JP2004077575A - バーコードリーダ用可動ミラーの駆動制御方法及びバーコードリーダ - Google Patents
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Abstract
【課題】装置の小型化が可能となるとともに、可動ミラー駆動動作の信頼性を高めることができるバーコードリーダ用可動ミラーの駆動制御方法及びバーコードリーダを得る。
【解決手段】発光素子35から出射したレーザ光Lbを可動ミラー37で反射させ、可動ミラー37を揺動させることでレーザ光Lbを被照射対象に走査し、且つ被照射対象からの戻り光を可動ミラー37に反射させて受光素子に取り込むバーコードリーダ用可動ミラーの駆動制御方法であって、発光素子35から出射されて可動ミラー37で反射されたレーザ光Lbを光検出器45により検出し、この検出値から可動ミラー37の位相差を得、可動ミラー37を駆動する駆動コイル41を、この位相差に基づき駆動制御する。
【選択図】 図1
【解決手段】発光素子35から出射したレーザ光Lbを可動ミラー37で反射させ、可動ミラー37を揺動させることでレーザ光Lbを被照射対象に走査し、且つ被照射対象からの戻り光を可動ミラー37に反射させて受光素子に取り込むバーコードリーダ用可動ミラーの駆動制御方法であって、発光素子35から出射されて可動ミラー37で反射されたレーザ光Lbを光検出器45により検出し、この検出値から可動ミラー37の位相差を得、可動ミラー37を駆動する駆動コイル41を、この位相差に基づき駆動制御する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、発光素子から出射したレーザ光を被照射対象であるバーコードに走査するためのバーコードリーダ用可動ミラーの駆動制御方法及びバーコードリーダに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、店舗や工場等の多くでは、デジタル情報を表すバーコードを物品に付し、これを光学的に走査して情報を読み取ることで、商品の販売管理や製品の生産管理等を行っている。一般にこの種のバーコードは、バーコードに光を照射し、その反射光の強弱を光電変換することで、その検出信号の組み合わせから情報を読み取る。
【0003】
すなわち、図5の概念図に示すように、発光素子1からの光を発光レンズ3で絞り、この光をスキャンミラー(可動ミラー)5のミラー7で反射し、被照射対象であるバーコード9に照射する。バーコード9の全域に亘って光を照射する為、ミラー7を揺動させる。揺動は、ミラー7に取り付けた磁性体(マグネット)11を駆動コイル13内に嵌挿し、駆動コイル13に例えば一定周期で正負の電流を流すことで、駆動コイル13に対しマグネット11を吸着・反発させ、揺動支点15を支軸にしてミラー7を揺動させる。
【0004】
一方、バーコード9面に照射した光は、乱反射しながらもバーコードの白黒による光量変化をもって再びミラー7に戻り、そこで反射された光は集光レンズ17により集光され、受光素子19により光量変化を電気的に変換して出力する。
なお、読み取り精度向上の為、受光素子19の前面にはバンドパスフィルタ(BPF)21を設けて発光光周波数以外の不要な光の採光を防止している。
【0005】
斯かる読み取り方式を装置化したものとして図6に示すバーコードリーダ用可動ミラーの駆動制御装置が提供されている。
この可動ミラー駆動機構の構成は、図例の如く、筐体23内に設けた揺動自在な可動ミラー5と、この可動ミラー5に固設したマグネット11と、このマグネット11に磁力を作用させて可動ミラー5を揺動させる駆動コイル13と、可動ミラー5に反射した発光素子1からのレーザ光Lbを筐体23の外部へ出射させ且つバーコード9からの戻り光を筐体23内に取り込む投受光開口部25と、戻り光を受光する受光素子(図示せず)とを備える。
そして、筐体23を図示しないフレーム内に収めることでバーコードリーダを構成していた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
