JP2021084064A - 基板処理方法及び基板処理装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】基板の周縁部における塗布膜の周縁不良領域を低減し、生産性を向上させるための新たな技術手段を提供することを目的とする。【解決手段】本願の基板処理方法は、基板Wの被塗布面Wsに塗布された塗布液Lのうち、少なくとも被塗布面Wsの周縁部における塗布液Lを加熱する加熱工程と、被塗布面Wsを鉛直方向上向きにした基板Wを、被塗布面Wsを通過する鉛直軸Cまわりに回転させることで、前記加熱工程により加熱された前記周縁部の塗布液Lを外周端We側に流動させる回転工程と、前記回転工程により盛り上がった前記周縁部の塗布液Lの流動性を低下させる硬化工程と、を備える。【選択図】 図5
Description
本発明は、基板処理方法及び基板処理装置に関する。
半導体の製造工程において、半導体ウエハ等の基板に機能性材料を含む塗布液を塗布して、機能性を有する塗布膜を形成することがある。この塗布液の塗布方法として、スピンコート法が知られているが、近年、塗布液の利用効率向上の観点から、特許文献1のようなスリットコートによる塗布が開示されている。
このとき、塗布膜は基板の被塗布面上において全て均一な膜厚にて形成されることが望ましいが、基板上に塗布液を液状態で所定厚さ塗布した場合、基板の被塗布面の外周端から数mm〜数十mmの範囲に位置する周縁部において、液の表面張力の影響による盛り上がりが発生し、この盛り上がりの影響で所望の膜厚値の範囲外となる領域(以下、「周縁不良領域」と称する)が形成される。この周縁不良領域は塗布液の硬化後もその長さを維持するため、この範囲は製品として有効に用いることができない。したがって、製品となるチップ等を1枚の基板から可能な限り多く生成するために、この周縁不良領域を極力小さくすることが求められている。
特許文献2には、流動物が付与された基板の端部近傍の温度を加熱する局所加熱装置により、端部の塗布膜の厚膜化を低減する技術が開示されている。特許文献2によれば、塗布膜の端部領域が加熱接触部材によって加熱されることで、塗布膜の端部に存在する塗剤の表面張力が塗布膜の中央側に存在する塗剤の表面張力よりも小さくなり、端部厚膜部の一部の塗剤が薄膜部に充填されることで厚膜部の厚みが低減される。
特許文献2のように、基板に塗布された塗布液に温度差を与えることで、塗布液は基板上を流動する。この流動は基板に塗布液を塗布した後から、塗布液が硬化し流動が停止するまでの時間で生じるが、加熱により乾燥硬化が進む塗布液の場合、短時間で効果が進行し膜厚状態を改善するのに十分な液流動が生じない。さらに、硬化までの時間を長くとることができる塗布液の場合でも、液粘度が高く温度差のみでは液流動がし難い物性では十分な効果を得ることができない。また、膜厚が比較的厚膜となり易い基板の被塗布面の周縁部では、塗布液の流動により厚膜状態が改善される一方、薄膜部に塗布液が流れることで周縁不良領域が塗布液の塗布直後よりも更に広がる傾向がある。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、基板の周縁部における塗布膜の周縁不良領域を低減し、生産性を向上させるための新たな技術手段を提供することを目的とする。
本開示の基板処理方法は、基板の被塗布面に塗布された塗布液のうち、少なくとも前記被塗布面の周縁部における前記塗布液を加熱する加熱工程と、前記被塗布面を鉛直方向上向きにした基板を、前記被塗布面を通過する鉛直軸まわりに回転させることで、前記加熱工程により加熱された前記周縁部の前記塗布液を外周端側に流動させる回転工程と、前記回転工程により盛り上がった前記周縁部の前記塗布液の流動性を低下させる硬化工程と、を備える。
前記基板処理方法によれば、塗布液が塗布された基板を回転させることで、基板の周縁部において、鉛直軸から外周端へ向かう方向に塗布液の流動を促す遠心力が生じる。ここで、加熱工程により周縁部における厚膜領域の塗布液を加熱すると、塗布液の流動性が向上し、加熱により流動性が増した周縁部近傍の塗布液は、外周端側へと流動する。これにより、無回転時と比較して、周縁不良領域である厚膜領域をより外周端側へ移動させることができる。そして、回転工程により外周端側に流動した周縁部の塗布液の流動性を低下させることで、回転停止後も周縁不良領域が周縁部から鉛直軸側へ向かう方向に広がるのを抑制することができ、結果として基板の被塗布面の周縁部における周縁不良領域を低減することができる。
また、本開示の基板処理方法において、前記回転工程よりも前に、前記被塗布面へ前記塗布液をスリット塗布する塗布工程を含んでもよい。また、前記スリット塗布では、前記塗布液を吐出する塗布器を、前記被塗布面に対して相対移動させる際、前記塗布器内の前記塗布液の圧力を大気圧よりも負圧にすることで、前記塗布器と前記被塗布面との間における液溜まりの形成を維持しながら、前記被塗布面へ前記塗布液を塗布するように構成してもよい。
スリット塗布では、基板の被塗布面に必要量の塗布液を液状の膜で形成するため、途中、乾燥が進行しながら膜を形成するスピンコート法と比較し、基板の被塗布面における周縁部の塗布液が流動し易く、また、周縁不良領域も広い傾向がある。このような、スリット塗布で塗膜を形成した基板に対し、本願発明の回転工程及び硬化工程を実施することで、より効果的に周縁不良領域を低減することができる。また、ウエハ等の円形基材に塗布を行う場合は、一般的なスリット塗布ではなく、塗布器内の圧力を負圧にして塗布を行うキャピラリ塗布を用いる。
また、本開示の基板処理方法において、前記硬化工程は、前記回転工程により前記基板が回転している状態で、前記塗布液の流動性を低下させる工程を含んでもよい。
このように構成することで、基板の周縁部の塗布液が、遠心力により外周端側に流動した状態を保持して当該塗布液の流動性を低下させることができ、より効果的に周縁不良領域を低減することができる。
