JPH09224630A - バーレー種葉たばこの乾燥方法 - Google Patents

バーレー種葉たばこの乾燥方法

Info

Publication number
JPH09224630A
JPH09224630A JP4176296A JP4176296A JPH09224630A JP H09224630 A JPH09224630 A JP H09224630A JP 4176296 A JP4176296 A JP 4176296A JP 4176296 A JP4176296 A JP 4176296A JP H09224630 A JPH09224630 A JP H09224630A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
drying
humidity
temperature
leaf tobacco
solanone
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP4176296A
Other languages
English (en)
Inventor
Bunkichi Iida
文吉 飯田
Hiroaki Komatsu
宏昭 小松
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Japan Tobacco Inc
Original Assignee
Japan Tobacco Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Japan Tobacco Inc filed Critical Japan Tobacco Inc
Priority to JP4176296A priority Critical patent/JPH09224630A/ja
Publication of JPH09224630A publication Critical patent/JPH09224630A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Manufacture Of Tobacco Products (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 風火力を利用した乾燥装置を用いたバーレー
種葉たばこの乾燥処理において、自然乾燥の場合と同等
の香喫味を持つ乾燥葉たばこを得る。 【解決手段】 乾燥装置内にバーレー種葉たばこを収容
し、湿度条件を高湿度時が相対湿度90%以上、低湿度
時が相対湿度70〜80%の範囲とし、高湿度時と低湿
度時とを交互に2〜3時間間隔で繰り返す。好ましく
は、高湿度時の温度範囲は20〜30℃、低湿度時の温
度範囲を30〜40℃に設定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、乾燥装置を利用し
たバーレー種葉たばこの乾燥方法に関する。
【0002】
【従来の技術】葉たばこの乾燥は、風火力を利用して4
〜5日で乾燥する装置乾燥とパイプハウス等を利用した
自然乾燥とに大別できる。すでに黄色種葉たばこについ
ては、装置乾燥である循環バルク乾燥の技術体系が定着
してており、葉たばこ乾燥の省力化が図られている。し
かし、在来・バーレー種葉たばこについては、黄色種葉
たばこと同様な条件下で装置乾燥を行うと香喫味の低下
を伴うことから、現在でも自然乾燥による処理が主流で
あり、自然乾燥法は処理時間が長くなりかつ気象の影響
を受け易いことから、在来・バーレー種葉たばこに適し
た装置乾燥技術の確立が求められている。
【0003】現在、葉たばこの乾燥期間の短縮、乾燥の
安定化、生産コストの低減及び乾燥管理作業の軽減の必
要性から、黄色種のような風火力を利用した装置乾燥法
を在来・バーレー種葉たばこに適用する研究開発が行わ
れており、品質に影響の少ない黄変期及び中骨乾燥期に
装置乾燥を利用する乾燥方法が行われるようになってき
ているが、褐変期に風火力を利用した装置乾燥を適用す
ることは一般には行われていない。
【0004】これまで、在来・バーレー種葉たばこの装
置乾燥方法として、間欠脱水乾燥法が有効であることが
