JP2004069654A - 光学式エンコーダ - Google Patents
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Abstract
【課題】被検体からの可干渉光源への不所望な戻り光が低減された光学式エンコーダを提供する。
【解決手段】光学式エンコーダは、ステージ等の変位測定対象物に固定されるスケール1と、このスケールの変位を検出するためのエンコーダヘッド2とを備えている。エンコーダヘッド2は、スケール1に垂直に光ビームを照射する第一の可干渉光源5と第二の可干渉光源6と、スケール1で反射された光ビームを検出する第一の光検出器7と第二の光検出器8とを有している。スケール1は、移動量検出用の周期的に並ぶ光学パターン3と、基準位置検出用の基準位置パターン4とを有している。スケール1は、エンコーダヘッド2に対して相対的に移動するように支持されている。第二の光検出器8は、可干渉光源6に対して、スケール1の移動方向に対して相対的にずれて位置している。
【選択図】 図1
【解決手段】光学式エンコーダは、ステージ等の変位測定対象物に固定されるスケール1と、このスケールの変位を検出するためのエンコーダヘッド2とを備えている。エンコーダヘッド2は、スケール1に垂直に光ビームを照射する第一の可干渉光源5と第二の可干渉光源6と、スケール1で反射された光ビームを検出する第一の光検出器7と第二の光検出器8とを有している。スケール1は、移動量検出用の周期的に並ぶ光学パターン3と、基準位置検出用の基準位置パターン4とを有している。スケール1は、エンコーダヘッド2に対して相対的に移動するように支持されている。第二の光検出器8は、可干渉光源6に対して、スケール1の移動方向に対して相対的にずれて位置している。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、精密メカニズムの変位量を検出する光学式エンコーダに関する。
【0002】
【従来の技術】
特開2002−48602号公報は、このような光学式エンコーダのひとつを開示している。その構成を図8に示す。
【0003】
図8に示されるように、この光学式リニアエンコーダ100は、移動検出のための光学系を含むエンコーダヘッド102と、エンコーダヘッド102に対して並進移動可能なスケール104とを備えている。
【0004】
可動スケール104は、基板110の表面に形成された、スケール104の移動検出用の光学パターン112と、スケール104の基準位置検出用の基準位置パターン114とを備えている。
【0005】
光学パターン112は、スケール104の移動方向に沿って一定の周期p1で変化する反射率を有している。
【0006】
基準位置パターン114は、スケール104の移動方向に関してスケール104の一部の領域のみに存在し、スケール104の移動方向に関して集光作用を有している。
【0007】
エンコーダヘッド102は、面発光レーザ等の可干渉光源122と光学パターン112から回折干渉パターンを検出するための移動検出用の第一の光検出器124と、基準位置パターン114からの集光パターンを検出するための基準位置検出用の光検出器126とを備えており、これらは共に基板120に設けられている。
【0008】
次にこのリニアエンコーダの動作について説明する。
【0009】
可干渉光源122から射出される光ビーム142は、スケール104に垂直に照射され、その表面にビームスポット144を形成する。ビームスポット144の一部144aは、常に光学パターン112に当たっており、そこからの回折干渉ビームは第一の光検出器124を照明し、その受光面に光学パターン112によって形成された回折干渉パターン146は、ピッチp2=p1(z1+z2)/z1の周期を有する明暗パターンであり、この明暗パターンは、スケール104の移動に従って第一の光検出器124の受光エリア上をスケール104の移動方向と平行に移動する。
【0010】
第一の光検出器124は、第一〜第四の受光エリア群を含む複数の受光エリアを備えており、各々受光エリア群の出力に基づいて、図9に示されるように、A相信号とB相信号が生成される。A相信号とB相信号は、それぞれ特定の位置における回折干渉パターン146の周期p2の4分の1周期、すなわち位相が90度ずれている。このA相信号とB相信号から、図10に示されるようなリサージュ図形が得られる。このリサージュ図形上の点Pの移動速度と移動方向に基づき、スケール104の移動速度と移動方向を検出できる。
【0011】
また、ビームスポット144の別の一部144bは、スケール104が基準位置にあるとき、基準位置パターン114に照射される。その反射光のビームは、スケール104の移動方向の寸法が絞られて、第二の光検出器126を照明するビームスポット148を形成する。その結果、第二の光検出器126で光が感知され、基準位置信号が検出される。
【0012】
このように光学式リニアエンコーダ100は、基準位置パターン114と第二の光検出器126を備えているため、スケール104の基準点位置を検出することができる。さらにホログラムレンズの利用により、スケール104の基準位置を高い精度で検出できる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
前述の光学式リニアエンコーダ100では、可干渉光源122はスケール104に対して中央に配置されており、従ってスケール104に形成されるビームスポット144の中心が光学パターン112と基準位置パターン114のちょうど間に来るように設計されている。これにより、スケール104で反射された光が、特に基準位置パターン114によって集光された光ビームが、可干渉光源122に戻らないように設計されている。
【0014】
スケール104は、厳密には移動される際に、その所望の移動方向に直交する方向にもがたつきなどが原因で少なからず移動される。つまり、スケール104は、移動される際に、移動方向に直交する方向の変動を伴う。このため、ビームスポット144の中心に基準位置パターン114がかかり、その結果、集光された光ビームが可干渉光源122に戻り光として戻ることがある。
【0015】
