JP2004071112A - 磁気ディスク装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】磁気ディスク装置内部の発熱を外部に効果的に導き出して、磁気ディスク装置内部の温度上昇を低減すること、及び磁気ディスク装置内外部からのアウトガスを吸着することによって、信頼性の向上を図った磁気ディスク装置を実現する。
【解決手段】VCM100からの発熱を磁気ディスク装置50の外部に逃がす手段として、熱伝導を行うための熱伝導性呼吸フィルター150が、またはアウトガスを吸着するため化学吸着フィルターの機能を付加した熱伝導性呼吸フィルター250が前記トップカバー2と前記トップヨーク9との間に付設されている。
【選択図】 図1
【解決手段】VCM100からの発熱を磁気ディスク装置50の外部に逃がす手段として、熱伝導を行うための熱伝導性呼吸フィルター150が、またはアウトガスを吸着するため化学吸着フィルターの機能を付加した熱伝導性呼吸フィルター250が前記トップカバー2と前記トップヨーク9との間に付設されている。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、磁気ディスクに対して情報信号を記録、または再生を行うための磁気ディスク装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
最近、コンピュータの性能向上に伴って、磁気ディスク装置の高性能化が余儀なくされている。特に高ディスク回転数、低シーク時間、高転送レートなどによって高性能を追求した磁気ディスク装置においては、使用される構成部品からの発熱が大きく、この熱の効果的な処理策が求められている。
【0003】
一般的に磁気ディスク装置は、磁気記録媒体である磁気ディスクと、この磁気ディスクを回転駆動するためのスピンドルモータと、磁気ディスクに対して情報の記録、及び再生を行うための磁気ヘッドと、この磁気ヘッドを搭載して回動ならしめるアクチュエータアームと、このアクチュエータアームを磁気駆動するためのボイスコイルモータ(以下、単にVCMという)と、このVCMの磁気回路を構成するヨークと、これらの構成部材を搭載するベースプレートと、このベースプレートとでパッケージを構成するトップカバーを備えている。
【0004】
こうした構成部材を持つ磁気ディスク装置においては、特に、VCMから発生する熱が大きな発熱源の一つとなっている。このため、VCMから発生する熱の対応策が望まれているが、かかる要望を実現するための効果的な手段は見つかっていない。
【0005】
このVCMコイルからの発生する熱の処理機構を備えた磁気ディスク装置の一例がUSP5956203に開示されている。この特許では図5に示すように、磁気ディスクの近傍に磁気ディスクが回転することによって生ずる気流を、VCMコイルに導くためのプラスチック部材からなる気流導入装置を備え、気流によってVCMコイルを冷却する機構が開示されている。
【0006】
即ち、図5において、磁気ディスク14に近接した位置に、プラスチックでできた気流導入装置である、シュランドインサート24が設けてある。このシュランドインサート24には気流導入溝と称するチャネル26が設けてあり、磁気ディスク14が回転することによって発生する気流をこのチャネル26を通じてVCMコイル22に導き、VCMコイル22を冷却する機構としている。
【0007】
磁気ディスク装置10は反密閉構造となっていて、その中に上述したVCMコイル22を含めた構成部材が納められている。この構造においては、磁気ディスク14が回転することによって発生する気流によって、VCMコイル22から発生した熱が磁気ディスク装置10内部に拡散され、トップカバーやベースプレートの表面(装置筐体)を伝わって磁気ディスク装置の外部に熱が放出されるため、VCMコイル22の温度上昇を比較的緩和する事ができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の機構では、磁気ディスク装置の内部に熱が拡散される構造であるため、磁気ディスク装置の内部温度が上がりやすく、磁気ディスク装置の構成部品の動作環境温度が高くなるという問題があり、従って信頼性が損なわれる問題があった。