報告されている(相田四郎他「第5種在来種の間欠脱水
乾燥法」、葉たばこ研究第103号、1987年、及
び、谷田部一他「バーレー種の間欠乾燥法」、葉たばこ
研究第109号、1989年)。これらによれば、乾燥
装置としては黄色種乾燥用循環バルク乾燥機と同等のも
のを用い、収容した葉たばこに対して、一定温湿度(在
来種である白遠州の場合は、設定温度35℃、相対湿度
50〜60%、バーレー種であるみちのく1号の場合
は、設定温度35℃、相対湿度70%の設定)の熱風を
循環ファンにより送気する運転時間(放湿処理)と、循
環ファンを休止して成り行きの状態で経過させる休止時
間(吸湿処理)とを繰り返す乾燥処理を行った結果、 香喫味の低下を伴わない乾燥葉たばこが得られたこ
と、 運転時間と休止時間の割合は50%−50%の繰り返
しがよいこと、 処理間隔は、運転2時間−休止2時間あるいは運転3
時間−休止3時間の条件が最もよく、サイクル時間が長
くなると乾燥葉たばこはくすみ、ムレ傾向となること、 間欠脱水乾燥法により、乾燥処理日数は自然乾燥と比
較して2〜3日短縮されたこと、 実験において、運転時の温度は設定値どおり35℃で
経過し、休止時には30℃前後に低下していたこと、運
転時の湿度は設定値どおり50〜60%であるが、休止
時の湿度は約90%まで上昇したこと、を報告してい
る。
【0005】また、このような間欠乾燥に適した乾燥装
置も提案されている(特開平2−200172号公報、
特開平6−327451号公報)。特開平2−2001
72号公報では、2つの葉たばこ収容室を設け、温湿度
制御された熱風を送り込む1つの加熱送風装置を設け、
いずれかの収容室に熱風を送り込む切り替えダンパーを
設けたものにおいて、通常温度35℃、相対湿度50〜
80%の加熱空気が送風できるように温湿度を制御し、
切り替えダンパーの作用により2〜3時間間隔で加熱空
気を2つの収容室に交互に送風して間欠乾燥を行うよう
にしている。
【0006】特開平6−327451号公報では、パイ
プハウスを用い、被覆材としてシートを使用して、加熱
送風機による簡易な間欠乾燥用の装置を提供するもので
あり、運転時における温度と湿度の条件を、褐変期まで
は温度30〜40℃、湿度75〜90%、褐変期以降は
温度35〜60℃、湿度30〜60%に設定し、該条件
下での運転と休止によるパイプハウス内での間欠乾燥に
おいて、パイプハウスを利用した乾燥での欠点である2
段に吊り込んだ葉たばこの上下の温度差を解消するため
に、バイプハウスの上部の高温空気の排出のための換気
扇と遮光シートにより、休止時の乾燥温度を外気温に近
づけるようにすることが提案されている。
【0007】一方、バーレー種葉たばこを風火力を利用
して装置乾燥する場合での化学成分変化と香喫味との関
連についても報告がされている(飯田文吉他「バーレー
種の乾燥中の化学成分変化」、葉たばこ研究第128
号、1995年)。そこでは、バーレー種葉たばこの乾
燥において、黄褐変期では、温度35℃、相対湿度83
%に維持し、中骨乾燥期では温度45℃、相対湿度50
%に設定して、段階別の恒温恒湿乾燥を行い、乾燥中の
香味関連物質の推移を自然乾燥による場合と比較して追
跡している。それによれば、 香味関連成分の基質から生成する香味関連物質のう
ち、DVT(デュバトリエンジオール)由来物質である
ソラノンとノルソラナジオンの含量は、他の香味関連物
質と比較して、自然乾燥と装置乾燥とで生成に著しい差
が生じること、 DVTはそれ自体には香気はないが、その分解生成物
が香喫味を付与するといわれており、DVT分解物のな
かで、量的に最も多く生成するのがソラノンで、次い
で、ノルソラナジオンが多いこと、 ソラノンとノルソラナジオンは共に、自然乾燥では乾
燥経過を追って増加するのに対して、装置乾燥では、黄
変期、褐変期、中骨乾燥期のどのステージにおいても増
加がみられず、自然乾燥の場合と装置乾燥の場合と比較
すると、乾燥終了時では約4倍近い差が見られたこと
(図1はその結果を示している。なお、風速10cm/
sで行い、また、自然乾燥では黄変期をパイプハウス、
褐変期以降は木造乾燥室に移して乾燥を行っている)。
【0008】ソラノン含量と香喫味との間には密接な
