JP2004071529A - カラー受像管装置 - Google Patents

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Etsuji Tagami
田上 悦司
Hiroshi Sakurai
櫻井 浩
Kazuo Nakano
中野 和雄
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

【課題】低コスト、低消費電力でコンバーゼンス調整を行なうことが可能なカラー受像管装置を提供する。
【解決手段】水平方向コンバーゼンス調整のための静止4極磁界を発生させる一対の磁束発生手段151、152を電子ビームの上下方向に設け、垂直方向の偏向に同期して、電子ビームが近づく側の一方の磁束発生手段により発生する磁界1512、1522を減少させる。
【選択図】     図4

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の陰極がインライン配列された電子銃から放出される複数の電子ビームを偏向させ、蛍光体スクリーン上にカラー画像を表示させるカラー受像管装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
赤(R)、緑(G)、青(B)の各色に対応した陰極が水平方向に並べて配置されるインライン型電子銃を備えるカラー受像管装置では、電子銃から放出される三本の電子ビームが蛍光体スクリーン上の適切な位置で重なり合う(これをコンバーゼンスという。)必要がある。コンバーゼンスの方法として一般的に用いられている方法として、セルフコンバーゼンスやダイナミックコンバーゼンスがある一方、各種ミスコンバーゼンスの補正のための技術も種々考案されているところである。
【0003】
係る各種ミスコンバーゼンスの補正手段の一つとして、偏向ヨークの電子銃側に設けた4極コイルに水平偏向電流を整流して流す水平偏向同期のダイナミックコンバーゼンス技術が利用されている(例えば、非特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開昭64−65753号公報
【0005】
【特許文献2】
特開平10−12158号公報
【0006】
【特許文献3】
特開平5−94782号公報
【0007】
【特許文献4】
特開平2−239545号公報
【0008】
【特許文献5】
特開2001−43815号公報
【0009】
【非特許文献1】
Proceedings of the SID, Vol. 31/3, 1990 P.205 DEFLECTION YOKE FOR SUPER−FINE−PITCH 20−in.(19V) IN−LINE COLOR CRT (TRINITRON)
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような水平偏向同期のダイナミックコンバーゼンス技術では、高周波の水平偏向電流を整流する必要性等から製造コストの増大や消費電力の増加という問題点を有していた。
本発明は、上記のような問題点に鑑みてなされたものであって、低コスト、低消費電力でのコンバーゼンスを可能とするカラー受像管装置を提供することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明に係る第1のカラー受像管装置は、インライン配列された電子銃から放出される三本の電子ビームを、水平偏向コイルと垂直偏向コイルとコアとを含む偏向ヨークを用いて偏向させ、蛍光体スクリーン上にカラー画像を表示させるカラー受像管装置において、前記水平偏向コイル及び前記垂直偏向コイルによる偏向磁界の作用する偏向磁界領域の電子銃側端部から前記蛍光体スクリーンまでの間に、垂直方向磁界成分と水平方向磁界成分とを有し、かつ、前記垂直方向磁界成分が前記三本の電子ビームを水平方向に収束又は発散させる作用を有する4極磁界と、垂直偏向に応じて、前記4極磁界の前記水平方向磁界成分の少なくとも一部を相殺する補助磁界とを発生させることを特徴としている。
【0012】
上記の発明の構成では、コンバーゼンスに4極磁界を用いる。4極磁界は、例えば定常電流を通電したコイルやマグネットなどにより発生させることができるため、低コスト、低消費電力のコンバーゼンスを行なうことが可能であるが、電子ビームの垂直偏向の度合いによっては、4極磁界の水平方向磁界成分の影響が無視できない場合が生じ得ることから、補助磁界により当該水平方向磁界成分の影響を相殺するようにしたものである。
【0013】
具体的には、前記4極磁界を形成する磁束を発生させる4極磁界発生手段と、前記補助磁界を形成する磁束を発生させる補助磁界発生手段とを有し、前記補助磁界発生手段は、前記三本の電子ビームが垂直偏向されているとき、垂直方向の中央に対し前記三本の電子ビームが存在する側において、前記4極磁界発生手段により生じる磁束の一部を相殺するような磁束を発生させるようにすることができる。ここで、前記補助磁界発生手段は電磁コイルを含むものとすることができる。
【0014】
また、本発明に係る第2のカラー受像管装置は、インライン配列された電子銃から放出される三本の電子ビームを、水平偏向コイルと垂直偏向コイルとコアとを含む偏向ヨークを用いて偏向させ、蛍光体スクリーン上にカラー画像を表示させるカラー受像管装置において、前記水平偏向コイル及び前記垂直偏向コイルによる偏向磁界の作用する偏向磁界領域の電子銃側端部から前記蛍光体スクリーンまでの間に、垂直偏向磁界成分と水平方向磁界成分とを有し、かつ、前記垂直方向磁界成分が前記三本の電子ビームを水平方向に収束又は発散させる作用を有する4極磁界を発生させ、垂直偏向に応じて、前記4極磁界の前記水平方向磁界成分を弱めることを特徴としている。
【0015】
具体的には、前記4極磁界を形成する磁束を発生させる4極磁界発生手段を有し、前記三本の電子ビームが垂直偏向されているとき、垂直方向の中央に対し前記三本の電子ビームが存在する側において、前記三本の電子ビームが存在しない側よりも前記4極磁界発生手段により生じる磁束が弱いものとすることができる。
【0016】
なお、前記4極磁界発生手段は、電磁コイルを含むことができるが、マグネットを含むようにしてもよい。マグネットを含む場合は、4極磁界発生手段に電磁コイルも含め、芯部材をマグネットとしてもよいし、4極磁界発生手段をマグネットのみで構成し、電磁コイルは設けない構成としてもよい。
また、前記4極磁界発生手段は、マグネットと磁性体部材が組み合わされた構造体を含むことが好ましい。4極磁界発生手段としてマグネットを用いた場合であって、特に補助磁界の発生のためや、磁界成分を弱めるために電磁コイルを用いた場合、単にマグネットに当該電磁コイルを巻回したものとすると電磁コイルによる作用の効率が低下するため、補助磁界の発生等に用いる電磁コイルの芯部材としてマグネット以外の磁性体部材が機能することが好ましいからである。
【0017】
また、前記4極磁界発生手段及び/又は前記補助磁界発生手段は、前記偏向磁界領域の電子銃側端部から前記蛍光体スクリーンまでの間に所定の磁界を発生させるよう、管軸方向において複数の位置に分割して設けられているものとすることもできる。
さらに、前記4極磁界発生手段及び/又は前記補助磁界発生手段は、電磁コイルの芯部材、マグネット、及びマグネットを含む構造体の少なくとも一を含み、当該芯部材、マグネット、構造体の形状は、前記カラー受像管装置に含まれるガラスバルブに沿う形状とされていることが好ましい。発生させるべき所定の磁界の電子ビームに対する作用の効率を向上させることができるからである。