【0009】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたもので、放熱材を効果的に活用し、VCMから発生する熱を積極的に磁気ディスク装置の外部に導き、磁気ディスク装置内部の温度を低減して信頼性の向上を図れる磁気ディスク装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明の磁気ディスク装置は、磁気記録再生媒体である磁気ディスクと、前記磁気ディスクを回転駆動するためのスピンドルモータと、前記磁気ディスクに対して情報の記録、及び再生を行うための磁気ヘッドと、前記磁気ヘッドを搭載して回動ならしめるアクチュエータアームと、前記アクチュエータアームを磁気駆動するためのボイスコイルモータと、前記ボイスコイルモータの磁気回路を構成するヨークと、これらの前記構成部材を搭載するベースプレートと、前記ベースプレートとでパッケージを構成するトップカバーとを備えた磁気ディスク装置において、磁気記録再生媒体である磁気ディスクと、前記磁気ディスクを回転駆動するためのスピンドルモータと、前記磁気ディスクに対して情報の記録、及び再生を行うための磁気ヘッドと、前記磁気ヘッドを搭載して回動ならしめるアクチュエータアームと、前記アクチュエータアームを磁気駆動するためのボイスコイルモータと、前記ボイスコイルモータの磁気回路を構成するヨークと、これらの前記構成部材を搭載するベースプレートと、前記ベースプレートとでパッケージを構成するトップカバーとを備えた磁気ディスク装置において、前記トップカバーと前記ヨークとの間にあって、前記トップカバーの裏面に熱伝導性呼吸フィルタを付設し、前記熱伝導性呼吸フィルターは、前記磁気ディスクの内気と外気をつなぐ細い拡散通路が設けられた熱伝導部材からなる放熱シートと、この放熱シートを覆い塵埃フィルタ機能を持たせた膜とで構成されていることを特徴としている。
【0011】
本発明によれば、磁気ディスク装置内部の大きな熱発生源の一つとなっているVCMからの熱を、磁気ディスク装置の外部に効果的に導き放熱できるため、磁気ディスク内部温度上昇を低減でき、併せて、塵埃フィルタ機能も備えているため装置信頼性の向上を図ることができる。
【0012】
また、磁気ディスク装置は、熱伝導性呼吸フィルタにアウトガス吸着可能な化学吸着フィルタの機能を併せ持たせたことを特徴としている。
【0013】
本発明によれば、磁気ディスク装置の外部から進入してくるアウトガス、及び磁気ディスク装置の構成部材から発生するアウトガスを吸収できるため、さらに装置信頼性の向上を図ることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第一の実施の形態を図面を参照しながら説明する。
【0015】
図1は、本発明の磁気ディスク装置のトップカバーを外した状態の上から見た平面図であり、図2は、本発明の磁気ディスク装置のトップカバーを取り付けた状態での上から見た平面図である。図3は、図1の熱伝導性呼吸フィルタ、A−A線矢視断面図である。
【0016】
図1乃至図3において、ベースプレート1には、スピンドルモータ3が設置されていて、スピンドルモータ3の回転軸には磁気記録媒体である磁気ディスク4が固定支持されている。同じく、ベースプレート1にはシャフト5が設置されていて、シャフト5にはアクチュエータアーム6が回動可能な状態で取り付けられている。このアクチュエータ6の先端部には、磁気ヘッド7が備えられており、シャフト5を挟んで磁気ヘッド7の反対側端部にはVCMコイル8(図3参照)が取り付けられている。
【0017】
さらに、ベースプレート1にはVCMコイル8の磁場を形成するためのトップヨーク9とボトムヨーク10が固定支持されていて、トップヨーク9の下側には前記磁場に磁界を発生するためのマグネット11が接着固定されている。このマグネット11を備えたトップヨーク9と、ボトムヨーク10とで挟まれた空間にVCMコイル8が配置されるように構成され、マグネット11とVCMコイル8の間、及びVCMコイル8とボトムヨーク10との間には隙間が形成されている。
【0018】
そして、トップヨーク9と、ボトムヨーク10と、マグネット11と、VCMコイル8とでVCM100を形成している。このVCMは磁界と、図示略の制御部から出力制御されるVCMコイル8の電流によって生ずる力を動力源として、磁気ヘッド7を回動するようになっている。
【0019】
一方、トップカバー2にはディスク装置50内部の内気圧をコントロールするために呼吸穴20が設けられている。そして、このトップカバー2の裏面(ディスク装置内側面)には熱伝導性呼吸フィルタ150が接着剤101により取り付けられていて、呼吸フィルタ150の反対側の面は前記トップヨーク9に接している。
【0020】
この呼吸フィルタ150は、放熱シート102、及び103と、PTFE(Polytetra−fluoro−ethylene)膜104とで構成され、放熱シート102がトップカバー2側に、放熱シート103がトップヨーク9側となるように構成されて、PTFE膜104が放熱シート102、及び103を覆う形でトップカバー2の裏面に取り付けらている。
