JP2004071307A - 燃料電池システム - Google Patents

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JP2004071307A JP2002227861A JP2002227861A JP2004071307A JP 2004071307 A JP2004071307 A JP 2004071307A JP 2002227861 A JP2002227861 A JP 2002227861A JP 2002227861 A JP2002227861 A JP 2002227861A JP 2004071307 A JP2004071307 A JP 2004071307A
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岡本 勝
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Abstract

【課題】燃料電池の内部状態に応じてパージガス量を適正に制御して燃料電池の状態を適正に保ち、パージ用空気を供給する動力や水素ガスを節約する。
【解決手段】燃料電池本体2は、空気供給装置1から供給する空気中の酸素と水素供給装置3から供給する水素とを電気化学的に反応させて発電する。水素極パージバルブ13は、燃料電池本体2の水素極から外部へ排出する水素の流量または圧力を調整し、空気極圧力調整バルブ12は、燃料電池本体2の空気極から外部へ排出する空気の圧力を調整する。燃料電池システムの制御装置11は、燃料電池の運転状態に応じて空気極パージに使用するパージ空気流量と空気極パージ時間との少なくとも一方を変更する空気極パージ変更手段25と、燃料電池の運転状態に応じて、水素極パージに使用するパージ水素流量と水素極パージ時間との少なくとも一方を変更する水素極パージ変更手段26とを備える。
【選択図】   図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、燃料電池システムに係り、特に空気極パージ及び水素極パージの効率を向上させた燃料電池システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
燃料電池は、水素極に水素ガスを、空気極に空気を供給して、空気極に供給する空気中の酸素と水素極の水素とを電気化学的に反応させて発電する。水素極では、水素ガスを水素イオンと電子とに電離する反応が起きる。水素イオンは電解質膜を通って空気極に至り、電子は、外部回路を通って電気的な仕事を行って空気極に至る。空気極では、酸素ガスと水素イオンと電子から水を生成する反応が行われる。
【0003】
燃料電池は、連続して発電すると空気極には生成水が溜まるためこれを取り除かなければならない。生成水を取り除かないと、水が空気極電極付近に滞留し、電極上の空気が通過する流路を塞いでしまい発電効率の悪化を引き起こす。著しい場合には、燃料電池の本体のセル電圧が下限値を下回り、発電を継続できない場合がある。
【0004】
このような生成水の処理方法として、たとえば、特開平7−235324号公報(以下、第1従来技術)がある。この従来技術では、燃料電池の空気極電極の濡れ過ぎを出力電圧とインピーダンス計を用いて検出している。生成水が余剰となると、セルユニット(複数セルの集合体)のインピーダンスが低下し、かつセル電圧が低下する。これを検知すると、生成水が余剰であると判断して、生成水の除去を実行する。生成水の除去のために、まず、空気圧力を上昇させて、そのあと、空気を燃料電池外部へ一気に排出するようにしている。多量の空気流量と排出空気の勢いで水を一緒に吹き飛ばすようにしている。
【0005】
また、固体高分子タイプの燃料電池は水素極と空気極の間に固体高分子膜がある。空気極に過剰に生成水があると、固体高分子膜の加湿が過剰となり、その影響が水素極まで及んで、水素極に水滴を生じる場合も考えられる。そのような場合に、上記従来例では、まず、水素圧力を上昇させて、そのあと、水素を燃料電池外部へ一気に排出するようにしている。多量の水素と、多量の排出水素の勢いで水を一緒に吹き飛ばすようにしている。
【0006】
特開2001−229938号公報(以下、第2従来技術)も同様の例である。パージ時に使う電力ロスを最小にするために、車両が減速時にパージを行うようにしている。しかし、電極のインピーダンスは燃料電池内で生成した水の伝導率に依存する。伝導率は経時変化等の影響を受けて変化するのでこれらの例は適当でない場合がある。
【0007】
一方、燃料電池の運転方式として、未使用の水素を燃料電池に再循環させる水素循環形式が使われる場合がある。この形式では、負荷として消費する水素流量より幾分多めの水素を燃料電池に供給し、未使用の水素を燃料電池の水素極出口から排出するようにしている。この排出水素(循環水素と記す)を再度水素極入口へ戻して再利用する。
【0008】
循環水素は燃料電池本体の電気化学的反応を通過してくるため水蒸気を多量に含んでいる。この水蒸気を多量に含んだ水素を循環させて、水素タンクから供給する乾いた水素と混合して水素極へ供給することで、高分子膜を加湿することができるという利点がある。尚、固体高分子型燃料電池では、水素極上の水素イオンが空気極側へ高分子膜を通って移動するためには、高分子膜が水分を含んでいることが必要である。
【0009】
しかしながら、この方式では、循環水素による加湿が過剰な場合(循環水素量が多い場合)には、水素極に余分な水滴が発生し、水素極の水素流路を塞いでしまい、発電効率の悪化を引き起こす場合がある。著しい場合には、燃料電池の本体のセル電圧が下限値を下回り、発電を継続できない。
【0010】
このような問題に対処する方法として、例えば、特開2001−307757号公報(以下、第3従来技術)記載の技術がある。この例では、まず燃料電池水素極入口と出口の圧力差を拡大させ、そのあと、圧力差を利用して一気に水素を燃料電池外部へ排出するようにしている。多量の水素と、多量の排出水素の勢いで水を一緒に吹き飛ばすようにしている。圧力差拡大のために燃料電池の水素極出口に吸引ポンプを使い、水素極出口の圧力を下げるようにしている。
【0011】
上記従来例の全ては、燃料電池電極上に水滴が発生して、発電継続が困難であることを検知した後の処理である。この方法では、発電継続が困難状態を必ず生じる。このため通常発電が継続できなくなるような状況に陥る前にパージ処理を行うようにする方法がある。適当な周期で定期的にパージするという方法である。さらに、定期的にパージ処理してかつ、セル電圧低下などを検知したら直ちにパージを行うというように定期パージと従来例のような方法を組み合わせて実行することが行われる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記第1、第2、第3従来技術では、パージが必要と判断された場合、多量の空気または水素を排出して、その排出の勢いで水を一緒に吹き飛ばすようにしていたため、動力、燃料の無駄使いになるという問題点があった。
【0013】
空気極に生成する水は、発電負荷が高いほど多く発生する。低負荷時には、生成水は少ないので高負荷時と同じように大流量の空気で水滴を飛ばすようにしなくても、水滴は吹き飛ばせる。上記従来例では、このような燃料状態の運転状態に応じてパージで排出する空気量を変える配慮がないので、空気供給装置のための動力(電力)の無駄使いになっていた。特に定期パージでは、水滴がなくても多量の空気でパージするようになるので空気供給装置の動力の無駄が顕著となる。
【0014】
また、循環水素流量が少ない場合には、高分子膜の加湿が不十分となりセル電圧が低下してくる。しかし、上記従来例では、燃料状態の循環水素流量に応じてパージで排出する水素量を変える配慮がないので、循環ポンプのための動力(電力)の無駄使いになり、かつ燃料の水素を無駄に排出するという問題点があった。特に定期パージでは、水滴がなくても多量の水素でパージするようになるので燃料の無駄が顕著となる。
【0015】
特に、第1従来技術では、この不具合を生じやすい。この例では電極のインピーダンスを測定するようにしているので、燃料電池内で生成した水の伝導率に依存してしまう。生成水の伝導率は、電極に付着した不純物量等の経時変化の影響を受けて変化するため、この従来技術の例では誤判定する可能性がある。