関係があり、香り、味との正の相関がみられ、くせ(い
やみ、くさみ等)を抑制する効果もみられており、ソラ
ノン含量を高めることは喫味的に重要であると考えられ
ること、 が知見され、バーレー種葉たばこの乾燥条件とソラノン
とノルソラナジオンの含量についてさらに検討し、風火
力を利用した装置乾燥技術の確立をすべきことを提言し
ている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、これま
で、バーレー種葉たばこの風火力を利用した装置乾燥に
関して、運転時間と休止時間を2〜3時間間隔で繰り返
す間欠脱水乾燥が有効であること、また、香喫味は香喫
関連物質の中でも特に、DVT由来物質であるソラノン
とノルソラナジオンの含量に影響されることが明らかに
されているが、間欠脱水乾燥法による具体的な温湿度条
件とソラノンとノルソラナジオンの生成量との関係につ
いては、十分な研究開発が行われてなく、未知の部分で
あった。
【0010】本発明の目的は、バーレー種葉たばこの間
欠脱水乾燥法における温湿度条件とソラノンとノルソラ
ナジオンの含量との関係を実験的に追求し、それによ
り、葉たばこの風火力を利用した装置乾燥での温湿度に
関する運転条件を見出し、その条件下でバーレー種葉た
ばこの装置乾燥を行う乾燥方法を提供することにある。
【0011】特に、葉たばこ乾燥における乾燥ステージ
において香喫味の発現の影響が大であるといわれている
褐変期の最適な温湿度条件を見出すことにより、ソラノ
ンとノルソラナジオンの含量の多い乾燥したバーレー種
葉たばこを得ることのできる風火力を利用した装置乾燥
でのバーレー種葉たばこの乾燥法を提供することにあ
る。本発明による風火力を利用した装置乾燥での葉たば
こ乾燥方法によって、バーレー種葉たばこを乾燥処理す
ることにより、自然乾燥による葉たばこと同等の香喫味
を持つ乾燥葉たばこが得られる。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の目
的達成のためにバーレー種葉たばこの装置乾燥について
さらに継続的に研究開発を行うことにより以下のような
新たな知見を得た。
【0013】バーレー種葉たばこの装置乾燥におい
て、温度条件よりは湿度条件の方がソラノン及びノルソ
ラナジオンの生成に重要であり、吸放湿を繰り返すこと
により、ソラノン及びノルソラナジオンが生成されるこ
と、 運転時の温度条件は、40℃以上になると香喫味が低
下する傾向にあり、休止時の温度は、30℃以下にする
ことがよいこと、 湿度は、運転時(放湿時)では相対湿度で70〜80
%程度と休止時(吸湿時)では相対湿度で90%以上の
交互の繰り返しがよいこと。なお、湿度が運転時に70
%以下では、葉先が急乾傾向となることから好ましくな
い。 湿度を変化させることとともに温度を変化させること
によりソラノン及びノルソラナジオンの生成はよくされ
ること。
【0014】本発明は新たに得られた上記の知見に基づ
くものであり、基本的に、葉たばこの乾燥を行うに際
し、乾燥過程の褐変期で湿度を高湿度と低湿度とに交互
に調節して乾燥させることを特徴とするバーレー種葉た
ばこの乾燥方法である。好ましくは、温湿度条件は、運
転時(放湿処理時)の温度:30〜40℃、湿度:70
〜80%、休止時(吸湿処理時)の温度:20〜30
℃、湿度:90%以上の条件下で、かつ、該高湿度時と
低湿度時とを交互に2〜3時間の間隔で繰り返すように
される。
【0015】なお、本発明による葉たばこ乾燥方法を実
施するための乾燥装置としては、従来の黄色種葉たばこ
用の循環バルク乾燥機をそのまま用いることも可能であ
り、前記した特開平2−200172号公報、特開平6
−327451号公報に記載されるような構造の間欠乾
燥装置を用いてもよい。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施例に基づき詳
細に説明する。 (実施例1)バーレー種葉たばこのみちのく1号を供試
品種として用い、葉たばこ乾燥時における、温度、湿
度、光の有無等がソラノン及びノルソラナジオン生成に
与える影響について基礎的検討を行った。実験は、従来
知られた恒温恒湿機を用い、次の条件下で行い、ソラノ
