JP2004076433A - システム天井の吊り構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】システム天井の吊り構造において、施工効率を著しく向上することができるようにする。
【解決手段】Tバー2を、吊りワイヤーで鉛直方向に吊下げ、さらに適宜間隔で、突き上げ防止用の耐震圧縮支柱3および横揺れ防止用にブレースワイヤー15を設置する。各ワイヤーは、Tバー2に設けられたワイヤー係止孔2cに挿通され、上方に折り返されて、ブレースワイヤー15の中間部とともにリングスリーブ10に挿通され、リングスリーブ10により圧着固定される。耐震圧縮支柱3は、全ねじボルト5と電線管4とを備え、電線管4が電線管受けナット6によりスラブ面1bに押しつけられて固定され、調整ナット8により位置調整可能なハンガー7が下方に設けられ、ハンガー7によりTバー2の上部と固定される。
【選択図】 図2
【解決手段】Tバー2を、吊りワイヤーで鉛直方向に吊下げ、さらに適宜間隔で、突き上げ防止用の耐震圧縮支柱3および横揺れ防止用にブレースワイヤー15を設置する。各ワイヤーは、Tバー2に設けられたワイヤー係止孔2cに挿通され、上方に折り返されて、ブレースワイヤー15の中間部とともにリングスリーブ10に挿通され、リングスリーブ10により圧着固定される。耐震圧縮支柱3は、全ねじボルト5と電線管4とを備え、電線管4が電線管受けナット6によりスラブ面1bに押しつけられて固定され、調整ナット8により位置調整可能なハンガー7が下方に設けられ、ハンガー7によりTバー2の上部と固定される。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、システム天井の吊り構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、Tバーをグリッド状に組んでグリッド状下地を構成して、スラブなどの躯体から吊り下げ、そのグリッド状下地に上方から、岩綿防音板などからなる天井板や天井用の設備機器が配設された設備プレートなどを落とし込んで係止するシステム天井が知られている。
このようなシステム天井の吊り構造には、吊りボルト方式とワイヤー吊り方式がある。後者の方がより安価な材料で施工できるため、欧米ではワイヤー吊り方式が普及している。
図10は、従来のワイヤー吊り方式によるシステム天井の吊り構造の一例を説明するための断面図である。
【0003】
Tバー2は、それぞれが交差する交差点近傍で、垂直方向には鉛直ワイヤー24、斜め方向には4本のブレースワイヤー22によって躯体1から吊り下げられている。いずれのワイヤーも、躯体側では、鋲6によって躯体1のスラブ面1bに鋲止めされた係止金物23の係止孔(不図示)に、Tバー側では、交差点近傍に設けられた貫通孔2dに、それぞれ挿通され、上方に折り返されてから、それぞれのワイヤーの中間部に巻きつける巻きつけ方式により係止されている。なお、躯体側では、ワイヤーの吊り元端部を上階スラブに打設することもある。
ブレースワイヤー22、鉛直ワイヤー24は、巻きつけ力を向上するとともに、貫通孔2dに加わる荷重を分散させるために、径の太いもの、例えば12番線(φ2.6mm)が採用されていた。
【0004】
このように、天井下地は、通常状態では、鉛直および水平方向に係止されて、天井板や設備プレートの重量を上方から支えている。しかし、例えば地震時などの外力が作用して天井下地が上方にゆすられると、上方への変位や変形が生じることになる。
そこで、スラブ面1bとTバー2の間に、鉛直上方への変形を規制するコンプレッションポスト21が設けられている。コンプレッションポスト21は、内部に設けられたストッパ機構により、スライド部21aが伸長方向にはスライドして伸びるが、圧縮方向には移動が規制される棒状部材である。コンプレッションポスト21としては、欧米製の既製品が普及している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような従来のシステム天井の吊り構造によると、以下のような問題があった。
まずワイヤーの係止を巻きつけ式を採用しているので、引っ張りを受けた場合の結束力が比較的弱く、天井の静荷重を支えるには十分であるが、耐震性を考慮した実物大の加振実験を反復して行うと、次第にブレースワイヤー22の巻きつけ部が緩んで、伸びが生じ、ブレースが効きにくくなるという問題があった。このため、地震の回数が多くなるとワイヤーが伸び、耐震性が低下する恐れがあった。また、ブレースワイヤー22の施工時にその張り強さを適正値に設定し、しかも天井板などの荷重による伸びのばらつきを抑える必要があるので、ワイヤーの張り手間と確認手間が膨大となり、施工コストが上昇するという問題があった。
また、巻きつけ作業は、素手で行うか、または工具を使う場合にも巻付け棒などの簡単な工具で行っていた。そのため、巻きつけ作業には熟練を要し、スピードや仕上がりに施工者の個人技量の差が出やすかった。また、使用されるワイヤーが、φ2.6mmと太く、曲げにかなりの力を要するため、一人の施工者だけで連続作業してゆくことは困難だった。また、取り合いの関係で、作業スペースが狭くなり、巻きつけが困難になる場合もあった。その結果、結束力・天井の不陸精度・見栄えなどにばらつきが生じやすく、その品質管理にたいへんな手間がかかり、施工効率がよくないという問題があった。
ワイヤーを細くすれば、施工はやりやすくなるが、巻きつけが緩みやすくなり、耐震性に問題があった。
また、軽量化のため、Tバーは、薄肉化・軽金属化が進んでいるので、地震などの大きな外力が加わると、ブレースワイヤー22によって、貫通孔2dが引き裂かれて破損しやすいという問題があった。
さらに、従来のコンプレッションポスト21では、スライド部21aが伸び方向にしかスライドしないため、伸ばしすぎると施工をやり直す必要があった。そのため、レベル不陸を微調整することが困難であるという問題があった。
また、欧米に比べて高い耐震性能が必要な日本などでの設計では、コンプレッションポスト21を数多く配置する必要があり、しかもそれらは高価なストッパ機構を備えるため、調達コストの上昇を招くという問題があった。
【0006】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであって、施工効率を著しく向上することができるシステム天井の吊り構造を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明では、Tバーが、グリッド状に組まれ、躯体に固定されたワイヤーで吊られることにより、システム天井を配設するためのグリッド状下地が形成されたシステム天井の吊り構造であって、前記Tバーに、前記ワイヤーを挿通する挿通孔が設けられ、前記ワイヤーが、前記挿通孔に挿通されて折り曲げられ、前記Tバーに挿通する閉ループ部を形成した状態で、前記ワイヤーの端部とワイヤーの中間部とを束ねる結束部材により結束された構成を用いる。
この発明によれば、結束部材を用いてワイヤーを結束するので、例えば、ワイヤーを巻きつけるというようなばらつきが生じやすい作業によらなくてもよいから、結束力を安定させることができる。
また、ワイヤーの太さによらず、結束力を安定させることができる。
【0008】
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載のシステム天井の吊り構造であって、前記結束部材が、前記ワイヤーの端部とワイヤーの中間部とを内部に通してから、径方向に圧縮されたスリーブ部材である。
この発明によれば、結束力が、主としてスリーブ部材の圧縮程度や圧縮幅により決まるので、例えば専用工具などによってそれらを管理することで、結束力をより安定させることができる。
また、スリーブ部材は、ワイヤーの中間部と端部を内部に通すことにより、それらワイヤーをスリーブ部材の軸方向に自由に移動可能で、径方向には近接している仮結束状態を形成することができるから、作業性がよく、結束位置の調整が容易となる。
【0009】
請求項3に記載の発明では、請求項1または2に記載のシステム天井の吊り構造であって、前記挿通孔が、前記Tバーに設けられた貫通孔の内周に、環状の補強部材を配設して形成されている。
この発明によれば、ワイヤーが接触する挿通孔の内周が、補強部材によって形成されているので、Tバーの貫通孔の強度が低くても、貫通孔からTバーが破損されることがないようにすることができる。
【0010】
請求項4に記載の発明では、請求項1〜3のいずれかに記載のシステム天井の吊り構造であって、前記ワイヤーが、躯体に固定するためのピッグテール部を備え、該ピッグテール部が、前記ワイヤーをその先端側の所定位置で曲げ加工することにより、先端から所定長さの直線部分を残し、かつ該直線部分が前記ワイヤーの直線状の中間部とほぼ直交される構成を有し、前記直線部分が前記躯体型枠上面と係止されて、前記ワイヤーが前記躯体に固定される。