【0018】
なお、本発明に係る第3のカラー受像管装置は、インライン配列された電子銃から放出される三本の電子ビームを、水平偏向コイルと垂直偏向コイルとコアとを含む偏向ヨークを用いて偏向させ、蛍光体スクリーン上にカラー画像を表示させるカラー受像管装置において、前記水平偏向コイル及び前記垂直偏向コイルによる偏向磁界の作用する偏向磁界領域の電子銃側端部から前記蛍光体スクリーンまでの間に、垂直方向磁界成分と水平方向磁界成分とを有し、かつ、前記垂直方向磁界成分が前記三本の電子ビームを水平方向に収束又は発散させる作用を有する所定の磁界を発生させ、当該所定の磁界を水平偏向磁界に重畳させた磁界は、管軸方向から見て、水平方向左右に非対称な磁束密度分布となることを特徴としている。
【0019】
なお、本発明に係る第4のカラー受像管装置は、インライン配列された電子銃から放出される三本の電子ビームを、水平偏向コイルと垂直偏向コイルとコアとを含む偏向ヨークを用いて偏向させ、蛍光体スクリーン上にカラー画像を表示させるカラー受像管装置において、前記水平偏向コイル及び前記垂直偏向コイルによる偏向磁界の作用する偏向磁界領域の電子銃側端部から前記蛍光体スクリーンまでの間に、垂直方向磁界成分と水平方向磁界成分とを有し、かつ、前記垂直方向磁界成分が前記三本の電子ビームを水平方向に収束又は発散させる作用を有する4極磁界を発生させる4極磁界発生手段と、前記前記垂直偏向コイルが発生させる垂直偏向磁界に作用して、垂直偏向磁界が、当該垂直偏向磁界と、垂直偏向と同期して前記4極磁界の前記水平方向磁界成分の少なくとも一部を相殺する仮想的補助磁界との合成磁界となるように変化させる磁性体部材とを備えることを特徴としている。
【0020】
垂直偏向磁界が、仮想的な補助磁界と垂直偏向磁界との合成磁界となるように変化させるための磁性体部材の位置、大きさ等については、例えばガウスメータを用いて磁束密度の測定を行った結果に基づいて最適化することが可能であるし、シミュレーションにより最適化することも可能であろう。
前記磁性体部材は、例えばパーマロイからなるものとすることができるが、これに限定されるわけではない。また、例えば前記4極磁界発生手段は、二つのマグネット及び/又は電磁コイルを含み、一方のN極と他方のS極とを対向させることにより前記4極磁界を発生させるとすることができ、前記二つのマグネット及び/又は電磁コイルは、前記複数の電子ビームが通過する領域の上下にそれぞれ設けられることが好ましい。さらに、前記磁性体部材は、管軸方向において、前記二つのマグネット及び/又は電磁コイルよりも蛍光体スクリーン側に設けられるとすることができる。
【0021】
また、前記4極磁界は、前記水平偏向コイルが発生させる水平偏向磁界の偏向中心付近、あるいは当該偏向中心よりも電子銃寄りに発生するとすることが好ましい。4極磁界によりコンバーゼンスを実現しようとする場合において、4極磁界の収束若しくは発散作用を効率的に電子ビームに与えることができるからである。
【0022】
また、前記偏向磁界領域の電子銃側端部は、前記コアの電子銃側端部であるとすることができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るカラー受像管カラー受像管装置の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
(1)カラー受像管カラー受像管装置の全体構成
図1は、本発明の実施の形態に係るカラー受像管カラー受像管装置の外観を示す側面図である。カラー受像管カラー受像管装置は、内面に蛍光体スクリーンが形成されたパネル部10及びファンネル20で形成された外囲器と、ファンネル20のネック部内に設置され前記蛍光体スクリーンに向けて三本の電子ビームを放出するインライン型の電子銃30と、ファンネル20の外周に装着された偏向ヨーク100などから構成される。なお、本実施の形態では、電子銃30として、水平方向に並んだ三本の電子ビームが互いに平行に管軸に沿って放出されるものを用い、三本の電子ビームが互いに平行に偏向磁界領域(水平偏向コイル及び垂直偏向コイルによる偏向作用がある領域)に入射するようにしている。また、各色の電子ビームの配列は、蛍光体スクリーン側から見て左からB、G、Rの順で並んでいるものとして説明するが、これの配列は変更しても構わない。
【0024】
偏向ヨーク100はファンネル20の内部に偏向磁界を形成して電子銃30から放出された電子ビームを偏向する。図2は、本実施の形態の偏向ヨーク100の構成の一例を示す斜視図である。また、図3は、偏向ヨーク100を、管軸(Z軸)を含み水平方向(X軸方向)に垂直な面で切断した断面の上半分を示す部分断面図である。偏向ヨーク100は、中央側(ファンネル20側)から外に向かって順に設けられた水平偏向コイル110、絶縁枠120、垂直偏向コイル130、フェライトコア140から構成されている。
【0025】
水平偏向コイル110は、導線が鞍状(サドル状)に巻かれてなる1対の水平コイル部110a、110bから成る。水平コイル部110a、110bはそれぞれ中央に窓部111a、111bが向かい合って形成されており、絶縁枠120の内周面に沿ってこれに密接して配置されている。なお、垂直偏向コイル130も水平偏向コイル110と同様に、導線が鞍状に巻かれてなる1対の垂直コイル部からなり、それを取り囲むようにフェライトコア140が設けられている。フェライトコア140は、水平偏向コイル110及び垂直偏向コイル130の磁心等を形成する働きを有する。
【0026】
本実施の形態では、窓部111a、111bに、それぞれ4極磁界発生コイルを備えている。以下、窓部111a内に設けられたコイルを上側コイル151、窓部111b内に設けられたコイルを下側コイル152という。上側コイル151及び下側コイル152により形成される4極磁界の中を三本の電子ビームが通過することで、三本の電子ビームは、蛍光体スクリーン上でコンバーゼンスされるようなレンズ作用を受ける。この作用については後述する。
【0027】
本実施の形態における偏向ヨーク100の各部の設置位置について、図3を参照しながら簡単に説明する。図3では、4極磁界発生コイル(ここでは上側コイル151)のスクリーン側先端位置を管軸(Z軸)上の原点とし、ここでは、カラー受像管のリファレンスラインと呼ばれる偏向中心の位置と一致させた。また、この原点からスクリーン側を正方向、電子銃側を負方向として、水平偏向コイル110はZ=−50〜23mm、垂直偏向コイル130はZ=―50〜10mm、フェライトコア140はZ=―45〜4mmの位置にある。上側コイル151の芯部材はZ=−26〜0mmに位置しており、また、図示していないが下側コイル152の管軸方向位置は上側コイル151とほぼ同じである。4極磁界発生コイルの芯部材はNi系フェライトからなり、その幅は15mmとし、窓部111a、111bにおいて、それぞれ絶縁枠120に埋め込まれて設置されている。(図2では、説明の便宜のため、上側コイル151及び下側コイル152を表示している。)もっとも、必ずしも絶縁枠120に埋め込まれている必要はなく、上側コイル151及び下側コイル152が水平偏向コイル110と絶縁されていればよい。なお、図示されているように、4極磁界発生コイルは管軸方向においてフェライトコア140の電子銃側端部から蛍光体スクリーンまでの間に配置されていることが好ましい。その理由は、フェライトコア140の電子銃側端部よりも蛍光体スクリーン寄りの位置において水平偏向磁界及び垂直偏向磁界が実質的に作用するため、ここで4極磁界を発生させることで、三本の電子ビームは偏向に応じて4極磁界の異なる位置を通過し、結果的に偏向に応じた適切なレンズ作用を受けるからである。