また、本開示の基板処理方法において、前記硬化工程は、前記周縁部の前記塗布液の流動性を低下させる半硬化工程と、前記半硬化工程の後、前記被塗布面に塗布された前記塗布液の全体を硬化させる本硬化工程と、を有してもよい。
このように構成することで、半硬化工程では、周縁部における厚膜領域の塗布液が外周端側へと流動した状態で半硬化され、その後の本硬化工程では被塗布面に塗布された塗布液の全体が硬化するため、周縁不良領域が低減された状態で塗布膜を形成することができる。ここで、「半硬化」とは、少なくとも被塗布面の周縁部における塗布液が溶剤の気化により半乾燥し、又は重合等の反応により半硬化することで、塗布液の流動性が低下することを意味する。
本開示の基板処理装置は、塗布液が被塗布面に塗布された状態で、前記被塗布面を鉛直方向上向きにした基板を保持する保持部と、前記保持部に保持された前記基板を、前記被塗布面を通過する鉛直軸まわりに回転させる回転部と、前記塗布液のうち、少なくとも前記被塗布面の周縁部における前記塗布液を加熱する加熱部と、前記周縁部における前記塗布液の流動性を低下させる硬化部と、前記回転部、前記加熱部および前記硬化部の動作を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記加熱部の温度を制御して前記周縁部における前記塗布液を加熱した状態で、前記回転部の回転制御を行い、前記回転制御の開始後に前記硬化部の動作を制御する。
前記基板処理装置によれば、制御部により加熱部の動作を制御して、周縁部における塗布液を加熱することで、周縁部における塗布液の流動性が向上する。この状態で、制御部により回転部の回転速度を制御することで、基板の回転により、基板上の塗布液には、鉛直軸から外周端へ向かう方向に遠心力が生じる。周縁部における厚膜領域の塗布液は加熱により流動性が向上しているため、厚膜領域近傍の塗布液は外周端側に向かって流動することができる。これにより、無回転時と比較して、周縁不良領域をより外周端側へ移動させることができる。そして、制御部により硬化部の動作を制御し、回転により外周端側に流動した厚膜領域の塗布液の流動性を低下させることで、回転停止後も周縁不良領域が周縁部から鉛直軸側へ向かう方向に広がるのを抑制することができ、結果として基板の被塗布面の周縁部における周縁不良領域を低減することができる。
好ましくは、前記加熱部は、ヒータを有し、前記硬化部は、前記加熱部の前記ヒータを共通して有する。この場合、加熱部と硬化部がヒータを共有するため、装置構成が複雑化するのを抑制しつつ、基板の被塗布面における周縁不良領域を低減することができる。
本開示の基板処理装置は、第1処理領域に位置する基板を処理する第1処理部と、前記基板を前記第1処理領域から前記第1処理領域とは異なる第2処理領域へ搬送する搬送部と、前記第2処理領域に位置する前記基板を処理する第2処理部と、を備え、前記第1処理部は、前記基板の被塗布面に塗布液を塗布する塗布部を含み、前記第2処理部は、前記塗布液が前記被塗布面に塗布された状態で、前記被塗布面を鉛直方向上向きにして前記基板を保持する保持部と、前記保持部に保持された前記基板を、前記被塗布面を通過する鉛直軸まわりに回転させる回転部と、前記保持部に保持された前記基板の前記被塗布面の周縁部における前記塗布液を加熱する加熱部と、前記周縁部における前記塗布液の流動性を低下させる硬化部と、を含む。
このように構成することで、第1処理領域において基板への塗布を行った後、第1処理領域と異なる第2処理領域へ基板を搬送し、第2処理領域内で保持部により基板が保持された状態で、回転部、加熱部及び硬化部による基板の処理を行うことができる。塗布部と硬化部は異なる装置であり、各装置を用いた処理時間も異なる。このため、これら装置を別の処理領域に配置したほうが、装置構成が簡素化され、工程が最適化されることによって、生産性の向上に資する場合がある。塗布部による塗布処理と硬化部による硬化処理を別の処理領域で行う場合、塗布処理後、硬化処理までの時間が長くなることから周縁不良領域がより広がる傾向がある。このような場合でも、本願発明の構成とすることで、効果的に周縁不良領域を低減することができる。
本開示の発明によれば、基板の被塗布面の周縁部における塗布膜の周縁不良領域を低減することができる。
本発明に用いる基板の材料に制限は無く、各種の材料を使用することができる。例えば、ガラスやシリコンなどの無機材料、ポリイミドやポリエステルなどの樹脂材料が挙げられる。また、基板の形状についても制限は無いが、円形であることが好ましい。基板は完全な円形である必要はなく、周縁の一部に切り込み部(例えば、ノッチ)や、直線部(例えば、オリエンテーションフラット)を有している基板も使用することができる。基板は被塗布面にパターン等の凹凸形状を有していてもよいが、全体として被塗布面が平坦なものであることが好ましい。
本発明に用いる塗布液の種類に制限は無く、各種の材料を使用することができる。例えば、有機物の溶液や、無機物又は有機物をバインダーと溶剤に分散させたスラリーなどが挙げられる。また、塗布液は、熱や紫外線等のエネルギーに反応して液体から固体へ変化する樹脂等の材料であってもよい。
以下、本発明の実施の形態を、半導体ウエハの処理に用いられる基板処理装置を例にとって、図面を参照して説明する。なお、本発明は、半導体ウエハの処理に限らず、液晶ディスプレイ用のガラス基板など、各種の基板処理装置にも適用することができる。
<実施形態>
<1.基板処理装置の構成>
図1は、基板処理装置1の構成を概略的に示す平面図である。基板処理装置1は、基板Wに対し、後述の塗布処理、加熱処理および硬化処理を行う。
<1.基板処理装置の構成>
図1は、基板処理装置1の構成を概略的に示す平面図である。基板処理装置1は、基板Wに対し、後述の塗布処理、加熱処理および硬化処理を行う。
