JP2004073922A - 粉体材料を分離する方法および装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】粉体分離装置1の分離室10においては、その底面を規定している傾斜配置された材料ガイド板8の下端の隙間17から吹き込まれた上昇空気流と、材料ガイド板8の上端部分の貫通穴18を介して吹き込まれて偏向板19によって材料ガイド板8の表面に沿った方向に向けられた空気流とによって、混合材料が上下方向に循環する。混合材料は循環しながら、分離室側面に形成されたスリット16aからなるフィルタ16に繰り返し衝突して、粉体材料が分離除去される。混合材料が衝突することによりスリット16aに詰まった粒体などが叩き落されるので、フィルタの目詰まりも起きず、効率良く粉体材料が分離除去される。
【選択図】 図4
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、射出成形において発生する不要な熱可塑性樹脂片等を回収し、粉砕して再利用する場合に、粉砕により得られた粒体材料に混入している粉体材料を分離するための方法に関するものである。また、本発明はかかる粉体材料を分離するための方法を実施するために用いる粉体分離装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
資源の有効活用を図るために、リサイクル(再利用)が広く行われるようになってきている。熱可塑性樹脂の射出成形の分野においても、射出成形により発生する成形品から切り取られた不要なスプール、ランナなどの部分や、不良成形品等を回収し、これらを所定の大きさに粉砕して、バージン材料と共に射出成形用の材料として再利用に供されている。
【0003】
ここで、回収された熱可塑性樹脂片の粉砕時には、所定サイズの粒体材料の他に細かな粉体も発生するので、粉砕後には粒体材料に粉体材料が混入した状態となっている。このような混合材料をそのまま、射出成形材料として再利用すると次のような不具合が生ずる。
【0004】
まず、粒体材料に混入している粉体材料は、材料を加熱溶融する成形機のスクリューおよび加熱筒内で粒体材料よりも早く溶融してスクリュー表面に滞留するので、長時間にわたり加熱を受け、スクリュー等の表面に焼き付いてしまう。焼き付いた粉体材料は、不定期的にスクリューなどの表面から剥離して成形材料の中に混入する。このような溶融材料を用いて射出成形を行うと、成形された製品には、焼けた粉体材料が原因となって黒点と呼ばれる成形不良が発生してしまう。このような黒点は、導光板、レンズ等の透明成形品、医療関係、食品関係に用いる成形品の製造においては確実に防止する必要がある。
【0005】
また、材料を成形機に供給する前行程である材料乾燥行程においても、粒体材料に混入している粉体材料が、材料乾燥機の内面に付着し、時々、一挙に粉体の塊となって剥離して、粒体材料と一緒に成形機に供給されてしまう。粉体の塊の部分は、他の粒体材料の部分と比重が異なるので、成形機での加熱溶融工程を不安定にするとともに、材料が加熱溶融されたときの温度および密度を変動させる。このため、粉体の塊の部分が成形機に供給されると、成形された製品の寸法や重量等が規格から外れてしまうという不具合が生ずる。
【0006】
このような不具合を解消するために、従来においては、粒体材料に混入している粉体材料を分離して除去するための装置が、特開平10−113929号公報、特開平9−29175号公報などにおいて提案されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
特開平10−113929号公報に提案されている粉分離装置は、漏斗状の容器の側壁に多数の穴を開けてフィルタとし、このフィルタの外から装置内の空気を吸い出して粒体材料に混入している粉体材料を分離除去するように構成されている。しかしながら、フィルタの穴の近くを通る粒体材料の部分からは粉体材料を吸引除去できるが、フィルタから離れている部分に混入している粉体材料を吸引して除去することができないという問題がある。
【0008】
