JP2004073960A - 粉体の自動洗浄装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】粉体の洗浄工程における自動化が可能で、しかも、十分な洗浄及び脱水ができ、歩留りが向上し、長時間の連続処理ができる粉体の自動洗浄装置を提供する。
【解決手段】密封容器11内で粉体12と洗浄用の液体13とを混合及び撹拌して粉体12を洗浄し、粉体12と液体13の混合液14を濾布15により脱水する粉体の洗浄装置であって、密封容器11は、相対する一対のフランジ16、17を介して2分割され、分割されたいずれか一方が昇降可能であり、濾布15は一対のフランジ16、17に挟持され、しかも、両端がそれぞれ対となる巻取手段25、26に巻き取り及び巻き戻し可能に取付けられ、密封容器11の分割されたいずれか一方が昇降して密封容器11が開放された状態で、脱水されてケーキ状となった粉体12を載せて密封容器11外へ搬出することができる。
【選択図】 図1
【解決手段】密封容器11内で粉体12と洗浄用の液体13とを混合及び撹拌して粉体12を洗浄し、粉体12と液体13の混合液14を濾布15により脱水する粉体の洗浄装置であって、密封容器11は、相対する一対のフランジ16、17を介して2分割され、分割されたいずれか一方が昇降可能であり、濾布15は一対のフランジ16、17に挟持され、しかも、両端がそれぞれ対となる巻取手段25、26に巻き取り及び巻き戻し可能に取付けられ、密封容器11の分割されたいずれか一方が昇降して密封容器11が開放された状態で、脱水されてケーキ状となった粉体12を載せて密封容器11外へ搬出することができる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、活性炭等の粉体と洗浄用の液体とを混合して撹拌及び洗浄を行い、混合液を脱水して脱水ケーキを自動で取り出して粉体に含まれる異物を除去する粉体の自動洗浄装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、粉体を液体と混合して撹拌により洗浄したものを脱水して取り出すことを目的とする粉体の洗浄装置として、図3及び図4に示す2つの形態のものが知られている。
図3に示す粉体の洗浄装置70においては、分割できない一体構造の密封された洗浄容器71に粉体72と液体73とを充填し、撹拌手段74を用いて撹拌して洗浄し、洗浄完了後は混合液75として洗浄容器71外に排出し、別途設けた脱水手段の一例であるフィルタープレス76を用いて水分を除去して粉体72を回収している。なお、粉体72の純度を高めるためには、この処理を繰り返し行う必要があり、フィルタープレス76で水分が除去された脱水ケーキ77をフィルタープレス76から剥離し、取り出して、洗浄容器71に再充填するようになっている。
【0003】
一方、図4に示す粉体の洗浄装置80においては、下部において水平面で上下に2分割可能な容器本体部81及び底部82を備えた密封容器が、容器本体部81、底部82の対となる接続フランジ83、84を介して複数のクランプ85により締め付けられた構造となっている。密封容器内にはクランプ85を外して手作業で取付け、取り外しする濾布86を有している。密封容器内の粉体と液体を撹拌・搬出手段87により撹拌し、洗浄した後は、粉体と液体からなる混合液を混合液の上方からの加圧、又は濾布86の下方からの真空吸引により脱水して濾布86上に脱水ケーキ88を生成することができる。脱水ケーキ88の密封容器外への取り出しは、撹拌・搬出手段87の複数の鋤片89を設けたレーキ車90を回転させて、脱水ケーキ88を容器本体部81の外周へ掻き集め、外周に設けた排出口91から外部に排出している。このように、鋤片89を備えたレーキ車90は、脱水ケーキ88の表面を均すことによって脱水ケーキ88のひび割れを防止して効率的な脱水を行う機能の他、混合液を撹拌する機能も兼ね備えている。なお、図4中の符号92は粉体及び液体の投入口を、符号93は多数の小孔が形成され、濾布86を支持する簀の子を、符号94は濾布86により分離された液体を外部に取り出す排出口を表している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来の粉体の洗浄装置70、80においては、未だ解決すべきそれぞれ以下のような問題があった。
粉体の洗浄装置70においては、粉体72の純度を高めるために、フィルタープレス76で水分が除去された脱水ケーキ77を洗浄容器71に再充填する必要があるが、フィルタープレス76での脱水ケーキ77の剥離、取り出し及び洗浄容器71への再充填という工程を自動化する点で、特に、脱水ケーキ77の剥離、取り出しを安定して行うことに問題があり、実用的ではなかった。
一方、粉体の洗浄装置80においては、粉体の洗浄装置70の問題点である脱水ケーキの剥離及び取り出しを自動的に行うことはできるが、鋤片89を用いて掻き出して排出する方法ではかなりの未排出の脱水ケーキ88が濾布86上に残り、歩留りが極めて悪かった。また、レーキ車90は粉体と液体とを撹拌するためにも使用するものであるが、撹拌専用に設計された羽根車のように強力な撹拌作用を持たせることができず、これにより粉体の洗浄が十分ではなかった。さらに、濾布86はクランプ85を着脱して手作業によって交換しなければならず、このため長時間の連続自動処理ができないという問題もあった。
