JP2004071627A - 強誘電体膜の作製方法及び半導体装置の製造方法 - Google Patents

強誘電体膜の作製方法及び半導体装置の製造方法 Download PDF

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倉澤 正樹
Yoshiaki Sakamoto
坂本 義明
Kenji Maruyama
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Abstract

【課題】強誘電体薄膜の強誘電特性のばらつきに起因する歩留まり低下を抑制することが可能な半導体装置の製造方法を提供する。
【解決手段】基板上に形成されるABO形強誘電体材料からなる薄膜の残留分極の大きさの面内のばらつきの上限値ΔQMAX〔%〕を決定する。基板を、強誘電体材料の結晶化温度以上まで加熱するとともに、基板面内の温度の最高値と最低値との差が0.7×ΔQMAX〔°〕以下になるように制御する。基板の面内の温度の最高値と最低値との差が0.7×ΔQMAX〔°〕以下になるように制御された状態で、基板上に薄膜の原料ガスを供給し、該薄膜を形成する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体装置の製造方法に関し、特にABO形強誘電体材料を用いた半導体装置の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、強誘電体薄膜の残留分極及び分極反転性を利用した半導体装置、主に不揮発性半導体メモリの開発が盛んに行われている。強誘電体薄膜を用いた半導体装置の高集積化、量産化、及び低コスト化のために、強誘電体薄膜の強誘電特性を高めるとともに、半導体基板の大口径化が望まれている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
半導体基板を大きくすると、その上に形成される強誘電体薄膜の強誘電特性が、位置によってばらつきやすくなる。強誘電体薄膜の強誘電特性がばらつくと、製品の歩留まりが低下してしまう。
【0004】
本発明の目的は、強誘電体薄膜の強誘電特性のばらつきに起因する歩留まり低下を抑制することが可能な半導体装置の製造方法を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の一観点によると、(a1)基板上に形成されるABO形強誘電体材料からなる薄膜の残留分極の大きさの面内のばらつきの上限値ΔQMAX〔%〕を決定する工程と、(a2)基板を、前記強誘電体材料の結晶化温度以上まで加熱するとともに、基板面内の温度の最高値と最低値との差が0.7×ΔQMAX〔°〕以下になるように制御する工程と、(a3)前記基板の面内の温度の最高値と最低値との差が0.7×ΔQMAX〔°〕以下になるように制御された状態で、前記基板上に前記薄膜の原料ガスを供給し、該薄膜を形成する工程とを有する強誘電体膜の作製方法が提供される。
【0006】
この条件で強誘電体材料からなる薄膜を形成すると、残留分極の大きさの面内のばらつきをΔQMAX以下にすることができる。
本発明の他の観点によると、(b1)基板上に形成されるABO形強誘電体材料からなる薄膜の組成比をAとしたときのx/yのばらつきの上限値ΔDMAX〔%〕を決定する工程と、(b2)基板を、前記強誘電体材料の結晶化温度以上まで加熱するとともに、基板面内の温度の最高値と最低値との差が3.5×ΔDMAX〔°〕以下になるように制御する工程と、(b3)前記基板の面内の温度の最高値と最低値との差が3.5×ΔDMAX〔°〕以下になるように制御された状態で、前記基板上に前記薄膜の原料ガスを供給し、該薄膜を形成する工程とを有する強誘電体膜の作製方法が提供される。
【0007】
この条件で強誘電体材料からなる薄膜を形成すると、x/yのばらつきをΔDMAX以下にすることができる。
本発明の他の観点によると、(c1)基板上に形成されるPb(Zr,Ti)Oからなる薄膜の組成比をPb(ZrTi1−Z)OとしたときのZrの組成比Zのばらつきの上限値ΔZMAX〔%〕を決定する工程と、(c2)基板を、前記強誘電体材料の結晶化温度以上まで加熱するとともに、基板面内の温度の最高値と最低値との差が1.5×ΔZMAX〔°〕以下になるように制御する工程と、(c3)前記基板の面内の温度の最高値と最低値との差が1.5×ΔZMAX〔°〕以下になるように制御された状態で、前記基板上に前記薄膜の原料ガスを供給し、該薄膜を形成する工程とを有する強誘電体膜の作製方法が提供される。
