JP2004071186A - 塗膜付ランプ用管球の製造方法 - Google Patents

塗膜付ランプ用管球の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2004071186A
JP2004071186A JP2002225288A JP2002225288A JP2004071186A JP 2004071186 A JP2004071186 A JP 2004071186A JP 2002225288 A JP2002225288 A JP 2002225288A JP 2002225288 A JP2002225288 A JP 2002225288A JP 2004071186 A JP2004071186 A JP 2004071186A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
bulb
coating liquid
lamp
light emitting
coating
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2002225288A
Other languages
English (en)
Inventor
Tomohiro Sawa
澤 智裕
Takeshi Arakawa
荒川 剛
Kenji Hirai
平井 健治
Kuninori Takezawa
竹澤 邦則
Shinichiro Ishizuka
石塚 真一郎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority to JP2002225288A priority Critical patent/JP2004071186A/ja
Publication of JP2004071186A publication Critical patent/JP2004071186A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Application Of Or Painting With Fluid Materials (AREA)
  • Coating Apparatus (AREA)

Abstract

【課題】一般的な塗液で高粘度のものを用いても、均一的な膜厚で管球の表面に塗膜を形成する方法を提供する。
【解決手段】容器20内に貯蔵されている塗液に発光バルブ11を浸漬する(図2(b))。塗液から発光バルブ11を引き上げて液切りを行う(図2(c))。発光バルブ11を、管軸を回転軸として自転しながら、ネック部11cが下側にトップ部11aが上側に位置するように上下反転し且つ管軸が鉛直方向に対して傾斜した姿勢とする(図2(d),(e))。管軸が傾斜した姿勢を保ったまま発光バルブ11を自転させながら、発光バルブ11をダクト40内に入れて乾燥を行う。
【選択図】    図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ランプ用管球の表面に塗膜を形成する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
ランプ用管球において、その外表面に塗膜を形成する場合がある。
例えば、白熱電球、高輝度放電ランプ、無電極ランプにおいて、万一管球が破損してもその飛散を防止するために、透明な樹脂からなる保護膜を管球の外表面に形成することがある。
【0003】
あるいは、ランプの発光効率を向上させるために、管球の外表面に多層構成の赤外線反射膜を形成する技術も知られている。
このように管球の外表面に樹脂塗膜を形成する一般的な方法として、樹脂を溶解した塗液を管球の表面にスプレーなどで吹き付けて塗布し、その後、熱を加えることによって塗膜を乾燥する方法、あるいは、樹脂塗料槽に管球を浸漬して引き上げ、焼成することによって塗膜を形成する方法が知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、管球の表面に塗膜を形成する際に、膜厚の分布をコントロールし、任意の膜厚を形成したり、膜厚を確保しながら均一な膜厚で塗膜を形成することが望まれる場合も多い。例えば保護膜の場合、膜厚の分布をコントロールすれば、管球が破損しやすい部分を厚くして保護することもできる。また、膜厚が均一であれば膜形成に使う材料が比較的少なくても、全体的に膜強度を確保することができる。