【0016】
つまり、加湿が十分でないためにセル電圧が低下している場合で、かつ、伝導率が高い状態にあると、インピーダンスが低下し、これは加湿過剰で引き起こされたと誤判断し、多量の水素を燃料電池外部へ排出してパージする。このため水素極側が逆に乾いてしまい、逆に高分子膜の加湿を悪化させる不具合を生じる。
【0017】
従来例ではパージ時の燃料電池の内部状態変化に対する配慮がないため、燃料電池の状態を適正に保つことができないという問題点があった。
【0018】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明は、水素を供給する水素供給装置と、空気を供給する空気供給装置と、前記水素供給装置から供給する水素と前記空気供給装置から供給する空気中の酸素とを電気化学的に反応させて発電する燃料電池本体と、該燃料電池本体の水素極の出口側に水素を外部へ排出する水素流量制御弁もしくは水素圧力制御弁と、前記燃料電池本体の空気極の出口側に空気を外部へ排出する空気流量制御弁もしくは空気圧力制御弁と、を備えた燃料電池システムにおいて、燃料電池の運転状態に応じて、空気極パージに使用するパージ空気流量または空気極パージ時間を変更する空気極パージ変更手段と、燃料電池の運転状態に応じて、水素極パージに使用するパージ水素流量または水素極パージ時間を変更する水素極パージ変更手段と、を備えたことを要旨とする。
【0019】
【発明の効果】
本発明によれば、燃料電池の運転状態に応じて、空気極パージに使用するパージ空気流量または空気極パージ時間を変更して、空気供給装置を動作させるための動力(電力)を節約することができる。燃料電池の空気極は燃料電池の発電が活発な高負荷になるほど生成水が生じやすいという性質があり、空気極に生じる水滴は大きくなりやすい。特に定期的なパージを行う場合には高負荷時には多量の空気を排出して空気極のパージをする必要があるが、低負荷時には高負荷時と同じよう多量の空気を排出しなくても水滴を吹き飛ばすことができる。
【0020】
また、本発明によれば、燃料電池の運転状態に応じて、水素極パージに使用するパージ水素流量または水素極パージ時間を変更して、水素極パージ時に排出することになる水素量を節約することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
〔第1の実施形態〕
次に図面を参照して、本発明の実施の形態を詳細に説明する。図1は、本発明に係る燃料電池システムの第1実施形態の構成を説明するシステム構成図であり、例えば燃料電池車両に好適なものである。
【0022】
図1において、燃料電池システムは、空気を供給する空気供給装置1と、水素を供給する水素供給装置3と、水素供給装置3から供給される水素を加湿する加湿器4と、空気及び加湿された水素を用いて発電する燃料電池本体2と、燃料電池本体2の空気極出口に設けられ外部へ排出する空気圧力を調整する空気圧力制御弁である空気極圧力調整バルブ12と、燃料電池本体2の水素極出口に設けられ外部へ排出する水素流量を調整する水素流量制御弁である水素極パージバルブ13と、燃料電池本体2の水素極から排出される水素ガスを再循環させる循環水素装置5と、循環水素装置5の作用により燃料電池本体2の水素極から排出される水素ガスを再循環させて、水素供給装置3から供給する水素と混合して水素極入口に供給する水素循環経路22と、燃料電池システムの制御装置11と、を備えている。
【0023】
また、燃料電池本体2には、負荷6が接続され、燃料電池本体2から負荷電流が供給される。この負荷電流は、負荷電流センサ10により検出される。燃料電池本体2の各セル電圧または複数セル毎の電圧は、セル電圧センサ23で検出される。
【0024】
空気供給装置1は、例えば、エアフィルタとコンプレッサを備え、エアフィルタで濾過した空気をコンプレッサで圧縮して燃料電池本体2の空気極へ供給する。空気供給装置1と燃料電池本体2との間には、空気極へ供給する空気の流量を検出する空気流量センサ15が設けられている。空気極の入口及び出口には、それぞれの空気圧力を検出する空気極入口圧力センサ7、空気極出口圧力センサ20が設けられている。
【0025】
水素供給装置3は、例えば、水素吸蔵合金タンク又は高圧水素ガスタンクと該タンクから放出される水素ガスの流量の制御する流量制御弁とを備えている。水素供給装置1と加湿器4との間には、水素流量センサ14が設けられ、加湿器4へ供給される水素流量を検出する。
【0026】
また、燃料電池本体2の水素極入口及び出口には、水素圧力を検出するため、それぞれ水素極入口圧力センサ8、水素極出口圧力センサ21が設けられている。水素循環経路22上には、循環水素の流量を検出する循環水素流量センサ9が設けられている。さらに、燃料電池本体2の空気極入口側、同出口側には、それぞれの温度を検出する空気極入口温度センサ18、空気極出口温度センサ19が設けられ、同様に水素極入口側、同出口側には、それぞれ水素極入口温度センサ16、水素極出口温度センサ17が設けられている。
【0027】
空気極圧力調整バルブ12は、開度調整可能なバルブである。これを全開にすると燃料電池本体2内部の空気圧力が一気に低下し、多量の空気が排出される。運転中の空気極圧力調整バルブ12の開度は、燃料電池本体2の空気極入口圧力と空気流量を目標値付近に維持するように適当な開度に保つようにしている。
【0028】
水素極パージバルブ13は、開度調整可能なバルブである。これを全開にすると、燃料電池本体2内部の水素圧力が一気に低下し、多量の水素が排出される。運転中の水素極パージバルブ13の開度は、燃料電池本体2の水素極入口圧力と水素流量を目標値付近に維持するように適当な開度に保つようにしている。
【0029】
上記各センサ7〜10、14〜21の各検出値は、制御装置11に入力され、制御装置11は、各センサの検出値に基づいて、空気供給装置1から供給する空気流量、水素供給装置3から供給する水素流量、空気極圧力調整バルブ12の開度、及び水素極パージバルブ13の開度を制御する。
【0030】
制御装置11は、空気極パージ変更手段25及び水素極パージ変更手段26を備えている。実際には、制御装置11は、CPU、メモリ及び入出力インタフェースを備えたマイクロプロセッサで構成されている。
【0031】
空気極パージ変更手段25は、燃料電池の運転状態に応じて、空気極パージに使用するパージ空気流量または空気極パージ時間を変更する手段である。空気極パージ変更手段25は、空気極パージにおける空気供給装置1が供給する空気流量、空気極圧力調整バルブ12の開度、または空気極パージ時間を変更し、空気極内の不純物を含む空気、又は空気極内のガス通路中の水滴を空気極から充分排出するとともに、この排出に必要な空気量、即ちその空気量を送り出すために必要な空気供給装置1が消費するエネルギーを節約することができる。
【0032】
水素極パージ変更手段26は、燃料電池の運転状態に応じて、水素極パージに使用するパージ水素流量または水素極パージ時間を変更する手段である。水素極パージ変更手段26は、水素極パージにおける水素供給装置3が供給する水素流量、水素極パージバルブ13の開度、または水素極パージ時間を変更し、水素極内の不純物を含む水素、又は水素極内のガス通路中の水滴を水素極から充分排出するとともに、この排出に必要な水素量を節約することができる。
【0033】
図1に示した燃料電池システムは、特に本発明を限定するものではないが、水素循環経路22をもつ構成である。燃料電池本体2に供給した水素のうち、一部を発電に使用しないで燃料電池本体2の水素極出口から排出する。この排出水素を燃料電池本体2の水素極入り口に戻して再利用する(以下、循環水素と記す)。燃料電池の水素極には、水素供給装置3から供給される水素と循環水素との混合水素が供給される。循環水素は水蒸気を多く含んでおり、水素供給装置3の乾燥した水素と混合して、燃料電池水素極に供給する水素を加湿するようにしている。
【0034】