この発明によれば、躯体型枠上面に係止されるワイヤーは、躯体型枠面にほぼ直交する姿勢で係止される。
【0011】
請求項5に記載の発明では、請求項1〜4のいずれかに記載のシステム天井の吊り構造であって、前記ワイヤーのピッグテール部に視認用の着色部を設ける。この発明によれば、ピッグテール部の視認性が向上できるので、躯体型枠上面側から配設の有無を確実に確認できる。
【0012】
請求項6に記載の発明では、請求項1〜5のいずれかに記載のシステム天井の吊り構造であって、前記ワイヤーの下側先端に視認用の着色が施された保護キャップを設ける。
この発明によれば、ワイヤー下端先端の視認性が向上するとともに、接触してもけががしにくくなるので、施工作業の安全性が向上する。
【0013】
請求項7に記載の発明では、Tバーが、グリッド状に組まれ、躯体に固定されたワイヤーで吊られることにより、システム天井を配設するためのグリッド状下地が形成され、該グリッド状下地と躯体との間に、前記Tバーの上方への変形を規制する圧縮支柱を設けたシステム天井の吊り構造であって、前記圧縮支柱部材が、圧縮方向に係止される係止部を両端に有する管状部材と、該管状部材の管内に貫通され、両端にねじ部が形成されたボルト部材と、該ボルト部材をその中間部で、前記管状部材の一方の係止部に係止する係止部材と、前記管状部材の一方の係止部側に位置するボルト部材の端部に、位置調整可能に設けられたTバー固定部材とを備える。
この発明によれば、ボルト部材の周りに管状部材を設けてその両端を躯体と係止部材の間で圧縮方向に係止することにより、圧縮方向の剛性が高い圧縮支柱を構成できるとともに、Tバーとの固定位置が容易に調整できる圧縮支柱を構成することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下では、本発明の実施の形態を、添付図面を参照して説明する。なおすべての図面を通して、同一または相当する部材は、同一の符号を付し、適宜説明を省略する。
【0015】
本発明の実施の形態に係るシステム天井の吊り構造の構成について説明する。図1は、本発明の実施の形態に係るシステム天井の吊り構造の概略を説明するための斜視部分断面図である。図2は、そのコンプレッションポスト・ワイヤーブレース部の断面方向の概略構成を説明するための説明図であり、図3は、図2におけるA視部分拡大図である。
本実施形態のシステム天井の吊り構造は、大きくは、Tバー2と、吊りワイヤー16(ワイヤー)と、耐震圧縮支柱3(圧縮支柱)と、ブレースワイヤー15(ワイヤー)とからなる。
【0016】
Tバー2は、図1に示したように、例えば2フィート(609.6mm)間隔で交差されてグリッド状に組まれている。図2に示したように、Tバー2のウェブ2aは上方に向けられ、フランジ2bは水平方向に延ばされて、T字状の断面形状が形成されている。ウェブ2aの上部は、所定高さまで、その下部より両側にわずかに板厚が増されて段差が設けられている。また、フランジ2bは、岩綿防音板などからなる天井パネル17(図1参照)や照明ユニット18(図1参照)や、その他、天井用の設備機器が配設された設備プレートなど(以下、天井部材と称する)を係止する受け面となっている。
【0017】
Tバー2は、鋼材やアルミ合金材などを採用することができるが、それらに限ることなく、システム天井に用いられるものであれば、どのような材質からなるものでもよい。
【0018】
ウェブ2aには、Tバー2の交差位置の近傍に、円形のワイヤー係止孔2c(挿通孔)が設けられている。ワイヤー係止孔2cは、ウェブ2aに設けられた貫通孔の内周に、ハトメ部材11、12(環状の補強部材)が配設されることにより形成されている。
【0019】
ハトメ部材11(12)の詳細構成について、図4、5を参照して説明する。図4(a)、(b)は、ハトメ部材11(12)の形状を説明するための軸方向断面図および右側面図である。図5は、ワイヤー係止孔2cの形成方法および構成を説明するための中心軸方向断面図である。
【0020】
ハトメ部材11(12)は、いずれも、Tバー2の材質よりも強度の高い薄肉金属で形成されており、管部11a(12a)と、その一端部が、金属管の外周側に円弧状の断面を有するように曲げられた絞りフランジ11b(12b)からなる。
【0021】
管部11aの管外径は、管部12aの管内径よりもわずかに小さく、嵌合可能とされている。そして、Tバー2のウェブ2aには、管部12aが挿入可能な貫通孔2dが設けられている。また、管部11a、12aの長さは、貫通孔2dが設けられている部分のウェブ2aの板厚よりも長い構成とされている。
【0022】
ワイヤー係止孔2cは、貫通孔2dの両側から、ハトメ部材11、12の管部11a、12aを挿入し、ハトメ専用プライヤーなどの工具で両側から圧をかけてハトメ加工することにより形成される。このとき、貫通孔2dの内周面は、管部11a、12aにより、二重に補強されている。また、貫通孔2dの内周縁部は、絞りフランジ11b、12bと、それに沿って曲げられたハトメ部材11、12の端部により、補強されている。
【0023】
吊りワイヤー16は、図1に示したように、Tバー2を交差位置近傍で躯体1から吊るすために鉛直方向に配置されているワイヤーである。吊りワイヤー16間の水平方向配設ピッチは約1.2mとされている。
吊りワイヤー16の材質や、端部のTバー2への固定方法や、図1では図示が省略されている躯体1への固定方法は、後述するブレースワイヤー15と同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0024】
耐震圧縮支柱3は、図1に示したように、Tバー2と躯体1の間で、Tバー2の交差位置近傍から鉛直方向に向けて配置されている。図1では、1箇所のみが図示されているが、耐震圧縮支柱3は、水平方向配設ピッチ約3.6mとなるように等間隔に複数配設されている。
耐震圧縮支柱3は、図2に示したように、大きくは、電線管4(管状部材)と、全ねじボルト5(ボルト部材)と、電線管受けナット6(係止部材)と、ハンガー7(Tバー固定部材)とを備えている。
【0025】
全ねじボルト5は、上端が躯体1に設けられたインサート9のねじに螺合されて鉛直方向に配置されている。
【0026】
電線管4は、全ねじボルト5を管内に挿通させ上端をスラブ面1bに、当接させられている。そして、全ねじボルト5に螺合された電線管受けナット6により、下端側を係止されている。そのため、スラブ面1bと電線管受けナット6との間に、全ねじボルト5と電線管4からなる支柱が形成されている。
【0027】
電線管4は、耐震性の仕様に応じて、適宜の圧縮強度を有するものであれば、どのような材質でもよい。例えば、鋼管などの金属管や、合成樹脂製の管材を採用することができる。また、いわゆる電線管材料とは限らず、管状部材であればどんなものでもよい。管形状は、円管とは限らず、例えば矩形断面管でもよい。また、曲げ剛性を高めるために管径を太くする場合など、係止部材として、電線管受けナット6だけでなく、電線管4の端部や内周部に当接する座金、平板や蓋部材を介してもよいことは言うまでもない。
【0028】
ハンガー7は、図3に示したように、側面視においてほぼ鉤状とされている。上部には、水平方向にのばされ、全ねじボルト5を貫通させる貫通孔(不図示)を有する板状のナット固定部7aが設けられ、その端部から下方に向けて全ねじボルト5の軸上位置までアーム7bが延ばされ、アーム7bの下端に、Tバー2の上部の段差と係合するTバー固定部7cが設けられている。Tバー固定部7cは、Tバー2に側方から螺設されるスクリュービス(不図示)により、Tバー2と固定されている。
【0029】
ナット固定部7aの上下面には、貫通された全ねじボルト5に螺合する調整ナット8、8が設けられ、全ねじボルト5の軸方向に対するハンガー7の位置調整が可能とされている。
【0030】
ブレースワイヤー15は、Tバー2の外力による横揺れ防止を図るもので、躯体1とTバー2との間に斜め方向に張られ、ワイヤー係止孔2cと係止金物23の係止孔(不図示)にそれぞれ挿通する閉ループ部15bが形成されて係止されている。閉ループ部15bは、ブレースワイヤー15の端部を、ワイヤー係止孔2cなどに挿通して折り曲げ、リングスリーブ10(結束部材)を用いてブレースワイヤー15の中間部と結束することにより形成されている。
【0031】
なお、吊り元、すなわちブレースワイヤー15と躯体1とは、上記の変形例として、図6(a)に示したように、ピッグテール部15cを設けて躯体1に埋め込んで固定してもよい。
