JP2004073310A - 料理用鋏 - Google Patents
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Abstract
【課題】使用者にはさみと包丁の機能を有することを一目で理解させると共に、鋏身を分離して実際に分離した鋏身の1つを包丁として利用できること。
【解決手段】料理用鋏1を構成する鋏身2と鋏身3を分離可能とし、握部30を有し、相手側の本体部2eの厚みより薄く、刃幅3Aが広く、かつ、握柄30の握部30Aの中心線の長手方向と本体部3eの峰部3fの長手方向が略直線状としてなる鋏身3は、包丁のイメージが強くなるから、鋏の購入者及び使用者は、包丁としての機能を有することが一目瞭然で判断できる。
【選択図】 図2
【解決手段】料理用鋏1を構成する鋏身2と鋏身3を分離可能とし、握部30を有し、相手側の本体部2eの厚みより薄く、刃幅3Aが広く、かつ、握柄30の握部30Aの中心線の長手方向と本体部3eの峰部3fの長手方向が略直線状としてなる鋏身3は、包丁のイメージが強くなるから、鋏の購入者及び使用者は、包丁としての機能を有することが一目瞭然で判断できる。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、料理用鋏に関するものである。詳しくは、一対の鋏身を分離して清掃でき、包丁としても使用できる料理用鋏であって、主として厨房、アウトドア等で利用される。
【0002】
【従来の技術】
従来の料理用鋏に関連する先行技術文献としては、特開平11−221374号公報、特開2000−262776号公報、特開2001−070674号公報が挙げられる。
【0003】
特開平11−221374号公報では、一方の鋏身には支持軸が固定的に取り付けられ、他方の鋏身には支持軸の頭部を挿通する内径を有する円形の挿通孔と支持軸の胴部を回動可能に内接する円形の軸孔が部分的に重なって単一の瓢箪形孔が形成され、軸孔に回動可能に内接する円形の軸孔が部分的に重なって単一の瓢箪形孔が形成され、軸孔に回動可能に内接している胴部が、瓢箪形孔の挿通孔と軸孔との境目の幅の狭いくびれ部を通って挿通孔と軸孔との間を移動できるように、胴部に幅の狭い部分が設けられている。したがって、支持軸の頭部が円形でなじみ易くなっているので両鋏身を自由な交差角度で孔に挿入及び離脱することができる。
【0004】
また、特開2000−262776号公報は、刃身部と操作握部との間に開閉中心となる連結部を形成した一対の鋏要素が、操作握部の開閉操作による刃身部の開閉機能と、刃身部相互によるせん断機能と、刃身部相互の所定の開き角度で鋏要素相互の分離機能を確保し、前記連結を開閉軸要素で開閉自在に連絡するようにした分解可能な鋏において、前記一対の鋏要素を第一鋏要素と第二鋏要素とに分け、それぞれの鋏要素の連結が、それぞれの連結部の重合と開閉軸要素とにより、開閉軸要素を取付けた第一鋏要素の刃身部の回動面に対して、開閉軸要素の軸方向の直線運動を回避する方向の運動を第二鋏要素に与えてこれを分離できるようにしている。したがって、部品点数を増加させることなく単純な構成によって、不用意な落下を防止し、安全性と取扱い操作の利便性を確保し、清潔で衛生的な使用ができるようにしている。
【0005】
また、特開2001−070674号公報では、両鋏片は開閉中心部で互いに脱着可能で、一方の鋏片の刃部に皮引きが設けられている。この皮引きとはその機能が不明であるが、刃部に取着したブラケットと、このブラケットに対して回動可能に支持した刃板を有し、この刃板は所定回動角度だけ回動する。また、他方の鋏片の刃部は、包丁としても機能するように、通常の鋏の刃部の刃先角よりも小さい刃先角にしている。
【0006】
しかし、前述した特開平11−221374号公報の鋏は、分離・組立がし易く、鋏の掃除がし易いという便利さがあったが、鋏としてしか使用できず、それを包丁として使用することはできなかった。
【0007】
また、特開2000−262776号公報の鋏は、容易に分解して掃除ができるものの、包丁としての使用はできなかった。また、特開2001−070674号公報の鋏では両鋏の鋏身を簡単に脱着し、掃除することで前記鋏を常に清潔に保つことができる。また、料理鋏を分離し、一方の鋏身を包丁として使用することを意識しているものの、単に刃物(ナイフ)としての機能を有するものの、包丁と認識できるものではない。
【0008】
そこで、この発明はかかる不具合を解決するためになされたもので、使用者にはさみと包丁の機能を有することを一目で理解させると共に、鋏身を分離して実際に分離した鋏身の1つを包丁として利用できる料理鋏の提供を課題とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1の料理用鋏によれば、一方の結合突起が他方の結合孔に挿入または離脱されて、組付けまたは分解が自在な回転軸と、前記回転軸を中心として、一方に手の親指によって操作される操作部を有し、他方に相手側の本体部より厚みの厚い本体部からなる片側の鋏身と、前記回転軸を中心として、一方に人差指、中指等の手によって操作される操作部を有し、他方に相手側の本体部より厚みの薄い本体部で、相手側の前記本体部の刃幅より広く、かつ、前記操作部の握部中心線の長手方向と前記本体部の峰部の長手方向が略直線状としてなる他方の片側の鋏身とを具備するものである。