【0005】
しかし、上記の方法で、管球の表面に任意の膜厚分布を形成したり、膜厚が均一的に大きい塗膜を形成することは容易ではない。
すなわち、スプレーによって粘度が高い塗液を噴霧することは、スプレー用ノズルに大きな圧力が必要となり定量で連続塗布することは難しく、ノズルの目詰まりなどを引き起こしやすく、スプレー塗布する場合は塗液を低粘度に調整して塗布する必要がある。従って、スプレー塗布で所定の膜厚を確保しようとすれば、重ね塗りする必要があり、生産の歩留まり、タクトの向上が困難であるという課題がある。
【0006】
一方、浸漬する方法によれば、高粘度の塗液を管球表面に塗布することができるが、塗液の量(塗布量)の制御が困難で、一般的に塗布量が多くなり塗液が垂れやすいため、管球の表面全体にわたって均一な厚さで塗膜を形成したり、任意の膜厚を形成することは難しい。
また、特開平7−272699号公報に開示されているように、UV硬化型のポリエステル樹脂からなる塗布液に管球を浸漬して塗布膜を形成し、UV照射することによって硬化する方法も知られており、高粘度の塗液を管球の表面に塗布し、膜厚が均一的な塗膜を形成することができるとしているが、浸漬する方法を取るため、同様に、管球の表面全体にわたって均一な厚さで塗膜を形成したり、任意の膜厚を形成することは難しいという課題を有している。
【0007】
更に、UV硬化型の樹脂を用いた場合、形成された塗膜が紫外線によって劣化しやすい上、硬化までに時間がかかり、タクトの向上が困難であり、また、塗膜を硬化させるのに高価なUV照射装置も必要である。
なお、このような課題は、管球の外表面だけでなく、管球の内表面に塗液を塗布して塗膜を形成する場合にも生じる。また、ガラスによってはUVが透過されにくいので、管球の内表面にUV硬化型の樹脂塗膜を形成することは困難である。
【0008】
本発明は、このような背景のもとでなされたものであって、一般的な塗液で高粘度のものを用いても、均一な膜厚で管球の表面に塗膜を形成できるようにすることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明では、塗膜付ランプ用管球の製造方法において、ランプ用管球の内面及び外面の少なくとも一方に、塗液を付着させる塗液付着工程と、塗液付着工程の後に、ランプ用管球を、管軸を鉛直方向に対して傾斜させた姿勢で当該管軸を回転軸として自転させながら、付着した塗液を乾燥あるいは硬化させる乾燥工程とを設けることとした。
【0010】
この製法によれば、塗液の粘度が高くても、ランプ用管球の表面に塗布することができる。すなわち、乾燥工程において、管球表面に付着した塗液は、重力によって管球の下方向に垂れようとするので、回転軸を鉛直方向に合わせると塗膜の膜厚が鉛直下側で大きくなりやすいが、上記のように回転軸を鉛直方向に対して傾斜させると、傾斜に伴って塗液が管球の斜め上方向に引き上げられるので、塗膜の膜厚を均一にすることが可能となり、また膜厚分布を任意にコントロールすることも可能になる。
【0011】
なお、乾燥工程の期間中、必ずしも継続して回転軸を傾斜させている必要はなく、一時的に回転軸を傾斜させてもよい。
回転軸を鉛直方向に対して傾斜させる角度は鉛直上向きを0°として40°〜80°の範囲内に設定することが好ましい。
40°未満の範囲では、重力の影響が大きく液垂れ量が大きくなり、回転速度を上げて遠心力により液垂れ量を抑制しようものなら、かなり大きな回転速度が必要とされるため、かえって膜厚分布のコントロールが困難となる。また、80°を越える範囲では管球の最大径付近に塗膜が流動し、膜ムラを形成しやすくなってしまう。
【0012】
ランプ用管球の外表面に塗液を付着させる場合、ランプ用管球を塗液に浸漬し、ランプ用管球の外表面に付着した塗液の付着量を調整することによって、外表面全体に塗液を容易に付着させることができる。
