JP2004076063A - ニオブ合金粉末、固体電解コンデンサ用アノード及び固体電解コンデンサ - Google Patents
ニオブ合金粉末、固体電解コンデンサ用アノード及び固体電解コンデンサ Download PDFInfo
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Abstract
【課題】焼結挙動の温度依存性を改善しつつ、酸化皮膜の熟安定性を高め、漏れ電流が少なくかつ高容量の固体電解コンデンサを作るためのニオブ合金粉末を提供する。
【解決手段】ニオブ合金粉末は、それぞれ0.002〜20質量%のモリブデン、クロム、タングステン、0.002〜5質量%のリン、ホウ素のうちいずれか一種以上を含有し、さらに水素:0.005〜0.10質量%を含有し、残部が実質的にニオブからなり、粉体の比表面積が1〜20m2/g、累積細孔容積が0.2ml/g以上、累積細孔容積の全体に対する1μm以下の直径を有する細孔の容積の累積が10%以上、10μm以下の直径を有する細孔の容積が40%以上とする。
【選択図】 図1
【解決手段】ニオブ合金粉末は、それぞれ0.002〜20質量%のモリブデン、クロム、タングステン、0.002〜5質量%のリン、ホウ素のうちいずれか一種以上を含有し、さらに水素:0.005〜0.10質量%を含有し、残部が実質的にニオブからなり、粉体の比表面積が1〜20m2/g、累積細孔容積が0.2ml/g以上、累積細孔容積の全体に対する1μm以下の直径を有する細孔の容積の累積が10%以上、10μm以下の直径を有する細孔の容積が40%以上とする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ニオブ合金粉末、そのニオブ合金粉末を用いて形成した固体電解コンデンサ用アノード及び固体電解コンデンサに関するもあである。
【0002】
【従来の技術】
従来、電解コンデンサにはタンタル粉末が用いられてきたが、生産量が少なく、価格が安定しないなどの問題を持っていた。近年、埋蔵量も多く安価なニオブを電解コンデンサの陽極に用いようとする動きが加速している。
【0003】
静電容量の大きい電解コンデンサを製造するためにニオブ粉末の粒子径を小さくすると、ニオブ焼結体を製造するとき焼結挙動が変化する。具体的には焼結時の収縮の温度依存性が大きくなると共に、焼結体内の空孔が小さくなってしまう。このことによって、コンデンサを製造する場合に焼成炉の温度分布による製品の静電容量の偏差を生ずるとともに、陰極に用いる導電性樹脂等の充填が困難となる。従って、一次粒子径が小さく、かつ、焼結挙動の温度依存性が小さいニオブ粉末が必要となる。さらにニオブ粉末を用いたコンデンサは、タンタル粉末を用いたコンデンサに比べ、漏れ電流が大きく、かつ、高温下での特性劣化が大きいと言う問題がある。
【0004】
タンタル粉末に窒素、珪素、リン、ホウ素等を添加した焼結フィルム形成金属エレクトロードからなる固体電解コンデンサがある。(例えば、特許文献1参照。)また、タンタル粉末にリン、イオウ、珪素、ホウ素、窒素等を添加して焼結速度を抑える技術がある(例えば、特許文献2参照。)。
【0005】
これらの技術では、対象としている粒子は比較的大きく、高静電容量を目指した粒子径の小さいニオブ粉末に対しては、これらの技術をそのまま適用することはできない。
【0006】
【特許文献1】
米国特許3825802号公報(コラム2、13行〜19行)
【0007】
【特許文献2】
米国特許4544403号公報(コラム2、51行〜61行)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、ニオブコンデンサにおける上記問題を解決し、焼結挙動の温度依存性を改善しつつ、酸化皮膜の熱安定性を高め、漏れ電流が少なくかつ高静電容量のコンデンサを作るためのニオブ合金粉末を提供する。またこのニオブ合金粉末を用いた固体電解コンデンサ用アノード及び固体電解コンデンサを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、
モリブデン:0.002〜20質量%
クロム:0.002〜20質量%
タングステン:0.002〜20質量%
リン:0.002〜5質量%
ホウ素:0.002〜5質量%
のいずれか一種以上を含有し、さらに
水素:0.005〜0.10質量%