【0005】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、粉体の洗浄工程における自動化が可能で、しかも、十分な洗浄及び脱水ができ、歩留りが向上し、長時間の連続処理ができる粉体の自動洗浄装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記目的に沿う本発明に係る粉体の自動洗浄装置は、密封容器内で粉体と洗浄用の液体とを混合及び撹拌して粉体を洗浄し、粉体と液体の混合液を濾布により脱水する粉体の洗浄装置であって、密封容器は、相対する一対のフランジを介して2分割可能で、分割されたいずれか一方が昇降可能であり、濾布は一対のフランジに挟持され、しかも、両端がそれぞれ対となる巻取手段に巻き取り及び巻き戻し可能に取付けられ、密封容器の分割されたいずれか一方が昇降して密封容器が開放された状態で、脱水されてケーキ状となった粉体を載せて密封容器外へ搬出可能に構成されている。これによって、密封容器内で粉体と洗浄用の液体とを混合及び撹拌して粉体を洗浄し、しかも得られた混合液を濾布により脱水した後、密封容器が開放された状態で、脱水されてケーキ状となった粉体を濾布に載せて対となる巻取手段により自動で密封容器外へ搬出することができる。
【0007】
本発明に係る粉体の自動洗浄装置において、粉体と洗浄用の液体とを混合及び撹拌する撹拌手段と、混合液の脱水中にケーキ状の粉体の表面をならす均し手段とを、別々に設けることもできる。これによって、撹拌手段により混合及び撹拌して粉体の洗浄効率を高くでき、また、均し手段により脱水中にケーキ状の粉体のケーキ表面のひび割れを防止することができる。
本発明に係る粉体の自動洗浄装置において、撹拌手段には、水平面で回転する羽根車が取付けられ垂直に配置された断面中空の外側駆動軸が設けられ、均し手段には、多数の鋤片が取付けられたレーキ車を水平面で回転する内側駆動軸が設けられ、内側駆動軸は外側駆動軸を貫通し、しかも、外側駆動軸及び内側駆動軸はそれぞれ昇降可能に設けることもできる。これによって、各々独立して回転及び昇降する撹拌手段及び均し手段をコンパクトに構成することができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。
ここに、図1は本発明の一実施の形態に係る粉体の自動洗浄装置の主要部の構成図、図2は同粉体の自動洗浄装置の撹拌手段及び均し手段の構成図である。
【0009】
図1及び図2に示すように、本発明の一実施の形態に係る粉体の自動洗浄装置10は、密封容器11内で粉体の一例である活性炭12と洗浄用の液体13とを混合、撹拌して活性炭12を洗浄し、混合された混合液14を濾布15により脱水し、脱水された活性炭12(脱水ケーキ31)を密封容器11外に取り出す装置である。密封容器11は、水平に配置された相対する一対のフランジ16、17を介して2分割された上側容器部18と下側容器部19とを備え、上側容器部18は下側容器部19に対して昇降可能に構成されており、シート状物からなる濾布15は一対のフランジ16、17に挟持された状態で混合液14を脱水するようになっている。以下、これらについて詳しく説明する。
【0010】
図1に示すように、密封容器11は下部の水平面、即ち、フランジ16、17の当接レベルにおいて上下方向に分割可能な円筒状の容器からなり、上側容器部18の下端には環状のフランジ16が設けられており、一方、下側容器部19の上端にはフランジ16に対向して環状のフランジ17が設けられている。下側容器部19内には、底部に設けられた多数の支持ブラケット20に支持された円板状の簀の子21が、その上面をフランジ17の上面位置に合わせて設けられており、濾布15が簀の子21を介して支持されている。なお、濾布15の幅はフランジ16、17の外径Dより少し大きくなっている。
【0011】
図1に示すように、下側容器部19はコモンベッド22上に固定された複数の支柱23、24により支持されている。フランジ16、17に挟持される濾布15の両端はそれぞれ、密封容器11が開放された際、コモンベッド22上に取付架台(図示せず)を介して設けられた対となる巻取手段25、26に巻き取り及び巻き戻し可能に取付けられている。電動モータ等の駆動手段を備えたリール式の巻取手段25、26とフランジ16、17との間にはそれぞれ、コモンベッド22上に設けられた取付架台27、28の上部に取付けられたガイドローラー29、30がその上面をフランジ17の上面と同じ高さ位置にして設けられており、上側容器部18が上昇した状態で、脱水されてケーキ状となった活性炭12(脱水ケーキ31)を載せた濾布15を長尺のガイドローラー29、30を介して巻取手段25、26に巻き取り及び巻き戻すことができるようになっている。
【0012】
図1に示すように、濾布15が巻き取られる巻取手段25の下方には、脱水ケーキ31が落下して貯留されるケーキ受け皿32が設けられている。また、ケーキ受け皿32に落下せずに濾布15に付着している脱水ケーキ31を濾布15から強制的に掻き取って剥離するためのスクレーパ33が巻取手段25の直下に設けられている。
上側容器部18の対向する外周側部には荷重受け座34、35が設けられており、荷重受け座34、35にはコモンベッド22上に、移動する濾布15と干渉しない位置に取付けられた油圧シリンダー36、37のロッド38、39が接続金具(図示せず)を介して固定されている。なお、上側容器部18は別途図示しないガイド手段を介して上下動がガイドされており、該ガイド手段は濾布15及び油圧シリンダー36、37と干渉しない位置に設けられている。
【0013】
従って、油圧シリンダー36、37の駆動により、上側容器部18を下側容器部19に対してストロークS昇降させることができ、しかも、活性炭12及び液体13の投入前には、油圧シリンダー36、37のロッド38、39を引っ込める方向に作動させて、フランジ16、17との間に濾布15を強固に把持することができ、これにより密封容器11を形成することができる。
かかる構成によって、密封容器11内で活性炭12を液体13と混合及び撹拌して洗浄し、さらに混合液14を脱水して脱水ケーキ31を生成した後、上側容器部18を上昇して密封容器11が開放された状態で、脱水ケーキ31を濾布15に載せて密封容器11外のケーキ受け皿32へ搬出することができる。
