JP2004073152A - 空気乾燥種葉たばこの乾燥方法 - Google Patents

空気乾燥種葉たばこの乾燥方法 Download PDF

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Abstract

【課題】葉たばこが持つ香喫味を犠牲にすることなく、TSNAの生成を抑制することのできる空気乾燥種葉たばこの乾燥方法を提供する。
【解決手段】収穫した空気乾燥種葉たばこを、その黄変期または褐変期を経るまで自然乾燥させ(初期乾燥工程)、初期乾燥工程を経た空気乾燥種葉たばこを一定期間に亘って一定の温度・湿度条件下で乾燥させ(強制乾燥工程)、その後、強制乾燥工程を経た空気乾燥種葉たばこを再び自然乾燥させる(最終乾燥工程)ことで、葉たばこの褐変期以降における亜硝酸態窒素および/またはニトロソアミンの生成を抑制する。
【選択図】   図4

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、バーレー種等の空気乾燥種葉たばこを乾燥させるに際し、その香喫味を損なうことなく、しかも亜硝酸態窒素および/またはニトロソアミンの生成を抑制することのできる空気乾燥種葉たばこの乾燥方法に関する。
【0002】
【関連する背景技術】
在来種やバーレー種等の空気乾燥種葉たばこは、その収穫後、黄変期、褐変期、そして中骨乾燥期を経て乾燥される。ちなみに葉たばこの乾燥に必要な日数は、葉たばこの着葉位置により異なるが、一般的には中葉系の葉たばこの場合には20〜30日程度、また本葉系の葉たばこの場合には30〜40日程度である。
【0003】
ちなみに空気乾燥種葉たばこの葉色は、図1に示すように緑色から黄色に変化し、更には褐色に変化する。即ち、緑色の収穫葉は、その乾燥によって葉たばこに含まれるクロロフィルが分解し、葉中に存在していたカロチノイド系色素が現れて黄変する。この黄変は、葉たばこの植物細胞が生きている間の呼吸作用を伴いながら酵素の作用を受けて進行する。その後、葉たばこの乾燥が進むと、酵素の作用により上記カロチノイド系色素が分解し、新たに褐色色素が生成されて褐変する。尚、葉たばこが褐変した後にその乾燥が進まない場合には、残存する水分によって葉たばこはむれて黒褐色となり、更には黒変して腐敗する。
【0004】
ところで葉たばこの乾燥は、単に葉中の水分を脱水して葉を乾かすものではなく、脱水と並行して葉中に含まれる内容成分を変化させることで、葉たばこに特有な色と香喫味を持たせる処理からなる。これ故、葉たばこの乾燥は適当な温湿度条件下で穏やかに脱水させ、葉中の酵素作用により香喫味に悪い影響を与える成分を分解・消失させ、逆に良い香りや味に関与する成分を生成・増加させるように行われる。概念的には図2に示すようにたばこ葉の乾燥が進められ、先ず葉たばこの内容成分を変化させた後(キュアリング)、脱水して葉を乾固させる(ドライイング)。尚、実際的にはキュアリングの過程においてもドライイングが進むので、キュアリングとドライイングとを明確に区別することは難しい。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで最近、乾燥した葉たばこに含まれる有害物質である、たばこ特異的ニトロソアミン(TSNA;Tobacco Specific Nitrosamine)の含有量を低減することが種々試みられている。尚、TSNAは、代表的にはN’−ニトロソノルニコチン(NNN),N’−ニトロソアナタビン(NAT),N’−ニトロソアナバシン(NAB),および4−(N’−ニトロソメチルアミノ)−4−(3−ピリジル)−1−ブタノン(NNK)等からなる。
【0006】
このようなTSNAは、収穫直後の葉たばこ(緑色の生葉)には殆ど含まれることはない。しかしその後の乾燥期間や貯蔵期間において、葉たばこ中に存在する硝酸(硝酸態窒素)が葉たばこの葉面に存在する硝酸還元菌によって亜硝酸(亜硝酸態窒素)となり、この亜硝酸(亜硝酸態窒素)が葉たばこ中に存在するアルカロイドと反応することによってTSNAが生成されるものと考えられる。
【0007】
そこでこのようなTSNAの生成を抑制するべく、特表2001−503247号公報には、乾燥途中の葉たばこにマイクロ波を照射することが開示されている。しかしこの手法は、TSNAの生成が少ない黄変期の葉たばこをマイクロ波を用いて急激に脱水してその乾燥を終了させるので、前述したキュアリングを十分に行うことができず、葉たばこの香喫味を確保する上で問題がある。