【0021】
さらに、放熱シート102の中央部は細い拡散通路(ディフューザチャネル)105を構成するためにくり貫かれ、一方の端部が呼吸穴20に通じ、他方の端部がPTFE膜104を介して磁気ディスク装置50の内部に面している。この放熱シート102、及び103は例えば、添加剤として熱伝導性に優れた窒化ボロン(BN)を合成ゴムに練り込んだシート状のものを用いている。
【0022】
このように構成された本発明の磁気ディスク装置50においては、VCM100から発生する熱はトップヨーク9から熱伝導性呼吸フィルタ150に伝えられ、この呼吸フィルタ150に伝えられた熱が磁気ディスク装置50の外気に触れている前記トップカバー2に伝えられる。
【0023】
このトップカバー2は外気に対して大きな接触面積を持っているので放熱面積が大きく、従ってVCM100からの発生熱を効率良く磁気ディスク装置50の外部に放熱することができる。
【0024】
また、拡散通路105をVCM100の形状に添って湾曲した通路で長く形成出来ることから、この通路の流路抵抗も大きくできるため、呼吸穴20から磁気ディスク装置50に進入してくる外気の進入時間を長くすることができる。これにより磁気ディスク装置50内への透湿が抑制できる。
【0025】
本発明の第一の実施の形態によれば、この上述した熱伝導性呼吸フィルタ150によって、VCM100から発生する熱をトップカバー2に、積極的に伝達して外部空間に放熱することができるので、ディスク装置50内部の温度上昇を低減する事ができる。このため高温動作持に問題となる、磁気ディスクの熱減磁作用(記録消失)、及び高温による問題とされている磁気ヘッドの磁気ディスク面からの浮上の不安定等の問題が低減できる。
【0026】
また、拡散通路105は通路が持つ流路抵抗のため、呼吸穴20から入ってくる外気の進入時間を長くして磁気ディスク装置50内部への透湿を抑制することができる。さらに、PTFE膜104を備えているため、磁気ディスク装置50の外部から磁気ディスク装置内への塵埃の進入を防ぐとともに、呼吸フィルタ150自信の構成部材から発生する塵埃の磁気ディスク装置50内部に拡散されることを防ぐことができる。
【0027】
次に、本発明の第二の実施形態を図4を参照して説明する。
【0028】
なお、この第二の実施の形態が第一の実施の形態と異なる点は、熱伝導性呼吸フィルタ150の構成である。
【0029】
図4は、図3と同様に図1のA−A矢視断面図であり、アウトガスの吸着機能を付加させた熱伝導性呼吸フィルタ250を使用した構成を示す。
【0030】
この図4において、熱伝導性呼吸フィルタ250は、接着剤201と、ガス吸着剤が添加された放熱シート202、203、及び205と、PET(Polyetherene−terephthalate)フィルム204と、PTFE膜206とで構成されていて、PTFE膜206が、放熱シート202,203、205、フィルム204を覆い、上述した呼吸フィルタ150と同様、トップカバー2の裏面に接着剤201等で取り付けられいる。そして、反対側の面がVCMのトップヨーク9に接している。
【0031】
ここで使用する放熱シート202、203、及び205には、例えば添加剤として熱伝導性に優れた窒化ボロン(BN)の他に、アウトガスを吸着するための吸着剤として、有機ガスを物理吸着する活性炭に、酸性ガスを化学的に吸着するためのアルカリ性溶剤を含浸させたものを添加している。
【0032】
このため、有機ガス、及び酸性ガスによって引き起こされると考えられている磁気ヘッドの浮上の不安定動作も低減できる。また、PETフィルム204が設けられているため、磁気ディスク装置50の外部からのアウトガスが放熱シート202、203、及び205を通過して磁気ディスク装置50内部へ進入してくるのを防ぐことができる。
【0033】
本発明の第二の実施の形態においては、化学吸着フィルターとしての機能も付加できるので、磁気ディスク装置50の外部から呼吸穴20を通して進入してくるアウトガス、及び磁気ディスク装置50内部の構成部材から発生するアウトガスも吸着することができる。
【0034】
なお、第一の実施の形態の呼吸フィルター150、及び第二の実施の形態の呼吸フィルタ250は、ボトムヨーク10とベースプレート1の間にあってもよく、VCM100からの発生熱をベースプレート1に伝達し、放熱しても同じ効果が得られる。
【0035】
なお、上述した拡散通路105の形状は直線であってもよく、また上下に蛇行した形状であってもよい。
【0036】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、熱伝導性吸着フィルタを備えているため、VCMからの発熱を効果的に磁気ディスク装置の外部に導くことができるので、内部温度の上昇を低減して信頼向上を図った磁気ディスク装置を提供することができる。