また、特開平9−29175号公報に提案されている粉分離装置は、装置内の空気を上方から金網のフィルタを介して吸引することにより、装置内の粒体材料を空気によって旋回させて、粒体材料に比べて軽い粉をフィルタを通して吸い取って分離排出するものである。しかしながら、分離排出の効率を上げるために空気の吸引力を高めると、フィルタの金網が、そこに集まる粉体材料によって目詰まりを起こしやすいという問題がある。
【0009】
本発明の課題は、このような点に鑑みて、粒体材料に混入している粉体材料を効率良く、しかも確実に分離し回収することのできる粉体材料を分離する方法および装置を提案することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、本発明は、粒体材料および粉体材料を含む混合材料から粉体材料を分離する方法において、
前記混合材料を分離室に投入し、
当該分離室において空気流を用いて前記混合材料を上下方向に循環させ、
前記分離室の第1の側面に取り付けられているフィルタに、循環する前記混合材料を繰り返し当てることにより、当該混合材料から粉体材料のみを前記フィルタを通して前記分離室の外に分離除去し、
前記粉体材料が除去されて前記分離室内に残っている粒体材料を、当該分離室から取り出すことを特徴としている。
【0011】
本発明の方法によれば、分離室内において空気流によって混合材料が循環しながらフィルタに繰り返し当たる。フィルタに混合材料が繰り返し当たると、混合材料に含まれている粉体材料が当該フィルタを通過して外部に分離除去され、分離室内には粒体材料のみが残る。フィルタには混合材料が繰り返し当たるので、フィルタの目に詰まった粒体が混合材料の衝突によって振り落とされる。よって、フィルタに目詰まりが生ずることなく、効率良く粉体材料が分離除去される。
【0012】
ここで、フィルタとしては、前記第1の側面において幅方向に所定の間隔で配列された上下方向に延びるスリット群から構成されたものを用いると、粉体材料を効率良く分離できるので好ましい。
【0013】
また、空気流によって混合材料を循環させるためには、前記分離室の底面を前記第1の側面から、当該第1の側面に対峙している第2の側面に向けて下方に傾斜配置し、前記底面と前記第2の側面の入り隅部分から上方に向けて前記分離室内に空気を吹き込み、前記フィルタを介して分離室内の空気を外部に吸引すればよい。
【0014】
さらに、前記底面に沿って、前記第1の側面から前記第2の側面に向かう空気流を形成すれば、底面上に、粉体材料が分離されないまま混合材料が堆積してしまうという弊害を確実に防止できる。
【0015】
次に、空気圧を利用して、前記混合材料の前記分離室への投入、および/または、前記分離室から粒体材料の取り出しを行うことができる。
【0016】
本発明の粉体材料を分離する方法は、射出成形により発生した熱可塑性樹脂片を回収して粉砕することにより得られた混合材料から、粉体材料を分離するために用いるのに適している。
【0017】
一方、本発明は、粒体材料および粉体材料を含む混合材料から粉体材料を分離するための粉体分離装置において、
前記混合材料が投入される分離室が内部に形成されている分離箱と、
前記分離室の第1の側面に取り付けられているフィルタと、
前記第1の側面における前記フィルタの下側位置から、当該第1の側面に対峙している前記分離箱の第2の側面に向けて下方に傾斜配置され、前記分離室の底面を規定している材料ガイド板と、
前記分離室に投入された前記混合材料を、前記第2の側面に沿って上方に吹き上げられた後に、前記フィルタに当たりながら前記材料ガイド板上に落下するように、空気流によって上下方向に循環させる混合材料循環機構とを有していることを特徴としている。
【0018】
ここで、前記混合材料循環機構は、前記材料ガイド板と前記第2の側面との入り隅部分から上方に向けて前記分離室内に空気を吹き込むための空気供給部と、前記フィルタを介して前記分離室内から空気を外部に吸引する空気吸引部とを備えた構成とすることができる。
【0019】
この場合、前記空気供給部は、前記材料ガイド板の表面に沿って前記第1の側面の側から前記第2の側面に向かう空気流を形成するものであることが望ましい。当該空気流は、前記材料ガイド板における前記第1の側面の側に形成した空気穴と、この空気穴から前記分離室内に吹き込まれた空気を前記材料ガイド板の表面に沿った方向に導く偏向板とによって形成することができる。
