JP2004071706A - Pcb液入り変圧器の設置現場での解体方法 - Google Patents

Pcb液入り変圧器の設置現場での解体方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2004071706A
JP2004071706A JP2002226264A JP2002226264A JP2004071706A JP 2004071706 A JP2004071706 A JP 2004071706A JP 2002226264 A JP2002226264 A JP 2002226264A JP 2002226264 A JP2002226264 A JP 2002226264A JP 2004071706 A JP2004071706 A JP 2004071706A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
transformer
pcb
liquid
case
installation site
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2002226264A
Other languages
English (en)
Inventor
Michiharu Yachi
矢地 道治
Masaji Fujita
藤田 政次
Shuichi Osaki
大崎 秀一
Yoshinari Hayashi
林 良成
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
HOKURIKU ELECTRIC Manufacturing
Hokuriku Electric Co Ltd
Sato Tekko Co Ltd
Original Assignee
HOKURIKU ELECTRIC Manufacturing
Hokuriku Electric Co Ltd
Sato Tekko Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by HOKURIKU ELECTRIC Manufacturing, Hokuriku Electric Co Ltd, Sato Tekko Co Ltd filed Critical HOKURIKU ELECTRIC Manufacturing
Priority to JP2002226264A priority Critical patent/JP2004071706A/ja
Publication of JP2004071706A publication Critical patent/JP2004071706A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Transformer Cooling (AREA)