【0037】
また、熱伝導性吸着フィルタに化学吸着フィルターとしての機能も付加しているため、アウトガスによる信頼性の低下も防止でき、さらに信頼性向上を図った磁気ディスク装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の磁気ディスク装置をトップカバーを外した状態での上から見た平面図。
【図2】本発明の磁気ディスク装置のトップカバーを取り付けた状態での上から見た平面図。
【図3】本発明に係わる磁気ディスク装置の第一実施の形態における熱伝導性呼吸フィルター取付け部の断面図で、図1のA−A線矢視断面図。
【図4】本発明に係わる磁気ディスク装置の第二実施の形態における熱伝導性呼吸フィルター取付け部の断面図で、図1のA−A線矢視断面図。
【図5】従来の磁気ディスク装置のVCMコイルを冷却する機構を示す図。
【符号の説明】
1 ベースプレート
2 トップカバー
3 スピンドルモータ
4 磁気ディスク
5 シャフト
7 磁気ヘッド
6 アクチュエータアーム
8 VCMコイル
9 トップヨーク
10 ボトムヨーク
11 マグネット
20 呼吸穴
50 磁気ディスク装置
100 ボイスコイルモータ(VCM)
101 接着剤
102、103 放熱シート
104、206 PTFE膜
105、207 拡散通路
150、250 呼吸フィルタ
202、203、205 ガス吸着材入り放熱シート
204 PETフィルム
【発明の属する技術分野】
本発明は、磁気ディスクに対して情報信号を記録、または再生を行うための磁気ディスク装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
最近、コンピュータの性能向上に伴って、磁気ディスク装置の高性能化が余儀なくされている。特に高ディスク回転数、低シーク時間、高転送レートなどによって高性能を追求した磁気ディスク装置においては、使用される構成部品からの発熱が大きく、この熱の効果的な処理策が求められている。
【0003】
一般的に磁気ディスク装置は、磁気記録媒体である磁気ディスクと、この磁気ディスクを回転駆動するためのスピンドルモータと、磁気ディスクに対して情報の記録、及び再生を行うための磁気ヘッドと、この磁気ヘッドを搭載して回動ならしめるアクチュエータアームと、このアクチュエータアームを磁気駆動するためのボイスコイルモータ(以下、単にVCMという)と、このVCMの磁気回路を構成するヨークと、これらの構成部材を搭載するベースプレートと、このベースプレートとでパッケージを構成するトップカバーを備えている。
【0004】
こうした構成部材を持つ磁気ディスク装置においては、特に、VCMから発生する熱が大きな発熱源の一つとなっている。このため、VCMから発生する熱の対応策が望まれているが、かかる要望を実現するための効果的な手段は見つかっていない。
【0005】
このVCMコイルからの発生する熱の処理機構を備えた磁気ディスク装置の一例がUSP5956203に開示されている。この特許では図5に示すように、磁気ディスクの近傍に磁気ディスクが回転することによって生ずる気流を、VCMコイルに導くためのプラスチック部材からなる気流導入装置を備え、気流によってVCMコイルを冷却する機構が開示されている。
【0006】
即ち、図5において、磁気ディスク14に近接した位置に、プラスチックでできた気流導入装置である、シュランドインサート24が設けてある。このシュランドインサート24には気流導入溝と称するチャネル26が設けてあり、磁気ディスク14が回転することによって発生する気流をこのチャネル26を通じてVCMコイル22に導き、VCMコイル22を冷却する機構としている。
【0007】
磁気ディスク装置10は反密閉構造となっていて、その中に上述したVCMコイル22を含めた構成部材が納められている。この構造においては、磁気ディスク14が回転することによって発生する気流によって、VCMコイル22から発生した熱が磁気ディスク装置10内部に拡散され、トップカバーやベースプレートの表面(装置筐体)を伝わって磁気ディスク装置の外部に熱が放出されるため、VCMコイル22の温度上昇を比較的緩和する事ができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の機構では、磁気ディスク装置の内部に熱が拡散される構造であるため、磁気ディスク装置の内部温度が上がりやすく、磁気ディスク装置の構成部品の動作環境温度が高くなるという問題があり、従って信頼性が損なわれる問題があった。