【0008】
またWO 00/15056号公報には、乾燥前の葉たばこ(収穫したばかりの、相対的に多くの水分を含んだ生で緑のたばこ)、好ましくは黄色くなり始めた葉たばこをTSNAの生成を抑制し得る環境に、TSNAの生成を抑制し得る時間だけ晒せば、TSNAの生成を抑制し得る旨が開示される。尚、上記環境とは湿度、温度、温度の変化速度、空気の流量等を制御し得る環境であると定義されている。しかしこの手法においては、葉たばこの香喫味を確保する上で重要なキュアリング(熟成)が行われないので、葉たばことしての品質を確保する上で問題がある。
【0009】
尚、特開昭50−70599号公報には、黄変が完了した葉たばこを温度35〜40℃、湿度70〜90%の条件において褐変が8〜9割進むまで風火力を用いて乾燥させ、更に温度40〜45℃、湿度60〜80%の条件において葉肉を乾固させ、引き続き温度55〜60℃の条件にて葉脈を乾固させる乾燥方法が開示される。しかしながらこの乾燥方法は、葉たばこの酵素活性を十分に保ちながらその内容成分の分解を促進させると共に、その乾燥に要する時間を短縮することを目的とするものであり、TSNAの生成とその抑制については何等配慮していない。
【0010】
また第49回たばこ化学者研究会議(1995−9−24〜27)のシンポジウム議事録「IMPACT OF PLANT MANIPULATION and POST HARVEST PHENOMENA on LEAFE COMPOSITION Symposium Proceeding 49th Meeting Tobacco Chemists’ Research Conference (September 24−27,1995) Lexington, Kentucky, USA」における論文「空気乾燥がたばこの化学構成に与える影響」には、本葉中の細胞の無欠性が失われた後に、黒たばこに熱(70℃)を加えると、ラミナと中骨中の亜硝酸レベルとTSNAの蓄積が減らせること、また乾燥段階で葉たばこを急速乾燥すると、周囲温度での低速乾燥中に発生する微生物の働きが少なくなり、葉たばこの品質が低下することが開示される。
【0011】
また上記論文には、ポーランドでのスクロニオウスキーたばこの伝統的な乾燥方法は2段階の乾燥手順からなり、最初にたばこを自然乾燥し、ラミナが黄化または褐変したとき、中骨を乾燥する為にたばこを65℃で2日間加熱することが開示される。そしてこのようにして乾燥させた葉たばこによれば、亜硝酸塩とTSNAの双方の値が小さくなることが報告されている。またこの現象は、それ以上の細菌の成長を許さない急速加熱によって説明し得ることが開示される。しかしこの論文を参酌しても、葉たばこの香喫味(品質)を維持しながら、如何にしてTSNA含有量を少なくするかと言う点で問題が残る。
【0012】
本発明はこのような事情を考慮してなされたもので、その目的は、葉たばこの香喫味を十分に確保しながら、比較的簡単に亜硝酸の生成および/またはTSNAの生成を効果的に抑制することのできる空気乾燥種葉たばこの乾燥方法を提供することにある。
即ち、本発明は、葉たばこが持つ香喫味を維持し、その乾燥時に生成される亜硝酸および/またはTSNAを抑制することができ、TSNA含有量が少なく、しかも香喫味の豊かな高品質な葉たばこを容易に得ることのできる空気乾燥種葉たばこの乾燥方法を提供することを目的としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上述した目的を達成すべく本発明に係る空気乾燥種葉たばこの乾燥方法は、収穫した空気乾燥種葉たばこを空気乾燥するに際して、上記空気乾燥種葉たばこの乾燥工程における予め設定された一定期間を、温度および湿度を強制的に制御した環境条件下で乾燥する制御乾燥工程を含み、前記空気乾燥種葉たばこの褐変期以降における亜硝酸態窒素および/またはニトロソアミンの生成を抑制してなることを特徴としている。
【0014】
好ましくは前記制御乾燥工程の期間は、褐変期,中骨乾燥期の前期および中骨乾燥期の全期間から選択した1つまたは2つの期間として設定される。
即ち、本発明に係る葉たばこの乾燥方法は、収穫した空気乾燥種葉たばこに対する一般的な乾燥方法である自然乾燥を行うに際して、その乾燥期間中の一定期間を温度および湿度を強制的に制御可能な乾燥室に収容し、一定の温度・湿度条件下で制御乾燥するもので、この制御乾燥により褐変期以降に生成される亜硝酸および/またはTSNAを抑制してニトロソアミンの含有量の少ない乾燥葉たばこを得ることを特徴としている。