【0008】
この条件でPZTからなる薄膜を形成すると、Zrの組成比ZのばらつきをΔZMAX以下にすることができる。
本発明の他の観点によると、半導体基板の表層部のチャネル領域を挟んで形成された第1及び第2の不純物拡散領域と、該チャネル領域を流れる電流を制御する制御電極とを有するトランジスタを複数個形成する工程と、前記トランジスタを覆うように層間絶縁膜を形成する工程と、前記層間絶縁膜を貫通し、前記トランジスタの各々の第1の不純物拡散領域まで達するコンタクトホールを形成する工程と、前記コンタクトホール内を経由して前記トランジスタの第1の不純物拡散領域に電気的に接続された下部電極層を形成する工程と、前記下部電極層の上に、ABO形強誘電体材料からなる強誘電体膜を形成する工程と、前記強誘電体膜の上に上部電極層を形成する工程と、前記下部電極層、強誘電体膜、及び上部電極層をパターニングすることにより、前記トランジスタの各々に対応して配置され、該下部電極層、強誘電体膜、及び上部電極層が積層された強誘電体キャパシタを形成する工程とを有し、前記強誘電体膜を形成する工程が、前記半導体基板を、前記強誘電体材料の結晶化温度以上まで加熱するとともに、基板面内の温度の最高値と最低値との差が4°以下になるように制御する工程と、前記半導体基板の面内の温度の最高値と最低値との差が4°以下になるように制御された状態で、前記半導体基板上に前記強誘電体膜の原料ガスを供給し、該強誘電体膜を形成する工程とを含む半導体装置の製造方法が提供される。
【0009】
このように基板温度を制御して強誘電体膜を形成することにより、強誘電体膜の残留分極の基板面内のばらつきを6%以下にすることができる。これにより、半導体装置の歩留まり向上を図ることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の実施例を説明する前に、強誘電体薄膜の強誘電特性がばらつく原因について説明する。強誘電体薄膜を用いた半導体メモリは、強誘電体材料の残留分極や分極反転性という特徴を利用するため、半導体基板上に形成された強誘電体薄膜が結晶体になっている必要がある。強誘電体薄膜の成膜方法として、スパッタリング法、ゾルゲル法、及び化学気相堆積(CVD)法等が知られている。これらの成膜方法で成膜される強誘電体薄膜の結晶化には、主に熱エネルギが利用される。
【0011】
例えば、鉛(Pb)、ジルコニウム(Zr)、及びチタニウム(Ti)を主成分とするPb(Zr,Ti)O(PZT)等のABO形強誘電体材料は、結晶化温度によって組成の変動を生じ、組成変動に応じて強誘電特性も変動する。ABO形強誘電体薄膜を6インチや8インチの大口径の半導体基板上に形成する場合、基板面内の温度は必ずしも均一ではない。基板面内の温度のばらつきによって、強誘電特性にばらつきが生ずると考えられる。
【0012】
半導体基板上にPZT膜を形成し、基板温度、PZTの組成、及び残留分極量の関係を調べる評価実験を行った。以下、この評価実験について説明する。
図1に、評価実験に用いたCVD装置の概略図を示す。Pb原料として、ビスジピバロイルメタネート鉛(Pb(DPM))をテトラヒドロフラン溶媒に溶解させた液体原料を用いた。Zr原料として、テトラキスジメチルヘプタンジオネートジルコニウム(Zr(DMHD))をテトラヒドロフラン溶媒に溶解させた液体原料を用いた。Ti原料として、ビスジピバロイドメタネート−ジイソプロポキシチタニウム(Ti(iPrO)(DPM))をテトラヒドロフラン溶媒に溶解させた液体原料を用いた。いずれの液体原料も、濃度を0.3モル/リットルとした。
【0013】
液体原料容器1、2、及び3内に、それぞれPb原料、Zr原料、及びTi原料が収容されている。各原料溶液が、液体原料容器1、2及び3から、それぞれ液体マスフローコントローラ4、5及び6を通して、気化器7に輸送される。気化器7で液体原料が気化される。バルブV1を開くと、気化した原料ガスが、Nキャリアガスとともに、配管8を通ってガス混合器10に輸送される。配管9から、酸素ガスがガス混合器10内に導入される。