戻り光を受けた可干渉光源122の光強度を示している図11から分かるように、このような戻り光は可干渉光源122の光強度を不安定にさせる。図11に示された光強度の可干渉光源122に対して、第二の光検出器では、図12(A)に示されるような光強度の信号が検出される。その結果、図12(B)に示されるように、複数の基準位置信号が検出される。結局、可干渉光源122への不所望な戻り光は、基準位置の検出を不安定にし、移動量測定の精度を低下させる。
【0016】
本発明は、このような実状を考慮して成されたものであり、その目的は、不所望な光が光源に戻り難い光学式エンコーダを提供することである。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明による光学式エンコーダは、可干渉光源と、前記可干渉光源に設けられた光ビーム射出窓部と、前記可干渉光源に対して相対的に移動することが可能なように設けられ、表面に前記光ビーム射出窓部から射出される光ビームを集光させる基準位置パターンを持つ、前記可干渉光源から前記光ビームを照射されるスケールと、前記光ビームを受けた前記スケールによる、前記光ビームの反射光または回折光または散乱光を検出する受光面をもつ光検出手段とを備えており、前記光検出手段は、少なくとも基準位置検出手段を含んでおり、前記基準位置検出手段と前記光ビーム射出窓部とは、前記スケールの移動方向に相対的にずれた位置に配置されていることを特徴とする。
【0018】
本発明による別の光学式エンコーダは、可干渉光源と、前記可干渉光源に設けられた光ビーム射出窓部と、前記可干渉光源に対して相対的に移動することが可能なように設けられ、表面に前記光ビーム射出窓部から射出される光ビームを集光させる基準位置パターンと、周期的に並ぶ光学パターンをそれぞれ持つ、前記可干渉光源から前記光ビームを照射されるスケールと、前記光ビームを受けた前記スケールによる、前記光ビームの反射光または回折光または散乱光を検出する受光面をもつ光検出手段とを備えており、前記光検出手段は、基準位置検出手段と、複数の受光部で構成された受光面からなる相対移動量検出手段とを含んでおり、前記基準位置検出手段と前記光ビーム射出窓部とは、前記スケールの移動方向に相対的にずれた位置に配置されていることを特徴とする。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。
【0020】
第一実施形態
本発明の第一実施形態に関する光学式エンコーダを図1に示す。
【0021】
図1に示されるように、本実施形態の光学式エンコーダは、ステージ等の変位測定対象物に設けられるスケール1と、このスケール1の変位を検出するためのエンコーダヘッド2とを備えている。
【0022】
エンコーダヘッド2は、スケール1に垂直に光ビームを照射する第一の可干渉光源5と第二の可干渉光源6と、回折干渉パターンおよび集光パターンをそれぞれ検出するための第一の光検出器7と第二の光検出器8とを有している。第一の可干渉光源5と第二の可干渉光源6と第一の光検出器7と第二の光検出器8は共に同じ基板13に設けられている。つまり、これらはエンコーダヘッド2に略平面実装されている。
【0023】
スケール1は、その表面に、第一の可干渉光源5からの光ビームを回折させ、回折干渉パターンを作る、周期的に並ぶ光学パターン3と、第二の可干渉光源6からの光ビームを集光させて集光パターンを作る基準位置パターン4とを有している。周期的に並ぶ光学パターン3は相対的移動量検出用であり、光ビームを集光させる基準位置パターン4はスケール1の移動に関する基準位置検出用である。
【0024】
スケール1は、エンコーダヘッド2に対して相対的に移動するように支持されている。つまり、スケール1は、第一の可干渉光源5と第二の可干渉光源6から射出される光ビームを横切るように移動可能に支持されている。より詳しくは、スケール1は、周期的に並ぶ光学パターン3の周期方向に平行移動するリニア型のスケールである。
【0025】
第一の可干渉光源5と第二の可干渉光源6は、それぞれ、スケール1の周期的に並ぶ光学パターン3と基準位置パターン4に対して回折干渉する光を発する光源であり、発光ダイオード(LED)や端面発光レーザ(LD)や面発光レーザ(SEL)やスーパールミネッセントダイオード(SLD)等で構成される。
【0026】
周期的に並ぶ光学パターン3は、例えば、一定の周期を有する回折格子パターンで構成される。光ビームを集光させる基準位置パターン4は、例えば、第二の可干渉光源6から射出された光ビームにおける所定の領域を、スケール1の移動方向に対して集光する特性を持つホログラムレンズあるいはホログラム集光パターンで構成される。
【0027】
スケール1に照射された光ビームは、周期的に並ぶ光学パターン3や基準位置パターン4により、回折や散乱を伴って、反射される。周期的に並ぶ光学パターン3からの反射光は、第一の光検出器7の受光面上に回折干渉パターンを生成する。また、基準位置パターン4からの反射光は、スケール1の移動方向に関して集光されて、第二の光検出器8の受光面に照射される。つまり、基準位置パターン4からの反射光は、集光された光ビームとして第二の光検出器8の受光面に照射される。
【0028】
第一の光検出器7は、複数の受光部を有しており、スケール1の移動方向に直交する方向に関して、第一の可干渉光源5の横に位置している。第二の光検出器8は、単一の受光部を有しており、スケール1の移動方向に直交する方向に関して、第二の可干渉光源6の横に位置している。さらに、第二の光検出器8は、第二の可干渉光源6に対して、スケール1の移動方向に対してずれて位置している。つまり、第二の光検出器8と第二の可干渉光源6は、スケール1の移動方向に互いにずれた位置に配置されている。
【0029】
このような光学式エンコーダでは、周期的に並ぶ光学パターン3は、第二の可干渉光源6によって照明されている間、第一の光検出器7の受光面上に回折干渉パターンすなわちタルボットイメージ10を生成する。また、基準位置パターン4は、第一の可干渉光源5によって照明されたとき、すなわちスケール1が基準位置近くに相対的に位置するとき、エンコーダヘッド2に集光スポット12を形成する。
【0030】
スケール1の移動量は、第一の光検出器7によりタルボットイメージの移動を調べることにより求められる。また、スケール1の基準位置は、第二の光検出器8により集光スポット12を感知することにより求められる。
【0031】