【0009】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたもので、放熱材を効果的に活用し、VCMから発生する熱を積極的に磁気ディスク装置の外部に導き、磁気ディスク装置内部の温度を低減して信頼性の向上を図れる磁気ディスク装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明の磁気ディスク装置は、磁気記録再生媒体である磁気ディスクと、前記磁気ディスクを回転駆動するためのスピンドルモータと、前記磁気ディスクに対して情報の記録、及び再生を行うための磁気ヘッドと、前記磁気ヘッドを搭載して回動ならしめるアクチュエータアームと、前記アクチュエータアームを磁気駆動するためのボイスコイルモータと、前記ボイスコイルモータの磁気回路を構成するヨークと、これらの前記構成部材を搭載するベースプレートと、前記ベースプレートとでパッケージを構成するトップカバーとを備えた磁気ディスク装置において、磁気記録再生媒体である磁気ディスクと、前記磁気ディスクを回転駆動するためのスピンドルモータと、前記磁気ディスクに対して情報の記録、及び再生を行うための磁気ヘッドと、前記磁気ヘッドを搭載して回動ならしめるアクチュエータアームと、前記アクチュエータアームを磁気駆動するためのボイスコイルモータと、前記ボイスコイルモータの磁気回路を構成するヨークと、これらの前記構成部材を搭載するベースプレートと、前記ベースプレートとでパッケージを構成するトップカバーとを備えた磁気ディスク装置において、前記トップカバーと前記ヨークとの間にあって、前記トップカバーの裏面に熱伝導性呼吸フィルタを付設し、前記熱伝導性呼吸フィルターは、前記磁気ディスクの内気と外気をつなぐ細い拡散通路が設けられた熱伝導部材からなる放熱シートと、この放熱シートを覆い塵埃フィルタ機能を持たせた膜とで構成されていることを特徴としている。
【0011】
本発明によれば、磁気ディスク装置内部の大きな熱発生源の一つとなっているVCMからの熱を、磁気ディスク装置の外部に効果的に導き放熱できるため、磁気ディスク内部温度上昇を低減でき、併せて、塵埃フィルタ機能も備えているため装置信頼性の向上を図ることができる。
【0012】
また、磁気ディスク装置は、熱伝導性呼吸フィルタにアウトガス吸着可能な化学吸着フィルタの機能を併せ持たせたことを特徴としている。
【0013】
本発明によれば、磁気ディスク装置の外部から進入してくるアウトガス、及び磁気ディスク装置の構成部材から発生するアウトガスを吸収できるため、さらに装置信頼性の向上を図ることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第一の実施の形態を図面を参照しながら説明する。
【0015】
図1は、本発明の磁気ディスク装置のトップカバーを外した状態の上から見た平面図であり、図2は、本発明の磁気ディスク装置のトップカバーを取り付けた状態での上から見た平面図である。図3は、図1の熱伝導性呼吸フィルタ、A−A線矢視断面図である。
【0016】
図1乃至図3において、ベースプレート1には、スピンドルモータ3が設置されていて、スピンドルモータ3の回転軸には磁気記録媒体である磁気ディスク4が固定支持されている。同じく、ベースプレート1にはシャフト5が設置されていて、シャフト5にはアクチュエータアーム6が回動可能な状態で取り付けられている。このアクチュエータ6の先端部には、磁気ヘッド7が備えられており、シャフト5を挟んで磁気ヘッド7の反対側端部にはVCMコイル8(図3参照)が取り付けられている。
【0017】
さらに、ベースプレート1にはVCMコイル8の磁場を形成するためのトップヨーク9とボトムヨーク10が固定支持されていて、トップヨーク9の下側には前記磁場に磁界を発生するためのマグネット11が接着固定されている。このマグネット11を備えたトップヨーク9と、ボトムヨーク10とで挟まれた空間にVCMコイル8が配置されるように構成され、マグネット11とVCMコイル8の間、及びVCMコイル8とボトムヨーク10との間には隙間が形成されている。
【0018】
そして、トップヨーク9と、ボトムヨーク10と、マグネット11と、VCMコイル8とでVCM100を形成している。このVCMは磁界と、図示略の制御部から出力制御されるVCMコイル8の電流によって生ずる力を動力源として、磁気ヘッド7を回動するようになっている。
【0019】
一方、トップカバー2にはディスク装置50内部の内気圧をコントロールするために呼吸穴20が設けられている。そして、このトップカバー2の裏面(ディスク装置内側面)には熱伝導性呼吸フィルタ150が接着剤101により取り付けられていて、呼吸フィルタ150の反対側の面は前記トップヨーク9に接している。