基板処理装置1は、第1処理部2、第2処理部4および2つの第3処理部5と、アーム31により基板Wを保持して、それぞれの処理部から別の処理部へ基板Wを搬送する搬送部3と、基板処理装置1の各部の動作を制御する制御部6とを備える。制御部6は、例えば演算部と、基板処理のためのプログラムが記憶された記憶部を有するコンピュータ装置により構成される。なお、処理部の数は例示であり、本発明の実施に関してはこの数に限られない。
図2は、第1処理部2の構成を概略的に示す側面図である。第1処理部2は、側壁部27、床部28及び天井部29を有する。側壁部27、床部28及び天井部29に囲まれて形成される第1処理領域S1には、塗布部21が格納される。側壁部27のうち、搬送部3と面する側の壁には、図示省略する出入口が設けられる。この出入口を通じて、搬送部3と第1処理部2との間で基板Wの搬入出が行われる。
塗布部21は、塗布器(スリットダイともいう)22、移動部23、供給部24及び基台25を備える。基台25は、基板Wを保持するステージ26を有する。本実施形態の基板Wは、半導体ウエハ(例えば、シリコンウエハ)であり、塗布液Lが塗布される被塗布面Wsを有する。
塗布器22は、幅方向(図2において紙面に直交する方向)に長尺な部材により構成されており、また、図2に示されるように横断面において、先端面221側に向かって先細りとなる形状を有する。塗布器22は、その内部に、塗布液Lが溜められる溜め部222と、この溜め部222と繋がるスリット状の流路223とを有する。スリット状の流路223は、先端面221において開口224を有する。溜め部222の塗布液Lは、スリット状の流路223を通じて開口224から吐出される。溜め部222及びスリット状の流路223は、塗布器22の幅方向に沿って長く設けられる。よって、塗布器22は、幅方向に細長い開口224を有する。塗布器22は基板Wの鉛直方向上方に位置し、開口224から塗布液Lは鉛直方向下向きに吐出される。基板Wのうち鉛直方向上側の面(おもて面)が、塗布液Lが塗布される被塗布面Wsとなる。
塗布器22は、圧力センサ241を有する。圧力センサ241は、溜め部222内の塗布液Lの圧力を計測する。圧力センサ241は、制御部6と電気的に接続しており、計測した塗布液Lの圧力に関する信号を、制御部6へ出力する。
移動部23は、塗布器22の幅方向と交差する方向(本実施形態では、幅方向と直交する方向であり、図2内における左右方向)に移動可能である移動体231と、移動体231を移動させるリニアアクチュエータ232とを有する。塗布器22は、移動体231に搭載される。移動部23(より具体的には、リニアアクチュエータ232)は、制御部6と電気的に接続する。制御部6の動作指令により、移動部23は幅方向と交差する方向に移動する。これにより、移動部23は、基板Wの被塗布面Wsと先端面221との隙間Kを幅方向の各位置で一定に保ちつつ、塗布器22を基板Wに対して移動させる。
なお、本実施形態の移動部23は、基板Wに対して塗布器22が移動する構成であるが、移動部23は、塗布器22と基板Wとを相対移動させる構成であればよく、固定状態にある塗布器22に対してステージ26(基板W)が移動する構成であってもよい。
供給部24は、タンク242と圧力調整器243とを有する。タンク242は、塗布液Lを溜める。また、タンク242は、配管244を通じて塗布器22の溜め部222と接続される。配管244には開閉切り換え可能なバルブ245が設けられる。バルブ245が開状態になると、タンク242と溜め部222との間で塗布液Lが流通可能となり、バルブ245が閉状態になると、タンク242と溜め部222との間で塗布液Lの流通が遮断される。バルブ245が開状態のとき、塗布器22の開口224から塗布液Lが吐出され、タンク242から塗布器22の溜め部222には塗布液Lが随時供給される。
圧力調整器243は、制御部6と電気的に接続する圧力調整バルブを含む。制御部6の動作指令により、圧力調整バルブの開度が制御され、これに伴い、タンク242の塗布液Lの圧力が変化する。すなわち、圧力調整器243は、制御部6の動作指令により、タンク242の塗布液Lの圧力を調整する。バルブ245が開状態のとき、タンク242と塗布器22とは配管244を通じて接続されているため、この状態でタンク242の塗布液Lの圧力が調整されると、塗布器22(溜め部222)の塗布液Lの圧力は、所定の値に調整される。
本実施形態では、タンク242内が吸引されており、圧力調整器243によって、タンク242の塗布液Lの圧力(ゲージ圧)が大気圧よりも負圧になるように調整される。これにより、塗布器22(溜め部222)の塗布液の圧力(ゲージ圧)は、負圧に維持される。制御部6は、圧力センサ241から入力される検出結果に基づいて、圧力調整器243へ動作指令を行う。圧力調整器243は、制御部6の動作指令に基づき、塗布器22内の塗布液Lの圧力を所定の値(負圧)に保つように、タンク242に溜めている塗布液Lの圧力を調整する。
塗布部21は、制御部6の動作指令に基づき、移動部23と供給部24とを協働させることで、基板Wの被塗布面Wsに塗布液Lをスリット塗布することができる。本実施形態のスリット塗布方法は、塗布器22内の圧力を負圧状態に保持し鉛直方向下向きに塗布を行うもので、キャピラリ塗布ともいわれる。
キャピラリ塗布では、はじめに塗布器22の開口224と基板Wの端部近傍における被塗布面Wsとを接近させる。次に、圧力調整器243により、塗布器22内の塗布液Lの圧力を大気圧よりも負圧にある状態から正圧にして、開口224から塗布液Lを吐出させる。この吐出された塗布液Lが被塗布面Wsに接触することで、開口224と被塗布面Wsとの間に塗布液LのビードLb(液溜まり)が形成される。ビードLbを形成した後、圧力調整器243により塗布器22内の塗布液Lを負圧に戻す。
そして、圧力調整器243により塗布器22内の塗布液Lを負圧に維持しながら、基板Wに対して移動部23を塗布器22とともに移動させる。この間、塗布器22内へタンク242から塗布液Lが供給される。これにより、先端面221と被塗布面Wsとの隙間Kに塗布液Lが浸透することで開口224から塗布液Lが引き出され、ビードLbの形成を維持しながら、基板Wの被塗布面Wsに対して連続的に塗布液Lが塗布される。