【0010】
したがって、操作部を有し、相手側の本体部の厚みより薄く、刃幅が広く、かつ、操作部の握部の中心線の長手方向と本体部の峰部の長手方向が略直線状としてなる鋏身は、包丁のイメージが強くなるから、鋏の購入者及び使用者が使用する前であっても、包丁としての機能を有することが一目瞭然で判断できる。また、本体部の厚みより薄く、刃幅が広く、かつ、操作部の握部中心線の長手方向と本体部の峰部の長手方向が略直線状としてなる鋏身は、包丁としての形態を具備しているから、使い勝手に違和感がない。
【0011】
ところで、上記片側の鋏身は、通常の鋏の鋏身形態を具備しておればよく、その形態を限定するものではない。また、上記片側の鋏身は、人の感性による相対比較結果から、相手側の本体部より厚みの薄い刃部とし、相手側の前記本体部の刃幅より広く、かつ、前記操作部の握部中心線の長手方向と前記本体部の峰部の長手方向が略直線状としてなるものであるから、包丁のイメージが強くなり、かつ、使い勝手も普通の包丁と相違することがない。
【0012】
請求項2の料理用鋏によれば、他の片側の鋏身は、前記操作部の握部中心線の長手方向と前記本体部の峰部の長手方向が略直線状を20度以下としたものであるから、略全体を包丁形状としてなることが認識され、購入者及び使用者が一目瞭然に鋏と包丁としての利器であることが判断される。
【0013】
請求項3の料理用鋏によれば、前記他の片側の鋏身の手によって操作される操作部は、人差指、中指等が入る握孔を具備することから、人差指、中指等が入る握孔を使用して包丁として使用できる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態に基づいて説明する。
【0015】
図1は本発明の実施の形態にかかる料理用鋏の全体の構成を示す正面図で、(a)は料理用鋏を閉じた状態、図1(b)は(a)の切断線A−Aによる断面図である。また、図2は本発明の実施の形態にかかる料理用鋏を開いた状態での構成を示す正面図、図3は正面を上にした分解・組立図である。図4は図1の一方の鋏身の構成図であり、(a)は鋏身の平面図、(b)は鋏身の正面図、(c)は鋏身を下から見た底面図、(d)は鋏身の切断線B−Bによる拡大端面図である。また、図5は図1の他方の鋏身の構成図であり、(a)は鋏身の平面図で、(b)は鋏身の正面図、(c)は鋏身を下から見た底面図、(d)は鋏身の切断線C−Cによる拡大端面図である。そして、図6は図1の回転軸の拡大詳細図で、(a)は鋏身の要部正面図、(b)は鋏身の切断線D−Dによる拡大端面図である。
【0016】
図において、1は本実施の形態の料理用鋏、2は主に図4に示すように、料理用鋏1の一方の鋏身、2aは鋏身2の物を切る切断刃角2βに形成した刃部、2bは刃部2aの先を刃先角度2αに形成した先端部、2cは鋏身2をプラスチック製または木製等の握柄20に固定するための埋込部、2dは鋏身2を握柄20に固定するための固定孔、2eは鋏身2の本体部、2fは鋏身2の峰部である。
【0017】
20は主として親指を入れて鋏身2を操作する握柄、21は指を入れる握孔、22は鋏身2と鋏身3の相対的移動限界を規定し、鋏身2と鋏身3との干渉を防ぐ干渉防止突起、23は鋏身2を鋏身3とを結合する長四角形をした結合突起、23aは鋏身3に設けられ略長四角形の結合突起23に対抗した結合孔32を中心に回転する鋏身2の円柱状の軸部である。この軸部23aは溶接または圧入等で鋏身2の本体部2eに固定されている。
【0018】
そして、3は主に図5に示すように、料理用鋏1の他方の鋏身、3aは鋏身3の物を切る切断刃角3βに形成した刃部、3bは刃部3aの先を刃先角度3αに形成した先端部、3cは鋏身3をプラスチック製または木製等の握柄30に固定するための埋込部、3dは鋏身3を握柄30に固定するための固定孔、3eは鋏身3の本体部、3fは鋏身3の強度を保つ峰部である。
【0019】
30はそこに指を入れて握られ物を切る鋏身3の握柄、31は通常、人差指、中指、薬指び小指が入れられる握孔であり、少なくとも、人差指、中指が入るように形成される。
【0020】
そして、鋏身2の本体部2eは、刃部2aから峰部2fの刃幅2Aを10〜25mm程度の幅、かつ、厚み2Hは厚くなっている。鋏身3の本体部3eは、刃部3aから峰部3fの刃幅3Aを20〜40mm程度の幅に広く、かつ、厚み3Hが薄くなっている。
【0021】
本実施の形態の料理用鋏1は、図1乃至図3に示すように、鋏身2の結合突起23が鋏身3の結合孔32に挿入され、軸部23aを軸として鋏身3が回転可能に組付けられている。即ち、図6に図示するように、鋏身3の結合孔32は、中央が円形で両側が略長四角の形状になっており、通常の使用状態の鋏身2と鋏身3の開き角度θ=90度程度では、組付けられた両者が離れないようになっている。
【0022】
また、突起22は、料理用鋏1を閉じたとき鋏身2と鋏身3が、線または面で当接しないように鋏身3の鋏身2に対する移動を制限するものであり、これによって、握柄20と握柄30とが線または面で当接しないようになっており、手の一部を両者間で挟まないようになっている。
【0023】