【0020】
この呼吸フィルタ150は、放熱シート102、及び103と、PTFE(Polytetra−fluoro−ethylene)膜104とで構成され、放熱シート102がトップカバー2側に、放熱シート103がトップヨーク9側となるように構成されて、PTFE膜104が放熱シート102、及び103を覆う形でトップカバー2の裏面に取り付けらている。
【0021】
さらに、放熱シート102の中央部は細い拡散通路(ディフューザチャネル)105を構成するためにくり貫かれ、一方の端部が呼吸穴20に通じ、他方の端部がPTFE膜104を介して磁気ディスク装置50の内部に面している。この放熱シート102、及び103は例えば、添加剤として熱伝導性に優れた窒化ボロン(BN)を合成ゴムに練り込んだシート状のものを用いている。
【0022】
このように構成された本発明の磁気ディスク装置50においては、VCM100から発生する熱はトップヨーク9から熱伝導性呼吸フィルタ150に伝えられ、この呼吸フィルタ150に伝えられた熱が磁気ディスク装置50の外気に触れている前記トップカバー2に伝えられる。
【0023】
このトップカバー2は外気に対して大きな接触面積を持っているので放熱面積が大きく、従ってVCM100からの発生熱を効率良く磁気ディスク装置50の外部に放熱することができる。
【0024】
また、拡散通路105をVCM100の形状に添って湾曲した通路で長く形成出来ることから、この通路の流路抵抗も大きくできるため、呼吸穴20から磁気ディスク装置50に進入してくる外気の進入時間を長くすることができる。これにより磁気ディスク装置50内への透湿が抑制できる。
【0025】
本発明の第一の実施の形態によれば、この上述した熱伝導性呼吸フィルタ150によって、VCM100から発生する熱をトップカバー2に、積極的に伝達して外部空間に放熱することができるので、ディスク装置50内部の温度上昇を低減する事ができる。このため高温動作持に問題となる、磁気ディスクの熱減磁作用(記録消失)、及び高温による問題とされている磁気ヘッドの磁気ディスク面からの浮上の不安定等の問題が低減できる。
【0026】
また、拡散通路105は通路が持つ流路抵抗のため、呼吸穴20から入ってくる外気の進入時間を長くして磁気ディスク装置50内部への透湿を抑制することができる。さらに、PTFE膜104を備えているため、磁気ディスク装置50の外部から磁気ディスク装置内への塵埃の進入を防ぐとともに、呼吸フィルタ150自信の構成部材から発生する塵埃の磁気ディスク装置50内部に拡散されることを防ぐことができる。
【0027】
次に、本発明の第二の実施形態を図4を参照して説明する。
【0028】
なお、この第二の実施の形態が第一の実施の形態と異なる点は、熱伝導性呼吸フィルタ150の構成である。
【0029】
図4は、図3と同様に図1のA−A矢視断面図であり、アウトガスの吸着機能を付加させた熱伝導性呼吸フィルタ250を使用した構成を示す。
【0030】
この図4において、熱伝導性呼吸フィルタ250は、接着剤201と、ガス吸着剤が添加された放熱シート202、203、及び205と、PET(Polyetherene−terephthalate)フィルム204と、PTFE膜206とで構成されていて、PTFE膜206が、放熱シート202,203、205、フィルム204を覆い、上述した呼吸フィルタ150と同様、トップカバー2の裏面に接着剤201等で取り付けられいる。そして、反対側の面がVCMのトップヨーク9に接している。
【0031】
ここで使用する放熱シート202、203、及び205には、例えば添加剤として熱伝導性に優れた窒化ボロン(BN)の他に、アウトガスを吸着するための吸着剤として、有機ガスを物理吸着する活性炭に、酸性ガスを化学的に吸着するためのアルカリ性溶剤を含浸させたものを添加している。
【0032】
このため、有機ガス、及び酸性ガスによって引き起こされると考えられている磁気ヘッドの浮上の不安定動作も低減できる。また、PETフィルム204が設けられているため、磁気ディスク装置50の外部からのアウトガスが放熱シート202、203、及び205を通過して磁気ディスク装置50内部へ進入してくるのを防ぐことができる。
【0033】
本発明の第二の実施の形態においては、化学吸着フィルターとしての機能も付加できるので、磁気ディスク装置50の外部から呼吸穴20を通して進入してくるアウトガス、及び磁気ディスク装置50内部の構成部材から発生するアウトガスも吸着することができる。
【0034】
なお、第一の実施の形態の呼吸フィルター150、及び第二の実施の形態の呼吸フィルタ250は、ボトムヨーク10とベースプレート1の間にあってもよく、VCM100からの発生熱をベースプレート1に伝達し、放熱しても同じ効果が得られる。