Abstract

【課題】設置現場での解体作業空間のPCB濃度を低くすること、PCBが作業空間の外部に漏れないようにすること、解体部品に残留したPCB液が外気に触れないように密閉すること、ダイオキシンの発生を防ぐことである。
【解決手段】PCB液入り変圧器を床に敷いたレイで取り囲むと共に変圧器をフードで覆い且つトレイとフードとの接合によって隔離室を形成し、隔離室にあけた排気孔に排気装置とPCB除去装置を接続する第一工程と、隔離室にあけた吸気孔33から空気を取込みつつ排気孔から空気を排出し、隔離室内で変圧器からPCB液を抜く第二工程と、変圧器の締結具を外すことによって、ラジエータ、放圧管、コンサベータ、ブッシングのうち少くとも一つを変圧器本体入りのケースから分解すると共に少くともケースには開口部が形成され、開口部に閉鎖カバーを締結具で止めるか、接着して分解物を密閉する第三工程とからなる。
【選択図】   図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、PCB液(PCBを含有する絶縁油)入り変圧器を設置現場で解体する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
PCB液入り変圧器を無害化処理する設備が変圧器の設置現場にない場合、変圧器を処理工場に輸送する必要がある。その際に、変圧器の寸法や重量が設置現場の搬入口の寸法やエレベータに積載可能な重量を超える場合や、道路交通法で定められた輸送制限を超える場合には、変圧器を輸送等できる程度にまで解体してから処理設備へ輸送することが求められる。道路法、道路運送車両法等によれば、輸送可能な寸法・重量は、車輌を含めた高さで4.3m以下、幅3.5m以下、車輌を含めた重量で40トン以下である。
【0003】
ところが、現時点では、変圧器を設置現場で安全に解体する方法が確立されていない。というのも、解体の際に高濃度のPCBを含んだ空気に解体作業者が晒されたり、設置現場の周囲にPCBを誤って撒き散らしたり、解体後の部品に残留したPCBが周囲に飛散すると、危険だからである。また、解体というと通常、切断を想定するが、切断時の熱によってPCBが酸化してダイオキシンに変化しやすいという理由もある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記実情を考慮して開発されたもので、その課題は、安全な解体作業を実現することであり、具体的には、設置現場での解体作業空間のPCB濃度を低くすること、PCBが作業空間の外部に漏れないようにすること、解体部品に残留したPCB液が外気に触れないように密閉すること、ダイオキシンの発生を防ぐことである。また、請求項2に係る発明の課題は、分解作業時点での変圧器のPCB濃度を低下させることである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明は、PCB液入り変圧器を床に敷いたトレイで取り囲むと共に変圧器の周囲及び上方をフードで覆い且つトレイとフードとの接合によって隔離室を形成し、隔離室内の空気を排出する排気装置と隔離室内の空気からPCBを除去するPCB除去装置とを、隔離室にあけた排気孔に接続する工程を第一工程とし、隔離室にあけた吸気孔から空気を取り込みつつ排気孔から空気を排出し、隔離室内で変圧器からPCB液を抜く工程を第二工程とし、変圧器の締結具を外すことによって、ラジエータ、放圧管、コンサベータ、ブッシングのうち少なくとも一つを変圧器本体入りのケースから分解すると共に少なくともケースには開口部が形成され、開口部に閉鎖カバーを締結具で止めるか、又は接着して分解物を密閉する工程を第三工程とすることを特徴とする。
【0006】
「PCB液入り変圧器を床に敷いたトレイで取り囲む」とは、設置された変圧器を持ち上げてその下にトレイを敷いて取り囲む場合だけでなく、変圧器を設置したままトレイの内側のヘリを変圧器のケースの側面下部に沿わせる状態で敷いて取り囲む場合をも含む概念である。締結具とは、ネジ作用によって着脱できるもの、例えばボルト・ナット等を意味する。取り外したブッシングには開口部がないので、輸送容器に入れて密閉するか、ケース内に突入していた部分に容器状の閉鎖カバーを締結具で止めるか、又は接着して密閉すれば、安全になる。
【0007】
変圧器の分解時に万が一、PCB液が漏れ出た場合には、トレイにPCB液が溜まることから、床がPCBに汚染されるのを防ぐことができる。
【0008】
隔離室内で変圧器からPCB液を抜いてから分解することによって、作業者の安全性を確保する。また、安全性を一段と高めるには、請求項2に係る発明のように、第二工程では、PCB液を抜いた後に、変圧器内に洗浄液を充填してから再度洗浄液を抜いて洗浄することが望ましい。このようにすれば、変圧器に残留したPCBの濃度を安全に低下することができる。