を含有し、残部が実質的にニオブからなり、粉体の比表面積が1〜20m2/gであり、水銀圧入法による測定で、0.2ml/g以上の累積細孔容積を有し、累積細孔容積の全体に対して1μm以下の直径を有する細孔の容積の累積が10%以上、10μm以下の直径を有する細孔の容積が40%以上を占めていることを特徴とするニオブ合金粉末である。
【0010】
本発明では、モリブデン、クロム、タングステンを0.002〜20質量%、リン、ホウ素を0.002〜5質量%のいずれか一種以上を含有し、さらに水素:0.005〜0.10質量%を含有させることによって、焼結時の温度依存性が改善され、固体電解コンデンサ製造に適したニオブ合金粉末となる。また、これらの元素を添加したニオブ合金粉末では漏れ電流の値が低下する効果が得られる。モリブデン、クロム、タングステン、リン、ホウ素の各成分の範囲は、上記下限を外れると焼結時の温度依存性を抑制する効果が得られず、上記上限を超えると漏れ電流が増加しコンデンサの性能が劣化するので、上記のように規定した。また水素を適量に制御したニオブ合金粉末は、プレス成形性が改善され、プレス後の二次粒子の境界が見えなくなり、成型体エッジの欠けが発生しなくなる。よって、水素を添加しないニオブ合金粉末に比べ成形性を改善することができ、好適である。
【0011】
粉体の比表面積は、1〜20m2/gが好ましく、1m2/g未満では静電容量が小さなコンデンサしか製造できず、20m2/gを超えると一次粒子が細かくなりすぎ、コンデンサとして用いる場合の耐圧が確保できない。このため実用的なコンデンサとはならないので限定される。また、細孔容積が0.2ml/gであったり、累積細孔容積の全体に対して1μm以下の細孔容積の累積が10%未満であったり、10μm以下の細孔容積が40%未満の場合には、焼結が進みやすくなり、表面積が小さくなる、すなわちコンデンサの静電容量が小さくなるという問題があり、さらに、焼結が進むことにより、細孔がさらに小さくなりコンデンサの陰極形成時に導電性樹脂等を充填することができなくなるという問題が生じる。なお細孔容積の測定は水銀圧入法を用いる。
【0012】
上記ニオブ合金粉末において、さらに、窒素:0.005〜1質量%を含有させると、化成処理で生成したニオブ酸化物中の酸素の移動を妨げることで、長期安定性、耐熱性が向上するので好適である。
【0013】
また、上記ニオブ合金粉末は、凝集した二次粒子の平均粒子径が10〜200μmであると、微細粒子であっても成形性を維持することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の形態を説明する。
【0015】
本発明のニオブ合金粉末の製造はCVD装置等で行うことができる。原料としてクロム、モリブデン、タングステン、リン、ホウ素の各々の化合物等を適宜塩化ニオブ中に混合し、水素ガスを用いて還元することにより、ニオブ合金粉末を製造した。
【0016】
粒子径及び空孔径はCVD装置で反応させるときの原料の滞留時間、温度等やその後の熱処理条件をコントロールすることで適当な径に制御することができる。粉体の比表面積は、1〜20m2/gが好ましく、1m2/g未満では容量が小さなコンデンサしか製造できず、20m2/gを超えると一次粒子が細かくなりすぎコンデンサとして用いる場合の耐圧が確保できないため1〜20m2/gとする。また、累積細孔容積が0.2ml/g以上、累積細孔容積の全体に対して1μm以下の直径を有する細孔の容積の累計が10%以上、10μm以下の直径を有する細孔容積が40%以上になるようにする。こうすることによって、焼結が進みやくなり表面積が小さくなってコンデンサの静電容量が小さくなる問題や、コンデンサの陰極形成時に導電性樹脂等が充填できなくなる問題を防止することができる。なお細孔容積の測定は水銀圧入法を用いる。モリブデン、タングステン、クロム、リン、ホウ素の分析は、フッ化水素酸および硝酸または硫酸を加え、水浴上で加熱分解しICP分析装置で分析を行う。
【0017】
【実施例】
以下に実施例をあげて本発明の具体例を説明する。
【0018】
ニオブ原料として五塩化ニオブを使用し、水素還元によってニオブ合金粉末を作成した。その際に、ニオブ原料中にモリブデン、タングステン等の塩化物を添加し、成分を変化させた。このニオブ合金粉末を用いてペレットを作成し、以下の方法で固体電解コンデンサを製作し、静電容量、漏れ電流を測定した。
【0019】