【0014】
図1及び図2に示すように、粉体の自動洗浄装置10は、密封容器11内の活性炭12と洗浄用の液体13とを混合、撹拌して活性炭12を洗浄する専用の撹拌手段40と、混合液14の脱水中にケーキ状の活性炭12の表面(ケーキ表面)41を均す専用の均し手段42とを、別々に独立して有している。なお、図2においては、上述した上側容器部18の下端部及び下側容器部19、濾布15、ガイドローラー29、30、巻取手段25、26及びケーキ受け皿32等は便宜上省略されている。
【0015】
撹拌手段40は、水平面で回転する、通常2又は3枚の羽根が等ピッチで取付けられた羽根車43と、羽根車43の中心部に取付けられ、垂直に配置された断面が中空の外側駆動軸44とを備えている。
一方、均し手段42は、水平面で回転する多数の鋤片45が取付けられたレーキ車46と、レーキ車46の中心部に取付けられ、垂直に配置された断面が中実の内側駆動軸47とを備えている。内側駆動軸47は中空の外側駆動軸44に貫通して設けられており、外側駆動軸44の下端内側に内側駆動軸47を支持する図示しない軸受が設けられ、この軸受の内側と内側駆動軸47とはルーズな嵌め合いで内側駆動軸47の上下方向摺動も可能となっている。
【0016】
図2に示すように、撹拌手段40の外側駆動軸44は上側容器部18の上端中央部を貫通しており、上側容器部18の上端中央部に設けられた軸受手段48を介して上下に摺動可能でかつ回転可能な構造となっている。外側駆動軸44の上端部はスラスト軸受49に回転支持されており、スラスト軸受49は上側容器部18上に固定された取付架台50に取付けられた油圧シリンダー51、52により上下動可能となっている。
【0017】
羽根車43を取付けた外側駆動軸44のスラスト軸受49下方には、断面矩形状で所定の長さのスプライン軸部53が形成されており、上下動するスプライン軸部53に相対的に摺動するウォームホイール54が設けられている。ウォームホイール54にはウォームギア55が噛合しており、ウォームギア55は図示しない減速機構を介して、取付架台50に取付けられた電動モータ(図示せず)の出力軸に連結されている。
かかる構成によって、油圧シリンダー51、52により外側駆動軸44を昇降して羽根車43を上下動すると共に、ウォームホイール54の駆動により外側駆動軸44を回転して撹拌手段40の羽根車43を回転することができる。
【0018】
レーキ車46を取付けた内側駆動軸47の上端部は、スラスト軸受56に回転支持されており、スラスト軸受56は取付架台50の上端部に取付けられた油圧シリンダー57のロッド58の先端部に固定されている。従って、油圧シリンダー57の駆動により内側駆動軸47を上下動することができる。
【0019】
さらに、内側駆動軸47のスラスト軸受56下方には、断面矩形状で所定の長さのスプライン軸部59が形成されており、上下動するスプライン軸部59に相対的に摺動するウォームホイール60が設けられている。ウォームホイール60にはウォームギア61が噛合しており、ウォームギア61は図示しない減速機構を介して、取付架台50に取付けられた電動モータ(図示せず)の出力軸に連結されている。
【0020】
かかる構成によって、油圧シリンダー57により内側駆動軸47を昇降してレーキ車46を上下動すると共に、ウォームホイール60の駆動により内側駆動軸47を回転して均し手段42のレーキ車46を回転することができる。なお、図1及び図2中の符号WLは密封容器11内の液面を表している。また、図1中の符号62は上側容器部18の上部に設けられた、活性炭12及び洗浄用の液体13の投入口を、符号63は下側容器部19の下部中央に設けられた排出口を表している。
【0021】
次いで、本発明の一実施の形態に係る粉体の自動洗浄装置10の使用方法及び作用について、図1及び図2を参照しながら説明する。なお、密封容器11が開放された状態、即ち、上側容器部18が上昇限(油圧シリンダー36、37のロッド38、39が上昇限)にあり、均し手段42のレーキ車46及び撹拌手段40の羽根車43も上限位置にある状態からスタートする。
(1)濾布15の新規の部分が簀の子21上に来るように、巻取手段25で濾布15を巻き取ると共に、巻取手段26で濾布15を巻き戻して濾布15の位置決めを行う。
【0022】
(2)油圧シリンダー36、37のロッド38、39を引っ込める方向に作動させて、上側容器部18を下降させ、上側容器部18のフランジ16と下側容器部19のフランジ17との間に濾布15を強固に挟持して密封容器11を形成する。
(3)洗浄の対象となる活性炭12を投入口62から密封容器11内に供給する。
(4)同様に、洗浄用の液体13を投入口62から密封容器11内に供給する。
【0023】
(5)油圧シリンダー51、52を駆動して羽根車43の高さ位置を液面WLに応じて調整する。一般に撹拌効果が最も大きくなる液面WLの半分よりやや下方の位置を選ぶ。羽根車43の位置決めに応じて、油圧シリンダー57を駆動してレーキ車46の高さ位置を調整する必要があるが、この時点で、レーキ車46の位置には、特に制約は無い。
(6)ウォームホイール54の駆動により羽根車43を回転させ、密封容器11内の活性炭12と洗浄用の液体13を撹拌して、活性炭12を洗浄する。この際、ウォームホイール60の駆動によりレーキ車46は、羽根車43による撹拌効果を邪魔しない程度に緩やかに回転させておく。
【0024】
(7)撹拌・洗浄が完了すると濾過排水を行うが、濾過排水の方法には、密封容器11内の液面WLの上方の空間64に高圧(ゲージ圧力で約1kg/cm2 )の空気を供給する加圧排水法と、排出口63にエジェクター等の真空吸引手段を接続する吸引濾過法とがあるが、いずれの方法でもよい。