管球のトップ部が下向きである姿勢で塗液の付着量を調整した場合には、乾燥工程では管球のトップ部が上向きである姿勢にし、管球のトップ部が上向きである姿勢で塗液の付着量を調整した場合には、乾燥工程では管球のトップ部が下向きである姿勢にすることによって、形成される塗膜の膜厚をより均一化または膜厚分布のコントロールをすることができる。
【0013】
ここで、トップ部が上向きあるいは下向きというのは、真上あるいは真下を向く場合だけを意味するのではなく、水平方向よりも上あるいは下に向いていることを意味する。
塗液の付着量を調整した後に、乾燥工程に移行する際に、ランプ用管球をその管軸を回転軸として自転させながら行うことによって、塗液が管球表面から落下するの抑えることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の一実施形態にかかる製法によって作製された無電極ランプの構成を示す図である。
この無電極ランプ10は、発光バルブ11、高周波駆動回路12が収納されるケース13、口金14などから構成されている。
【0015】
発光バルブ11は、透明ガラスからなる管球であって、内面に蛍光体が塗布され水銀を含む放電ガスが封入されている。発光バルブ11の直径は60〜80mmである。
発光バルブ11には、管軸Aに沿って凹部(不図示)が形成され、当該凹部に励磁コイル15が挿入される。高周波駆動回路12は、口金14を介して商用電源から電力を受け、励磁コイル15に高周波電流を供給する。それによって発光バルブ11内には放電が起こり、この放電に伴って紫外線が発生し、蛍光体層で可視光に変換される。
【0016】
図1において、11a,11b,11cは、発光バルブ11のトップ部、サイド部、ネック部を指す。
発光バルブ11の外表面上には、ガラス飛散防止用の保護膜が形成されている。
この保護膜は、トップ部11a,サイド部11b,ネック部11cの全体にわたって形成されており、仮に無電極ランプ10を使用中に発光バルブ11がケース13から脱落して破損したとしても、保護膜によって破片が飛散するのが防止される。
【0017】
保護膜の材料としては、透明で弾力性のある樹脂からなる膜であって、ここでは加熱硬化型のシリコーンゴム(シリコーン樹脂)を用いることとするが、その他に、ウレタン、塩ビ、ポリエステルなどの樹脂を用いることもできる。また、硬化タイプについても、加熱硬化型の他に、常温硬化型、UV硬化型の樹脂またはゴムを用いることもできる。
【0018】
保護膜として必要な強度を確保するために、本実施形態では、発光バルブ11のトップ部11a,サイド部11b,ネック部11c全体にわたって、膜厚は50〜500μmの範囲であることが好ましい。
50μm未満では、塗りムラにより、薄くなった部分に破損時の衝撃が集中しやすく、飛散防止に必要な強度を確保することが困難であり、500μm以上においては、塗りムラができた場合、肉眼でもわかりやすく、生産の歩留まりを低下させてしまうからである。
【0019】
(保護膜形成方法について)
以下、発光バルブ11の表面に保護膜を形成する方法について説明する。
図2は、発光バルブ11の表面に飛散防止用の保護膜を形成する方法を説明する図である。
(1)塗液付着工程:
先ず、発光バルブ11の表面に保護膜形成用の塗液を付着させる。
【0020】
ここでは、以下に説明するように、ディッピング法で付着させる。
ディッピング用容器20に、保護膜形成用の塗液21が貯蔵されている。この塗液21は、上記樹脂を溶媒に溶解したものであって、具体的には硬化前の液状シリコーンゴムを溶媒で希釈して粘度調整したものである。
アーム30は、駆動手段(不図示)によって、平行移動、方向変換、回転ができるようになっており、先端にチャック31を備えている。
【0021】
アーム30のチャック31で、無電極ランプ10の口金14を把持する。このとき、チャック31を下向きにし、アーム30の回転軸と発光バルブ11の管軸とが一致するように把持する。発光バルブ11のトップ部11aが下側に、ネック部11cが上側に位置する(図2(a)参照)。
そして、上記のように無電極ランプ10を把持した状態で、アーム30を移動することによって、容器20内に貯蔵されている塗液に発光バルブ11を浸漬する(図2(b)参照)。その後、容器20内の塗液から発光バルブ11を引き上げて液切りを行う(図2(c)参照)。ここでは、単にトップ部11aを下側に向けて一定時間靜置することによって液切りを行う。なお、図2(c)ではトップ部11aが真下を向いているが、斜め下方向を向いていてもよい。
