JP2004071378A - 信号灯断芯検知回路 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】電源7と、断芯検知用診断電流供給回路1と、診断電流検知回路2と、電圧検知回路3からなる信号灯断芯検知回路であって、スイッチ13,14をオン設定して前記診断電流供給回路より信号灯4が点灯しない微少の診断電流6を流すことによって、信号灯の断芯または出力配線5の断線がなければ、電圧検知回路に印加される電圧は小さく、フォトカプラ17がオン状態、フォトカプラ15がオフ状態となり、信号灯の断芯または出力配線の断線があれば、電圧検知回路に印加される電圧が大きくなることから、フォトカプラ17,15がいずれもオン状態となり、この検知パターンから非動作中(消灯中)の信号灯の断芯または出力配線の断線の有無を検知する。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、鉄道信号機の信号灯断芯検知回路に係り、非動作中(消灯中)の信号灯の断芯および出力配線の断線を検知する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、非動作時(信号灯消灯時)の信号灯の断芯を検知する断芯検知回路としては、非動作時の信号灯に微少電流を流し、この微少電流で励磁する検知リレーの接点信号により信号灯の断芯を検知する技術があり、このような信号灯の断芯検知技術は、実公平7−37187号に開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来の技術では、断芯検知中に検知リレーを励磁する電源が喪失した場合や検知回路がオープン故障した場合でも、検知結果は実際に断芯した場合と同じになり、検知装置の故障と断芯との判別がつかない。このため、信号灯が正常でありながら誤って断芯と検知される場合がある。
【0004】
本発明の課題は、非動作(信号灯消灯時)している信号灯の断芯または出力配線の断線を検知するに当って、検知装置側の故障があっても誤断芯の検知を防止するに好適な信号灯断芯検知回路を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、断芯検知用診断電流供給回路と、診断電流検知回路と、電圧検知回路からなる信号灯断芯検知回路であって、断芯検知用診断電流供給回路より信号灯が点灯しない微少の診断電流を流すことによって、信号灯の断芯または出力配線の断線がなければ、電圧検知回路に印加される電圧は小さく、信号灯の断芯または出力配線の断線があれば、電圧検知回路に印加される電圧が大きくなることから、電圧検知回路に印加される電圧の大小を検知することにより、非動作中(消灯中)の信号灯の断芯または出力配線の断線の有無を検知する。
ここで、断芯検知用診断電流供給回路に診断電流供給スイッチ、電圧検知回路に検知選択スイッチを設けると共に、診断電流検知回路および電圧検知回路にそれぞれ診断電流検知素子を設け、両スイッチをオン設定し、このときのそれぞれの診断電流検知素子のオン状態とオフ状態の検知パターンから信号灯の断芯または出力配線の断線の有無、診断電流供給回路および電圧検知回路の故障を検知する。
ここで、診断電流検知回路および電圧検知回路のそれぞれの診断電流検知素子間に強制断芯スイッチを有する模擬断芯回路を付加し、診断電流供給スイッチと検知選択スイッチをオフ設定すると共に、強制断芯スイッチをオン設定し、このときのそれぞれの診断電流検知素子のオン状態とオフ状態の検知パターンから診断電流検知回路および電圧検知回路のそれぞれの診断電流検知素子の故障を検知する。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面を用いて説明する。
図1は、本発明の信号灯断芯検知回路の一実施形態を示す。図1において、電源7に出力配線5と出力素子(トライアック)8を介して信号灯4を接続する。出力素子(トライアック)8と並列に診断電流検知回路2と断芯検知用診断電流供給回路1の直列回路を接続し、出力素子(トライアック)8の出力端に電圧検知回路3を信号灯4と並列に接続する。また、断芯検知用診断電流供給回路1と診断電流検知回路2の接続点と電圧検知回路3の間に模擬断芯回路9を接続する。
