JP2004076756A - Sliding bearing - Google Patents

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JP2004076756A
JP2004076756A JP2002233384A JP2002233384A JP2004076756A JP 2004076756 A JP2004076756 A JP 2004076756A JP 2002233384 A JP2002233384 A JP 2002233384A JP 2002233384 A JP2002233384 A JP 2002233384A JP 2004076756 A JP2004076756 A JP 2004076756A
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dlc
dlc layer
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sliding bearing
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Japanese (ja)
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Takehisa Kida
気田 健久
Kazuhisa Kitamura
北村 和久
Kazunori Hayashida
林田 一徳
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Koyo Seiko Co Ltd
Original Assignee
Koyo Seiko Co Ltd
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Abstract

<P>PROBLEM TO BE SOLVED: To provide a sliding bearing having suppressed seizure, wear and corrosion in long-time use under the circumstances of high speed oscillation, high load and high temperature. <P>SOLUTION: The sliding bearings 5, 6 are mounted between each of shaft members of a crank shaft 1 and a piston pin 4 and each of cylindrical members of a large end portion 2a and a small end portion 2b of a connecting rod 2 externally fitted thereto in a peripherally displaceable manner, A W-DLC layer 3 is provided on a surface where sliding contact occurs. <P>COPYRIGHT: (C)2004,JPO

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばクランクシャフトやコネクティングロッドなどの摺動部に用いられるすべり軸受に関する。
【0002】
【従来の技術】
エンジンのクランクシャフトとこれに対して揺動可能に外嵌されるコネクティングロッドのクランク側端部(大端部)との間には、一般に、すべり軸受が介装されている。このようなすべり軸受には、金属製であるすべり軸受本体の表面に、初期摩耗を防止するためのなじみ層が設けられている程度である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような設置箇所の場合、高速揺動、高荷重、高温の環境となるために、前記なじみ層が早期の段階で消失しやすく、その寿命が短くなるおそれがある。
【0004】
本発明は、すべり軸受において、このような箇所に設置されても、その長寿命化を達成することを解決すべき課題としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、相対変位可能な軸状部材と該軸状部材に対して同軸状に外挿される外側部材との間に介装され、当該すべり軸受本体の少なくとも表面層が潤滑性を有する銅系あるいはアルミニウム系軟質金属からなるとともに、前記両部材の少なくとも一方と摺動する前記軟質金属上にDLC層が形成されているすべり軸受であって、前記DLC層がタングステンを含有し、前記軟質金属表面とDLC層との間に密着力を向上させる中間層として、前記すべり軸受本体側のNi系合金層とDLC層側のCr層とからなる2層構造が設けられていることを特徴とする。
【0006】
前記軸状部材には、内燃機関例えばエンジンにおけるクランクシャフトやピストンピンがあり、また、これに対して前記外側部材には、コネクティングロッドの大端部や小端部があるが、本発明はこれに限定されるものではなく、前記関係を有する軸状部材や外側部材のすべてに適用される。
【0007】
本発明によると、すべり接触を生じる面に低摩擦で耐焼き付き性、耐摩耗性、耐腐食性に優れたDLC層が設けられているから、エンジンのクランクシャフトとこれに対して揺動可能に外嵌されるコネクティングロッドのクランク側端部(大端部)との間や、コネクティングロッドのピストン側端部(小端部)とピストンピンとの間に介装されるすべり軸受のように、高速揺動、高荷重、高温の環境下に適用されるすべり軸受では、特に、その長寿命化を達成できるようになる。また、軸受本体の表面層が潤滑性を有する銅系あるいはアルミニウム系合金であるため、DLC層が摩耗等で消失した後も寿命の延長ができる。
【0008】
上記において、前記DLC層を金属表面上に設ける場合、高荷重あるいは高速回転等の厳しい使用条件では密着力が十分ではなく、DLC層が早期に剥離する問題があった。しかしながら、本発明では、DLC層中に金属元素であるタングステンを含有させているため、金属表面への密着力が向上し、すべり軸受の耐久性が向上する。