即ち、鋏身2と鋏身3との開き角度θが90度以下で、鋏身3の握柄30が鋏身2の握握柄20の干渉防止突起22に当接するまで、鋏身3が鋏身2の軸部23aの周りを回動し、両者は分離できない。しかし、鋏身2と鋏身3の開き角度が最大(開き角度θが100〜110度)になったとき、結合突起23は、結合孔32から離脱または挿入できるようになっている。つまり、鋏として使用される範囲、即ち、鋏身2の握孔21及び鋏身3の握孔31に指を入れて切る操作をしている間は、前記開き角度θが小さいので、鋏身2の結合突起23は、鋏身3の連結孔32から決して抜けない構造になっている。
【0024】
ここで、組付けまたは分解が自在な結合突起23、軸部23a及び結合孔32は、本実施の形態の回転軸を構成している。この組付けまたは分解が自在な結合突起23、軸部23a及び結合孔32は、鋏身2と鋏身3の何れ側に設けてもよい。
【0025】
また、一方の手によって操作される操作部は、握孔21に少なくとも親指を入れて握る握部20Aを有する握柄20で構成される。他方の手によって操作される操作部は、握孔31に少なくとも人差指、中指、または人差指、中指、薬指、または人差指、中指、薬指、小指を入れて握る握部30Aを有する握柄30で構成される。
【0026】
本実施の形態の料理用鋏1の握柄30の握孔31に人差指、中指、薬指、小指を入れて握る握部30Aは、その握柄30の握部30Aの中心線の長手方向が鋏身3の峰部3fの長手方向と略一直線、即ち、握部30Aの中心線の長手方向が鋏身3の峰部3fの長手方向との角度が、発明者等の実験によれば、角度δ≒20度以下とするものであれば、周知の包丁と使い勝手が相違しないから、包丁の使用経験者の経験に反する使用方法が存在しないから、従来の包丁の使用の経験者であっても、なくても簡単に使いこなすことができる。即ち、鋏身3の握柄30の握部30Aが、その長手方向と鋏身3の峰部3fの長手方向と角度δ≒20度以下とすることにより、従来の包丁の構造に近く、かつ、使い勝手が変化しないから、包丁の調理対象の処理がし易い。
【0027】
このように、本実施の形態の料理用鋏1によれば、一方の結合突起23が他方の結合孔32に挿入または離脱されて、組付けまたは分解が自在な結合突起23、軸部23a及び結合孔32からなる回転軸と、前記回転軸を中心として、一方に手によって操作される親指を入れる握孔21を有する握柄20からなる操作部を有し、他方に相手側の本体部3eより厚みの厚い本体部2eからなる片側の鋏身2と、前記回転軸を中心として、一方に少なくとも人差指、中指等によって操作される握孔31を有する握柄30からなる操作部を有し、他方に相手側の本体部2eより厚みの薄い本体部3eで、相手側の前記本体部2eの刃幅2Aより広く、かつ、前記操作部の握部30Aの中心線の長手方向と前記本体部3eの峰部3fの長手方向が略直線状としてなる他方側の鋏身3とを具備するものである。
【0028】
したがって、本実施の形態の料理用鋏1は、鋏身2の結合突起23を鋏身3の結合孔32に装着することで、鋏身2と鋏身3からなる鋏に簡単に組立でき、また、鋏身2の結合突起23を鋏身3の結合孔32から離脱することで、鋏身2と鋏身3を簡単に分解できる。この分解状態で、調理時に鋏身2に付着した食物の切りカス等を取除く清掃をすることで、常に清潔に保つことができるとともに、鋏身3を料理用鋏1から分離し、包丁としても使用することができる。
【0029】
また、人差指から小指によって操作される握孔31を有する握柄30からなる操作部を有し、相手側の本体部2eの厚みより薄く、刃幅3Aが刃幅2Aよりも広く、かつ、握部30Aの中心線の長手方向と本体部3eの峰部3fの長手方向が略直線状としてなる鋏身3は、全体として包丁のイメージが強くなるから、本実施の形態の料理用鋏1の購入者及び使用者は、包丁としての機能も有することが一目瞭然で判断できる。また、本体部2eの厚みより薄く、刃幅2Aより広く、かつ、握部30Aの中心線の長手方向と本体部3eの峰部3fの長手方向が略直線状としてなる鋏身3は、包丁としての形態を具備しているから、使い勝手に違和感がない。
【0030】
通常、料理用鋏1は、鋏として厚さの比較的薄い、例えば、昆布やスルメ等の乾物類や蟹の足等の食材を切断するのに使用される。また、本体部2eの厚みより薄く、刃幅2Aより広く、かつ、握部30Aの中心線の長手方向と本体部3eの峰部3fの長手方向が略直線状としてなる鋏身3は、包丁として、厚さの比較的厚い大根や白菜等の野菜類や肉類・魚類を切ったり、野菜類や果物類等皮をむいたりするために使用される。このとき、刃部3aから峰部3fの幅3Aが広く、かつ、本体部3eの厚み3Hが薄いので、包丁としても使い勝手がよい。
【0031】
殊に、従来の鋏では、本体部の刃部から峰部の幅が狭く、かつ、刃の厚みが厚かったので、包丁として野菜類・肉類及び魚類を切ろうとしたとき、刃の厚みが厚いから上手く切れなかったり、食材を傷つけることになり包丁として使い難かった。また、包丁で果物類の皮をむく場合には、包丁として使用する鋏身3の本体部3eの厚さが厚いから薄い皮がむけなかった。
【0032】
しかし、特に、本実施の形態の料理用鋏1は、鋏身3の本体部3eから峰部3fの刃幅3Aを、鋏身2の本体部2eの刃幅2Aが10〜25mmより広い25〜40mmとし、かつ、本体部3eの厚み3Hを本体部2eの1.6〜3.0mmより薄い1.0〜1.6mmとした構造となっている。鋏身2の本体部2eは、鋏身3の本体部3eより刃の厚みを厚くすることによって、鋏として使用した場合でも、刃こぼれをし難い構造としている。
【0033】