可動ミラー駆動機構は、駆動コイルに交番電流(例えば20Hz程度)を流すことで可動ミラーを揺動させる。ところで、可動ミラーの揺動系は固有の共振周波数を有する。したがって、可動ミラーの揺動は、この共振周波数で駆動すれば駆動エネルギーが少なく、最も効率的となる。ところが、可動ミラーの揺動系は、共振周波数が例えば20Hzとなるように設計条件を設定した場合であっても、実際には揺動系の質量バランスや摩擦抵抗等の機械的損失によって、目的の共振周波数からずれたものとなることが多い。このような揺動系をその固有共振周波数と異なる周波数で駆動すれば、本来以上の駆動エネルギーが必要になり、その上、揺動動作が不安定となり、可動ミラーが正規の振れ角で揺動しない事態が発生する。このような状況となれば、バーコードへの走査が不安定となり、バーコード読み取り精度を低下させる問題が生じる。
そこで、駆動コイル13に対して相対移動するマグネット11によって生じる図7に示す逆起電力を検知し、この逆起電力から可動ミラーの駆動周波数を得、可動ミラーの揺動状態に応じたタイミングで駆動コイルに駆動電流を流す駆動制御が行われている。従来、この種の制御を行うための逆起電力の検知は、一つの駆動コイルを共用することで行っていた。つまり、一つの駆動コイルで駆動及び駆動周波数の検出を行っていた。
しかしながら、一つのコイルを共用するため、小型化には適するものの、駆動に必要なコイル巻き数に対して、逆起電力の検出に必要なコイル巻き数が数倍多いため、一つのコイルを用いて両機能を満足させる場合には、少なくとも逆起電力の検出に必要な分を巻く必要があり、駆動力を得る観点からすると無駄な巻き数が必要になった。また、一つのコイルを共用するため、それぞれの目的に適した線径を選択することができず、それぞれのコイルの最適化に限界があり、高効率のコイルを得ることができなかった。さらに、駆動コイルに誘起する逆起電力は微弱であることから、検出信号が不安定となるため、ノイズ対策回路が必要となり、微弱信号の増幅回路とも相俟って、回路構成が複雑となる欠点があった。これに対し、可動ミラーにマグネット27を設け、これを磁気センサー29で位置検出する可動ミラーの駆動制御方法もあるが、構成部品数が多く、装置の小型化に対しては不利となった。
本発明は上記状況に鑑みてなされたもので、装置の小型化が可能となるとともに、可動ミラー駆動動作の信頼性を高めることができるバーコードリーダ用可動ミラーの駆動制御方法及びバーコードリーダを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明に係る請求項1記載のバーコードリーダ用可動ミラーの駆動制御方法は、発光素子から出射したレーザ光を可動ミラーで反射させ、前記可動ミラーを揺動させることで前記レーザ光を被照射対象に走査し、且つ該被照射対象からの戻り光を前記可動ミラーに反射させて受光素子に取り込むバーコードリーダ用可動ミラーの駆動制御方法であって、前記発光素子から出射されて前記可動ミラーで反射されたレーザ光を光検出器により検出し、該検出値から前記可動ミラーの位相差を得、前記可動ミラーを駆動する駆動コイルを、該位相差に基づき駆動制御することを特徴とする。
【0008】
このバーコードリーダ用可動ミラーの駆動制御方法では、発光素子から出射されて可動ミラーで反射されたレーザ光が光検出器により検出され、この検出値から可動ミラーの位相差が得られる。可動ミラーを駆動する駆動コイルを、この位相差に基づき駆動制御することで、可動ミラーにマグネットを設け、これを磁気センサーで検出する従来方法に比べ、構成部品数が少なくなり、装置の小型化が容易となる。また、光検出器によりレーザ光を検出するので、駆動コイルに誘起する逆起電力を検出する従来方法に比べ、回路構成が簡素になり、しかも、安定した位相差が得られる。
【0009】
請求項2記載のバーコードリーダは、発光素子から出射したレーザ光を可動ミラーで反射させ、前記可動ミラーを揺動させることで前記レーザ光を被照射対象に走査し、且つ該被照射対象からの戻り光を前記可動ミラーに反射させて受光素子に取り込むバーコードリーダであって、前記発光素子から出射されて前記可動ミラーで反射されたレーザ光を検出する光検出器と、前記可動ミラーを駆動する駆動コイルと、該駆動コイルへ駆動信号を送出する駆動信号発生回路と、前記光検出器の検出信号と前記駆動コイルへの出力信号との時間的な差を位相差として検出・演算し、前記駆動コイルへ出力する駆動信号のフィードバック制御を行う位相制御回路とを具備したことを特徴とする。