【0009】
また、銅系あるいはアルミニウム系で代表される軟質系金属の上にDLC層を設ける場合、接触荷重による軟質金属の変形に対して、硬質膜であるDLC層が追従できずに剥離する問題があった。しかしながら、本発明では中間層として設けたNi系金属層とCr層の硬さが、軟質金属とDLC層の硬さの中間であるため、軟質系金属の変形に対する緩和層となる。また、Ni系合金と銅系あるいはアルミニウム系金属、Ni系合金とCr、CrとDLC層はそれぞれなじみやすいため、結果としてすべり軸受本体とDLC層との密着力が向上する。
【0010】
なお、好ましくは前記Ni系合金層の厚みを1〜20μmに、また、前記Cr層の厚みを0.4〜0.6μmに設定するとよい。ここで、Ni系合金層およびCr層について、それぞれの規定膜厚以下では、変形に対する緩和、および、なじみの効果がなくなり、規定膜厚以上ではその効果が飽和してかつ処理(コーティング)コストが高くつく。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の詳細を図面に示す実施形態に基づいて説明する。
【0012】
図1および図2は、本実施形態を示す。図1は、本実施形態のすべり軸受が適用されるエンジン要部の分解斜視図、図2は、図1のすべり軸受の特殊被膜5b,6bの拡大断面図である。
【0013】
図1において、1は、クランクシャフト、2は、コネクティングロッド、3は、ピストン、4は、ピストンピン、5および6は、すべり軸受を示す。コネクティングロッド2の2分割大端部2aは、クランクシャフト1にボルトナットで固定され、小端部2bは、ピストン3にピストンピン4で接続されている。
【0014】
一方のすべり軸受5は、半円弧状に2分割された構造を有し、クランクシャフト1とコネクティングロッド2の大端部2aとの間に介装され、他方のすべり軸受6は、円筒構造を有し、コネクティングロッド2の小端部2bとピストンピンとの間に介装されている。
【0015】
そして、このようなすべり軸受5,6は、それぞれ、すべり軸受本体5a,6aの表面に特殊被膜5b,6bが形成されて構成されている。
【0016】
図2を参照して、前記特殊被膜5b,6bについて説明する。
【0017】
すべり軸受本体5a,6aは、軟鋼、構造用鋼などからなる裏金の表面に対して銅系、アルミニウム系、銅−アルミニウム系の合金層が接着されて構成されている。
【0018】
特殊被膜5b,6bは、すべり軸受本体5a,6aの表面から上に向けて中間層としてニッケル(Ni)合金層b1、クロム(Cr)層b2、およびタングステンを含有したダイアモンドライクカーボン層b3とを含む。なお、説明の都合で、タングステンを含有したダイアモンドライクカーボン層をW−DLC層といい、タングステンを含有しないダイアモンドライクカーボン層をDLC層といって、両者を区別する。
【0019】
Ni合金層b1およびCr層b2は、すべり軸受本体5a,6aとW−DLC層b3との密着性を向上するためのものである。W−DLC層b3は、Cr層b2側に向けてタングステン量を豊富とする組成に設定されている。これによって、結果的に、表面側へ向けてカーボン量が豊富となる。この特殊被膜5b,6bは、めっき法、物理蒸着(PVD)法、化学蒸着(CVD)法、プラズマCVD法、イオンビーム形成法、イオン化蒸着法などにより形成することができる。その際、Ni合金層b1と、Cr層b2と、W−DLC層b3とをこの記載順に順次形成する。
【0020】
ここで、めっき法によるNi合金層b1とPVD法の一例であるスパッタリング法によるCr層b2、W−DLC層b3の生成方法を説明する。
【0021】
まず、めっき法によりNi合金層b1を生成するにあたっては、すべり軸受本体5a,6aを有機溶剤洗浄、酸処理、電解洗浄を施した後、電解ニッケルめっきによりサブミクロン程度のニッケル層を形成し、ついでニッケルめっき浴に浸漬して無電解めっきを行う。これらにより、すべり軸受本体5a,6aのすべり面10にNi合金層b1が1〜20μm、より好ましくは1〜5μmの厚みで形成される。
【0022】
次に、スパッタ法によりCr層b2を生成するにあたってはターゲットとしてCrを、また、導入ガスとしてArガスを用いる。そして、チャンバ内圧力を10−3〜10〔Torr〕程度とし、放電電圧100〜500〔V〕、電流0.5〜5〔A〕にして放電処理を行う。これにより、すべり軸受本体5a,6aのすべり接触面10にCr層が0.4〜0.6μmの厚みで形成される。
【0023】
次に、このCr層b2の上に、W−DLC層b3を生成するにあたっては、ターゲットとしてタングステンカーバイド(WC)またはタングステン(W)を、また、導入ガスとしてArガス、炭化水素ガスを用いる。そして、チャンバ内圧力を10−3〜10〔Torr〕程度とし、放電処理を行う。なお、成膜中に炭化水素ガスの量の増加あるいはシャッターによるターゲットへの遮蔽などによってカーボン(C)量を豊富にさせる。
【0024】
ところで、特殊被膜5b,6bは、例えば、W−DLC層b3を1.0μm以上とし、また、硬さは、ビッカース硬さ(Hv)で1000〜2000とされ、さらに最表面の粗さは、Ra(中心線平均粗さ)で0.1μm以下に管理される。ただし、特殊被膜5b,6bを対象部品に部分的に形成する場合には、適宜マスキングを施せばよい。
【0025】
以上説明したすべり軸受5,6では、内外のすべり接触面に対してNi合金層b1とCr層b2とW−DLC層b3とからなる特殊被膜5b,6bを被覆していて、各層相互の原子間の強固な結合により、W−DLC層b3をすべり軸受本体5a,6aのすべり接触面に対して強固に密着して被覆させることができる。そのため、すべり軸受5,6はすべり接触する相手部材との間に潤滑成分が存在していなくても、すべり接触性が良好に保たれて長期にわたって安定するとともに、W−DLC層b3が剥離しにくくなって耐久性が向上するなど、信頼性向上に大きく貢献できるようになる。
【0026】