【0009】
分解物を密閉すれば安全になるが、その密閉性が確認できることが望ましい。それには、請求項3に係る発明のように、第三工程で用いる閉鎖カバーにはバルブが付いており、バルブからの吸引によって分解物内を負圧にする工程を第四工程とする。
【0010】
分解物を負圧に、即ち大気圧より低くできれば、分解物の密閉性が確認できる。また、閉鎖カバーにバルブが付いているので、バルブからの吸引作業だけで安全に負圧にできる。
【0011】
分解物の開口部を閉鎖カバーで密閉すれば、そのまま輸送しても良いが、分解物には、開口部がないものや、開口部があっても閉鎖カバーで密閉できないものもある。例えば、開口部がないものとは分解物がブッシングの場合であり、開口部があっても閉鎖カバーで密閉できないものとは、分解物の開口部の周辺が錆びて締結具で止めることができない場合である。このような場合は、輸送時の安全を確保するためには、請求項4に係る発明のように、第三工程は、開口部に閉鎖カバーを締結具で止めるか、又は接着して分解物を密閉する代わりに、分解物を輸送容器に入れて密閉し、輸送容器に付いたバルブからの吸引によって輸送容器内を負圧にすることが望ましい。
【0012】
輸送容器は、変形不能な固いものであっても良いし、変形可能な柔軟なもの、例えばビニール製品であっても良い。
【0013】
ブッシングの締結構造によっては、ブッシングの取り外し箇所に形成される開口部の周辺からボルトが起立しているものと、起立してないものがある。起立している場合は、そのボルトを利用して閉鎖カバーを締結すれば良いが、起立してない場合に閉鎖カバーを開口部に固定するには、開口部周辺にボルトを取り付ける仕方が一例として考えられ、その取付作業が安全なことが望まれる。それには、請求項5に係る発明のように、第三工程において、ブッシングの取り外し箇所に形成される開口部の周辺にボルトを溶接し、そのボルトにナットを締め付けて閉鎖カバーをケースに固定すれば良い。
【0014】
溶接の一例としてはスタッド溶接が挙げられる。スタッド溶接は数秒間で完了し、しかもスタッド溶接時のアークはケース外に発生するので、ケース内のPCB液がダイオキシンに変化することを防げる。
【0015】
変圧器はPCB液が漏れないように設計されているので、通常は、補修することなく解体すれば良い。しかし、長期間の経過に伴う劣化によって、PCB液の漏れ部分や、PCB液の漏れが予想される部分が発生することがある。その場合には、請求項6に係る発明のように、第二工程は、変圧器内を洗浄する前までに、PCB液の漏れ部分及びPCB液の漏れが予想される部分の周辺に、ボルトを溶接し、そのボルトにナットを締め付けて補修カバーを変圧器に固定することが安全上、望ましい。
【0016】
【発明の実施の形態】
変圧器1の第一例は図3又は図4に示すように、鉄心2及びコイル3からなる変圧器本体4を、ベッド5付きのケース6内に収容し、変圧器本体4をケース6に溜めたPCB液に浸漬し、ケース6の側面にはラジエータ7を、ケース6の天板8には放圧管9とコンサベータ10をフランジ管継手11でそれぞれ締結してある。また、天板8は一部が上向きに突出して外部と連通しており、その連通部分を覆う蓋12にブッシング13を締結してある。符号14はバタフライ弁で、フランジ同士の間に介在している。
【0017】
ブッシング13の締結構造の一例は、その下側の鍔15を蓋12から上方に突出するボルト(図示省略)に締結することの他に、下端から垂下する端子板16を、変圧器本体4から引き出したリード線17の先の端子板18に締結したものである。また、ブッシング13を取り外す為に、ケース6の側面にはハンドホール19があけてあって、そのハンドホール19を塞ぐキャップ20をケース6に締結してある。
【0018】
ブッシング13の締結構造の別の例は、図示しないが、端子同士を締結することは前例と同じで、違う点は、ブッシングが上体に下体をねじ込んで連結するもので、そのねじ込みによって上体と下体の間に蓋を挟んで固定する点である。
【0019】
変圧器1の第二例は図7に示すように、ケース6の側面に梯子21を締結し、ケース蓋12にケーブルダクト22を締結し、補助回路端子箱23をラジエータ7に締結してあること以外は、先の例と同じである。
【0020】
PCB液入り変圧器1の設置現場での解体方法を図1に基づきながら、各工程に分けて説明する。第一工程は以下の手順で行われる。まず、変圧器1が第二例のように梯子等が付いている場合は、ケーブルダクト22、補助回路端子箱23、梯子21を外して、第一例と同じ形態とする。次に、変圧器1を床に固定するアンカー(図示省略)を作業者が外す。詳しく言えば、コンクリートの床上に突出するアンカーボルトの先部からナットを外して、変圧器1のベッド5の拘束を解除する。なお、作業者は、全身を防護する服装で作業を行う。