(8)排出口63からの排水に伴い液面WLは徐々に低下し、やがて多量の水分を含む活性炭12、即ち、ケーキ状の活性炭12の表面41が現れる。
(9)この後、排水をそのまま続行するとケーキ状の活性炭12の表面41に割れ、即ち、空気の短絡路を生じ、更なる脱水(濾過)が出来なくなるので、これを防止するため、油圧シリンダー57を駆動してレーキ車46の鋤片45を活性炭12の表面41まで下降させる。レーキ車46を活性炭12の表面41まで自動的に下降する方法としては、ウォームギア61に減速機構を介して接続された電動モータの負荷電流を監視し、この負荷電流が急増した時点をもって下降位置を判定することができる。
【0025】
(10)ケーキ状の活性炭12の表面41まで下降したレーキ車46を、ウォームホイール60の駆動により緩やかに回転させる。この結果、多数の鋤片45によって活性炭12の表面41が均されて、この部分の割れが確実に防止でき、かつケーキ状の活性炭12の含水率を低下させることができる。
(11)ここで、活性炭12に高い純度が要求される場合には、新たな洗浄用の液体13を供給し、前記(5)〜(10)を行って、再度撹拌・洗浄及び脱水を繰り返すことができる。
【0026】
(12)最終的な洗浄が完了すると、油圧シリンダー36、37のロッド38、39を上昇させて、図1の2点鎖線で示すように、上側容器部18のフランジ16が表面41より高い位置になるように持ち上げ、密封容器11を開放状態とする。
(13)脱水ケーキ31が載った濾布15を巻取手段25で巻き取ると共に、巻取手段26で濾布15を巻き戻して、脱水ケーキ31を巻取手段25側に搬送し、濾布15から脱水ケーキ31をケーキ受け皿32に落下させる。
(14)巻取手段25により完全に巻き取られた濾布15は、再度使用するために、巻取手段25、26を逆転させて、巻取手段26で巻き取ると共に、巻取手段25で巻き戻す。
【0027】
本発明は前記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲での変更は可能であり、例えば、前記した実施の形態や変形例の一部又は全部を組み合わせて本発明の粉体の自動洗浄装置を構成する場合にも本発明は適用される。
前記実施の形態においては、活性炭12と洗浄用の液体13とを混合及び撹拌する撹拌手段40と、混合液14を脱水してケーキ状となった活性炭12の表面41をならすための均し手段42とを、別々に設けたが、これに限定されず、必要に応じて、従来通り撹拌手段と均し手段とを兼用した一体構造のものであっても構わない。
撹拌手段40の羽根車43が取付けられた外側駆動軸44を貫通して、均し手段42のレーキ車46を回転する内側駆動軸47を設け、しかも、外側駆動軸44及び内側駆動軸47をそれぞれ昇降可能に設けたが、これに限定されず、状況に応じて、その他の構造で、撹拌手段と均し手段とを別々に設けることもできる。羽根車43には、通常2又は3枚の羽根を等ピッチで取付けたが、これに限定されず、必要に応じて、4枚以上の羽根を取付けても構わない。
【0028】
洗浄対象の粉体として活性炭12を例に説明したが、粉体は活性炭12に限定されるものではないことは言うまでもない。なお、一般的な洗浄対象の粉体としては、医薬品の中間体、染料、顔料、ファインケミカル等がある。
密封容器11の2分割された上側容器部18を上下動し、下側容器部19を固定するようにしたが、これに限定されず、必要に応じて、逆に上側容器部を固定し、下側容器部を上下動することもできる。この場合には、例えば、下側容器部の下降動作に追随して、巻き戻し及び巻き取る巻取手段に濾布をガイドするガイドローラーの位置を下降させる必要がある。
【0029】
【発明の効果】
請求項1〜3記載の粉体の自動洗浄装置においては、密封容器内で粉体と洗浄用の液体とを混合及び撹拌して粉体を洗浄し、しかも得られた混合液を濾布により脱水した後、密封容器が開放された状態で、脱水されてケーキ状となった粉体を載せた濾布を対となる巻取手段により密封容器外へ搬出するので、粉体の洗浄、脱水及び脱水ケーキの取り出し工程における自動化が可能となると共に、長時間の連続処理ができる。
【0030】
特に、請求項2記載の粉体の自動洗浄装置においては、撹拌手段により混合及び撹拌して粉体の洗浄効率を高くでき、また、均し手段により脱水中にケーキ状の粉体の表面のひび割れを防止することができるので、十分な洗浄能力が得られると共に、洗浄された製品の歩留りが向上する。
請求項3記載の粉体の自動洗浄装置においては、回転及び昇降する撹拌手段及び均し手段をコンパクトに構成することができるので、狭いスペースに設置できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る粉体の自動洗浄装置の主要部の構成図である。
【図2】同粉体の自動洗浄装置の撹拌手段及び均し手段の構成図である。
【図3】従来例に係る粉体の洗浄装置の構成図である。
【図4】従来例に係る他の粉体の洗浄装置の構成図である。
【符号の説明】
10:粉体の自動洗浄装置、11:密封容器、12:活性炭(粉体)、13:液体、14:混合液、15:濾布、16、17:フランジ、18:上側容器部、19:下側容器部、20:支持ブラケット、21:簀の子、22:コモンベッド、23、24:支柱、25、26:巻取手段、27、28:取付架台、29、30:ガイドローラー、31:脱水ケーキ、32:ケーキ受け皿、33:スクレーパ、34、35:荷重受け座、36、37:油圧シリンダー、38、39:ロッド、40:撹拌手段、41:表面、42:均し手段、43:羽根車、44:外側駆動軸、45:鋤片、46:レーキ車、47:内側駆動軸、48:軸受手段、49:スラスト軸受、50:取付架台、51、52:油圧シリンダー、53:スプライン軸部、54:ウォームホイール、55:ウォームギア、56:スラスト軸受、57:油圧シリンダー、58:ロッド、59:スプライン軸部、60:ウォームホイール、61:ウォームギア、62:投入口、63:排出口、64:空間