本実施形態の光学式エンコーダは、第一の可干渉光源5に設けられた光ビーム射出窓と周期的に並ぶ光学パターン3との間隔をZ1、周期的に並ぶ光学パターン3と第一の光検出器7との間隔をZ2、光ビームの中心波長をλ、周期的に並ぶ光学パターン3のピッチをP1、第一の光検出器7の受光面上の回折干渉パターンのピッチをP2、nを自然数として、下記の式で表されるフーリエ条件を満たしている。
【0032】
(1/Z1)十(1/Z2)=λ/n(P1)2
その結果、第一の光検出器7の受光面上には、スケール1の周期的に並ぶ光学パターン3に相似の回折干渉パターンが生成される。第一の光検出器7の受光面上に生成された回折干渉パターンのピッチP2は次式で表される。
【0033】
P2=P1(Z1十Z2)/Z1
ここで、Z1=Z2であるから、結局、P2=2P1となる。すなわち、第一の光検出器7の受光面上には、スケール1の周期的に並ぶ光学パターン3に対して2倍のピッチを有する回折干渉パターンが生成される。
【0034】
第一の光検出器7は、複数の受光部すなわち光電変換素子を有している。複数の受光部は、例えば、スケール1の移動方向に沿ってP2のピッチすなわち周期間隔で整列されている。この場合、スケール1の移動に伴ってピッチP1で周期的に並ぶ光学パターン3によって生成されたピッチP2の回折干渉パターンが移動する結果、第一の光検出器7の各受光部からは周期P2で変化する正弦波形の信号が得られる。従って、正弦波形を調べることにより、例えばピークやゼロクロスを計数することにより、スケール1の移動量を求めることができる。
【0035】
しかし、より好ましくは、第一の光検出器7の複数の受光部は、スケール1の移動方向に沿ってP2の4分の1のピッチすなわち周期間隔で整列されているとよい。さらに、連続する4つ毎に、受光部の出力をそれぞれA+、A−、B+、B−とし、A+−A−とB+−B−を演算により求めるとよい。このように求められたA+−A−(いわゆるA相信号)とB+−B−(いわゆるB相信号)は、図9に示されるように、位相が互いに90度ずれた正弦波形となる。
【0036】
これらのA相信号とB相信号に基づいて、図10に示されるようなリサージュ図形を得ることができる。リサージュ図形の1回転は、スケール1の周期的に並ぶ光学パターン3の1ピッチ分の移動量に対応している。従って、リサージュ図形に基づいて、このリサージュ図形を位相分割することによってスケール1の移動量を周期的に並ぶ光学パターン3のピッチよりも細かい分解能で求めることができる。
【0037】
また、スケール1の基準位置は、前述したように、第二の光検出器8によって集光スポット12を感知することにより求められる。すなわち、スケール1上の基準位置近くに位置するとき、第二の可干渉光源6から射出された光ビームがホログラムレンズである基準位置パターン4に照射され、エンコーダヘッド2上に集光スポット12が形成される。
【0038】
前述したように、第二の光検出器8と第二の可干渉光源6は、スケール1の移動方向に対してずれて位置している。これにより、光強度の強い集光スポット12の中心部分が、第二の光検出器8にかかるときは、必然的に第二の可干渉光源6の光ビーム射出窓から外れる。つまり、基準位置パターン4によって集光された光ビームが、第二の光検出器8の受光面に対して照射されるとき、第二の可干渉光源6の光ビーム射出窓に照射されないように設定されている。
【0039】
次に、スケール1の移動方向に沿った第二の光検出器8と第二の可干渉光源6の好適なずれ量Lzについて考察する。
【0040】
図2や図3に示されるように、スケール移動方向に関して第二の光検出器8の光源寄りの縁部と第二の可干渉光源6の光ビーム射出窓22の中心とのずれ量をLzとする。また、光ビーム射出窓22のスケール移動方向の幅を2W、集光スポット12のスケール移動方向の最大幅を2Wspsとする。
【0041】
好適なずれ量は、W<LzまたはWsps<Lzを満たしているとよい。これは、図2に示される位置関係に対応しており、第二の光検出器8がスケール移動方向に関して第二の可干渉光源6の光ビーム射出窓22の中心から、WかWspsのいずれかの大きい方の寸法よりも離れていることを意味している。つまり、集光スポット12の光強度の最も強い中心部分が第二の可干渉光源6の光ビーム射出窓22の中心に位置するときに、集光スポット12が第二の光検出器8にかからないことを意味している。言い換えれば、集光スポット12の中心部分近くが第二の光検出器8にかかるとき、すなわちスケール1が基準位置近くに位置するとき、第二の可干渉光源6の光ビーム射出窓22に集光スポット12がほとんどかからないことを意味している。
【0042】
更に好適なずれ量は、W+2Wsps<Lzを満たしているとよい。これは、図3に示される位置関係に対応しており、第二の光検出器8がスケール移動方向に関して第二の可干渉光源6の光ビーム射出窓22の中心から、WとWspsの和に等しい寸法よりも離れていることを意味している。つまり、集光スポット12が第二の可干渉光源6の光ビーム射出窓22と第二の光検出器8に同時にかからないことを意味している。
【0043】
このように、第二の可干渉光源6と第二の光検出器8とがスケール移動方向に対してずれて位置していることにより、スケール1が基準位置近くに位置しているときは、集光スポット12の光強度の強い中心部分が第二の可干渉光源6の光ビーム射出窓22にかかることがない。その結果、図4(A)に示されるように、第二の光検出器8で検出される光強度の信号は、戻り光による第二の可干渉光源6の光強度の変動の影響が少ないものとなる。その結果、図4(B)に示されるように、単一の基準位置信号が得られる。
【0044】
そのため、本実施形態の光学式エンコーダは、スケール1の基準位置の検出を正確に行なえる。また、これに伴い、スケール1の移動量を高い精度で求めることができる。
【0045】
第二実施形態
本発明の第二実施形態に関する光学式エンコーダを図5に示す。図5において、図1中の部材と同じ参照符号で示された部材は同等の部材を示しており、その詳しい説明は省略する。
【0046】
本実施形態の光学式エンコーダは、スケール1に形成されている移動量検出用の周期的に並ぶ光学パターン3と基準位置検出用の基準位置パターン4を除いては、第一実施形態の光学式エンコーダと同じである。以下、第一実施形態との相違点に重点をおいて、本実施形態の光学式エンコーダについて図5を参照しながら説明する。
【0047】
