JP2003139930A - 回折素子及びそれを用いた光合分波装置 - Google Patents

回折素子及びそれを用いた光合分波装置

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JP2003139930A
JP2003139930A JP2002245648A JP2002245648A JP2003139930A JP 2003139930 A JP2003139930 A JP 2003139930A JP 2002245648 A JP2002245648 A JP 2002245648A JP 2002245648 A JP2002245648 A JP 2002245648A JP 2003139930 A JP2003139930 A JP 2003139930A
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incident
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wavelength
diffracted
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Masanori Iida
正憲 飯田
Hiroyuki Asakura
宏之 朝倉
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 1つの素子で複数の波長帯に対して使用する
ことができる回折素子を提供し、併せてこの回折素子の
効果を用いた光合分波装置を提供する。 【構成】 回折素子は、第1及び第2の面を有する透明
基板(2)と、第1の面に刻印された周期的な溝と、そ
の上に設けられた反射膜(1)と、第2の面に設けられ
た反射防止膜(4)とを有し、この回折素子を有する合
分波装置は、回折素子の第1の入射面(反射膜が設けら
れた第1の面の側)に光を入射させる第1の光入力装置
(10)と、第1の入射面に入射して回折された光を受
け取る第1の受光装置(12)と、第1の入射面に入射
して反射された光を受け取り、回折素子の第2の入射面
(反射防止膜が設けられた面)に入射させる第2の光入
力装置(11)と、第2の入射面に入射して回折された
光を受け取る第2の受光装置(13)と、を備えてい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、分光器や波長多重
光通信システムに用いる回折素子及びそれを用いた光合
分波装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、回折素子やそれを用いた光合分波
装置は、波長多重光通信システムのキーデバイスとして
様々な形態が提案され検討されている。特に、高密度波
長多重光通信では、用いられる光の波長間隔が狭く、多
数の波長が多重されるため、回折素子を用いた光合分波
器が有望視されている。しかしながら、広い波長範囲に
わたって高い回折効率を有する回折素子は一般にないの
が現状である。
【0003】図9は、反射型の回折素子で、格子溝の断
面形状が鋸歯状であるものについての回折効率の波長依
存性を示している。図9は、R.Petit:Electromagnetic
Theory of Gratings <Springer-Verlag Berlin Heidelb
erg New York 1980>. Chap.6, p.164の文献より引用し
ている。図9において、TE偏光は、回折素子に入射す
る光のうち、偏光方向が格子溝方向に平行な成分であ
り、TM偏光は、回折素子に入射する光のうち、偏光方
向が格子溝方向に垂直な成分である。図9から分かるよ
うに、使用される入射光の波長、あるいは入射光の波長
と格子間隔との比、及び入射光の偏光方向により、回折
効率が大きく影響される。図9から、回折効率が高く、
かつTE偏光とTM偏光の回折効率の差異が小さい波長
範囲は非常に狭いことがわかる。例えば、回折効率が8
5%以上で両偏光の回折効率の差異が10%以内の波長
範囲は、格子溝間隔を0.8μmの回折格子で換算した
場合、40nm以下である。
【0004】そこで、使用される光の波長を調整するた
めに、このような回折素子の回折格子の格子溝の上に透
光材を設ける提案もなされている。図10はその一例を
示している。基板51上に、格子溝を刻印した反射型回
折基板52が形成され、その上に透光材53が形成され
ている。
【0005】このような構成の回折素子に於いては、光
は回折素子表面54より入射し、透過材53を介して反
射型回折基板52の回折格子により回折される。回折さ
れた光は、再び透過材53を介して回折格子表面54よ
り出射する。透過材53の屈折率をnとすれば、透過材
53中の光は、等価的に1/nの波長を有することにな
る。従って、透光材53の屈折率を調整することによ
り、入射光の回折時の波長を変化させることができるの
で、図9に示される回折効率の高い波長帯で光を回折さ
せることができる(例えば、特開昭62−61002号
公報参照)。
【0006】また、分散する波長領域が異なる2つの回
折格子を組み合わせて用いることにより、2種類の波長
帯で光合分波を行う装置も提案されている。例えば、特
開平4−282603号公報には、図11に示すような
光合分波器が記載されている。入力ファイバ61からの
波長多重された光は、レンズ63を介して第1の回折格
子64に入射する。波長多重された光のうち、短波長領
域の光λa〜λcは、第1の回折格子64によって波長分
散され、レンズ63を介して、各々、出力ファイバ62
a〜62cに結合する。一方、長波長領域の光λd〜λ
fは、第1の回折格子64では波長分散されずに全反射
される。全反射された光は、第2の回折格子65で波長
分散されて第1の回折格子64に入射する。入射した光