【0010】
このバーコードリーダでは、位相差に応じた駆動電流が駆動コイルに出力可能となり、それぞれの可動ミラーごとに異なる位相差のバラツキが吸収されて、その装置固有の最も効率の良い、消費電力の少ない状態での可動ミラーの駆動が可能となる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るバーコードリーダ用可動ミラーの駆動制御方法及びバーコードリーダの好適な実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
図1は本発明に係るバーコードリーダの要部構成図、図2は制御部のブロック図、図3は本発明におけるコイル印加信号とミラー変位との位相差を表すグラフ、図4は本発明におけるコイル印加信号とフォトダイオード出力信号との位相差を表すグラフである。
【0012】
本実施の形態によるバーコードリーダ31は、筐体33と、この筐体33内に設けた発光素子35と、筐体33内に設けた揺動自在な可動ミラー37と、可動ミラー37に固設した磁性体であるマグネット39と、このマグネット39に磁力を作用させて可動ミラー37を揺動させる駆動コイル41と、可動ミラー37に反射した発光素子35からのレーザ光Lbを筐体33の外部へ出射させ且つ被照射対象であるバーコードからの戻り光を筐体33内に取り込む投受光開口部43と、可動ミラー37に反射した戻り光を受光する受光素子(図示せず)とを、従来と同様の基本動作を行うための部材として有している。
【0013】
バーコードリーダ31は、さらに、筐体内部の投受光開口部43の近傍に設けられた光検出器であるフォトダイオード45と、このフォトダイオード45と上記の駆動コイル41とに接続される制御部47とを具備している。
【0014】
ここで、レーザ光Lbは、投受光開口部43から出射されることで、レーザ照射範囲49が一定のものとなる。可動ミラー37は、筐体33の内部において、投受光開口部43より広い範囲で揺動される。従って、投受光開口部43を外れて照射されたレーザ光Lbは、筐体33の内壁をレーザ未照射範囲51a、51bとなって照射する。上記のフォトダイオード45は、このうち、一方のレーザ未照射範囲51aに配設され、レーザ光Lbを受光可能にしている。
【0015】
制御部47は、駆動コイルへ駆動信号を送出する駆動信号発生回路53と、フォトダイオード45の検出信号と駆動コイル41への出力信号との時間的な差を位相差として検出・演算し、駆動コイル41へ出力する駆動信号のフィードバック制御を行う位相制御回路55と、増幅回路57とからなる。制御部47は、駆動信号を位相制御回路55にフィードバックして、目標値に相当する基準信号と比較することで、制御量と目標値との差異を自動的に調節する。
【0016】
バーコードリーダ31では、駆動コイル41に、駆動信号発生回路53から一定周期で正負の電流(交番電流)を流すことで、駆動コイル41に対しマグネット39を吸着・反発させ、揺動中心軸を支軸にして可動ミラー37が揺動する。可動ミラー37の揺動により、レーザ光Lbがレーザ未照射範囲51aに到達すると、フォトダイオード45により検出信号が出力される。この検出信号を検知して得た波形から可動ミラー37の駆動周波数を得ることができる。
【0017】
ここで、駆動コイル41へ駆動信号が印加された時と、可動ミラー37が実際に揺動する時とには、図3に示すように、時間的な差(位相差)が生じる。この位相差は、可動ミラー37等の質量のバラツキや環境温度により、その物体が持つ固有周波数(共振周波数)の変化に伴って変化する。そして、この位相差は、図4に示すように、駆動信号と、フォトダイオード出力信号とによって得ることができる。
【0018】
即ち、本実施の形態によるバーコードリーダ用可動ミラーの駆動制御方法は、発光素子35から出射されて可動ミラー37で反射されたレーザ光Lbを、フォトダイオード45により検出し、この検出値から可動ミラー37の位相差を得、可動ミラー37を駆動する駆動コイル41を、位相差に基づき駆動制御することとしている。
【0019】