ここで、断芯検知用診断電流供給回路1は、診断電流供給スイッチ13と抵抗24からなり、診断電流検知回路2はフォトカプラ17を有する。電圧検知回路3は、検知選択スイッチ14、フォトカプラ15および抵抗26からなる。模擬断芯回路9は、強制断芯スイッチ16と抵抗25からなる。
本実施形態の動作時(信号灯点灯時)は、出力素子(トライアック)8が制御するゲート信号12によってオンされ、信号灯4に電源7が供給され、信号灯4を点灯する。本実施形態の非動作時(信号灯消灯時)つまり出力素子(トライアック)8がオフ状態の時に、非動作中の信号灯4に断芯検知の診断電流6を流がし、断芯検知を行う。
【0007】
信号灯4の断芯を検知する動作を説明する。断芯検知は、断芯検知用診断電流供給回路1の診断電流供給スイッチ13と、電圧検知回路3の検知選択スイッチ14をオンにする。このとき、信号灯4が正常(断芯していない状態)でかつ出力配線5が断線していなければ(以下、単に「信号灯4の正常」ともいう)、断芯検知の診断電流6は抵抗24を介して信号灯4側に流れる。このとき、信号灯4のインピーダンスr1と出力配線5のインピーダンスr2は抵抗24に比べて非常に小さいため、電圧検知回路3に印加される電圧は小さいものとなる。この結果、診断電流検知回路2のフォトカプラ17はオンし、電圧検知回路3のフォトカプラ15はオフであり、信号灯4が正常(断芯していない状態)でかつ出力配線5が断線していないことが分かる。
一方、信号灯4が断芯または出力配線5が断線していれば(以下、単に「信号灯4の断芯」ともいう)、信号灯4のインピーダンスr1または出力配線5のインピーダンスr2は抵抗24に比べて非常に大きな値となるため、診断電流6は電圧検知回路3の方へ流れ、電圧検知回路3には高い電圧が印加されることになり、フォトカプラ15がオンし、また、フォトカプラ17もオンし、この結果、信号灯4の断芯または出力配線5の断線を検知する。
ここで、診断電流検知回路2は、断芯検知中に診断電流6が流れていることを検知するものであり、断芯検知中に診断電流検知回路2のフォトカプラ17がオンしていれば、断芯検知が正常に行われていることを表し、オフであれば、検知回路電源7の喪失を含めて断芯検知用診断電流供給回路1の回路がオープン故障であるか、または、電圧検知回路3の回路がオープン故障(信号灯4が断芯していることを前提にして)であると判別する。
【0008】
本実施形態では、模擬断芯回路9を付加しており、この強制断芯スイッチ16を用いて診断電流検知回路2のフォトカプラ17と電圧検知回路3のフォトカプラ15の故障(オープン/ショート)を判別する。
診断電流供給スイッチ13と検知選択スイッチ14および強制断芯スイッチ16が全てオフの状態であるとき、フォトカプラ17とフォトカプラ15がいずれもオフ状態であれば、フォトカプラ17とフォトカプラ15は正常であると判別する。
また、診断電流供給スイッチ13と検知選択スイッチ14をオフし、強制断芯スイッチ16をオンにしたとき、フォトカプラ15とフォトカプラ17がいずれもオン状態であれば、フォトカプラ17とフォトカプラ15はいずれも正常であると判別する。
しかし、診断電流供給スイッチ13と検知選択スイッチ14をオフし、強制断芯スイッチ16をオンにしたとき、フォトカプラ17がオン状態であり、フォトカプラ15がオフ状態であれば、フォトカプラ15はオープンまたはショート故障であると判別する。
また、フォトカプラ17がオフ状態であり、フォトカプラ15がオン状態であれば、フォトカプラ17はオープンまたはショート故障であると判別する。
さらに、フォトカプラ17とフォトカプラ15がいずれもオフ状態であれば、フォトカプラ17とフォトカプラ15はいずれもオープンまたはショート故障であると判別する。
【0009】
図2に、以上説明した各スイッチの設定と検知パターンと判定の関係を示す。図2において、例えばNO.1の診断電流供給スイッチ13と検知選択スイッチ14がオンであり、強制断芯スイッチ16がオフであるとき、フォトカプラ17がオン状態、フォトカプラ15がオフ状態のとき、信号灯4は正常であると判定するが、これは、フォトカプラ15がオープンまたはショート故障であっても同様の判定を行うことになる。そこで、NO.6のように強制断芯スイッチ16を用いてこれをオンとし、診断電流供給スイッチ13と検知選択スイッチ14をオフにして、その検知パターンであるフォトカプラ17がオン状態であり、フォトカプラ17がオフ状態であることをみることによって、そのフォトカプラ15がオープンまたはショート故障を起していると判別することができる。