図3に、第2処理部4の構成の概略側面図を、図4にその概略平面図を示す。第2処理部4は、側壁部44、床部45及び天井部46を有する。側壁部44、床部45及び天井部46に囲まれて形成される第2処理領域S2には、保持部41、ヒータ42及び回転部43が格納される。側壁部44のうち、搬送部3と面する側の壁には、図示省略する出入口が設けられる。この出入口を通じて、搬送部3と第2処理部4との間で基板Wの搬入出が行われる。
保持部41は、吸着溝412が鉛直方向上方の表面に設けられたステージ411を有する。ステージ411は、基板Wの直径よりも大きい円盤形状を有しており、吸着溝412は、ステージ411の上方底面に基板Wの直径よりも小さい環状に設けられる。吸着溝412は、図示省略する吸着孔から配管を通じて、図示省略する真空ポンプと接続しており、ステージ411に載置される基板Wを吸着保持する。
ヒータ42は、ステージ411に埋設される環状の抵抗加熱式のヒータである。ヒータ42は、第1実施形態に係る基板処理装置1の加熱部及び半硬化部として機能する。すなわち、基板処理装置1の加熱部及び半硬化部は、同一のヒータを共通して有する。ヒータ42は、制御部6と電気的に接続し、制御部6の動作指令に基づき加熱を行う。ヒータ42の内周側の直径は基板Wの直径よりも小さく、ヒータ42の外周側の直径は基板Wの直径よりも大きい。すなわち、図4に示すように平面視すると、基板Wをステージ411の中央に載置したとき、基板Wの外周端Weは、ヒータ42の内周端421と外周端422の間に位置する。ヒータ42は、例えば基板Wの直径が数百mmのとき、基板Wの被塗布面Wsのうち外周端Weから内側へ10mm程度までの範囲に位置する周縁部を局所的に加熱する。ヒータ42の内周端421よりも内側には、図示省略する断熱部材が設けられる。ヒータ42が基板Wの被塗布面Wsの周縁部を加熱する際、当該周縁部よりも中央側に位置する被塗布面Wsは、当該断熱部材により断熱されるため、ヒータ42により加熱されない。これにより、周縁部の局所的な加熱をより確実に行う。
回転部43は、軸部431とモータ432とを有する。軸部431は、ステージ411の下方底面の中央と接続する。モータ432は、制御部6と電気的に接続し、制御部6の動作指令に基づき、所定の回転速度で軸部431を鉛直軸Cまわりに回転させる。これにより、ステージ411は、軸部431とともに鉛直軸Cまわりに回転する。
図1に戻る。2つの第3処理部5は、いずれも同じ構成を有する。第3処理部5は、図示省略する側壁部、床部及び天井部を有する。搬送部3側の側壁部には基板Wの出入口が設けられる。側壁部、床部及び天井部に囲まれて形成される第3処理領域S3には、ステージ51及びヒータ52が格納される。
ステージ51は、基板Wの直径よりも大きい円盤形状を有しており、図示省略する吸着保持機構により、基板Wを吸着保持する。ヒータ52は、ステージ51に埋設される抵抗加熱式のヒータである。ヒータ52は、制御部6と電気的に接続し、制御部6の動作指令に基づき基板Wの被塗布面Wsの全体に対して、加熱を行う。ヒータ52は、第1実施形態に係る基板処理装置1の本硬化部として機能する。
<2.基板処理の工程>
次に、上記のように構成された基板処理装置1における基板処理動作について説明する。図5は、本実施形態における基板処理装置1の動作を示すフローチャートである。
次に、上記のように構成された基板処理装置1における基板処理動作について説明する。図5は、本実施形態における基板処理装置1の動作を示すフローチャートである。
まず、操作者が所定の基板Wに応じた基板処理のためのプログラムを指定し、実行指示を行う。その後、プログラムに基づいて制御部6が基板処理装置1の各部へ動作指令を行うことで、基板処理動作が実行される。
はじめに、未処理の基板Wが図示しない搬送装置により基板処理装置1の搬送部3へ搬入される。そして、基板Wは、被塗布面Wsを鉛直方向上向きにした状態で、搬送部3のアーム31から第1処理部2へ搬入され、ステージ26へ載置される。ステージ26に基板Wが載置されると、塗布工程101が実行される。
塗布工程101では、塗布器22の開口224を基板Wの被塗布面Wsに対向させ、ビードLbを形成した後に、塗布器22内の塗布液Lの圧力を大気圧よりも負圧にしつつ、移動部23により基板Wの被塗布面Wsに対して開口224を移動させる。そして、塗布器22と被塗布面Wsとの間におけるビードLbの形成を維持しながら、基板Wの被塗布面Wsへ塗布液Lを吐出する。この間、供給部24から塗布器22内へ塗布液Lが供給される。これにより、塗布工程101では、基板Wの被塗布面Wsへ塗布液Lをキャピラリ塗布する。
塗布工程101により基板Wの被塗布面Wsに塗布液Lが塗布された後、搬送部3が基板Wを第1処理部2から第2処理部4へ搬送する第1搬送工程102を行う。より具体的には、ステージ26に載置された基板Wをアーム31が受け取り、基板Wを第1処理部2から搬出して、第2処理部4へ搬入し、基板Wの被塗布面Wsを鉛直方向上向きにした状態でステージ411へ載置する。ステージ411に載置された基板Wは、吸着保持される。
塗布液Lが被塗布面Wsに塗布された状態で、ステージ411に基板Wが載置されると加熱工程103、回転工程104および半硬化工程105が開始される。
まず、制御部6の動作指令により、所定の第1出力によりヒータ42が加熱を開始し、基板Wの被塗布面Wsの周縁部が加熱される。被塗布面Wsの周縁部の局所的な加熱に伴い、当該周縁部に位置する塗布液Lも局所的に加熱される。加熱により塗布液Lの温度が上昇すると、塗布液Lの流動性が向上する(加熱工程103)。すなわち、塗布液Lの粘度が低下し、塗布液Lが流動しやすくなる。
ここで、ヒータ42の第1出力は、塗布液Lの性質(例えば、塗布液Lに含まれる溶剤の濃度、塗布液Lに含まれる溶剤の種類、塗布液Lの塗布量)を鑑みて、後述する回転工程104の間、塗布液Lの流動性が向上する程度の出力に設定され、かつ塗布液Lに含まれる溶剤の気化や、塗布液Lの反応により、塗布液Lの流動性が低下する出力よりも低い出力に設定される。