本実施形態では、水素加湿を効果的にするために水素供給装置3の後に加湿器4を別途設置するようにしている。燃料電池の水素極には、水素供給装置3を出て加湿器4を通過した水素と循環水素の混合水素が供給され、十分に電解質である高分子膜を加湿できるようにしている。また、循環水素を循環させるために循環水素装置5を使っている。本実施形態を実施するにあたり、加湿器4を用いないシステム構成であってもよい。
【0035】
本実施形態では負荷6として、インバータを接続し、ここでDC/AC変換して駆動モータへ電力を供給するようにしている(但し図示していない)。燃料電池システムを車両に適用した場合には、駆動モータは車両走行の動力として使う。本実施形態では負荷6に出力電力又は出力電流を設定して、燃料電池本体2のから負荷電流を取り出すようにしている。
【0036】
図2、3は、本発明に係る燃料電池システムの第1の実施形態のパージ動作を説明するフローチャートであり、制御装置11により、所定の制御周期(例えば、1秒)毎に実行されるものである。本実施形態は、燃料電池車両のような、負荷変動のサイクルがパージ周期よりも短いシステムに好適な実施形態であり、制御周期毎に検出した負荷電流値ILを積算して負荷電流積算値QLを求め、パージ周期に達したときに、負荷電流積算値QLに基づいて、空気極パージ時の空気流量、空気極パージ時間、水素極パージ時の水素流量、水素極パージ時間を算出している。
【0037】
図2において、まずステップ(以下、ステップをSと略す)10では、負荷電流センサ10から負荷電流値ILを読み込む。次いでS12で負荷電流積算値QLに負荷電流値ILを加算して更新する。負荷電流積算値QLは、前回のパージ直後からの負荷電流を所定時間毎に積算したものであり、前回のパージ後に水素極で消費された水素量に略比例する値となる。
【0038】
S14で変数INTに1を加算して更新する。この変数INTは、経過時間を計数するソフトウェアタイマであり、本ルーチンが呼び出される毎に1づつ加算される。
【0039】
S16で、パージ周期に達したか否かを判定する。パージ周期は実験に基づいてあらかじめ決めた値で、ここでは、例えば15分(900秒=60秒×15)とする。この判定は、900≦INTか否かを判定することにより達せられる。パージ周期に達していなければ、メインルーチンにリターンする。S16の判定でパージ周期に達していれば(900≦INT)、S18以下でパージを実行する。
【0040】
S18では、変数INTをリセットする。S20では、負荷電流積算値QLに基づいて空気極パージの空気流量Fa 、空気極パージ時間Ta を算出する。空気極パージのために排出する空気流量と空気極パージ時間は予め実験により求めた関数を計算式または制御マップとして制御装置11の内部に記憶しておき、この関数を使って算出する。
【0041】
図9は、燃料電池の負荷(負荷積算値)と空気極パージ時の排出する空気流量との関係を表わす関数の一例である。負荷が高くなるほど排出する空気流量が多くなるようにしている。
【0042】
次いで、空気極パージ時間を決める。図10は、燃料電池の負荷(負荷積算値)と空気極パージ時間との関係を表わす関数の一例である。負荷が高くなるほど空気極パージ時間が長くなるようにしている。
【0043】
このような関数をパージ空気流量に応じて複数作成しておくようにする。負荷が高いほど空気極パージのために排出する空気流量を多くし、空気極に凝結する水滴を効率良く吹き飛ばしながら、負荷が低い時は、空気極パージのために排出する空気流量を少なくするので、空気供給装置1を動かすための動力である電力を節約することができるようになる。
【0044】
ここでは、パージ空気流量と空気極パージ時間を別々に決めるようにしたが、パージ空気流量−空気極パージ時間−負荷の関係を3次元マップ関数にして記憶しておき、これを参照するようにしてもよい。
【0045】
このように負荷が高いほど生成水の量が多くなり、空気極に生じる水滴の量が多くなるので、負荷が高いほど空気極パージ時の空気流量を多くして、効率良く水滴を吹き飛ばす一方、負荷が低い時は、生成水の量が少なく、パージ時に排出する空気流量を少なくしている。
【0046】
これにより、空気極パージ時に空気供給装置1のコンプレッサを駆動する電力を節約することができる。従来技術のように、パージ空気流量及び空気極パージ時間を負荷によらずに固定とすると、最大負荷時に合わせてパージ空気流量及びパージ時間を設定しなければならないが、本実施形態ではこのような空気供給装置の動力の無駄をなくすことができ、かつ、空気極パージも十分にでき、燃料電池内部の湿度状態を適正に保つことができる。
【0047】
S22では、負荷電流積算値QLに基づいて水素極パージの水素流量Fh 、水素極パージ時間Th を算出する。水素極パージのために排出する水素流量と水素極パージ時間は予め実験により求めた関数を計算式または制御マップとして制御装置11の内部に記憶しておき、この関数を使って算出する。
【0048】
図11は、燃料電池の負荷(負荷積算値)と水素極パージ時の排出する水素流量との関係を表わす関数の一例である。負荷が高くなるほどパージ時に排出する水素流量が多くなるようにしている。
【0049】
図12は、燃料電池の負荷(負荷積算値)と水素極パージ時間の関係を表わす関数の一例である。負荷が高くなるほど水素極パージ時間が長くなるようにしている。
【0050】
負荷が高いほど空気極に生成量が多い生成水の影響を受けて、水素極側が加湿過剰になって生じる水滴をパージ時に効率良く吹き飛ばすようにしながら、負荷が低い時は、パージ時に排出する水素流量が少ないので、燃料である水素を節約することができるようになる。従来技術のように、パージ水素流量及び水素極パージ時間を負荷によらずに固定とすると、最大負荷時に合わせてパージ水素流量及び水素極パージ時間を設定しなければならないが、本実施形態ではこのような燃料の無駄をなくすことができ、かつ、水素極パージも十分にでき、燃料電池内部の湿度状態を適正に保つことができる。
【0051】
ここでは、パージ水素流量と水素極パージ時間を別々に決めるようにしたが、パージ水素流量−水素極パージ時間−負荷の関係を3次元マップ関数にして参照するようにしてもよい。
【0052】
S24では、空気極パージ時間だけ経過したか否かを判定する。具体的には、空気極パージ時間計測用変数TimeA が空気極パージ時間Ta 以上となったか否かを判定する。
【0053】
変数TimeA が空気極パージ時間Ta 以上となった場合には、次のS26へ進む。そうでない場合はS28へ進む。
【0054】
S26では、空気供給装置1から燃料電池本体2に供給する空気流量をパージ開始前の空気流量に戻し、空気極圧力調整バルブ12をパージ実行前の開度にするように信号を送る。そして、空気極パージ実行中フラグ変数 FLAG_Aに0を代入する。
【0055】
S28では、空気極パージ時間計測用変数TimeA に1を加算し、空気極パージ実行中フラグ変数FLAG_Aに1を代入する。
【0056】
S30では、S20で算出したパージ空気流量Fa と空気極パージ時間Ta を修正するタイミングかどうかを判定するため、空気極パージを開始してからの経過時間を示す空気極パージ時間計測用変数TimeA が所定時間(T1)以上となったか否かを判定する。変数TimeA が所定値T1以上であれば、修正するタイミングとして、S32へ進む。
【0057】
S32では、セル電圧センサ23が検出したセル電圧を読み込み、S34でセル電圧が所定値E1未満か否かを判定する。本実施形態においては、セル電圧が所定値E1 より低下していれば、燃料電池セルのフラッディング(水溢れ)が多いと判定して、空気極パージの空気流量及び空気極パージ時間を増加するように制御する。
【0058】
S34の判定で、セル電圧が所定値E1未満であれば、S36へ進み、空気流量Fa と空気極パージ時間Ta とをセル電圧に基づいて修正する。本実施形態では、空気極パージにおけるパージ空気流量は、燃料電池セル電圧に基づいて修正し、修正したパージ空気流量に基づいてS20と同様にしてパージ時間を決定するようにしている。燃料電池のセル電圧が所定値E1を下回っている場合には、パージ空気流量をΔF1 だけ増やすようにする。
【0059】
S34の判定で、セル電圧が所定値E1以上であれば、パージ空気流量及び空気極パージ時間の修正を行うことなく、S38へ進む。
【0060】