本実施形態の光学式エンコーダでは、図5に示されるように、スケール1の周期的に並ぶ光学パターン3は、第一の可干渉光源5に対して、スケールの移動方向に直交する方向にずれて位置している。
【0048】
また、スケール1に形成された基準位置パターン4は、第二の可干渉光源6に対して、スケール1の移動方向に直交する方向にずれて位置している。言い換えれば、基準位置パターン4は、第二の可干渉光源6の主軸15を基準にして、スケール1の移動方向に直交する方向に関して、一方の側(外側)のみに存在している。
【0049】
これにより、基準位置パターン4によって集光される回折光や散乱光により形成される集光スポット12は、第二の可干渉光源6を基準にして、スケール1の移動方向に直交する方向に関して、一方の側(外側)のみに形成される。従って、スケール1の移動方向に直交する方向に沿った不所望なスケール1の移動がなければ、集光スポット12は、第二の可干渉光源6の光ビーム射出窓にかかることはない。
【0050】
従って、本実施形態の光学式エンコーダは、第一実施形態の光学式エンコーダと比較して、基準位置パターン4で反射されて集光された光が第二の可干渉光源6の光ビーム射出窓に戻ることが少ない。つまり、戻り光による悪影響の発生、すなわち第二の可干渉光源6の光強度が不安定になることが更に低減されている。
【0051】
このように、本実施形態の光学式エンコーダでは、第一実施形態の光学式エンコーダと同様に第二の可干渉光源6と第二の光検出器8とがスケール移動方向に関して互いにずれて位置していることにより、第二の可干渉光源6の光強度の安定化が図られていることに加えて、基準位置パターン4が第二の可干渉光源6に対して、スケール1の移動方向に直交する方向に対して互いにずれていることにより、基準位置パターン4で反射、集光された光ビームが第二の可干渉光源6に戻り難い設計となっている。
【0052】
このため、本実施形態の光学式エンコーダは、スケール1の基準位置の検出を更に正確に行なえる。また、これに伴い、スケール1の移動量を更に高い精度で求めることができる。
【0053】
第三実施形態
本発明の第三実施形態に関する光学式エンコーダを図6に示す。図6において、図1中の部材と同じ参照符号で示された部材は同等の部材を示しており、その詳しい説明は省略する。
【0054】
本実施形態の光学式エンコーダは、いわゆる1ビーム方式の光学式エンコーダであり、エンコーダヘッド2は、スケール1に垂直に光ビームを照射するただ1つの可干渉光源5を有している。
【0055】
これに対応して、移動量検出用の周期的に並ぶ光学パターン3と基準位置検出用の基準位置パターン4とは、可干渉光源5からの一本の光ビームがそれらを同時に照明し得るように、互いに近づけてスケール1に形成されている。周期的に並ぶ光学パターン3と基準位置パターン4は、可干渉光源5の主軸15を基準にして、スケール1の移動方向に直交する方向に関して両側に位置している。
【0056】
また、第一の光検出器7と第二の光検出器8は、スケール1の移動方向に直交する方向に関して、可干渉光源5の左右両側に位置している。さらに、第二の光検出器8は、可干渉光源5に対して、スケール1の移動方向に対してずれて位置している。つまり、第二の光検出器8と可干渉光源5は、スケール1の移動方向に互いにずれた位置に配置されている。
【0057】
可干渉光源5から射出された光ビームは、スケール1に照射され、周期的に並ぶ光学パターン3と基準位置パターン4を照明する。周期的に並ぶ光学パターン3に照射された部分のビーム9aは、周期的に並ぶ光学パターン3によって回折や散乱を伴って反射され、第一の光検出器7の受光面上に回折干渉パターンを生成する。また、基準位置パターン4に照射された部分のビーム9bは、周期的に並ぶ光学パターン3によって集光されながら反射され、エンコーダヘッド2に集光スポット12を形成する。
【0058】
集光スポット12は、可干渉光源5を基準にして、スケール1の移動方向に直交する方向に関して、第二の光検出器8の側のみに形成される。従って、スケール1の移動方向に直交する方向に沿った不所望なスケール1の移動がなければ、集光スポット12は、可干渉光源5の光ビーム射出窓にかかることはない。つまり、基準位置パターン4が可干渉光源5に対して、スケール1の移動方向に直交する方向に対して互いにずれていることにより、基準位置パターン4で反射された光が可干渉光源5に戻り難い設計となっている。
【0059】
このように、本実施形態の光学式エンコーダでは、第一実施形態の光学式エンコーダと同様に可干渉光源5と第二の光検出器8とがスケール移動方向に対してずれて位置していることにより、可干渉光源5の光強度の安定化が図られている。
【0060】
このため、本実施形態の光学式エンコーダは、スケール1の基準位置の検出を正確に行なえる。また、これに伴い、スケール1の移動量を高い精度で求めることができる。
【0061】
第四実施形態
本発明の第四実施形態に関する光学式エンコーダを図7に示す。
【0062】
この光学式エンコーダ300は、移動つまり回転検出のための光学系を含むエンコーダヘッド302と、エンコーダヘッド302に対して回転可能あるいは回動可能なロータリースケール304とを備えている。
【0063】
ロータリースケール304は、円形の光学的に透明な基板310の表面に形成された、ロータリースケール304の回転検出用の周期的に並ぶ光学パターン312を備えている。この光学パターン312は、放射状に周期的に並んで配置された多数の扇形の反射部を有しており、反射部は、それと同じ大きさの扇形の隙間を置いて並んでいる。
【0064】
また、ロータリースケール304は、透明な基板310の中央部分すなわち回転中心近傍に、扇形のホログラム集光パターンである、ロータリースケール304の回転基準位置検出用の基準位置パターン4を有している。この基準位置パターン4を除いて、この領域は反射率が低い領域あるいは反射率がほぼ0に等しい領域を備えている。
【0065】
基準位置パターン4は、これに照射される光ビームを、ロータリースケール304の回転方向に関して集光しながら反射し、エンコーダヘッド302に集光スポット12を形成する。
【0066】
エンコーダヘッド302は、可干渉な光ビームを放射する光源すなわち可干渉光源322と、スケールの回転検出用の光検出器324とを備えている。光検出器324は、複数の受光エリア330を備えている。これらの受光エリア330は、可干渉光源322を中心とする円周上に、一定の角度ピッチで並んでいる。