次に、周縁部における塗布液Lの流動性が向上した状態で、制御部6の動作指令により、回転部43が鉛直軸Cまわりに所定の回転速度で回転する。これに伴い、ステージ411上の基板Wも鉛直軸Cまわりに回転する(回転工程104)。
図6は、回転工程104が開始される前の、塗布工程101により塗布液Lが塗布された被塗布面Wsの様子を示す模式図である。図6では、基板Wの被塗布面Wsのうち、外周端Weから数mm〜数十mmの範囲に位置する周縁部の一部を拡大して示している。基板Wの被塗布面Wsのうち、中央から周縁部までの領域では、塗布液Lが平坦に塗布されることで、後述する硬化工程後の塗布膜の膜厚が所望の値の範囲内となる領域(以下、「平坦領域R1」と称する)が形成される。一方、周縁部の一部の領域では、塗布液Lが表面張力等の作用により盛り上がることで、硬化工程後の塗布膜の膜厚が所望の値の範囲外となる領域(以下、「周縁不良領域R2」と称する)が形成される。
図7は、図6の拡大図と同じく、基板Wの被塗布面Wsのうち、外周端Weから数mm〜数十mmの範囲に位置する周縁部の一部を模式的に示す図である。図7は、回転工程104により基板Wが所定の回転速度で回転している状態における、被塗布面Wsの周縁部の様子を示している。図7では、無回転時(すなわち、図6の状態)の塗布液Lの液面を、比較のために破線で示している。
回転工程104において、制御部6は、回転部43(基板W)の回転速度を、被塗布面Ws中央付近の平坦領域R1の塗布液Lが大きく流動しないような回転速度で制御する。具体的には、回転部43により基板Wを鉛直軸Cまわりに回転させることで、基板Wの回転に伴う遠心力により、基板Wの被塗布面Wsの周縁部において、鉛直軸Cから外周端Weへ向かう方向に加熱工程103により加熱された塗布液Lの流動を生じさせる。被塗布面Wsの周縁部における塗布液Lの流動性は、加熱工程103により向上しているため、外周端We側へ向かう塗布液Lの流動が生じる。
ここで、基板Wの回転速度は、塗布液Lの流動性(例えば、粘度)や表面張力を鑑みて、塗布液Lの外周端We付近の加熱された厚膜領域(周縁不良領域R2)において大半の流動が生じる程度の回転速度に設定され、かつ外周端Weから塗布液Lが飛散する回転速度よりも遅い回転速度に設定され、回転速度としては、1000rpm以下が好ましい。
このような回転速度で基板Wが回転されることで、基板Wの被塗布面Wsの周縁部のうち、外周端We側では、回転に伴う遠心力と塗布液Lの表面張力とのバランスにより塗布液Lの盛り上がり部が無回転時よりも外周端側に移動し、図7に示すように塗布液Lの盛り上がり部Luが形成される。これにより、無回転時と比較して、周縁不良領域R2をより外周端We側へ移動させることができる。換言すると、回転工程104により、無回転時に周縁不良領域R2であった領域の一部を、平坦領域R1にすることで、平坦領域R1を外周端We側へ広げることができる。
続いて、半硬化工程105が実行される。半硬化工程105は、周縁部の塗布液Lを半硬化し、塗布液Lの流動性を低下させる工程である。ここで、「半硬化」とは、少なくとも被塗布面の周縁部における塗布液が溶剤の気化により半乾燥し、又は重合等の反応により半硬化することで、塗布液の流動性が低下することを意味する。以下、塗布液Lが半乾燥及び半硬化することを、適宜、単に「半硬化」と称する。
半硬化工程105では、制御部6の動作指令に基づき、回転工程104により基板Wが回転している状態でヒータ42が所定の第2出力にて加熱を継続する。これにより、回転工程104の実行により盛り上がり部Luが形成された基板Wの被塗布面Wsの周縁部がより加熱される。なお、第2出力は、流動性向上工程103におけるヒータ42の第1出力よりも高い出力であっても良いし、第1出力と同じ出力であっても良い。
加熱工程103において、周縁部における塗布液Lが加熱により昇温することで、周縁部における塗布液Lの流動性は一旦向上する。この状態で、さらに加熱を継続すると、塗布液Lに含まれる溶剤の気化や、塗布液Lの反応により、周縁部における塗布液Lの流動性は低下する。
例えば、塗布液Lとして、溶剤へ塗布膜を形成するための物質を溶解させた溶液または当該物質を分散させたスラリーを用いる場合、ヒータ42による加熱を継続すると、塗布液Lに含まれる溶剤が気化することで、盛り上がり部Luを含む塗布液Lが半乾燥し、塗布液Lの流動性が低下する。また、塗布液Lとして、熱エネルギーにより、例えば重合等の反応が生じて液体から固体へ変化する樹脂等の材料を用いる場合、ヒータ42による加熱を継続すると、盛り上がり部Luを含む塗布液Lの少なくとも一部が熱により反応することで、盛り上がり部Luを含む塗布液Lが半硬化し、塗布液Lの流動性が低下する。
半硬化工程105における塗布液Lの流動性の低下により、基板Wの回転が停止した後も、盛り上がり部Luの形状をある程度維持することが可能となる。このため、周縁不良領域R2が周縁部から鉛直軸C側へ向かう方向に広がるのを抑制することができ、結果として基板Wの被塗布面Wsの周縁部における周縁不良領域R2を低減することができる。
また、ヒータ42の内周端421よりも内側には、図示省略する断熱部材が設けられているため、加熱工程103の間、周縁部よりも中央側に位置する被塗布面Ws(すなわち、平坦領域R1の領域)は断熱され、ヒータ42による加熱が防止される。平坦領域R1の膜厚は、すでに所望の値の範囲内になっているため、上述の断熱を行わずに基板Wの全体を加熱すると、被塗布面Wsの全体の塗布液Lの流動性が向上することにより、続く回転工程104において平坦領域R1における塗布液Lが必要以上に周縁部へ流動してしまい、平坦領域R1の膜厚が変動して所望の値の範囲外となるおそれがある。本実施形態では、ヒータ42を環状に設け、さらに内周端421よりも内側に断熱部材を設けることで、被塗布面Wsのうち周縁部(すなわち、周縁不良領域R2)を局所的に加熱し、周縁部における塗布液Lの流動性を局所的に向上させ(加熱工程103)、その状態で基板を回転させて周縁部における塗布液Lを外周端We側へより確実に流動させ(回転工程104)、その後も加熱を継続することで、周縁部における塗布液Lの流動性を低下させる(半硬化工程105)。このため、平坦領域R1における膜厚の変動を防止しつつ、周縁不良領域R2を低減することができる。