は第1の回折格子64で再び全反射され、レンズ63を
介して、各々、出力ファイバ62c〜62fに結合す
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
従来技術においては、図10のものにおいては、回折素
子表面34から透過材33を介して光が入射するため、
入射光の分光特性を長波長側に調整することはできる
が、反射型回折基板32の本来持つ分光特性自体は、透
光材33を設けることによって失われてしまう。また、
さらに広範囲な波長範囲、例えば0.8μm、1.3μ
m、1.55μm帯の光に対しても良好な分光特性を得
るためには、各々の波長帯に適した屈折率を有する異な
った透光材33を配した回折素子を、別々に用意しなけ
ればならないといった問題点を有している。また、上述
の従来技術の図11のものにおいても、やはり、2種類
の回折格子64及び65を用意しなければならない。回
折格子は高価であり、1つの装置に2つの回折格子を用
いることは装置全体の価格を低減する妨げとなってい
る。
【0008】また、特に、図11のもののような場合に
は、2つの回折格子の配置を正確に調節するための装置
が必要となり、装置は更に高価なものとならざるを得な
い。
【0009】本発明は、上記課題を解決するためになさ
れたものであり、その目的とするところは、1つの素子
で複数の波長帯に対して使用することができる回折素子
を提供し、併せてこの回折素子の効果を用いた光合分波
装置を提供することにあ。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の回折素子は、第
1及び第2の面を有する透明基板と、該第1の面に刻印
された周期的な溝と、該周期的な溝が刻印された該第1
の面上に設けられた反射膜とを有し、該周期的な溝と該
反射膜とから回折格子が形成されており、そのことによ
り上記目的が達成される。
【0011】また、第2の面には、反射防止膜が形成さ
れていてもよい。
【0012】前記反射膜の形状は、好ましくは、前記溝
に平行な軸を中心とした180度の回転に対して実質的
に対称である。
【0013】本発明の1つの実施例によれば、前記第1
の面と前記第2の面とは実質的に平行である。
【0014】本発明の他の実施例によれば、前記第1の
面と前記第2の面とは所定の角度をなしている。
【0015】本発明の回折素子は、前記反射膜の上に設
けられた透明保護層を有していてもよい。
【0016】本発明の回折素子は、前記透明保護層の上
に設けられたもう一つの反射防止膜を更に有していても
よい。
【0017】前記透明基板は、各々異なる屈折率を有す
る複数の部分を有していてもよく、前記透明保護層は、
各々異なる屈折率を有する複数の部分を有していてもよ
い。
【0018】本発明による光合分波装置は、第1及び第
2の入射面を有する回折素子を有しており、該回折素子
の該第1の入射面に光を入射させる第1の光入力手段
と、該第1の入射面に入射して該回折素子によって回折
された光を受け取る第1の受光手段と、該第1の入射面
に入射して該回折素子によって反射された光を受け取
り、該回折素子の該第2の入射面に入射させる第2の光
入力手段と、該第2の入射面に入射して該回折素子によ
って回折された光を受け取る第2の受光手段と、を備え
ており、そのことにより上記目的が達成される。
【0019】本発明の1つの実施例によれば、前記回折
素子は、第1及び第2の面を有する透明基板と、該第1
の面に刻印された周期的な溝と、該周期的な溝が刻印さ
れた該第1の面上に設けられた反射膜とを有しており、
前記第1の入射面は、該反射膜が設けられた該第1の面
に対応し、前記第2の入射面は、第2の面に対応してい
る。
【0020】また、第2の面には、反射防止膜が形成さ
れていてもよい。
【0021】前記回折素子の前記反射膜の形状は、好ま
しくは、前記溝に平行な所定の軸を中心とした180度
の回転に対して実質的に対称である。
【0022】前記回折素子は、前記反射膜の上に設けら
れた透明保護層を有してもよい。
【0023】本発明の合分波装置は、前記回折素子の前
記第1の入射面に関してリトロー配置された第1のレン
ズと、該回折素子の前記第2の入射面に関してリトロー
配置された第2のレンズと、を備えていてもよい。
【0024】好ましくは、前記第1及び第2の光入力手
段は、各々、前記第1の入射面及び前記第2の入射面に
入射する前記光の入射角θが、リトロー角θLとして、
θL−5°≦θ≦θL+5°であるように該光を入射さ
せ、該第1の入射面に入射して回折された該光の波長λ
1、及び前記反射された光の波長λ2(但しλ2>λ1
は、前記透明基板の屈折率がn、前記溝の間隔(ピッ
チ)がdであるとき、λ2−λ1/2>d、及びn=λ2
/λ1の関係をみたしている。
【0025】また、好ましくは、該第1の入射面に入射
して回折された該光の波長λ1、及び前記反射された光
の波長λ2(但しλ2>λ1)は、前記透明基板の屈折率
がn、前記透明保護層の屈折率がn1、前記溝の間隔
(ピッチ)がdであるとき、λ2−λ1/2>n1・d、
及びn=n1・λ2/λ1の関係をみたしている。
【0026】本発明の合分波装置は、第1及び第2の入
射面を有する回折素子を有しており、該回折素子に光を
入射させる光入力手段と、該回折素子によって回折され
た光を、該回折光の波長毎に受け取る受光手段と、該回
折素子、該光入力手段、及び該受光手段のうちの少なく
とも1つの位置及び/又は方向を変更するための配置手
段とを備えており、そのことにより上記目的が達成され
る。
【0027】本発明の1つの実施例によれば、前記配置
手段は、前記光入力手段からの光を前記回折素子の前記
第1の入射面に入射させる第1の配置と、該光入力手段
からの光を前記回折素子の前記第2の入射面に入射させ
る第2の配置と、を可能とする。