また、すべり軸受本体の表面層が潤滑性を有する銅系あるいはアルミニウム系金属であるため、DLC層が摩耗等で消失した後も寿命の延長ができる。
【0027】
ところで、上述した特殊被膜5b,6bについては、図3に示すような構造とすることができる。この特殊被膜5b,6bは、すべり軸受本体5a,6aの表面から上に向けて、Ni合金層b1とCr層b2とからなる中間層と、タングステン・カーバイト(WC)層b4とDLC層b3’とからなる。なお、図3では、DLC層b3’の上に、さらにWC層b4とDLC層b3’とを交互に所要数積層することにより階層構造としている。しかも、この実施の形態では図3に誇張して示すように、各WC層b4の膜厚が金属母材側から最表面側へ向けて漸次薄く設定されている。各DLC層b3’の膜厚が、金属母材側から最表面側へ向けて漸次厚く設定されている。
【0028】
ここで、図3を参照して主にPVD法の一例であるスパッタリング法による特殊被膜5b,6bの生成方法を説明する。ここで、中間層の生成工程については、上述しているから、説明を割愛する。
【0029】
WC層b4を生成するにあたってはターゲットとしてタングステン・カーバイト(WC)またはタングステン(W)を、また、導入ガスとしてArガスを用いる。そして、チャンバ内圧力を10−3〜10〔Torr〕程度とし、放電電圧200〜700〔V〕、電流2〜10〔A〕にして放電処理を行う。これにより、Cr層上に非晶質炭素からなるWC層b4が形成される。
【0030】
次に、DLC層b3’を生成するにあたっては、導入ガスとしてArガス、炭化水素ガスなどを用い、放電電圧200〜700〔V〕、電流2〜10〔A〕にして放電処理を行う。これによって、WC層b4上にDLC層b3’が積層されることになる。
【0031】
この後、DLC層b3’上に、図3で示すように、WC層b4とDLC層b3’とを交互に所要数積層することにより、階層構造とする。このとき、WC層b4の膜厚が、すべり軸受本体5a,6a側から最表面側へ向けて漸次薄く設定されるとともに、各DLC層b3’の膜厚がすべり軸受本体5a,6a側から最表面側へ向けて漸次厚く設定される。これら各層は、境界面でできるものではなく、原子レベルで相互に拡散して結合したものとなる。
【0032】
以上説明した特殊被膜5b,6bでも、上述した図2に示す特殊被膜5b,6bと同様にすべり接触面10に対する密着性が向上し、最上層であるDLC層b3’が持つ耐摩耗性などが長期にわたって遺憾なく発揮されることになる。したがって、すべり軸受7,8としては、DLC層b3’が剥離しにくくなって耐久性が向上するなど、信頼性向上に大きく貢献できるようになる。
【0033】
なお、W−DLC層b3やDLC層b3’はグラファイト構造(SP2)とダイアモンド構造(結合:SP3)とが共存しており、それを構成する炭素原子相互の結合力が強いので、それ自身の摩耗や損傷が発生しにくくなるとともに、硬質であって表面平滑性に優れているから、すべり接触動作がきわめて円滑になり、摩耗が生じにくくなる。
【0034】
また、必要に応じて、すべり軸受の内部には、パーフルオロポリエーテル(PFPE)などの含ふっ素重合体からなる潤滑油やグリースなどを塗布または封入する形態で使用してもよい。この場合には、W−DLC層b3やDLC層b3’が、すべり軸受内部に塗布されるふっ素系潤滑剤の濡れ性がきわめて良好であるので、仮にW−DLC層b3やDLC層b3’表面の潤滑油層が途切れにくくなる。万一、潤滑油層が途切れたとしても、W−DLC層b3やDLC層b3’によってすべり軸受本体と相手部材との直接接触を防止することができる。
【0035】
本発明は、上述の実施の形態に限定されず、以下の変形が考えられる。
【0036】
(1)中間層は、省略してもよいし、単層だけでもよいし、3層以上でもよい。
【0037】
(2)すべり軸受本体5a,6aの表面に単にタングステンを含有しないDLC層b3’だけを設けてもよい。
【0038】
【発明の効果】
本発明によれば、高速揺動、高荷重、高温の厳しい環境下に設置されても、その長寿命化を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態のすべり軸受が適用されるエンジン、クランクシャフト、コネクティングロッドの分解斜視図
【図2】図1のすべり軸受の特殊被膜の部分拡大断面図
【図3】図1の特殊被膜の変形を示す部分拡大断面図
【符号の説明】
1 クランクシャフト
2 コネクティングロッド
3 ピストン
4 ピストンピン
5,6 すべり軸受
5a,6a すべり軸受本体
5b,6b 特殊被膜
b1  Ni層
b2  Cr層
b3  W−DLC層
b3’ DLC層
[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a slide bearing used for a sliding portion such as a crankshaft and a connecting rod.
[0002]
[Prior art]
In general, a slide bearing is interposed between a crankshaft of an engine and a crank-side end (large end) of a connecting rod which is swingably fitted to the crankshaft. In such a sliding bearing, only a conforming layer for preventing initial wear is provided on the surface of a sliding bearing body made of metal.
[0003]
[Problems to be solved by the invention]