バーコードリーダ31は、フォトダイオード45にて得た駆動周波数に基づき、制御部47によってフィードバック制御を行いながら最適なタイミングで駆動コイル41に駆動信号を流す。
【0020】
このように、上記の実施の形態による駆動制御方法及びバーコードリーダ31によれば、発光素子35から出射されて可動ミラー37で反射されたレーザ光Lbがフォトダイオード45により検出され、この検出値から可動ミラー37の位相差が得られる。可動ミラー37を駆動する駆動コイル41を、この位相差に基づき駆動制御することで、可動ミラー37にマグネットを設け、これを磁気センサーで検出する従来方法に比べ、構成部品数が少なくなり、装置の小型化が容易となる。また、フォトダイオード45によりレーザ光Lbを検出するので、駆動コイル41に誘起する逆起電力を検出する従来方法に比べ、回路構成が簡素になり、しかも、安定した位相差の検出が可能となる。
【0021】
更に、位相差に応じた駆動電流が駆動コイル41に出力可能となり、それぞれの可動ミラー37ごとに異なる位相差のバラツキが吸収されて、その装置固有の最も効率の良い、消費電力の少ない状態で可動ミラー37の駆動が可能となる。
【0022】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明に係るバーコードリーダ用可動ミラーの駆動制御方法によれば、発光素子から出射されて可動ミラーで反射されたレーザ光を光検出器により検出し、この検出値から可動ミラーの位相差を得、可動ミラーを駆動する駆動コイルを、この位相差に基づき駆動制御するので、可動ミラーにマグネットを設け、これを磁気センサーで検出する従来方法に比べ、構成部品数を少なくでき、装置の小型化が容易となる。また、光検出器によりレーザ光を検出するので、駆動コイルに誘起する逆起電力を検出する従来方法に比べ、回路構成を簡素にでき、しかも、安定した位相差を得ることができる。この結果、装置のコンパクト化が可能となるとともに、可動ミラー駆動動作の信頼性を高めることができる。
【0023】
本発明に係るバーコードリーダ用可動ミラーの駆動制御装置によれば、駆動コイルへ駆動信号を送出する駆動信号発生回路と、光検出器の検出信号と駆動コイルへの出力信号との時間的な差を位相差として検出・演算し、前記駆動コイルへ出力する駆動信号のフィードバック制御を行う位相制御回路とを備えたので、位相差に応じた駆動電流を駆動コイルに流すことができ、それぞれの可動ミラーごとに異なる位相差のバラツキを吸収して、その装置固有の最も効率の良い、消費電力の少ない状態での可動ミラーの駆動を可能にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るバーコードリーダの要部構成図である。
【図2】本発明に係るバーコードリーダの制御部のブロック図である。
【図3】本発明におけるコイル印加信号とミラー変位との位相差を表すグラフである。
【図4】本発明におけるコイル印加信号とフォトダイオード出力信号との位相差を表すグラフである。
【図5】従来の光読み取り方式を説明する概念図である。
【図6】従来のバーコードリーダの要部構成図である。
【図7】駆動コイルによって検出した逆起電力の波形を表す説明図である。
【符号の説明】
31…バーコードリーダ、35…発光素子、37…可動ミラー、41…駆動コイル、45…光検出器、53…駆動信号発生回路、55…位相制御回路、Lb…レーザ光
【発明の属する技術分野】
本発明は、発光素子から出射したレーザ光を被照射対象であるバーコードに走査するためのバーコードリーダ用可動ミラーの駆動制御方法及びバーコードリーダに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、店舗や工場等の多くでは、デジタル情報を表すバーコードを物品に付し、これを光学的に走査して情報を読み取ることで、商品の販売管理や製品の生産管理等を行っている。一般にこの種のバーコードは、バーコードに光を照射し、その反射光の強弱を光電変換することで、その検出信号の組み合わせから情報を読み取る。
【0003】