【0028】
水平偏向コイル110には、水平偏向周波数に対応したのこぎり波水平偏向電流が通電される。これに伴い水平偏向コイル110は、ファンネル20内に垂直方向の磁界を発生し、電子ビームを水平方向に偏向する。垂直偏向コイル130には、垂直偏向周波数に対応したのこぎり波垂直偏向電流が通電され、これに伴い、ファンネル20内に水平方向の磁界を発生し、電子ビームを垂直方向に偏向する。
【0029】
なお、本実施の形態では、水平偏向コイル110及び垂直偏向コイル130により生じる偏向磁界は、それぞれ略斉一磁界としている。なお、略斉一磁界とは、水平偏向磁界に関しては、水平偏向磁界の垂直方向成分の磁束密度が、水平方向の変位に拘らず管軸方向の変位ごとにほぼ一定であることをいい、また、垂直偏向磁界に関しては、垂直偏向磁界の水平方向成分の磁束密度が、垂直方向の変位に拘らず管軸方向の変位ごとにほぼ一定であることをいう。
【0030】
偏向磁界としてこのような略斉一磁界を用いると、偏向磁界の歪みがほとんどない状態となるので、電子ビームが偏向磁界によるレンズ作用を受けることがない。このため、電子ビームスポット形状の歪みが生じず、高い解像度を実現することができる。また、本実施の形態では、実質的な偏向磁界領域の電子銃側端部(具体的には、偏向ヨークのフェライトコア140の電子銃側端部となる。)に入射する際の三本の電子ビームを互いに平行としている。
【0031】
このように、略斉一磁界の偏向磁界とし、かつ偏向磁界領域に入射する際の三本の電子ビームを互いに平行とすることにより、蛍光体スクリーン上での三本の電子ビームは、水平方向には相互ずれがあるが垂直方向への相互ずれがほとんどない状態となる。このため、水平方向のずれを調整すれば容易にコンバーゼンスさせることができる。
【0032】
以下、4極磁界発生コイルの構成について説明する。
図4は、上側コイル151と下側コイル152とこれらの間を通過する三本の電子ビーム(R、G、B)とを蛍光体スクリーンの側から見た図である。本実施の形態では、上側コイル151及び下側コイル152は、それぞれ別の芯部材に2種類の導線が巻かれて構成されている。上側コイル151の芯部材には4極磁界発生用の導線40と補助磁界発生用の導線41とが重なって巻回され、下側コイル152の芯部材には4極磁界発生用の導線50と補助磁界発生用の導線51とが重なって巻回されている。導線の巻数はいずれも等しく、ここでは100巻きとしている。また、4極磁界発生用の導線と補助磁界発生用の導線とは絶縁されている。
【0033】
このような4極磁界発生コイルにおいて、4極磁界発生用の導線40、50には定常電流が通電され、補助磁界発生用の導線41、51には垂直偏向電流に同期した電流が通電される。
図5は、垂直偏向による導線の電流値変化を簡単に示す図である。同図において、IDCは上下コイルそれぞれに巻回された4極磁界発生用の導線40、50に通電される電流を示し、IUは上側コイル151に巻回された補助磁界発生用の導線41に通電される電流を示し、IBは下側コイル152に巻回された補助磁界発生用の導線51に通電される電流を示す。
【0034】
同図からわかるように、導線40、50には定常電流が与えられており、ここではこれを正の値とする。導線41、51は垂直偏向がなされていないときは通電されない。上方向に垂直偏向される場合には、偏向に応じて上側コイル151の導線41には負の電流が、下側コイル152の導線51には正の電流が与えられ、その絶対値は徐々に増加し、上方向の偏向が最大のとき(ここでは図の左端を指す)には、導線41、51の電流の絶対値が最大となる。また、下方向に垂直偏向される場合には、偏向に応じて下側コイル152の導線51には負の電流が、上側コイル151の導線41には正の電流が与えられ、その絶対値は徐々に増加し、下方向の偏向が最大のとき(ここでは図の右端を指す)には、導線41、51の電流の絶対値が最大となる。
【0035】
なお、垂直偏向周波数は数十Hz程度という低い値であるので、これに同期させた電流を上下コイルの導線41、51に与えることは、高い消費電力や複雑な回路構成を招くことなく容易に実現できる。
次に、このように構成した4極磁界発生コイルの作用について説明する。
まず、三本の電子ビームが垂直偏向されていないときについて述べる。
【0036】
垂直偏向されないときは導線41、51には電流が流れないので、実質的に、4極磁界発生コイルは、芯部材と導線40、50だけで構成される電磁コイルとして機能する。このとき発生する磁界は4極磁界となるが、本実施の形態では、図4に示すように、上側コイル151のN極と下側コイル152のS極とが水平方向右側で対向し、上側コイル151のS極と下側コイル152のN極とが水平方向左側で対向するような4極磁界となるようにする。このようにすると、上側コイル151のN極から下側コイル152のS極へと向かう垂直方向磁界成分1511、及び下側コイル152のN極から上側コイル151のS極へと向かう垂直方向磁界成分1521によって、電子ビームは水平方向の力の作用を受ける。
【0037】
この4極磁界の垂直方向磁界成分は、その磁束密度をByとすると、図6に示すように水平方向の位置に応じた磁束密度分布を有している。この分布において、Xは管軸からの水平方向の変位を示す。磁束密度の絶対値のピーク1515及び1525の位置は、磁極の発生する位置とは完全には一致していないもののその近傍に生じる。厳密なピーク位置は4極磁界発生コイルの芯部材の形状(磁束の噴き出し形状)等によっても変化し得る。三本の電子ビームは、偏向時にもこの2つのピーク間を通過し、偏向作用に応じて通過位置が変わる。
【0038】
三本の電子ビームが磁界の中央部にあるとき、つまり垂直偏向磁界及び水平偏向磁界による偏向作用のない場合(図4で示すように三本の電子ビームのうち中央の電子ビーム(G)が中央にある場合)には、三本の電子ビームのうち中央の電子ビームは図6のX=0に対応するため4極磁界の影響を受けず、また、両外側の電子ビーム(B、R)はそれぞれ正負が逆で強度がほぼ同じである4極磁界の垂直方向磁界成分によって中央の電子ビームに近づく方向の力を受けるので、三本の電子ビームは水平方向の収束作用を受けてコンバーゼンスされることになる。つまり、4極磁界によってこのような水平方向収束作用をもつ磁界レンズが発生するということができる。
【0039】
また、電子ビームが水平偏向された場合には、4極磁界が偏向磁界領域の電子銃側端部よりも蛍光体スクリーン側にあるため、偏向されると電子ビームが4極磁界を通る位置が変わる。このため、三本の電子ビームにはそれぞれ異なる強さの4極磁界が影響し、結果的に、水平偏向磁界の偏向作用が働いていない場合に比べて三本の電子ビームが受ける水平方向収束作用は弱くなる。この磁界レンズの水平方向収束作用は、電子ビームに作用する領域において、中央から水平方向周辺に行くほど弱い分布となる。つまり、発生する磁界レンズが、中央から水平方向周辺へ行くほど水平方向収束作用が弱くなるレンズ強度分布を有していると言える。三本の電子ビームは、水平方向に偏向されるほど、磁界レンズの水平方向収束作用の弱い位置を通過するので、中央よりも水平方向周辺ほど弱い水平方向収束作用を受ける。