In the case of the installation location as described above, since the environment becomes a high-speed swing, a high load, and a high temperature, the conformable layer is likely to disappear at an early stage, and its life may be shortened.
[0004]
An object of the present invention is to solve the problem of extending the life of a plain bearing even if it is installed in such a location.
[0005]
[Means for Solving the Problems]
The present invention relates to a copper-based material which is interposed between a relatively displaceable shaft member and an outer member coaxially extrapolated to the shaft member, wherein at least a surface layer of the slide bearing body has lubricity. Alternatively, the sliding bearing is made of an aluminum-based soft metal and has a DLC layer formed on the soft metal sliding on at least one of the two members, wherein the DLC layer contains tungsten, and the soft metal surface And a DLC layer, wherein a two-layer structure including a Ni-based alloy layer on the slide bearing body side and a Cr layer on the DLC layer side is provided as an intermediate layer for improving adhesion.
[0006]
The shaft member includes a crankshaft and a piston pin in an internal combustion engine such as an engine, and the outer member includes a large end portion and a small end portion of a connecting rod. However, the present invention is not limited to this, and is applied to all of the shaft-like members and the outer members having the above relationship.
[0007]
According to the present invention, since the DLC layer having low friction and excellent seizure resistance, abrasion resistance, and corrosion resistance is provided on the surface where the sliding contact occurs, the crankshaft of the engine and the swingable with respect to the crankshaft are provided. Like a sliding bearing interposed between the connecting rod on the crank side (large end) and the piston end (small end) of the connecting rod and the piston pin. In the case of a sliding bearing that is applied in an oscillating, high-load, high-temperature environment, it is possible to achieve a particularly long life. Further, since the surface layer of the bearing body is made of a copper-based or aluminum-based alloy having lubricity, the life can be extended even after the DLC layer has disappeared due to wear or the like.
[0008]
In the above, when the DLC layer is provided on a metal surface, there is a problem that the adhesion is not sufficient under severe use conditions such as high load or high speed rotation, and the DLC layer peels off early. However, in the present invention, since the metal element tungsten is contained in the DLC layer, the adhesion to the metal surface is improved, and the durability of the plain bearing is improved.