すなわち、図5の概念図に示すように、発光素子1からの光を発光レンズ3で絞り、この光をスキャンミラー(可動ミラー)5のミラー7で反射し、被照射対象であるバーコード9に照射する。バーコード9の全域に亘って光を照射する為、ミラー7を揺動させる。揺動は、ミラー7に取り付けた磁性体(マグネット)11を駆動コイル13内に嵌挿し、駆動コイル13に例えば一定周期で正負の電流を流すことで、駆動コイル13に対しマグネット11を吸着・反発させ、揺動支点15を支軸にしてミラー7を揺動させる。
【0004】
一方、バーコード9面に照射した光は、乱反射しながらもバーコードの白黒による光量変化をもって再びミラー7に戻り、そこで反射された光は集光レンズ17により集光され、受光素子19により光量変化を電気的に変換して出力する。
なお、読み取り精度向上の為、受光素子19の前面にはバンドパスフィルタ(BPF)21を設けて発光光周波数以外の不要な光の採光を防止している。
【0005】
斯かる読み取り方式を装置化したものとして図6に示すバーコードリーダ用可動ミラーの駆動制御装置が提供されている。
この可動ミラー駆動機構の構成は、図例の如く、筐体23内に設けた揺動自在な可動ミラー5と、この可動ミラー5に固設したマグネット11と、このマグネット11に磁力を作用させて可動ミラー5を揺動させる駆動コイル13と、可動ミラー5に反射した発光素子1からのレーザ光Lbを筐体23の外部へ出射させ且つバーコード9からの戻り光を筐体23内に取り込む投受光開口部25と、戻り光を受光する受光素子(図示せず)とを備える。
そして、筐体23を図示しないフレーム内に収めることでバーコードリーダを構成していた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
可動ミラー駆動機構は、駆動コイルに交番電流(例えば20Hz程度)を流すことで可動ミラーを揺動させる。ところで、可動ミラーの揺動系は固有の共振周波数を有する。したがって、可動ミラーの揺動は、この共振周波数で駆動すれば駆動エネルギーが少なく、最も効率的となる。ところが、可動ミラーの揺動系は、共振周波数が例えば20Hzとなるように設計条件を設定した場合であっても、実際には揺動系の質量バランスや摩擦抵抗等の機械的損失によって、目的の共振周波数からずれたものとなることが多い。このような揺動系をその固有共振周波数と異なる周波数で駆動すれば、本来以上の駆動エネルギーが必要になり、その上、揺動動作が不安定となり、可動ミラーが正規の振れ角で揺動しない事態が発生する。このような状況となれば、バーコードへの走査が不安定となり、バーコード読み取り精度を低下させる問題が生じる。
そこで、駆動コイル13に対して相対移動するマグネット11によって生じる図7に示す逆起電力を検知し、この逆起電力から可動ミラーの駆動周波数を得、可動ミラーの揺動状態に応じたタイミングで駆動コイルに駆動電流を流す駆動制御が行われている。従来、この種の制御を行うための逆起電力の検知は、一つの駆動コイルを共用することで行っていた。つまり、一つの駆動コイルで駆動及び駆動周波数の検出を行っていた。
しかしながら、一つのコイルを共用するため、小型化には適するものの、駆動に必要なコイル巻き数に対して、逆起電力の検出に必要なコイル巻き数が数倍多いため、一つのコイルを用いて両機能を満足させる場合には、少なくとも逆起電力の検出に必要な分を巻く必要があり、駆動力を得る観点からすると無駄な巻き数が必要になった。また、一つのコイルを共用するため、それぞれの目的に適した線径を選択することができず、それぞれのコイルの最適化に限界があり、高効率のコイルを得ることができなかった。さらに、駆動コイルに誘起する逆起電力は微弱であることから、検出信号が不安定となるため、ノイズ対策回路が必要となり、微弱信号の増幅回路とも相俟って、回路構成が複雑となる欠点があった。これに対し、可動ミラーにマグネット27を設け、これを磁気センサー29で位置検出する可動ミラーの駆動制御方法もあるが、構成部品数が多く、装置の小型化に対しては不利となった。