ン及びノルソラナジオン含量を測定した。同時に、同じ
供試品種について自然乾燥も行い、同様にソラノン及び
ノルソラナジオン含量を測定した。含量の分析は、ラミ
ナを真空凍結乾燥後、粉砕し、粉末2〜5gをジクロロ
メタンで24時間抽出した後、標準物質を添加し、ガス
クロマトグラフで行った。
【0017】 ・試験条件 供試品種:みちのく1号 試験区 温度 ℃:35、30、25(但し、相対湿度83%に維持) 相対湿度 %:85、80、70(但し、温度35℃に維持) 光の有無 :鑑定用蛍光灯(120W)による照明の有無(但し、 温度35℃、相対湿度83%での環境下) 風速cm/s:15、25、35(但し、温度35℃、相対湿度83 %での環境下) ・処理時間:吊り込み時から1週間処理し、処理終了時にサンプリング。
【0018】結果を図2に示す。図2からわかるよう
に、温度、湿度、光の有無、風速を変えても、ソラノン
及びノルソラナジオン含量は共に試験開始時(生葉の含
量)より含量の増加はみられなかった。また、処理区間
でも有意な差は見られず、いずれも処理開始時よりも低
かった。この結果から、恒温恒湿の環境下ではソラノン
及びノルソラナジオンの生成が起こらないことを確認し
た。
【0019】(実施例2)実施例1と同じく恒温恒湿機
を用い、同じ供試品種(みちのく1号)での間欠乾燥に
よる温度及び湿度を変化させた乾燥処理を行い、ソラノ
ン及びノルソラナジオンの生成について含量を分析し
た。同時に、同じ供試品種について、自然乾燥及び恒温
恒湿環境下での乾燥を行い、同様にしてソラノン及びノ
ルソラナジオンの含量について測定した。
【0020】・条件 供試品種:みちのく1号 サイクル及び変温湿度条件:1日のサイクルにおいて、
6〜9時を昇温時間、9〜18時を昼の条件、18〜2
1時を降温時間、21〜6時を夜の条件とする変温変湿
条件で実験した。 なお、昼の基本温湿度条件:温度35℃、相対湿度70
% 夜の基本温湿度条件:温度20℃、相対湿度90% とし、湿度、温度を変化させた。また、恒温恒湿区の温
湿度は温度35℃、相対湿度83%とした。
【0021】・処理期間:収穫後3日間はパイプハウス
に吊し、4日後に恒温恒湿機に移して、5日間の処理を
行った。なお、恒温恒湿機に移した処理開始時の葉たば
こは黄変8割程度のものであったが、葉たばこの処理終
了時では褐変8〜9割となっていた。試料の採取は処理
開始時及び処理終了時に行った。 ・分析:実施例1記載と同じ分析法で行った。 なお、この装置乾燥において、風量は、0.75cm/
sで行った(以下、特別の条件設定がない限りは同じで
ある)。
【0022】結果を図3に示す。本実験において、処理
開始時は黄変8割程度の葉たばこを恒温恒湿機に移し、
処理終了時では褐変8〜9割となっており、この実験で
の葉たばこ乾燥処理は褐変期の処理とみなすことができ
る。
【0023】本実験から次のことがわかる。 昼の条件での湿度変化による影響について 図3−1は、夜は基本温湿度条件(温度20℃、相対湿
度90%)に固定し、昼の温度を35℃に固定した際の
湿度変化の影響を示すものであり、湿度を変えた区(湿
度:80%、75%、70%)では、いずれも処理開始
時及び恒温恒湿区よりもソラノン及びノルソラナジオン
の含量は増加した。
【0024】夜の条件での湿度変化による影響につい
て 図3−2は、昼は基本温湿度条件(温度35℃、相対湿
度70%)に固定し、夜の温度を20℃に固定した際の
湿度変化の影響を示すものであり、湿度を90%と70
%の場合を示している。夜間を昼間と同様70%とした
試験区では、恒温恒湿区と同様に処理開始時と変わらな
かったが、90%とした試験区ではソラノン及びノルソ
ラナジオンは有意に増加した。
【0025】昼の条件での温度変化による影響につい
て 図3−3は、夜は基本温湿度条件(温度20℃、相対湿
度90%)に固定し、昼の湿度を75%に固定した際の
温度変化の影響を示すものであり、温度を変えた区(温
度40℃、35℃、30℃)では、いずれも処理開始時
よりもソラノン及びノルソラナジオンが増加する傾向に
あるものの、温度の違いによる差は生じていない。
【0026】夜の条件での温度変化による影響につい