【0015】
尚、上記制御乾燥工程以外の空気乾燥は、パイプハウスや木造乾燥室において昼夜間の温度・湿度の日変化に応じた自然環境条件下で、所定の範囲内で乾燥管理して行われる(自然乾燥工程)。また前記制御乾燥は、加熱送風設備が設けられた乾燥室において、例えばその温度および湿度を一定に保ち、具体的には25〜35℃の範囲において設定された一定の温度、および65〜85%の範囲において設定された一定の湿度の環境下で行うことが望ましい。
【0016】
特に本発明に係る空気乾燥種葉たばこの乾燥方法は、収穫した空気乾燥種葉たばこを、その黄変期を経た褐変初期時まで自然乾燥させ(初期乾燥工程)、この初期乾燥工程を経て褐変し始めた空気乾燥種葉たばこを一定期間に亘って一定の温度・湿度条件下で乾燥させ(強制乾燥工程)、その後、この強制乾燥工程を経た空気乾燥種葉たばこを再び自然乾燥させる(最終乾燥工程)ことで、前記葉たばこの褐変期以降における亜硝酸態窒素および/またはニトロソアミンの生成を抑制することを特徴としている。
【0017】
即ち、収穫した空気乾燥種葉たばこをその褐変初期時まで自然乾燥させることでキュアリングし、その後、褐変し始めた空気乾燥種葉たばこを一定期間に亘って乾燥室に収容して一定の温度・湿度条件下で強制乾燥させることで亜硝酸態窒素および/またはニトロソアミンの生成を抑制しながらドライイングし、その後、再び上記空気乾燥種葉たばこを自然乾燥させることでその内容成分の安定化を図り、これによって葉たばこの香喫味を犠牲にすることなく、亜硝酸態窒素および/またはニトロソアミンの含有量の少ない乾燥葉たばこを得ることを特徴としている。尚、葉たばこの強制乾燥は、少なくとも葉たばこの表面全域が褐色となるまで行うことが望ましい。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら本発明に係る空気乾燥種葉たばこの乾燥方法について説明する。
葉たばこの乾燥の基本となる自然乾燥(空気乾燥)は、基本的には図3に示すように昼間・夜間の日変化に対応させてその温度・湿度条件を変化させる管理を行いながら、徐々に乾燥を進めることにより行われる。この自然乾燥は、例えばビニール等で覆われたパイプハウスに葉たばこを吊すことで雨水の侵入を防ぐと共に遮光幕を用いて日射量を調整し、更にはパイプハウスの妻窓・裾部・肩部の開け閉めにより、その温度と湿度、また空気の流入を調整しながら行われる。
【0019】
具体的には上記葉たばこの自然乾燥における管理は、例えば日中の高温時には温度が30℃、湿度が70〜75%程度となるように、また夜間の低温時には温度が20℃、湿度が90〜95%程度となるように、パイプハウス内の温湿度を調整して行われる。このような日々の自然環境に即した乾燥条件下における葉たばこの自然乾燥によって葉たばこの吸放湿が繰り返され、葉たばこの乾燥が徐々に進行して香喫味や色択が形成される。
【0020】
本発明はこのような葉たばこの自然乾燥を、先ずその収穫時から黄変期または褐変期まで、標準的には乾燥開始から3〜5日(黄変終了)または6〜10日(褐変終了)まで実施する。その後,黄変終了または褐変終了した葉たばこを温湿度の制御が可能な乾燥室に移し替え、一定期間に亘ってその温湿度を一定に制御した条件下で制御乾燥(強制乾燥)する。この制御乾燥は、例えば温度条件を25〜35℃の範囲、好ましくは30℃に設定し、また湿度範囲を65〜85%の範囲、好ましくは70〜80%に設定して実行される。この制御乾燥は3〜20日程度、好ましくは3〜10日間程度に亘って行われる。
【0021】
ちなみにこの制御乾燥で使用する乾燥室については、例えば特開平8−154647号公報や特開平6−327451号公報にそれぞれ記載の乾燥装置のように、温度・湿度および送風量を制御できる加熱送風設備を備えたものであることが望ましい。しかし温度および湿度を一定の環境下に制御できるものであれば、必ずしも上述した乾燥室を用いる必要はない。
【0022】
その後,乾燥が進行した葉たばこを、例えば再度前述したパイプハウスに移し替え、中骨が乾固するまで自然乾燥させてその乾燥処理を終了する。尚、褐変が終了した葉たばこを、その中骨が乾固するまで上述した制御乾燥だけにより乾燥処理することも可能である。具体的には図4に示すように、下記(a)〜(e)にそれぞれ示すような乾燥工程を経て葉たばこを乾燥するようにすれば良い。