【0028】本発明の合分波装置は、好ましくは、前記
光入力手段からの光をコリメートし、前記回折素子によ
って反射された光を前記受光手段に集光するためのレン
ズを備えており、前記第1の配置は、該回折素子の前記
第1の入射面に関するリトロー配置であり、前記第2の
配置は、該回折素子の前記第2の入射面に関するリトロ
ー配置である。
【0029】前記配置手段は、前記回折素子を回転させ
る機構を備え、該回折素子を回転することによって、前
記第1及び第2の配置の一方から他方へ配置替えを行っ
てもよい。
【0030】本発明の1つの実施例に於いては、前記回
折素子は、第1及び第2の面を有する透明基板と、該第
1の面に刻印された周期的な溝と、該周期的な溝が刻印
された該第1の面上に設けられた反射膜とを有してお
り、前記第1の入射面は、該反射膜が設けられた該第1
の面に対応し、前記第2の入射面は該第2の面に対応し
ている。
【0031】また、第2の面に反射防止膜が形成されて
いてもよい。
【0032】好ましくは、前記回折素子の前記反射膜の
形状は、前記溝に平行な軸を中心とした180度の回転
に対して実質的に対称である。
【0033】前記回折素子は、前記反射膜の上に設けら
れた透明保護層を有していてもよい。
【0034】好ましくは、前記光入力手段は、前記第1
の入射面及び前記第2の入射面に入射する光の各々の入
射角θが、リトロー角θLとして、θL−5°≦θ≦θL
+5°であるように該光を入射させ、該第1の入射面に
入射して回折される光の波長λ1、及び該第2の入射面
に入射して回折される光の波長λ2(但しλ2>λ1
は、前記透明基板の屈折率がn、前記記溝の間隔(ピッ
チ)がdであるとき、λ2−λ1/2>d、及びn=λ2
/λ1の関係をみたしている。
【0035】また、好ましくは、該第1の入射面に入射
して回折される光の波長λ1、及び該第2の入射面に入
射して回折される光の波長λ2(但しλ2>λ1)は、前
記透明基板の屈折率がn、前記透明保護層の屈折率がn
1、前記溝の間隔(ピッチ)がdであるとき、λ2−λ1
/2>n1・d、及びn=n1・λ2/λ1の関係をみたし
ている。
【0036】上述の構成により、本発明の回折素子は、
回折素子の第1の入射面(反射膜が設けられた側:表の
面)に入射して回折する光と、第2の入射面(反射防止
膜が設けられた面:裏の面)に入射し、透明基板を介し
て回折する光との、2つの異なる波長帯の光を波長分散
する。反射膜を、「表」と「裏」とで対称な形状に形成
することにより、第1及び第2の入射面に入射する各々
の光は、実質的に同一の分光特性(回折効率等)で波長
分散される。透明基板の屈折率を変化させることによっ
て、第2の入射面に入射して回折される光の波長を調整
できる。
【0037】透明基板(及び/又は透明保護層)が、異
なる屈折率を持つ複数の部分を有している場合には、更
に異なる波長帯の光をも回折させて波長分散できる。
【0038】波長多重された光(λ1及びλ2)が第1の
入射面に入力された場合、波長等の条件を適切に選んで
於くことにより、一方の波長帯(λ2)の光は、回折さ
れずに全反射される。
【0039】本発明の回折素子を用いた光合分波装置に
よれば、第1の光入力装置から上記の第1の入射面に入
射した波長多重光は、ある波長帯(λ1)の光が波長分
散され、第1の受光装置で受け取られる。他の波長帯の
光は回折されず、一定の条件をみたす場合には反射膜に
よって全反射される。全反射された光(λ2)は、回折
素子の第2の入射面に導かれ、透明基板を介して同様に
回折される。第2の入射面に入射して波長分散された光
は第2の受光装置で受け取られる。
【0040】本発明の回折素子を用いた他の光合分波装
置は、回折素子、光入力装置、受光装置のうち少なくと
も1つの位置及び/又は方向を変える配置機構を設ける
ことにより、回折すべき波長に応じて回折素子の第1又
は第2の入射面を使い分けることにより、複数の波長帯
の光に対して波長分散を行う。
【0041】特に、回折素子を回転するための回転機構
部を設けた場合には、所望の波長の光が受光装置に集光
するように、回転機後部により回折格子の角度を調節す
る。特に波長多重光のうち、長波長側(λ2)の光に対
して波長分散を行う場合は、回折素子の第2の入射面
(裏面)に光が入射するように、回転機構部により回折
素子を裏返すように回転させ、受光装置に所望の波長の
光が集光するように角度を調整する。
【0042】
【発明の実施の形態】以下に、本発明を実施例につい
て、図面を参照しながら説明する。
【0043】(実施の形態1)図1(a)は本発明の第
1の実施例における回折素子30の構成を示すものであ
る。本実施例に於ける回折素子は、透明な基板2の一方
の表面31に、ピッチdで格子溝が刻印され、その上に
反射膜1が形成されている。反射膜1は、反射膜として
の特性を有しつつ、膜厚は十分に薄く形成される。例え
ば、反射膜1は、アルミニウムなどの反射率の高い金属
の膜、あるいは誘電体多層膜を格子表面31に設けるこ
とにより形成できる。反射膜1は、膜厚が50〜300
nm、好ましくは100nm程度であれば格子溝の形状
を損なうことなく均一に形成することができる。透明基
板2は、代表的にはガラスが用いられ、使用する光の波
長に対して透光性を有する基板材料であればよい。以
下、この明細書に於いて「透明」というときには、使用
する光の波長に対して透光性を有することを意味する。
【0044】表面31の格子溝の形状は、好ましくは、
表面31に形成される回折格子が、その表裏両面で対称
となるように刻印される。ここに、対称とは、格子溝に
平行な所定の軸を中心とした実質上180度の回転に対
して重なるような、実質的に対称的形状をしている。例
えば、図1(a)に於いては、格子溝は正弦波形状に示
され、所定の軸は、0度のところである。もっとも、格
子溝の形状はこれに限られるものではない。