【0014】
配管8を輸送された原料ガスと、配管9から導入された酸素ガスとが、ガス混合器10内で混合され、成膜室11内に導入される。成膜室11内の保持台14の上に、直径6インチの半導体基板12が載置されている。保持台14には、抵抗加熱ヒータが内蔵されている。成膜室11内は、排気管13を経由して真空排気される。気化器7のバルブV2を開けると、排気管13を経由して気化器7内が排気される。
【0015】
評価実験では、半導体基板12として、シリコン基板上に厚さ100nmの酸化シリコン膜及び厚さ150nmのイリジウム(Ir)膜をこの順番に積層したものを用いた。Pb原料、Zr原料、及びTi原料の流量をそれぞれ0.33ml/min、0.20ml/min、及び0.20ml/minとし、気化器7の温度を260℃にして、液体原料を気化させた。キャリアガスの流量を300sccmとし、酸素ガスの流量を2500sccmとした。半導体基板12の中心部の温度を580℃にして、PZT膜を120nm成膜した。このとき、半導体基板12の最外周部分の温度は約560℃であった。
【0016】
図2(A)に、(Zr+Ti)に対するPbの組成比(PZTの組成比をPb(Zr,Ti)としたときのx/y)と、その組成比のPZTが形成された部分の基板温度との関係を示す。横軸は基板温度を単位「℃」で表し、縦軸は(Zr+Ti)に対するPbの組成比を表す。図中の丸記号は、1枚の半導体基板上に形成されたPZT膜の複数の部分の測定データを示し、三角記号は、他の半導体基板上に形成されたPZT膜の複数の部分の測定データを示す。組成比が温度に対してほぼ線形に変動することがわかる。
【0017】
(Zr+Ti)に対するPbの組成比をDとし、基板温度をT〔℃〕とすると、図2(A)から、組成比Dと温度Tとは、概ね以下の関係を有することがわかる。
【0018】
【数1】
D=−0.0032T+3.041  ・・・(1)
組成比DのばらつきΔD〔%〕を、以下のように定義する。
【0019】
【数2】
ΔD=(D(T)−D(T))/((D(T)+D(T))/2)×100    ・・・(2)
ここで、D(T)は、基板温度T〔℃〕の部分のPZT膜の(Zr+Ti)に対するPbの組成比を表す。
【0020】
図2(A)に示したグラフからわかるように、基板の2箇所の温度差がΔT〔°〕のとき、この2箇所のPZT膜の(Zr+Ti)に対するPbの組成比のばらつきΔD〔%〕は、下記の近似式で表すことができる。
【0021】
【数3】
ΔD=0.28ΔT  ・・・(3)
逆に、温度差ΔTは、近似的に、
【0022】
【数4】
ΔT=3.5ΔD  ・・・(4)
と表すことができる。
【0023】
図2(B)に、(Zr+Ti)に対するZrの組成比(PZTの組成比をPb(ZrTi1−Z)OとしたときのZrの組成比Z)と、その組成比のPZTが形成された部分の基板温度との関係を示す。横軸は基板温度を単位「℃」で表し、縦軸は(Zr+Ti)に対するZrの組成比を表す。図中の丸記号は、1枚の半導体基板上に形成されたPZT膜の複数の部分の測定データを示し、三角記号は、他の半導体基板上に形成されたPZT膜の複数の部分の測定データを示す。組成比が温度に対してほぼ線形に変動することがわかる。
【0024】
(Zr+Ti)に対するZrの組成比をZとし、基板温度をT〔℃〕とすると、図2(B)から、組成比Zと温度Tとは、概ね以下の関係を有することがわかる。
【0025】
【数5】
Z=−0.0029T+2.127  ・・・(5)
組成比ZのばらつきΔZ〔%〕を、以下のように定義する。
【0026】
【数6】
ΔZ=(Z(T)−Z(T))/((Z(T)+Z(T))/2)×100    ・・・(6)
ここで、Z(T)は、基板温度T〔℃〕の部分のPZT膜の(Zr+Ti)に対するZrの組成比を表す。
【0027】
図2(B)に示したグラフからわかるように、基板の2箇所の温度差がΔT〔°〕のとき、この2箇所のPZT膜の(Zr+Ti)に対するZrの組成比のばらつきΔZ〔%〕は、下記の近似式で表すことができる。
【0028】
【数7】
ΔZ=0.68ΔT  ・・・(7)
逆に、温度差ΔTは、近似的に、
【0029】
【数8】
ΔT=1.5ΔZ  ・・・(8)
と表すことができる。
【0030】