【0022】
この液切りによって、バルブ表面に付着している塗液22が、重力によって下方に垂れ、発光バルブ11のトップ部11aから落下する。このとき、最初はたくさんの塗液が落下するが、時間が経過すると塗液落下量は少なく、塗液付着工程での塗りムラも少なくなる。従って、ある程度の時間がたつと、発光バルブ11の表面に付着する塗液22の量は、略一定の値で安定する。
【0023】
なお、液切り時において、必ずしも発光バルブ11を靜置する必要はなく、発光バルブ11を回転させたり振動させたりしながら液切りしてもよい。
上記のようにディッピングと液切りによって、発光バルブ11の外表面全体に一定量の塗液を容易に付着させることができる。また、トップ部を下側にして液切りを行っているので、発光バルブ11から垂れ落ちる塗液は、ケース13、口金14やチャック31に付着することなく容器20内に戻る。そして容器20内に戻った塗液は再使用される。
【0024】
塗液粘度、液切り時間について:
塗液の粘度が高いほど付着する塗液量は多くなるが、あまり粘度が高いと液切りに時間がかかるので、上記の膜厚を確保するのに必要な量(塗液重量0.5〜4g)の塗膜が付着し、且つ粘度が高くなりすぎないように調整する。シリコーンゴム塗液の粘度としては0.8〜12Pa・sが適当である。
【0025】
液切り時間は、発光バルブ11の表面に付着する塗液量が安定するのに要する時間(液の垂れ落ちがほとんどなくなる時間)以上とし、長くなりすぎないように設定することが好ましい。通常、この時間は15〜240秒の範囲内に設定するが適当である。
次に、アーム30を回転しながら、チャック31が上方に位置するようにアーム30の軸の角度を変える。それに伴って、発光バルブ11は、管軸を回転軸として自転しながら、ネック部11cが下側にトップ部11aが上側に位置するように上下反転し且つ管軸が鉛直方向に対して傾斜した姿勢となる(図2(d),(e)参照)。このように、発光バルブ11を自転させながら姿勢を移行することによって、移行中に発光バルブ11の外表面に付着している塗液が管球表面から落下するの抑えることができる。
【0026】
発光バルブ11の姿勢を移行した後、以下のように乾燥工程を行う。
(2)乾燥工程
乾燥工程では、管軸が傾斜した姿勢を保ったまま発光バルブ11を自転させながら、発光バルブ11をダクト40内に入れて乾燥を行う。この乾燥工程では、発光バルブ11を自転させながら熱風を発光バルブ11の外面に吹き付けることによって、付着している塗液22を乾燥させる(溶媒が飛散すると共にシリコーンゴムが硬化する。)。
【0027】
吹き付ける熱風の温度や送風量は、所定の乾燥時間内(例えば6分以内)に塗液中の溶媒を蒸発させることができるように設定する。熱風温度としては、加熱硬化型のシリコーンゴムを硬化させるのに必要な100〜250℃が適当である。
このように、乾燥工程を行う際に、管軸を回転軸として回転しながら行うことによって、▲1▼発光バルブ11の表面に形成される塗膜の厚さは、回転方向に対して均一的なものとなる(または任意の膜厚分布にすることが可能となる)。
【0028】
また、液切り工程における姿勢に対して上下を反転させ且つ回転軸を傾斜させた姿勢で行うことによって、以下▲2▼,▲3▼に示すように、管軸方向に対する膜厚の均一性と同時に膜厚分布のコントロールも得られる。
▲2▼液切り工程に対して上下反転した姿勢で乾燥されるので、液切り工程においてトップ部11a側に集まった塗液が、乾燥工程で重力によってネック部11c側に引き戻されるので、発光バルブ11の表面に形成される塗膜の厚さがトップ部11a側に偏って大きくなるのが抑えられる。
【0029】
▲3▼時間経過に伴って、塗液がトップ部11a側からネック部11c側に垂れてくるが、回転軸を傾斜させた姿勢で乾燥がなされるので、発光バルブ11の表面に形成される塗膜の厚みがネック部11c側やサイド部11b側に大きく偏ることはない。
このように、トップ部11aからネック部11cにかけて塗膜の膜厚を均一にできるので、比較的少ない塗布量でも、トップ部11aからネック部11cにわたる全体領域において保護膜として必要な膜厚(50〜500μm程度)を確保することができる。