S38では、空気極パージを行うために、目標空気流量として空気流量Fa を空気供給装置1へ出力する。空気供給装置であるコンプレッサは、空気流量センサ15が検出する実際の空気流量がFa となるように回転数を制御するようにしている(但しこれらは図示していない)。また、空気極圧力調整バルブ12を全開にするように信号を送る。
【0061】
S40では、水素極パージ時間Th だけ経過したか否かを判定する。この判定には、変数TimeH がTh 以上か否かを判定する。
【0062】
変数TimeH がTh 以上の場合には、次のS42へ進む。そうでない場合はS48へ進む。
【0063】
S42では、水素極パージを終了するため、水素供給装置3を制御して燃料電池本体2に供給する水素流量をパージ開始前の水素流量に戻し、水素極パージバルブ13をパージ実行前の開度にするように信号を送る。また水素極パージ実行中フラグ変数FLAG_Hに0を代入する。
【0064】
S44ではパージ終了か否かを判断する。水素極パージ実行中フラグ変数 FLAG_H は、S42でリセットしたので、S44では、空気極パージ実行中フラグ変数 FLAG_A が0か否かを判定する。
【0065】
S44の判定で、変数 FLAG_A が0でなければ、まだ空気極パージ中なのでメインルーチンにリターンする。
【0066】
S44の判定で、変数 FLAG_A が0であれば、空気極、水素極ともにパージが終了しているので、S46へ進む。
【0067】
S46では、空気極パージ時間計測用変数TimeA をリセットし、水素極パージ時間計測用変数TimeH をリセットする。また、負荷電流積算値QLもリセットし、メインルーチンにリターンする。
【0068】
S48では、水素極パージ時間計測用変数TimeH に1を加算し、水素極パージ実行中フラグ変数 FLAG_H に1を代入する。
【0069】
S50では、S22で算出したパージ水素流量Fh と水素極パージ時間Th を修正するかどうかを判定するため、水素極パージ時間計測用変数TimeH が所定値T2以上となったか否かを判定する。
【0070】
本実施形態では、変数TimeH が所定値T2 以上となった場合、パージ水素流量は燃料電池セル電圧に基づいて修正し、修正したパージ水素流量に基づいてS22と同様にして水素極パージ時間を決定するようにしている。
【0071】
S50の判定で、変数TimeH が所定値T2以上であれば、修正するタイミングとして、S52へ進む。
【0072】
S52では、セル電圧センサ23が検出したセル電圧を読み込み、S54でセル電圧が所定値E1未満か否かを判定する。本実施形態においては、セル電圧が所定値E1 より低下していれば、燃料電池セルのフラッディング(水溢れ)が多いと判定して、空気極パージの空気流量及び空気極パージ時間を増加するように制御する。
【0073】
S54の判定で、セル電圧が所定値E1未満であれば、S56へ進み、パージ水素流量Fh と水素極パージ時間Th とをセル電圧に基づいて修正する。本実施形態では、水素極パージにおけるパージ水素流量は、燃料電池セル電圧に基づいて修正し、修正したパージ水素流量に基づいてS22と同様にしてパージ時間を決定するようにしている。燃料電池のセル電圧が所定値E1を下回っている場合には、パージ水素流量をΔF2 だけ増やすようにし、その後さらに電圧が低下する場合には、逆にΔF2だけ減らすようにする。
【0074】
S54の判定で、セル電圧が所定値E1以上であれば、パージ水素流量及び水素極パージ時間の修正を行うことなく、S58へ進む。
【0075】
S58では、水素極パージを行うために、目標水素流量として水素流量Fh を水素供給装置3へ出力する。水素供給装置3は、水素流量センサ14が検出する実際の水素流量がFh となるように水素供給装置内の図示しない流量調節バルブを制御するようにしている。また、水素極パージバルブ13を全開にするように信号を送り、メインルーチンにリターンする。
【0076】
尚、本実施形態では、パージ周期より負荷変動周期が短い燃料電池システムに適用するため、負荷電流ILを積算した負荷電流積算値QLを用いたが、パージ周期に比べて負荷変動の周期が長い用途では、負荷電流を積算することなく、パージ周期に達したときの負荷電流値に基づいて、パージ空気流量と空気極パージ時間を算出すればよい。パージ水素流量及び水素極パージ時間の算出も同様である。
【0077】
以上説明した本実施形態によれば、燃料電池の運転状態に応じて、空気極パージに使用するパージ空気流量または空気極パージ時間を変更して、空気供給装置を動作させるための動力(電力)を節約することができる。燃料電池の空気極は燃料電池の発電が活発な高負荷になるほど生成水が生じやすいという性質があり、空気極に生じる水滴は大きくなりやすい。特に定期的なパージを行う場合には高負荷時には多量の空気を排出して空気極のパージをする必要があるが、低負荷時には高負荷時と同じよう多量の空気を排出しなくても水滴を吹き飛ばすことができる。
【0078】
本実施形態によれば、高負荷になるほど空気極パージのために排出する空気を増やすようにして、低負荷時になるほど空気極パージのために排出する空気量を減らすようにするので、空気極パージのために排出する空気量を低負荷時に節約することができ、低負荷時に排出する空気量を低減することができるので、空気極パージ時使用する空気供給装置を動かすための電力を節約することができる。
【0079】
また、本実施形態によれば、燃料電池の運転状態に応じて、水素極パージに使用するパージ水素流量または水素極パージ時間を変更して、水素極パージ時に排出することになる水素量を節約することができる。
【0080】
燃料電池の水素極と空気極の間には高分子膜があり水素イオンが水素極から空気極へ移動するための伝導体として機能している。この高分子膜が水素イオン伝導体として機能するためには、高分子膜が水分を含んでいる必要がある。高分子膜加湿のために燃料電池の水素極から排出する排水素を再循環して燃料電池入口に戻して再利用することが行われる。排水素は水分を多く含むため、この水素と水素供給装置から供給する水素を混合して、燃料電池水素極に供給する水素を加湿して供給するようにしている。このような燃料電池システムの場合、空気極に多量に発生した生成水の影響を受けて、高分子膜の加湿が過剰になり、水素極にも水滴を生じて、水素極上を水素ガスが流れる経路を塞いでしまい、発電を継続できなくなる場合が考えられる。これは空気極に生成水が発生しやすくなる高負荷になるほど顕著である。
【0081】
本実施形態では、高負荷になるほど水素極パージのために排出する水素量を増やすようにして、低負荷時になるほど水素極パージのために排出する水素量を減らすようにするので、水素極パージのために排出する水素量を低負荷時に節約することができる。
【0082】
〔第2実施形態〕
次に、本発明に係る燃料電池システムの第2実施形態を説明する。第2実施形態の構成は、図1に示した第1実施形態の構成と同様である。第2実施形態では、水素極パージにおける水素流量及び水素極パージ時間を水素利用率に基づいて算出する例を説明する。水素利用率は水素圧力と負荷電流に基づいて算出する。図4、5は、第2実施形態におけるパージ制御の動作を説明するフローチャートである。
【0083】
図4において、まずS110では、負荷電流センサ10から負荷電流値IL、水素極入口圧力センサ8から水素極入口圧力、水素極出口圧力センサ21から水素極出口圧力をそれぞれ読み込む。次いでS112で負荷電流積算値QLに負荷電流値ILを加算して更新する。負荷電流積算値QLは、前回のパージ直後からの負荷電流を所定時間毎に積算したものであり、前回のパージ後に水素極で消費された水素量に略比例する値となる。
【0084】
次いで、S114で、水素極入口圧力及び水素極出口圧力から燃料電池本体2の水素極入口に流入する入口水素流量Fhiを算出する。この算出には、入口圧力、出口圧力と水素流量との関係を実験データから予め関数化して制御装置11の内部に記憶したものを利用する。
【0085】
S116では、負荷電流ILから燃料電池本体2の発電反応のために消費した消費水素流量Fhcを算出する。
【0086】
負荷電流ILから消費水素流量Fhcを算出するには、次の式(1)による。
【0087】
【数1】
消費水素流量Fhc[NL/min]=係数×セル数×負荷電流IL[A]  …(1)