【0067】
また、エンコーダヘッド302は更に、基準位置検出用の基準位置パターン4によってエンコーダヘッド302上に形成されるで集光スポット12を検出するための第二の光検出器8を有している。
【0068】
第二の光検出器8は、可干渉光源322に対して、ロータリースケール304の移動方向すなわち回転方向に対してずれて位置している。つまり、第二の光検出器8と可干渉光源322は、可干渉光源322の中心を中心とする円の円周に沿って、互いにずれた位置に配置されている。
【0069】
エンコーダヘッド302とロータリースケール304は、ロータリースケール304の回転軸とエンコーダヘッド302から射出される光ビームの主軸328とが近い位置になるように、一定の間隔を置いて互いに平行に配置されている。
【0070】
ロータリースケール304の表面に対して、半径r1の円周342上に入射する光は、エンコーダヘッド302の表面に対して、半径r2の円周344上に照射される。ここに、半径r1と半径r2は、r2=r1(z1+z2)/z1の関係を満たしており、z1は可干渉光源322とロータリースケール304の間隔、z2はロータリースケール304と光検出器324の間隔である。
【0071】
可干渉光源322から射出された所定の広がりを有する光ビームは、ロータリースケール304に略垂直に照射される。この光ビームの主軸近傍の一部は、ロータリースケール304の中心付近に形成された低反射領域および基準位置パターン4を照明し、その外側の一部は、周期的に並ぶ光学パターン312を照明する。
【0072】
低反射領域に形成された基準位置パターン4に照射された光ビームは、集光されてエンコーダヘッド302上に集光スポット12を形成する。前述したように、第二の光検出器8は可干渉光源322に対してロータリースケール304の移動つまり回転方向に対してずれて位置しているため、戻り光の影響が抑制されており、可干渉光源322の光強度の安定化が図られている。
【0073】
このため、本実施形態の光学式エンコーダは、ロータリースケール304の基準位置の検出を正確に行なえる。また、これに伴い、ロータリースケール304の移動量すなわち回転量を高い精度で求めることができる。
【0074】
これまで、図面を参照しながら本発明の実施の形態を述べたが、本発明は、これらの実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において様々な変形や変更が施されてもよい。
【0075】
【発明の効果】
本発明の光学式エンコーダによれば、光源と基準位置検出手段とが被検体の移動方向に対してずれているため、被検体からの不所望な光が光源に戻ることが効果的に防止される。これにより、本発明の光学式エンコーダは、高い安定性で基準位置の検出を行なえ、これに伴い高い精度で移動量を測定できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一実施形態に関する光学式エンコーダを示している。
【図2】スケール移動方向に沿って好適なずれ量を伴って位置している可干渉光源と光検出器を示している。
【図3】スケール移動方向に沿って別の好適なずれ量を伴って位置している可干渉光源と光検出器を示している。
【図4】図1の光学式エンコーダの基準位置検出用の光検出器で検出される光強度の信号と、それに従って得られる基準位置信号とを示している。
【図5】本発明の第二実施形態に関する光学式エンコーダを示している。
【図6】本発明の第三実施形態に関する光学式エンコーダを示している。
【図7】本発明の第四実施形態に関する光学式エンコーダを示している。
【図8】従来例のひとつである特開2002−48602号公報に開示されている光学式リニアエンコーダを示している。
【図9】光学式リニアエンコーダにおいて広く知られているいわゆるA相信号とB相信号を示している。
【図10】図9に示されたA相信号とB相信号に基づいて得られるリサージュ図形を示している。
【図11】戻り光の影響を受けた可干渉光源の光強度を示している。
【図12】図8の光学式リニアエンコーダにおいて、図11に示された光強度の可干渉光源に対して、基準位置検出用の光検出器で検出される光強度の信号と、それに従って得られる基準位置信号とを示している。
【符号の説明】
1 スケール
2 エンコーダヘッド
3 光学パターン
4 光学パターン
5 可干渉光源
6 可干渉光源
7 光検出器
8 光検出器
【発明の属する技術分野】
本発明は、精密メカニズムの変位量を検出する光学式エンコーダに関する。
【0002】
【従来の技術】
特開2002−48602号公報は、このような光学式エンコーダのひとつを開示している。その構成を図8に示す。
【0003】
図8に示されるように、この光学式リニアエンコーダ100は、移動検出のための光学系を含むエンコーダヘッド102と、エンコーダヘッド102に対して並進移動可能なスケール104とを備えている。
【0004】
可動スケール104は、基板110の表面に形成された、スケール104の移動検出用の光学パターン112と、スケール104の基準位置検出用の基準位置パターン114とを備えている。
【0005】
光学パターン112は、スケール104の移動方向に沿って一定の周期p1で変化する反射率を有している。
【0006】
基準位置パターン114は、スケール104の移動方向に関してスケール104の一部の領域のみに存在し、スケール104の移動方向に関して集光作用を有している。
【0007】
エンコーダヘッド102は、面発光レーザ等の可干渉光源122と光学パターン112から回折干渉パターンを検出するための移動検出用の第一の光検出器124と、基準位置パターン114からの集光パターンを検出するための基準位置検出用の光検出器126とを備えており、これらは共に基板120に設けられている。
【0008】
次にこのリニアエンコーダの動作について説明する。
【0009】
可干渉光源122から射出される光ビーム142は、スケール104に垂直に照射され、その表面にビームスポット144を形成する。ビームスポット144の一部144aは、常に光学パターン112に当たっており、そこからの回折干渉ビームは第一の光検出器124を照明し、その受光面に光学パターン112によって形成された回折干渉パターン146は、ピッチp2=p1(z1+z2)/z1の周期を有する明暗パターンであり、この明暗パターンは、スケール104の移動に従って第一の光検出器124の受光エリア上をスケール104の移動方向と平行に移動する。