[0009]
Further, when a DLC layer is provided on a soft metal represented by a copper-based or aluminum-based metal, there is a problem that the DLC layer, which is a hard film, cannot follow the deformation of the soft metal due to a contact load and peels off. Was. However, in the present invention, the hardness of the Ni-based metal layer and the Cr layer provided as the intermediate layer is intermediate between the hardness of the soft metal and the hardness of the DLC layer. Further, since the Ni-based alloy and the copper-based or aluminum-based metal, the Ni-based alloy and the Cr, and the Cr and the DLC layer are easily compatible with each other, the adhesion between the sliding bearing body and the DLC layer is improved as a result.
[0010]
Preferably, the thickness of the Ni-based alloy layer is set to 1 to 20 μm, and the thickness of the Cr layer is set to 0.4 to 0.6 μm. Here, when the Ni-based alloy layer and the Cr layer are less than the respective specified thicknesses, the effects of relaxation to deformation and conformity are lost, and when the thickness is more than the specified thicknesses, the effects are saturated and the processing (coating) cost is reduced. Expensive.
[0011]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
The details of the present invention will be described based on an embodiment shown in the drawings.
[0012]
1 and 2 show this embodiment. FIG. 1 is an exploded perspective view of an essential part of an engine to which the slide bearing of the present embodiment is applied, and FIG. 2 is an enlarged sectional view of special coatings 5b and 6b of the slide bearing of FIG.
[0013]
In FIG. 1, 1 is a crankshaft, 2 is a connecting rod, 3 is a piston, 4 is a piston pin, and 5 and 6 are plain bearings. The two-part large end 2a of the connecting rod 2 is fixed to the crankshaft 1 with bolts and nuts, and the small end 2b is connected to the piston 3 by a piston pin 4.
[0014]
One of the sliding bearings 5 has a structure divided into two in a semicircular arc shape, is interposed between the crankshaft 1 and the large end 2a of the connecting rod 2, and the other sliding bearing 6 has a cylindrical structure. And is interposed between the small end 2b of the connecting rod 2 and the piston pin.
[0015]
The sliding bearings 5 and 6 are configured by forming special coatings 5b and 6b on the surfaces of the sliding bearing bodies 5a and 6a, respectively.
[0016]
The special coatings 5b and 6b will be described with reference to FIG.
[0017]
The sliding bearing bodies 5a and 6a are configured by bonding a copper-based, aluminum-based, or copper-aluminum-based alloy layer to the surface of a back metal made of mild steel, structural steel, or the like.
[0018]
The special coatings 5b and 6b include a nickel (Ni) alloy layer b1, a chromium (Cr) layer b2, and a diamond-like carbon layer b3 containing tungsten as intermediate layers from the surfaces of the sliding bearing bodies 5a and 6a upward. Including. For convenience of explanation, a diamond-like carbon layer containing tungsten is referred to as a W-DLC layer, and a diamond-like carbon layer containing no tungsten is referred to as a DLC layer.
[0019]
The Ni alloy layer b1 and the Cr layer b2 are for improving the adhesion between the plain bearing bodies 5a, 6a and the W-DLC layer b3. The W-DLC layer b3 is set to have a composition in which the amount of tungsten is increased toward the Cr layer b2. As a result, the amount of carbon is increased toward the surface. The special coatings 5b and 6b can be formed by a plating method, a physical vapor deposition (PVD) method, a chemical vapor deposition (CVD) method, a plasma CVD method, an ion beam forming method, an ionization vapor deposition method, or the like. At this time, the Ni alloy layer b1, the Cr layer b2, and the W-DLC layer b3 are sequentially formed in this order.
[0020]
Here, a method of forming the Ni alloy layer b1 by the plating method and the Cr layer b2 and the W-DLC layer b3 by the sputtering method, which is an example of the PVD method, will be described.
[0021]
First, when the Ni alloy layer b1 is generated by plating, the slide bearing bodies 5a and 6a are subjected to organic solvent cleaning, acid treatment, and electrolytic cleaning, and then a nickel layer of about submicron is formed by electrolytic nickel plating. Then, it is immersed in a nickel plating bath to perform electroless plating. As a result, the Ni alloy layer b1 is formed with a thickness of 1 to 20 μm, more preferably 1 to 5 μm on the sliding surface 10 of the sliding bearing bodies 5a and 6a.