【0020】
次に、本発明で使用する前記フィルタとしては、所定間隔で前記第1の側面の幅方向に配列された上下方向に延びる所定幅のスリット群によって構成されたものであることが望ましい。スリット群からなるフィルタを用いると、金網や多孔板などのフィルタに比べて粉体材料の分離効率が高いという利点がある。例えば、熱可塑性樹脂片から粉体を分離する場合のスリットの幅は1ないし3mm、好ましくは2mmとすることができる。
【0021】
次に、上記構成に加えて、前記分離室から前記粉体材料が除去された後の前記粒体材料を取り出すための材料排出部を有していることが望ましい。この材料排出部は、前記第2の側面における前記材料ガイド板の近傍位置に形成した開口部から、前記粒体材料を空気吸引するものとすることができる。
【0022】
また、前記分離室内に前記混合材料を投入するための材料供給部を有していることが望ましく、この材料供給部は、前記第2の側面の上端側の部位に形成された開口部から、空気力によって前記混合材料を前記分離室内に導入するものとすることができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下に、図面を参照して、本発明を適用した粉体分離装置の一実施例を説明する。
【0024】
図1は本例の粉体分離装置の概略構成図であり、図2は図1におけるA−A線で切断した部分の断面図であり、図3は図1におけるB−B線で切断した部分の断面図である。本例の粉体分離装置1は、射出成形後に回収されて粉砕されることにより得られた粒体材料および粉体材料が含まれている熱可塑性樹脂の混合材料から粉体材料を分離するために適した装置である。
【0025】
これらの図を参照して説明すると、本例の粉体分離装置1は、直方体形状の分離箱2と、この分離箱2の内部に形成されている分離室10に混合材料を供給するための材料供給部3と、粉体材料が分離除去された後の粒体材料を分離室10から排出する材料排出部4と、分離室10に空気を供給するための空気供給部5と、分離室10から空気を吸引するための空気吸引部6とを有している。
【0026】
分離箱2の内部は、当該分離箱2の内部を左右に仕切っている縦仕切り板7と、上下に仕切っている材料ガイド板8とによって、分離室10と、左側区画室11と、下側区画室12に仕切られている。
【0027】
分離室10の一方の側面13の上端側の部分には、材料供給部3から混合材料が供給される開口部14が形成されている。また、側面13の下端側の部分には、粉体材料が分離除去された後の粒体材料を材料排出部4によって分離室10の外に排出するための開口部15が形成されている。
【0028】
分離室10の底面を規定している材料ガイド板8は、縦仕切り板7の下側部分から、これに対峙している分離箱2の側面13に向けて下方に傾斜する状態に配置されている。縦仕切り板7には、幅方向に向けて一定の間隔で一定幅の上下方向に延びるスリット16aが多数本形成された構成のフィルタ16が形成されている。ここで、傾斜配置されている材料ガイド板8と側面13との入り隅部分には一定幅の隙間17が形成されている。また、材料ガイド板8の縦仕切り板側の端部分には一定間隔で多数の貫通孔18が幅方向に形成されている。さらには、貫通孔18が形成されている材料ガイド板8の表面部分に対して一定間隔で平行に対峙した状態で、偏向板19が取り付けられている。
【0029】
分離箱2の内部において縦仕切り板7のフィルタ16を介して分離室10に連通している左側区画室11は、縦仕切り板7に対峙している側面21に空気吸引口22を備えており、この空気吸引口22を介して、空気吸引部6によって分離室10から空気が吸引可能となっている。
【0030】
一方、分離箱2の内部において材料ガイド板8によって分離室10の下側に形成されている下側区画室12は、隙間17および貫通孔18を介して分離室10に連通していると共に、縦仕切り板7の下端に連続している仕切り壁部分23に形成した開口部24を介して、空気供給口25に連通している。この空気供給口25を介して、空気供給部5によって分離室10に空気が供給可能となっている。