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、活性炭等の粉体と洗浄用の液体とを混合して撹拌及び洗浄を行い、混合液を脱水して脱水ケーキを自動で取り出して粉体に含まれる異物を除去する粉体の自動洗浄装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、粉体を液体と混合して撹拌により洗浄したものを脱水して取り出すことを目的とする粉体の洗浄装置として、図3及び図4に示す2つの形態のものが知られている。
図3に示す粉体の洗浄装置70においては、分割できない一体構造の密封された洗浄容器71に粉体72と液体73とを充填し、撹拌手段74を用いて撹拌して洗浄し、洗浄完了後は混合液75として洗浄容器71外に排出し、別途設けた脱水手段の一例であるフィルタープレス76を用いて水分を除去して粉体72を回収している。なお、粉体72の純度を高めるためには、この処理を繰り返し行う必要があり、フィルタープレス76で水分が除去された脱水ケーキ77をフィルタープレス76から剥離し、取り出して、洗浄容器71に再充填するようになっている。
【0003】
一方、図4に示す粉体の洗浄装置80においては、下部において水平面で上下に2分割可能な容器本体部81及び底部82を備えた密封容器が、容器本体部81、底部82の対となる接続フランジ83、84を介して複数のクランプ85により締め付けられた構造となっている。密封容器内にはクランプ85を外して手作業で取付け、取り外しする濾布86を有している。密封容器内の粉体と液体を撹拌・搬出手段87により撹拌し、洗浄した後は、粉体と液体からなる混合液を混合液の上方からの加圧、又は濾布86の下方からの真空吸引により脱水して濾布86上に脱水ケーキ88を生成することができる。脱水ケーキ88の密封容器外への取り出しは、撹拌・搬出手段87の複数の鋤片89を設けたレーキ車90を回転させて、脱水ケーキ88を容器本体部81の外周へ掻き集め、外周に設けた排出口91から外部に排出している。このように、鋤片89を備えたレーキ車90は、脱水ケーキ88の表面を均すことによって脱水ケーキ88のひび割れを防止して効率的な脱水を行う機能の他、混合液を撹拌する機能も兼ね備えている。なお、図4中の符号92は粉体及び液体の投入口を、符号93は多数の小孔が形成され、濾布86を支持する簀の子を、符号94は濾布86により分離された液体を外部に取り出す排出口を表している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来の粉体の洗浄装置70、80においては、未だ解決すべきそれぞれ以下のような問題があった。
粉体の洗浄装置70においては、粉体72の純度を高めるために、フィルタープレス76で水分が除去された脱水ケーキ77を洗浄容器71に再充填する必要があるが、フィルタープレス76での脱水ケーキ77の剥離、取り出し及び洗浄容器71への再充填という工程を自動化する点で、特に、脱水ケーキ77の剥離、取り出しを安定して行うことに問題があり、実用的ではなかった。
一方、粉体の洗浄装置80においては、粉体の洗浄装置70の問題点である脱水ケーキの剥離及び取り出しを自動的に行うことはできるが、鋤片89を用いて掻き出して排出する方法ではかなりの未排出の脱水ケーキ88が濾布86上に残り、歩留りが極めて悪かった。また、レーキ車90は粉体と液体とを撹拌するためにも使用するものであるが、撹拌専用に設計された羽根車のように強力な撹拌作用を持たせることができず、これにより粉体の洗浄が十分ではなかった。さらに、濾布86はクランプ85を着脱して手作業によって交換しなければならず、このため長時間の連続自動処理ができないという問題もあった。
【0005】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、粉体の洗浄工程における自動化が可能で、しかも、十分な洗浄及び脱水ができ、歩留りが向上し、長時間の連続処理ができる粉体の自動洗浄装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記目的に沿う本発明に係る粉体の自動洗浄装置は、密封容器内で粉体と洗浄用の液体とを混合及び撹拌して粉体を洗浄し、粉体と液体の混合液を濾布により脱水する粉体の洗浄装置であって、密封容器は、相対する一対のフランジを介して2分割可能で、分割されたいずれか一方が昇降可能であり、濾布は一対のフランジに挟持され、しかも、両端がそれぞれ対となる巻取手段に巻き取り及び巻き戻し可能に取付けられ、密封容器の分割されたいずれか一方が昇降して密封容器が開放された状態で、脱水されてケーキ状となった粉体を載せて密封容器外へ搬出可能に構成されている。これによって、密封容器内で粉体と洗浄用の液体とを混合及び撹拌して粉体を洗浄し、しかも得られた混合液を濾布により脱水した後、密封容器が開放された状態で、脱水されてケーキ状となった粉体を濾布に載せて対となる巻取手段により自動で密封容器外へ搬出することができる。
【0007】
本発明に係る粉体の自動洗浄装置において、粉体と洗浄用の液体とを混合及び撹拌する撹拌手段と、混合液の脱水中にケーキ状の粉体の表面をならす均し手段とを、別々に設けることもできる。これによって、撹拌手段により混合及び撹拌して粉体の洗浄効率を高くでき、また、均し手段により脱水中にケーキ状の粉体のケーキ表面のひび割れを防止することができる。