て 図3−4は、昼は基本温湿度条件(温度35℃、相対湿
度70%)に固定し、夜の湿度を90%に固定した際の
温度変化の影響を示すものであり、温度を20℃、30
℃に設定した場合を示している。いずれの試験区もソラ
ノン及びノルソラナジオン含量は恒温恒湿区よりは増加
傾向を示している。
【0027】昼、夜を通して温度を一定とし、湿度の
みを昼と夜で変化させる場合の影響について 図3−5は、昼、夜を通して、温度を35℃及び25℃
で一定とし、湿度を昼の条件では70%、夜の条件では
90%とした場合である。ソラノン及びノルソラナジオ
ン含量は恒温恒湿区よりは増加傾向を示しているが、温
度間では有意な差が生じない。
【0028】光の影響について、 図3−6は、昼、夜ともに基本温湿度条件とし、蛍光灯
下、暗黒下、殺菌灯下でのソラノン及びノルソラナジオ
ン含量を示すものであり、含量に有意な差はなく、光に
大きくは依存していない。
【0029】以上の結果は、従来、風火力を利用した装
置乾燥による葉たばこ乾燥では、ソラノン及びノルソラ
ナジオンの生成は自然乾燥の場合と比較して低下すると
考えられていたが、葉たばこの乾燥を特定の温湿度条件
下で間欠脱水乾燥を行うことにより、自然乾燥と同様に
増加する場合があることを示している。
【0030】すなわち、高湿度条件と低湿度条件を繰り
返す湿度環境下での葉たばこ乾燥において、ソラノン及
びノルソラナジオン含量は増加する傾向がみられ、さら
に、変湿条件に変温条件を加味することにより、ソラノ
ン及びノルソラナジオンの含量が増加することが見出さ
れた。
【0031】過去の知見ともあわせて考えると、昼の条
件は、温度範囲30℃〜40℃、相対湿度範囲70〜8
0%が好ましく、夜の条件は、温度範囲20℃〜30
℃、相対湿度90%以上が好ましく、このような条件下
で葉たばこの装置乾燥を行うことにより、自然乾燥に近
いソラノン及びノルソラナジオン含量が得られることが
確認された。
【0032】上記の実施例において、葉たばこの外観品
質ではいずれの処理区でも有意な差はみられなかった。
また、得られた乾燥葉たばこの香喫味では、いずれの処
理区でもソラノン及びノルソラナジオン含量が高いほ
ど、自然乾燥区に近づく傾向が見られた。
【0033】(実施例3)次に、前述したように、間欠
脱水乾燥において、運転時(放湿処理)と休止時(吸湿
処理)の時間は同じ間隔とした方が香喫味の良い乾燥葉
たばこが得られることは知られているが、その実証をす
べく、運転サイクル時間を前記の24時間サイクルに加
えて、12時間、6時間、4時間の場合について実験し
た。
【0034】先ず、前述した実施例と同様に、供試品種
(みちのく1号)の本葉着位の葉たばこを収穫後、パイ
プハウスに吊り込み、4日後に恒温恒湿乾燥機に移し、
運転時、設定温度35℃、相対湿度70%、休止時、設
定温度25℃、相対湿度90%の条件で連続5日間乾燥
処理を行った。処理終了後は木造乾燥室に移して自然乾
燥した。
【0035】実施例2と同じく、処理開始時は黄変8割
程度の葉たばこを恒温恒湿機に移し、処理終了時では褐
変8〜9割となっていることから、この実験での乾燥処
理も褐変期の乾燥処理とみなすことができる。同じ供試
品種を自然乾燥でも行った。自然乾燥区は、収穫後4日
間(黄変期)はパイプハウスに吊り込み、その後(褐変
期以降)は木造乾燥室で乾燥を行った。
【0036】処理直後と乾燥終了後の葉たばこについて
ソラノン及びノルソラナジオン含量を測定した。その結
果を図4に示す。なお、図4においての各区は次のとお
りである。 1区:自然乾燥 2区:24時間サイクル(運転時12時間、休止時12時間) 3区:12時間サイクル(運転時 6時間、休止時 6時間) 4区: 6時間サイクル(運転時 3時間、休止時 3時間) 5区: 4時間サイクル(運転時 2時間、休止時 2時間)
【0037】図4に示すように、処理直後において、ソ
ラノン及びノルソラナジオン含量はいずれの試験区も処
理開始時より高くなった。処理区別では、サイクル時間
の短い方がソラノン及びノルソラナジオン含量が高くな
る傾向を示し、4〜6時間サイクルの区が自然乾燥区に
近い含量を示した。
【0038】また、乾燥葉たばこにおいても処理直後と
同様の結果が得られ、4〜6時間サイクルが自然乾燥区