従来、ピッグテールによるワイヤー端部埋設は、新築工事時に行われる場合があったが、ピッグテールは、個々の作業者によりで任意に曲げ加工されており、その形状は一定していなかった。そのため、係止姿勢や耐引抜力はかなりばらついていた。
【0032】
本変形例では、ブレースワイヤー15の先端から所定長さの位置に、色付スリーブ19(着色部)を通してから、その近傍を曲げ加工する。色付スリーブ19は、視認性を向上させるために、例えば黄色や赤などの目立つ色に着色されており、合成樹脂や合成ゴムなどからなるスリーブ状、チューブ状の部材である。
そして、先端部分の所定長さの直線を維持しながら、曲げ加工前には色付スリーブ19の下側であったブレースワイヤー15の中間部にほぼ90度で交差させる。それにより、ブレースワイヤー15の先端部に、ほぼ水平方向に延びる水平テール15dと、それに続いて閉ループを形成する湾曲部15eとからなるピッグテール部15cを形成する。
【0033】
ピッグテール部15cは、図6(a)に示したように、水平テール15dの先端と湾曲部15eの水平方向の幅2dが、鉛直方向に延びるブレースワイヤー15の中間部によりほぼ2等分される形状が好ましい。また、湾曲部15eは、円弧とは限らず、また屈曲部を有する形状であってもよいが、円弧とする場合には、φ40mm〜φ60mmであることが好ましい。
また、ピッグテール部15cは、現場での加工作業の手間を省くために、工場加工しておくことが好ましい。そうすれば、ピッグテール部15cの形状のばらつきを抑えることができるから、耐引抜力を安定させることができる利点がある。
【0034】
なお、着色部は、色付スリーブ19によらず、塗料などで、ピッグテール部15cを直に着色してもよい。色は、ワイヤーの種類や配置場所などに応じて色分けしておいてもよい。
【0035】
リングスリーブ10は、少なくともブレースワイヤー15が2本挿通できる内径を有し、適宜の圧着工具により、塑性変形させることができる金属管である。また、リングスリーブ10から延出したブレースワイヤー15の端部は、リングスリーブ10の側方に沿うように折り返され、ワイヤー折り返し部15aを形成している。
【0036】
ブレースワイヤー15は、例えば、JIS G 3505、JIS G 3547に規定される材質の鋼線を採用することができる。太さは、システム天井の荷重条件などに応じて適宜選択することができる。
【0037】
次に、ブレースワイヤー15をワイヤー係止孔2cに係止する施工方法について説明する。
図7、8は、その施工方法の施工手順を説明するための概略斜視図である。なお、図示を簡略にするために、ブレースワイヤー15を鉛直方向に吊下げるように描いているが、図2のように、斜め方向に吊下げる場合であっても、本質的に同様にして施工することができる。
【0038】
まず、躯体1に吊下げられたブレースワイヤー15に下方からリングスリーブ10を挿通させる(図7(a))。
そして、ブレースワイヤー15の下端をワイヤー係止孔2cに挿通させてから、上方に折り返し、再度リングスリーブ10に挿通する(図7(b))。リングスリーブ10の下方には、緩い閉ループ部15bが形成される。
そして、Tバー2の高さを適宜に設定しながら、リングスリーブ10を下降させて、閉ループ部15bの大きさを絞るとともに、リングスリーブ10上にブレースワイヤー15の端部を延出させる(図7(c))。
そして、図8(d)に示したように、圧着工具などにより、リングスリーブ10を径方向に押しつぶしてリングスリーブ10内に挿通されたブレースワイヤー15の端部と中間部を圧着する。
その後、リングスリーブ10から上方に延出したブレースワイヤー15の端部をリングスリーブ10の側方に沿うように下方に折り曲げて、ワイヤー折り返し部15aを形成する(図8(e))。
【0039】
上記の説明では、ワイヤーの材質、Tバー2や躯体1との固定方法などをブレースワイヤー15の例で説明したが、配設方向が異なる他は、吊りワイヤー16でも全く同様である。そして、吊りワイヤー16は、上記説明に対応して、符号15を符号16に置き換えた、ワイヤー折り返し部16a、閉ループ部16b、ピッグテール部16c、水平テール16dおよび湾曲部16eを備える。
【0040】
なお、このような施工方法において、多数のブレースワイヤー15、吊りワイヤー16が躯体1から吊下げられるため、それぞれのワイヤーの下端部が、施工者の頭や顔に突き刺さるといった事故が起こる恐れもある。そこで、図6(b)に示したように、ブレースワイヤー15、吊りワイヤー16の先端に、柔軟な合成樹脂チューブまたは合成ゴムチューブなどからなる保護キャップ14を設けることが好ましい。保護キャップ14は、例えば、10cm程度の長さに切断したチューブ状のものを、5cm程度ワイヤーにかぶせて用いることができる。そして、視認性を向上させるために保護キャップ14の色を、例えば、赤、黄色などの目立ちやすい色や、各種安全規格などで指定された警告色、配色パタンにする。薄暗い作業環境でもはっきり認識できるように、夜光塗料、蛍光塗料を採用すればさらに好ましい。
【0041】
また、保護キャップ14は、ブレースワイヤー15、吊りワイヤー16の先端の鋭いエッジを覆っていれば、先端にかぶさる嵌め込みキャップ式のものであってもよいが、図6(b)に示したチューブ式は、安価に製作できる。また、ワイヤーの先端から、例えば5cm程度保護キャップ14が延びる構成としているため、保護キャップ14の先端と実際のワイヤーとの間に5cm程度の余裕ができるので、より安全性が向上できる。
【0042】
次に、本実施形態に係るシステム天井の吊り構造の施工方法について説明する。
まず、スラブ面1bの所定位置に、インサート9を設置する。さらに、所定間隔で、係止金物23を鋲打ちする。そして、上記に説明したリングスリーブ10を用いる結束方法により、係止金物23の係止孔にブレースワイヤー15、吊りワイヤー16を挿通して、閉ループ部15b、16bを設けて係止する。このようにして、それぞれのワイヤーが躯体1から吊下げられる。
【0043】
この工程は、ピッグテール部15cを躯体1に埋め込む工程に置き換えてもよい(図5(a)参照)。
その場合は、躯体1を形成するため、デッキプレート26(躯体型枠)と、その上に適宜鉄筋(不図示)を配筋する。そして、デッキプレート26に設けられた複数の小穴26aに、それぞれ上方からブレースワイヤー15、吊りワイヤー16の下端を挿通する。そして、水平テール15d、16dを、デッキプレート26と係止する。水平テール15d、16dは、それぞれのワイヤーの中間部とほぼ直交しているから、それぞれのワイヤーはばらつきなくほぼ鉛直方向に吊下げられる。
なお、いずれの場合でも、吊り下げられたそれぞれのワイヤーの端部には、保護キャップ14を設けておく。
【0044】
一方、ブレースワイヤー15、吊りワイヤー16を挿通する貫通孔2dに、ハトメ部材11、12をハトメ加工したTバー2は、適宜の大きさのグリッド状に組んでおく。そして、それぞれのワイヤーとTバー2とを係止して、Tバー2を躯体1から吊下げる。吊りワイヤー16は、本実施形態のように、後で耐震圧縮支柱3が設置される場合には、例えば地震などにより、上下方向に大きな荷重を受けることがないので、挿通孔へのハトメ加工は省略してもよい。
【0045】
また、保護キャップ14をかぶせる長さをワイヤー折り返し部15a、16aの長さより短くしておけば、保護キャップ14をかぶせたままでも、上記の結束作業をスムーズに行うことができて好都合である。
【0046】
次に、全ねじボルト5をインサート9にねじ込み、電線管4を全ねじボルト5にかぶせる。そして、電線管受けナット6をねじ込んで、電線管4の上端がスラブ面1bに適宜の強さで圧着されるように固定する。
そして、ナット固定部7aに全ねじボルト5の下端が挿通され、Tバー固定部7cをTバー2の上端に係止した状態で、ハンガー7の位置調整を行い、ナット固定部7aの上下面を調整ナット8、8で固定する。さらに、Tバー固定部7cをスクリュービスでTバー2に固定する。
このようにして、本実施形態に係るシステム天井の吊り構造が施工される。
【0047】
なお、上記施工方法では、躯体1にインサート9を設けて、全ねじボルト5を固定する例で説明した。新築施工の場合には、そのようにするのが好ましいが、改修・補強工事の場合などには、インサート9の代わりに、図9(a)に示したような鋲付金具13を採用することができる。
【0048】
鋲付金具13は、鋲13cと、鋲13cを躯体1に打ち込んでスラブ面1bに固定するための固定部13aと、全ねじボルト5をねじ込むためのねじ部13bとを一体に設けた金具である。
【0049】
その取付方法は、図9(b)に示したように、固定部13aをスラブ面1bに当接させた状態で下方から鋲13cを打鋲する。そして、鋲付金具13の一部を曲げて、ねじ部13bが鉛直方向に向け、下方から全ねじボルト5がねじ込めるようにする。全ねじボルト5は上方にねじ込まれその端部を鋲13cに当接させて固定される。