【0040】
このようにすることにより、蛍光体スクリーンの水平方向周辺部では、蛍光体スクリーンの中央と比べて、三本の電子ビームをより遠くでコンバーゼンスさせることができる。このため、電子銃から蛍光体スクリーンまでの距離が蛍光体スクリーンの中央部よりも周辺部で遠いカラー受像管を、図7に示すような「正のXHミスコンバーゼンス」と呼ばれる水平方向のずれが発生することなく、的確にコンバーゼンスさせることができる。しかも、このような作用を磁界レンズの強度分布で実現しているので、例えば水平偏向に同期させて磁界レンズの水平方向収束作用を可変とする必要がない。
【0041】
なお、本発明の実施の形態では、上側コイル151及び下側コイル152により発生させる磁界により、当該磁界を水平偏向磁界に重畳させた磁界の垂直方向磁界成分の磁束密度分布を管軸上から見た場合、管軸を中心として水平方向左右に非対称な磁束密度分布となる。このように非対称な磁束密度分布となることにより、例えば上記の如きレンズ作用等が発揮され、コンバーゼンス調整が実現される。これは通常の水平偏向磁界の磁束密度分布が左右対称であるのと比較して、本願発明における磁界が著しく異なる点であり、即ち、本願発明のようなコンバーゼンス調整を行うための磁界は4極磁界に限定されるわけではないと言える。
【0042】
次に、垂直偏向がなされた場合について述べる。
垂直偏向された場合にも、前述の水平偏向の場合と同様に、電子銃から蛍光体スクリーンまでの距離は蛍光体スクリーンの中央部よりも遠くなるので、的確にコンバーゼンスさせるためには、やはり4極磁界による三本の電子ビームの水平方向収束作用を垂直偏向に応じて弱めることを行なう必要がある。しかしながら、垂直偏向に応じて単に前述の4極磁界全体を弱めるだけではコンバーゼンスを実現できないという課題がある。これを簡単に説明する。
【0043】
図4に示す4極磁界は、前述のような上側コイル151の磁極と下側コイル152の磁極との間の垂直方向磁界成分1511、1521の他に、同一コイルの両磁極間に発生する水平方向磁界成分1512、1522を有する。垂直偏向がなされると三本の電子ビームは上下どちらかのコイルに近づき、この水平方向磁界成分1512または1522による作用を受けることになる。水平方向磁界成分1512は電子ビームに上方向の力の作用を与え、また、水平方向磁界成分1522は電子ビームに下方向の力の作用を与える。
【0044】
ここで、三本の電子ビームが垂直偏向された場合には、これらの水平方向磁界成分により、三本の電子ビームはそれぞれ異なる方向の力の作用を受けやすい。この結果、垂直偏向に応じて、三本の電子ビームを水平方向に収束する力が新たに付随されてしまったり、三本の電子ビームが垂直方向にずれる力が発生してしまう。このため、蛍光体スクリーンの上下部において、三本の電子ビームの収束点が蛍光体スクリーンよりも近く(電子銃側)に位置して(これをオーバーコンバーゼンス状態という。)、図8に示す「正のYHミスコンバーゼンス」と呼ばれるような水平方向のミスコンバーゼンスが生じたり、蛍光体スクリーンのコーナー部において、図9に示す「正のPQVミスコンバーゼンス」と呼ばれるような垂直方向のミスコンバーゼンスが生じてしまう。
【0045】
この場合、正のYHミスコンバーゼンスを抑えることができる程度まで4極磁界を弱めても、正のPQVミスコンバーゼンスは残留してしまうものであり、また、逆に、正のPQVミスコンバーゼンスを抑えることができる程度まで4極磁界を弱めると、蛍光体スクリーンの上下において、三本の電子ビームの収束点が蛍光体スクリーンよりも遠くに位置して(これをアンダーコンバーゼンス状態という。)、図10に示す「負のYHミスコンバーゼンス」と呼ばれるような水平方向のミスコンバーゼンスが生じてしまう。なぜなら、垂直偏向に応じて単純に4極磁界全体を弱めるだけでは、水平方向磁界成分も垂直方向磁界成分も同じように弱められてしまうからである。
【0046】
本発明は、特に水平方向磁界成分を積極的に弱めることで、このようなミスコンバーゼンスを抑制する技術である。本実施の形態では、4極磁界発生コイルとして、4極磁界発生用の導線40、50の他に補助磁界発生用の導線41、51を巻回したものを用い、これらの導線に流す電流を規定する構成とし、これにより、4極磁界の水平方向磁界成分を弱めている。以下、その詳細について説明する。
【0047】
図4に示したように、本実施の形態では、上側コイル151及び下側コイル152に4極磁界発生のための導線40、50に加えて、補助磁界発生のための導線41及び51を重ねて巻回している。前記したように、4極磁界発生のための導線40、50には定常電流が通電されるが、補助磁界発生のための導線41、51には、垂直偏向電流に同期した電流が通電される。
【0048】
ここで、説明上、導線40、50は考慮に入れず、単に、芯部材と導線41、51とのみから構成される磁界を考える。上方向に偏向される場合には、本実施の形態では、導線41、51に電流を流す際に発生する磁極が、図11に示すように、上側コイル151のS極と下側コイル152のS極とが水平方向右側で対向し、上側コイル151のN極と下側コイル152のN極とが水平方向左側で対向するような構成とする。このようにすると、実線矢印で示す仮想6極磁界と、破線矢印で示す仮想2極磁界とを複合した磁界(ここでは、「2極/6極複合補助磁界」という。)が発生する。
【0049】
垂直偏向がなされると、実際には、図4を用いて説明した前述の4極磁界に、この2極/6極複合補助磁界が重ねられることになる。ここで、各導線に流れる電流は図5の説明で述べた通りであるので、このように磁界が重ねられることにより、例えば、上方向に偏向されると、垂直偏向に応じて図4で示した水平方向磁界成分1512が徐々に軽減されるような現象が生じ、また、下方向に偏向されると、垂直偏向に応じて図4で示した水平方向磁界成分1522が徐々に軽減されるような現象が生じる。なお、このとき、垂直方向磁界成分1511、1521も垂直方向に応じて弱められるが、図5に示されるように下側コイル152に巻回された導線51への通電量が増加していることもあって(上偏向の場合)、その弱まりの程度は水平方向磁界成分よりも小さい。
【0050】
これにより、垂直偏向されても三本の電子ビームが水平方向磁界成分1512または1522による上下方向の力の作用を受けず、その上、垂直方向磁界成分1511、1521による水平方向収束作用は適度に弱められた状態で存在するので、前述のようなYHミスコンバーゼンスやPQVミスコンバーゼンスが生じず、的確なコンバーゼンスを実現できる。
【0051】
なお、本実施の形態では、導線40、50に定常電流を通電するようにしたが、通電する電流について微調整を行うようにしてもよい。また、本実施の形態のように4極磁界に補助磁界を重畳することにより4極磁界の水平方向磁界成分を軽減しようとする場合には、導線40、50により生じる磁束に対応する磁束を発生させるマグネットを用いるようにしてもよい。この場合、図5に示す定常電流IDCを流す必要は無くなるが、マグネットに導線を巻回して微調整するようにしてもよい。また、本実施の形態では上側コイル151に巻回される導線40と下側コイル152に巻回される導線50とは、別の導線として表したが、両者共に同一の定常電流が通電されるのであれば、同一の導線を用いてもよい。