【0045】次に、この回折素子30の動作を図1
(a)を参照しながら説明する。図1(a)に示される
透明基板2の上方から、反射膜1に波長λ1の光が角度
θ0で入射した場合、回折素子30は、反射型の回折格
子として機能する。このとき、1次回折される回折光の
角度αは、下記の式(1)で表される。ここで、回折角
αは、回折光が格子面の法線となす角である。尚、以下
の議論では、1次の回折光について説明する。
【0046】 sinθ0+sinα=λ1/d (1) 特に、回折素子を30リトロー配置(Littrow mountin
g)する場合には、入射角θ0と回折角αとがほぼ等しく
なり、回折効率を最大にすることができる。このとき、
近似的にθ0=α=θL(θL:リトロー角)とすれば、
式(1)より、 sinθ0=λ1/(2d) (2) となる。光の入射角θ0がリトロー角θLを中心として±
5度程度の範囲内にあれば、回折効率が高く、回折効率
の偏光依存性も少ない。この条件の下で、角度θ0で回
折素子30に入射した光は、波長λ1に応じた回折角α
で回折される。例えば、入射光が波長λ1近傍の複数の
波長λa、λb、・・・の光を含んでいる場合、各々の波
長に応じた角度αa、αb、・・・で回折される。
【0047】一方、図1(a)に於いて、透明基板2の
下方から、波長λ2の光が、透明基板2を介して反射膜
1に入射する場合を考える。波長λ2の光は、透明基板
2の裏面32に角度φで入射し、透明基板2中で、角度
θ0’で反射膜1に入射する。透明基板2の屈折率をn
とすると、このとき、角度θ0’及びφの関係は、スネ
ルの法則から式(3)のように表せる。
【0048】 n・sinθ0’=sinφ (3) また、透明基板2の中での光の等価波長λ2’は、次式
(4)で表せる。
【0049】 λ2’=λ2/n (4) 従って、波長λ2’が波長λ1に実質的に等しく、そして
θ0’がθ0に実質的に等しくなるように、屈折率n及び
入射角φを選択することにより、反射膜1による透明基
板2の中での波長λ2の光の回折は、透明基板2を介さ
ない波長λ1の光の回折と実質的に同じものとなる。回
折素子30は、波長λ1及びλ2の光の両方に対して、同
様の回折効率を有する反射型回折格子として機能する。
また、格子溝の形状を表裏対称に形成すれば、回折素子
30は、波長λ2に対しても、波長λ1に対する分光特性
と同じ分光特性を有することになる。
【0050】なお、透明基板2の裏面32は平面とする
ことが望ましい。裏面32の格子溝配列方向に対する方
向(角度)は、格子溝配列方向と必ずしも平行である必
要はない。例えば、図1(b)に示すようなプリズム状
の形状の透明基材21の一面31に格子溝を刻印して回
折素子33を構成することもできる。
【0051】このように、本実施例によれば、格子溝が
刻印されている面(反射膜1)の表裏両面に入射される
異なる波長の光に対して分光特性を同じくすることがで
き、1つの素子で2つ以上の波長帯に利用可能な回折素
子を構成することができる。
【0052】(実施の形態2)図2は、本発明の第2の
実施例の回折素子20を示している。回折素子20は、
透明基板2の裏面32に反射防止膜4を備えている。そ
の他の点は実施例1で説明した回折素子30と同様であ
る。
【0053】数式(3)から分かるように、一般に、波
長λ2の光が透明基板2の裏面32(41)に入射する
角度φは、透明基板2の中を伝搬して反射膜1に入射す
る角度θ0’よりも大きくなるため、波長λ2の光は裏面
32で反射され易い。そこで、透明基板2の裏面に反射
防止膜4をもうけて裏面41とすることにより、透明基
板2へ入射する光の透過強度を高める事が出来る。
【0054】波長λ2の光が、入射角θ0で反射膜1に入
射し、回折角α’で回折される場合には、式(1)と同
様に、次式(5)をみたす。
【0055】 sinθ0+sinα’=λ2/d (5) ここで、波長λ2の光が反射膜1で回折されずに全て反
射されるならば、波長λ2の回折光の回折角α’は、次
式(6)をみたしている。但し、λ2>λ1であるとして
いる。
【0056】 sinα’>1 (6) 入射角θ0はリトロー角θLである場合には、式(2)が
成り立つので、式(6)に式(5)及び(2)を代入す
ると、次式(7)が得られる。
【0057】 λ2−λ1/2>d (7) 従って、波長λ1及びλ2が上式(7)の関係をみたして
いれば、これらの波長のが多重された光が回折素子20
(または30)に入射した場合、波長λ1の光のみが回
折され、波長λ2の光は全反射される。
【0058】一方、波長λ2の光が回折素子20(また
は30)の裏面41(32)から入射した場合には、透
明基板2の屈折率nが次式(8) n=λ2/λ1 (8) をみたしていれば、波長λ2の光の透明基板中での等価
波長はλ1となるため、波長λ2で入射した光は全反射
されることなく反射膜1で回折される。
【0059】(実施の形態3)次に、本発明の第3の実
施例の回折素子34について図3を参照しながら説明す
る。回折素子34においては、反射膜1の上面に透明保
護層5が形成されている。その他の点は実施例1で説明
した回折素子30と同様である。
【0060】波長λ3の光が透明保護層5の上面51に
入射角ψで入射し、透明保護層5を伝搬して反射膜1に
入射角θ’で入射するとき、透明保護層5の屈折率をn
1とすると、入射角ψとθ’との関係は、次式(9)で
与えられる。
【0061】 n1・sinθ’=sinψ (9) 透明保護層5の中を伝搬する光の等価波長λ3’は次式(10)で与えられる 。 λ3’=λ3/n1 (10) 従って、n1=λ1/λ3であるような屈折率n1を有する
透明保護層5を用い、θ’=θ0(=θL)となるように
入射角ψを調節することにより、回折格子34に入射し
た波長λ3の光は、第1の実施例の回折素子30に入射
した波長λ1の光が回折される場合と同様の回折効率及