また、NO.3の診断電流供給スイッチ13と検知選択スイッチ14がオンであり、強制断芯スイッチ16がオフであるとき、フォトカプラ17とフォトカプラ15がいずれもオフ状態のとき、検知回路電源7の喪失を含めて断芯検知用診断電流供給回路1の回路がオープン故障であるか、または、電圧検知回路3の回路がオープン故障(信号灯4が断芯していることを前提にして)であると判別するが、さらに、NO.8のように強制断芯スイッチ16を用いてこれをオンとし、診断電流供給スイッチ13と検知選択スイッチ14をオフにして、その検知パターンであるフォトカプラ15とフォトカプラ17がいずれもオフ状態であることをみることによって、そのフォトカプラ15とフォトカプラ17がオープンまたはショート故障を起していると判別することができる。
このように、本実施形態では、診断電流供給スイッチ13と検知選択スイッチ14および強制断芯スイッチ16のオンオフの組み合わせ、フォトカプラ15とフォトカプラ17の検知パターンから信号灯4の断芯、診断電流供給回路1および電圧検知回路3の故障を検知することができ、さらに、検知パターンを示すフォトカプラ15およびフォトカプラ17の故障を検知することができる。
【0010】
図3は、本発明の他の実施形態を示す。本実施形態は、多灯信号機である3現示信号機に本発明を適用した例である。
本実施形態では、電流検知回路2のフォトカプラ17と電圧検知回路3のフォトカプラ15を共通とし、断芯検知は、断芯検知用診断電流供給回路1の断芯検知したい信号灯4に対応する診断電流供給スイッチ13と、電圧検知回路3の対応する検知選択スイッチ14がオンすることにより、対応する信号灯4の断芯検知を可能とするものである。
ここで、本実施形態の断芯検知の原理は、図1に示す実施形態と同じである。ただ、本実施形態では、電圧検知回路3にツェナーダイオード11を付加する。
【0011】
ここでは、図4を用いて、3現示信号機において他の信号灯を動作中(点灯中)に、非動作中(消灯中)の信号灯を断芯検知する場合の断芯検知動作について説明する。
出力素子(トライアック)18がオンすると、信号灯19は動作状態(点灯中)となり、信号灯19の点灯電流20はコモン側配線10に流れる。このとき信号灯側のコモン側と電圧検知回路3のコモン側間の電圧(V1)22は、点灯電流(I1)20とした場合、I1×コモン側配線インピーダンスr2=V1となる。また、断芯検知中の非動作中(消灯中)の信号灯4が正常(断芯していない)である場合には、信号灯4に微少な断芯検知の診断電流6が流れるが、信号灯4のインピーダンスr1が極めて小さいため、信号灯4の両端電圧は非常に小さく、電圧検知回路3に印加される電圧(V2)23は、V2≒V1となる。なお、電圧検知回路3の一端をアース電位21とする。
本実施形態では、電圧検知回路3に付加したツェナーダイオード11のツェナー電圧VZをV2≦VZとし、他の信号灯が動作中に電圧検知回路3にV2程度の電圧が印加されても、電圧検知回路3のフォトカプラ15に電流が流れないようにする。このことで信号灯4が正常(断芯していない状態)でも断芯と誤検知されるのを防止している。
なお、本実施形態では、信号灯を点灯する電源と断芯検知用の検知回路電源を交流電源として共用としているが、直流電源または別電源としても同様の動作となる。
【0012】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、断芯検知用診断電流供給回路と、診断電流検知回路と、電圧検知回路を設けることにより、消灯している信号灯の断芯または出力配線の断線を検知し、長期間点灯していない信号灯を点灯しようとした時に信号灯の断芯または出力配線の断線により点灯できないという事象を未然に回避することができる。