したがって、鋏身3の本体部3eは、刃部3aから峰部3fの刃幅3Aを広く、かつ、刃部3aの厚みHが薄く、鋏身3は包丁のような形状をしているので、鋏身3を包丁として使用し、食材を切ったときも、食材を必要以上に傷つけることがない。更に、鋏身3の本体部3eが薄くて抵抗が少ないので、野菜や果物を薄くむく・へぐ・そぐという作業にも適しており、かつ、鋏身3の厚さ方向の刃先角3βは従来の鋏の刃先角2βより小さく形成されているので、包丁として厚さの厚い白菜やスイカ等の食材を切り易くなる。
【0034】
本実施の形態の料理用鋏1の鋏身3の握柄30の握部30Aは、その握部30Aの中心軸の長手方向が鋏身3の峰部3fの長手方向と略一直線、即ち、角度δ<20度以下としているから、周知の包丁と使い勝手が相違しないから、包丁の使用経験者の経験に反する使用方法が存在しないから、従来の包丁の使用の経験者であっても、なくても簡単に使いこなすことができる。特に、鋏身3の握柄30の握部30Aが、その握部30Aの中心軸の長手方向と鋏身3の峰部3fの長手方向と角度δ<20度以下とすることにより、従来の包丁の構造に近く、かつ、使い勝手が変化しないから、包丁の調理対象の処理がし易い。
【0035】
また、図5において、鋏身3の刃先3aの先端3bが従来の料理用鋏の刃先の刃先角25〜35度より緩やかで、例えば、刃先角3αは50〜70度になっているから、鋏身3は長くなり、包丁として使用しても使い易くなる。
【0036】
なお、上記実施の形態では、鋏身2と鋏身3を分解・組立するのに、鋏身2の中心が円弧状で略長四角形をした結合突起23を鋏身2の先端が円弧状で略長四角形をした結合孔32に挿入するようにしているが、本発明を実施する場合には、これにとらわれるものでなく、鋏身2の結合突起をそれより少し大きめの鋏身3の結合孔に挿入することによって、簡単に鋏身2と鋏身3を分解・組立できるものであれば良い。
【0037】
【発明の効果】
請求項1の料理用鋏によれば、組付けまたは分解が自在な回転軸を中心として、一方に手の親指によって操作される操作部を有し、他方に相手側の本体部より厚みの厚い本体部からなる片側の鋏身と、前記回転軸を中心として、一方に少なくとも人差指、中指等の手によって操作される操作部を有し、他方に相手側の本体部より厚みの薄い本体部で、相手側の前記本体部の刃幅より広く、かつ、前記操作部の握部中心線の長手方向と前記本体部の峰部の長手方向が略直線状としてなる他方の片側の鋏身とを具備するものである。
【0038】
したがって、両方の鋏身を分離し、清掃を簡単に行うことができ、鋏本来の挟んで物を切るという機能の他に、包丁として使用することができる。そして、特に独身家庭や野外のキャンプ場に行ったとき等、調理器具の数を多く使用したくない場合に非常に有効である。特に、操作部を有し、相手側の本体部の厚みより薄く、刃幅が広く、かつ、操作部の握部中心の長手方向と本体部の峰部の長手方向が略直線状としてなる鋏身は、包丁のイメージが強くなるから、鋏の購入者及び使用者は、包丁としての機能を有することが一目瞭然で判断できる。また、本体部の厚みより薄く、刃幅が広く、かつ、操作部の握部中心の長手方向と本体部の峰部の長手方向が略直線状としてなる鋏身は、包丁としての形態を具備しているから、使い勝手に違和感がない。
【0039】
よって、使用者にはさみと包丁の機能を有することを一目で理解させると共に、鋏身を分離して実際に分離した鋏身の1つを包丁として利用できる。
【0040】
請求項2の料理用鋏によれば、前記操作部の握部中心の長手方向と前記本体部の峰部の長手方向が略直線状とは、20度以下の接続状態としたものであるから、請求項1に記載の効果に加えて、略全体を包丁形状として認識でき、購入者及び使用者が一目瞭然に鋏と包丁としての利器であることが判断される。
【0041】
請求項3の料理用鋏によれば、前記他方側の鋏身の手によって操作される握部を有する握部は、人差指、中指等が入る握孔を具備するものであるから請求項1または請求項2の効果に加えて、人差指、中指等が入る握孔を使用して包丁として使用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の実施の形態にかかる料理用鋏の全体の構成を示す正面図で、(a)は料理用鋏を閉じた状態、図1(b)は(a)の切断線A−Aによる断面図である。
【図2】図2は本発明の実施の形態にかかる料理用鋏を開いた状態での構成を示す正面図である。
【図3】図3は本発明の実施の形態にかかる料理用鋏の正面を上にした分解・組立図である。
【図4】図4は図1の一方の鋏身の構成図であり、(a)は鋏身の平面図、(b)は鋏身の正面図、(c)は鋏身を下から見た底面図、(d)は鋏身の切断線B−Bによる拡大端面図である。
【図5】図5は図1の他方の鋏身の構成図であり、(a)は鋏身の平面図で、(b)は鋏身の正面図、(c)は鋏身を下から見た底面図、(d)は鋏身の切断線C−Cによる拡大端面図である。
【図6】図6は図1の回転軸の拡大詳細図で、(a)は鋏身の要部正面図、(b)は鋏身の切断線D−Dによる拡大端面図である。
【符号の説明】
1 料理用鋏
2 鋏身
2a 刃部(鋏身2の)
2e 本体部(鋏身2の)
2A 刃幅(鋏身2の)
20 握柄(鋏身2の)
21 握孔(鋏身2の)
23 結合突起
23a 軸部
3 鋏身(包丁用)
3a 刃部(鋏身3の)
3e 本体部(鋏身3の)
3f 峰部(鋏身3の)
30 握柄(鋏身3の)