【0030】
上記▲3▼の効果について、図3を参照しながら考察する。
図3(a)〜(c)は、発光バルブ11を自転させながら乾燥工程を行う様子を示す図であって、(a)は回転軸を鉛直方向に対して傾斜させた姿勢で行う様子を、(b)は、回転軸を鉛直方向に合わせた姿勢で乾燥工程を行う様子を、(c)は、回転軸を水平方向に向けた姿勢で乾燥工程を行う様子を示している。
【0031】
(b)に示すように回転軸を鉛直方向に合わせた姿勢に保つと、発光バルブ11の表面に付着している塗液は重力によって下方(ネック部の方)に移動しようとする。ここで、発光バルブ11の表面は水平面に沿って水平方向に移動するので、この表面上に付着する塗液が上方向に引き上げられることがない。従って、発光バルブ11の表面ネック部に移動した塗液はそのままネック部11cに留まる。その結果、ネック部11cにおける塗膜の膜厚が、サイド部11bやトップ部11aと比べて大きくなりやすい。
【0032】
これに対して、(a)に示すように回転軸を鉛直方向に対して傾斜させた姿勢に保つと、発光バルブ11の外表面の中で下方に位置する領域(サイド部とネック部との間の領域)は、斜め上方に向かって移動する。従って、この下方位置領域に付着している塗液は上方に引き上げられる。
よって、重力に従って下方に移動した塗液はそのまま下方に留まることなく、ネック部からサイド部の領域全体にわたって分散される。その結果、ネック部11cにおける塗膜の膜厚がサイド部やトップ部と比べて大きくなるのが抑えられる。
【0033】
また、(c)に示すように、回転軸を水平方向に向けた姿勢に保った場合にも、発光バルブ11の外表面の中で下方に位置する領域が斜め上方に移動するので、塗液が下方に留まることはないが、塗液が重力並びに遠心力によってサイド部に集中しようとするので、サイド部における膜厚がネック部やトップ部の膜厚と比べて大きくなりやすい。
【0034】
乾燥工程における管軸の傾斜角度及び自転速度について:
管軸方向に対する保護膜の膜厚を均一化するために、鉛直方向に対する管軸の傾斜角度α(図3(a)参照)は40°〜80°の範囲内に保つことが好ましい。
乾燥工程における回転軸の傾斜角度αは一定であってもよいが、例えばアーム30を上下に首振りできるようにして、回転軸の傾斜角度αを変化させながら乾燥を行ってもよい。
【0035】
また、回転軸の傾斜角度を変化させる場合、トップ部が上向きのままで傾斜角度を変化させてもよいが、トップ部が上向きになる姿勢と下向きになる姿勢との間にまたがって変化させてもよい。例えば、上向きで一定の傾斜角度になる姿勢と下向きで一定の傾斜角度になる姿勢との間を往復させながら乾燥すれば、膜厚をより均一にできるものと期待できる。
【0036】
乾燥工程における発光バルブ11の自転速度については、自転速度が大きいほど塗液が下方に留まりにくいが、自転速度が大きすぎると遠心力によってセンター部に塗液が集中しやすくなる。自転速度は40〜150rpmの範囲内に設定するのが適当である。
〔実施例〕
上記の塗布方法に基づき、液切り時間を50〜60秒に設定し、乾燥時における管軸の鉛直方向に対する傾斜角度αを70°に設定して保護膜を形成した。形成された保護膜の重量は2.3gであった。
【0037】
比較例として、回転軸を鉛直方向に合わせて乾燥させた以外は上記実施例と同様にして保護膜を形成した。
実施例及び比較例の方法で形成された保護膜について、膜厚の分布を測定したところ、実施例では、一番薄い箇所(トップ部)で80μm、一番厚い箇所(ネック部)で110μmであり、トップ部とネック部の膜厚の比率は1:1.3程度であった。一方、比較例では、トップ部の膜厚とネック部の膜厚との比率が1:3程度であった。
【0038】
〔変形例について〕
*上記のように乾燥中は継続して回転軸を傾斜させることが望ましいが、必ずしも継続して傾斜させる必要はなく、乾燥中において、一時的に回転軸を水平方向あるいは鉛直方向に向けてもよい。
*上記実施の形態では、発光バルブ11にケース13及び口金14が取り付けられた状態で塗布を行ったが、発光バルブ11に保護膜を形成した後に、ケース13及び口金14を取り付けてもよい。その場合、発光バルブ11に口金14が取りつけられる前に保護膜を形成することになるが、発光バルブ11のネック部をチャックで把持して、同様の操作を行えばよい。