本発明に係る粉体の自動洗浄装置において、撹拌手段には、水平面で回転する羽根車が取付けられ垂直に配置された断面中空の外側駆動軸が設けられ、均し手段には、多数の鋤片が取付けられたレーキ車を水平面で回転する内側駆動軸が設けられ、内側駆動軸は外側駆動軸を貫通し、しかも、外側駆動軸及び内側駆動軸はそれぞれ昇降可能に設けることもできる。これによって、各々独立して回転及び昇降する撹拌手段及び均し手段をコンパクトに構成することができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。
ここに、図1は本発明の一実施の形態に係る粉体の自動洗浄装置の主要部の構成図、図2は同粉体の自動洗浄装置の撹拌手段及び均し手段の構成図である。
【0009】
図1及び図2に示すように、本発明の一実施の形態に係る粉体の自動洗浄装置10は、密封容器11内で粉体の一例である活性炭12と洗浄用の液体13とを混合、撹拌して活性炭12を洗浄し、混合された混合液14を濾布15により脱水し、脱水された活性炭12(脱水ケーキ31)を密封容器11外に取り出す装置である。密封容器11は、水平に配置された相対する一対のフランジ16、17を介して2分割された上側容器部18と下側容器部19とを備え、上側容器部18は下側容器部19に対して昇降可能に構成されており、シート状物からなる濾布15は一対のフランジ16、17に挟持された状態で混合液14を脱水するようになっている。以下、これらについて詳しく説明する。
【0010】
図1に示すように、密封容器11は下部の水平面、即ち、フランジ16、17の当接レベルにおいて上下方向に分割可能な円筒状の容器からなり、上側容器部18の下端には環状のフランジ16が設けられており、一方、下側容器部19の上端にはフランジ16に対向して環状のフランジ17が設けられている。下側容器部19内には、底部に設けられた多数の支持ブラケット20に支持された円板状の簀の子21が、その上面をフランジ17の上面位置に合わせて設けられており、濾布15が簀の子21を介して支持されている。なお、濾布15の幅はフランジ16、17の外径Dより少し大きくなっている。
【0011】
図1に示すように、下側容器部19はコモンベッド22上に固定された複数の支柱23、24により支持されている。フランジ16、17に挟持される濾布15の両端はそれぞれ、密封容器11が開放された際、コモンベッド22上に取付架台(図示せず)を介して設けられた対となる巻取手段25、26に巻き取り及び巻き戻し可能に取付けられている。電動モータ等の駆動手段を備えたリール式の巻取手段25、26とフランジ16、17との間にはそれぞれ、コモンベッド22上に設けられた取付架台27、28の上部に取付けられたガイドローラー29、30がその上面をフランジ17の上面と同じ高さ位置にして設けられており、上側容器部18が上昇した状態で、脱水されてケーキ状となった活性炭12(脱水ケーキ31)を載せた濾布15を長尺のガイドローラー29、30を介して巻取手段25、26に巻き取り及び巻き戻すことができるようになっている。
【0012】
図1に示すように、濾布15が巻き取られる巻取手段25の下方には、脱水ケーキ31が落下して貯留されるケーキ受け皿32が設けられている。また、ケーキ受け皿32に落下せずに濾布15に付着している脱水ケーキ31を濾布15から強制的に掻き取って剥離するためのスクレーパ33が巻取手段25の直下に設けられている。
上側容器部18の対向する外周側部には荷重受け座34、35が設けられており、荷重受け座34、35にはコモンベッド22上に、移動する濾布15と干渉しない位置に取付けられた油圧シリンダー36、37のロッド38、39が接続金具(図示せず)を介して固定されている。なお、上側容器部18は別途図示しないガイド手段を介して上下動がガイドされており、該ガイド手段は濾布15及び油圧シリンダー36、37と干渉しない位置に設けられている。
【0013】
従って、油圧シリンダー36、37の駆動により、上側容器部18を下側容器部19に対してストロークS昇降させることができ、しかも、活性炭12及び液体13の投入前には、油圧シリンダー36、37のロッド38、39を引っ込める方向に作動させて、フランジ16、17との間に濾布15を強固に把持することができ、これにより密封容器11を形成することができる。
かかる構成によって、密封容器11内で活性炭12を液体13と混合及び撹拌して洗浄し、さらに混合液14を脱水して脱水ケーキ31を生成した後、上側容器部18を上昇して密封容器11が開放された状態で、脱水ケーキ31を濾布15に載せて密封容器11外のケーキ受け皿32へ搬出することができる。
【0014】
図1及び図2に示すように、粉体の自動洗浄装置10は、密封容器11内の活性炭12と洗浄用の液体13とを混合、撹拌して活性炭12を洗浄する専用の撹拌手段40と、混合液14の脱水中にケーキ状の活性炭12の表面(ケーキ表面)41を均す専用の均し手段42とを、別々に独立して有している。なお、図2においては、上述した上側容器部18の下端部及び下側容器部19、濾布15、ガイドローラー29、30、巻取手段25、26及びケーキ受け皿32等は便宜上省略されている。
【0015】
撹拌手段40は、水平面で回転する、通常2又は3枚の羽根が等ピッチで取付けられた羽根車43と、羽根車43の中心部に取付けられ、垂直に配置された断面が中空の外側駆動軸44とを備えている。
一方、均し手段42は、水平面で回転する多数の鋤片45が取付けられたレーキ車46と、レーキ車46の中心部に取付けられ、垂直に配置された断面が中実の内側駆動軸47とを備えている。内側駆動軸47は中空の外側駆動軸44に貫通して設けられており、外側駆動軸44の下端内側に内側駆動軸47を支持する図示しない軸受が設けられ、この軸受の内側と内側駆動軸47とはルーズな嵌め合いで内側駆動軸47の上下方向摺動も可能となっている。
【0016】
図2に示すように、撹拌手段40の外側駆動軸44は上側容器部18の上端中央部を貫通しており、上側容器部18の上端中央部に設けられた軸受手段48を介して上下に摺動可能でかつ回転可能な構造となっている。外側駆動軸44の上端部はスラスト軸受49に回転支持されており、スラスト軸受49は上側容器部18上に固定された取付架台50に取付けられた油圧シリンダー51、52により上下動可能となっている。