【0035】
なお、上述した拡散通路105の形状は直線であってもよく、また上下に蛇行した形状であってもよい。
【0036】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、熱伝導性吸着フィルタを備えているため、VCMからの発熱を効果的に磁気ディスク装置の外部に導くことができるので、内部温度の上昇を低減して信頼向上を図った磁気ディスク装置を提供することができる。
【0037】
また、熱伝導性吸着フィルタに化学吸着フィルターとしての機能も付加しているため、アウトガスによる信頼性の低下も防止でき、さらに信頼性向上を図った磁気ディスク装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の磁気ディスク装置をトップカバーを外した状態での上から見た平面図。
【図2】本発明の磁気ディスク装置のトップカバーを取り付けた状態での上から見た平面図。
【図3】本発明に係わる磁気ディスク装置の第一実施の形態における熱伝導性呼吸フィルター取付け部の断面図で、図1のA−A線矢視断面図。
【図4】本発明に係わる磁気ディスク装置の第二実施の形態における熱伝導性呼吸フィルター取付け部の断面図で、図1のA−A線矢視断面図。
【図5】従来の磁気ディスク装置のVCMコイルを冷却する機構を示す図。
【符号の説明】
1 ベースプレート
2 トップカバー
3 スピンドルモータ
4 磁気ディスク
5 シャフト
7 磁気ヘッド
6 アクチュエータアーム
8 VCMコイル
9 トップヨーク
10 ボトムヨーク
11 マグネット
20 呼吸穴
50 磁気ディスク装置
100 ボイスコイルモータ(VCM)
101 接着剤
102、103 放熱シート
104、206 PTFE膜
105、207 拡散通路
150、250 呼吸フィルタ
202、203、205 ガス吸着材入り放熱シート
204 PETフィルム
Claims (4)
- 磁気記録再生媒体である磁気ディスクと、前記磁気ディスクを回転駆動するためのスピンドルモータと、前記磁気ディスクに対して情報の記録、及び再生を行うための磁気ヘッドと、前記磁気ヘッドを搭載して回動ならしめるアクチュエータアームと、前記アクチュエータアームを磁気駆動するためのボイスコイルモータと、前記ボイスコイルモータの磁気回路を構成するヨークと、これらの前記構成部材を搭載するベースプレートと、前記ベースプレートとでパッケージを構成するトップカバーとを備えた磁気ディスク装置において、
前記トップカバーと前記ヨークとの間にあって、前記トップカバーの裏面に熱伝導性呼吸フィルタを付設し、前記熱伝導性呼吸フィルターは、前記磁気ディスクの内気と外気をつなぐ細い拡散通路が設けられた熱伝導部材からなる放熱シートと、
この放熱シートを覆い塵埃フィルタ機能を持たせた膜と、
で構成されていることを特徴とする磁気ディスク装置。 - 前記熱伝導性呼吸フィルタの前記膜と前記ヨークとが密接していることを特徴とする請求項1記載の磁気ディスク装置。
- 前記トップカバーの前記拡散通路の出口に呼吸穴が設けられ、前記拡散通路は前記ヨークの形状に沿って細長く形成されていることを特徴とする請求項1記載の磁気ディスク装置。
- 前記熱伝導性呼吸フィルタの前記放熱シートにガス吸着剤が添加されていることを特徴とする請求項1記載の磁気ディスク装置。
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2006135073A (ja) * | 2004-11-05 | 2006-05-25 | Fujitsu Ten Ltd | ヒートシンク構造 |
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-
2002
- 2002-08-09 JP JP2002232420A patent/JP2004071112A/ja active Pending
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US7986490B2 (en) | 2007-01-19 | 2011-07-26 | Hitachi Global Storage Technologies, Netherlands, B.V. | Reduce leakage of low-density gas during low-density gas injection into a disk drive |
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