0.1gのニオブ合金粉末に陽極に用いるφ0.3μmのニオブ線材を埋め込み、嵩密度3000kg/m3にプレス成型してペレット作成した。作成したペレットは、炉内圧1×10−3Paの雰囲気中で、1100〜1400℃で焼成した。そのペレットを0.8質量%のリン酸水溶液に浸漬させ、20Vの電圧を4時間印加し、化成皮膜を生成させた。その後40質量%の硫酸溶液中でニオブコンデンサの静電容量及び漏れ電流の測定を行った。漏れ電流は、14V印加時の5分後の値、静電容量は1.5Vのバイアスをかけた状態での120Hzの値を測定し、CV値で評価した。表1にこれらの結果をまとめて示した。
【0020】
さらに上記のようにして化成処理を行ったサンプルE―1〜E−5、C―1〜C−5に他方の電極材料としてポリピロールを焼結体内部に充填し、さらにカーボンペースト銀ペーストを積層した後、リードフレームに搭載後エポキシ樹脂で封入しコンデンサを作成した。このコンデンサの静電容量も1.5Vのバイアスをかけた状態での120Hzの値を測定した。図1に実施例及び比較例の静電容量(μF)の測定値の分布を示した。図中E1〜E5は実施例、C1〜C5は比較例である。
【0021】
【表1】
【0022】
ペレットの焼成前後の形状変化より計算したシュリンゲージ(収縮)は、空孔径を制御することにより改善された。さらに、モリブデン、タングステン、クロム、リン、ホウ素含有量が所定の範囲内では、シュリンケージの温度依存性が小さくなり、静電容量が大きく、かつ、漏れ電流が改善された。それ以上添加した領域では漏れ電流の値が悪くなった。またこれらのペレットを用いて製作したコンデンサの静電容量を調べると、本発明の範囲を外れたサンプルでは、静電容量が不十分なものの発生確率が50%であった。これはペレット焼成時の収縮により空孔が融着するかまたは小さくなり、ポリピロールの充填がうまく行えなかったためと考えられる。
【0023】
【発明の効果】
本発明によれば、固体電解コンデンサに用いるニオブ合金粉末の比表面積と細孔分布を一定範囲内に調整すること、及び特定の成分を加えることにより、固体電解コンデンサを焼結する時の温度依存性を低減することができると共に、コンデンサの漏れ電流を低減することができる。従って、このようなニオブ合金粉末を用いて、高静電容量を有し漏れ電流の小さい固体電解コンデンサ用アノード及び固体電解コンデンサを製作することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例及び比較例の静電容量の測定値の分布を示すグラフである。
【発明の属する技術分野】
本発明は、ニオブ合金粉末、そのニオブ合金粉末を用いて形成した固体電解コンデンサ用アノード及び固体電解コンデンサに関するもあである。
【0002】
【従来の技術】
従来、電解コンデンサにはタンタル粉末が用いられてきたが、生産量が少なく、価格が安定しないなどの問題を持っていた。近年、埋蔵量も多く安価なニオブを電解コンデンサの陽極に用いようとする動きが加速している。
【0003】
静電容量の大きい電解コンデンサを製造するためにニオブ粉末の粒子径を小さくすると、ニオブ焼結体を製造するとき焼結挙動が変化する。具体的には焼結時の収縮の温度依存性が大きくなると共に、焼結体内の空孔が小さくなってしまう。このことによって、コンデンサを製造する場合に焼成炉の温度分布による製品の静電容量の偏差を生ずるとともに、陰極に用いる導電性樹脂等の充填が困難となる。従って、一次粒子径が小さく、かつ、焼結挙動の温度依存性が小さいニオブ粉末が必要となる。さらにニオブ粉末を用いたコンデンサは、タンタル粉末を用いたコンデンサに比べ、漏れ電流が大きく、かつ、高温下での特性劣化が大きいと言う問題がある。
【0004】
タンタル粉末に窒素、珪素、リン、ホウ素等を添加した焼結フィルム形成金属エレクトロードからなる固体電解コンデンサがある。(例えば、特許文献1参照。)また、タンタル粉末にリン、イオウ、珪素、ホウ素、窒素等を添加して焼結速度を抑える技術がある(例えば、特許文献2参照。)。
【0005】
これらの技術では、対象としている粒子は比較的大きく、高静電容量を目指した粒子径の小さいニオブ粉末に対しては、これらの技術をそのまま適用することはできない。
【0006】
【特許文献1】
米国特許3825802号公報(コラム2、13行〜19行)
【0007】
【特許文献2】