図3(A)に、(Zr+Ti)に対するPbの組成比(PZTの組成比をPb(Zr,Ti)としたときのx/y)と、その組成比のPZTの分極量との関係を示す。横軸は組成比を表し、縦軸は分極量を単位「μC/cm」で表す。図中の丸記号は、1枚の半導体基板上に形成されたPZT膜の複数の部分の測定データを示し、三角記号は、他の半導体基板上に形成されたPZT膜の複数の部分の測定データを示す。分極量が組成比に対してほぼ線形に変動することがわかる。なお、PZT膜に印加する電圧の振幅を1.8VにしてP−Eヒステリシス曲線を描いたときの、P軸(分極軸)との2つの交点の間隔を分極量とした。ここで定義された分極量は、残留分極の約2倍に相当する。
【0031】
図3(B)に、(Zr+Ti)に対するZrの組成比(PZTの組成比をPb(ZrTi1−Z)OとしたときのZ)と、その組成比のPZTの分極量との関係を示す。縦軸、横軸、及び図中の記号の意味は、図3(A)のものと同じである。分極量が、組成比に対して線形に変動していることがわかる。
【0032】
図4に、分極量と基板温度との関係を示す。横軸は基板温度を単位「℃」で表し、縦軸は分極量を単位「μC/cm」で表す。分極量をQ〔μC/cm〕、基板温度をT〔℃〕とすると、図4の関係は、以下の式で近似される。
【0033】
【数9】
Q=0.6461T−334.03  ・・・(9)
分極量QのばらつきΔQ〔%〕を、以下のように定義する。
【0034】
【数10】
ΔQ=(Q(T)−Q(T))/((Q(T)+Q(T))/2)×100    ・・・(10)
ここで、Q(T)は、基板温度T〔℃〕の部分のPZT膜の分極量を表す。
【0035】
図4に示したグラフからわかるように、基板の2箇所の温度差がΔT〔°〕のとき、この2箇所のPZT膜の分極量のばらつきΔQ〔%〕は、下記の近似式で表すことができる。
【0036】
【数11】
ΔQ=1.52ΔT  ・・・(11)
逆に、温度差ΔTは、近似的に、
【0037】
【数12】
ΔT=0.7ΔQ  ・・・(12)
と表すことができる。分極量Qの約1/2が残留分極に相当するため、式(10)〜(12)のΔQを残留分極のばらつきと定義しても、式(10)〜(12)が成立する。
【0038】
次に、本発明の第1の実施例による強誘電体膜の作製方法について説明する。まず、基板上に形成されるPZT薄膜の残留分極の大きさの面内のばらつきの上限値ΔQMAX〔%〕を決定する。PZT薄膜を形成すべき基板を、PZTの結晶化温度以上まで加熱するとともに、基板面内の温度の最高値と最低値との差が0.7×ΔQMAX〔°〕以下になるように制御する。基板の面内の温度の最高値と最低値との差が0.7×ΔQMAX〔°〕以下になるように制御された状態で、基板上にPZTの原料ガスを供給し、PZT薄膜を形成する。
【0039】
基板面内の温度の最高値と最低値との差が0.7×ΔQMAX〔°〕以下になるように制御して成膜を行うと、式(12)からわかるように、残留分極のばらつきをΔQMAX以下にすることができる。
【0040】
次に、本発明の第2の実施例による強誘電体膜の作製方法について説明する。まず、基板上に形成されるPZT(Pb(Zr,Ti))薄膜の組成比のばらつきx/yの上限値ΔDMAX〔%〕を決定する。PZT薄膜を形成すべき基板を、PZTの結晶化温度以上まで加熱するとともに、基板面内の温度の最高値と最低値との差が3.5×ΔDMAX〔°〕以下になるように制御する。基板の面内の温度の最高値と最低値との差が3.5×ΔDMAX〔°〕以下になるように制御された状態で、基板上にPZTの原料ガスを供給し、PZT薄膜を形成する。
【0041】
基板面内の温度の最高値と最低値との差が3.5×ΔDMAX〔°〕以下になるように制御して成膜を行うと、式(4)からわかるように、x/yのばらつきをΔDMAX以下にすることができる。
【0042】
次に、本発明の第3の実施例による強誘電体膜の作製方法について説明する。まず、基板上に形成されるPZT(Pb(Zr,Ti1−Z)O)薄膜の組成比Zのばらつきの上限値ΔZMAX〔%〕を決定する。PZT薄膜を形成すべき基板を、PZTの結晶化温度以上まで加熱するとともに、基板面内の温度の最高値と最低値との差が1.5×ΔZMAX〔°〕以下になるように制御する。基板の面内の温度の最高値と最低値との差が1.5×ΔZMAX〔°〕以下になるように制御された状態で、基板上にPZTの原料ガスを供給し、PZT薄膜を形成する。