【0039】
*上記実施の形態では、発光バルブ11のトップ部を下に向けて液切りを行い、乾燥時にはトップ部が上向きになるよう姿勢を反転させたが、必ずしも姿勢を反転させる必要はなく、乾燥時にも発光バルブ11のトップ部を下に向けた姿勢で回転軸を傾斜させてもよい。この場合、上記▲2▼の効果は得られないので、発光バルブ11の表面に形成される塗膜の厚さはネック部側よりトップ部側で大きくなるが、回転軸を鉛直方向に合わせて乾燥させる場合と比べると、塗膜の厚さは均一になる。
【0040】
また、トップ部を上向きにした姿勢で液切りを行ってもよく、その場合、液切り時にトップ側よりネック部側で膜厚が大きくなるので、膜厚を平均化させるために乾燥時にはトップ部を下向きに反転させた姿勢で乾燥することが好ましい。*塗液を発光バルブ11の外表面に付着させる方法としては、上記のようにディッピング法で行う以外に、ノズルから発光バルブ11の外表面上に塗液を噴射あるいは滴下することによって付着させてもよい。
【0041】
*塗液のタイプに関して、上記実施の形態では、熱硬化型の樹脂を用い、乾燥時には熱風を吹き付けることによって塗膜を乾燥(硬化)させたが、常温硬化型の樹脂を用いる場合には、熱風を吹き付けなくても塗膜を乾燥、硬化させることができる。また、UV硬化型の樹脂を用いる場合は、熱風を吹き付ける代わりにUVを照射することによって塗膜を硬化させる。
【0042】
*上記実施の形態では、無電極ランプの管球の表面に保護膜を形成する場合について説明したが、管球の種類については特に限定されず、また、塗膜の種類についても特に限定されず、例えば白熱電球の管球表面に酸化シリコン及び酸化チタンからなる赤外線反射膜を形成する場合、高輝度放電ランプ(HID)の管球に、テトラフルオロエチレンからなる保護膜を形成する場合にも適用することができる。
【0043】
*上記実施の形態では、発光バルブ11の外表面上に塗膜を形成する場合について説明したが、管球の内表面上に塗膜を形成する場合にも上記の方法は適用できる。
例えば、管球の内面に蛍光体膜あるいは酸化アルミニウムや酸化イットリウムからなる保護膜を形成する場合に、これら膜材料を含む塗液を管球の内面に適量付着させ、管軸を傾斜させて且つ管軸を回転軸として自転させながら乾燥することによって、均一な膜厚で塗膜を形成することができる。
【0044】
更に、上記の方法で管球の内外両表面に塗膜を形成することも可能である。
なお、上記方法は、必ずしも膜厚を均一に形成することに限定されず、上記方法により任意の膜厚保分布を制御(形成)することも可能である。
【0045】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明は、塗膜付ランプ用管球の製造方法において、ランプ用管球の内面及び外面の少なくとも一方に、塗液を付着させる塗液付着工程と、塗液付着工程の後に、ランプ用管球を、管軸を鉛直方向に対して傾斜させた姿勢で当該管軸を回転軸として自転させながら、付着した塗液を乾燥あるいは硬化させる乾燥工程とを設けることによって、比較的簡単な工程で膜厚の大きな塗膜を均一な膜厚で形成したり、膜厚分布をコントロールすることができる。
【0046】
そして、均一な膜厚で塗布することで、塗液の塗布量を低く抑えることができる。
ランプ用管球の表面に飛散防止用の保護膜を形成する場合には、全体的に50μm以上の膜厚が要求されるので、本発明を用いることによって膜厚を均一化することで塗布量をかなり低減でき、その分コストを低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態にかかる製法によって作製された無電極ランプの構成を示す図である。
【図2】発光バルブの表面に飛散防止用の保護膜を形成する方法を説明する図である。
【図3】発光バルブを自転させながら乾燥工程を行う様子を示す図である。
【符号の説明】
10  無電極ランプ
11  発光バルブ
11a トップ部
11b サイド部
11c ネック部
12  高周波駆動回路
13  ケース
14  口金
20  容器
21  塗液
22  付着された塗液
30  アーム
31  チャック
40  ダクト