(a)  黄変期までを自然乾燥し、その後、褐変期については制御乾燥した後、中骨乾燥期においては再び自然乾燥する。
(b)  黄変期までを自然乾燥し、その後、褐変期と中骨乾燥期の前期に亘って制御乾燥した後、中骨乾燥期の後期においては再び自然乾燥する。
(c)  黄変期までを自然乾燥し、その後、褐変期と中骨乾燥期に亘って制御乾燥する。
(d)  黄変期と褐変期に亘って自然乾燥し、その後、中骨乾燥期の前期において制御乾燥した後、中骨乾燥期の後期においては再び自然乾燥する。
(e)  黄変期と褐変期に亘って自然乾燥し、その後、中骨乾燥期において制御乾燥する。
【0023】
制御乾燥の温度・湿度条件については前述した図3に示す範囲の昼間の温度・湿度条件に類似する範囲で、例えば日中の高温・低湿、夜間の低温・高湿の繰り返しによる自然乾燥に代えて、上記日中の高温・低湿条件に維持する等して行われる。
尚、本発明は上述した乾燥形態に限定されるものではない。例えば低湿条件において葉たばこの乾燥を制御する時期およびその期間については、葉たばこの種類や収穫時期・乾燥経過等を勘案して定めれば良いものである。またここで葉たばこをパイプハウス内に収容して乾燥するものとして説明したが、その他の構造物からなる乾燥室に収容して乾燥しても良いことは言うまでもない。このような乾燥工程を経て葉たばこを乾燥することで、葉たばこの香喫味を損なうことなく、しかもTSNAの生成を抑制してその含有量の低減が図られる。
【0024】
以下の実施例により本発明に係る乾燥方法を詳細に説明する。空気乾燥種葉たばこ乾燥に要する日数は、葉たばこの着位(着葉位置)、葉の素質、天候等の条件によって変化する。しかしここでは一般的な日数として、葉全体が収穫直後の緑色から黄色になるまで(黄変終了)の黄変期が5日間、黄変した葉が褐色になるまで(褐変終了)の褐変期が5日間、その後、葉の中骨が乾固するまでの中骨乾燥期が20日間であり、その乾燥に要する期間が計30日であると看做した。
そして各乾燥時期での温度および湿度条件をそれぞれ異ならせて乾燥を行い、その温湿度がTSNAの生成に与える影響を調査した。尚、上記期間は一応の目安であり、実際に葉たばこの乾燥に要する日数は、前述したようにその経過によって変化する。
【0025】
〈実験例1〉
先ず乾燥条件の主要因である温度および湿度のTSNA生成に対する影響を明らかにするため、空気乾燥種葉たばことして代表的なバーレー種である“バーレー21”の中葉を用い、温度・湿度条件を異ならせた条件で乾燥を行った。
先ずパイプハウス内において5日間、即ち黄変終了まで自然乾燥を行い、その後、温湿度条件を異ならせた6台の乾燥室に移し替えてそれぞれ乾燥終了までの25日間に亘って乾燥を行った。上記の温湿度条件は、夜間と日中の温度を想定して22℃および30℃の2水準,湿度についてはパイプハウス内の状況を想定して70%,80%,90%の3水準とし、これらを組み合わせた6水準の温湿度条件に制御した乾燥室により乾燥を行った。その後、各温湿度条件により乾燥させた葉たばこのラミナ(葉身)を凍結乾燥し、ラミナ中に含まれるTSNAの量を測定した。また比較例として、パイプハウス内において全期間に亘って空気乾燥した葉たばこのラミナ中に含まれるTSNA量を測定した。
【0026】
尚、TSNAの測定は以下の方法で行った。
TSNAの4成分(NNN,NAT,NABおよびNNK)は、文献「Spiegelhalder B., Kubacki S. and Fischer S. (1989) Beitr. Tabakforsch. Int., 14 (3), 135−143」,「 Fischer S. and Spiegelhalder B. (1989) Beitr. Tabakforsch. Int., 14 (3), 145−153」に紹介される「スピーゲルハルダーの方法」に準じたガスクロマトグラフィによって定量した。即ち、葉たばこを粉砕した各粉末試料をそれぞれ2.5gずつ100mL容三角フラスコに秤取り、抽出液(Thimerosal 100μg/1mL含有の0.01M NaOH溶液)を50mLを添加し、室温で2時間振とうした。得られた粗抽出液をろ紙(ADVANTEC No.5C)を用いて濾過し、各ろ液10mLをキーゼルグール(粒径60〜160mm,MERCK社製)およびアスコルビン酸を充填したカラムに添加した。更に蒸留水10mL添加した後、ジクロロメタンを用いて必要な画分を転容して分取し、これをTSNA定量用試料とした。得られた試料中のTSNA各成分をカラムDB−17(J&W社製),検出器TEA−543(Thermedics社製)を装備したガスクロマトグラフィHP5890(Hewlett Packerd社製)を用いて分析した。