【0052】
(実施の形態2)
上記第1の実施の形態では、三本の電子ビームが平行に偏向磁界領域に入射し、偏向磁界が略斉一磁界であるカラー受像管のコンバーゼンスについて説明した。この場合、4極磁界がない状態では蛍光体スクリーンの中央部及び周辺部では三本の電子ビームはアンダーコンバーゼンス状態となるので、これをコンバーゼンスさせるために4極磁界は水平方向収束作用をもたす構成とした。
【0053】
ところで、本発明の適用範囲は、三本の電子ビームが平行であって偏向磁界が略斉一磁界であるカラー受像管に限ったものでなく、三本の電子ビームが必ずしも平行でないものや、偏向磁界がなんらかの歪みを持っているカラー受像管にも適用可能である。このように電子ビームの向きや偏向磁界の歪みに特徴を持つカラー受像管の中には、4極磁界がない状態では蛍光体スクリーンの中央部で顕著に三本の電子ビームがオーバーコンバーゼンス状態となるものもある。本実施の形態では、このような場合にコンバーゼンスさせる技術について説明する。
【0054】
図12は、本実施の形態の4極磁界の状態を示す図であり、第1の実施の形態の図4に対応するものである。同図に示されるように、本実施の形態では、上側コイル151及び下側コイル152のそれぞれにおいて、第1の実施の形態とはN極とS極とが逆向きとなっており、4極磁界の垂直方向磁界成分1513及び1523により電子ビームに対して水平方向発散作用が働く。このため、前述した蛍光体スクリーンの中央部でのオーバーコンバーゼンス状態を修正することができる。このとき、水平方向発散作用の程度は水平偏向に応じて弱まるようになっているため、水平方向周辺で電子ビームが発散作用を受けることによる「負のXHミスコンバーゼンス」(図13参照)と呼ばれる水平方向のずれを防止することができ、水平偏向に応じて三本の電子ビームを的確にコンバーゼンスさせることができる。
【0055】
ただし、本実施の形態においても、電子ビームが垂直偏向されると4極磁界の水平方向磁界成分1514及び1524が悪影響する。この結果、図10に示した「負のYHミスコンバーゼンス」と呼ばれる水平方向のミスコンバーゼンスや、図14に示す「負のPQVミスコンバーゼンス」と呼ばれる垂直方向のミスコンバーゼンスが生じやすい。
【0056】
この場合、負のYHミスコンバーゼンスを抑えることができる程度まで4極磁界を弱めても、負のPQVミスコンバーゼンスは残留してしまうものであり、また、逆に、負のPQVミスコンバーゼンスを抑えることができる程度まで4極磁界を弱めると、蛍光体スクリーンの上下において、三本の電子ビームの収束点が蛍光体スクリーンよりも電子銃側に位置して図8に示した「正のYHミスコンバーゼンス」と呼ばれるような水平方向のミスコンバーゼンスが生じてしまう。つまり、垂直偏向に応じて単純に4極磁界全体を弱めることだけでコンバーゼンスを実現することは難しい。
【0057】
しかしながら、本実施の形態でも、第1の実施の形態と同様に、垂直偏向に応じて4極磁界の水平方向磁界成分を軽減すべく、4極磁界に補助磁界を重畳することにより、上記したようなミスコンバーゼンスを抑制することができる。本実施の形態の場合は4極磁界の向きが第1の実施の形態とは逆向きとなっているので、補助磁界の向きも逆にする必要があり、また、偏向磁界の相違を考慮して、例えば導線41や導線51の巻数の調整を行う必要がある。なお、4極磁界の水平方向磁界成分を軽減する手法、例えば図5に示した各コイルへの通電状態等については、発生する磁束の向きが逆になるように調整すれば、第1の実施の形態と同様に考えることができるので、ここでの詳細な説明は省略する。
【0058】
さらに、本実施の形態及び第1の実施の形態では、4極磁界発生用の導線と補助磁界発生用の導線とを同一の芯部材に巻回するようにしたが、補助磁界を発生させる方法はこれに限定されず、例えば偏向ヨークに備えられる垂直偏向コイルの近傍位置に、偏向コイルとは別にサドル巻きのコイルを設けるようにしてもよく、また、偏向コイルとは別のトロイダル巻きのコイルを形成して発生させることもできる。なお、補助磁界をこのように別のコイルによって発生させると、上下コイルを2重巻線としなくてよいので、上下コイルのサイズを小さくすることができ、絶縁枠120への埋め込みに便宜である他、上記したような補助磁界の微調整も行い易くなることが期待される。また、さらに、4極磁界を、偏向コイルとは別のトロイダル巻きのコイルを形成して発生させることもできる。
【0059】
(実施の形態3)
上記各実施の形態では、上側コイル151及び下側コイル152に巻回された4極磁界発生用の導線40、50に、補助磁界発生用の導線41、51をそれぞれ重畳して巻回し、導線41、51の通電量の変化によって、垂直偏向に同期して4極磁界の水平方向磁界成分を相殺するようにした。本実施の形態では、このような4極磁界の水平方向磁界成分を、4極磁界発生用の導線そのものの通電量の変化によって抑制する。これについて説明する。
【0060】
図15は、本実施の形態における4極磁界発生コイルの構成及び作用について説明するための図であり、上側コイル151及び下側コイル152の間を通過する三本の電子ビームを蛍光体スクリーンの側から見たものである。同図に示されるように、本実施の形態では、補助磁界発生用の導線を巻回せず、上側コイル151及び下側コイル152として、それぞれ4極磁界発生用の導線42及び導線52を巻回したものを用いる。
【0061】
図16は、本実施の形態における、上側コイル151の導線42及び下側コイル152の導線52への通電状態を表す図である。
同図において、縦軸はコイル電流であり、横軸は垂直偏向の度合いを示すものである。即ち、横軸中央は垂直偏向がなされていない状態を表し、中央から左側の部分は電子ビームが上方向に偏向されている場合、中央から右側の部分は電子ビームが下方向に偏向されている場合を表している。曲線IUは上側コイル151の導線42への通電量、曲線IBは下側コイル152の導線52への通電量である。同図に示されるような通電量とすることにより、電子ビームが上方向に偏向されているときには上側コイル151への通電量は減少し、これにより、4極磁界の水平方向磁界成分1517は垂直偏向に応じて弱められ、偏向が最大のときは僅かにしか発生しない。また、電子ビームが下方向に偏向されると、下側コイル152への通電量は減少し、これにより、4極磁界の水平方向磁界成分1527は垂直偏向に応じて弱められ、偏向が最大のときは僅かにしか発生しない。なお、ここで、上方向の偏向の際は、下側コイル152の通電量が増加し、また、下方向の偏向の際には上側コイル151の通電量が増加するので、垂直方向磁界成分1516、1526も垂直偏向に応じて弱められるものの、その弱められる程度は水平方向磁界成分よりも小さい。
【0062】
これにより、垂直偏向されても三本の電子ビームが水平方向磁界成分1517または1527による上下方向の力の作用を受けず、その上、垂直方向磁界成分1516、1526による水平方向収束作用は適度に弱められた状態で存在するので、第1の実施の形態と同様に、YHミスコンバーゼンスやPQVミスコンバーゼンスが生じず、的確なコンバーゼンスを実現できる。なお、第2の実施の形態で説明したような状況においても、本実施の形態の方法を適用することが容易であることは当然である。
【0063】
<変形例>
以上、本発明を各実施の形態に基づいて説明してきたが、本発明の内容が、上記実施の形態に示された具体例に限定されないことは勿論であり、例えば、次のような変形例を考えることができる。