[0022]
Next, when generating the Cr layer b2 by the sputtering method, Cr is used as a target, and Ar gas is used as an introduction gas. Then, the discharge process is performed by setting the pressure in the chamber at about 10-3 to 10 [Torr], the discharge voltage at 100 to 500 [V], and the current at 0.5 to 5 [A]. Thereby, the Cr layer is formed on the sliding contact surface 10 of the sliding bearing bodies 5a, 6a with a thickness of 0.4 to 0.6 μm.
[0023]
Next, in forming the W-DLC layer b3 on the Cr layer b2, tungsten carbide (WC) or tungsten (W) is used as a target, and Ar gas and hydrocarbon gas are used as an introduction gas. Then, the pressure in the chamber is set to about 10-3 to 10 [Torr], and the discharge process is performed. During the film formation, the amount of carbon (C) is increased by increasing the amount of hydrocarbon gas or shielding the target by a shutter.
[0024]
By the way, the special coatings 5b and 6b have, for example, a W-DLC layer b3 of 1.0 μm or more, a hardness of 1000 to 2000 in Vickers hardness (Hv), and a roughness of the outermost surface of Ra (center line average roughness) is controlled to 0.1 μm or less. However, when the special coatings 5b and 6b are partially formed on the target component, masking may be appropriately performed.
[0025]
In the sliding bearings 5 and 6 described above, the inner and outer sliding contact surfaces are covered with the special coatings 5b and 6b composed of the Ni alloy layer b1, the Cr layer b2, and the W-DLC layer b3. Due to the strong connection therebetween, the W-DLC layer b3 can be firmly adhered and coated on the sliding contact surfaces of the sliding bearing bodies 5a, 6a. Therefore, even if there is no lubricating component between the sliding bearings 5 and 6 and the mating member that makes sliding contact, the sliding bearings 5 and 6 maintain good sliding contact and are stable for a long period of time, and the W-DLC layer b3 peels off. This makes it possible to greatly contribute to the improvement of reliability, for example, the durability is improved.
[0026]
Further, since the surface layer of the sliding bearing body is made of a lubricating copper-based or aluminum-based metal, the life can be extended even after the DLC layer has disappeared due to abrasion or the like.
[0027]
Meanwhile, the above-mentioned special coatings 5b and 6b can have a structure as shown in FIG. The special coatings 5b and 6b are formed from the surfaces of the sliding bearing bodies 5a and 6a upward, from an intermediate layer composed of a Ni alloy layer b1 and a Cr layer b2, a tungsten carbide (WC) layer b4 and a DLC layer b3. ' Note that in FIG. 3, a required number of WC layers b4 and DLC layers b3 'are alternately stacked on the DLC layer b3' to form a hierarchical structure. Moreover, in this embodiment, as exaggeratedly shown in FIG. 3, the thickness of each WC layer b4 is set to be gradually smaller from the metal base material side to the outermost surface side. The thickness of each DLC layer b3 'is set to be gradually larger from the metal base material side to the outermost surface side.
[0028]
Here, a method of forming the special coatings 5b and 6b by a sputtering method, which is an example of the PVD method, will be mainly described with reference to FIG. Here, since the step of forming the intermediate layer has been described above, the description is omitted.
[0029]
In forming the WC layer b4, tungsten carbide (WC) or tungsten (W) is used as a target, and Ar gas is used as an introduction gas. Then, the discharge process is performed by setting the pressure in the chamber at about 10 −3 to 10 [Torr], the discharge voltage at 200 to 700 [V], and the current at 2 to 10 [A]. Thus, a WC layer b4 made of amorphous carbon is formed on the Cr layer.
[0030]
Next, in generating the DLC layer b3 ', a discharge treatment is performed at a discharge voltage of 200 to 700 [V] and a current of 2 to 10 [A] using Ar gas, hydrocarbon gas, or the like as an introduced gas. As a result, the DLC layer b3 'is laminated on the WC layer b4.
[0031]
Thereafter, as shown in FIG. 3, a required number of WC layers b4 and DLC layers b3 'are alternately stacked on the DLC layer b3' to form a hierarchical structure. At this time, the thickness of the WC layer b4 is set to be gradually thinner from the sliding bearing bodies 5a and 6a to the outermost surface side, and the thickness of each DLC layer b3 'is set to be the smallest from the sliding bearing bodies 5a and 6a. The thickness is gradually increased toward the surface. Each of these layers is not formed at the boundary surface, but is diffused and bonded at the atomic level.
