大きくして第一ギャップの大きさが初期ギャップから徐々に小さくなる(ギャップ変移量が増加し中間層の厚さの差が大きくなる)に従って、反射率が増加し、透過率が徐々に低下する様子が示されている。
【0045】
そして、分割比は反射光量Prefと透過光量Ptransとの比であり、反射率は反射光量に相当し、透過率は透過光量に相当するので、分割比は反射率と透過率の比で示されることとなる。
【0046】
即ち、ギャップ変位量が0から約0.7までは透過率が反射率を上回り(透過光量が反射光量を上回り)、それ以降は反射率が透過率を上回る(反射光量が透過光量を上回る)特性を示し、所望のギャップ変位量に対応する分割比を得ることができる。
【0047】
このようなビームスプリッターによれば、光分割素子としてのDHW型のファブリペローフィルタの駆動電圧を変化させることにより、容易にビームスプリッターの分割比を可変とすることができる。
【0048】
また、このようなビームスプリッターによれば、例えば、光量モニターを目的に使用する場合は、そのモニター側に使用する光量を設計範囲内で任意に選択することができる。
【0049】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、シリコンをマイクロマシン加工技術によって加工することにより製作されるDHW型のファブリペローフィルタを、光分割素子として使用するようにしたので、ファブリペローフィルタの駆動電圧を制御することにより、所望の分割比を得ることができる分割比可変のビームスプリッターを実現することができる。
【0050】
また、本発明に使用されるファブリペローフィルタは、2つのプリズムを張り合わせることなく製作されるので、高いエネルギーのレーザビームを使用することによっても光分割素子が破壊される恐れはない。
【0051】
また、本発明によるビームスプリッターは、2本の光ファイバが固定された2芯ピグテールと1本の光ファイバが固定された単芯ピグテールを使用しているので、光通信及び光ファイバを使用した測定器に容易に組み込むことが可能である。
【0052】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるビームスプリッターに使用されるDHW型のファブリペローフィルタの構成概略図である。
【図2】本発明に使用されるファブリペローフィルタの一実施例の断面図である。
【図3】ファブリペローフィルタの可動鏡の構成を示す断面図である。
【図4】本発明に使用されるファブリペローフィルタの他の実施例の断面図である。
【図5】ファブリペローフィルタを分割素子として使用したビームスプリッタの一例の構成概略図である。
【図6】ビームスプリッター(ファブリペローフィルタ)の分割比特性図である。
【図7】従来のビームスプリッターの構成概略図である。
【図8】従来のビームスプリッターの構成概略図である。
【符号の説明】
1 第一シリコン基板
2 可動鏡
3 第二シリコン基板
4 第一反射防止膜
5 第二反射防止膜
10 第一シリコン基板
11 犠牲層
12 可動鏡
13 第二シリコン基板
14 スペーサ
15 第一反射防止膜
16 第二反射防止膜
17 犠牲層
18 シェル
20 ファブリペローフィルタ
21a,21b 光ファイバ
22 2芯ピグテール
23,24 セルフォックレンズ
25 光ファイバ
26 単芯ピグテール
g1 第一ギャップ
g2 第二ギャップ
V 駆動電圧

Claims (5)

  1. 入力光を2分割して出力するビームスプリッターにおいて、第一固定鏡と、この第一固定鏡に所定の第一ギャップを隔てて一方の面が対向配置される可動鏡と、この可動鏡の他方の面に所定の第二ギャップを隔てて対向配置される第二固定鏡と、前記第一固定鏡の前記可動鏡に対向しない面に形成される第一反射防止手段と、前記第二固定鏡の前記可動鏡に対向しない面に形成される第二反射防止手段、とを有し、前記可動鏡を前記第一固定鏡または前記第二固定鏡の方向に変位させることにより前記第一ギャップ及び前記第二ギャップの大きさを可変とし、前記第一固定鏡または前記第二固定鏡の一方に入力する入力光を反射光と他方からの透過光に前記第一ギャップ及び前記第二ギャップの大きさの差に対応した任意所望の分割比で2分割して出力光として出力するファブリペローフィルタを具備することを特徴とするビームスプリッター。
  2. 請求項1記載のビームスプリッターにおいて、
    前記第一固定鏡は第一半導体基板であり、
    前記可動鏡は前記第一半導体基板上に厚さが前記第一ギャップに相当する犠牲層を介して形成され、前記犠牲層を除去することにより前記第一ギャップを形成した状態でダイアフラム状または両端支持梁状に形成され、
    前記第二固定鏡は第二半導体基板であり、前記第二ギャップの大きさに対応するスペーサを介して前記可動鏡に接合されてなることを特徴とするビームスプリッター。
  3. 請求項1記載のビームスプリッターにおいて、
    前記第一固定鏡は第一半導体基板であり、
    前記可動鏡は前記第一半導体基板上に厚さが前記第一ギャップに相当する犠牲層を介して形成され、前記犠牲層を除去することにより前記第一ギャップを形成した状態でダイアフラム状または両端支持梁状に形成され、
    前記第二固定鏡は前記可動鏡上に厚さが前記第二ギャップに相当する犠牲層を介して形成され、前記犠牲層を除去することにより前記第二ギャップを形成した状態でダイアフラム状または両端支持梁状に形成されてなることを特徴とするビームスプリッター。
  4. 請求項2または請求項3のいずれかに記載のビームスプリッターにおいて、
    前記第一固定鏡または前記第二固定鏡に形成される固定電極と、前記可動鏡に形成される可動電極とを設け、
    前記可動鏡は、前記固定電極と前記可動電極との間に電圧を印加することにより発生する静電力により駆動されることを特徴とするビームスプリッター。
  5. 請求項1記載のビームスプリッターにおいて、
    前記ファブリペローフィルタへの入射光用と前記ファブリペローフィルタからの反射光用の光ファイバが固定された2芯ピグテールと、
    前記2芯ピグテールに固定され、前記入射光用の光ファイバからの入射光を前記ファブリペローフィルタに集光すると共に前記ブリペローフィルタからの反射光を前記反射光用の光ファイバに集光するレンズと、
    前記ファブリペローフィルタを透過する透過光用の光ファイバが固定される単芯ピグテールと、
    前記単芯ピグテールに固定され、前記ファブリペローフィルタからの透過光を前記透過用光ファイバに集光するレンズ、とを設けたことを特徴とするビームスプリッタ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006264216A (ja) * 2005-03-25 2006-10-05 Seiko Epson Corp 静電アクチュエータ、液滴吐出ヘッド、液滴吐出装置及び静電デバイス並びにそれらの製造方法
JP2015505986A (ja) * 2011-11-29 2015-02-26 クォルコム・メムズ・テクノロジーズ・インコーポレーテッド 二重吸収層を用いた干渉変調器
CN117192762A (zh) * 2023-11-07 2023-12-08 中国电子科技集团公司信息科学研究院 静电式mems法珀滤波器及成像装置

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