【0027】
尚、自然乾燥に使用したパイプハウスの大きさは床面積40.5m(間口4.5m×長さ9.0m),高さ3.2mで黒寒冷紗を用いて日射量の調整を行った。
温湿度を制御する乾燥室は木原製作所製で、内形寸法が床面積0.75m(間口0.90m×奥行0.84m),高さ1.80mであり,ダンパーの閉開,電気ヒーターおよび超音波加湿器により温湿度を制御し、風量は20cm/secとした。装置内部の側面にはスチールハンガーを保持できるようスチール製の吊り枠を設けた。
【0028】
図5は、上述した測定法により求められた各試料(葉たばこ)に含まれるTSNA含量の測定結果を示している。この図5の測定結果に示されるように、乾燥室を用いて乾燥時の温湿度条件を一定に制御した場合、22℃および30℃のいずれの温度条件であっても、湿度を70%または80%と低湿条件で乾燥した方がパイプハウス内において葉たばこを自然乾燥した場合よりもTSNAの生成を抑制することが確認できた。また90%と高湿条件で乾燥した場合には、パイプハウス内において葉たばこを自然乾燥した場合よりもTSNAの生成量が増加することが確認できた。この結果、乾燥条件の主要因である温度および湿度がTSNAの生成に及ぼす影響は、温度よりもむしろ湿度の影響が大きいことが明らかとなった。
【0029】
〈実験例2〉
次に上記の解析結果を踏まえて、低湿条件での乾燥がTSNA生成に与える影響を調査するため、TSNAが主に生成されると考えられる褐変期以降の一定期間だけ温度を30℃,湿度を70%に設定した乾燥室に葉たばこをそれぞれ収容して制御乾燥を行った。具体的にはTSNAは収穫直後の葉たばこ(緑色の生葉)には殆ど存在せず、主に褐変期以降に生成されることから、葉たばこを上述した低湿条件(70%)において乾燥させる期間を、褐変期,中骨乾燥期の前期,および中骨乾燥期の全期間として乾燥を行った。尚、上述した温度30℃,湿度70%に制御した乾燥室を用いた乾燥期間以外は、パイプハウスにおいて自然乾燥するものとした。
【0030】
乾燥実験にはバーレー種である“きたかみ1号”の中葉を供試した。各乾燥区分毎に乾燥終了した葉たばこのラミナ(葉身)を凍結乾燥し,ラミナ中のTSNAの含量を測定した。尚、この実験も前述した乾燥施設を用いて葉たばこを乾燥処理し、また前述した測定法によりTSNA量を測定した。図6は、その測定結果を示している。
【0031】
この図6に示される結果から明らかなように、低湿条件下(70%)で乾燥を行った時期によって、その葉たばこに含まれるTSNAの量に差異がみられた。
しかし褐変期,中骨乾燥期の前期だけ,或いは中骨乾燥期の全期間に亘って低湿条件で乾燥を行った場合、いずれもパイプハウスで単に自然乾燥したものよりもTSNA含量は低かった。以上のことから褐変期以降の所定期間において葉たばこを70%の低湿条件下において乾燥させれば、パイプハウス内において空気乾燥させるよりもTSNAの生成を抑制し得ることが確認できた。
【0032】
〈実験例3〉
一方、TSNAが主に生成されると考えられる黄変期以降の一定期間だけ湿度を70%とした低湿条件,および湿度を93%とした高湿条件の乾燥室に葉たばこをそれぞれ収容し、どのような乾燥条件(湿度条件とその時期)がTSNAの生成に大きく寄与するかを調べた。尚、葉たばこを上述した低湿条件(70%)、または高湿条件(93%)において乾燥させる期間については、実験例2と同様に褐変期、中骨乾燥期の前期、および中骨乾燥期の全期間とした。また上述した一定の温度・湿度で制御した乾燥室を用いた乾燥期間以外は、パイプハウスにおいて自然乾燥するものとした。
【0033】
この乾燥実験においては、バーレー種である“きたかみ1号”の本葉を供試した。またここでは乾燥期間中における葉たばこ中のTSNA含量の推移を調査するべく、各乾燥条件下で乾燥を実施しながら、その乾燥途中にある葉たばこを随時採取し、その葉たばこのラミナおよび中骨にそれぞれ含まれるTSNAの量を測定した。また同時にTSNAの生成の原因となる前駆体である亜硝酸含量についても調査した。
【0034】
尚、亜硝酸態窒素含量の定量については、以下の方法で行った。