30A 握部(鋏身3の)
31 握孔(鋏身3の)
32 結合孔
【発明の属する技術分野】
本発明は、料理用鋏に関するものである。詳しくは、一対の鋏身を分離して清掃でき、包丁としても使用できる料理用鋏であって、主として厨房、アウトドア等で利用される。
【0002】
【従来の技術】
従来の料理用鋏に関連する先行技術文献としては、特開平11−221374号公報、特開2000−262776号公報、特開2001−070674号公報が挙げられる。
【0003】
特開平11−221374号公報では、一方の鋏身には支持軸が固定的に取り付けられ、他方の鋏身には支持軸の頭部を挿通する内径を有する円形の挿通孔と支持軸の胴部を回動可能に内接する円形の軸孔が部分的に重なって単一の瓢箪形孔が形成され、軸孔に回動可能に内接する円形の軸孔が部分的に重なって単一の瓢箪形孔が形成され、軸孔に回動可能に内接している胴部が、瓢箪形孔の挿通孔と軸孔との境目の幅の狭いくびれ部を通って挿通孔と軸孔との間を移動できるように、胴部に幅の狭い部分が設けられている。したがって、支持軸の頭部が円形でなじみ易くなっているので両鋏身を自由な交差角度で孔に挿入及び離脱することができる。
【0004】
また、特開2000−262776号公報は、刃身部と操作握部との間に開閉中心となる連結部を形成した一対の鋏要素が、操作握部の開閉操作による刃身部の開閉機能と、刃身部相互によるせん断機能と、刃身部相互の所定の開き角度で鋏要素相互の分離機能を確保し、前記連結を開閉軸要素で開閉自在に連絡するようにした分解可能な鋏において、前記一対の鋏要素を第一鋏要素と第二鋏要素とに分け、それぞれの鋏要素の連結が、それぞれの連結部の重合と開閉軸要素とにより、開閉軸要素を取付けた第一鋏要素の刃身部の回動面に対して、開閉軸要素の軸方向の直線運動を回避する方向の運動を第二鋏要素に与えてこれを分離できるようにしている。したがって、部品点数を増加させることなく単純な構成によって、不用意な落下を防止し、安全性と取扱い操作の利便性を確保し、清潔で衛生的な使用ができるようにしている。
【0005】
また、特開2001−070674号公報では、両鋏片は開閉中心部で互いに脱着可能で、一方の鋏片の刃部に皮引きが設けられている。この皮引きとはその機能が不明であるが、刃部に取着したブラケットと、このブラケットに対して回動可能に支持した刃板を有し、この刃板は所定回動角度だけ回動する。また、他方の鋏片の刃部は、包丁としても機能するように、通常の鋏の刃部の刃先角よりも小さい刃先角にしている。
【0006】
しかし、前述した特開平11−221374号公報の鋏は、分離・組立がし易く、鋏の掃除がし易いという便利さがあったが、鋏としてしか使用できず、それを包丁として使用することはできなかった。
【0007】
また、特開2000−262776号公報の鋏は、容易に分解して掃除ができるものの、包丁としての使用はできなかった。また、特開2001−070674号公報の鋏では両鋏の鋏身を簡単に脱着し、掃除することで前記鋏を常に清潔に保つことができる。また、料理鋏を分離し、一方の鋏身を包丁として使用することを意識しているものの、単に刃物(ナイフ)としての機能を有するものの、包丁と認識できるものではない。
【0008】
そこで、この発明はかかる不具合を解決するためになされたもので、使用者にはさみと包丁の機能を有することを一目で理解させると共に、鋏身を分離して実際に分離した鋏身の1つを包丁として利用できる料理鋏の提供を課題とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1の料理用鋏によれば、一方の結合突起が他方の結合孔に挿入または離脱されて、組付けまたは分解が自在な回転軸と、前記回転軸を中心として、一方に手の親指によって操作される操作部を有し、他方に相手側の本体部より厚みの厚い本体部からなる片側の鋏身と、前記回転軸を中心として、一方に人差指、中指等の手によって操作される操作部を有し、他方に相手側の本体部より厚みの薄い本体部で、相手側の前記本体部の刃幅より広く、かつ、前記操作部の握部中心線の長手方向と前記本体部の峰部の長手方向が略直線状としてなる他方の片側の鋏身とを具備するものである。
【0010】
したがって、操作部を有し、相手側の本体部の厚みより薄く、刃幅が広く、かつ、操作部の握部の中心線の長手方向と本体部の峰部の長手方向が略直線状としてなる鋏身は、包丁のイメージが強くなるから、鋏の購入者及び使用者が使用する前であっても、包丁としての機能を有することが一目瞭然で判断できる。また、本体部の厚みより薄く、刃幅が広く、かつ、操作部の握部中心線の長手方向と本体部の峰部の長手方向が略直線状としてなる鋏身は、包丁としての形態を具備しているから、使い勝手に違和感がない。
【0011】
ところで、上記片側の鋏身は、通常の鋏の鋏身形態を具備しておればよく、その形態を限定するものではない。また、上記片側の鋏身は、人の感性による相対比較結果から、相手側の本体部より厚みの薄い刃部とし、相手側の前記本体部の刃幅より広く、かつ、前記操作部の握部中心線の長手方向と前記本体部の峰部の長手方向が略直線状としてなるものであるから、包丁のイメージが強くなり、かつ、使い勝手も普通の包丁と相違することがない。
【0012】