に近い含量を示した。従来、間欠脱水乾燥において、サ
イクル時間は4〜6時間サイクルがよいといわれていた
が、ソラノン及びノルソラナジオン含量の面からもこの
ことが実証される。乾燥葉たばこの外観品質を評価し、
買入代金に換算したものを表1、喫味品質の各区ごとの
比較を表2に示す。
【0039】
【表1】
【0040】
【表2】
【0041】表からもわかるように、乾燥葉たばこの外
観品質では差が見られなかった。また、乾燥葉たばこの
喫味品質では、いずれの処理区でもソラノン及びノルソ
ラナジオン含量が高いものほど、自然乾燥区に近づく傾
向が見られた。
【0042】(考察)上記試験結果から、バーレー種葉
たばこ乾燥において、装置乾燥での間欠脱水乾燥法によ
り香喫味を低下させないで乾燥処理を行えることが実証
された。その条件は、運転時には、温度範囲:30〜4
0℃、好ましくは35℃程度、湿度:70〜80%の高
温低湿条件(放湿条件)に設定し、休止時には、温度範
囲:20〜30℃、好ましくは20〜25℃、湿度:9
0%以上の低温恒湿条件(吸湿条件)に設定し、等間隔
サイクルで繰り返すことである。サイクル時間は2時間
−2時間の4時間間隔、あるいは3時間−3時間の6時
間間隔で行う場合に、自然乾燥に近い乾燥葉たばこが得
られる。
【0043】
【発明の効果】本発明による乾燥方法によれば、バーレ
ー種葉たばこを外気条件に左右されることなく安定した
乾燥ができ、しかも香喫味を低下させることなく装置で
の乾燥を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】乾燥法の違いによるソラノン及びノルソラナジ
オンの乾燥経過に伴う変化を表す図。
【図2】恒温恒湿条件下における環境要因とソラノン及
びノルソラナジオン含量を示すグラフ。
【図3】変温変湿条件下における環境要因とソラノン及
びノルソラナジオン含量を示すグラフ。
【図4】間欠脱水乾燥法での時間サイクルを変化させた
場合のソラノン及びノルソラナジオン含量を示すグラ
フ。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 葉たばこの乾燥を行うに際し、乾燥過程
    の褐変期で湿度を高湿度と低湿度とに交互に調節して乾
    燥させることを特徴とするバーレー種葉たばこの乾燥方
    法。
  2. 【請求項2】 湿度条件を高湿度時が相対湿度90%以
    上、低湿度時が相対湿度70〜80%の範囲とし、高湿
    度時と低湿度時とを交互に2〜3時間間隔で繰り返すこ
    とを特徴とする請求項1記載のバーレー種葉たばこの乾
    燥方法。
  3. 【請求項3】 高湿度時の温度範囲は20〜30℃、低
    湿度時の温度範囲を30〜40℃に設定して乾燥するこ
    とを特徴とする請求項2記載のバーレー種葉たばこの乾
    燥方法。
JP4176296A 1996-02-28 1996-02-28 バーレー種葉たばこの乾燥方法 Pending JPH09224630A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4176296A JPH09224630A (ja) 1996-02-28 1996-02-28 バーレー種葉たばこの乾燥方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4176296A JPH09224630A (ja) 1996-02-28 1996-02-28 バーレー種葉たばこの乾燥方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH09224630A true JPH09224630A (ja) 1997-09-02

Family

ID=12617424

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP4176296A Pending JPH09224630A (ja) 1996-02-28 1996-02-28 バーレー種葉たばこの乾燥方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH09224630A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004073152A (ja) * 2002-08-22 2004-03-11 Japan Tobacco Inc 空気乾燥種葉たばこの乾燥方法