係数は、燃料電池の構成によって決まる定数であり、本実施形態では7.0。セル数は420とする。
【0088】
燃料電池本体2の水素極出口から水素極入口へ循環される水素流量を循環水素流量Fhrとすると、入口水素流量Fhi、消費水素流量Fhc、循環水素流量Fhrは、水素極パージバルブ13が閉じている間は、式(2)の関係にある。
【0089】
【数2】
入口水素流量Fhi=消費水素流量Fhc+循環水素流量Fhr   …(2)
S118では、入口水素流量の積算値Qhiに入口水素流量Fhiを加算して更新する。S120では、消費水素流量の積算値Qhcに消費水素流量Fhcを加算して更新する。
【0090】
S122で変数INTに1を加算して更新する。この変数INTは、経過時間を計数するソフトウェアタイマであり、本ルーチンが呼び出される毎に1づつ加算される。
【0091】
S124で、パージ周期に達したか否かを判定する。パージ周期は実験に基づいてあらかじめ決めた値で、ここでは、例えば15分(900秒=60秒×15)とする。この判定は、900≦INTか否かを判定することにより達せられる。パージ周期に達していなければ、メインルーチンにリターンする。S124の判定でパージ周期に達していれば(900≦INT)、S126以下でパージを実行する。
【0092】
S126では、変数INTをリセットする。S128では、負荷電流積算値QLに基づいて空気極パージの空気流量Fa 、空気極パージ時間Ta を算出する。空気極パージのために排出する空気流量と空気極パージ時間は予め実験により求めた関数を計算式または制御マップとして制御装置11の内部に記憶しておき、この関数を使って算出する。S128の詳細は、第1実施形態のS20と同様である。
【0093】
S130では、水素利用率Rh を式(3)により算出する(水素利用率算出手段)。
【0094】
【数3】
水素利用率Rh =Qhc/Qhi  …(3)
S132では、水素利用率Rh に基づいて水素極パージの水素流量Fh 、水素極パージ時間Th を算出する。水素極パージのために排出する水素流量と水素極パージ時間は予め実験により求めた関数を計算式または制御マップとして制御装置11の内部に記憶しておき、この関数を使って算出する。
【0095】
図13は、水素利用率Rh と水素極パージ時の排出する水素流量との関係を表わす関数の一例である。水素利用率Rh が低くなるほどパージ時に排出する水素流量が多くなるようにしている。
【0096】
水素利用率が低いほど水素極側が加湿過剰になって生じやすい水滴を効率良く吹き飛ばすようにしている。水素利用率が大きい時は、パージで排出する水素量が少なくなるようにしたので、燃料である水素を節約することができるようになる。
【0097】
図14は、水素利用率Rh と水素極パージ時間の関係を表わす関数の一例である。水素利用率Rh が低くなるほど水素極パージ時間が長くなるようにしている。
【0098】
ここでは、パージ水素流量と水素極パージ時間を別々に決めるようにしたが、パージ水素流量−水素極パージ時間−水素利用率の関係を3次元マップ関数にして参照するようにしてもよい。
【0099】
S134では、空気極パージ時間だけ経過したか否かを判定する。具体的には、空気極パージ時間計測用変数TimeA が空気極パージ時間Ta 以上となったか否かを判定する。
【0100】
変数TimeA が空気極パージ時間Ta 以上となった場合には、次のS136へ進む。そうでない場合はS138へ進む。
【0101】
S136では、空気供給装置1から燃料電池本体2に供給する空気流量をパージ開始前の空気流量に戻し、空気極圧力調整バルブ12をパージ実行前の開度にするように信号を送る。そして、空気極パージ実行中フラグ変数 FLAG_Aに0を代入する。
【0102】
S138では、空気極パージ時間計測用変数TimeA に1を加算し、空気極パージ実行中フラグ変数FLAG_Aに1を代入する。
【0103】
S140では、空気極パージを行うために、目標空気流量として空気流量Fa を空気供給装置1へ出力する。空気供給装置であるコンプレッサは、空気流量センサ15が検出する実際の空気流量がFa となるように回転数を制御するようにしている(但しこれらは図示していない)。また、空気極圧力調整バルブ12を全開にするように信号を送る。
【0104】
S142では、水素極パージ時間Th だけ経過したか否かを判定する。この判定には、変数TimeH がTh 以上か否かを判定する。
【0105】
変数TimeH がTh 以上の場合には、次のS144へ進む。そうでない場合はS150へ進む。
【0106】
S144では、水素極パージを終了するため、水素供給装置3を制御して燃料電池本体2に供給する水素流量をパージ開始前の水素流量に戻し、水素極パージバルブ13をパージ実行前の開度にするように信号を送る。また水素極パージ実行中フラグ変数FLAG_Hに0を代入する。
【0107】
S146ではパージ終了か否かを判断する。水素極パージ実行中フラグ変数 FLAG_H は、S144でリセットしたので、S146では、空気極パージ実行中フラグ変数 FLAG_A が0か否かを判定する。
【0108】
S146の判定で、変数 FLAG_A が0でなければ、まだ空気極パージ中なのでメインルーチンにリターンする。
【0109】
S146の判定で、変数 FLAG_A が0であれば、空気極、水素極ともにパージが終了しているので、S148へ進む。
【0110】
S148では、空気極パージ時間計測用変数TimeA をリセットし、水素極パージ時間計測用変数TimeH をリセットする。また、負荷電流積算値QLもリセットし、メインルーチンにリターンする。
【0111】
S150では、水素極パージ時間計測用変数TimeH に1を加算し、水素極パージ実行中フラグ変数 FLAG_H に1を代入する。
【0112】
S152では、水素極パージを行うために、目標水素流量として水素流量Fh を水素供給装置3へ出力する。水素供給装置3は、水素流量センサ14が検出する実際の水素流量がFh となるように水素供給装置内の図示しない流量調節バルブを制御するようにしている。また、水素極パージバルブ13を全開にするように信号を送り、メインルーチンにリターンする。
【0113】
本実施形態によれば、水素利用率に基づいて燃料電池本体の水素極パージのために排出する水素量を変更して、水素極パージのために排出する水素量を低減することができる。
【0114】
燃料電池の水素極と空気極の間には高分子膜があり、水素イオンが水素極から空気極へ移動するための通路である伝導体として機能している。この高分子膜が水素イオン伝導体として機能するためには、高分子膜が水分を含んでいる必要がある。高分子膜加湿のために燃料電池の水素極から排出する排水素を再循環して燃料電池入口に戻して再利用することが行われる。
【0115】
この再循環させる水素を循環水素という。循環水素は水分を多く含むため、この水素と水素供給装置から供給する水素を混合して、燃料電池水素極に供給する水素を加湿して供給するようにしている。高分子膜を水素イオンが移動する時、同時に水分も移動するため常に高分子膜を加湿する必要があり、この役目をになっているのが循環水素である。この時、循環水素流量が少ないと高分子膜の加湿が不十分になり、発電効率の低下もしくは著しい場合には、発電継続不能になる場合がある。これは水素イオンの移動が活発な高負荷になるほど、移動する水分量も多くなるので顕著となる。
【0116】
循環水素流量が水素極に流入する水素に対して少ないときは(水素利用率が高い)、高分子膜は乾き傾向にある。このとき多量の水素を排出して水素極パージを行うと逆に高分子膜をさらに乾燥させてしまい、発電効率の低下もしくは著しい場合には、発電継続不能になる場合がある。これは特に定期的なパージを行う場合には顕著である。
【0117】
そこで、水素利用率が高い場合には水素極パージのために排出する水素量を低減し、水素利用率が小さい場合には水素極パージのために排出する水素量を増加するように作用する。これによって、水素利用率が高い場合に水素極パージによって高分子膜の加湿不十分を引き起こし、発電効率の低下もしくは著しい場合には、発電継続不能になるという不具合を防止するようにでき、排出する水素量を節約できる。