【0017】
羽根車43を取付けた外側駆動軸44のスラスト軸受49下方には、断面矩形状で所定の長さのスプライン軸部53が形成されており、上下動するスプライン軸部53に相対的に摺動するウォームホイール54が設けられている。ウォームホイール54にはウォームギア55が噛合しており、ウォームギア55は図示しない減速機構を介して、取付架台50に取付けられた電動モータ(図示せず)の出力軸に連結されている。
かかる構成によって、油圧シリンダー51、52により外側駆動軸44を昇降して羽根車43を上下動すると共に、ウォームホイール54の駆動により外側駆動軸44を回転して撹拌手段40の羽根車43を回転することができる。
【0018】
レーキ車46を取付けた内側駆動軸47の上端部は、スラスト軸受56に回転支持されており、スラスト軸受56は取付架台50の上端部に取付けられた油圧シリンダー57のロッド58の先端部に固定されている。従って、油圧シリンダー57の駆動により内側駆動軸47を上下動することができる。
【0019】
さらに、内側駆動軸47のスラスト軸受56下方には、断面矩形状で所定の長さのスプライン軸部59が形成されており、上下動するスプライン軸部59に相対的に摺動するウォームホイール60が設けられている。ウォームホイール60にはウォームギア61が噛合しており、ウォームギア61は図示しない減速機構を介して、取付架台50に取付けられた電動モータ(図示せず)の出力軸に連結されている。
【0020】
かかる構成によって、油圧シリンダー57により内側駆動軸47を昇降してレーキ車46を上下動すると共に、ウォームホイール60の駆動により内側駆動軸47を回転して均し手段42のレーキ車46を回転することができる。なお、図1及び図2中の符号WLは密封容器11内の液面を表している。また、図1中の符号62は上側容器部18の上部に設けられた、活性炭12及び洗浄用の液体13の投入口を、符号63は下側容器部19の下部中央に設けられた排出口を表している。
【0021】
次いで、本発明の一実施の形態に係る粉体の自動洗浄装置10の使用方法及び作用について、図1及び図2を参照しながら説明する。なお、密封容器11が開放された状態、即ち、上側容器部18が上昇限(油圧シリンダー36、37のロッド38、39が上昇限)にあり、均し手段42のレーキ車46及び撹拌手段40の羽根車43も上限位置にある状態からスタートする。
(1)濾布15の新規の部分が簀の子21上に来るように、巻取手段25で濾布15を巻き取ると共に、巻取手段26で濾布15を巻き戻して濾布15の位置決めを行う。
【0022】
(2)油圧シリンダー36、37のロッド38、39を引っ込める方向に作動させて、上側容器部18を下降させ、上側容器部18のフランジ16と下側容器部19のフランジ17との間に濾布15を強固に挟持して密封容器11を形成する。
(3)洗浄の対象となる活性炭12を投入口62から密封容器11内に供給する。
(4)同様に、洗浄用の液体13を投入口62から密封容器11内に供給する。
【0023】
(5)油圧シリンダー51、52を駆動して羽根車43の高さ位置を液面WLに応じて調整する。一般に撹拌効果が最も大きくなる液面WLの半分よりやや下方の位置を選ぶ。羽根車43の位置決めに応じて、油圧シリンダー57を駆動してレーキ車46の高さ位置を調整する必要があるが、この時点で、レーキ車46の位置には、特に制約は無い。
(6)ウォームホイール54の駆動により羽根車43を回転させ、密封容器11内の活性炭12と洗浄用の液体13を撹拌して、活性炭12を洗浄する。この際、ウォームホイール60の駆動によりレーキ車46は、羽根車43による撹拌効果を邪魔しない程度に緩やかに回転させておく。
【0024】
(7)撹拌・洗浄が完了すると濾過排水を行うが、濾過排水の方法には、密封容器11内の液面WLの上方の空間64に高圧(ゲージ圧力で約1kg/cm2 )の空気を供給する加圧排水法と、排出口63にエジェクター等の真空吸引手段を接続する吸引濾過法とがあるが、いずれの方法でもよい。
(8)排出口63からの排水に伴い液面WLは徐々に低下し、やがて多量の水分を含む活性炭12、即ち、ケーキ状の活性炭12の表面41が現れる。
(9)この後、排水をそのまま続行するとケーキ状の活性炭12の表面41に割れ、即ち、空気の短絡路を生じ、更なる脱水(濾過)が出来なくなるので、これを防止するため、油圧シリンダー57を駆動してレーキ車46の鋤片45を活性炭12の表面41まで下降させる。レーキ車46を活性炭12の表面41まで自動的に下降する方法としては、ウォームギア61に減速機構を介して接続された電動モータの負荷電流を監視し、この負荷電流が急増した時点をもって下降位置を判定することができる。
【0025】
(10)ケーキ状の活性炭12の表面41まで下降したレーキ車46を、ウォームホイール60の駆動により緩やかに回転させる。この結果、多数の鋤片45によって活性炭12の表面41が均されて、この部分の割れが確実に防止でき、かつケーキ状の活性炭12の含水率を低下させることができる。
(11)ここで、活性炭12に高い純度が要求される場合には、新たな洗浄用の液体13を供給し、前記(5)〜(10)を行って、再度撹拌・洗浄及び脱水を繰り返すことができる。
【0026】
(12)最終的な洗浄が完了すると、油圧シリンダー36、37のロッド38、39を上昇させて、図1の2点鎖線で示すように、上側容器部18のフランジ16が表面41より高い位置になるように持ち上げ、密封容器11を開放状態とする。
(13)脱水ケーキ31が載った濾布15を巻取手段25で巻き取ると共に、巻取手段26で濾布15を巻き戻して、脱水ケーキ31を巻取手段25側に搬送し、濾布15から脱水ケーキ31をケーキ受け皿32に落下させる。