【0043】
基板面内の温度の最高値と最低値との差が1.5×ΔZMAX〔°〕以下になるように制御して成膜を行うと、式(8)からわかるように、組成比ZのばらつきをΔZMAX以下にすることができる。
【0044】
上記第1及び第2の実施例では、PZT膜を形成する場合の方法を示したが、その他のABO形強誘電体薄膜を形成する場合にも、同様の方法が適用可能であろう。ABO形強誘電体材料の例として、PZT以外に、(Pb,La)(zR,Ti)O、(Pb,La,Ca)(Zr,Ti)O、(Pb,La,Ca,Sr)(Zr,Ti)O等が挙げられる。
【0045】
図5に、本発明の第1〜第3の実施例による製造方法で使用されるCVD装置の基板保持台に埋め込まれたヒータの平面図を示す。円形の基板保持台の中心近傍から外周に向かって、渦巻き状に電熱線20が配置されている。電熱線20の内周側の端部に内周側電極21が接続され、外周側の端部に外周側電極22が接続されている。内周側端部と外周側端部との間の所定の位置に、中間電極23が接続されている。
【0046】
内周側電極21と中間電極23との間に印加する電圧と、外周側電極22と中間電極23との間に印加する電圧とを独立に制御することができるため、中間電極23よりも内周側の電熱線からの発熱量と、中間電極23よりも外周側の電熱線からの発熱量とを独立に制御することが可能になる。
【0047】
半導体基板を均一に加熱すると、中心部の温度が外周部の温度よりも高くなる傾向がある。このため、中間電極23と外周側電極22との間を流れる電流を、中間電極23と内周側電極21との間を流れる電流よりも多くして、外周側の発熱量を多くすることにより、半導体基板の温度の面内分布を均一に近づけることができる。
【0048】
図6を参照して、実施例による不揮発性半導体メモリの製造方法について説明する。
図6(A)に示すように、シリコン基板30の表層部に、シャロートレンチアイソレーション(STI)により素子分離絶縁膜31を形成する。素子分離絶縁膜31により活性領域が画定される。活性領域上に、周知の方法により、MOSFET32を形成する。MOSFET32は、n型のソース領域32S、n型のドレイン領域32D、ゲート酸化膜32I、及びゲート電極32Gにより構成される。
【0049】
MOSFET32を覆うように、シリコン基板30の上に、CVDにより酸化シリコンからなる第1層目の層間絶縁膜35を形成する。化学機械研磨(CMP)を行い、層間絶縁膜35の表面を平坦化する。層間絶縁膜35を貫通し、ソース領域32Sまで達するコンタクトホール36を形成する。このコンタクトホール36内に、タングステンからなる導電性プラグ37を埋め込む。なお、必要に応じて、TiN等のバリアメタル層を形成してもよい。
【0050】
層間絶縁膜35の上に、スパッタリングによりタングステン膜を形成し、このタングステン膜をパターニングして、ビット線38を形成する。ビット線38は、導電性プラグ36を介してソース領域32Sに電気的に接続される。
【0051】
図6(B)に示すように、第1層目の層間絶縁膜35の上に、CVDにより酸化シリコンからなる第2層目の層間絶縁膜40を形成する。第1層目の層間絶縁膜35及び第2層目の層間絶縁膜40を貫通し、ドレイン領域32Dまで達するコンタクトホール41を形成する。コンタクトホール41内に、タングステンからなる導電性プラグ42を埋め込む。なお、必要に応じて、TiN等のバリアメタル層を形成してもよい。
【0052】
第2層目の層間絶縁膜40の上に、スパッタリングにより、イリジウム(Ir)からなる下部電極層50を形成する。下部電極層50の上に、MOCVDにより、PZTからなるキャパシタ誘電体層51を形成する。キャパシタ誘電体層51は、前述の第1〜第3の実施例による方法で形成する。キャパシタ誘電体層51の上に、白金(Pt)、イリジウム(Ir)、または酸化イリジウム(IrO)からなる上部電極層52を形成する。
【0053】
図6(C)に示すように、下部電極層50、キャパシタ誘電体層51、及び上部電極層52をパターニングして、下部電極50a、キャパシタ誘電体膜51a、及び上部電極52aからなる強誘電体キャパシタ55を形成する。強誘電体キャパシタ55の下部電極50aは、導電性プラグ42を介してドレイン領域32Dに電気的に接続されている。