【0050】
このような鋲付金具13によれば、新築時に耐震圧縮支柱3の配置を予定していないシステム天井であっても後から耐震圧縮支柱3を容易に追加することができ、耐震性を向上させることができるという利点がある。
【0051】
このように施工された本実施形態のシステム天井の吊り構造によれば、以下のような作用効果が得られる。
本実施形態に係るワイヤー係止孔2cは、ハトメ部材11、12によって補強されているので、地震などの外力により、ブレースワイヤー15を介して、ワイヤー係止孔2cの内周に強い荷重が集中しても、損傷が起こらないように補強することができる。逆に言えば、そのような損傷を防ぐために、Tバー2全体の強度を上げたり、ワイヤー径を太くしなくてもよいので、材料費を低減したり、施工しやすい細い径のワイヤーを採用することができるという利点がある。
【0052】
また、本実施形態では、従来、巻きつけ方式により、ワイヤーを係止していたところを、それに替えて、リングスリーブ10による結束方式を採用するから、専用の圧着工具などによって、リングスリーブ10を押しつぶすだけの単純作業となる。そのため、熟練度合いに関係なく、極めて容易に、しかも一定の結束力で結束することができる。その結果、施工効率が向上され、作業時間の短縮が可能となるという利点がある。
【0053】
また、その際、ワイヤー折り返し部15a、16aを設けることにより、圧着部にすべりが働いた場合でも、ワイヤー折り返し部15a、16aが抵抗となるから、保持力を増大させることができるという利点がある。
【0054】
また、リングスリーブ10で結束するので、結束力はワイヤーの太さに依存することがなく、より細いワイヤーを採用することができる。例えば、一般的な施工条件を考慮すると、多くの場合、14番線(φ2.0mm)を好適に用いることができる。このように細いワイヤーを用いることにより、ワイヤーの切断や折り曲げが容易となり、施工効率を向上させることができるという利点がある。具体的には、φ2.6mmワイヤーの結束作業は両手操作の大型プライヤーが必要となるが、φ2.0mmワイヤーの結束作業は片手操作の小型工具で行うことができる。
【0055】
本実施形態に係る耐震圧縮支柱3によれば、ハンガー7を位置調整可能に設けるから、Tバー2の高さを上下方向に微調整することができる。その結果、Tバー2からなるグリッド下地の不陸精度を容易に修正することができ、施工効率が向上できる。また、見栄えのよいシステム天井を速やかに仕上げることができるという利点がある。
【0056】
さらに、耐震圧縮支柱3は、全ねじボルト5のねじにより、長さ調整や固定を行うから、きわめて容易に施工できる。また、例えば従来のコンプレッションポスト21のようにストッパ機構などの高価な機構がないから、汎用的な部材により安価に構成することができるという利点がある。
【0057】
本実施形態の変形例に係るピッグテール部15c、16cを備えたブレースワイヤー15、吊りワイヤー16によれば、それぞれのワイヤーの取付姿勢をばらつきなくほぼ鉛直方向に揃えることができる。その結果、ワイヤーが作業の邪魔にならず、Tバー2との結束作業も整然と進めることができ、施工効率を向上することができるという利点がある。
また、色付スリーブ19を設けるので、デッキプレート26の上方からでも、それぞれのワイヤーの配設の有無や区別を容易に確認でき、施工ミスを防止できる。
【0058】
なお、上記の説明では、結束部材としてハトメ部材11、12を用いる例で説明したが、強度が満足されれば、いずれか一方だけの一重の補強でもよい。
また、上記の説明では、ハトメ加工は、端部を曲げ絞りする例で説明した。この場合には、曲げ部がブレースワイヤー15と滑らかに当たるので集中荷重が発生しにくいという利点があるが、貫通孔2dの内周が補強されば、端部の圧着形態はどのようなものであってもよい。例えば、端部が断裂されて放射状に延びる爪状に展開されていてもよい。
さらには、ハトメ加工に限るものではなく、例えば、貫通孔2dに嵌合する環材の両端をウェブ2aにかしめて固定してもよい。
【0059】
また、上記の説明では、耐震圧縮支柱3に、全ねじボルト5を用いる例で説明した。全ねじボルトは、汎用部品として容易に入手できるので好都合であるが、ねじ部は、螺合が必要な場所だけに設けられていればよく、必ずしも全ねじが必要とされるわけではないことは言うまでもない。
【0060】
また、上記の説明では、結束部材として、リングスリーブ10を用いる例で説明したが、結束部材はこれに限るものではなく、例えば、展開されれば板状になるバンド部材をブレースワイヤー15に周回させてから、かしめたり、ブレースワイヤー15を挟持してねじ固定することが可能な結束金具を用いて、ブレースワイヤー15に取り付ける構成を採用してもよい。
【0061】
【発明の効果】
以上に述べたように、請求項1に記載の発明では、結束部材により、熟練を必要とせずに、結束力を安定させることができ、施工効率が向上することができるという効果を奏する。
また、ワイヤーの太さにも依存しないようにすることができるから、細いワイヤーを採用して施工効率を向上させることできるという効果を奏する。
【0062】
請求項2に記載の発明では、スリーブ部材を圧縮固定する前にワイヤーを仮結束状態にして、結束位置の調整が行えるから作業性を向上することができるという効果を奏する。
【0063】
請求項3に記載の発明では、Tバーの貫通孔が低強度であっても、ワイヤーによって破損されないようにすることができるから、Tバーを軽量化、低コスト化することができるという効果を奏する。
また、Tバーの挿通孔が補強されているから、施工性に優れる細いワイヤーを用いて吊下げることができる。その結果、施工効率を向上することができる。
【0064】
請求項4に記載の発明では、ワイヤーが鉛直方向に吊下がるように容易に係止姿勢を揃えることができるから、ワイヤーが作業の邪魔にならず、Tバーへのワイヤーの結束作業を整然と進めることができるので、施工効率を向上することができるという効果を奏する。
【0065】
請求項5に記載の発明では、ワイヤーの視認が容易となり、施工ミスなどを防止できるという効果を奏する。
【0066】
請求項6に記載の発明では、施工の安全性を向上することができるという効果を奏する。
【0067】
請求項7に記載の発明では、Tバーとの固定位置が調整できる圧縮支柱を構成することができるから、施工効率を向上することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るシステム天井の吊り構造の概略を説明するための斜視部分断面図である。
【図2】同じくその断面方向の概略構成を説明するための説明図である。
【図3】図2におけるA視部分拡大図である。
【図4】本発明の実施の形態に係るハトメ部材11、12を説明するための正面図および側面図である。
【図5】ハトメ部材11(12)の固定方法を説明するための断面説明図である。
【図6】本発明の実施の形態の変形例に係るピッグテール部を有するワイヤーおよび保護キャップを説明するための断面図およびB部の斜視部分拡大図である。
【図7】本発明の実施の形態に係るシステム天井の吊り構造の施工方法の一部を説明するための斜視図である。
【図8】同じく図7に続く工程を示す斜視図である。
【図9】本発明の実施の形態に係る耐震圧縮支柱3の固定の仕方の一例を示す説明図である。
【図10】従来のシステム天井の吊り構造の一例を示す正面視説明図である。
【符号の説明】
1 躯体
1b スラブ面
2 Tバー
2a ウェブ
2c ワイヤー係止孔(挿通孔)
3 耐震圧縮支柱(圧縮支柱)
4 電線管(管状部材)
5 全ねじボルト(ボルト部材)
6 電線管受けナット(係止部材)
7 ハンガー(Tバー固定部材)
8 調整ナット
10 リングスリーブ(結束部材)
11、12 ハトメ部材(環状の補強部材)
14 保護キャップ
15 ブレースワイヤー(ワイヤー)
15a ワイヤー折り返し部
15b 閉ループ部
15c ピッグテール部
15d 水平テール(直線部分)
16 吊りワイヤー(ワイヤー)
26 デッキプレート(躯体型枠)
【発明の属する技術分野】
本発明は、システム天井の吊り構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、Tバーをグリッド状に組んでグリッド状下地を構成して、スラブなどの躯体から吊り下げ、そのグリッド状下地に上方から、岩綿防音板などからなる天井板や天井用の設備機器が配設された設備プレートなどを落とし込んで係止するシステム天井が知られている。
このようなシステム天井の吊り構造には、吊りボルト方式とワイヤー吊り方式がある。後者の方がより安価な材料で施工できるため、欧米ではワイヤー吊り方式が普及している。