【0021】
続いて、変圧器1を床に敷いたトレイ24で取り囲む。トレイ24の敷き方の一例は、変圧器1を持ち上げて、床に敷いたトレイ24の上に変圧器1を下ろす。通常、変圧器1の上方には変圧器設置用のホイスト(図示省略)が付いているので、ホイストからの吊りフックFを、変圧器1の受け具25に引っ掛けて持ち上げる。ホイストがない場合は、ジャッキ(図示省略)をケース6の底に当てて持ち上げる。また、トレイ24の敷き方の別の例は図11に示すように、変圧器1を設置したまま、トレイ24の内側に沿って起立するヘリ29を変圧器1のケース6の側面下部に沿わせる状態で敷き、ケース6の下部全周を複数のトレイで取り囲む。そして、各トレイ24の内側のヘリ29をケース6に粘着テープ等で接合して、内側のヘリ29とケース6の隙間をなくし、PCB液が漏れないようにする。
【0022】
次に、変圧器1の周囲及び上方をフード26で覆い、フード26をトレイ24に接合して隔離室27を形成し、隔離室27内に変圧器1及びホイストを収容する。フード26は、トレイ24の上に骨組みHを組立て(図11参照)、その骨組みHで変圧器1の外側を囲み、骨組みHの外側に合成樹脂製の柔軟なシート28を被せたものである。そして、トレイ24の外側に沿って起立するヘリ29の上端部とシート28の下端部をファスナー30で接合して、隔離室27を形成する。シート28には作業者の出入口31があけてあり、出入口31を覆う扉32を、出入口31の周囲に沿ってファスナー30で接合する。また、シート28には吸気孔33、排気孔34があけてあり、排気孔34にはシート28と同一素材の管路35が延長しており、管路35にPCB除去装置36、図示しない排気装置を順次接続する。PCB除去装置36には、活性炭を箱に収容し、空気中に混入したPCBを活性炭に吸着させて、清浄な空気を排出するものを用いる。排気装置にはファンを用いる。なお、シート28は、運搬を容易に行う為に、巻物にできる程度の柔軟性を有することが望ましい。ここまでの作業を第一工程とする。
【0023】
次に、第二工程を説明する。まず、排気装置を駆動して、隔離室27内の空気を大気圧より低くする。このようにすれば、変圧器1内のPCBが空気中に混入した場合でも、隔離室27内のPCB濃度が低くなり、また、混入したPCBがPCB除去装置36で回収され、害のない空気が排気装置から排出される。続いて、変圧器1からPCB液を抜く。PCB液を抜く際には、隔離室27内に搬入したポンプ38、図示しないタンクを、変圧器1の底側の排出バルブ37に順次接続し、後述する特殊な方法でPCB液の粘度を低下させた後に、変圧器1の上部の注入バルブ39と下部の排出バルブ37を開いてポンプ38を駆動し、変圧器1内のPCB液をポンプ38からタンクに送り込む。なお、変圧器1内のPCB液が全てトレイ24上に漏れ出た場合でもPCB液を溜めておけるように、トレイ24の深さ(ヘリの高さ)を設定してある。
【0024】
続いて、変圧器1内を洗浄する。変圧器1の洗浄は、PCBを含有しない鉱物系の絶縁油を洗浄液として用い、その洗浄液を入れた別のタンク(図示省略)を隔離室27に搬入し、タンクから前述したポンプ38、排出バルブ37を経て変圧器1内に洗浄液を送り込む。なお、注入バルブ39に真空ポンプを接続し、真空ポンプでケース6内を真空にすれば、洗浄液を送り込み易い。そして、変圧器1に洗浄液が充満したら排出バルブ37を閉じ、後述する特殊な方法で洗浄液を加熱して残存するPCBの粘度を低下させた後に、同様に洗浄液を排出する。洗浄液中のPCBの濃度が所定のレベルに達するまで、上述した洗浄液の注入、排出を繰り返す。ここまでが第二工程である。なお、タンクに貯まったPCB液やPCBが混入した洗浄液は、タンクローリに移し替えるか、タンクのまま自動車に載せて輸送する。
【0025】
変圧器1内のPCB液の粘度を低下させる特殊な方法の一例は、図10に示すように二次端子40,40を導体41で短絡し、CT42及び電流計で一次側を計測しながら電源43から一次端子44,44へ定格値の一次電流I1を供給するものである。また、図示しないが隔離室には電源のケーブルを通す抜穴があり、隔離室の外から電源ケーブルを隔離室内に導いている。なお、一次端子と二次端子は、ブッシングから突き出している。
【0026】
この様に一次端子44へ定格値の一次電流I1を流すことによって、一次コイルには定格値の一次電流I1が流れ、二次コイルには定格値の二次電流I2が流れる。その結果、当該定格値の一次電流I1及び定格値の二次電流I2が流れる一次コイル及び二次コイルのインピーダンスが負荷となって発熱し(巻線の銅損等による発熱)、PCB液が加熱され粘度が低下する。