【0054】
PZTからなるキャパシタ誘電体膜51aの強誘電特性の、シリコン基板30の面内に関するばらつきを抑制することができるため、強誘電体キャパシタ55の特性を揃えることができる。これにより、歩留まりの向上を図ることが可能になる。
【0055】
図7に、金属強誘電体半導体(MFS)型不揮発性メモリの一つのセルの断面図を示す。シリコン基板60の表層部に素子分離絶縁膜61が形成され、活性領域が画定されている。活性領域内に、MFS型FET62が形成されている。MFS型FETは、基板表層部のチャネル領域の両側に配置されたソース領域62Sとドレイン領域62D、チャネル領域の上に形成された強誘電体材料からなるゲート絶縁膜62I、及びその上に形成されたゲート電極62Gを含んで構成される。
【0056】
ゲート絶縁膜62Iを形成するときに、上記第1〜第3の実施例による方法を採用することにより、ゲート絶縁膜62Iの強誘電特性のばらつきを抑えることができる。
【0057】
1枚の半導体基板上に形成されたすべてのチップの動作を保証するために、強誘電体膜の残留分極のばらつきを6%以下とすることが好ましい。このために、強誘電体膜形成時の基板の温度の面内のばらつき(基板面内の温度の最高値と最低値との差)を4°以下とすることが好ましい。
【0058】
以上実施例に沿って本発明を説明したが、本発明はこれらに制限されるものではない。例えば、種々の変更、改良、組み合わせ等が可能なことは当業者に自明であろう。
【0059】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、基板の面内の温度分布を制御して強誘電体膜を形成することにより、組成比のばらつきや、残留分極のばらつきを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例による強誘電体膜を形成するCVD装置の概略図である。
【図2】PZTの組成比と基板温度との関係を示すグラフである。
【図3】PZTの分極量と組成比との関係を示すグラフである。
【図4】PZTに分極量と基板温度との関係を示すグラフである。
【図5】実施例による強誘電体膜の作製方法で使用されるCVD装置の基板保持台に内蔵されたヒータの平面図である。
【図6】強誘電体キャパシタを用いた不揮発性半導体メモリの製造方法を説明するための1つのセル部分の断面図である。
【図7】MFS型FETの断面図である。
【符号の説明】
1、2、3 原料容器
4、5、6 液体マスフローコントローラ
7 気化器
8、9 配管
10 ガス混合器
11 成膜室
12 基板
13 排気管
14 基板保持台
20 電熱線
21 内周側電極
22 外周側電極
23 中間電極
30、60 半導体基板
31、61 素子分離絶縁膜
32 MOSFET
35、40 層間絶縁膜
36、41 コンタクトホール
37、42 導電性プラグ
38 ビット線
50 下部電極層
51 キャパシタ誘電体層
52 上部電極層
55 強誘電体キャパシタ
62 MFS型FET

Claims (10)

  1. (a1)基板上に形成されるABO形強誘電体材料からなる薄膜の残留分極の大きさの面内のばらつきの上限値ΔQMAX〔%〕を決定する工程と、
    (a2)基板を、前記強誘電体材料の結晶化温度以上まで加熱するとともに、基板面内の温度の最高値と最低値との差が0.7×ΔQMAX〔°〕以下になるように制御する工程と、
    (a3)前記基板の面内の温度の最高値と最低値との差が0.7×ΔQMAX〔°〕以下になるように制御された状態で、前記基板上に前記薄膜の原料ガスを供給し、該薄膜を形成する工程と
    を有する強誘電体膜の作製方法。
  2. 前記工程(a2)が、
    基板保持面が少なくとも2つの発熱領域に区分され、発熱領域ごとに発熱量を独立に制御することができる基板保持台の該基板保持面上に前記基板を保持する工程と、
    前記基板面内の温度の最高値と最低値との差が0.7×ΔQMAX〔°〕以下になるように、前記基板保持台の各発熱領域からの発熱量を調節する工程と
    を含む請求項1に記載の強誘電体膜の作製方法。
  3. (b1)基板上に形成されるABO形強誘電体材料からなる薄膜の組成比をAとしたときのx/yのばらつきの上限値ΔDMAX〔%〕を決定する工程と、