[0032]
Even with the special coatings 5b and 6b described above, the adhesion to the sliding contact surface 10 is improved similarly to the special coatings 5b and 6b shown in FIG. 2 described above, and the wear resistance and the like of the DLC layer b3 ', which is the uppermost layer, are improved. It will be demonstrated over the long term. Therefore, as the sliding bearings 7 and 8, the DLC layer b3 'is hardly peeled off, and the durability is improved. For example, it is possible to greatly contribute to the improvement of reliability.
[0033]
In the W-DLC layer b3 and the DLC layer b3 ', the graphite structure (SP2) and the diamond structure (bonding: SP3) coexist, and the bonding force between the carbon atoms constituting them is strong. Abrasion and damage are less likely to occur, and at the same time, since it is hard and has excellent surface smoothness, the sliding contact operation becomes extremely smooth and abrasion hardly occurs.
[0034]
Further, if necessary, a lubricating oil or grease made of a fluoropolymer such as perfluoropolyether (PFPE) may be applied or sealed inside the sliding bearing. In this case, since the W-DLC layer b3 and the DLC layer b3 'have extremely good wettability of the fluorine-based lubricant applied to the inside of the slide bearing, the W-DLC layer b3 and the DLC layer b3' have the same surface. The lubricating oil layer is less likely to break. Even if the lubricating oil layer is interrupted, the W-DLC layer b3 and DLC layer b3 'can prevent direct contact between the sliding bearing body and the mating member.
[0035]
The present invention is not limited to the above embodiment, and the following modifications are possible.
[0036]
(1) The intermediate layer may be omitted, may be a single layer, or may be three or more layers.
[0037]
(2) Only the DLC layer b3 'containing no tungsten may be provided on the surfaces of the sliding bearing bodies 5a and 6a.
[0038]
【The invention's effect】
ADVANTAGE OF THE INVENTION According to this invention, even if it installs under severe environment of high-speed rocking | fluctuation, a high load, and high temperature, the long life can be achieved.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is an exploded perspective view of an engine, a crankshaft, and a connecting rod to which a sliding bearing of the present embodiment is applied. FIG. 2 is a partially enlarged cross-sectional view of a special coating of the sliding bearing of FIG. 1 FIG. Partial enlarged cross-sectional view showing deformation of coating film [Description of reference numerals]
DESCRIPTION OF SYMBOLS 1 Crankshaft 2 Connecting rod 3 Piston 4 Piston pin 5, 6 Sliding bearing 5a, 6a Sliding bearing body 5b, 6b Special coating b1 Ni layer b2 Cr layer b3 W-DLC layer b3 'DLC layer

Claims (2)

相対変位可能な軸状部材と該軸状部材に対して同軸状に外挿される外側部材との間に介装され、当該すべり軸受本体の少なくとも表面層が潤滑性を有する銅系あるいはアルミニウム系軟質金属からなるとともに、前記両部材の少なくとも一方と摺動する前記軟質金属上にDLC層が形成されているすべり軸受であって、
前記DLC層がタングステンを含有し、前記軟質金属表面とDLC層との間に密着力を向上させる中間層として、前記すべり軸受本体側のNi系合金層とDLC層側のCr層とからなる2層構造が設けられている、ことを特徴とするすべり軸受。
A copper-based or aluminum-based soft material that is interposed between a relatively displaceable shaft member and an outer member that is coaxially externally inserted with respect to the shaft member, and at least a surface layer of the slide bearing body has lubricity. A plain bearing comprising a metal and a DLC layer formed on the soft metal sliding on at least one of the two members,
The DLC layer contains tungsten, and comprises an Ni-based alloy layer on the slide bearing body side and a Cr layer on the DLC layer side as an intermediate layer for improving adhesion between the soft metal surface and the DLC layer. A plain bearing having a layer structure.
請求項1に記載のすべり軸受において、
前記Ni系合金層の厚みが1〜20μmに、また、前記Cr層の厚みが0.4〜0.6μmに設定されている、ことを特徴とするすべり軸受。
The plain bearing according to claim 1,
A sliding bearing, wherein the thickness of the Ni-based alloy layer is set to 1 to 20 μm, and the thickness of the Cr layer is set to 0.4 to 0.6 μm.
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