【0031】
次に、材料供給部3は、開口部14を介して分離室10に連通可能な材料供給箱31と、開口部14を開閉するための開閉板32と、この開閉板32を開閉駆動するためのエアーシリンダ33とを備えている。材料供給箱31には不図示の材料供給源から材料供給口34を介して混合材料が供給される。ここに供給された混合材料は、空気吸引力によって分離室10内に供給されるようになっている。
【0032】
材料排出部4は、開口部15を介して分離室10に連通可能な材料排出箱41と、この材料排出箱41の底面に形成した材料排出口42と、開口部15を開閉するための開閉板43と、この開閉板43を開閉駆動するためのエアーシリンダ44を備えている。また、材料排出口42に連通している材料回収箱45を備えており、共通の空気吸引源46により、分離室10内の粒体材料が、開口部15から材料排出箱41、材料排出口42を経由して材料回収箱45に回収可能となっている。粒体材料と共に吸引された空気は、エアーフィルタ47を介して空気吸引源46に吸引される。
【0033】
次に、空気吸引部6は、空気吸引口22に連通している粉体回収箱61と、空気吸引口22と粉体回収箱61の間の吸引通路62に介挿した電磁弁63とを備えている。共通の空気吸引源46によって、分離室10内の混合材料からフィルタ16によって分離除去された粉体材料が、空気吸引口22を経由して粉体回収箱61に回収可能である。粉体材料と共に吸引された空気はエアーフィルタ64を介して空気吸引源46に吸引される。
【0034】
一方、空気供給部5は、電磁弁51およびエアーフィルタ52を備えており、これらを介して、空気供給口25を大気側に連通可能となっている。
【0035】
(粉体分離除去動作)
このように構成された粉体分離装置1の動作を説明する。動作行程は、混合材料を分離室10に供給する材料供給工程と、混合材料から粉体材料を分離する分離工程と、粉体材料が分離除去された後の粒体材料を分離室10から排出して回収する材料排出工程を含んでいる。
【0036】
(1)材料供給工程
分離室10内への材料の供給を行う時は、まず、材料供給部3において、エアーシリンダ33のピストンを後退させて分離室10の材料供給用の開口部14を開く。このとき、材料排出部4のエアーシリンダ44のピストンを前進位置に保持して、開閉板43によって材料排出用の開口部15を閉鎖しておく。
【0037】
次に、空気吸引部6の電磁弁63を開き、空気供給部5の電磁弁51を閉状態に保持する。この状態で空気吸引源46を所定時間作動すると、分離室10が負圧状態になり、この負圧によって、不図示の材料供給源から材料供給口34を介して材料供給箱31に混合材料が吸引され、さらに、材料供給箱31から開口部14を介して分離室10に所定量の混合材料が吸引される。このようにして分離室10に投入された所定量の混合材料は、材料ガイド板8に落下してこの上に溜まる。
【0038】
材料供給動作が終了した後は、エアーシリンダ33のピストンを前進させ、開閉板32によって開口部14を閉鎖する。
【0039】
(2)粉体材料分離工程
次に、材料供給部3および材料排出部4の開閉板32、43によって開口部14および15を閉鎖状態にし、空気吸引部6の電磁弁63および空気供給部5の電磁弁51を開ける。
【0040】
この状態で空気吸引源46を所定時間作動させる。空気吸引源46によって空気の吸引動作を開始すると、分離室10の内部に上下方向に混合材料を循環させる空気流が形成され、この空気流によって混合材料は循環しながらそこから粉体材料が分離除去される。図4を参照して更に説明すると、空気吸引源46を駆動すると、空気が空気供給部5から空気供給口25、開口部24を経由して下側区画室12に導かれる。次に、空気は、この下側区画室12から隙間17および貫通穴18を介して分離室10に導入され、しかる後に、分離室10からフィルタ16の各スリット16aを介して左側区画室11に導かれ、当該区画室11から空気吸引口22および空気吸引部6を介して空気吸引源46に吸引される。
【0041】