【0027】
洗浄液を加熱して残存するPCBの粘度を低下させる特殊な方法の一例は、前記PCB液の粘度低下で採用した手法、即ち、変圧器本体4の一次端子44又は二次端子40のいずれか一方を導体41で短絡し、他方の端子へ電流を供給する手法である。つまり、ケース6に充満された洗浄液を上記した電流供給で加熱して、ケース6の内面及び変圧器本体4等に付着した残存PCBの粘度を低下させて洗浄液に混入させる。なお、PCB液や洗浄液の加熱には、変圧器1の周囲をヒータで囲んで加熱する手法もある。
【0028】
次に第三工程を説明する。ボルト・ナット等の締結具T(図3参照)を作業者が外して、図4に示すように変圧器本体4が入ったケース6、ラジエータ7、放圧管9、コンサベータ10、ブッシング13に分解する。ブッシング13の取り外し作業は、締結具Tを緩めてケース6からキャップ20を取り外し、ハンドホール19から手を入れて締結具Tを緩めてブッシング13の端子板16,18同士の連結を解除し、締結具Tを緩めてブッシング13の鍔15を蓋12から外す作業である。ブッシング以外の取り外し作業は、フランジ管継手11による締結の解除によって行われる。分解後には、各分解物に開口部45が形成される。図5及び図6(イ)(ロ)(ハ)に示すように、各分解物(ケース6、放圧管9、コンサベータ10、ラジエータ7)の開口部45にガスケット、板状の閉鎖カバー46を順次押し当て、締結具Tで止めるか、又は接着して各分解物を密閉する。また、図6(ニ)に示すブッシング13は、下端部がケース内に収容されていたことからPCB液に汚染されている可能性が高いので、その鍔15に有底筒形の閉鎖カバー46を締結具Tで止めるか、又は接着してケース6に収容されていた部分を密閉する。ここまでが第三工程である。
【0029】
続く第四工程では図5及び図6(イ)(ロ)(ハ)(二)に示すように、ケース6、放圧管9、コンサベータ10、ラジエータ7、及びブッシング13の閉鎖カバー46に付いたバルブ47を開いて、バルブ47に繋いだ図示しないポンプによって、密閉した各分解物の内部から空気を吸引した後に、バルブ47を閉じて負圧にする。
【0030】
第五工程では、図2に示すように、分解物を輸送容器48内に入れ、容器本体49と閉鎖板50の重ね合わせたフランジ同士を締結具Tで止めるか、又は接着して密閉し、輸送容器48に付いたバルブ51からの空気吸引によって、輸送容器48内を負圧にする。輸送容器内に入れる分解物は、閉鎖カバー46で密閉したものであっても良いし、密閉してないものであっても良い。
【0031】
以上の工程が、本発明の解体方法の基本的な手順である。但し、ブッシング13を取り外したときに、ケース6の蓋12にあいた開口部45の周辺にボルトが起立している場合と、起立してない場合では、閉鎖カバー46の固定の仕方に違いがある。ボルトが起立している場合とは、始めに説明したブッシング13の締結構造の一例で、この場合は、閉鎖カバー46を開口部45に押し当てボルトにナットを締結することによって、開口部45を塞ぐことができる。一方、ボルトが起立してない場合とは、後で説明したブッシング13の締結構造の別の例で、図9(イ)に示してあり、この場合は図9(ロ)に示すように開口部45の周辺にケース6の外側からボルトBをスタッド溶接して起立し、その後は同じ要領で、図9(ハ)に示すようにボルトBにナットNを締め付け、閉鎖カバー46をケース6に固定する。なお、図示しないがボルトBの有無に関わらず、閉鎖カバー46をケース6に接着して固定しても良い。
【0032】
また、変圧器1にPCB液の漏れ部分があったり、漏れが想定される部分が発見された場合には、その漏れ部分等の補修を、第二工程中(更に詳しく言えば洗浄前まで)にすることが望ましい。例えば、図8に示すように、棒状温度計52がケース6に取り付けてある場合は、その取り付け箇所からPCB液が漏れていたり、漏れるおそれが高いので、図8(イ)に示すようにその取付箇所の周囲にケース6の外側からボルトBをスタッド溶接して横向きに突出させ、図8(ロ)に示すようにそのボルトBにナットNを締め付けて、容器状の補修カバー53をケース6に固定し、補修カバー53内に棒状温度計52を密閉する。
【0033】