図10は、従来のワイヤー吊り方式によるシステム天井の吊り構造の一例を説明するための断面図である。
【0003】
Tバー2は、それぞれが交差する交差点近傍で、垂直方向には鉛直ワイヤー24、斜め方向には4本のブレースワイヤー22によって躯体1から吊り下げられている。いずれのワイヤーも、躯体側では、鋲6によって躯体1のスラブ面1bに鋲止めされた係止金物23の係止孔(不図示)に、Tバー側では、交差点近傍に設けられた貫通孔2dに、それぞれ挿通され、上方に折り返されてから、それぞれのワイヤーの中間部に巻きつける巻きつけ方式により係止されている。なお、躯体側では、ワイヤーの吊り元端部を上階スラブに打設することもある。
ブレースワイヤー22、鉛直ワイヤー24は、巻きつけ力を向上するとともに、貫通孔2dに加わる荷重を分散させるために、径の太いもの、例えば12番線(φ2.6mm)が採用されていた。
【0004】
このように、天井下地は、通常状態では、鉛直および水平方向に係止されて、天井板や設備プレートの重量を上方から支えている。しかし、例えば地震時などの外力が作用して天井下地が上方にゆすられると、上方への変位や変形が生じることになる。
そこで、スラブ面1bとTバー2の間に、鉛直上方への変形を規制するコンプレッションポスト21が設けられている。コンプレッションポスト21は、内部に設けられたストッパ機構により、スライド部21aが伸長方向にはスライドして伸びるが、圧縮方向には移動が規制される棒状部材である。コンプレッションポスト21としては、欧米製の既製品が普及している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような従来のシステム天井の吊り構造によると、以下のような問題があった。
まずワイヤーの係止を巻きつけ式を採用しているので、引っ張りを受けた場合の結束力が比較的弱く、天井の静荷重を支えるには十分であるが、耐震性を考慮した実物大の加振実験を反復して行うと、次第にブレースワイヤー22の巻きつけ部が緩んで、伸びが生じ、ブレースが効きにくくなるという問題があった。このため、地震の回数が多くなるとワイヤーが伸び、耐震性が低下する恐れがあった。また、ブレースワイヤー22の施工時にその張り強さを適正値に設定し、しかも天井板などの荷重による伸びのばらつきを抑える必要があるので、ワイヤーの張り手間と確認手間が膨大となり、施工コストが上昇するという問題があった。
また、巻きつけ作業は、素手で行うか、または工具を使う場合にも巻付け棒などの簡単な工具で行っていた。そのため、巻きつけ作業には熟練を要し、スピードや仕上がりに施工者の個人技量の差が出やすかった。また、使用されるワイヤーが、φ2.6mmと太く、曲げにかなりの力を要するため、一人の施工者だけで連続作業してゆくことは困難だった。また、取り合いの関係で、作業スペースが狭くなり、巻きつけが困難になる場合もあった。その結果、結束力・天井の不陸精度・見栄えなどにばらつきが生じやすく、その品質管理にたいへんな手間がかかり、施工効率がよくないという問題があった。
ワイヤーを細くすれば、施工はやりやすくなるが、巻きつけが緩みやすくなり、耐震性に問題があった。
また、軽量化のため、Tバーは、薄肉化・軽金属化が進んでいるので、地震などの大きな外力が加わると、ブレースワイヤー22によって、貫通孔2dが引き裂かれて破損しやすいという問題があった。
さらに、従来のコンプレッションポスト21では、スライド部21aが伸び方向にしかスライドしないため、伸ばしすぎると施工をやり直す必要があった。そのため、レベル不陸を微調整することが困難であるという問題があった。
また、欧米に比べて高い耐震性能が必要な日本などでの設計では、コンプレッションポスト21を数多く配置する必要があり、しかもそれらは高価なストッパ機構を備えるため、調達コストの上昇を招くという問題があった。
【0006】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであって、施工効率を著しく向上することができるシステム天井の吊り構造を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明では、Tバーが、グリッド状に組まれ、躯体に固定されたワイヤーで吊られることにより、システム天井を配設するためのグリッド状下地が形成されたシステム天井の吊り構造であって、前記Tバーに、前記ワイヤーを挿通する挿通孔が設けられ、前記ワイヤーが、前記挿通孔に挿通されて折り曲げられ、前記Tバーに挿通する閉ループ部を形成した状態で、前記ワイヤーの端部とワイヤーの中間部とを束ねる結束部材により結束された構成を用いる。
この発明によれば、結束部材を用いてワイヤーを結束するので、例えば、ワイヤーを巻きつけるというようなばらつきが生じやすい作業によらなくてもよいから、結束力を安定させることができる。
また、ワイヤーの太さによらず、結束力を安定させることができる。
【0008】
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載のシステム天井の吊り構造であって、前記結束部材が、前記ワイヤーの端部とワイヤーの中間部とを内部に通してから、径方向に圧縮されたスリーブ部材である。
この発明によれば、結束力が、主としてスリーブ部材の圧縮程度や圧縮幅により決まるので、例えば専用工具などによってそれらを管理することで、結束力をより安定させることができる。
また、スリーブ部材は、ワイヤーの中間部と端部を内部に通すことにより、それらワイヤーをスリーブ部材の軸方向に自由に移動可能で、径方向には近接している仮結束状態を形成することができるから、作業性がよく、結束位置の調整が容易となる。
【0009】
請求項3に記載の発明では、請求項1または2に記載のシステム天井の吊り構造であって、前記挿通孔が、前記Tバーに設けられた貫通孔の内周に、環状の補強部材を配設して形成されている。
この発明によれば、ワイヤーが接触する挿通孔の内周が、補強部材によって形成されているので、Tバーの貫通孔の強度が低くても、貫通孔からTバーが破損されることがないようにすることができる。
【0010】
請求項4に記載の発明では、請求項1〜3のいずれかに記載のシステム天井の吊り構造であって、前記ワイヤーが、躯体に固定するためのピッグテール部を備え、該ピッグテール部が、前記ワイヤーをその先端側の所定位置で曲げ加工することにより、先端から所定長さの直線部分を残し、かつ該直線部分が前記ワイヤーの直線状の中間部とほぼ直交される構成を有し、前記直線部分が前記躯体型枠上面と係止されて、前記ワイヤーが前記躯体に固定される。
この発明によれば、躯体型枠上面に係止されるワイヤーは、躯体型枠面にほぼ直交する姿勢で係止される。
【0011】
請求項5に記載の発明では、請求項1〜4のいずれかに記載のシステム天井の吊り構造であって、前記ワイヤーのピッグテール部に視認用の着色部を設ける。この発明によれば、ピッグテール部の視認性が向上できるので、躯体型枠上面側から配設の有無を確実に確認できる。
【0012】
請求項6に記載の発明では、請求項1〜5のいずれかに記載のシステム天井の吊り構造であって、前記ワイヤーの下側先端に視認用の着色が施された保護キャップを設ける。
この発明によれば、ワイヤー下端先端の視認性が向上するとともに、接触してもけががしにくくなるので、施工作業の安全性が向上する。
【0013】
請求項7に記載の発明では、Tバーが、グリッド状に組まれ、躯体に固定されたワイヤーで吊られることにより、システム天井を配設するためのグリッド状下地が形成され、該グリッド状下地と躯体との間に、前記Tバーの上方への変形を規制する圧縮支柱を設けたシステム天井の吊り構造であって、前記圧縮支柱部材が、圧縮方向に係止される係止部を両端に有する管状部材と、該管状部材の管内に貫通され、両端にねじ部が形成されたボルト部材と、該ボルト部材をその中間部で、前記管状部材の一方の係止部に係止する係止部材と、前記管状部材の一方の係止部側に位置するボルト部材の端部に、位置調整可能に設けられたTバー固定部材とを備える。
この発明によれば、ボルト部材の周りに管状部材を設けてその両端を躯体と係止部材の間で圧縮方向に係止することにより、圧縮方向の剛性が高い圧縮支柱を構成できるとともに、Tバーとの固定位置が容易に調整できる圧縮支柱を構成することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下では、本発明の実施の形態を、添付図面を参照して説明する。なおすべての図面を通して、同一または相当する部材は、同一の符号を付し、適宜説明を省略する。
【0015】
本発明の実施の形態に係るシステム天井の吊り構造の構成について説明する。図1は、本発明の実施の形態に係るシステム天井の吊り構造の概略を説明するための斜視部分断面図である。図2は、そのコンプレッションポスト・ワイヤーブレース部の断面方向の概略構成を説明するための説明図であり、図3は、図2におけるA視部分拡大図である。