び分光特性で回折される。
【0062】透明基板2中に於ける入射光の振舞いは、
透明基板2の屈折率をnとして、第1の実施例と同様に
式(3)及び(4)で表せる。
【0063】また、波長λ2の光が角度ψで回折素子3
4の上面51に入射し、保護膜5中を伝搬して反射膜1
3に角度θ’で入射した光が、反射膜1で回折されずに
全反射される条件は、実施例2で説明したのと同様に、
以下のようにして求められる。 透明保護層5の中に於
いて、等価波長λ2”=λ2/n1及び等価波長λ3’=λ
3/n1=λ1について、式(7)が成り立つので、 λ2−λ3/2>n1・d (11) n=n1・λ2/λ3 (12) 本実施例によれば、反射膜1上に透明保護層5を設ける
ことにより、格子表面が外気より遮断され腐食などをお
さえて長期にわたる使用に耐えられるようにすることが
できる。
【0064】(実施の形態4)図4は、本発明の第4の
実施例の回折素子35を示している。回折素子35は、
透明基板2の裏面32に反射防止膜4を備え、更に透明
保護層5の表面51に反射防止膜6を設けている。その
他の点は実施例3で説明した回折素子34と同様であ
る。
【0065】このような構成により、回折素子35の上
面52及び下面41へ入射する光の反射を押え、効率よ
く透明保護層5及び透明基板2に伝搬させることができ
る。
【0066】(実施の形態5)図5(a)及び(b)
は、本発明の第5の実施例の回折素子36及び37を示
している。回折素子36の透明基板2及び透明保護層5
は、各々屈折率の異なる複数の部分から形成されてい
る。図5(a)に示されるように、例えば、透明基板2
は、屈折率n3の部分及びn4の部分の2つ部分から形成
されている。屈折率nkの部分に入射した波長λの光
は、等価波長λ’=λ/nk(k=3,4)で回折され
るため、回折素子36は、裏面32に入射する2つの波
長領域(λ=nkλ1,k=3,4)の光を回折すること
ができる。透明保護層5も同様に、屈折率n1の部分及
びn2の部分の2つ部分から形成されてい場合、回折素
子36は、上面51に入射する2つの波長領域(λ=n
kλ1,k=1,2)の光を回折することができる。異な
る屈折率を有する部分は2つに限らず、また、必要に応
じて、透明基板2又は透明保護層5の一方にのみ設ける
こともできる。
【0067】図5(b)に示される回折素子37は、透
明基板2の裏面32に反射防止膜4を備え、更に透明保
護層5の表面51に反射防止膜6を設けている。その他
の点は回折素子36と同様である。このような構成によ
り、回折素子35の上面52及び下面41へ入射する光
の反射を押え、効率よく透明保護層5及び透明基板2に
伝搬させることができる。反射防止膜は上面51又は下
面32のどちらか一方にのみ設けてもよい。
【0068】(実施の形態6)次に、本発明の回折素子
を用いた光合分波装置を図6を参照しながら説明する。
【0069】図6は本発明の第2の実施例の回折素子2
0を用いた場合の光合分波装置の構成図である。回折素
子は、この他に、上述の実施例における回折素子30、
または34〜37を用いてもよい。回折素子20、レン
ズ7、第1の入力ファイバ10、及び第1の受光ファイ
バアレイ12はリトロー配置されている。回折素子2
0、レンズ9、第2の入力ファイバ11、及び第2の受
光ファイバアレイ13も同様である。レンズ8は、回折
素子20の反射膜1で全反射された光を第2の入力ファ
イバ11に導くためのものである。
【0070】第1の入力ファイバ10から出射される光
は波長多重されており、例えば、図7に示されるような
スペクトル分布を有している。短波長側の波長多重光1
4は、波長λa、λb、λc、及びλdのスペクトル成分を
有するの波長帯であり、長波長側の波長多重光15は、
波長λe、λf、λg、及びλhののスペクトル成分を有す
るの波長帯である。以下、短波長側の波長帯をλ1、長
波長側の波長帯をλ2と表すことにする。
【0071】以下、本発明の光合分波装置について、そ
の動作を説明する。ここでは光分波器の動作について説
明するが、光の入力と出力を逆にすれば、光合波器の動
作も全く同様に考えることができる。
【0072】波長λa〜λhで波長多重された光は、第1
の入力ファイバ10から出射され、レンズ7によってコ
リメートされて、回折素子20の反射膜1を設けた格子
面19に入射角θ0で入射する。回折素子20の反射膜
1を設けた格子面19は、短波長側の波長域λ1の波長
多重光14に対して、回折効率の高い波長分散能力を有
している。波長λa〜λdの光は式(1)に従って波長分
散され、再びレンズ7を介して第1の受光ファイバアレ
イ12のそれぞれの光ファイバに集束する。図6には、
波長λdの光について模式的に示されている。このよう
にして、波長λa〜λdの光は、波長分離されて受光ファ
イバアレイ12の各々光ファイバから出力される。一
方、長波長側の波長域λ2の波長多重光15は、式
(7)の不等式を満足しているので、反射膜1を設けた
格子面19では回折及び波長分散されずに全反射され
る。全反射された波長λe〜λhの光は、レンズ8を介し
て第2の入力ファイバ11に導かれる。
【0073】第2の入力ファイバ11から出射された波
長多重光15は、レンズ9によってコリメートされ、回
折素子20の反射防止膜4を設けた裏面41に入射角φ
で入射する。透明基板2の屈折率nは式(6)をみたし
ているので、波長帯λ2の波長多重光15は、透明基板
2を介して、反射膜1によって同様に高い回折効率で波
長分散される。波長分散された各々の波長λe〜λhの光
は、レンズ9を介して第2の受光ファイバアレイ13の
各々の光ファイバに結合され、出力される。
【0074】回折素子20は、格子間隔dが、例えば、
格子溝本数が1200本/mmであるようなブレーズド
(blazed)回折格子を用いると、回折効率の高いものと