(1)即ち、上記実施の形態では、4極磁界を発生させるために二つのコイルを電子ビームに対して上下に配置したが、これに限らず、4極磁界を発生させることができる他の構成として、例えば、二つのコイルを電子ビームに対して左右の位置に配置してもよいし、また、四つのコイルを電子ビームに対して対角方向の位置に配置してもよい。ただし、いずれの場合にも、三本の電子ビームが水平方向に収束または発散する力を発生するように磁極が配置される必要があることは言うまでもない。
【0064】
(2)4極磁界や補助磁界を発生させるための上側コイル151等は、例えば図17に示すように、管軸方向において複数の位置に分割して設置することもできる。同図の例では、上側コイル151を電子銃側と蛍光体スクリーン面側との二つに分割しており、Z=−37〜―17の位置に第1の磁束発生手段151a、Z=14〜4の位置に第2の磁束発生手段151bを設けるようにしている。なお、第2の磁束発生手段151bとしては、水平方向に40mm幅のマグネットを用いている。下側コイル152についても同様に適用することができるのは勿論である。
【0065】
このように4極磁界等の発生のための磁束発生手段を分割すると、特に図17に示す第2の磁束発生手段151bのような蛍光体スクリーン面側の磁束発生手段は、上記に説明したXHミスコンバーゼンスを補正する作用に加え、いわゆる上下のピンクッションひずみ(EIAJ ED−2139に規定される偏向ひずみの内、上下の糸巻ひずみ)を補正する作用を発揮する。
【0066】
(3)上記各実施の形態では、上側コイル151及び下側コイル152を絶縁枠120に埋め込んで設置するようにした。しかしながら、特に4極磁界の発生のためにマグネットを用いた場合、当該マグネットの性能にバラツキがあることにより、高精度が要求される4極磁界の位置や磁束密度分布が適切とならない可能性も考えられる。
【0067】
そのような場合に対処するために、上側コイル151や下側コイル152(マグネットを用いる場合を含む。)の設置位置の微調整を行う機構を設けることもできる。図18は、係る微調整機構の構造の一例について説明するための図である。同図は上側コイル151の場合の一例を示すものであるが、下側コイル152についても同様に適用することができる。
【0068】
同図(a)は、絶縁枠120(フェライトコア140は不図示)を上から見た状態を表す模式図、同図(b)は、同図(a)のA−A線矢視断面図である。ここでは、上記に説明したように、上側コイル151を管軸方向二つの位置に分割して設けた場合であって、蛍光体スクリーン面側に設けられたコイル151bについて微調整を可能とした場合について説明する。もっとも、電子銃側のコイル151aにも同様の機構を設けることは可能である。
【0069】
同図の例では、上側コイル151bが、例えば樹脂製の筐体175の内部に格納され、当該筐体175が、窓122が設けられた絶縁枠120と固着される。筐体175内には、板バネ173及び174が設けられ、それぞれネジ171及び172による上側コイル151bへの押圧力に抗する弾性体として作用する。上側コイル151bの位置調整は、例えばカラー受像管カラー受像管装置の製造時、フェライトコア140の取り付け前にネジ171及び172を用いて行うことができる。同図には不図示であるが、導線40等に影響を与えないように、コイルをプラスチック等の絶縁体カバーで覆うことができるし、また、ネジ部分を避けて導線を巻回するようにしてもよい。
【0070】
以上のような機構により、上側コイル151bの垂直方向及び水平方向の位置微調整を行うことができる。この調整により電子ビームに作用する4極磁界の垂直方向及び水平方向の磁束密度分布を調整することが可能である。なお、同図の例では示されていないが、同様の方法により上側コイル151の管軸方向の位置調整を行うことも容易にできる。また、上記の例では、位置調整にネジ171等及び板バネ173等を用いたが、各部材の構成はこれに限定されず、例えば板バネの代わりにゴムなどの弾性材料で形成した板状の部材等を用いてもよい。
【0071】
なお、マグネットのバラツキに対する対策としては、導線40等への通電量の微調整を行うようにしてもよい。例えば、上側コイル151への巻回部分と並列に可変抵抗を設けることにより、上側コイル151への通電量を微調整することが考えられる。
(4)また、上記したように上側コイル151や下側コイル152の芯部材としてマグネットを用いて4極磁界を発生させるようにしてもよいが(消費電力の観点からは、むしろ4極磁界の発生にはマグネットを用いることが好ましい。)、本願発明者らの検討によると、単なるマグネットの中央部分に、例えば補助磁界発生手段としての電磁コイルを巻回した場合、電磁コイルによる作用の効率が好ましくないことがわかった。
【0072】
そこで、さらに本願発明者らが検討した結果、上側コイル151等の芯部材として、図19(a)に一例が示されるようにマグネットと磁性体部材とを組み合わせた構造体を用いることが好ましいことが明らかとなった。同図に示される構造体は、略中央部に設けられたネオジウム系の強力マグネット161の両極端にフェライト材料により形成された磁性体コア162a、162bを固着した構造を有している。
【0073】
同図の例では、マグネット161の水平方向の幅は10mm、磁性体コア162a、162bの水平方向の幅はそれぞれ15mmであり、高さは5mmである。管軸方向(Z軸方向)に相当する方向の長さは記載されていないが、絶縁枠120に埋め込んだ際の設置位置が、例えば図3や図17に示された位置にほぼ一致するように成形される。
【0074】
このような構造体を用いることにより、補助磁界発生手段としての導線41等の芯部材として磁性体コア162a、162bが存在することとなり、単にマグネットに導線を巻回した場合と比較して巻回されたコイルによる作用の効率が向上する。なお、上記に示した各部の寸法は一例にすぎず、マグネットの磁力等に応じて最適化することができる。マグネット161の寸法は、必要な強度が確保できる範囲において、できるだけ小さくして、磁性体コア162a等の体積を大きくするほど、導線41の内側に存在する磁性体コア162a等の体積は大きくなり、それだけ補助磁界等の発生効率は向上すると考えられる。マグネットの種類は特に限定されないが、上記のようにマグネット161を小さくすることが好ましいと考えられることから、図19の例ではネオジウム系の強力なマグネットを用いたものである。
【0075】
なお、マグネット161と磁性体コア162a等との継ぎ目部分からの漏れ磁束の影響を抑制するために、上記構造体の全体を磁性体でカバーするようにしてもよい。また、導線41の内側に磁性体部材が存在すればよい、との考え方に立てば、図19(b)に示すように、マグネット161の周囲を磁性体コア162で巻くような構造体を用いることも可能である。
【0076】
(5)図3や図17等の例では、上側コイル151等の芯部材は、ほぼ板状の形状を有している。しかしながら、実際のカラー受像管カラー受像管装置では、当該カラー受像管装置に含まれるガラスバルブ、とりわけファンネル部の形状は、蛍光体スクリーンに近づくほど広がっていく曲面であるから、上記に説明したような板状の形状では、管軸方向両端はファンネル部に近づけても、その間はファンネル部から遠ざかってしまい、4極磁界や補助磁界の効率の悪化を招来する。
【0077】