上述した手順で負圧にした分解物は、PCBの処理設備にトラックで輸送する。輸送時の振動等によって、密閉された分解物に亀裂が入ったり、分解物を密閉する輸送容器が破損したりすると、分解物内のPCBが外部に排出される危険性がある。従って、分解物や輸送容器の圧力を把握する監視システムを構築しておくことによって、危険が発生したことを輸送時の自動車運転者や遠隔地の集中監視センターが知り、適切な対応を取ることもできる。その監視システムは、圧力データを検知して送信する送信機と、送信された圧力データを受信する受信機とからなる。送信機は密閉された分解物又は輸送容器に取り付けられ、密閉空間内の圧力を測る圧力センサと、圧力センサに一定間隔で圧力の計測指示を出すマイコンと、圧力センサで計測された圧力データを送信波形に変換する送信回路と、その波形を送信する送信アンテナと、マイコンを作動する電力供給バッテリーとからなる。一方、受信機は、自動車運転者や集中監視センターが保有しており、送信アンテナから出力された波形を受信する受信アンテナと、受信波形から圧力データに変換する受信回路と、受信回路からの圧力データを判定して判定結果が所定の圧力範囲から外れた時に警報信号を出力するマイコンと、その警報信号によって音を発するブザーとからなる。
【0034】
本発明は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、変圧器を載せるトレイは、一枚であっても良いし、複数枚のトレイをボルト等で締結して一体としたものでも良い。
【0035】
【発明の効果】
本発明は、変圧器のうち、ラジエータ、コンサベータ、ブッシング、放圧管が締結具でケースに固定されていることに着目し、締結具の着脱作業や閉鎖カバーの接着作業ではPCB液がダイオキシンに変化しないことを巧みに利用して、変圧器を安全に分解し、分解物の開口部に閉鎖カバーを安全に固定して密閉している。密閉した分解物が道路交通法で定められた輸送制限内の場合には、PCBの処理設備へ安全に輸送することができる。密閉した分解物が設置現場の搬入口の寸法などの範囲に入っていれば、設置現場から分解物を支障無く持ち出せる。また、隔離室内で分解することによって、隔離室外にPCB液が飛散することを防いである。さらに、隔離室内の空気をPCB除去装置を経て排出しながら分解するので、分解によってPCB液が空気中に混入しても、そのPCBはPCB除去装置で回収されるので、隔離室外にPCB液が漏れ出ることない。また、隔離室内の空気を排出しながら分解するので、PCB液が空気中に混入しても、そのPCB濃度が低下することになり、隔離室内の作業員の安全性が高まる。
【0036】
請求項2に係る発明は、PCB液を抜いた後に、変圧器内に洗浄液を充填してから再度洗浄液を抜いて洗浄するので、変圧器に残留したPCBの濃度を安全に低下することができ、締結具を外して分解する際の安全性が高まる。
【0037】
請求項3に係る発明は、閉鎖カバーにバルブが付いているので、バルブからの吸引作業だけで安全に負圧にでき、しかも、負圧にすることによって分解物の密閉性が確認できる。
【0038】
請求項4に係る発明は、分解物を輸送容器に入れて密閉し、輸送容器に付いたバルブからの吸引によって輸送容器内を負圧にするので、分解物が閉鎖カバーで密閉できないものであっても、安全に持ち運べる。
【0039】
請求項5に係る発明は、ブッシングの取り外し箇所に形成される開口部の周辺にボルトが付いてなくても、ボルトを溶接し、そのボルトにナットを締め付けて閉鎖カバーをケースに固定するので、安全な作業でケースを密閉できる。
【0040】
請求項6に係る発明は、第二工程中の変圧器内を洗浄する前までに、PCB液の漏れ部分及びPCB液の漏れが予想される部分の周辺に、ボルトを溶接し、そのボルトにナットを締め付けて補修カバーを変圧器に固定するので、変圧器内に充填する洗浄液の圧力によって、ケース等が破損することを防止でき、解体作業の安全性が一段と高まる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の解体方法を示す斜視図で、便宜上フードを透明にしてある。
【図2】分解物を輸送容器で密閉した状態を示す斜視図である。
【図3】分解前の変圧器の一例を示す断面図である。
【図4】分解後の変圧器を示す断面図である。
【図5】密閉したケースを示す断面図である。
【図6】(イ)(ロ)(ハ)(ニ)密閉した放圧管、コンサベータ、ラジエータ、ブッシングを示す正面図である。
【図7】分解前の変圧器の別の例を示す断面図である。
【図8】(イ)(ロ)補修前、補修後の状態を示す断面図である。
【図9】(イ)(ロ)(ハ)開口部の周辺にボルトを溶接して閉鎖カバーを固定する手順を示す断面図である。
【図10】PCB液及び洗浄液の加熱方法を示す説明図である。
【図11】トレイの敷き方の別の例を示す断面図である。
【符号の説明】
1 変圧器
4 変圧器本体
6 ケース
7 ラジエータ
9 放圧管
10 コンサベータ
13 ブッシング
24 トレイ
26 フード
27 隔離室
33 吸気孔
34 排気孔
36 PCB除去装置
45 開口部
46 閉鎖カバー
47,51 バルブ
48 輸送容器
53 補修カバー
T 締結具
B ボルト
N ナット