材料ガイド板8の下端に形成されている隙間17を介して分離室10に導入される空気は、上方に向かって吹き上げられる。この上昇空気流A1によって材料ガイド板8の上に溜まっている混合材料が上方に吹き上げられ、図4に示すように自重によって反対側の側面であるフィルタ16に衝突しながら材料ガイド板8の上端側に落下する。材料ガイド板8は傾斜配置されているので、落下した混合材料は材料ガイド板8に沿って滑落する。
【0042】
ここで、材料ガイド板8の上端側の部分には偏向板19が取り付けられており、この下側の貫通穴18から吹き込まれた空気は偏向板19によって、材料ガイド板8の表面に沿って流れる空気流A2になる。従って、この空気流A2によって、材料ガイド板8の上に落下した混合材料は止まることなく、上昇空気流A1が吹き出している下側位置に向けて送り出される。
【0043】
このようにして、混合材料は、上昇空気流A1および材料ガイド板表面に沿って流れる空気流A2によって分離室内を上下方向に循環し、繰り返しフィルタ16に衝突する。フィルタ16に混合材料が衝突すると、フィルタ16のスリット16aの幅よりも小さな粉体材料はフィルタ16を通過して左側区画室11に排出され、スリット16aを通過できない大きさの粒体材料はフィルタ16に沿って材料ガイド板8に落下する。従って、混合材料が分離室内を循環して繰り返しフィルタ16に衝突することによって、混合材料から粉体材料のみが分離されて、分離室内には粒体材料のみが残る。
【0044】
フィルタ16を介して左側区画室11に入り込んだ粉体材料は、空気吸引力によって、空気吸引口22を介して空気吸引部6の粉体回収箱61に回収される。
【0045】
ここで、フィルタ16のスリット16aの幅とほぼ同一のサイズの粒体材料は、スリット16aに詰まり、フィルタ16に目詰まりが発生して、粉体分離効率が低下する惧れがある。しかしながら、本例では、混合材料が循環して繰り返しフィルタ16に衝突する。従って、図5に拡大して示すように、スリット16aに粒体が詰まったとしても、後続の混合材料がフィルタ16に衝突することによって、詰まった粒体がスリット16aから叩き落とされる。従って、スリット16aに目詰まりが発生することがない。また、フィルタ16に混合材料が叩き付けられるので、粒体材料に付着している粉体材料も確実に粒体材料から分離してスリット16aを通って外部に分離排出される。
【0046】
なお、分離除去される粉体材料の大きさは、スリット巾を変えたフィルタに交換することにより、容易に変更することができる。射出成形の際に、問題を発生させる原因となる粉体材料の大きさは殆どが2mm以下のものであるので、スリットの巾は、材料の耐熱性と問題の改善要求度に応じて1〜3mmの間で選択することが望ましい。
【0047】
(3)材料排出工程
この様にして粉体材料が分離除去された後の粒体材料が分離室10に残る。粒体材料の排出時には、まず、材料排出部4の開閉板43を移動して材料排出用の開口部15を開ける。このとき、材料供給部3の開口部14および空気吸引部6の電磁弁63を閉じておき、空気供給部5の電磁弁51は開けておく。
【0048】
この状態で、空気吸引源46を所定時間作動すると、空気供給口25から下側区画室12を経由して隙間17および貫通穴18から分離室内に吸引される空気と共に、粒体材料が開口部15から材料排出箱41に排出される。材料排出箱41に排出された粒体材料は、材料排出口42を介して材料回収箱45に回収される。
【0049】
(実施例の効果)
このように、本例の粉体離装置1は、粉体材料を分離除去する際に、粉体材料を分離するフィルタ16に繰り返し混合材料を衝突させるようにしている。従って、フィルタ16のスリット16aに粉体材料の塊あるいは粒体材料が一時的に詰まった場合にも、次に衝突する混合材料によってこれらがスリットから叩き落とされるので、フィルタ16の目詰まりを起こすことなく材料全体にわたり、むらなく、連続的に極めて効率よく粉体材料を分離除去できる。
【0050】
ここで、フィルタ16の篩面としては、金網、金属多孔板等各種のものを用いることが可能であるが、本例のようなスリット16aを用いると、粉の回収効率がよい。ここで、本発明者は、篩面として、スリット、金網および多孔板を用いたときに、それぞれの粉体材料の分離量を比較する実験を行った。使用した各フィルタの寸法は、次のようなものである。