従って、上側コイル151等に含まれる芯部材や上記構造体等の形状については、ファンネル部分の形状に沿う形状とすることが好ましい。例えば図19(c)に示されるように(同図の例は、図19(a)に示したようにマグネット161を用いる場合の例であるが、上側コイル151等の芯部材にマグネットを含まない場合も勿論同様に考えることができる。)、芯部材や構造体の形状をファンネル形状に沿うように湾曲させることにより、4極磁界や補助磁界をより効率的に利用することができる。図19(c)の例では、管軸方向に湾曲させた例を示したが、この方向だけでなく、水平方向に湾曲させることも当然可能であるし、具体的な形状は、ガラスバルブの形状に応じて自由に設計することができる。
【0078】
(6)上記実施の形態では、図5及び図16に示されるように、上方向の偏向又は下方向の偏向が最大のときでも、導線41、51の電流の絶対値をIDCの絶対値と同じとはせず(図5)、導線42、52の電流を0とはしなかったが(図16)、導線41、51の電流の絶対値をIDCの絶対値と同じとし、若しくは導線42、52の電流を0としても適切に動作することが確かめられている。
【0079】
(7)上記実施の形態では、4極磁界と、当該4極磁界の水平方向成分を相殺する磁界(補助磁界)とは、管軸方向において略同一の位置に発生するようにしたが、これに限定されず、管軸方向において、4極磁界と異なる位置に補助磁界を発生させてもよいし、補助磁界を発生させる手段を、4極磁界を発生させる手段と、垂直方向において異なる位置に設けることも可能である。
【0080】
(8)上記第1及び第2の実施の形態では、電子ビームの垂直偏向に同期して4極磁界の水平方向成分を相殺するために電磁コイルを用いて前記補助磁界を発生させるようにした。
しかしながら、本願発明者らの検討によると、上記各実施の形態にて説明した本願発明の効果は、垂直偏向磁界中に磁性体部材を配することによっても実現されることが明らかとなっている。以下、当該実施の形態の考え方及び具体的な例について説明する。
【0081】
図20(a)は、上記第1の実施の形態における補助磁界を模式的に示す図であり(図11参照)、図20(b)は、垂直偏向磁界の一例としての略斉一磁界(上偏向時)を模式的に示す図である。これら両者を合成した合成磁界は、例えば図20(c)に示されるような分布を有する磁界となるため、垂直偏向磁界が図20(c)に示されるような磁界となるようにすることにより、本願発明と同様の効果を得ることができると考えられる。
【0082】
本願発明者らは、4極磁界を発生させるための電磁コイル(若しくはマグネット)と管軸方向において異なる位置に、例えばパーマロイから成る磁性体部材157を配することにより(図20(c)の点線部分参照)、垂直偏向磁界が図20(c)に示すような合成磁界となるように変化させることが可能であることに到達した。即ち、磁性体部材157は、垂直偏向磁界の磁力線を吸い込み、電子ビームが垂直偏向された場合において当該電子ビームが通過する位置近辺の磁束密度を減少させる。これは、垂直偏向磁界が、図20(c)に示したような、当該垂直偏向磁界と補助磁界との合成磁界になるように変化することと等価だからである。
【0083】
もっとも、実際に磁性体部材の効果が補助磁界と略同一となるためには、磁性体部材の材質、位置、大きさ等を最適化することが好ましいことは勿論である。この最適化は、例えばガウスメータを用いて磁束密度を測定しながら行うことができるし、シミュレーションによって行うことも可能であろう。以下、磁性体部材を用いた場合の具体的な一実施例について説明する。
【0084】
図21は、磁性体部材を用いた場合の実施例について説明するための図である。同図に示されるように、同図の例では、上側の4極磁界発生手段として用いられるマグネット156がZ=−43.5〜―28.5mmに位置しており、その水平方向の幅は15mm、Y軸方向の厚さは1.5mmとしている。また、パーマロイからなる磁性体部材157は、Z=−17.5〜−12.5mmに位置しており、水平方向の幅は20mm、厚さは1.5mmである。絶縁枠120により、マグネット156や磁性体部材157が水平偏向コイル110と絶縁されている点は、上記の実施の形態と同一である。
【0085】
同図の例においては、ガウスメータにより偏向磁界の磁束密度を測定しながら、磁性体部材を配置した場合の磁束密度分布が、上記実施の形態で説明した補助磁界を用いる場合と略同一となるように、磁性体部材157の大きさ等を調整することにより、上記実施の形態と同一の効果が得られることが確認された。
なお、図20では、垂直偏向磁界が略斉一磁界である場合の例を図示したが、垂直偏向磁界の磁束密度分布は略斉一磁界に限定されず、バレルの場合でも、磁性体部材の大きさ等を調整することにより、適用することは可能である。
【0086】
また、上記の磁性体部材157を設けることにより、水平偏向磁界に影響が生じた場合には、水平偏向磁界を調整するなどの方法により対処してもよい。
【0087】
【発明の効果】
以上のように、本発明に係るカラー受像管装置によれば、例えば4極磁界によりコンバーゼンスを行なうとともに、電子ビームが垂直偏向された場合に、電子ビームが近づく側において、4極磁界の水平方向磁界成分を相殺等させるようにしているので、低コスト、低消費電力でコンバーゼンスを図ることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態におけるカラー受像管装置の外観を示す側面図である。
【図2】本発明の実施の形態の偏向ヨーク100の構成の一例を示す斜視図である。
【図3】偏向ヨーク100を、管軸を含み水平方向(X軸方向)に垂直な面で切断した断面の上半分を示す一部断面図である。
【図4】4極磁界発生コイルの構成及び4極磁界の作用について説明するための図である。
【図5】第1の実施の形態における補助磁界発生用の導線への通電状態を示す図である。
【図6】垂直偏向がなされていない場合における4極磁界の磁束密度分布の一例を示す図である。
【図7】正のXHミスコンバーゼンスのパターン図である。
【図8】正のYHミスコンバーゼンスのパターン図である。
【図9】正のPQVミスコンバーゼンスのパターン図である。
【図10】負のYHミスコンバーゼンスのパターン図である。
【図11】2極/6極複合補助磁界について説明するための図である。
【図12】第2の実施の形態の4極磁界の状態を示す図である。
【図13】負のXHミスコンバーゼンスのパターン図である。
【図14】負のPQVミスコンバーゼンスのパターン図である。
【図15】第3の実施の形態における4極磁界発生コイルの構成及び作用について説明するための図である。
【図16】第3の実施の形態における、上側コイル151の導線42及び下側コイル152の導線52への通電状態を表す図である。
【図17】上側コイル151を管軸方向において複数の位置に分割して設置する場合について説明するための図である。
【図18】上側コイル151の設置位置の微調整機構の構造の一例について説明するための図である。
【図19】(a)マグネットの両極端のそれぞれに磁性体部材を固着した構造体の一例を示す図である。(b)マグネットの周囲を磁性体部材で巻くような構造体の一例を示す図である。(c)芯部材や構造体の形状をガラスバルブ形状に合わせて湾曲させる場合の一例を示す図である。
【図20】垂直偏向磁界中に磁性体部材を配する場合の作用について説明するための図である。