本実施形態のシステム天井の吊り構造は、大きくは、Tバー2と、吊りワイヤー16(ワイヤー)と、耐震圧縮支柱3(圧縮支柱)と、ブレースワイヤー15(ワイヤー)とからなる。
【0016】
Tバー2は、図1に示したように、例えば2フィート(609.6mm)間隔で交差されてグリッド状に組まれている。図2に示したように、Tバー2のウェブ2aは上方に向けられ、フランジ2bは水平方向に延ばされて、T字状の断面形状が形成されている。ウェブ2aの上部は、所定高さまで、その下部より両側にわずかに板厚が増されて段差が設けられている。また、フランジ2bは、岩綿防音板などからなる天井パネル17(図1参照)や照明ユニット18(図1参照)や、その他、天井用の設備機器が配設された設備プレートなど(以下、天井部材と称する)を係止する受け面となっている。
【0017】
Tバー2は、鋼材やアルミ合金材などを採用することができるが、それらに限ることなく、システム天井に用いられるものであれば、どのような材質からなるものでもよい。
【0018】
ウェブ2aには、Tバー2の交差位置の近傍に、円形のワイヤー係止孔2c(挿通孔)が設けられている。ワイヤー係止孔2cは、ウェブ2aに設けられた貫通孔の内周に、ハトメ部材11、12(環状の補強部材)が配設されることにより形成されている。
【0019】
ハトメ部材11(12)の詳細構成について、図4、5を参照して説明する。図4(a)、(b)は、ハトメ部材11(12)の形状を説明するための軸方向断面図および右側面図である。図5は、ワイヤー係止孔2cの形成方法および構成を説明するための中心軸方向断面図である。
【0020】
ハトメ部材11(12)は、いずれも、Tバー2の材質よりも強度の高い薄肉金属で形成されており、管部11a(12a)と、その一端部が、金属管の外周側に円弧状の断面を有するように曲げられた絞りフランジ11b(12b)からなる。
【0021】
管部11aの管外径は、管部12aの管内径よりもわずかに小さく、嵌合可能とされている。そして、Tバー2のウェブ2aには、管部12aが挿入可能な貫通孔2dが設けられている。また、管部11a、12aの長さは、貫通孔2dが設けられている部分のウェブ2aの板厚よりも長い構成とされている。
【0022】
ワイヤー係止孔2cは、貫通孔2dの両側から、ハトメ部材11、12の管部11a、12aを挿入し、ハトメ専用プライヤーなどの工具で両側から圧をかけてハトメ加工することにより形成される。このとき、貫通孔2dの内周面は、管部11a、12aにより、二重に補強されている。また、貫通孔2dの内周縁部は、絞りフランジ11b、12bと、それに沿って曲げられたハトメ部材11、12の端部により、補強されている。
【0023】
吊りワイヤー16は、図1に示したように、Tバー2を交差位置近傍で躯体1から吊るすために鉛直方向に配置されているワイヤーである。吊りワイヤー16間の水平方向配設ピッチは約1.2mとされている。
吊りワイヤー16の材質や、端部のTバー2への固定方法や、図1では図示が省略されている躯体1への固定方法は、後述するブレースワイヤー15と同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0024】
耐震圧縮支柱3は、図1に示したように、Tバー2と躯体1の間で、Tバー2の交差位置近傍から鉛直方向に向けて配置されている。図1では、1箇所のみが図示されているが、耐震圧縮支柱3は、水平方向配設ピッチ約3.6mとなるように等間隔に複数配設されている。
耐震圧縮支柱3は、図2に示したように、大きくは、電線管4(管状部材)と、全ねじボルト5(ボルト部材)と、電線管受けナット6(係止部材)と、ハンガー7(Tバー固定部材)とを備えている。
【0025】
全ねじボルト5は、上端が躯体1に設けられたインサート9のねじに螺合されて鉛直方向に配置されている。
【0026】
電線管4は、全ねじボルト5を管内に挿通させ上端をスラブ面1bに、当接させられている。そして、全ねじボルト5に螺合された電線管受けナット6により、下端側を係止されている。そのため、スラブ面1bと電線管受けナット6との間に、全ねじボルト5と電線管4からなる支柱が形成されている。
【0027】
電線管4は、耐震性の仕様に応じて、適宜の圧縮強度を有するものであれば、どのような材質でもよい。例えば、鋼管などの金属管や、合成樹脂製の管材を採用することができる。また、いわゆる電線管材料とは限らず、管状部材であればどんなものでもよい。管形状は、円管とは限らず、例えば矩形断面管でもよい。また、曲げ剛性を高めるために管径を太くする場合など、係止部材として、電線管受けナット6だけでなく、電線管4の端部や内周部に当接する座金、平板や蓋部材を介してもよいことは言うまでもない。
【0028】
ハンガー7は、図3に示したように、側面視においてほぼ鉤状とされている。上部には、水平方向にのばされ、全ねじボルト5を貫通させる貫通孔(不図示)を有する板状のナット固定部7aが設けられ、その端部から下方に向けて全ねじボルト5の軸上位置までアーム7bが延ばされ、アーム7bの下端に、Tバー2の上部の段差と係合するTバー固定部7cが設けられている。Tバー固定部7cは、Tバー2に側方から螺設されるスクリュービス(不図示)により、Tバー2と固定されている。
【0029】
ナット固定部7aの上下面には、貫通された全ねじボルト5に螺合する調整ナット8、8が設けられ、全ねじボルト5の軸方向に対するハンガー7の位置調整が可能とされている。
【0030】
ブレースワイヤー15は、Tバー2の外力による横揺れ防止を図るもので、躯体1とTバー2との間に斜め方向に張られ、ワイヤー係止孔2cと係止金物23の係止孔(不図示)にそれぞれ挿通する閉ループ部15bが形成されて係止されている。閉ループ部15bは、ブレースワイヤー15の端部を、ワイヤー係止孔2cなどに挿通して折り曲げ、リングスリーブ10(結束部材)を用いてブレースワイヤー15の中間部と結束することにより形成されている。
【0031】
なお、吊り元、すなわちブレースワイヤー15と躯体1とは、上記の変形例として、図6(a)に示したように、ピッグテール部15cを設けて躯体1に埋め込んで固定してもよい。
従来、ピッグテールによるワイヤー端部埋設は、新築工事時に行われる場合があったが、ピッグテールは、個々の作業者によりで任意に曲げ加工されており、その形状は一定していなかった。そのため、係止姿勢や耐引抜力はかなりばらついていた。
【0032】
本変形例では、ブレースワイヤー15の先端から所定長さの位置に、色付スリーブ19(着色部)を通してから、その近傍を曲げ加工する。色付スリーブ19は、視認性を向上させるために、例えば黄色や赤などの目立つ色に着色されており、合成樹脂や合成ゴムなどからなるスリーブ状、チューブ状の部材である。
そして、先端部分の所定長さの直線を維持しながら、曲げ加工前には色付スリーブ19の下側であったブレースワイヤー15の中間部にほぼ90度で交差させる。それにより、ブレースワイヤー15の先端部に、ほぼ水平方向に延びる水平テール15dと、それに続いて閉ループを形成する湾曲部15eとからなるピッグテール部15cを形成する。
【0033】
ピッグテール部15cは、図6(a)に示したように、水平テール15dの先端と湾曲部15eの水平方向の幅2dが、鉛直方向に延びるブレースワイヤー15の中間部によりほぼ2等分される形状が好ましい。また、湾曲部15eは、円弧とは限らず、また屈曲部を有する形状であってもよいが、円弧とする場合には、φ40mm〜φ60mmであることが好ましい。
また、ピッグテール部15cは、現場での加工作業の手間を省くために、工場加工しておくことが好ましい。そうすれば、ピッグテール部15cの形状のばらつきを抑えることができるから、耐引抜力を安定させることができる利点がある。
【0034】
なお、着色部は、色付スリーブ19によらず、塗料などで、ピッグテール部15cを直に着色してもよい。色は、ワイヤーの種類や配置場所などに応じて色分けしておいてもよい。
【0035】
リングスリーブ10は、少なくともブレースワイヤー15が2本挿通できる内径を有し、適宜の圧着工具により、塑性変形させることができる金属管である。また、リングスリーブ10から延出したブレースワイヤー15の端部は、リングスリーブ10の側方に沿うように折り返され、ワイヤー折り返し部15aを形成している。
【0036】
ブレースワイヤー15は、例えば、JIS G 3505、JIS G 3547に規定される材質の鋼線を採用することができる。太さは、システム天井の荷重条件などに応じて適宜選択することができる。
【0037】
次に、ブレースワイヤー15をワイヤー係止孔2cに係止する施工方法について説明する。