【0010】
第一の光検出器124は、第一〜第四の受光エリア群を含む複数の受光エリアを備えており、各々受光エリア群の出力に基づいて、図9に示されるように、A相信号とB相信号が生成される。A相信号とB相信号は、それぞれ特定の位置における回折干渉パターン146の周期p2の4分の1周期、すなわち位相が90度ずれている。このA相信号とB相信号から、図10に示されるようなリサージュ図形が得られる。このリサージュ図形上の点Pの移動速度と移動方向に基づき、スケール104の移動速度と移動方向を検出できる。
【0011】
また、ビームスポット144の別の一部144bは、スケール104が基準位置にあるとき、基準位置パターン114に照射される。その反射光のビームは、スケール104の移動方向の寸法が絞られて、第二の光検出器126を照明するビームスポット148を形成する。その結果、第二の光検出器126で光が感知され、基準位置信号が検出される。
【0012】
このように光学式リニアエンコーダ100は、基準位置パターン114と第二の光検出器126を備えているため、スケール104の基準点位置を検出することができる。さらにホログラムレンズの利用により、スケール104の基準位置を高い精度で検出できる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
前述の光学式リニアエンコーダ100では、可干渉光源122はスケール104に対して中央に配置されており、従ってスケール104に形成されるビームスポット144の中心が光学パターン112と基準位置パターン114のちょうど間に来るように設計されている。これにより、スケール104で反射された光が、特に基準位置パターン114によって集光された光ビームが、可干渉光源122に戻らないように設計されている。
【0014】
スケール104は、厳密には移動される際に、その所望の移動方向に直交する方向にもがたつきなどが原因で少なからず移動される。つまり、スケール104は、移動される際に、移動方向に直交する方向の変動を伴う。このため、ビームスポット144の中心に基準位置パターン114がかかり、その結果、集光された光ビームが可干渉光源122に戻り光として戻ることがある。
【0015】
戻り光を受けた可干渉光源122の光強度を示している図11から分かるように、このような戻り光は可干渉光源122の光強度を不安定にさせる。図11に示された光強度の可干渉光源122に対して、第二の光検出器では、図12(A)に示されるような光強度の信号が検出される。その結果、図12(B)に示されるように、複数の基準位置信号が検出される。結局、可干渉光源122への不所望な戻り光は、基準位置の検出を不安定にし、移動量測定の精度を低下させる。
【0016】
本発明は、このような実状を考慮して成されたものであり、その目的は、不所望な光が光源に戻り難い光学式エンコーダを提供することである。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明による光学式エンコーダは、可干渉光源と、前記可干渉光源に設けられた光ビーム射出窓部と、前記可干渉光源に対して相対的に移動することが可能なように設けられ、表面に前記光ビーム射出窓部から射出される光ビームを集光させる基準位置パターンを持つ、前記可干渉光源から前記光ビームを照射されるスケールと、前記光ビームを受けた前記スケールによる、前記光ビームの反射光または回折光または散乱光を検出する受光面をもつ光検出手段とを備えており、前記光検出手段は、少なくとも基準位置検出手段を含んでおり、前記基準位置検出手段と前記光ビーム射出窓部とは、前記スケールの移動方向に相対的にずれた位置に配置されていることを特徴とする。
【0018】
本発明による別の光学式エンコーダは、可干渉光源と、前記可干渉光源に設けられた光ビーム射出窓部と、前記可干渉光源に対して相対的に移動することが可能なように設けられ、表面に前記光ビーム射出窓部から射出される光ビームを集光させる基準位置パターンと、周期的に並ぶ光学パターンをそれぞれ持つ、前記可干渉光源から前記光ビームを照射されるスケールと、前記光ビームを受けた前記スケールによる、前記光ビームの反射光または回折光または散乱光を検出する受光面をもつ光検出手段とを備えており、前記光検出手段は、基準位置検出手段と、複数の受光部で構成された受光面からなる相対移動量検出手段とを含んでおり、前記基準位置検出手段と前記光ビーム射出窓部とは、前記スケールの移動方向に相対的にずれた位置に配置されていることを特徴とする。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。
【0020】
第一実施形態
本発明の第一実施形態に関する光学式エンコーダを図1に示す。
【0021】
図1に示されるように、本実施形態の光学式エンコーダは、ステージ等の変位測定対象物に設けられるスケール1と、このスケール1の変位を検出するためのエンコーダヘッド2とを備えている。
【0022】
エンコーダヘッド2は、スケール1に垂直に光ビームを照射する第一の可干渉光源5と第二の可干渉光源6と、回折干渉パターンおよび集光パターンをそれぞれ検出するための第一の光検出器7と第二の光検出器8とを有している。第一の可干渉光源5と第二の可干渉光源6と第一の光検出器7と第二の光検出器8は共に同じ基板13に設けられている。つまり、これらはエンコーダヘッド2に略平面実装されている。
【0023】
スケール1は、その表面に、第一の可干渉光源5からの光ビームを回折させ、回折干渉パターンを作る、周期的に並ぶ光学パターン3と、第二の可干渉光源6からの光ビームを集光させて集光パターンを作る基準位置パターン4とを有している。周期的に並ぶ光学パターン3は相対的移動量検出用であり、光ビームを集光させる基準位置パターン4はスケール1の移動に関する基準位置検出用である。
【0024】
スケール1は、エンコーダヘッド2に対して相対的に移動するように支持されている。つまり、スケール1は、第一の可干渉光源5と第二の可干渉光源6から射出される光ビームを横切るように移動可能に支持されている。より詳しくは、スケール1は、周期的に並ぶ光学パターン3の周期方向に平行移動するリニア型のスケールである。