また、電圧検知回路に印加される電圧の大小を検知することにより、信号灯の断芯または出力配線の断線の有無を検知することができ、電源の喪失した場合や断芯検知用診断電流供給回路および電圧検知回路がオープン故障した場合でも、信号灯が正常でありながら、誤って断芯と検知されることを防止することができる。
また、診断電流供給スイッチと検知選択スイッチおよび強制断芯スイッチのオンオフの組み合わせ、診断電流検知回路と電圧検知回路のそれぞれに設けたフォトカプラの検知パターンから容易かつ確実に信号灯の断芯または出力配線の断線、断芯検知用診断電流供給回路および電圧検知回路の故障を検知することができ、さらに、検知パターンを呈するフォトカプラの故障を検知することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の信号灯断芯検知回路の一実施形態
【図2】本発明の断芯検知の判定結果を説明する表図
【図3】本発明の他の実施形態(3現示信号機の場合)
【図4】本発明の他の実施形態における断芯検知を説明する図
【符号の説明】
1…断芯検知用診断電流供給回路、2…診断電流検知回路、3…電圧検知回路、4…信号灯、5…出力配線、6…断芯検知の診断電流、7…検知回路電源(信号灯電源)、8…出力素子、9…模擬断芯回路、10…多灯信号機配線時のコモン側共通配線、11…ツェナ−ダイオード、12…ゲート信号、13…断芯検知用診断電流供給回路の診断電流供給スイッチ、14…電圧検知回路の検知選択スイッチ、15…電圧検知回路のフォトカプラ、16…模擬断芯回路の強制断芯スイッチ、17…診断電流検知回路のフォトカプラ、18…出力素子(トライアック)、19…動作中(点灯中)の信号灯、20…点灯中の信号灯に流れる電流I1、21…電圧検知回路のコモン側電圧レベル(0V)、22…信号灯側のコモン側と電圧検知回路のコモン側間の電圧V1、23…他の信号灯が動作中に非動作中の信号灯の断芯検知中に電圧検知回路に印加される電圧V2
Claims (3)
- 断芯検知用の検知回路電源と非動作中(消灯中)の信号灯へ断芯検知の診断電流を前記信号灯への出力配線を経由して供給する断芯検知用診断電流供給回路と、前記診断電流供給回路から断芯検知の診断電流が供給されたことを検知する診断電流検知回路と、前記信号灯への出力配線間に接続される電圧検知回路からなる信号灯断芯検知回路であって、
前記診断電流供給回路より前記信号灯が点灯しない微少の診断電流を流すことによって、前記信号灯の断芯または出力配線の断線がなければ、前記電圧検知回路に印加される電圧は小さく、前記信号灯の断芯または出力配線の断線があれば、前記電圧検知回路に印加される電圧が大きくなることから、前記電圧検知回路に印加される電圧の大小を検知することにより、非動作中(消灯中)の前記信号灯の断芯または出力配線の断線の有無を検知することを特徴とする信号灯断芯検知回路。 - 請求項1において、前記診断電流供給回路に診断電流供給スイッチ、前記電圧検知回路に検知選択スイッチを設けると共に、前記診断電流検知回路および前記電圧検知回路にそれぞれ診断電流検知素子を設け、前記両スイッチをオン設定し、このときの前記それぞれの診断電流検知素子のオン状態とオフ状態の検知パターンから前記信号灯の断芯または出力配線の断線の有無、前記診断電流供給回路および前記電圧検知回路の故障を検知することを特徴とする信号灯断芯検知回路。
- 請求項2において、前記診断電流検知回路および前記電圧検知回路のそれぞれの診断電流検知素子間に強制断芯スイッチを有する模擬断芯回路を付加し、前記診断電流供給スイッチと前記検知選択スイッチをオフ設定すると共に、前記強制断芯スイッチをオン設定し、このときの前記それぞれの診断電流検知素子のオン状態とオフ状態の検知パターンから前記診断電流検知回路および前記電圧検知回路のそれぞれの診断電流検知素子の故障を検知することを特徴とする信号灯断芯検知回路。
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JP2011096006A (ja) * | 2009-10-29 | 2011-05-12 | Kyosan Electric Mfg Co Ltd | 交通信号制御システム及び故障判定方法 |
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