図7、8は、その施工方法の施工手順を説明するための概略斜視図である。なお、図示を簡略にするために、ブレースワイヤー15を鉛直方向に吊下げるように描いているが、図2のように、斜め方向に吊下げる場合であっても、本質的に同様にして施工することができる。
【0038】
まず、躯体1に吊下げられたブレースワイヤー15に下方からリングスリーブ10を挿通させる(図7(a))。
そして、ブレースワイヤー15の下端をワイヤー係止孔2cに挿通させてから、上方に折り返し、再度リングスリーブ10に挿通する(図7(b))。リングスリーブ10の下方には、緩い閉ループ部15bが形成される。
そして、Tバー2の高さを適宜に設定しながら、リングスリーブ10を下降させて、閉ループ部15bの大きさを絞るとともに、リングスリーブ10上にブレースワイヤー15の端部を延出させる(図7(c))。
そして、図8(d)に示したように、圧着工具などにより、リングスリーブ10を径方向に押しつぶしてリングスリーブ10内に挿通されたブレースワイヤー15の端部と中間部を圧着する。
その後、リングスリーブ10から上方に延出したブレースワイヤー15の端部をリングスリーブ10の側方に沿うように下方に折り曲げて、ワイヤー折り返し部15aを形成する(図8(e))。
【0039】
上記の説明では、ワイヤーの材質、Tバー2や躯体1との固定方法などをブレースワイヤー15の例で説明したが、配設方向が異なる他は、吊りワイヤー16でも全く同様である。そして、吊りワイヤー16は、上記説明に対応して、符号15を符号16に置き換えた、ワイヤー折り返し部16a、閉ループ部16b、ピッグテール部16c、水平テール16dおよび湾曲部16eを備える。
【0040】
なお、このような施工方法において、多数のブレースワイヤー15、吊りワイヤー16が躯体1から吊下げられるため、それぞれのワイヤーの下端部が、施工者の頭や顔に突き刺さるといった事故が起こる恐れもある。そこで、図6(b)に示したように、ブレースワイヤー15、吊りワイヤー16の先端に、柔軟な合成樹脂チューブまたは合成ゴムチューブなどからなる保護キャップ14を設けることが好ましい。保護キャップ14は、例えば、10cm程度の長さに切断したチューブ状のものを、5cm程度ワイヤーにかぶせて用いることができる。そして、視認性を向上させるために保護キャップ14の色を、例えば、赤、黄色などの目立ちやすい色や、各種安全規格などで指定された警告色、配色パタンにする。薄暗い作業環境でもはっきり認識できるように、夜光塗料、蛍光塗料を採用すればさらに好ましい。
【0041】
また、保護キャップ14は、ブレースワイヤー15、吊りワイヤー16の先端の鋭いエッジを覆っていれば、先端にかぶさる嵌め込みキャップ式のものであってもよいが、図6(b)に示したチューブ式は、安価に製作できる。また、ワイヤーの先端から、例えば5cm程度保護キャップ14が延びる構成としているため、保護キャップ14の先端と実際のワイヤーとの間に5cm程度の余裕ができるので、より安全性が向上できる。
【0042】
次に、本実施形態に係るシステム天井の吊り構造の施工方法について説明する。
まず、スラブ面1bの所定位置に、インサート9を設置する。さらに、所定間隔で、係止金物23を鋲打ちする。そして、上記に説明したリングスリーブ10を用いる結束方法により、係止金物23の係止孔にブレースワイヤー15、吊りワイヤー16を挿通して、閉ループ部15b、16bを設けて係止する。このようにして、それぞれのワイヤーが躯体1から吊下げられる。
【0043】
この工程は、ピッグテール部15cを躯体1に埋め込む工程に置き換えてもよい(図5(a)参照)。
その場合は、躯体1を形成するため、デッキプレート26(躯体型枠)と、その上に適宜鉄筋(不図示)を配筋する。そして、デッキプレート26に設けられた複数の小穴26aに、それぞれ上方からブレースワイヤー15、吊りワイヤー16の下端を挿通する。そして、水平テール15d、16dを、デッキプレート26と係止する。水平テール15d、16dは、それぞれのワイヤーの中間部とほぼ直交しているから、それぞれのワイヤーはばらつきなくほぼ鉛直方向に吊下げられる。
なお、いずれの場合でも、吊り下げられたそれぞれのワイヤーの端部には、保護キャップ14を設けておく。
【0044】
一方、ブレースワイヤー15、吊りワイヤー16を挿通する貫通孔2dに、ハトメ部材11、12をハトメ加工したTバー2は、適宜の大きさのグリッド状に組んでおく。そして、それぞれのワイヤーとTバー2とを係止して、Tバー2を躯体1から吊下げる。吊りワイヤー16は、本実施形態のように、後で耐震圧縮支柱3が設置される場合には、例えば地震などにより、上下方向に大きな荷重を受けることがないので、挿通孔へのハトメ加工は省略してもよい。
【0045】
また、保護キャップ14をかぶせる長さをワイヤー折り返し部15a、16aの長さより短くしておけば、保護キャップ14をかぶせたままでも、上記の結束作業をスムーズに行うことができて好都合である。
【0046】
次に、全ねじボルト5をインサート9にねじ込み、電線管4を全ねじボルト5にかぶせる。そして、電線管受けナット6をねじ込んで、電線管4の上端がスラブ面1bに適宜の強さで圧着されるように固定する。
そして、ナット固定部7aに全ねじボルト5の下端が挿通され、Tバー固定部7cをTバー2の上端に係止した状態で、ハンガー7の位置調整を行い、ナット固定部7aの上下面を調整ナット8、8で固定する。さらに、Tバー固定部7cをスクリュービスでTバー2に固定する。
このようにして、本実施形態に係るシステム天井の吊り構造が施工される。
【0047】
なお、上記施工方法では、躯体1にインサート9を設けて、全ねじボルト5を固定する例で説明した。新築施工の場合には、そのようにするのが好ましいが、改修・補強工事の場合などには、インサート9の代わりに、図9(a)に示したような鋲付金具13を採用することができる。
【0048】
鋲付金具13は、鋲13cと、鋲13cを躯体1に打ち込んでスラブ面1bに固定するための固定部13aと、全ねじボルト5をねじ込むためのねじ部13bとを一体に設けた金具である。
【0049】
その取付方法は、図9(b)に示したように、固定部13aをスラブ面1bに当接させた状態で下方から鋲13cを打鋲する。そして、鋲付金具13の一部を曲げて、ねじ部13bが鉛直方向に向け、下方から全ねじボルト5がねじ込めるようにする。全ねじボルト5は上方にねじ込まれその端部を鋲13cに当接させて固定される。
【0050】
このような鋲付金具13によれば、新築時に耐震圧縮支柱3の配置を予定していないシステム天井であっても後から耐震圧縮支柱3を容易に追加することができ、耐震性を向上させることができるという利点がある。
【0051】
このように施工された本実施形態のシステム天井の吊り構造によれば、以下のような作用効果が得られる。
本実施形態に係るワイヤー係止孔2cは、ハトメ部材11、12によって補強されているので、地震などの外力により、ブレースワイヤー15を介して、ワイヤー係止孔2cの内周に強い荷重が集中しても、損傷が起こらないように補強することができる。逆に言えば、そのような損傷を防ぐために、Tバー2全体の強度を上げたり、ワイヤー径を太くしなくてもよいので、材料費を低減したり、施工しやすい細い径のワイヤーを採用することができるという利点がある。
【0052】
また、本実施形態では、従来、巻きつけ方式により、ワイヤーを係止していたところを、それに替えて、リングスリーブ10による結束方式を採用するから、専用の圧着工具などによって、リングスリーブ10を押しつぶすだけの単純作業となる。そのため、熟練度合いに関係なく、極めて容易に、しかも一定の結束力で結束することができる。その結果、施工効率が向上され、作業時間の短縮が可能となるという利点がある。
【0053】
また、その際、ワイヤー折り返し部15a、16aを設けることにより、圧着部にすべりが働いた場合でも、ワイヤー折り返し部15a、16aが抵抗となるから、保持力を増大させることができるという利点がある。
【0054】
また、リングスリーブ10で結束するので、結束力はワイヤーの太さに依存することがなく、より細いワイヤーを採用することができる。例えば、一般的な施工条件を考慮すると、多くの場合、14番線(φ2.0mm)を好適に用いることができる。このように細いワイヤーを用いることにより、ワイヤーの切断や折り曲げが容易となり、施工効率を向上させることができるという利点がある。具体的には、φ2.6mmワイヤーの結束作業は両手操作の大型プライヤーが必要となるが、φ2.0mmワイヤーの結束作業は片手操作の小型工具で行うことができる。
【0055】