なる。例えば、短波長側の波長域λ1が0.8μm帯、長
波長側の波長域λ2が1.3μm帯であるような波長多重
光の光分波をを行う場合には、透明基板2の屈折率nを
1.5〜1.6に設定すればよい。この場合、第1の入力
ファイバ10から回折素子20へ入射する光の入射角θ
0は約30度であり、第2の入力ファイバ11から回折
素子20へ入射する光の入射角は約54度となる。透明
基板2の材質としてはガラスや透明樹脂などの誘電帯材
料を用いればよい。
【0075】このように、本実施例によれば、1つの回
折素子を用いることによって、2つの波長帯で回折効率
の高い光合分波装置を得ることができる。即ち、入射光
の挿入損失が低く、且つ広い帯域出波長分散を行うこと
ができる光合分波装置を構成することができる。
【0076】(実施の形態7)次に、本発明のもう一つ
の実施例による光合分波装置について、図8(a)及び
(b)を参照しながら説明する。
【0077】図8(a)及び(b)において、回折素子
20、レンズ7、入力ファイバ10、及び受光ファイバ
16は、リトロー配置されている。受光素子20は、回
転機構部17によって、格子溝方向に平行な回転軸を中
心に回転させることができる。即ち、レンズ7を介して
入射する光に対して、回折素子20の表裏両面(19及
び41)を用いることができ、各々の面に入射する光の
入射角を調節することができる。図8(a)は短波長側
の波長域λ1の波長多重光14を選択的に波長分散する
場合の構成であり、図8(b)は長波長帯の波長域λ2
の波長多重光15を選択的に波長分散する場合の構成で
ある。回折素子は、この他に、上述の実施例における回
折素子30、または34〜37を用いてもよい。
【0078】以上のように構成された光合分波装置につ
いて、以下、上記図7、図8(a)及び(b)を参照し
ながらその動作を説明する。
【0079】図8(a)及び(b)において、波長λa
〜λhで波長多重された光は、入力ファイバ10から出
射され、レンズ7によってコリメートされて、回折素子
20に入射する。図8(a)の場合、合分波装置は、入
射光が回折素子20の反射膜1を設けた格子面19に入
射角θで入射するように配置されている。入射角θがθ
0にほぼ等しいとき、波長域λ1の波長多重光14は、回
折素子20によって高い回折効率で波長分散される。入
力ファイバ10と受光ファイバ16とは隣接して配置さ
れているため、式(2)で表わされる入射角度、即ちリ
トロー角で回折される波長の回折光のみが受光ファイバ
16に結合する。このとき、波長域λ2の光は、回折素
子20によって回折されないため、波長域λ1の光のみ
が、以下のようにして選択的に波長分散される。
【0080】図8(a)で、入射角θ=θaのときに波
長λaの光が受光ファイバ16に結合していたとする。
回折素子20を回転機構部17により反時計方向に微少
に回転させ、入射角をθb、θc、θdと変化させるに従
い、波長λb,λc,λdの光を順次受光ファイバ16に
結合させることができる。
【0081】次に、長波長側の波長域λ2の波長多重光
15を選択的に波長分散させる場合には、回転機構部1
7により、入射光に対して回折素子20を裏返すように
回転させ、図8(b)に示される様に配置する。これに
より、入力ファイバ10から出射された波長多重光は、
入射角φで裏面41に入射し、反射防止膜4及び透明基
板2を介して格子面(反射膜1)に入射する。そして、
波長多重光15は、波長多重光14の場合と同様に、回
折素子20によって高い回折効率で波長分散される。上
述したのと同様に、回転機構部17によって入射角を調
節することによって、所望の波長λe〜λhの光を受光フ
ァイバ16に結合させ、選択的に出力させることができ
る。
【0082】以上のように、本実施例によれば、1つの
回折素子を回転させることによって、2つの波長帯にお
いて回折効率の高い波長分散を選択的に行い、1本の受
光ファイバから出力することができる。即ち、入射光の
挿入損失が低く、且つ広い帯域出波長分散を行うことが
できる。更に、実施例6に比べ、第2の入力ファイバ及
び第2の受光ファイバアレイを備える必要がない。回転
機構17としては、高精度に位置決めできるステッピン
グモータや、その他の回転機構を制御する各種の駆動方
法によっても実現(inplement)できる。
【0083】本実施例では回折素子20を回転させる例
を挙げたが、入力ファイバ10や受光ファイバ16を移
動させることによっても同等の効果を挙げることができ
る。この場合、高精度な移動機構、例えばピエゾ素子等
の積層形圧電素子や光ピックアップに応用されるリニア
アクチュエータを用いることにより実現できる。
【0084】なお、本実施例では回折素子20を用いて
説明したが、例えば、回折素子34又は35を用いた場
合には、2つの波長帯だけでなく、更に多くの波長帯に
於いて高い回折効率で波長分散を行うことができる。本
発明は、特に0.8μm帯と1.3μm帯での多重数の多
い波長多重光通信に有用である。
【0085】
【発明の効果】以上述べたところから明らかなように、
本発明によれば、1つの素子で複数の波長帯に対して、
高い回折効率で使用することができる回折素子を提供す
ることができる。併せて、この回折素子を用いることに
より、複数の波長帯に対して、高い回折効率で波長分散
を行うことのできる光合分波装置を提供することができ
る。さらに、複数の回折格子を用いる必要がないため、
光分波装置を簡単な構成で低価格で提供することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)及び(b)は、本発明の第1の実施例に
おける回折素子の構成を示す図である。
【図2】本発明の第2の実施例における回折素子の構成
を示す図である。
【図3】本発明の第3の実施例における回折素子の構成
を示す図である。