米国特許4544403号公報(コラム2、51行〜61行)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、ニオブコンデンサにおける上記問題を解決し、焼結挙動の温度依存性を改善しつつ、酸化皮膜の熱安定性を高め、漏れ電流が少なくかつ高静電容量のコンデンサを作るためのニオブ合金粉末を提供する。またこのニオブ合金粉末を用いた固体電解コンデンサ用アノード及び固体電解コンデンサを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、
モリブデン:0.002〜20質量%
クロム:0.002〜20質量%
タングステン:0.002〜20質量%
リン:0.002〜5質量%
ホウ素:0.002〜5質量%
のいずれか一種以上を含有し、さらに
水素:0.005〜0.10質量%
を含有し、残部が実質的にニオブからなり、粉体の比表面積が1〜20m2/gであり、水銀圧入法による測定で、0.2ml/g以上の累積細孔容積を有し、累積細孔容積の全体に対して1μm以下の直径を有する細孔の容積の累積が10%以上、10μm以下の直径を有する細孔の容積が40%以上を占めていることを特徴とするニオブ合金粉末である。
【0010】
本発明では、モリブデン、クロム、タングステンを0.002〜20質量%、リン、ホウ素を0.002〜5質量%のいずれか一種以上を含有し、さらに水素:0.005〜0.10質量%を含有させることによって、焼結時の温度依存性が改善され、固体電解コンデンサ製造に適したニオブ合金粉末となる。また、これらの元素を添加したニオブ合金粉末では漏れ電流の値が低下する効果が得られる。モリブデン、クロム、タングステン、リン、ホウ素の各成分の範囲は、上記下限を外れると焼結時の温度依存性を抑制する効果が得られず、上記上限を超えると漏れ電流が増加しコンデンサの性能が劣化するので、上記のように規定した。また水素を適量に制御したニオブ合金粉末は、プレス成形性が改善され、プレス後の二次粒子の境界が見えなくなり、成型体エッジの欠けが発生しなくなる。よって、水素を添加しないニオブ合金粉末に比べ成形性を改善することができ、好適である。
【0011】
粉体の比表面積は、1〜20m2/gが好ましく、1m2/g未満では静電容量が小さなコンデンサしか製造できず、20m2/gを超えると一次粒子が細かくなりすぎ、コンデンサとして用いる場合の耐圧が確保できない。このため実用的なコンデンサとはならないので限定される。また、細孔容積が0.2ml/gであったり、累積細孔容積の全体に対して1μm以下の細孔容積の累積が10%未満であったり、10μm以下の細孔容積が40%未満の場合には、焼結が進みやすくなり、表面積が小さくなる、すなわちコンデンサの静電容量が小さくなるという問題があり、さらに、焼結が進むことにより、細孔がさらに小さくなりコンデンサの陰極形成時に導電性樹脂等を充填することができなくなるという問題が生じる。なお細孔容積の測定は水銀圧入法を用いる。
【0012】
上記ニオブ合金粉末において、さらに、窒素:0.005〜1質量%を含有させると、化成処理で生成したニオブ酸化物中の酸素の移動を妨げることで、長期安定性、耐熱性が向上するので好適である。
【0013】
また、上記ニオブ合金粉末は、凝集した二次粒子の平均粒子径が10〜200μmであると、微細粒子であっても成形性を維持することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の形態を説明する。
【0015】
本発明のニオブ合金粉末の製造はCVD装置等で行うことができる。原料としてクロム、モリブデン、タングステン、リン、ホウ素の各々の化合物等を適宜塩化ニオブ中に混合し、水素ガスを用いて還元することにより、ニオブ合金粉末を製造した。
【0016】
粒子径及び空孔径はCVD装置で反応させるときの原料の滞留時間、温度等やその後の熱処理条件をコントロールすることで適当な径に制御することができる。粉体の比表面積は、1〜20m2/gが好ましく、1m2/g未満では容量が小さなコンデンサしか製造できず、20m2/gを超えると一次粒子が細かくなりすぎコンデンサとして用いる場合の耐圧が確保できないため1〜20m2/gとする。また、累積細孔容積が0.2ml/g以上、累積細孔容積の全体に対して1μm以下の直径を有する細孔の容積の累計が10%以上、10μm以下の直径を有する細孔容積が40%以上になるようにする。こうすることによって、焼結が進みやくなり表面積が小さくなってコンデンサの静電容量が小さくなる問題や、コンデンサの陰極形成時に導電性樹脂等が充填できなくなる問題を防止することができる。なお細孔容積の測定は水銀圧入法を用いる。モリブデン、タングステン、クロム、リン、ホウ素の分析は、フッ化水素酸および硝酸または硫酸を加え、水浴上で加熱分解しICP分析装置で分析を行う。