【0118】
また、水素利用率が小さい場合ほど水素極パージ時間を長くし、水素利用率が大きいほど水素極パージ時間を短くするようにしたので、低負荷時に排出する水素極パージのために排出する水素量を節約することができる。
【0119】
従来技術によれば、水素利用率に関わらず水素極パージ時の水素流量を一定としていたため、水素利用率が高いときには、燃料となる水素の無駄にもなるし、水素極を逆に乾かしすぎてしまう場合もある。本実施形態では、水素利用率に応じて水素極パージ時の水素流量を算出しているので、このような燃料の無駄と、水素極の乾かし過ぎをなくすことができ、かつ、水素極パージも十分にでき、燃料電池内部の湿度状態を適正に保つことができる。
【0120】
〔3実施形態〕
次に、本発明に係る燃料電池システムの第3実施形態を説明する。第3実施形態の構成は、図1に示した第1実施形態の構成と同様である。第3実施形態は、燃料電池の状態に応じてパージ周期を変更するようにした例である。図6、7は、第3実施形態におけるパージ制御の動作を説明するフローチャートである。
【0121】
図6において、まずS210では、負荷電流センサ10から負荷電流値ILを読み込む。次いでS212で負荷電流積算値QLに負荷電流値ILを加算して更新する。負荷電流積算値QLは、前回のパージ直後からの負荷電流を所定時間毎に積算したものであり、前回のパージ後に水素極で消費された水素量に略比例する値となる。
【0122】
S214では、負荷電流積算値QLに基づいてパージ周期TPGを設定する(パージ周期変更手段)。本実施形態では負荷(負荷電流積算値QL)が大きいほどパージ周期を長くするようにしている。図15はその一例である。
【0123】
S216では、変数INTに1を加算して更新する。この変数INTは、経過時間を計数するソフトウェアタイマであり、本ルーチンが呼び出される毎に1づつ加算される。
【0124】
S218で、パージ周期に達したか否かを判定するため、変数INTがパージ周期TPG以上になったか否かを判定する。
【0125】
パージ周期に達していなければ(TPG>INT)、メインルーチンにリターンする。S218の判定でパージ周期に達していれば(TPG≦INT)、S220以下でパージを実行する。
【0126】
S220では、変数INTをリセットする。S222では、負荷電流積算値QLに基づいて空気極パージの空気流量Fa 、空気極パージ時間Ta を算出する。負荷電流積算値QLに対する空気極パージのために排出する空気流量と空気極パージ時間とは、予め実験により求めた関数を計算式または制御マップとして制御装置11の内部に記憶しておき、この関数を使って算出する。この詳細は、第1実施形態のS20と同様である。
【0127】
S224では、負荷電流積算値QLに基づいて水素極パージの水素流量Fh 、水素極パージ時間Th を算出する。負荷電流積算値QLに対する水素極パージのために排出する水素流量と水素極パージ時間とは、予め実験により求めた関数を計算式または制御マップとして制御装置11の内部に記憶しておき、この関数を使って算出する。この詳細は、第1実施形態のS22と同様である。
【0128】
S226では、空気極パージ時間だけ経過したか否かを判定する。具体的には、空気極パージ時間計測用変数TimeA が空気極パージ時間Ta 以上となったか否かを判定する。
【0129】
変数TimeA が空気極パージ時間Ta 以上となった場合には、次のS228へ進む。そうでない場合はS230へ進む。
【0130】
S228では、空気供給装置1から燃料電池本体2に供給する空気流量をパージ開始前の空気流量に戻し、空気極圧力調整バルブ12をパージ実行前の開度にするように信号を送る。そして、空気極パージ実行中フラグ変数 FLAG_Aに0を代入する。
【0131】
S230では、空気極パージ時間計測用変数TimeA に1を加算し、空気極パージ実行中フラグ変数FLAG_Aに1を代入する。
【0132】
S232では、空気極パージを行うために、目標空気流量として空気流量Fa を空気供給装置1へ出力する。空気供給装置であるコンプレッサは、空気流量センサ15が検出する実際の空気流量がFa となるように回転数を制御するようにしている(但しこれらは図示していない)。また、空気極圧力調整バルブ12を全開にするように信号を送る。
【0133】
S234では、水素極パージ時間Th だけ経過したか否かを判定する。この判定には、変数TimeH がTh 以上か否かを判定する。
【0134】
変数TimeH がTh 以上の場合には、次のS236へ進む。そうでない場合はS242へ進む。
【0135】
S236では、水素極パージを終了するため、水素供給装置3を制御して燃料電池本体2に供給する水素流量をパージ開始前の水素流量に戻し、水素極パージバルブ13をパージ実行前の開度にするように信号を送る。また水素極パージ実行中フラグ変数FLAG_Hに0を代入する。
【0136】
S238ではパージ終了か否かを判断する。水素極パージ実行中フラグ変数 FLAG_H は、S236でリセットしたので、S238では、空気極パージ実行中フラグ変数 FLAG_A が0か否かを判定する。
【0137】
S238の判定で、変数 FLAG_A が0でなければ、まだ空気極パージ中なのでメインルーチンにリターンする。
【0138】
S238の判定で、変数 FLAG_A が0であれば、空気極、水素極ともにパージが終了しているので、S240へ進む。
【0139】
S240では、空気極パージ時間計測用変数TimeA をリセットし、水素極パージ時間計測用変数TimeH をリセットする。また、負荷電流積算値QLもリセットし、メインルーチンにリターンする。
【0140】
S242では、水素極パージ時間計測用変数TimeH に1を加算し、水素極パージ実行中フラグ変数 FLAG_H に1を代入する。
【0141】
S244では、水素極パージを行うために、目標水素流量として水素流量Fh を水素供給装置3へ出力する。水素供給装置3は、水素流量センサ14が検出する実際の水素流量がFh となるように水素供給装置内の図示しない流量調節バルブを制御するようにしている。また、水素極パージバルブ13を全開にするように信号を送り、メインルーチンにリターンする。
【0142】
第3実施形態として第1実施形態との組み合わせを示したが、第2実施形態と組み合わせても全く支障ない。
【0143】
本実施形態によれば、燃料電池の運転状態に応じてパージ周期を変更するようにしたので、例えば、生成水の量が多くなる高負荷時には、パージ周期を短く設定し、低負荷時にはパージ周期を長く設定することにより、空気極パージのための空気供給装置の動力を節約することができるとともに、水素極パージのための燃料を節約することができる。
【0144】
〔第4実施形態〕
次に、本発明に係る燃料電池システムの第4実施形態を説明する。第4実施形態の構成は、図1に示した第1実施形態の構成と同様である。第4実施形態は、空気極、水素極の湿度を推定して湿度具合が目標湿度になるようにパージ流量とパージ時間を変更するようにした例である。図8、9は、第4実施形態におけるパージ制御の動作を説明するフローチャートである。
【0145】
図8において、まずS310では、変数INTに1を加算して更新する。この変数INTは、経過時間を計数するソフトウェアタイマであり、本ルーチンが呼び出される毎に1づつ加算される。
【0146】
S312では、パージ周期に達したか否かを判定する。パージ周期は実験に基づいてあらかじめ決めた値で、ここでは、例えば15分(900秒=60秒×15)とする。この判定は、900≦INTか否かを判定することにより達せられる。パージ周期に達していなければ、メインルーチンにリターンする。S312の判定でパージ周期に達していれば(900≦INT)、S314以下でパージを実行する。
【0147】
S314では、変数INTをリセットする。S316では、負荷電流センサ10により燃料電池の負荷電流を検出する。S318では、燃料電池本体2の空気極側の状態を検出する。ここで検出する空気極側の状態には、空気極入口圧力センサ7が検出する空気極入口圧力、空気極出口圧力センサ20が検出する空気極出口圧力、温度センサ18が検出する空気極入口温度、温度センサ19が検出する空気極出口温度、及び空気流量センサ15が検出する空気供給装置1の出口の空気流量がある。