【0025】
第一の可干渉光源5と第二の可干渉光源6は、それぞれ、スケール1の周期的に並ぶ光学パターン3と基準位置パターン4に対して回折干渉する光を発する光源であり、発光ダイオード(LED)や端面発光レーザ(LD)や面発光レーザ(SEL)やスーパールミネッセントダイオード(SLD)等で構成される。
【0026】
周期的に並ぶ光学パターン3は、例えば、一定の周期を有する回折格子パターンで構成される。光ビームを集光させる基準位置パターン4は、例えば、第二の可干渉光源6から射出された光ビームにおける所定の領域を、スケール1の移動方向に対して集光する特性を持つホログラムレンズあるいはホログラム集光パターンで構成される。
【0027】
スケール1に照射された光ビームは、周期的に並ぶ光学パターン3や基準位置パターン4により、回折や散乱を伴って、反射される。周期的に並ぶ光学パターン3からの反射光は、第一の光検出器7の受光面上に回折干渉パターンを生成する。また、基準位置パターン4からの反射光は、スケール1の移動方向に関して集光されて、第二の光検出器8の受光面に照射される。つまり、基準位置パターン4からの反射光は、集光された光ビームとして第二の光検出器8の受光面に照射される。
【0028】
第一の光検出器7は、複数の受光部を有しており、スケール1の移動方向に直交する方向に関して、第一の可干渉光源5の横に位置している。第二の光検出器8は、単一の受光部を有しており、スケール1の移動方向に直交する方向に関して、第二の可干渉光源6の横に位置している。さらに、第二の光検出器8は、第二の可干渉光源6に対して、スケール1の移動方向に対してずれて位置している。つまり、第二の光検出器8と第二の可干渉光源6は、スケール1の移動方向に互いにずれた位置に配置されている。
【0029】
このような光学式エンコーダでは、周期的に並ぶ光学パターン3は、第二の可干渉光源6によって照明されている間、第一の光検出器7の受光面上に回折干渉パターンすなわちタルボットイメージ10を生成する。また、基準位置パターン4は、第一の可干渉光源5によって照明されたとき、すなわちスケール1が基準位置近くに相対的に位置するとき、エンコーダヘッド2に集光スポット12を形成する。
【0030】
スケール1の移動量は、第一の光検出器7によりタルボットイメージの移動を調べることにより求められる。また、スケール1の基準位置は、第二の光検出器8により集光スポット12を感知することにより求められる。
【0031】
本実施形態の光学式エンコーダは、第一の可干渉光源5に設けられた光ビーム射出窓と周期的に並ぶ光学パターン3との間隔をZ1、周期的に並ぶ光学パターン3と第一の光検出器7との間隔をZ2、光ビームの中心波長をλ、周期的に並ぶ光学パターン3のピッチをP1、第一の光検出器7の受光面上の回折干渉パターンのピッチをP2、nを自然数として、下記の式で表されるフーリエ条件を満たしている。
【0032】
(1/Z1)十(1/Z2)=λ/n(P1)2
その結果、第一の光検出器7の受光面上には、スケール1の周期的に並ぶ光学パターン3に相似の回折干渉パターンが生成される。第一の光検出器7の受光面上に生成された回折干渉パターンのピッチP2は次式で表される。
【0033】
P2=P1(Z1十Z2)/Z1
ここで、Z1=Z2であるから、結局、P2=2P1となる。すなわち、第一の光検出器7の受光面上には、スケール1の周期的に並ぶ光学パターン3に対して2倍のピッチを有する回折干渉パターンが生成される。
【0034】
第一の光検出器7は、複数の受光部すなわち光電変換素子を有している。複数の受光部は、例えば、スケール1の移動方向に沿ってP2のピッチすなわち周期間隔で整列されている。この場合、スケール1の移動に伴ってピッチP1で周期的に並ぶ光学パターン3によって生成されたピッチP2の回折干渉パターンが移動する結果、第一の光検出器7の各受光部からは周期P2で変化する正弦波形の信号が得られる。従って、正弦波形を調べることにより、例えばピークやゼロクロスを計数することにより、スケール1の移動量を求めることができる。
【0035】
しかし、より好ましくは、第一の光検出器7の複数の受光部は、スケール1の移動方向に沿ってP2の4分の1のピッチすなわち周期間隔で整列されているとよい。さらに、連続する4つ毎に、受光部の出力をそれぞれA+、A−、B+、B−とし、A+−A−とB+−B−を演算により求めるとよい。このように求められたA+−A−(いわゆるA相信号)とB+−B−(いわゆるB相信号)は、図9に示されるように、位相が互いに90度ずれた正弦波形となる。
【0036】
これらのA相信号とB相信号に基づいて、図10に示されるようなリサージュ図形を得ることができる。リサージュ図形の1回転は、スケール1の周期的に並ぶ光学パターン3の1ピッチ分の移動量に対応している。従って、リサージュ図形に基づいて、このリサージュ図形を位相分割することによってスケール1の移動量を周期的に並ぶ光学パターン3のピッチよりも細かい分解能で求めることができる。
【0037】
また、スケール1の基準位置は、前述したように、第二の光検出器8によって集光スポット12を感知することにより求められる。すなわち、スケール1上の基準位置近くに位置するとき、第二の可干渉光源6から射出された光ビームがホログラムレンズである基準位置パターン4に照射され、エンコーダヘッド2上に集光スポット12が形成される。
【0038】
前述したように、第二の光検出器8と第二の可干渉光源6は、スケール1の移動方向に対してずれて位置している。これにより、光強度の強い集光スポット12の中心部分が、第二の光検出器8にかかるときは、必然的に第二の可干渉光源6の光ビーム射出窓から外れる。つまり、基準位置パターン4によって集光された光ビームが、第二の光検出器8の受光面に対して照射されるとき、第二の可干渉光源6の光ビーム射出窓に照射されないように設定されている。
【0039】
次に、スケール1の移動方向に沿った第二の光検出器8と第二の可干渉光源6の好適なずれ量Lzについて考察する。
【0040】
図2や図3に示されるように、スケール移動方向に関して第二の光検出器8の光源寄りの縁部と第二の可干渉光源6の光ビーム射出窓22の中心とのずれ量をLzとする。また、光ビーム射出窓22のスケール移動方向の幅を2W、集光スポット12のスケール移動方向の最大幅を2Wspsとする。