請求項2の料理用鋏によれば、他の片側の鋏身は、前記操作部の握部中心線の長手方向と前記本体部の峰部の長手方向が略直線状を20度以下としたものであるから、略全体を包丁形状としてなることが認識され、購入者及び使用者が一目瞭然に鋏と包丁としての利器であることが判断される。
【0013】
請求項3の料理用鋏によれば、前記他の片側の鋏身の手によって操作される操作部は、人差指、中指等が入る握孔を具備することから、人差指、中指等が入る握孔を使用して包丁として使用できる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態に基づいて説明する。
【0015】
図1は本発明の実施の形態にかかる料理用鋏の全体の構成を示す正面図で、(a)は料理用鋏を閉じた状態、図1(b)は(a)の切断線A−Aによる断面図である。また、図2は本発明の実施の形態にかかる料理用鋏を開いた状態での構成を示す正面図、図3は正面を上にした分解・組立図である。図4は図1の一方の鋏身の構成図であり、(a)は鋏身の平面図、(b)は鋏身の正面図、(c)は鋏身を下から見た底面図、(d)は鋏身の切断線B−Bによる拡大端面図である。また、図5は図1の他方の鋏身の構成図であり、(a)は鋏身の平面図で、(b)は鋏身の正面図、(c)は鋏身を下から見た底面図、(d)は鋏身の切断線C−Cによる拡大端面図である。そして、図6は図1の回転軸の拡大詳細図で、(a)は鋏身の要部正面図、(b)は鋏身の切断線D−Dによる拡大端面図である。
【0016】
図において、1は本実施の形態の料理用鋏、2は主に図4に示すように、料理用鋏1の一方の鋏身、2aは鋏身2の物を切る切断刃角2βに形成した刃部、2bは刃部2aの先を刃先角度2αに形成した先端部、2cは鋏身2をプラスチック製または木製等の握柄20に固定するための埋込部、2dは鋏身2を握柄20に固定するための固定孔、2eは鋏身2の本体部、2fは鋏身2の峰部である。
【0017】
20は主として親指を入れて鋏身2を操作する握柄、21は指を入れる握孔、22は鋏身2と鋏身3の相対的移動限界を規定し、鋏身2と鋏身3との干渉を防ぐ干渉防止突起、23は鋏身2を鋏身3とを結合する長四角形をした結合突起、23aは鋏身3に設けられ略長四角形の結合突起23に対抗した結合孔32を中心に回転する鋏身2の円柱状の軸部である。この軸部23aは溶接または圧入等で鋏身2の本体部2eに固定されている。
【0018】
そして、3は主に図5に示すように、料理用鋏1の他方の鋏身、3aは鋏身3の物を切る切断刃角3βに形成した刃部、3bは刃部3aの先を刃先角度3αに形成した先端部、3cは鋏身3をプラスチック製または木製等の握柄30に固定するための埋込部、3dは鋏身3を握柄30に固定するための固定孔、3eは鋏身3の本体部、3fは鋏身3の強度を保つ峰部である。
【0019】
30はそこに指を入れて握られ物を切る鋏身3の握柄、31は通常、人差指、中指、薬指び小指が入れられる握孔であり、少なくとも、人差指、中指が入るように形成される。
【0020】
そして、鋏身2の本体部2eは、刃部2aから峰部2fの刃幅2Aを10〜25mm程度の幅、かつ、厚み2Hは厚くなっている。鋏身3の本体部3eは、刃部3aから峰部3fの刃幅3Aを20〜40mm程度の幅に広く、かつ、厚み3Hが薄くなっている。
【0021】
本実施の形態の料理用鋏1は、図1乃至図3に示すように、鋏身2の結合突起23が鋏身3の結合孔32に挿入され、軸部23aを軸として鋏身3が回転可能に組付けられている。即ち、図6に図示するように、鋏身3の結合孔32は、中央が円形で両側が略長四角の形状になっており、通常の使用状態の鋏身2と鋏身3の開き角度θ=90度程度では、組付けられた両者が離れないようになっている。
【0022】
また、突起22は、料理用鋏1を閉じたとき鋏身2と鋏身3が、線または面で当接しないように鋏身3の鋏身2に対する移動を制限するものであり、これによって、握柄20と握柄30とが線または面で当接しないようになっており、手の一部を両者間で挟まないようになっている。
【0023】
即ち、鋏身2と鋏身3との開き角度θが90度以下で、鋏身3の握柄30が鋏身2の握握柄20の干渉防止突起22に当接するまで、鋏身3が鋏身2の軸部23aの周りを回動し、両者は分離できない。しかし、鋏身2と鋏身3の開き角度が最大(開き角度θが100〜110度)になったとき、結合突起23は、結合孔32から離脱または挿入できるようになっている。つまり、鋏として使用される範囲、即ち、鋏身2の握孔21及び鋏身3の握孔31に指を入れて切る操作をしている間は、前記開き角度θが小さいので、鋏身2の結合突起23は、鋏身3の連結孔32から決して抜けない構造になっている。
【0024】
ここで、組付けまたは分解が自在な結合突起23、軸部23a及び結合孔32は、本実施の形態の回転軸を構成している。この組付けまたは分解が自在な結合突起23、軸部23a及び結合孔32は、鋏身2と鋏身3の何れ側に設けてもよい。
【0025】
また、一方の手によって操作される操作部は、握孔21に少なくとも親指を入れて握る握部20Aを有する握柄20で構成される。他方の手によって操作される操作部は、握孔31に少なくとも人差指、中指、または人差指、中指、薬指、または人差指、中指、薬指、小指を入れて握る握部30Aを有する握柄30で構成される。
【0026】