(14)巻取手段25により完全に巻き取られた濾布15は、再度使用するために、巻取手段25、26を逆転させて、巻取手段26で巻き取ると共に、巻取手段25で巻き戻す。
【0027】
本発明は前記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲での変更は可能であり、例えば、前記した実施の形態や変形例の一部又は全部を組み合わせて本発明の粉体の自動洗浄装置を構成する場合にも本発明は適用される。
前記実施の形態においては、活性炭12と洗浄用の液体13とを混合及び撹拌する撹拌手段40と、混合液14を脱水してケーキ状となった活性炭12の表面41をならすための均し手段42とを、別々に設けたが、これに限定されず、必要に応じて、従来通り撹拌手段と均し手段とを兼用した一体構造のものであっても構わない。
撹拌手段40の羽根車43が取付けられた外側駆動軸44を貫通して、均し手段42のレーキ車46を回転する内側駆動軸47を設け、しかも、外側駆動軸44及び内側駆動軸47をそれぞれ昇降可能に設けたが、これに限定されず、状況に応じて、その他の構造で、撹拌手段と均し手段とを別々に設けることもできる。羽根車43には、通常2又は3枚の羽根を等ピッチで取付けたが、これに限定されず、必要に応じて、4枚以上の羽根を取付けても構わない。
【0028】
洗浄対象の粉体として活性炭12を例に説明したが、粉体は活性炭12に限定されるものではないことは言うまでもない。なお、一般的な洗浄対象の粉体としては、医薬品の中間体、染料、顔料、ファインケミカル等がある。
密封容器11の2分割された上側容器部18を上下動し、下側容器部19を固定するようにしたが、これに限定されず、必要に応じて、逆に上側容器部を固定し、下側容器部を上下動することもできる。この場合には、例えば、下側容器部の下降動作に追随して、巻き戻し及び巻き取る巻取手段に濾布をガイドするガイドローラーの位置を下降させる必要がある。
【0029】
【発明の効果】
請求項1〜3記載の粉体の自動洗浄装置においては、密封容器内で粉体と洗浄用の液体とを混合及び撹拌して粉体を洗浄し、しかも得られた混合液を濾布により脱水した後、密封容器が開放された状態で、脱水されてケーキ状となった粉体を載せた濾布を対となる巻取手段により密封容器外へ搬出するので、粉体の洗浄、脱水及び脱水ケーキの取り出し工程における自動化が可能となると共に、長時間の連続処理ができる。
【0030】
特に、請求項2記載の粉体の自動洗浄装置においては、撹拌手段により混合及び撹拌して粉体の洗浄効率を高くでき、また、均し手段により脱水中にケーキ状の粉体の表面のひび割れを防止することができるので、十分な洗浄能力が得られると共に、洗浄された製品の歩留りが向上する。
請求項3記載の粉体の自動洗浄装置においては、回転及び昇降する撹拌手段及び均し手段をコンパクトに構成することができるので、狭いスペースに設置できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る粉体の自動洗浄装置の主要部の構成図である。
【図2】同粉体の自動洗浄装置の撹拌手段及び均し手段の構成図である。
【図3】従来例に係る粉体の洗浄装置の構成図である。
【図4】従来例に係る他の粉体の洗浄装置の構成図である。
【符号の説明】
10:粉体の自動洗浄装置、11:密封容器、12:活性炭(粉体)、13:液体、14:混合液、15:濾布、16、17:フランジ、18:上側容器部、19:下側容器部、20:支持ブラケット、21:簀の子、22:コモンベッド、23、24:支柱、25、26:巻取手段、27、28:取付架台、29、30:ガイドローラー、31:脱水ケーキ、32:ケーキ受け皿、33:スクレーパ、34、35:荷重受け座、36、37:油圧シリンダー、38、39:ロッド、40:撹拌手段、41:表面、42:均し手段、43:羽根車、44:外側駆動軸、45:鋤片、46:レーキ車、47:内側駆動軸、48:軸受手段、49:スラスト軸受、50:取付架台、51、52:油圧シリンダー、53:スプライン軸部、54:ウォームホイール、55:ウォームギア、56:スラスト軸受、57:油圧シリンダー、58:ロッド、59:スプライン軸部、60:ウォームホイール、61:ウォームギア、62:投入口、63:排出口、64:空間
Claims (3)
- 密封容器内で粉体と洗浄用の液体とを混合及び撹拌して該粉体を洗浄し、該粉体と液体の混合液を濾布により脱水する粉体の洗浄装置であって、前記密封容器は、相対する一対のフランジを介して2分割可能で、分割されたいずれか一方が昇降可能であり、
前記濾布は前記一対のフランジに挟持され、しかも、両端がそれぞれ対となる巻取手段に巻き取り及び巻き戻し可能に取付けられ、前記密封容器の分割されたいずれか一方が昇降して該密封容器が開放された状態で、脱水されてケーキ状となった前記粉体を載せて前記密封容器外へ搬出可能に構成されていることを特徴とする粉体の自動洗浄装置。 - 請求項1記載の粉体の自動洗浄装置において、前記粉体と洗浄用の液体とを混合及び撹拌する撹拌手段と、前記混合液の脱水中に前記ケーキ状の粉体の表面をならす均し手段とを、別々に設けたことを特徴とする粉体の自動洗浄装置。
- 請求項2記載の粉体の自動洗浄装置において、前記撹拌手段には、水平面で回転する羽根車が取付けられ垂直に配置された断面中空の外側駆動軸が設けられ、前記均し手段には、多数の鋤片が取付けられたレーキ車を水平面で回転する内側駆動軸が設けられ、該内側駆動軸は前記外側駆動軸を貫通し、しかも、前記外側駆動軸及び内側駆動軸はそれぞれ昇降可能に設けられていることを特徴とする粉体の自動洗浄装置。
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