    (b2)基板を、前記強誘電体材料の結晶化温度以上まで加熱するとともに、基板面内の温度の最高値と最低値との差が3.5×ΔDMAX〔°〕以下になるように制御する工程と、
    (b3)前記基板の面内の温度の最高値と最低値との差が3.5×ΔDMAX〔°〕以下になるように制御された状態で、前記基板上に前記薄膜の原料ガスを供給し、該薄膜を形成する工程と
    を有する強誘電体膜の作製方法。
  4. 前記工程(b2)が、
    基板保持面が少なくとも2つの発熱領域に区分され、発熱領域ごとに発熱量を独立に制御することができる基板保持台の該基板保持面上に前記基板を保持する工程と、
    前記基板面内の温度の最高値と最低値との差が3.5×ΔDMAX〔°〕以下になるように、前記基板保持台の各発熱領域からの発熱量を調節する工程と
    を含む請求項3に記載の強誘電体膜の作製方法。
  5. 前記ABO形強誘電体材料がPb(Zr,Ti)Oである請求項1〜4のいずれかに記載の強誘電体膜の作製方法。
  6. (c1)基板上に形成されるPb(Zr,Ti)Oからなる薄膜の組成比をPb(ZrTi1−Z)OとしたときのZrの組成比Zのばらつきの上限値ΔZMAX〔%〕を決定する工程と、
    (c2)基板を、前記強誘電体材料の結晶化温度以上まで加熱するとともに、基板面内の温度の最高値と最低値との差が1.5×ΔZMAX〔°〕以下になるように制御する工程と、
    (c3)前記基板の面内の温度の最高値と最低値との差が1.5×ΔZMAX〔°〕以下になるように制御された状態で、前記基板上に前記薄膜の原料ガスを供給し、該薄膜を形成する工程と
    を有する強誘電体膜の作製方法。
  7. 前記工程(c2)が、
    基板保持面が少なくとも2つの発熱領域に区分され、発熱領域ごとに発熱量を独立に制御することができる基板保持台の該基板保持面上に前記基板を保持する工程と、
    前記基板面内の温度の最高値と最低値との差が1.5×ΔZMAX〔°〕以下になるように、前記基板保持台の各発熱領域からの発熱量を調節する工程と
    を含む請求項6に記載の強誘電体膜の作製方法。
  8. 半導体基板の表層部のチャネル領域を挟んで形成された第1及び第2の不純物拡散領域と、該チャネル領域を流れる電流を制御する制御電極とを有するトランジスタを複数個形成する工程と、
    前記トランジスタを覆うように層間絶縁膜を形成する工程と、
    前記層間絶縁膜を貫通し、前記トランジスタの各々の第1の不純物拡散領域まで達するコンタクトホールを形成する工程と、
    前記コンタクトホール内を経由して前記トランジスタの第1の不純物拡散領域に電気的に接続された下部電極層を形成する工程と、
    前記下部電極層の上に、ABO形強誘電体材料からなる強誘電体膜を形成する工程と、
    前記強誘電体膜の上に上部電極層を形成する工程と、
    前記下部電極層、強誘電体膜、及び上部電極層をパターニングすることにより、前記トランジスタの各々に対応して配置され、該下部電極層、強誘電体膜、及び上部電極層が積層された強誘電体キャパシタを形成する工程と
    を有し、前記強誘電体膜を形成する工程が、
    前記半導体基板を、前記強誘電体材料の結晶化温度以上まで加熱するとともに、基板面内の温度の最高値と最低値との差が4°以下になるように制御する工程と、
    前記半導体基板の面内の温度の最高値と最低値との差が4°以下になるように制御された状態で、前記半導体基板上に前記強誘電体膜の原料ガスを供給し、該強誘電体膜を形成する工程と
    を含む半導体装置の製造方法。
  9. 前記強誘電体膜を形成する工程が、
    基板保持面が少なくとも2つの発熱領域に区分され、発熱領域ごとに発熱量を独立に制御することができる基板保持台の該基板保持面上に前記半導体基板を保持する工程と、
    前記半導体基板の面内の温度の最高値と最低値との差が4°以下になるように、前記基板保持台の各発熱領域からの発熱量を調節する工程と
    を含む請求項8に記載の半導体装置の製造方法。
  10. 前記ABO形強誘電体材料が、Pb(Zr,Ti)Oである請求項8または9に記載の半導体装置の製造方法。
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