本発明は上記状況に鑑みてなされたもので、装置の小型化が可能となるとともに、可動ミラー駆動動作の信頼性を高めることができるバーコードリーダ用可動ミラーの駆動制御方法及びバーコードリーダを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明に係る請求項1記載のバーコードリーダ用可動ミラーの駆動制御方法は、発光素子から出射したレーザ光を可動ミラーで反射させ、前記可動ミラーを揺動させることで前記レーザ光を被照射対象に走査し、且つ該被照射対象からの戻り光を前記可動ミラーに反射させて受光素子に取り込むバーコードリーダ用可動ミラーの駆動制御方法であって、前記発光素子から出射されて前記可動ミラーで反射されたレーザ光を光検出器により検出し、該検出値から前記可動ミラーの位相差を得、前記可動ミラーを駆動する駆動コイルを、該位相差に基づき駆動制御することを特徴とする。
【0008】
このバーコードリーダ用可動ミラーの駆動制御方法では、発光素子から出射されて可動ミラーで反射されたレーザ光が光検出器により検出され、この検出値から可動ミラーの位相差が得られる。可動ミラーを駆動する駆動コイルを、この位相差に基づき駆動制御することで、可動ミラーにマグネットを設け、これを磁気センサーで検出する従来方法に比べ、構成部品数が少なくなり、装置の小型化が容易となる。また、光検出器によりレーザ光を検出するので、駆動コイルに誘起する逆起電力を検出する従来方法に比べ、回路構成が簡素になり、しかも、安定した位相差が得られる。
【0009】
請求項2記載のバーコードリーダは、発光素子から出射したレーザ光を可動ミラーで反射させ、前記可動ミラーを揺動させることで前記レーザ光を被照射対象に走査し、且つ該被照射対象からの戻り光を前記可動ミラーに反射させて受光素子に取り込むバーコードリーダであって、前記発光素子から出射されて前記可動ミラーで反射されたレーザ光を検出する光検出器と、前記可動ミラーを駆動する駆動コイルと、該駆動コイルへ駆動信号を送出する駆動信号発生回路と、前記光検出器の検出信号と前記駆動コイルへの出力信号との時間的な差を位相差として検出・演算し、前記駆動コイルへ出力する駆動信号のフィードバック制御を行う位相制御回路とを具備したことを特徴とする。
【0010】
このバーコードリーダでは、位相差に応じた駆動電流が駆動コイルに出力可能となり、それぞれの可動ミラーごとに異なる位相差のバラツキが吸収されて、その装置固有の最も効率の良い、消費電力の少ない状態での可動ミラーの駆動が可能となる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るバーコードリーダ用可動ミラーの駆動制御方法及びバーコードリーダの好適な実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
図1は本発明に係るバーコードリーダの要部構成図、図2は制御部のブロック図、図3は本発明におけるコイル印加信号とミラー変位との位相差を表すグラフ、図4は本発明におけるコイル印加信号とフォトダイオード出力信号との位相差を表すグラフである。
【0012】
本実施の形態によるバーコードリーダ31は、筐体33と、この筐体33内に設けた発光素子35と、筐体33内に設けた揺動自在な可動ミラー37と、可動ミラー37に固設した磁性体であるマグネット39と、このマグネット39に磁力を作用させて可動ミラー37を揺動させる駆動コイル41と、可動ミラー37に反射した発光素子35からのレーザ光Lbを筐体33の外部へ出射させ且つ被照射対象であるバーコードからの戻り光を筐体33内に取り込む投受光開口部43と、可動ミラー37に反射した戻り光を受光する受光素子(図示せず)とを、従来と同様の基本動作を行うための部材として有している。
【0013】
バーコードリーダ31は、さらに、筐体内部の投受光開口部43の近傍に設けられた光検出器であるフォトダイオード45と、このフォトダイオード45と上記の駆動コイル41とに接続される制御部47とを具備している。
【0014】
ここで、レーザ光Lbは、投受光開口部43から出射されることで、レーザ照射範囲49が一定のものとなる。可動ミラー37は、筐体33の内部において、投受光開口部43より広い範囲で揺動される。従って、投受光開口部43を外れて照射されたレーザ光Lbは、筐体33の内壁をレーザ未照射範囲51a、51bとなって照射する。上記のフォトダイオード45は、このうち、一方のレーザ未照射範囲51aに配設され、レーザ光Lbを受光可能にしている。
【0015】