また、基板処理装置1では、制御部6がヒータ42を制御することで、加熱工程103ではヒータ42が加熱部として機能し、半硬化工程105ではヒータ42が半硬化部として機能する。すなわち、加熱部と半硬化部がヒータを共有する。このため、装置構成が複雑化するのを抑制しつつ、基板Wの被塗布面Wsにおける周縁不良領域R2を低減することができる。
半硬化工程105の後、搬送部3が基板Wを第2処理部4から第3処理部5へ搬送する第2搬送工程106を行う。より具体的には、ステージ411に載置された基板Wをアーム31が受け取り、基板Wを第2処理部4から搬出して、2つの第3処理部5のうちいずれか一方へ搬入し、ステージ51へ載置する。ステージ51に載置された基板Wは、吸着保持される。
ステージ51に基板Wが載置されると、本硬化工程107が開始される。本硬化工程107では、制御部6の動作指令により、ヒータ52が基板Wの被塗布面Wsの全体を加熱することで、被塗布面Wsに塗布された塗布液Lの全体を加熱する。これにより、塗布液Lの全体から溶剤が気化することで塗布液Lが乾燥により硬化し(または、塗布液Lの全体が重合反応することで硬化し)、塗布膜が形成される。以下、被塗布面Wsに塗布された塗布液Lの全体が乾燥又は反応により硬化することを、「本硬化」と称する。
前述のとおり、半硬化工程105における流動性の低下により、基板Wの回転が停止した後も、盛り上がり部Luの形状がある程度維持されている。この塗布液Lの盛り上がり部Luが維持された状態で、本硬化工程107を行うことで、盛り上がり部Luの形状を維持したまま塗布液Lを本硬化させて塗布膜とすることが可能となる。このため、基板Wの被塗布面Wsの周縁部における周縁不良領域R2を低減することができる。
以上のように、本実施形態では、加熱工程103により、被塗布面Wsに塗布された塗布液Lのうち、少なくとも被塗布面Wsの周縁部における塗布液Lの流動性を加熱により向上させる。その後、回転工程104により、塗布液Lが塗布された基板Wを回転させることで、基板Wの回転に伴う遠心力により、基板Wの被塗布面Wsの周縁部において、鉛直軸Cから外周端Weへ向かう方向への塗布液Lの流動をより確実に生じさせる。そして、基板Wの被塗布面Wsの周縁部の外周端We側では、回転に伴う遠心力と塗布液Lの表面張力とのバランスにより、塗布液Lが盛り上がる。これにより、無回転時と比較して、周縁不良領域R2をより外周端We側へ移動させることができる。そして、回転工程104により盛り上がった塗布液Lの流動性を、半硬化工程105により低下させることで、回転停止後も周縁不良領域R2が周縁部から鉛直軸C側へ向かう方向に広がるのを抑制することができ、結果として基板Wの被塗布面Wsの周縁部における周縁不良領域R2を低減することができる。
ここで、本開示の「硬化工程」は、本実施形態における半硬化工程105及び本硬化工程107を含む。また、本開示の「硬化部」は、本実施形態における半硬化部(ヒータ42)及び本硬化部(ヒータ52)を含む。
<3.変形例>
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前述した形態以外にも種々の変更を行うことが可能である。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前述した形態以外にも種々の変更を行うことが可能である。
<3.1 塗布部および塗布工程の変形例>
上記の実施形態では、塗布工程101として塗布部21によるキャピラリ塗布を行ったが、本発明の実施に関してはこれに限られず、種々の塗布方式を用いることができる。例えば、基板の中央部に塗布液を供給した後、所定の第1回転速度(例えば、数千rpm)で基板を回転させ、回転に伴う遠心力で基板の被塗布面全体に塗布液を塗布するスピンコート法により、塗布工程を行ってもよい。この場合、スピンコート法による塗布の後、基板を塗布部のある第1処理部から搬出し、回転部および半硬化部のある第2処理部へ搬入するために、基板の回転は一旦停止される。そして、その後の回転工程では、塗布液が基板の端部から飛散するのを防止しつつ、盛り上がり部を形成させるために、スピンコーティングを行う第1回転速度よりも遅い第2回転速度(例えば、100〜1000rpm)で基板を回転させる。
上記の実施形態では、塗布工程101として塗布部21によるキャピラリ塗布を行ったが、本発明の実施に関してはこれに限られず、種々の塗布方式を用いることができる。例えば、基板の中央部に塗布液を供給した後、所定の第1回転速度(例えば、数千rpm)で基板を回転させ、回転に伴う遠心力で基板の被塗布面全体に塗布液を塗布するスピンコート法により、塗布工程を行ってもよい。この場合、スピンコート法による塗布の後、基板を塗布部のある第1処理部から搬出し、回転部および半硬化部のある第2処理部へ搬入するために、基板の回転は一旦停止される。そして、その後の回転工程では、塗布液が基板の端部から飛散するのを防止しつつ、盛り上がり部を形成させるために、スピンコーティングを行う第1回転速度よりも遅い第2回転速度(例えば、100〜1000rpm)で基板を回転させる。
<3.2 ヒータの変形例>
上記の実施形態では、加熱工程としてヒータ42(加熱部)を用いて塗布液の流動性を向上させ、半硬化工程としてヒータ42(半硬化部)を用いて塗布液の流動性を低下させたが、本発明の実施に関してはこれに限られず、塗布液の特性に応じて種々の加熱部及び半硬化部を用いることができる。