即ち、各粉末試料をそれぞれ0.5gずつ50mL容遠沈管に秤取り、抽出液(1%塩化カリウム,0.5%スルファニルアミド,0.1%トリトンX−100)25mLを添加して室温で30分間振とうした。得られた抽出液をろ紙(ADVANTECNo.1)を用いて濾過した後、各濾液10mLを50mL容遠沈管に採取し、活性炭0.5gを添加して室温で15分間振とうした。
【0035】
その後、ろ紙(ADVANTEC No.5C)を用いて濾過し、活性炭を除去して得られた濾液を亜硝酸態窒素定量用試料とした。得られた抽出液中の亜硝酸態窒素含量はオートアナライザーAACS−II(BRAN+LUEBBE社製)を用いて550nmのフィルター透過率から換算した。尚,亜硝酸態窒素の発色には1%のスルファニルアミドと0.1%のN−ナフチルエチレンジアミン二塩酸塩を使用した。図7〜10は、これらの測定結果をそれぞれ示している。
【0036】
図7(a)〜(c)に示すようにラミナでのTSNA含量は、低湿乾燥条件(70%)および高湿乾燥条件(93%)下における制御乾燥を行った時期によって、その葉たばこに含まれるTSNAの含量に差異がみられる。しかし各区ともその含量は[低湿乾燥<パイプハウス乾燥(自然乾燥)<高湿乾燥]の順となっていた。
【0037】
ここで図7(a)に示すTSNA含量の推移に着目すると、褐変期に低湿乾燥をした直後のTSNA含量は、低湿乾燥することなく自然乾燥した葉たばこに比較して低い。また低湿乾燥した葉たばこを自然乾燥する過程においても、最初から自然乾燥を行っている葉たばこに比較してTSNAの生成が抑制されていることが認められる。
【0038】
また図7(b)に示すTSNA含量の推移に着目しても、中骨乾燥期前期に低湿乾燥をした場合、低湿乾燥直後およびその後の自然乾燥過程のTSNAの生成は最初から自然乾燥を行っている葉たばこに比較し抑制されていることが認められる。これらの結果から、褐変期および中骨乾燥期前期の低湿乾燥(制御乾燥)により、その後の自然乾燥期間においてもTSNAの生成が抑制されることが明らかとなった。
【0039】
また図8(a)〜(c)に示すようにTSNAの前駆体である亜硝酸の含量の推移についてもTSNA含量の推移と同様の傾向を示すことが明らかとなった。以上の結果から、自然乾燥により黄変した、または褐変した葉たばこを、その後の褐変期または中骨乾燥期の一定期間に亘って低湿乾燥(制御乾燥)することにより、TSNAおよびその前駆体である亜硝酸の生成を効果的に抑制し、その含量を低減することが確認できた。
【0040】
また図9(a)〜(c)に示すように中骨のTSNA含量は、図7(a)〜(c)に示したラミナにおけるTSNA含量と同様に[低湿乾燥<パイプハウス乾燥(自然乾燥)<高湿乾燥]の順となっていた。そして図9(a)に示すTSNA含量の推移に着目すると、褐変期に低湿乾燥(制御乾燥)した場合,最初から自然乾燥を行っている葉たばこと比較して、その後の自然乾燥過程においてTSNAの生成が抑制されていることが認められた。また図9(b)に示す実験結果からは、中骨乾燥期前期に低湿乾燥をした場合、低湿乾燥直後およびその後の自然乾燥過程におけるTSNAの生成は、最初から自然乾燥を行っている葉たばこに比較し抑制されていることが認められた。
【0041】
更に図10(a)〜(c)に示すように中骨での亜硝酸含量の推移は、TSNA含量の推移と同様の傾向を示していることが明らかとなった。
以上の実験結果により、中骨においてのTSNA含量および亜硝酸含量ともラミナでの含量と同じ傾向を示していることが確認できた。このことから中骨においてもラミナと同様に自然乾燥により黄変した、或いは褐変した葉たばこをその後の褐変期または中骨乾燥期の一定期間のみを低湿条件下で乾燥することにより、TSNAおよびその前駆体である亜硝酸の生成を効果的に抑制し、その含量を低減できることが裏付けられた。
【0042】
しかしながらラミナと比較してTSNAおよび亜硝酸含量が多いことが認められる。このことは、中骨には硝酸が集積するといわれていることから、葉たばこの葉面に存在する硝酸還元菌の作用により亜硝酸に変化する量がラミナでの量より多く、これが中骨中のアルカロイドと反応してTSNAの生成が多いものと推測される。
【0043】