制御部47は、駆動コイルへ駆動信号を送出する駆動信号発生回路53と、フォトダイオード45の検出信号と駆動コイル41への出力信号との時間的な差を位相差として検出・演算し、駆動コイル41へ出力する駆動信号のフィードバック制御を行う位相制御回路55と、増幅回路57とからなる。制御部47は、駆動信号を位相制御回路55にフィードバックして、目標値に相当する基準信号と比較することで、制御量と目標値との差異を自動的に調節する。
【0016】
バーコードリーダ31では、駆動コイル41に、駆動信号発生回路53から一定周期で正負の電流(交番電流)を流すことで、駆動コイル41に対しマグネット39を吸着・反発させ、揺動中心軸を支軸にして可動ミラー37が揺動する。可動ミラー37の揺動により、レーザ光Lbがレーザ未照射範囲51aに到達すると、フォトダイオード45により検出信号が出力される。この検出信号を検知して得た波形から可動ミラー37の駆動周波数を得ることができる。
【0017】
ここで、駆動コイル41へ駆動信号が印加された時と、可動ミラー37が実際に揺動する時とには、図3に示すように、時間的な差(位相差)が生じる。この位相差は、可動ミラー37等の質量のバラツキや環境温度により、その物体が持つ固有周波数(共振周波数)の変化に伴って変化する。そして、この位相差は、図4に示すように、駆動信号と、フォトダイオード出力信号とによって得ることができる。
【0018】
即ち、本実施の形態によるバーコードリーダ用可動ミラーの駆動制御方法は、発光素子35から出射されて可動ミラー37で反射されたレーザ光Lbを、フォトダイオード45により検出し、この検出値から可動ミラー37の位相差を得、可動ミラー37を駆動する駆動コイル41を、位相差に基づき駆動制御することとしている。
【0019】
バーコードリーダ31は、フォトダイオード45にて得た駆動周波数に基づき、制御部47によってフィードバック制御を行いながら最適なタイミングで駆動コイル41に駆動信号を流す。
【0020】
このように、上記の実施の形態による駆動制御方法及びバーコードリーダ31によれば、発光素子35から出射されて可動ミラー37で反射されたレーザ光Lbがフォトダイオード45により検出され、この検出値から可動ミラー37の位相差が得られる。可動ミラー37を駆動する駆動コイル41を、この位相差に基づき駆動制御することで、可動ミラー37にマグネットを設け、これを磁気センサーで検出する従来方法に比べ、構成部品数が少なくなり、装置の小型化が容易となる。また、フォトダイオード45によりレーザ光Lbを検出するので、駆動コイル41に誘起する逆起電力を検出する従来方法に比べ、回路構成が簡素になり、しかも、安定した位相差の検出が可能となる。
【0021】
更に、位相差に応じた駆動電流が駆動コイル41に出力可能となり、それぞれの可動ミラー37ごとに異なる位相差のバラツキが吸収されて、その装置固有の最も効率の良い、消費電力の少ない状態で可動ミラー37の駆動が可能となる。
【0022】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明に係るバーコードリーダ用可動ミラーの駆動制御方法によれば、発光素子から出射されて可動ミラーで反射されたレーザ光を光検出器により検出し、この検出値から可動ミラーの位相差を得、可動ミラーを駆動する駆動コイルを、この位相差に基づき駆動制御するので、可動ミラーにマグネットを設け、これを磁気センサーで検出する従来方法に比べ、構成部品数を少なくでき、装置の小型化が容易となる。また、光検出器によりレーザ光を検出するので、駆動コイルに誘起する逆起電力を検出する従来方法に比べ、回路構成を簡素にでき、しかも、安定した位相差を得ることができる。この結果、装置のコンパクト化が可能となるとともに、可動ミラー駆動動作の信頼性を高めることができる。
【0023】
本発明に係るバーコードリーダ用可動ミラーの駆動制御装置によれば、駆動コイルへ駆動信号を送出する駆動信号発生回路と、光検出器の検出信号と駆動コイルへの出力信号との時間的な差を位相差として検出・演算し、前記駆動コイルへ出力する駆動信号のフィードバック制御を行う位相制御回路とを備えたので、位相差に応じた駆動電流を駆動コイルに流すことができ、それぞれの可動ミラーごとに異なる位相差のバラツキを吸収して、その装置固有の最も効率の良い、消費電力の少ない状態での可動ミラーの駆動を可能にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るバーコードリーダの要部構成図である。