本実施の形態の料理用鋏1の握柄30の握孔31に人差指、中指、薬指、小指を入れて握る握部30Aは、その握柄30の握部30Aの中心線の長手方向が鋏身3の峰部3fの長手方向と略一直線、即ち、握部30Aの中心線の長手方向が鋏身3の峰部3fの長手方向との角度が、発明者等の実験によれば、角度δ≒20度以下とするものであれば、周知の包丁と使い勝手が相違しないから、包丁の使用経験者の経験に反する使用方法が存在しないから、従来の包丁の使用の経験者であっても、なくても簡単に使いこなすことができる。即ち、鋏身3の握柄30の握部30Aが、その長手方向と鋏身3の峰部3fの長手方向と角度δ≒20度以下とすることにより、従来の包丁の構造に近く、かつ、使い勝手が変化しないから、包丁の調理対象の処理がし易い。
【0027】
このように、本実施の形態の料理用鋏1によれば、一方の結合突起23が他方の結合孔32に挿入または離脱されて、組付けまたは分解が自在な結合突起23、軸部23a及び結合孔32からなる回転軸と、前記回転軸を中心として、一方に手によって操作される親指を入れる握孔21を有する握柄20からなる操作部を有し、他方に相手側の本体部3eより厚みの厚い本体部2eからなる片側の鋏身2と、前記回転軸を中心として、一方に少なくとも人差指、中指等によって操作される握孔31を有する握柄30からなる操作部を有し、他方に相手側の本体部2eより厚みの薄い本体部3eで、相手側の前記本体部2eの刃幅2Aより広く、かつ、前記操作部の握部30Aの中心線の長手方向と前記本体部3eの峰部3fの長手方向が略直線状としてなる他方側の鋏身3とを具備するものである。
【0028】
したがって、本実施の形態の料理用鋏1は、鋏身2の結合突起23を鋏身3の結合孔32に装着することで、鋏身2と鋏身3からなる鋏に簡単に組立でき、また、鋏身2の結合突起23を鋏身3の結合孔32から離脱することで、鋏身2と鋏身3を簡単に分解できる。この分解状態で、調理時に鋏身2に付着した食物の切りカス等を取除く清掃をすることで、常に清潔に保つことができるとともに、鋏身3を料理用鋏1から分離し、包丁としても使用することができる。
【0029】
また、人差指から小指によって操作される握孔31を有する握柄30からなる操作部を有し、相手側の本体部2eの厚みより薄く、刃幅3Aが刃幅2Aよりも広く、かつ、握部30Aの中心線の長手方向と本体部3eの峰部3fの長手方向が略直線状としてなる鋏身3は、全体として包丁のイメージが強くなるから、本実施の形態の料理用鋏1の購入者及び使用者は、包丁としての機能も有することが一目瞭然で判断できる。また、本体部2eの厚みより薄く、刃幅2Aより広く、かつ、握部30Aの中心線の長手方向と本体部3eの峰部3fの長手方向が略直線状としてなる鋏身3は、包丁としての形態を具備しているから、使い勝手に違和感がない。
【0030】
通常、料理用鋏1は、鋏として厚さの比較的薄い、例えば、昆布やスルメ等の乾物類や蟹の足等の食材を切断するのに使用される。また、本体部2eの厚みより薄く、刃幅2Aより広く、かつ、握部30Aの中心線の長手方向と本体部3eの峰部3fの長手方向が略直線状としてなる鋏身3は、包丁として、厚さの比較的厚い大根や白菜等の野菜類や肉類・魚類を切ったり、野菜類や果物類等皮をむいたりするために使用される。このとき、刃部3aから峰部3fの幅3Aが広く、かつ、本体部3eの厚み3Hが薄いので、包丁としても使い勝手がよい。
【0031】
殊に、従来の鋏では、本体部の刃部から峰部の幅が狭く、かつ、刃の厚みが厚かったので、包丁として野菜類・肉類及び魚類を切ろうとしたとき、刃の厚みが厚いから上手く切れなかったり、食材を傷つけることになり包丁として使い難かった。また、包丁で果物類の皮をむく場合には、包丁として使用する鋏身3の本体部3eの厚さが厚いから薄い皮がむけなかった。
【0032】
しかし、特に、本実施の形態の料理用鋏1は、鋏身3の本体部3eから峰部3fの刃幅3Aを、鋏身2の本体部2eの刃幅2Aが10〜25mmより広い25〜40mmとし、かつ、本体部3eの厚み3Hを本体部2eの1.6〜3.0mmより薄い1.0〜1.6mmとした構造となっている。鋏身2の本体部2eは、鋏身3の本体部3eより刃の厚みを厚くすることによって、鋏として使用した場合でも、刃こぼれをし難い構造としている。
【0033】
したがって、鋏身3の本体部3eは、刃部3aから峰部3fの刃幅3Aを広く、かつ、刃部3aの厚みHが薄く、鋏身3は包丁のような形状をしているので、鋏身3を包丁として使用し、食材を切ったときも、食材を必要以上に傷つけることがない。更に、鋏身3の本体部3eが薄くて抵抗が少ないので、野菜や果物を薄くむく・へぐ・そぐという作業にも適しており、かつ、鋏身3の厚さ方向の刃先角3βは従来の鋏の刃先角2βより小さく形成されているので、包丁として厚さの厚い白菜やスイカ等の食材を切り易くなる。
【0034】
本実施の形態の料理用鋏1の鋏身3の握柄30の握部30Aは、その握部30Aの中心軸の長手方向が鋏身3の峰部3fの長手方向と略一直線、即ち、角度δ<20度以下としているから、周知の包丁と使い勝手が相違しないから、包丁の使用経験者の経験に反する使用方法が存在しないから、従来の包丁の使用の経験者であっても、なくても簡単に使いこなすことができる。特に、鋏身3の握柄30の握部30Aが、その握部30Aの中心軸の長手方向と鋏身3の峰部3fの長手方向と角度δ<20度以下とすることにより、従来の包丁の構造に近く、かつ、使い勝手が変化しないから、包丁の調理対象の処理がし易い。
【0035】