かくして上述した実験結果を踏まえれば、空気乾燥種葉たばこを黄変まで、或いは褐変まで自然乾燥し、その後の一定期間、即ち、TSNAが生成されると考えられている時期に上記空気乾燥種葉たばこを低湿条件下において制御乾燥する本発明に係る乾燥方法によれば、亜硝酸の生成およびTSNAの生成を効果的に抑制することができる。しかも上記低湿条件は、自然乾燥における温度・湿度の範囲での乾燥条件であるから、葉たばこの品質に悪影響を及ぼすことなく、その乾燥を行い得ると言える。また葉たばこのキュアリング時期である黄変期または黄変期から褐変期の時期については自然乾燥を行い、しかも一定期間の制御乾燥以外は自然乾燥を行うので、葉たばこが持つ香喫味や色択を十分に引き出すことができる。
【0044】
ここで上述した乾燥条件を異ならせてそれぞれ乾燥処理した葉たばこの香喫味(味・香り等)について官能検査を実施したところ次のような結果が得られた。
【0045】
【表1】
Figure 2004073152
【0046】
この表1に示す官能検査の結果に示されるように本発明によれば、葉たばこが黄変または褐変するまでの期間、上記葉たばこを自然乾燥させているのでそのキュアリングを充分に進行させることできる。そしてその後の低湿条件下での温度・湿度の制御においても、自然乾燥に適した温湿度条件の範囲内での一定期間の乾燥であることから、全期間自然乾燥を行った葉たばこと同等の香喫味を引き出し得ることが確認できた。その上、本発明の主目的であるTSNAの生成を抑制することも確認できた。
【0047】
従って本発明によれば、前述したように葉たばこを空気乾燥するに際し、その一定期間に亘って制御された低湿度条件下で強制乾燥を行うので、葉たばこの本来有する香喫味を維持しながら、TSNAの生成を効果的に抑制することができる。しかも黄変または褐変した葉たばこを、その後の一定期間に亘って低湿乾燥(制御乾燥)するだけと言う簡単な手法により、TSNAの生成を効果的に抑制することができるのでその実用的利点が多大である。
【0048】
尚、実際的には、葉たばこが持つ香喫味を十分に引き出しながら、TSNAの生成を抑制するには、褐変期から中骨乾燥の前期に亘る所定の期間だけを制御乾燥し、その後、再び自然乾燥に戻すことが好ましい。即ち、葉たばこの自然乾燥を、先ずその収穫時から黄変期を経て褐変が始まる褐変初期時まで、或いは褐変が終了するまでの期間に亘って、標準的には3〜10日間に亘って実施する(初期乾燥プロセス)。その後、褐変し始めた、或いは褐変した葉たばこを乾燥室に移し替え、TSNAが生成すると見込まれる一定期間に亘って、例えば70%の低湿度環境下で強制的に乾燥させる(強制乾燥プロセス)。この強制乾燥は、略3〜10日間程度に亘って行われる。しかる後、上記強制乾燥工程を経た葉たばこをパイプハウスに移し替え、その中骨が乾燥するまで自然乾燥させて(最終乾燥プロセス)、その乾燥処理を終了する。そして上述した3段階の乾燥プロセスを経て葉たばこを乾燥させるれば、葉たばこの香喫味を損なうことなく、しかもTSNAやその前駆体である亜硝酸態窒素の生成を抑えてその含有量の低減を図ることが可能となる。
【0049】
即ち、本発明の好ましい実施態様によれば、自然乾燥によって褐変し始めた、或いは褐変した葉たばこを低湿度乾燥(強制乾燥)するだけであり、それまでの期間においては自然乾燥させているので、葉たばこの黄変や褐変を緩やかに進行させることができる。換言すれば収穫した葉たばこが黄変し、または褐変するまで自然乾燥させることでキュァリングを徐々に進行させ、これによって葉たばこが持つ香喫味と色沢とを引き出すことができる。その後、黄変した、或いは褐変した葉たばこを乾燥室に移し替えて低湿度乾燥(制御乾燥)させるので、亜硝酸態窒素の生成、更にはTSNAの生成を効果的に抑えながら葉たばこをドライイングすることができる。
【0050】
特に葉たばこは農産物であり、その収穫から乾燥までの処理作業が、専ら、農家にて実施される。従って上述した如く葉たばこを、その黄変期または褐変期以降の一定期間だけ低湿度乾燥する場合には、例えばパイプハウス自体を締め切り、一定期間に亘って強制的に低湿度環境に設定する等して実施することができるので、農家にとってさほど大きな負担となることがない。特に特表2001−503247号公報に開示されているようにマイクロ波を照射するような手法と異なり、葉たばこ生産農家において容易に実施することができるので、その実用的利点が多大である。
【0051】