【0051】
スリット 巾2mm
金網 目寸法2.5mm
多孔板 孔直径2mm
これらを本装置に取付けて、同一材料5kgを同一時間だけ粉体分離動作を行った。回収された粉体材料の量は次のようになった。
【0052】
スリット 155g
金網 95g
多孔板 10g
この結果では、スリットは、金網に比べ1.63倍、多孔板に比べ15.5倍の量の粉を回収できており、フィルタの篩面としてスリットが適していることが確認された。
【0053】
(その他の実施の形態)
上記の例では、分離室10に接続された空気吸引部6および空気供給部5のうち、空気吸引部6に接続された空気吸引源46により分離室10内の空気を吸引して、分離室10内に空気流を形成している。この代わりに、空気供給部5に空気供給源を接続して、分離室10に空気を圧送して分離室内に空気流を形成するようにしてもよい。また、空気吸引源46の排気を空気供給口25に供給して閉回路を構成することも可能である。
【0054】
さらに、本例の粉体分離装置1は、材料供給、粉分離作動、材料排出の工程を連続して自動で繰り返すものであるが、材料供給および材料排出については、手作業で行っても良い。その場合は、材料供給部3の代わりに、分離室10の天板を開閉式として、この部分を材料投入口とすればよい。同様に、材料排出部4の代わりに材料を取り出すための開閉式の材料排出口を配置して、手作業により分離室10から粒体材料を取り出すようにしてもよい。
【0055】
さらにまた、本発明は、樹脂成形用の粒体材料から粉体材料を分離除去する場合のほか、錠剤、穀物等に混ざった粉体材料を分離除去するために用いることも可能である。
【0056】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の粉体材料を分離する方法および装置は、分離室内において混合材料を上下方向に循環させ、分離室の側面に配置されているフィルタに繰り返し混合材料を衝突させながら粉体材料を分離除去するようにしている。混合材料は分離室内で攪拌されながら上下に循環しながらフィルタに衝突するので、そこに混入している粉体材料を確実に分離除去できる。また、フィルタに一時的に目詰まりが発生しても後続する混合材料によって詰まっている粒体や粉体が叩き落とされるので、フィルタに目詰まりが起きず、従って、効率良く粉体材料を分離できる。
【0057】
また、フィルタの篩面は、幅が狭い上下方向に延びるスリット群から構成されたものを用いているので、金網、金属多孔板などを篩面に用いるよりも、粉の分離効率を上げることができる。
【0058】
さらに、分離室の底面を規定している材料ガイド板を傾斜配置し、当該材料ガイド板の表面に沿って空気流を形成しているので、材料ガイド板に落下した混合材料を効率良く当該材料ガイド板に沿って滑落させて、上昇空気流によって吹き上げるようにしている。従って、分離室内において混合材料が一箇所に止まることなく、全体的に効率良く混合材料を上下方向に循環させることができる。よって、粉体材料を効率良く分離除去することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した粉体分離装置の概略構成を示す縦断面図である。
【図2】図1におけるA−A線で切断した部分の断面図である。
【図3】図1におけるB−B線で切断した部分の縦断面である。
【図4】図1の粉体分離装置による粉分離動作の説明図である。
【図5】図4におけるフィルタ部分を示す拡大部分断面図である。
【符号の説明】
1 粉体分離装置
2 分離箱
3 材料供給部
4 材料排出部
5 空気供給部
6 空気吸引部
7 仕切り板(第1の側面)
8 材料ガイド板(底面)
10 分離室
11 左側区画室
12 下側区画室
13 側面(第2の側面)
14 材料供給用の開口部
15 材料排出用の開口部
16 フィルタ
16a スリット
17 隙間
18 貫通穴
19 偏向板
22 空気吸引口
25 空気供給口
Claims (13)
- 粒体材料および粉体材料を含む混合材料から粉体材料を分離する方法において、