Claims (6)

  1. PCB液入り変圧器(1)を床に敷いたトレイ(24)で取り囲むと共に変圧器(1)の周囲及び上方をフード(26)で覆い且つトレイ(24)とフード(26)との接合によって隔離室(27)を形成し、隔離室(27)内の空気を排出する排気装置と隔離室内の空気からPCBを除去するPCB除去装置(36)とを、隔離室(27)にあけた排気孔(34)に接続する工程を第一工程とし、
    隔離室(27)にあけた吸気孔(33)から空気を取り込みつつ排気孔(34)から空気を排出し、隔離室(27)内で変圧器(1)からPCB液を抜く工程を第二工程とし、
    変圧器の締結具(T)を外すことによって、ラジエータ(7)、放圧管(9)、コンサベータ(10)、ブッシング(13)のうち少なくとも一つを変圧器本体(4)入りのケース(6)から分解すると共に少なくともケース(6)には開口部(45)が形成され、開口部(45)に閉鎖カバー(46)を締結具(T)で止めるか、又は接着して分解物を密閉する工程を第三工程とすることを特徴とするPCB液入り変圧器の設置現場での解体方法。
  2. 第二工程は、PCB液を抜いた後に、変圧器(1)内に洗浄液を充填してから再度洗浄液を抜いて洗浄することを特徴とする請求項1記載のPCB液入り変圧器の設置現場での解体方法。
  3. 第三工程で用いる閉鎖カバー(46)にはバルブ(47)が付いており、バルブ(47)からの吸引によって分解物内を負圧にする工程を第四工程とすることを特徴とする請求項1又は2記載のPCB液入り変圧器の設置現場での解体方法。
  4. 第三工程は、開口部(45)に閉鎖カバー(46)を締結具(T)で止めるか、又は接着して分解物を密閉する代わりに、分解物を輸送容器(48)に入れて密閉し、輸送容器(48)に付いたバルブ(51)からの吸引によって輸送容器(48)内を負圧にすることを特徴とする請求項1又は2記載のPCB液入り変圧器の設置現場での解体方法。
  5. 第三工程において、ブッシング(13)の取り外し箇所に形成される開口部(45)の周辺にボルト(B)を溶接し、そのボルト(B)にナット(N)を締め付けて閉鎖カバー(46)をケース(6)に固定することを特徴とする請求項1又は2記載のPCB液入り変圧器の設置現場での解体方法。
  6. 第二工程は、変圧器(1)内を洗浄する前までに、PCB液の漏れ部分及びPCB液の漏れが予想される部分の周辺に、ボルト(B)を溶接し、そのボルト(B)にナット(N)を締め付けて補修カバー(53)を変圧器(1)に固定することを特徴とする請求項1又は2記載のPCB液入り変圧器の設置現場での解体方法。
JP2002226264A 2002-08-02 2002-08-02 Pcb液入り変圧器の設置現場での解体方法 Pending JP2004071706A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002226264A JP2004071706A (ja) 2002-08-02 2002-08-02 Pcb液入り変圧器の設置現場での解体方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002226264A JP2004071706A (ja) 2002-08-02 2002-08-02 Pcb液入り変圧器の設置現場での解体方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2004071706A true JP2004071706A (ja) 2004-03-04