【図4】本発明の第4の実施例における回折素子の構成
を示す図である。
【図5】(a)及び(b)は、本発明の第5の実施例に
おける回折素子の構成を示す図である。
【図6】本発明による光合分波装置の構成を示す図であ
る。
【図7】波長λa〜λhの波長多重光のスペクトル分布を
表す概念図である。
【図8】(a)及び(b)は、本発明によるもう一つの
光合分波装置の構成を示す図である。
【図9】回折効率の波長及び格子間隔依存性を示した図
である。
【図10】従来の回折素子の構成を示す図である。
【図11】従来の光合分波装置の構成を示す図である。
【符号の説明】
1 反射膜 2 透明基板 4 反射防止膜 7 レンズ 8 レンズ 9 レンズ 10 第1の入力ファイバ 11 第2の入力ファイバ 12 第1の受光ファイバアレイ 13 第2の受光ファイバアレイ 20 回折素子
フロントページの続き Fターム(参考) 2H041 AA21 AB10 AC01 AZ01 AZ08 2H042 DA02 DA08 DA12 DA16 DE00 2H049 AA07 AA13 AA45 AA58 AA59 AA64 2K009 AA02 BB02

Claims (31)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1及び第2の面を有する透明基板と、 該第1の面に刻印された周期的な溝と、 該周期的な溝が刻印された該第1の面上に設けられた反
    射膜と、 を有し、 該周期的な溝と該反射膜とから回折格子が形成されてい
    ることを特徴とする回折素子。
  2. 【請求項2】 第2の面には、反射防止膜が形成されて
    いることを特徴とする請求項1に記載の回折素子。
  3. 【請求項3】 前記反射膜の形状は、前記溝に平行な所
    定の軸を中心とした実質上180度の回転に対して実質
    的に対称であることを特徴とする請求項1に記載の回折
    素子。
  4. 【請求項4】 前記第1の面と前記第2の面とは実質的
    に平行であることを特徴とする請求項1に記載の回折素
    子。
  5. 【請求項5】 前記第1の面と前記第2の面とは所定の
    角度をなしていることを特徴とする請求項1に記載の回
    折素子。
  6. 【請求項6】 前記反射膜の上に設けられた透明保護層
    を有することを特徴とする請求項1に記載の回折素子。
  7. 【請求項7】 前記透明保護層の上に設けられたもう一
    つの反射防止膜を更に有することを特徴とする請求項6
    に記載の回折素子。
  8. 【請求項8】 前記透明基板は、各々異なる屈折率を有
    する複数の部分を有することを特徴とする請求項1に記
    載の回折素子。
  9. 【請求項9】 前記透明基板は、各々異なる屈折率を有
    する複数の部分を有することを特徴とする請求項6に記
    載の回折素子。
  10. 【請求項10】 前記透明保護層は、各々異なる屈折率
    を有する複数の部分を有することを特徴とする請求項6
    に記載の回折素子。
  11. 【請求項11】 前記透明保護層は、各々異なる屈折率
    を有する複数の部分を有することを特徴とする請求項9
    に記載の回折素子。
  12. 【請求項12】 前記透明保護層の上に設けられたもう
    一つの反射防止膜を、更に有することを特徴とする請求
    項9、10、又は11に記載の回折素子。
  13. 【請求項13】 第1及び第2の入射面を有する回折素
    子を有する合分波装置であって、 該回折素子の該第1の入射面に光を入射させる第1の光
    入力手段と、 該第1の入射面に入射して該回折素子によって回折され
    た光を受け取る第1の受光手段と、 該第1の入射面に入射して該回折素子によって反射され
    た光を受け取り、該回折素子の該第2の入射面に入射さ
    せる第2の光入力手段と、 該第2の入射面に入射して該回折素子によって回折され
    た光を受け取る第2の受光手段と、 を備えたことを特徴とする光合分波装置。
  14. 【請求項14】 前記回折素子は、第1及び第2の面を
    有する透明基板と、該第1の面に刻印された周期的な溝
    と、該周期的な溝が刻印された該第1の面上に設けられ
    た反射膜とを有しており、 前記第1の入射面は、該反射膜が設けられた該第1の面
    に対応し、 前記第2の入射面は、該第2の面に対応していることを
    特徴とする請求項13に記載の光合分波装置。
  15. 【請求項15】 前記第2の面には、反射防止膜が形成
    されていることを特徴とする請求項14に記載の光合分
    波装置。
  16. 【請求項16】 前記回折素子の前記反射膜の形状は、
    前記溝に平行な所定の軸を中心とした180度の回転に
    対して実質的に対称であることを特徴とする請求項14
    に記載の光合分波装置。
  17. 【請求項17】 前記回折素子は、前記反射膜の上に設
    けられた透明保護層を有していることを特徴とする請求
    項14に記載の光合分波装置。
  18. 【請求項18】 前記回折素子の前記第1の入射面に関
    してリトロー配置された第1のレンズと、該回折素子の
    前記第2の入射面に関してリトロー配置された第2のレ
    ンズと、を備えていることを特徴とする請求項14に記
    載の光合分波装置。
  19. 【請求項19】 前記第1及び第2の光入力手段は、各
    々、前記第1の入射面及び前記第2の入射面に入射する
    前記光の入射角θが、リトロー角θLとして 、 θL−5°≦θ≦θL+5° であるように該光を入射させ、 該第1の入射面に入射して回折された該光の波長λ1
    及び前記反射された光の波長λ2(但しλ2>λ1)は、
    前記透明基板の屈折率がn、前記溝の間隔(ピッチ)が