Claims (5)

  1. ランプ用管球の内面及び外面の少なくとも一方に、塗液を付着させる塗液付着工程と、
    前記塗液付着工程の後に、前記ランプ用管球を、管軸が鉛直方向に対して傾斜した姿勢で当該管軸を回転軸として自転させながら、付着した塗液を乾燥あるいは硬化させる乾燥工程とを備えることを特徴とする塗膜付ランプ用管球の製造方法。
  2. 前記乾燥工程では、
    前記管軸を鉛直方向に対して40°〜80°の範囲内で傾斜した姿勢で、自転させることを特徴とする請求項1記載の塗膜付ランプ用管球の製造方法。
  3. 前記塗液付着工程は、
    ランプ用管球を、塗液に浸漬する浸漬ステップと、
    前記ランプ用管球の外表面に付着した塗液の付着量を調整する付着量調整ステップとからなることを特徴とする請求項1または2記載の塗膜付ランプ用管球の製造方法。
  4. 前記付着量調整ステップは、
    前記管球のトップ部が鉛直方向に対して下向きまたは上向きの姿勢で行い、
    前記乾燥工程は、
    前記管球のトップ部が鉛直方向に対して、上向きまたは下向きであって上記付着量調整ステップにおける姿勢とは逆向きの姿勢で行うことを特徴とする請求項1または2記載の塗膜付ランプ用管球の製造方法。
  5. 前記付着量調整ステップから乾燥工程に移行する際に、
    前記ランプ用管球を、管軸を回転軸として自転させながら行うことを特徴とする請求項4記載の塗膜付ランプ用管球の製造方法。
JP2002225288A 2002-08-01 2002-08-01 塗膜付ランプ用管球の製造方法 Pending JP2004071186A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002225288A JP2004071186A (ja) 2002-08-01 2002-08-01 塗膜付ランプ用管球の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002225288A JP2004071186A (ja) 2002-08-01 2002-08-01 塗膜付ランプ用管球の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2004071186A true JP2004071186A (ja) 2004-03-04