【0148】
S320では、負荷電流、空気極入口圧力、空気極出口圧力、空気極入口温度、空気極出口温度、及び空気供給装置1の出口の空気流量に基づいて、燃料電池本体2の空気極側の湿度(加湿状態)を推定する(空気極加湿状態検出手段)。
【0149】
負荷電流と、空気極入口圧力と、空気極出口圧力と、空気極入口温度と、空気極出口温度と、空気供給装置1の出口の空気流量とは、すべて空気極側の湿度に影響を与えるものである。負荷電流は燃料電池本体2の内部で生成する湿度分と関連がある。
【0150】
これらの状態から燃料電池本体2の空気極側の湿度を推定するには様々な方法がある。湿度線図を用いて、温度、圧力による補正をしても良い。しかし、燃料電池内部で生成する湿度分が正確に推定できない場合があるなど計算がいつもうまくいくとは限らない場合がある。湿度計を燃料電池内部に設けて温度、圧力で補正しても良い。燃料電池内部で生成する湿度分の不確かさおよび、取り付けの難しさなどの難点がある。
【0151】
そこで、本実施形態では、このような場合に有効な実験データに基づく経験モデルを使用している。実験データからモデルパラメータを決める方法として部分最小2乗法(PLS)が有効である。PLSは多変数の入力データから1つの出力を求めるモデルパラメータを決定することができ、しかも、非線形性に強いので大変有効である。
【0152】
湿度を出力とし、湿度と関連する負荷電流と、空気極入口圧力と、空気極入口の温度と、空気極出口の温度と空気供給装置出口の空気流量を入力として、モデルを作成する。また、一度PLSモデルを作成してその係数の大きい入力変数(湿度に与える影響が大きい入力変数)を選択して、再度モデルを作り直しても良い。モデルが簡素化され計算負荷が軽くなる利点がある。湿度に与える影響が大きい入力変数に選択にはPCA解析(主成分分析)を用いても良い。
【0153】
次いで、S322で、空気極側の推定湿度から空気極パージのための空気流量Fa と空気極パージ時間Ta を決定する(パージ空気量算出手段)。
【0154】
空気流量Fa と空気極パージ時間Ta の決定において、まずパージ空気流量Fa を決定する。本実施形態では、図16に示すようなパージ時の空気流量と空気極側湿度との関係を表わす関数を使用する。これは実験データまたはシミュレーションにより予め作成しておくことができる。このような関数を負荷をパラメータとして幾つか用意しておき、現在の負荷に相当する関数を参照して、目標湿度になるように空気流量を算出する。
【0155】
次いで、図17に示すような空気極パージ時間と空気極側湿度との関係を表わす関数を使用して空気極パージ時間を決める。これは実験データまたはシミュレーションにより予め作成しておくことができる。このような関数を負荷をパラメータとして幾つか用意しておき、現在の負荷に相当する関数を参照して、目標湿度になるようにパージ時間を算出する。
【0156】
尚、負荷−パージ空気流量−パージ時間の関係を3次元マップ関数として参照するようにしても良い。
【0157】
次にS324で、燃料電池本体2の水素極側の状態を検出する。ここで検出する水素極側の状態には、水素極入口圧力センサ8が検出する水素極入口圧力、水素極出口圧力センサ21が検出する水素極出口圧力、温度センサ16が検出する水素極入口温度、温度センサ17が検出する水素極出口温度、水素利用率、及び水素流量センサ14が検出する水素供給装置3の出口の水素流量がある。
【0158】
S326では、負荷電流、水素極入口圧力、水素極出口圧力、水素極入口温度、水素極出口温度、水素利用率、及び水素供給装置3の出口の水素流量に基づいて、燃料電池本体2の水素極側の湿度(加湿状態)を推定する(水素極加湿状態検出手段)。
【0159】
負荷電流と、水素極入口圧力と、水素極出口圧力と、水素極入口温度と、水素極出口温度と、水素利用率と、水素供給装置3の出口の水素流量はすべて水素極側の湿度に影響を与えるものである。負荷電流は燃料電池内で高分子膜を移動する水分、空気極で生成する水の影響と関連がある。
【0160】
これらの状態から燃料電池本体2の水素極側の湿度を推定するには様々な方法がある。湿度線図を用いて、温度、圧力による補正をしても良い。しかし、燃料電池内部で生成、移動する湿度分が正確に推定できない場合があるなど計算がいつもうまくいくとは限らない場合がある。湿度計を燃料電池内部に設けて温度、圧力で補正しても良い。燃料電池内部で生成、移動する湿度分の不確かさおよび、取り付けの難しさなどの難点がある。
【0161】
そこで、本実施形態では、このような場合に有効な実験データに基づく経験モデルを使用している。実験データをからモデルパラメータを決める方法として部分最小2乗法(PLS)が有効である。PLSは多変数の入力データから1つの出力を求めるモデルパラメータを決定することができ、しかも、非線形性に強いので大変有効である。
【0162】
また、一度PLSモデルを作成してその係数の大きい入力変数(湿度に与える影響が大きい入力変数)を選択して、再度モデルを作り直しても良い。モデルが簡素化され計算負荷が軽くなる利点がある。湿度に与える影響が大きい入力変数に選択にはPCA解析(主成分分析)を用いても良い。
【0163】
次いで、S328で、水素極側の推定湿度から水素極パージのための水素流量Fh と水素極パージ時間Th を決定する(パージ水素量算出手段)。
【0164】
水素流量Fh と水素極パージ時間Th の決定において、まずパージ水素流量Fh を決定する。本実施形態では、図18に示すようなパージ時の水素流量と水素極側湿度の関係を表わす関数を使用する。これは実験データまたはシミュレーションにより予め作成しておくことができる。このような関数を負荷をパラメータとして幾つか用意しておき、現在の負荷に相当する関数を参照して、目標湿度になるように水素流量を算出すようにする。
【0165】
次いで、図19に示すような水素極パージ時間と水素極側湿度との関係を表わす関数を使用して水素極パージ時間を決める。これは実験データまたはシミュレーションにより予め作成しておくことができる。このような関数を負荷をパラメータとして幾つか用意しておき、現在の負荷に相当する関数を参照して、目標湿度になるようにパージ時間を算出する。
【0166】
尚、負荷−パージ水素流量−パージ時間の関係を3次元マップ関数として参照するようにしても良い。
【0167】
次に、第1実施形態で説明した図2のS24へ移り、第1実施形態と同様の処理を行う。
【0168】
本実施形態によれば、燃料電池本体の空気極側湿度を用いてパージ空気流量を制御することにより、空気極パージ時に無駄に多量の空気を排出することを防止するようにできる。またパージが不十分で湿度が高いままで発電効率が低下して、セル電圧低下を招いて発電を継続できなくなるような不具合を防止できる。
【0169】
また、本実施形態によれば、燃料電池本体の水素極側湿度を用いてパージ水素流量を制御することにより、水素極パージ時に無駄に多量の水素を排出することを防止するようにできる。またパージが不十分で湿度が高いままで発電効率が低下して、セル電圧低下を招いて発電を継続できなくなるような不具合を防止でき、逆に水素極が乾きすぎて発電効率が低下して、セル電圧低下を招いて発電を継続できなくなるような不具合を防止するようにできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る燃料電池システムの構成を説明するシステム構成図である。
【図2】本発明に係る燃料電池システムの第1実施形態におけるパージ制御を説明するフローチャートである。
【図3】本発明に係る燃料電池システムの第1実施形態におけるパージ制御を説明するフローチャートである。
【図4】本発明に係る燃料電池システムの第2実施形態におけるパージ制御を説明するフローチャートである。
【図5】本発明に係る燃料電池システムの第2実施形態におけるパージ制御を説明するフローチャートである。
【図6】本発明に係る燃料電池システムの第3実施形態におけるパージ制御を説明するフローチャートである。
【図7】本発明に係る燃料電池システムの第3実施形態におけるパージ制御を説明するフローチャートである。