尚、本発明は上述した実施形態に限定されるものではない。例えば低湿度環境において葉たばこを強制乾燥する時期やその期間については、葉たばこの種類やその収穫時期等に応じて定めれば良いものである。また経験的には温度条件を25〜35℃の範囲に設定し、湿度を65〜85%の範囲に設定して低湿度乾燥を行えば、TSNAの生成を十分に低く抑え得ると考えられる。好ましくは湿度を70〜80%に設定すれば、黄変時のキュアリングによって生成した香喫味に悪影響を及ぼすことのない低湿度乾燥を行い得ると考えられる。
【0052】
またここでは葉たばこをパイプハウス内に収容して乾燥するものとして説明したが、その他の構造物からなる乾燥室に収容して乾燥しても良いことは言うまでもない。その他、本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
【0053】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、葉たばこを黄変または褐変するまで空気乾燥することによりキュアリングを充分に進行させ、その後の低湿条件下での強制乾燥については、空気乾燥に適した温湿度条件の範囲内においてその温度・湿度を制御するだけなので、全期間に亘って空気乾燥を行った葉たばこに比較して同等の香喫味を引き出しながら、TSNAの生成を抑制することができる。しかも黄変または褐変した葉たばこのその後の一定期間を低湿乾燥するだけの簡単な手法でTSNAを効果的に抑制することができるので、その実用的利点が多大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】空気乾燥種葉たばこの乾燥過程を示す図。
【図2】空気乾燥種葉たばこの乾燥によるキュアリングとドライイングの概念を示す図。
【図3】葉たばこの自然乾燥条件を示す図。
【図4】本発明の一実施形態に係る空気乾燥種葉たばこの乾燥プロセスを示す図。
【図5】温湿度条件の異なる環境下で乾燥処理された葉たばこにそれぞれ含まれるTSNA含量を対比して示す図。
【図6】乾燥期間を異ならせて低湿度乾燥した葉たばこにそれぞれ含まれるTSNA含量を対比して示す図。
【図7】乾燥条件と乾燥期間を異ならせて葉たばこを乾燥させたときのラミナにおけるTSNA含量の推移を対比して示す図。
【図8】乾燥条件と乾燥期間を異ならせて葉たばこを乾燥させたときのラミナにおける亜硝酸態窒素含量の推移を対比して示す図。
【図9】乾燥条件と乾燥期間を異ならせて葉たばこを乾燥させたときの中骨におけるTSNA含量の推移を対比して示す図。
【図10】乾燥条件と乾燥期間を異ならせて葉たばこを乾燥させたときの中骨における亜硝酸態窒素含量の推移を対比して示す図。

Claims (6)

  1. 収穫した空気乾燥種葉たばこを空気乾燥するに際し、
    上記空気乾燥種葉たばこの乾燥工程における予め設定された一定期間を、温度および湿度を強制的に制御した環境条件下で乾燥する制御乾燥工程を含み、
    前記空気乾燥種葉たばこの褐変期以降における亜硝酸態窒素および/またはニトロソアミンの生成を抑制してなることを特徴とする空気乾燥種葉たばこの乾燥方法。
  2. 前記制御乾燥工程の期間は、褐変期,中骨乾燥期の前期および中骨乾燥期の全期間の中から選択した1つまたは2つの期間からなる請求項1に記載の空気乾燥種葉たばこの乾燥方法。
  3. 前記制御乾燥工程以外の期間は、自然条件下で温度および湿度を管理して前記空気乾燥種葉たばこを自然乾燥する自然乾燥工程からなる請求項1または2に記載の空気乾燥種葉たばこの乾燥方法。
  4. 前記制御乾燥工程は、25〜35℃の範囲において設定された温度の下で、且つ65〜85%の範囲において設定された湿度の下で行われるものである請求項1〜3に記載の空気乾燥種葉たばこの乾燥方法。
  5. 収穫した空気乾燥種葉たばこを、その褐変初期時まで自然乾燥させる初期乾燥工程と、
    この初期乾燥工程を経て褐変し始めた空気乾燥種葉たばこを一定期間に亘って一定の温度・湿度条件下で乾燥させる強制乾燥工程と、
    この強制乾燥工程を経た空気乾燥種葉たばこを再び自然乾燥させる最終乾燥工程とからなり、
    前記空気乾燥種葉たばこの褐変期以降における亜硝酸態窒素および/またはニトロソアミンの生成を抑制してなることを特徴とする空気乾燥種葉たばこの乾燥方法。
  6. 前記空気乾燥種葉たばこの強制乾燥は、少なくとも空気乾燥種葉たばこの全面が褐色となるまで行われるものである請求項5に記載の空気乾燥種葉たばこの乾燥方法。
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