Family

ID=32013009

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002225288A Pending JP2004071186A (ja) 2002-08-01 2002-08-01 塗膜付ランプ用管球の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2004071186A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007010181A (ja) * 2005-06-28 2007-01-18 Daikin Ind Ltd 吸着熱交換器の製造方法及び製造装置
JP2007046902A (ja) * 2006-10-30 2007-02-22 Daikin Ind Ltd 吸着熱交換器とその製造方法及び製造装置
US7813088B2 (en) 2005-09-27 2010-10-12 Canon Anelva Corporation Magnetoresistance effect device
WO2012162643A3 (en) * 2011-05-26 2013-06-20 Advenira Enterprises, Inc. Method and apparatus for coating a complex object and composite comprising the coated object
CN107088497A (zh) * 2017-05-22 2017-08-25 镇江震东电光源有限公司 一种用于道路机动车辆灯泡的涂头装置
JP2018001156A (ja) * 2016-06-28 2018-01-11 エクセル インダストリー 自動洗浄プロセス、乾燥ステーション、及び係る乾燥ステーションを含む洗浄システム

Cited By (18)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007010181A (ja) * 2005-06-28 2007-01-18 Daikin Ind Ltd 吸着熱交換器の製造方法及び製造装置
US8240048B2 (en) 2005-06-28 2012-08-14 Daikin Industries, Ltd. Method for manufacturing an adsorption heat exchanger
US7813088B2 (en) 2005-09-27 2010-10-12 Canon Anelva Corporation Magnetoresistance effect device
JP2007046902A (ja) * 2006-10-30 2007-02-22 Daikin Ind Ltd 吸着熱交換器とその製造方法及び製造装置
US9044775B2 (en) 2011-05-26 2015-06-02 Advenira Enterprises, Inc. System and process for coating an object
JP5872102B1 (ja) * 2011-05-26 2016-03-01 アドヴェニラ エンタープライジーズ,インコーポレイテッド オブジェクトを塗布するためのシステム及びプロセス
WO2012162642A3 (en) * 2011-05-26 2014-03-27 Advenira Enterprises, Inc. System and process for coating an object
JP2014519406A (ja) * 2011-05-26 2014-08-14 アドヴェニラ エンタープライジーズ,インコーポレイテッド オブジェクトを塗布するためのシステム及びプロセス
WO2012162643A3 (en) * 2011-05-26 2013-06-20 Advenira Enterprises, Inc. Method and apparatus for coating a complex object and composite comprising the coated object
US9050619B2 (en) 2011-05-26 2015-06-09 Advenira Enterprises, Inc. System and process for coating an object
KR20150120536A (ko) * 2011-05-26 2015-10-27 애드베니라 엔터프라이지즈, 인크. 물체를 코팅하기 위한 시스템 및 방법
US8507035B2 (en) 2011-05-26 2013-08-13 Advenira Enterprises, Inc. Method and apparatus for coating a complex object and composite comprising the coated object
JP2016047525A (ja) * 2011-05-26 2016-04-07 アドヴェニラ エンタープライジーズ,インコーポレイテッド オブジェクトを塗布するためのシステム及びプロセス
JP2016073977A (ja) * 2011-05-26 2016-05-12 アドヴェニラ エンタープライジーズ,インコーポレイテッド オブジェクトを塗布するためのシステム及びプロセス
KR101627989B1 (ko) 2011-05-26 2016-06-07 애드베니라 엔터프라이지즈, 인크. 물체를 코팅하기 위한 시스템 및 방법
RU2604631C1 (ru) * 2011-05-26 2016-12-10 Адвенира Энтерпрайзис, Инк. Способ нанесения покрытия на объект
JP2018001156A (ja) * 2016-06-28 2018-01-11 エクセル インダストリー 自動洗浄プロセス、乾燥ステーション、及び係る乾燥ステーションを含む洗浄システム
CN107088497A (zh) * 2017-05-22 2017-08-25 镇江震东电光源有限公司 一种用于道路机动车辆灯泡的涂头装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5583268B2 (ja) 塗布装置および塗布方法
US20170278726A1 (en) Substrate processing apparatus and substrate processing method
JP2004071186A (ja) 塗膜付ランプ用管球の製造方法
CN105789242A (zh) 高温tft复合柔性基板和制备方法及柔性显示器件制备方法
CN109315035A (zh) 有机el显示装置及其制造方法
US8277138B2 (en) Machine and method for rapid application and curing of thin ultraviolet light curable coatings
US6982002B2 (en) Apparatus and method for forming coating film
JP2012061403A (ja) 成膜装置、成膜方法及び電子デバイス
CN105457855A (zh) 用漆涂覆衬底的方法和用于平面化漆层的设备
WO2007072940A1 (ja) レンズ塗布装置およびレンズ塗布方法
CN208478288U (zh) 基板处理装置
JP2005019560A (ja) 塗布装置
CN104576973B (zh) 封装盖板的密封胶表面的平坦化方法及系统、封装方法
TWI753380B (zh) 基板處理裝置及基板處理方法
KR100508454B1 (ko) 3차원 형상에 균일한 코팅을 위한 분무코팅 장치 및 방법
JP2008205286A (ja) 被膜除去方法と基板処理装置と、これら方法及び装置に用いる赤外線照射装置
JPWO2013065746A1 (ja) 眼鏡レンズおよびその製造方法
KR101656934B1 (ko) 초음파 스핀 코터 및 이를 이용한 스핀 코팅 방법
JP2021084064A (ja) 基板処理方法及び基板処理装置
US20170076941A1 (en) Spin coating method and manufacturing method of electronic component
KR100547473B1 (ko) 도막층 형성 방법, 램프의 제조 방법 및 램프의 제조 장치
JP6606239B1 (ja) 塗布物質塗布済対象物の製造方法
JP7488595B2 (ja) 基板洗浄方法及び基板洗浄装置
JP2001068490A (ja) 回転塗布装置および回転塗布方法
JP6909584B2 (ja) 塗布液塗布方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Effective date: 20050719

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20070426

A131 Notification of reasons for refusal

Effective date: 20070619

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

A02 Decision of refusal

Effective date: 20071023

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02