上記の実施形態では、加熱工程としてヒータ42(加熱部)を用いて塗布液の流動性を向上させ、半硬化工程としてヒータ42(半硬化部)を用いて塗布液の流動性を低下させたが、本発明の実施に関してはこれに限られず、塗布液の特性に応じて種々の加熱部及び半硬化部を用いることができる。
例えば、ヒータ42に替えて、ステージ411の上方に、ステージ411に保持される基板の被塗布面の周縁部と対向するように環状のヒータを近接させ、ヒータからの輻射熱を利用することで基板の被塗布面の周縁部における塗布液を局所的に加熱するように構成してもよい。この場合も、第1実施形態と同様に被塗布面の中央における塗布液Lの加熱を防止するために、環状のヒータの内周端より内側に断熱部材を設けてもよい。
また、ヒータの形状は環状に限られない。ステージ411の上方に、ステージ411に保持される基板の被塗布面の周縁部の一部領域のみと対向するように、ブロック状のヒータを配置してもよい。ブロック状のヒータは、1体でも良いし、複数体設けても良い。この場合、加熱工程及び半硬化工程では、基板を回転させながらヒータ(加熱部及び半硬化部)による加熱を行うことで、基板の被塗布面の周縁部の一部領域のみと対向するヒータであっても、基板の被塗布面の周縁部の全体にわたって塗布液を加熱することができる。当該変形例では、ヒータを小型化することができる効果がある。
なお、ヒータの環状形状のみによって局所加熱が可能であれば、断熱部材を設けることは必須ではない。また、温度上昇に伴う粘度低下の度合いが低い塗布液Lを用いる場合など、基板Wの全面を加熱しながら回転させても平坦領域R1における塗布液Lの流動が少なく、平坦領域R1の変動が抑制されているのであれば、加熱工程103において基板Wの全面を加熱してもよい。
上記の実施形態では、ヒータ42として抵抗加熱式のヒータを用いていたが、本発明の実施に関してはこれに限られず、赤外線ランプ等の各種のランプを用いて加熱を行っても良い。
<3.3 半硬化部の変形例>
第1実施形態では、ヒータ42を加熱部及び半硬化部として共通して用いたが、ヒータ42を加熱部としてのみ用い、半硬化部としては、下記のような真空乾燥部、光照射部又は冷却部を別途設けるように構成しても良い。
第1実施形態では、ヒータ42を加熱部及び半硬化部として共通して用いたが、ヒータ42を加熱部としてのみ用い、半硬化部としては、下記のような真空乾燥部、光照射部又は冷却部を別途設けるように構成しても良い。
第1実施形態と同様に、塗布液Lが、溶剤へ塗布膜を形成するための物質を溶解させた溶液又は溶剤へ当該物質を分散させたスラリーである場合、半硬化部として、ヒータに替えて、真空ポンプ及び配管を有する真空乾燥部を用いることができる。真空ポンプは、第2処理部4の側壁部44、床部45及び天井部46のうち少なくとも一部と接続する配管を介して、第2処理部4内の気体(特に、基板Wの被塗布面Ws付近の気体)を排出する。これにより、第2処理部4内の気体の圧力を大気圧よりも低くすることで、塗布液Lの周囲の雰囲気の気圧を下げ、塗布液Lからの溶剤の気化を促進する。塗布液Lに含まれる溶剤が気化することで、盛り上がり部Luを含む塗布液Lが半乾燥し、塗布液Lの流動性が低下する。
塗布液が紫外線等の光エネルギーと反応して硬化する光硬化性の材料である場合、半硬化部として、ヒータに替えて、紫外線や可視光を基板の被塗布面の周縁部に照射するランプ等の光照射部を用いることができる。この場合、塗布液へ光照射部による光照射を行うことで、塗布液の流動性が低下する。
また、塗布液が融液を含む液の場合、半硬化部として、ヒータに替えて、ペルチェ素子などを用いて基板の被塗布面の周縁部を冷却する冷却部を用いることができる。この場合、塗布液へ冷却部による冷却を行うことで、塗布液が固化することにより、塗布液の流動性が低下する。
また、上記の実施形態では、基板Wの回転を維持しながら、半硬化工程105を行った。しかしながら、半硬化工程105の実行中に盛り上がり部Luが形成されていればよく、半硬化工程105中に基板Wが回転していることは本発明において必須ではない。塗布液Lの流動性が十分低い場合、基板Wの回転が停止した後の盛り上がり部Luは、その高さが徐々に下がりつつあるものの、無回転時よりも盛り上がった状態で維持される。この状態で、半硬化工程105を実行すれば、その後も盛り上がり部Luの形状を維持でき、本発明の効果が得られる。しかしながら、周縁不良領域R2をより外周端We側へ移動させ、盛り上がり部Luを確実に維持した状態で半硬化工程105を行うために、上記の実施形態のように半硬化工程105の実行中に基板Wが回転していることが好ましい。
<3.4 本硬化部および本硬化工程の変形例>
上記の実施形態では、本硬化工程としてヒータ52(本硬化部)を用いて塗布液を本硬化させて塗布膜を形成したが、本発明の実施に関してはこれに限られず、半硬化部と同様に、塗布液の特性に応じて種々の本硬化部を用いることができる。例えば、真空乾燥部を用いて塗布液の周囲の雰囲気の気圧を下げることにより塗布液を乾燥させて本硬化を行っても良いし、ランプを用いた光照射により塗布液の本硬化を行っても良いし、冷却部を用いた冷却により塗布液を固化することで本硬化を行っても良い。
上記の実施形態では、本硬化工程としてヒータ52(本硬化部)を用いて塗布液を本硬化させて塗布膜を形成したが、本発明の実施に関してはこれに限られず、半硬化部と同様に、塗布液の特性に応じて種々の本硬化部を用いることができる。例えば、真空乾燥部を用いて塗布液の周囲の雰囲気の気圧を下げることにより塗布液を乾燥させて本硬化を行っても良いし、ランプを用いた光照射により塗布液の本硬化を行っても良いし、冷却部を用いた冷却により塗布液を固化することで本硬化を行っても良い。
<3.5 処理部の変形例>
上記の実施形態では、塗布工程101が第1処理領域S1で行われ、加熱工程103、回転工程104および半硬化工程105が第2処理領域S2で行われ、本硬化工程107が第3処理領域S3で行われた。しかしながら、本発明の実施に関してはこれに限られず、これらの工程全てが同一の処理領域で行われても良い。同一の処理領域でこれらの工程を行う場合、塗布部21におけるステージ26に、ヒータや回転部を設けてもよい。