本実施形態に係る耐震圧縮支柱3によれば、ハンガー7を位置調整可能に設けるから、Tバー2の高さを上下方向に微調整することができる。その結果、Tバー2からなるグリッド下地の不陸精度を容易に修正することができ、施工効率が向上できる。また、見栄えのよいシステム天井を速やかに仕上げることができるという利点がある。
【0056】
さらに、耐震圧縮支柱3は、全ねじボルト5のねじにより、長さ調整や固定を行うから、きわめて容易に施工できる。また、例えば従来のコンプレッションポスト21のようにストッパ機構などの高価な機構がないから、汎用的な部材により安価に構成することができるという利点がある。
【0057】
本実施形態の変形例に係るピッグテール部15c、16cを備えたブレースワイヤー15、吊りワイヤー16によれば、それぞれのワイヤーの取付姿勢をばらつきなくほぼ鉛直方向に揃えることができる。その結果、ワイヤーが作業の邪魔にならず、Tバー2との結束作業も整然と進めることができ、施工効率を向上することができるという利点がある。
また、色付スリーブ19を設けるので、デッキプレート26の上方からでも、それぞれのワイヤーの配設の有無や区別を容易に確認でき、施工ミスを防止できる。
【0058】
なお、上記の説明では、結束部材としてハトメ部材11、12を用いる例で説明したが、強度が満足されれば、いずれか一方だけの一重の補強でもよい。
また、上記の説明では、ハトメ加工は、端部を曲げ絞りする例で説明した。この場合には、曲げ部がブレースワイヤー15と滑らかに当たるので集中荷重が発生しにくいという利点があるが、貫通孔2dの内周が補強されば、端部の圧着形態はどのようなものであってもよい。例えば、端部が断裂されて放射状に延びる爪状に展開されていてもよい。
さらには、ハトメ加工に限るものではなく、例えば、貫通孔2dに嵌合する環材の両端をウェブ2aにかしめて固定してもよい。
【0059】
また、上記の説明では、耐震圧縮支柱3に、全ねじボルト5を用いる例で説明した。全ねじボルトは、汎用部品として容易に入手できるので好都合であるが、ねじ部は、螺合が必要な場所だけに設けられていればよく、必ずしも全ねじが必要とされるわけではないことは言うまでもない。
【0060】
また、上記の説明では、結束部材として、リングスリーブ10を用いる例で説明したが、結束部材はこれに限るものではなく、例えば、展開されれば板状になるバンド部材をブレースワイヤー15に周回させてから、かしめたり、ブレースワイヤー15を挟持してねじ固定することが可能な結束金具を用いて、ブレースワイヤー15に取り付ける構成を採用してもよい。
【0061】
【発明の効果】
以上に述べたように、請求項1に記載の発明では、結束部材により、熟練を必要とせずに、結束力を安定させることができ、施工効率が向上することができるという効果を奏する。
また、ワイヤーの太さにも依存しないようにすることができるから、細いワイヤーを採用して施工効率を向上させることできるという効果を奏する。
【0062】
請求項2に記載の発明では、スリーブ部材を圧縮固定する前にワイヤーを仮結束状態にして、結束位置の調整が行えるから作業性を向上することができるという効果を奏する。
【0063】
請求項3に記載の発明では、Tバーの貫通孔が低強度であっても、ワイヤーによって破損されないようにすることができるから、Tバーを軽量化、低コスト化することができるという効果を奏する。
また、Tバーの挿通孔が補強されているから、施工性に優れる細いワイヤーを用いて吊下げることができる。その結果、施工効率を向上することができる。
【0064】
請求項4に記載の発明では、ワイヤーが鉛直方向に吊下がるように容易に係止姿勢を揃えることができるから、ワイヤーが作業の邪魔にならず、Tバーへのワイヤーの結束作業を整然と進めることができるので、施工効率を向上することができるという効果を奏する。
【0065】
請求項5に記載の発明では、ワイヤーの視認が容易となり、施工ミスなどを防止できるという効果を奏する。
【0066】
請求項6に記載の発明では、施工の安全性を向上することができるという効果を奏する。
【0067】
請求項7に記載の発明では、Tバーとの固定位置が調整できる圧縮支柱を構成することができるから、施工効率を向上することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るシステム天井の吊り構造の概略を説明するための斜視部分断面図である。
【図2】同じくその断面方向の概略構成を説明するための説明図である。
【図3】図2におけるA視部分拡大図である。
【図4】本発明の実施の形態に係るハトメ部材11、12を説明するための正面図および側面図である。
【図5】ハトメ部材11(12)の固定方法を説明するための断面説明図である。
【図6】本発明の実施の形態の変形例に係るピッグテール部を有するワイヤーおよび保護キャップを説明するための断面図およびB部の斜視部分拡大図である。
【図7】本発明の実施の形態に係るシステム天井の吊り構造の施工方法の一部を説明するための斜視図である。
【図8】同じく図7に続く工程を示す斜視図である。
【図9】本発明の実施の形態に係る耐震圧縮支柱3の固定の仕方の一例を示す説明図である。
【図10】従来のシステム天井の吊り構造の一例を示す正面視説明図である。
【符号の説明】
1 躯体
1b スラブ面
2 Tバー
2a ウェブ
2c ワイヤー係止孔(挿通孔)
3 耐震圧縮支柱(圧縮支柱)
4 電線管(管状部材)
5 全ねじボルト(ボルト部材)
6 電線管受けナット(係止部材)
7 ハンガー(Tバー固定部材)
8 調整ナット
10 リングスリーブ(結束部材)
11、12 ハトメ部材(環状の補強部材)
14 保護キャップ
15 ブレースワイヤー(ワイヤー)
15a ワイヤー折り返し部
15b 閉ループ部
15c ピッグテール部
15d 水平テール(直線部分)
16 吊りワイヤー(ワイヤー)
26 デッキプレート(躯体型枠)
Claims (7)
- Tバーが、グリッド状に組まれ、躯体に固定されたワイヤーで吊られることにより、システム天井を配設するためのグリッド状下地が形成されたシステム天井の吊り構造であって、
前記Tバーに、前記ワイヤーを挿通する挿通孔が設けられ、
前記ワイヤーが、前記挿通孔に挿通されて折り曲げられ、前記Tバーに挿通する閉ループ部を形成した状態で、前記ワイヤーの端部とワイヤーの中間部とを束ねる結束部材により結束されたことを特徴とするシステム天井の吊り構造。 - 前記結束部材が、前記ワイヤーの端部とワイヤーの中間部とを内部に通してから、径方向に圧縮されたスリーブ部材であることを特徴とする請求項1に記載のシステム天井の吊り構造。
- 前記挿通孔が、前記Tバーに設けられた貫通孔の内周に、環状の補強部材を配設して形成されたことを特徴とする請求項1または2に記載のシステム天井の吊り構造。
- 前記ワイヤーが、躯体に固定するためのピッグテール部を備え、
該ピッグテール部が、前記ワイヤーをその先端側の所定位置で曲げ加工することにより、先端から所定長さの直線部分を残し、かつ該直線部分が前記ワイヤーの直線状の中間部とほぼ直交される構成を有し、
前記直線部分が前記躯体型枠上面と係止されて、前記ワイヤーが前記躯体に固定されたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のシステム天井の吊り構造。 - 前記ワイヤーのピッグテール部に視認用の着色部を設けたことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のシステム天井の吊り構造。
- 前記ワイヤーの下側先端に視認用の着色が施された保護キャップを設けたことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のシステム天井の吊り構造。
- Tバーが、グリッド状に組まれ、躯体に固定されたワイヤーで吊られることにより、システム天井を配設するためのグリッド状下地が形成され、該グリッド状下地と躯体との間に、前記Tバーの上方への変形を規制する圧縮支柱を設けたシステム天井の吊り構造であって、
前記圧縮支柱部材が、
圧縮方向に係止される係止部を両端に有する管状部材と、
該管状部材の管内に貫通され、両端にねじ部が形成されたボルト部材と、
該ボルト部材をその中間部で、前記管状部材の一方の係止部に係止する係止部材と、
前記管状部材の一方の係止部側に位置するボルト部材の端部に、位置調整可能に設けられたTバー固定部材とを備えることを特徴とするシステム天井の吊り構造。
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- 2002-08-20 JP JP2002239215A patent/JP2004076433A/ja active Pending
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