【図8】本発明に係る燃料電池システムの第4実施形態におけるパージ制御を説明するフローチャートである。
【図9】燃料電池の負荷と空気極パージ時の空気流量との関係を表す関数例である。
【図10】燃料電池の負荷と空気極パージ時間との関係を表す関数例である。
【図11】燃料電池の負荷と水素極パージ時の水素流量との関係を表す関数例である。
【図12】燃料電池の負荷と水素極パージ時間との関係を表す関数例である。
【図13】水素利用率と水素極パージ時の水素流量との関係を表す関数例である。
【図14】水素利用率と水素極パージ時間との関係を表す関数例である。
【図15】燃料電池の負荷とパージ周期との関係を表す関数例である。
【図16】空気極側湿度と空気極パージ時の空気流量との関係を表す関数例である。
【図17】空気極側湿度と空気極パージ時間との関係を表す関数例である。
【図18】水素極側湿度と水素極パージ時の水素流量との関係を表す関数例である。
【図19】水素極側湿度と水素極パージ時間との関係を表す関数例である。
【符号の説明】
1 空気供給装置
2 燃料電池本体
3 水素供給装置
4 加湿器
5 循環水素装置
6 負荷
7 空気極入口圧力センサ
8 水素極入口圧力センサ
9 循環水素流量センサ
10 負荷電流センサ
11 制御装置
12 空気極圧力調整バルブ
13 水素極パージバルブ
14 水素流量センサ
15 空気流量センサ
16 温度センサ
17 温度センサ
18 温度センサ
19 温度センサ
20 空気極出口圧力センサ
21 水素極出口圧力センサ
22 水素循環経路
23 セル電圧センサ
25 空気極パージ変更手段
26 水素極パージ変更手段

Claims (16)

  1. 水素を供給する水素供給装置と、
    空気を供給する空気供給装置と、
    前記水素供給装置から供給する水素と前記空気供給装置から供給する空気中の酸素とを電気化学的に反応させて発電する燃料電池本体と、
    該燃料電池本体の水素極の出口側に水素を外部へ排出する水素流量制御弁もしくは水素圧力制御弁と、
    前記燃料電池本体の空気極の出口側に空気を外部へ排出する空気流量制御弁もしくは空気圧力制御弁と、を備えた燃料電池システムにおいて、
    燃料電池の運転状態に応じて、空気極パージに使用するパージ空気流量と空気極パージ時間との少なくとも一方を変更する空気極パージ変更手段と、
    燃料電池の運転状態に応じて、水素極パージに使用するパージ水素流量と水素極パージ時間との少なくとも一方を変更する水素極パージ変更手段と、
    を備えたことを特徴とする燃料電池システム。
  2. 前記燃料電池システムは、
    上記燃料電池本体の水素極から排出される水素ガスを再循環させる循環水素装置と、
    該循環水素装置の作用により燃料電池本体の水素極から排出される水素ガスを再循環させて、前記水素供給装置から供給する水素と混合して燃料電池本体入口の水素極に供給する水素循環経路と、
    を備え、
    前記水素極パージ変更手段は、
    前記水素極で発電反応のために消費した水素量を前記水素極入口に流入した水素量で除算した水素利用率を算出する水素利用率算出手段を備え、
    該水素利用率に基づいて、水素極パージに使用するパージ水素流量と水素極パージ時間との少なくとも一方を変更することを特徴とする請求項1記載の燃料電池システム。
  3. 燃料電池本体の空気極の加湿状態を検出または推定する空気極加湿状態検出手段を備え、
    前記空気極パージ変更手段は、該空気極加湿状態検出手段の出力に応じて、空気極パージに使用するパージ空気流量と空気極パージ時間との少なくとも一方を変更することを特徴とする請求項1記載の燃料電池システム。
  4. 燃料電池本体の水素極の加湿状態を検出または推定する水素極加湿状態検出手段を備え、
    前記水素極パージ変更手段は、該水素極加湿状態検出手段の出力に応じて、水素極パージに使用するパージ水素流量と水素極パージ時間との少なくとも一方を変更することを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の燃料電池システム。
  5. 前記空気極パージ変更手段は、
    前記空気極加湿状態検出手段の出力が目標空気極加湿状態になるようにパージ空気流量または空気極パージ時間を算出するパージ空気量算出手段を備えたことを特徴とする請求項3記載の燃料電池システム。
  6. 前記水素極パージ変更手段は、
    前記水素極加湿状態検出手段の出力が目標水素極加湿状態になるようにパージ水素流量または水素極パージ時間を算出するパージ水素量算出手段を備えたことを特徴とする請求項4記載の燃料電池システム。
  7. 前記水素極パージ変更手段は、
    前記水素利用率算出手段が算出した水素利用率が小さくなるに従って、パージ水素流量を増加することを特徴とする請求項2記載の燃料電池システム。
  8. 前記燃料電池の運転状態は、燃料電池の負荷電流または前回のパージ以後の負荷電流積算値であり、
    該負荷電流または該負荷電流積算値が大きい程、前記空気極パージ変更手段は、パージ空気流量または空気極パージ時間を増加することを特徴とする請求項1記載の燃料電池システム。
  9. 前記燃料電池の運転状態は、燃料電池の負荷電流または前回のパージ以後の負荷電流積算値であり、
    該負荷電流または該負荷電流積算値が大きい程、前記水素極パージ変更手段は、パージ水素流量または水素極パージ時間を増加することを特徴とする請求項1記載の燃料電池システム。
  10. 前記水素極パージ変更手段は、
    前記水素利用率算出手段が算出した水素利用率が小さくなるに従って、水素極パージ時間を増加することを特徴とする請求項2記載の燃料電池システム。
  11. 前記空気極加湿状態検出手段は、
    燃料電池の負荷電流を検出する負荷電流検出手段と、
    燃料電池の空気極入口の圧力を検出する空気極入口圧力検出手段と、
    燃料電池の空気極出口の圧力を検出する空気極出口圧力検出手段と、
    燃料電池の空気極入口側の温度を検出する空気極入口温度検出手段と、
    燃料電池の空気極出口側の温度を検出する空気極出口温度検出手段と、
    前記空気供給装置出口の空気流量を検出する空気流量検出手段と、
    のいずれかひとつもしくは複数の出力に基づいて、空気極の加湿状態を推定する手段であることを特徴とする請求項3記載の燃料電池システム。
  12. 前記水素極加湿状態検出手段は、
    燃料電池の負荷電流を検出する負荷電流検出手段と、
    燃料電池の水素極入口の圧力を検出する水素極入口圧力検出手段と、
    燃料電池の水素極出口の圧力を検出する水素極出口圧力検出手段と、
    燃料電池の水素極入口側の温度を検出する水素極入口温度検出手段と、
    燃料電池の水素極出口側の温度を検出する水素極出口温度検出手段と、
    前記水素供給装置出口の水素流量を検出する原料水素流量検出手段と、
    のいずれかひとつもしくは複数の出力に基づいて、水素極の加湿状態を推定する手段であることを特徴とする請求項4記載の燃料電池システム。
  13. 燃料電池のセル電圧を検出するセル電圧検出手段を備え、前記空気極パージ変更手段または前記水素極パージ変更手段は、該セル電圧検出手段が検出したセル電圧に応じて、パージ空気流量またはパージ水素流量を変更することを特徴とする請求項1記載の燃料電池システム。
  14. 前記水素利用率算出手段は、
    燃料電池の負荷電流と、燃料電池の水素極入口圧力と、に基づいて前記水素利用率を算出する手段であることを特徴とする請求項2または請求項7または請求項10記載の燃料電池システム。
  15. 前記水素利用率算出手段は、
    燃料電池の負荷電流と、燃料電池の水素極入口圧力と、前記水素供給装置から供給する水素流量と、に基づいて前記水素利用率を算出する手段であることを特徴とする請求項2または請求項7または請求項10記載の燃料電池システム。
  16. 燃料電池の運転状態に応じて、空気極または水素極のパージ周期を変更するパージ周期変更手段を備えたことを特徴とする請求項1または請求項2記載の燃料電池システム。
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