JP2010518864A (ja) * 2007-02-23 2010-06-03 ユーエス スモークレス タバコ カンパニー タバコ組成物および作製法
WO2023157878A1 (ja) * 2022-02-18 2023-08-24 日本たばこ産業株式会社 葉たばこ中のソラノン量を増加させる方法、たばこ原料の製造方法、及びソラノンの抽出方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004073152A (ja) * 2002-08-22 2004-03-11 Japan Tobacco Inc 空気乾燥種葉たばこの乾燥方法
JP2010518864A (ja) * 2007-02-23 2010-06-03 ユーエス スモークレス タバコ カンパニー タバコ組成物および作製法
WO2023157878A1 (ja) * 2022-02-18 2023-08-24 日本たばこ産業株式会社 葉たばこ中のソラノン量を増加させる方法、たばこ原料の製造方法、及びソラノンの抽出方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20050109357A1 (en) Burley tobacco products having reduced nitrosamine content
CN1116830C (zh) 处理烟草以降低亚硝胺含量的方法
US7404406B2 (en) Tobacco processing
Pala et al. Effects of pretreatments on the quality of open‐air and solar dried apricots
US4355648A (en) Method of curing tobacco
GB2186783A (en) Forming flavour compounds in tobacco
CN109288111B (zh) Nc102上部烟叶的八段烘烤工艺
CA2344063C (en) Tobacco curing barn
CN106579531B (zh) 一种密集烤房挂竿装烟持续升温烤香烤柔烘烤方法
RU2242147C1 (ru) Способ обработки табака
JPH09224630A (ja) バーレー種葉たばこの乾燥方法
CN212437154U (zh) 一种茶叶萎凋机
CN106343603B (zh) 密集烤房网式烟框装烟持续升温烤香烤柔烘烤方法
CN112137149A (zh) 一种高效可控的烤烟晾房及其烤烟烟叶的晾制方法
US4362170A (en) Tobacco curing method
JP3922985B2 (ja) 空気乾燥種葉たばこの乾燥方法
CN110934319B (zh) 一种温度振荡的烟叶调制工艺方法
CN108523196A (zh) 一种烤烟品种烟叶的晒制方法
CN114788579A (zh) 一种雪茄烟叶的变温发酵方法
WO2006038558A1 (ja) バーレー種葉タバコの乾燥方法および該乾燥方法により乾燥したバーレー種葉タバコ
Koocheki Dehydration of saffron stigmas
US1113902A (en) Process of treating tobacco.
CN111109638A (zh) 一种时间振荡的烟叶调制工艺方法
CN109820225A (zh) 减少烟叶香气物质流失的密集烤房循环风机控制方法
JPS59154975A (ja) バルク乾燥機における葉たばこの乾燥方法

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20051206

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20060404