Family

ID=32013664

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002226264A Pending JP2004071706A (ja) 2002-08-02 2002-08-02 Pcb液入り変圧器の設置現場での解体方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2004071706A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008142615A (ja) * 2006-12-08 2008-06-26 Kansai Electric Power Co Inc:The Pcb汚染変圧器からのpcb除去方法および除去装置
JP2009123952A (ja) * 2007-11-15 2009-06-04 Chugoku Electric Manufacture Co Ltd ナット回転規制治具および変圧器解体器具
JP2011011184A (ja) * 2009-07-06 2011-01-20 Mitsui Eng & Shipbuild Co Ltd 汚染機器の解体方法
JP2016155100A (ja) * 2015-02-25 2016-09-01 株式会社日立物流 微量pcb付着廃棄物の洗浄および運搬容器
CN115077732A (zh) * 2022-07-20 2022-09-20 深圳市德兰明海科技有限公司 一种方便拆装的温度传感器组件及测温设备

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008142615A (ja) * 2006-12-08 2008-06-26 Kansai Electric Power Co Inc:The Pcb汚染変圧器からのpcb除去方法および除去装置
JP2009123952A (ja) * 2007-11-15 2009-06-04 Chugoku Electric Manufacture Co Ltd ナット回転規制治具および変圧器解体器具
JP2011011184A (ja) * 2009-07-06 2011-01-20 Mitsui Eng & Shipbuild Co Ltd 汚染機器の解体方法
JP2016155100A (ja) * 2015-02-25 2016-09-01 株式会社日立物流 微量pcb付着廃棄物の洗浄および運搬容器
CN115077732A (zh) * 2022-07-20 2022-09-20 深圳市德兰明海科技有限公司 一种方便拆装的温度传感器组件及测温设备

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6783054B1 (en) System for controllably conducting welding operations adjacent flammable materials and method of welding adjacent flammable materials
US5037239A (en) Underground concrete vault structure for hazardous liquid storage tanks
JP2018520279A (ja) マンホール地中箱のための換気システム
US10183805B2 (en) Converted intermodal container for use as a water processing tank with process wall
JP2004071706A (ja) Pcb液入り変圧器の設置現場での解体方法
MXPA05001175A (es) Tapa de escotilla removible para una galeria de paso en techo flotante.
US5573066A (en) Remote fuel station
WO2011036258A1 (en) A secondary containment system
CA2714329A1 (en) Storage tank containment apparatus
KR20090005433A (ko) 통풍형 맨홀 커버
CN214795077U (zh) 一种绝缘效果好的电线电缆静电耐压检测装置
CN107152578B (zh) 管道改造装置和带油动火施工方法
JP4696002B2 (ja) アスファルト混合物または加熱アスファルト廃材の貯蔵容器
CN110361147A (zh) 一种油气管道泄露检测方法及装置
CN206862612U (zh) 一种常压罐车紧急泄放装置的在线校验装置
CA2917529C (en) System for reducing noise in a hydraulic fracturing fleet
CN116062322B (zh) 一种罐车的罐体结构以及罐车
KR20150010642A (ko) 열을 사용하지 않고 파이프 플랜지들 사이 간극으로 부식 방지 화합물을 적용하는 밀봉 장치
JP6534828B2 (ja) 微量pcb付着廃棄物の洗浄および運搬容器
CN221139524U (zh) 环境应急处理装置
JPS6121439Y2 (ja)
CN219770228U (zh) 一种装箱设备
RU2735456C1 (ru) Комплект газоиспользующего оборудования для самосвала БелАЗ-7547
JP2008302964A (ja) 配管接続確認装置
CN211259632U (zh) 一种用于密封箱体上开孔的密封组件以及设有开孔的箱体

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20041018

A977 Report on retrieval

Effective date: 20060922

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

A131 Notification of reasons for refusal

Effective date: 20061114

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20070403