前記混合材料を分離室に投入し、
当該分離室において空気流を用いて前記混合材料を上下方向に循環させ、
前記分離室の第1の側面に取り付けられているフィルタに、循環する前記混合材料を繰り返し当てることにより、当該混合材料から粉体材料のみを前記フィルタを通して前記分離室の外に分離除去し、
前記粉体材料が除去されて前記分離室内に残っている粒体材料を、当該分離室から取り出すことを特徴とする粉体材料を分離する方法。 - 請求項1において、
前記フィルタとして、前記第1の側面における幅方向に向けて所定の間隔で配列された上下方向に延びる複数のスリットから構成されるものを用いることを特徴とする粉体材料を分離する方法。 - 請求項1または2において、
前記分離室の底面を前記第1の側面から、当該第1の側面に対峙している第2の側面に向けて下方に傾斜配置し、
前記底面と前記第2の側面の入り隅部分から上方に向けて前記分離室内に空気を吹き込み、前記フィルタを介して分離室内の空気を外部に吸引することにより、前記混合材料を、前記フィルタに当てながら循環させることを特徴とする粉体材料を分離する方法。 - 請求項3において、
前記底面に沿って、前記第1の側面から前記第2の側面に向かう空気流を形成することを特徴とする粉体材料を分離する方法。 - 請求項1ないし4のうちのいずれかの項において、
空気圧を利用して、前記混合材料の前記分離室への投入、および/または、前記分離室から粒体材料の取り出しを行うことを特徴とする粉体材料を分離する方法。 - 請求項1ないし5のうちのいずれかの項において、
前記混合材料は熱可塑性樹脂であることを特徴とする粉体材料を分離する方法。 - 粒体材料および粉体材料を含む混合材料から粉体材料を分離するための粉体分離装置において、
前記混合材料が投入される分離室が内部に形成されている分離箱と、
前記分離室の第1の側面に取り付けられているフィルタと、
前記第1の側面における前記フィルタの下側位置から、当該第1の側面に対峙している前記分離箱の第2の側面に向けて下方に傾斜配置され、前記分離室の底面を規定している材料ガイド板と、
前記分離室に投入された前記混合材料を、前記第2の側面に沿って上方に吹き上げられた後に、前記フィルタに当たりながら前記材料ガイド板上に落下するように、空気流によって上下方向に循環させる混合材料循環機構とを有していることを特徴とする粉体分離装置。 - 請求項7において、
前記混合材料循環機構は、
前記材料ガイド板と前記第2の側面との入り隅部分から上方に向けて前記分離室内に空気を吹き込むための空気供給部と、
前記フィルタを介して前記分離室内から空気を外部に吸引する空気吸引部と、を備えていることを特徴とする粉体分離装置。 - 請求項8において、
前記空気供給部は、前記材料ガイド板の表面に沿って前記第1の側面の側から前記第2の側面に向かう空気流を形成することを特徴とする粉体分離装置。 - 請求項9において、
前記空気流は、前記材料ガイド板における前記第1の側面の側に形成した空気穴と、この空気穴から前記分離室内に吹き込まれた空気を前記材料ガイド板の表面に沿った方向に導く偏向板とによって形成されることを特徴とする粉体分離装置。 - 請求項7ないし10のうちのいずれかの項において、
前記フィルタは、所定間隔で前記第1の側面の幅方向に配列された上下方向に延びる所定幅のスリット群によって構成されていることを特徴とする粉体分離装置。 - 請求項7ないし11のうちのいずれかの項において、
前記分離室から前記粉体材料が除去された後の前記粒体材料を取り出すための材料排出部を有しており、
この材料排出部は、前記第2の側面における前記材料ガイド板の近傍位置に形成した開口部から、前記粒体材料を空気吸引するものであることを特徴とする粉体分離装置。 - 請求項7ないし12のうちのいずれかの項において、
前記分離室内に前記混合材料を投入するための材料供給部を有しており、
この材料供給部は、前記第2の側面の上端側の部位に形成された開口部から、空気力によって前記混合材料を前記分離室内に導入するものであることを特徴とする粉体分離装置。
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