上記の実施形態では、塗布工程101が第1処理領域S1で行われ、加熱工程103、回転工程104および半硬化工程105が第2処理領域S2で行われ、本硬化工程107が第3処理領域S3で行われた。しかしながら、本発明の実施に関してはこれに限られず、これらの工程全てが同一の処理領域で行われても良い。同一の処理領域でこれらの工程を行う場合、塗布部21におけるステージ26に、ヒータや回転部を設けてもよい。
また、塗布工程101は第1処理領域S1で行い、加熱工程103、回転工程104、半硬化工程105および本硬化工程107を第2処理領域S2で行うように構成しても良い。この場合、例えば、ステージ411に、環状のヒータ42と、このヒータ42よりも内側にヒータ42と独立して制御可能な円形の本硬化工程用の第2ヒータを配置する。そして、加熱工程103及び半硬化工程105ではヒータ42のみにより基板の周縁部の加熱を行い、本硬化工程107ではヒータ42と第2ヒータの両方により基板の全体の加熱を行う。
<3.6 その他>
上記の実施形態及び変形例は、本発明の実施に関する例示である。本発明の範囲は、上記の直接的な記載のみならず、特許請求の範囲と均等の意味及び特許請求の範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。また、本発明の効果がある限りにおいては、基板処理装置及び基板処理方法に、本実施形態に開示されていない構成要素が含まれていてもよい。
上記の実施形態及び変形例は、本発明の実施に関する例示である。本発明の範囲は、上記の直接的な記載のみならず、特許請求の範囲と均等の意味及び特許請求の範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。また、本発明の効果がある限りにおいては、基板処理装置及び基板処理方法に、本実施形態に開示されていない構成要素が含まれていてもよい。
1:基板処理装置 3:搬送部 6:制御部
21:塗布部 22:塗布器 222:溜め部
224:開口 243:圧力調整器 41:保持部
42:ヒータ(加熱部及び半硬化部) 43:回転部
52:ヒータ(本硬化部) W:基板 Ws:被塗布面
We:外周端 L:塗布液 Lu:盛り上がり部
R1:平坦領域 R2:周縁不良領域 S1:第1処理領域
S2:第2処理領域
21:塗布部 22:塗布器 222:溜め部
224:開口 243:圧力調整器 41:保持部
42:ヒータ(加熱部及び半硬化部) 43:回転部
52:ヒータ(本硬化部) W:基板 Ws:被塗布面
We:外周端 L:塗布液 Lu:盛り上がり部
R1:平坦領域 R2:周縁不良領域 S1:第1処理領域
S2:第2処理領域
Claims (7)
- 基板の被塗布面に塗布された塗布液のうち、少なくとも前記被塗布面の周縁部における前記塗布液を加熱する加熱工程と、
前記被塗布面を鉛直方向上向きにした基板を、前記被塗布面を通過する鉛直軸まわりに回転させることで、前記加熱工程により加熱された前記周縁部の前記塗布液を外周端側に流動させる回転工程と、
前記回転工程により盛り上がった前記周縁部の前記塗布液の流動性を低下させる硬化工程と、
を備える、基板処理方法。 - 前記回転工程よりも前に、前記被塗布面へ前記塗布液をスリット塗布する塗布工程を含む、
請求項1の基板処理方法。 - 前記硬化工程は、前記回転工程により前記基板が回転している状態で、前記塗布液の流動性を低下させる工程を含む、
請求項1又は請求項2の基板処理方法。 - 前記硬化工程は、前記周縁部の前記塗布液の流動性を低下させる半硬化工程と、前記半硬化工程の後、前記被塗布面に塗布された前記塗布液の全体を硬化させる本硬化工程と、を有する、
請求項1から請求項3までのいずれか1項の基板処理方法。 - 塗布液が被塗布面に塗布された状態で、前記被塗布面を鉛直方向上向きにした基板を保持する保持部と、
前記保持部に保持された前記基板を、前記被塗布面を通過する鉛直軸まわりに回転させる回転部と、
前記塗布液のうち、少なくとも前記被塗布面の周縁部における前記塗布液を加熱する加熱部と、
前記周縁部における前記塗布液の流動性を低下させる硬化部と、
前記回転部、前記加熱部および前記硬化部の動作を制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記加熱部の温度を制御して前記周縁部における前記塗布液を加熱した状態で、前記回転部の回転制御を行い、前記回転制御の開始後に前記硬化部の動作を制御する、
基板処理装置。 - 前記加熱部は、ヒータを有し、
前記硬化部は、前記加熱部の前記ヒータを共通して有する、
請求項5に記載の基板処理装置。 - 第1処理領域に位置する基板を処理する第1処理部と、
前記基板を前記第1処理領域から前記第1処理領域とは異なる第2処理領域へ搬送する搬送部と、
前記第2処理領域に位置する前記基板を処理する第2処理部と、
を備え、
前記第1処理部は、前記基板の被塗布面に塗布液を塗布する塗布部を含み、
前記第2処理部は、
前記塗布液が前記被塗布面に塗布された状態で、前記被塗布面を鉛直方向上向きにして前記基板を保持する保持部と、
前記保持部に保持された前記基板を、前記被塗布面を通過する鉛直軸まわりに回転させる回転部と、
前記保持部に保持された前記基板の前記被塗布面の周縁部における前記塗布液を加熱する加熱部と、
前記周縁部における前記塗布液の流動性を低下させる硬化部と、
を含む、基板処理装置。
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-
2019
- 2019-11-27 JP JP2019214267A patent/JP2021084064A/ja active Pending
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