【0017】
【実施例】
以下に実施例をあげて本発明の具体例を説明する。
【0018】
ニオブ原料として五塩化ニオブを使用し、水素還元によってニオブ合金粉末を作成した。その際に、ニオブ原料中にモリブデン、タングステン等の塩化物を添加し、成分を変化させた。このニオブ合金粉末を用いてペレットを作成し、以下の方法で固体電解コンデンサを製作し、静電容量、漏れ電流を測定した。
【0019】
0.1gのニオブ合金粉末に陽極に用いるφ0.3μmのニオブ線材を埋め込み、嵩密度3000kg/m3にプレス成型してペレット作成した。作成したペレットは、炉内圧1×10−3Paの雰囲気中で、1100〜1400℃で焼成した。そのペレットを0.8質量%のリン酸水溶液に浸漬させ、20Vの電圧を4時間印加し、化成皮膜を生成させた。その後40質量%の硫酸溶液中でニオブコンデンサの静電容量及び漏れ電流の測定を行った。漏れ電流は、14V印加時の5分後の値、静電容量は1.5Vのバイアスをかけた状態での120Hzの値を測定し、CV値で評価した。表1にこれらの結果をまとめて示した。
【0020】
さらに上記のようにして化成処理を行ったサンプルE―1〜E−5、C―1〜C−5に他方の電極材料としてポリピロールを焼結体内部に充填し、さらにカーボンペースト銀ペーストを積層した後、リードフレームに搭載後エポキシ樹脂で封入しコンデンサを作成した。このコンデンサの静電容量も1.5Vのバイアスをかけた状態での120Hzの値を測定した。図1に実施例及び比較例の静電容量(μF)の測定値の分布を示した。図中E1〜E5は実施例、C1〜C5は比較例である。
【0021】
【表1】
【0022】
ペレットの焼成前後の形状変化より計算したシュリンゲージ(収縮)は、空孔径を制御することにより改善された。さらに、モリブデン、タングステン、クロム、リン、ホウ素含有量が所定の範囲内では、シュリンケージの温度依存性が小さくなり、静電容量が大きく、かつ、漏れ電流が改善された。それ以上添加した領域では漏れ電流の値が悪くなった。またこれらのペレットを用いて製作したコンデンサの静電容量を調べると、本発明の範囲を外れたサンプルでは、静電容量が不十分なものの発生確率が50%であった。これはペレット焼成時の収縮により空孔が融着するかまたは小さくなり、ポリピロールの充填がうまく行えなかったためと考えられる。
【0023】
【発明の効果】
本発明によれば、固体電解コンデンサに用いるニオブ合金粉末の比表面積と細孔分布を一定範囲内に調整すること、及び特定の成分を加えることにより、固体電解コンデンサを焼結する時の温度依存性を低減することができると共に、コンデンサの漏れ電流を低減することができる。従って、このようなニオブ合金粉末を用いて、高静電容量を有し漏れ電流の小さい固体電解コンデンサ用アノード及び固体電解コンデンサを製作することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例及び比較例の静電容量の測定値の分布を示すグラフである。
Claims (5)
- モリブデン:0.002〜20質量%
クロム:0.002〜20質量%
タングステン:0.002〜20質量%
リン:0.002〜5質量%
ホウ素:0.002〜5質量%
のいずれか一種以上を含有し、さらに
水素:0.005〜0.10質量%
を含有し、残部が実質的にニオブからなり、粉体の比表面積が1〜20m2/gであり、水銀圧入法による測定で、0.2ml/g以上の累積細孔容積を有し、累積細孔容積の全体に対して1μm以下の直径を有する細孔の容積の累積が10%以上、10μm以下の直径を有する細孔の容積が40%以上を占めていることを特徴とするニオブ合金粉末。 - さらに、
窒素:0.005〜1質量%
を含有することを特徴とする請求項1記載のニオブ合金粉末。 - 凝集した二次粒子の平均粒子径が10〜200μmであることを特徴とする請求項1又は2記載のニオブ合金粉末。
- 請求項1〜3の何れかに記載のニオブ合金粉末を原料とする焼結体であることを特徴とする固体電解コンデンサ用アノード。
- 請求項1〜3の何れかに記載のニオブ合金粉末を原料とする焼結体をコンデンサ内部にアノードとして形成してなることを特徴とする固体電解コンデンサ。
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