また、図5において、鋏身3の刃先3aの先端3bが従来の料理用鋏の刃先の刃先角25〜35度より緩やかで、例えば、刃先角3αは50〜70度になっているから、鋏身3は長くなり、包丁として使用しても使い易くなる。
【0036】
なお、上記実施の形態では、鋏身2と鋏身3を分解・組立するのに、鋏身2の中心が円弧状で略長四角形をした結合突起23を鋏身2の先端が円弧状で略長四角形をした結合孔32に挿入するようにしているが、本発明を実施する場合には、これにとらわれるものでなく、鋏身2の結合突起をそれより少し大きめの鋏身3の結合孔に挿入することによって、簡単に鋏身2と鋏身3を分解・組立できるものであれば良い。
【0037】
【発明の効果】
請求項1の料理用鋏によれば、組付けまたは分解が自在な回転軸を中心として、一方に手の親指によって操作される操作部を有し、他方に相手側の本体部より厚みの厚い本体部からなる片側の鋏身と、前記回転軸を中心として、一方に少なくとも人差指、中指等の手によって操作される操作部を有し、他方に相手側の本体部より厚みの薄い本体部で、相手側の前記本体部の刃幅より広く、かつ、前記操作部の握部中心線の長手方向と前記本体部の峰部の長手方向が略直線状としてなる他方の片側の鋏身とを具備するものである。
【0038】
したがって、両方の鋏身を分離し、清掃を簡単に行うことができ、鋏本来の挟んで物を切るという機能の他に、包丁として使用することができる。そして、特に独身家庭や野外のキャンプ場に行ったとき等、調理器具の数を多く使用したくない場合に非常に有効である。特に、操作部を有し、相手側の本体部の厚みより薄く、刃幅が広く、かつ、操作部の握部中心の長手方向と本体部の峰部の長手方向が略直線状としてなる鋏身は、包丁のイメージが強くなるから、鋏の購入者及び使用者は、包丁としての機能を有することが一目瞭然で判断できる。また、本体部の厚みより薄く、刃幅が広く、かつ、操作部の握部中心の長手方向と本体部の峰部の長手方向が略直線状としてなる鋏身は、包丁としての形態を具備しているから、使い勝手に違和感がない。
【0039】
よって、使用者にはさみと包丁の機能を有することを一目で理解させると共に、鋏身を分離して実際に分離した鋏身の1つを包丁として利用できる。
【0040】
請求項2の料理用鋏によれば、前記操作部の握部中心の長手方向と前記本体部の峰部の長手方向が略直線状とは、20度以下の接続状態としたものであるから、請求項1に記載の効果に加えて、略全体を包丁形状として認識でき、購入者及び使用者が一目瞭然に鋏と包丁としての利器であることが判断される。
【0041】
請求項3の料理用鋏によれば、前記他方側の鋏身の手によって操作される握部を有する握部は、人差指、中指等が入る握孔を具備するものであるから請求項1または請求項2の効果に加えて、人差指、中指等が入る握孔を使用して包丁として使用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の実施の形態にかかる料理用鋏の全体の構成を示す正面図で、(a)は料理用鋏を閉じた状態、図1(b)は(a)の切断線A−Aによる断面図である。
【図2】図2は本発明の実施の形態にかかる料理用鋏を開いた状態での構成を示す正面図である。
【図3】図3は本発明の実施の形態にかかる料理用鋏の正面を上にした分解・組立図である。
【図4】図4は図1の一方の鋏身の構成図であり、(a)は鋏身の平面図、(b)は鋏身の正面図、(c)は鋏身を下から見た底面図、(d)は鋏身の切断線B−Bによる拡大端面図である。
【図5】図5は図1の他方の鋏身の構成図であり、(a)は鋏身の平面図で、(b)は鋏身の正面図、(c)は鋏身を下から見た底面図、(d)は鋏身の切断線C−Cによる拡大端面図である。
【図6】図6は図1の回転軸の拡大詳細図で、(a)は鋏身の要部正面図、(b)は鋏身の切断線D−Dによる拡大端面図である。
【符号の説明】
1 料理用鋏
2 鋏身
2a 刃部(鋏身2の)
2e 本体部(鋏身2の)
2A 刃幅(鋏身2の)
20 握柄(鋏身2の)
21 握孔(鋏身2の)
23 結合突起
23a 軸部
3 鋏身(包丁用)
3a 刃部(鋏身3の)
3e 本体部(鋏身3の)
3f 峰部(鋏身3の)
30 握柄(鋏身3の)
30A 握部(鋏身3の)
31 握孔(鋏身3の)
32 結合孔
Claims (3)
- 一方の結合突起が他方の結合孔に挿入または離脱されて、組付けまたは分解が自在な回転軸と、
前記回転軸を中心として、一方に手によって操作される操作部を有し、他方に相手側の本体部より厚みの厚い本体部からなる片側の鋏身と、
前記回転軸を中心として、一方に手によって操作される操作部を有し、他方に相手側の本体部より厚みの薄い刃部で、相手側の前記本体部の刃幅より広く、かつ、前記操作部の握部中心線の長手方向と前記本体部の峰部の長手方向が略直線状としてなる他の片側の鋏身と
を具備することを特徴とする料理用鋏。 - 前記操作部の握部中心線の長手方向と前記本体部の峰部の長手方向が略直線状は、20度以下としたことを特徴とする請求項1に記載の料理用鋏。
- 前記他の片側の鋏身の手によって操作される操作部は、少なくとも人差指、中指が入る握孔を具備することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の料理用鋏。
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