【図2】本発明に係るバーコードリーダの制御部のブロック図である。
【図3】本発明におけるコイル印加信号とミラー変位との位相差を表すグラフである。
【図4】本発明におけるコイル印加信号とフォトダイオード出力信号との位相差を表すグラフである。
【図5】従来の光読み取り方式を説明する概念図である。
【図6】従来のバーコードリーダの要部構成図である。
【図7】駆動コイルによって検出した逆起電力の波形を表す説明図である。
【符号の説明】
31…バーコードリーダ、35…発光素子、37…可動ミラー、41…駆動コイル、45…光検出器、53…駆動信号発生回路、55…位相制御回路、Lb…レーザ光
Claims (2)
- 発光素子から出射したレーザ光を可動ミラーで反射させ、前記可動ミラーを揺動させることで前記レーザ光を被照射対象に走査し、且つ該被照射対象からの戻り光を前記可動ミラーに反射させて受光素子に取り込むバーコードリーダ用可動ミラーの駆動制御方法であって、
前記発光素子から出射されて前記可動ミラーで反射されたレーザ光を光検出器により検出し、該検出値から前記可動ミラーの位相差を得、前記可動ミラーを駆動する駆動コイルを、該位相差に基づき駆動制御することを特徴とするバーコードリーダ用可動ミラーの駆動制御方法。 - 発光素子から出射したレーザ光を可動ミラーで反射させ、前記可動ミラーを揺動させることで前記レーザ光を被照射対象に走査し、且つ該被照射対象からの戻り光を前記可動ミラーに反射させて受光素子に取り込むバーコードリーダであって、
前記発光素子から出射されて前記可動ミラーで反射されたレーザ光を検出する光検出器と、
前記可動ミラーを駆動する駆動コイルと、
該駆動コイルへ駆動信号を送出する駆動信号発生回路と、
前記光検出器の検出信号と前記駆動コイルへの出力信号との時間的な差を位相差として検出・演算し、前記駆動コイルへ出力する駆動信号のフィードバック制御を行う位相制御回路と
を具備したことを特徴とするバーコードリーダ。
Priority Applications (1)
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JP2002234348A JP2004077575A (ja) | 2002-08-12 | 2002-08-12 | バーコードリーダ用可動ミラーの駆動制御方法及びバーコードリーダ |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2002234348A JP2004077575A (ja) | 2002-08-12 | 2002-08-12 | バーコードリーダ用可動ミラーの駆動制御方法及びバーコードリーダ |
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JP2004077575A true JP2004077575A (ja) | 2004-03-11 |
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ID=32019180
Family Applications (1)
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JP2002234348A Pending JP2004077575A (ja) | 2002-08-12 | 2002-08-12 | バーコードリーダ用可動ミラーの駆動制御方法及びバーコードリーダ |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2004077575A (ja) |
-
2002
- 2002-08-12 JP JP2002234348A patent/JP2004077575A/ja active Pending
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