    dであるとき、 λ2−λ1/2>d n=λ2/λ1 の関係をみたしていることを特徴とする請求項14に記
    載の光合分波装置。
  20. 【請求項20】 前記回折素子の前記第1の入射面に関
    してリトロー配置された第1のレンズと、該回折素子の
    前記第2の入射面に関してリトロー配置された第2のレ
    ンズと、を備えていることを特徴とする請求項17に記
    載の光合分波装置。
  21. 【請求項21】 前記第1及び第2の光入力手段は、各
    々、前記第1の入射面及び前記第2の入射面に入射する
    前記光の入射角θが、リトロー角θLとして 、 θL−5°≦θ≦θL+5° であるように該光を入射させ、 該第1の入射面に入射して回折された該光の波長λ1
    及び前記反射された光の波長λ2(但しλ2>λ1)は、
    前記透明基板の屈折率がn、前記透明保護層の屈折率が
    1、前記溝の間隔(ピッチ)がdであるとき、 λ2−λ1/2>n1・d n=n1・λ2/λ1 の関係をみたしていることを特徴とする請求項17に記
    載の光合分波装置。
  22. 【請求項22】 第1及び第2の入射面を有する回折素
    子を有する合分波装置であって、 該回折素子に光を入射させる光入力手段と、 該回折素子によって回折された光を、該回折光の波長毎
    に受け取る受光手段と、 該回折素子、該光入力手段、及び該受光手段のうちの少
    なくとも1つの位置及び/又は方向を変更するための配
    置手段と、 を備えたことを特徴とする光合分波装置。
  23. 【請求項23】 前記配置手段は、前記光入力手段から
    の光を前記回折素子の前記第1の入射面に入射させる第
    1の配置と、該光入力手段からの光を前記回折素子の前
    記第2の入射面に入射させる第2の配置と、を可能とす
    ることを特徴とする請求項22に記載の光合分波装置。
  24. 【請求項24】 前記光入力手段からの光をコリメート
    し、前記回折素子によって反射された光を前記受光手段
    に集光するためのレンズを備えており、 前記第1の配置は、該回折素子の前記第1の入射面に関
    するリトロー配置であり、前記第2の配置は、該回折素
    子の前記第2の入射面に関するリトロー配置であること
    を特徴とする請求項23に記載の光合分波装置。
  25. 【請求項25】 前記配置手段は、前記回折素子を回転
    させる機構を備え、該回折素子を回転することによっ
    て、前記第1及び第2の配置の一方から他方へ配置替え
    を行うことを特徴とする請求項23に記載の光合分波装
    置。
  26. 【請求項26】 前記回折素子は、第1及び第2の面を
    有する透明基板と、該第1の面に刻印された周期的な溝
    と、該周期的な溝が刻印された該第1の面上に設けられ
    た反射膜とを有しており、 前記第1の入射面は、該反射膜が設けられた該第1の面
    に対応し、 前記第2の入射面は、該第2の面に対応していることを
    特徴とする請求項23に記載の光合分波装置。
  27. 【請求項27】 前記第2の面には、反射防止膜が形成
    されていることを特徴とする光合分波装置。
  28. 【請求項28】 前記回折素子の前記反射膜の形状は、
    前記溝に平行な軸を中心とした180度の回転に対して
    実質的に対称であることを特徴とする請求項26に記載
    の光合分波装置。
  29. 【請求項29】 前記回折素子は、前記反射膜の上に設
    けられた透明保護層を有していることを特徴とする請求
    項26に記載の光合分波装置。
  30. 【請求項30】 前記光入力手段は、前記第1の入射面
    及び前記第2の入射面に入射する光の各々の入射角θ
    が、リトロー角θLとして、 θL−5°≦θ≦θL+5° であるように該光を入射させ、該第1の入射面に入射し
    て回折される光の波長λ1、及び該第2の入射面に入射
    して回折される光の波長λ2(但しλ2>λ1)は、前記
    透明基板の屈折率がn、前記記溝の間隔(ピッチ)がd
    であるとき、 λ2−λ1/2>d n=λ2/λ1 の関係をみたしていることを特徴とする請求項26に記
    載の光合分波装置。
  31. 【請求項31】 前記光入力手段は、前記第1の入射面
    及び前記第2の入射面に入射する前記光の入射角θが、
    リトロー角θLとして、 θL−5°≦θ≦θL+5° であるように該光を入射させ、該第1の入射面に入射し
    て回折される光の波長λ1、及び該第2の入射面に入射
    して回折される光の波長λ2(但しλ2>λ1)は、前記
    透明基板の屈折率がn、前記透明保護層の屈折率が
    1、前記溝の間隔(ピッチ)がdであるとき、 λ2−λ1/2>n1・d n=n1・λ2/λ1 の関係をみたしていることを特徴とする請求項27に記
    載の光合分波装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100697614B1 (ko) 2006-01-31 2007-03-22 주식회사 엘지에스 회절격자 및 그 제조 방법
JP2008203508A (ja) * 2007-02-20 2008-09-04 Sun Tec Kk 光可変フィルタ
JP2009217247A (ja) * 2008-01-23 2009-09-24 Yenista Optics コンパクトな分散システムを備える光学デバイス
JP2011145657A (ja) * 2009-12-18 2011-07-28 Nikon Corp 構造色発色体及びこれを用いたカメラ

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