【図21】垂直偏向磁界に磁性体部材を作用させることにより4極磁界の水平方向成分を相殺する場合の具体的な一実施例を示す一部断面図である。
【符号の説明】
10        パネル部
20        ファンネル部
30        電子銃
100        カラー受像管装置
110        水平偏向コイル
120        絶縁枠
130        垂直偏向コイル
140        フェライトコア
151        上側コイル
152        下側コイル
157        磁性体部材
161        マグネット
162        磁性体コア
171、172    ネジ
173、174    板バネ
175        筐体

Claims (17)

  1. インライン配列された電子銃から放出される三本の電子ビームを、水平偏向コイルと垂直偏向コイルとコアとを含む偏向ヨークを用いて偏向させ、蛍光体スクリーン上にカラー画像を表示させるカラー受像管装置において、
    前記水平偏向コイル及び前記垂直偏向コイルによる偏向磁界の作用する偏向磁界領域の電子銃側端部から前記蛍光体スクリーンまでの間に、
    垂直方向磁界成分と水平方向磁界成分とを有し、かつ、前記垂直方向磁界成分が前記三本の電子ビームを水平方向に収束又は発散させる作用を有する4極磁界と、
    垂直偏向に応じて、前記4極磁界の前記水平方向磁界成分の少なくとも一部を相殺する補助磁界とを発生させる
    ことを特徴とするカラー受像管装置。
  2. 前記4極磁界を形成する磁束を発生させる4極磁界発生手段と、前記補助磁界を形成する磁束を発生させる補助磁界発生手段とを有し、
    前記補助磁界発生手段は、
    前記三本の電子ビームが垂直偏向されているとき、垂直方向の中央に対し前記三本の電子ビームが存在する側において、前記4極磁界発生手段により生じる磁束の一部を相殺するような磁束を発生させる
    ことを特徴とする請求項1に記載のカラー受像管装置。
  3. 前記補助磁界発生手段が電磁コイルを含む
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載のカラー受像管装置。
  4. インライン配列された電子銃から放出される三本の電子ビームを、水平偏向コイルと垂直偏向コイルとコアとを含む偏向ヨークを用いて偏向させ、蛍光体スクリーン上にカラー画像を表示させるカラー受像管装置において、
    前記水平偏向コイル及び前記垂直偏向コイルによる偏向磁界の作用する偏向磁界領域の電子銃側端部から前記蛍光体スクリーンまでの間に、
    垂直方向磁界成分と水平方向磁界成分とを有し、かつ、前記垂直方向磁界成分が前記三本の電子ビームを水平方向に収束又は発散させる作用を有する4極磁界を発生させ、
    垂直偏向に応じて、前記4極磁界の前記水平方向磁界成分を弱める
    ことを特徴とするカラー受像管装置。
  5. 前記4極磁界を形成する磁束を発生させる4極磁界発生手段を有し、
    前記三本の電子ビームが垂直偏向されているとき、垂直方向の中央に対し前記三本の電子ビームが存在する側において、前記三本の電子ビームが存在しない側よりも前記4極磁界発生手段により生じる磁束が弱い
    ことを特徴とする請求項4に記載のカラー受像管装置。
  6. 前記4極磁界発生手段が電磁コイルを含む
    ことを特徴とする請求項2、3、5のいずれかに記載のカラー受像管装置。
  7. 前記4極磁界発生手段がマグネットを含む
    ことを特徴とする請求項2、3、5、6のいずれかに記載のカラー受像管装置。
  8. 前記4極磁界発生手段は、
    マグネットと磁性体部材が組み合わされた構造体を含む
    ことを特徴とする請求項7に記載のカラー受像管装置。
  9. 前記4極磁界発生手段及び/又は前記補助磁界発生手段は、
    前記偏向磁界領域の電子銃側端部から前記蛍光体スクリーンまでの間に所定の磁界を発生させるよう、管軸方向において複数の位置に分割して設けられている
    ことを特徴とする請求項2、3、及び5から8のいずれかに記載のカラー受像管装置。
  10. 前記4極磁界発生手段及び/又は前記補助磁界発生手段は、
    電磁コイルの芯部材、マグネット、及びマグネットを含む構造体の少なくとも一を含み、
    当該芯部材、マグネット、構造体の形状は、前記カラー受像管装置に含まれるガラスバルブに沿う形状とされている
    ことを特徴とする請求項2、3、及び5から9のいずれかに記載のカラー受像管装置。
  11. インライン配列された電子銃から放出される三本の電子ビームを、水平偏向コイルと垂直偏向コイルとコアとを含む偏向ヨークを用いて偏向させ、蛍光体スクリーン上にカラー画像を表示させるカラー受像管装置において、
    前記水平偏向コイル及び前記垂直偏向コイルによる偏向磁界の作用する偏向磁界領域の電子銃側端部から前記蛍光体スクリーンまでの間に、
    垂直方向磁界成分と水平方向磁界成分とを有し、かつ、前記垂直方向磁界成分が前記三本の電子ビームを水平方向に収束又は発散させる作用を有する所定の磁界を発生させ、当該所定の磁界を水平偏向磁界に重畳させた磁界は、管軸方向から見て、水平方向左右に非対称な磁束密度分布となる
    ことを特徴とするカラー受像管装置。
  12. インライン配列された電子銃から放出される三本の電子ビームを、水平偏向コイルと垂直偏向コイルとコアとを含む偏向ヨークを用いて偏向させ、蛍光体スクリーン上にカラー画像を表示させるカラー受像管装置において、
    前記水平偏向コイル及び前記垂直偏向コイルによる偏向磁界の作用する偏向磁界領域の電子銃側端部から前記蛍光体スクリーンまでの間に、垂直方向磁界成分と水平方向磁界成分とを有し、かつ、前記垂直方向磁界成分が前記三本の電子ビームを水平方向に収束又は発散させる作用を有する4極磁界を発生させる4極磁界発生手段と、
    前記前記垂直偏向コイルが発生させる垂直偏向磁界に作用して、垂直偏向磁界が、当該垂直偏向磁界と、垂直偏向と同期して前記4極磁界の前記水平方向磁界成分の少なくとも一部を相殺する仮想的補助磁界との合成磁界となるように変化させる磁性体部材とを備える
    ことを特徴とするカラー受像管装置。
  13. 前記磁性体部材はパーマロイからなる
    ことを特徴とする請求項12に記載のカラー受像管装置。
  14. 前記4極磁界発生手段は、
    二つのマグネット及び/又は電磁コイルを含み、一方のN極と他方のS極とを対向させることにより前記4極磁界を発生させる
    ことを特徴とする請求項12又は13に記載のカラー受像管装置。
  15. 前記磁性体部材は、
    管軸方向において、前記二つのマグネット及び/又は電磁コイルよりも蛍光体スクリーン側に設けられる
    ことを特徴とする請求項14に記載のカラー受像管装置。
  16. 前記4極磁界は、
    前記水平偏向コイルが発生させる水平偏向磁界の偏向中心付近、あるいは当該偏向中心よりも電子銃寄りに発生する
    ことを特徴とする請求項12から15のいずれかに記載のカラー受像管装置。
  17. 前記偏向磁界領域の電子銃側端部は、
    前記コアの電子銃側端部である
    ことを特徴とする請求項1から16のいずれかに記載のカラー受像管装置。
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