【0041】
好適なずれ量は、W<LzまたはWsps<Lzを満たしているとよい。これは、図2に示される位置関係に対応しており、第二の光検出器8がスケール移動方向に関して第二の可干渉光源6の光ビーム射出窓22の中心から、WかWspsのいずれかの大きい方の寸法よりも離れていることを意味している。つまり、集光スポット12の光強度の最も強い中心部分が第二の可干渉光源6の光ビーム射出窓22の中心に位置するときに、集光スポット12が第二の光検出器8にかからないことを意味している。言い換えれば、集光スポット12の中心部分近くが第二の光検出器8にかかるとき、すなわちスケール1が基準位置近くに位置するとき、第二の可干渉光源6の光ビーム射出窓22に集光スポット12がほとんどかからないことを意味している。
【0042】
更に好適なずれ量は、W+2Wsps<Lzを満たしているとよい。これは、図3に示される位置関係に対応しており、第二の光検出器8がスケール移動方向に関して第二の可干渉光源6の光ビーム射出窓22の中心から、WとWspsの和に等しい寸法よりも離れていることを意味している。つまり、集光スポット12が第二の可干渉光源6の光ビーム射出窓22と第二の光検出器8に同時にかからないことを意味している。
【0043】
このように、第二の可干渉光源6と第二の光検出器8とがスケール移動方向に対してずれて位置していることにより、スケール1が基準位置近くに位置しているときは、集光スポット12の光強度の強い中心部分が第二の可干渉光源6の光ビーム射出窓22にかかることがない。その結果、図4(A)に示されるように、第二の光検出器8で検出される光強度の信号は、戻り光による第二の可干渉光源6の光強度の変動の影響が少ないものとなる。その結果、図4(B)に示されるように、単一の基準位置信号が得られる。
【0044】
そのため、本実施形態の光学式エンコーダは、スケール1の基準位置の検出を正確に行なえる。また、これに伴い、スケール1の移動量を高い精度で求めることができる。
【0045】
第二実施形態
本発明の第二実施形態に関する光学式エンコーダを図5に示す。図5において、図1中の部材と同じ参照符号で示された部材は同等の部材を示しており、その詳しい説明は省略する。
【0046】
本実施形態の光学式エンコーダは、スケール1に形成されている移動量検出用の周期的に並ぶ光学パターン3と基準位置検出用の基準位置パターン4を除いては、第一実施形態の光学式エンコーダと同じである。以下、第一実施形態との相違点に重点をおいて、本実施形態の光学式エンコーダについて図5を参照しながら説明する。
【0047】
本実施形態の光学式エンコーダでは、図5に示されるように、スケール1の周期的に並ぶ光学パターン3は、第一の可干渉光源5に対して、スケールの移動方向に直交する方向にずれて位置している。
【0048】
また、スケール1に形成された基準位置パターン4は、第二の可干渉光源6に対して、スケール1の移動方向に直交する方向にずれて位置している。言い換えれば、基準位置パターン4は、第二の可干渉光源6の主軸15を基準にして、スケール1の移動方向に直交する方向に関して、一方の側(外側)のみに存在している。
【0049】
これにより、基準位置パターン4によって集光される回折光や散乱光により形成される集光スポット12は、第二の可干渉光源6を基準にして、スケール1の移動方向に直交する方向に関して、一方の側(外側)のみに形成される。従って、スケール1の移動方向に直交する方向に沿った不所望なスケール1の移動がなければ、集光スポット12は、第二の可干渉光源6の光ビーム射出窓にかかることはない。
【0050】
従って、本実施形態の光学式エンコーダは、第一実施形態の光学式エンコーダと比較して、基準位置パターン4で反射されて集光された光が第二の可干渉光源6の光ビーム射出窓に戻ることが少ない。つまり、戻り光による悪影響の発生、すなわち第二の可干渉光源6の光強度が不安定になることが更に低減されている。
【0051】
このように、本実施形態の光学式エンコーダでは、第一実施形態の光学式エンコーダと同様に第二の可干渉光源6と第二の光検出器8とがスケール移動方向に関して互いにずれて位置していることにより、第二の可干渉光源6の光強度の安定化が図られていることに加えて、基準位置パターン4が第二の可干渉光源6に対して、スケール1の移動方向に直交する方向に対して互いにずれていることにより、基準位置パターン4で反射、集光された光ビームが第二の可干渉光源6に戻り難い設計となっている。
【0052】
このため、本実施形態の光学式エンコーダは、スケール1の基準位置の検出を更に正確に行なえる。また、これに伴い、スケール1の移動量を更に高い精度で求めることができる。
【0053】
第三実施形態
本発明の第三実施形態に関する光学式エンコーダを図6に示す。図6において、図1中の部材と同じ参照符号で示された部材は同等の部材を示しており、その詳しい説明は省略する。
【0054】
本実施形態の光学式エンコーダは、いわゆる1ビーム方式の光学式エンコーダであり、エンコーダヘッド2は、スケール1に垂直に光ビームを照射するただ1つの可干渉光源5を有している。
【0055】
これに対応して、移動量検出用の周期的に並ぶ光学パターン3と基準位置検出用の基準位置パターン4とは、可干渉光源5からの一本の光ビームがそれらを同時に照明し得るように、互いに近づけてスケール1に形成されている。周期的に並ぶ光学パターン3と基準位置パターン4は、可干渉光源5の主軸15を基準にして、スケール1の移動方向に直交する方向に関して両側に位置している。
【0056】
また、第一の光検出器7と第二の光検出器8は、スケール1の移動方向に直交する方向に関して、可干渉光源5の左右両側に位置している。さらに、第二の光検出器8は、可干渉光源5に対して、スケール1の移動方向に対してずれて位置している。つまり、第二の光検出器8と可干渉光源5は、スケール1の移動方向に互いにずれた位置に配置されている。
【0057】
可干渉光源5から射出された光ビームは、スケール1に照射され、周期的に並ぶ光学パターン3と基準位置パターン4を照明する。周期的に並ぶ光学パターン3に照射された部分のビーム9aは、周期的に並ぶ光学パターン3によって回折や散乱を伴って反射され、第一の光検出器7の受光面上に回折干渉パターンを生成する。また、基準位置パターン4に照射された部分のビーム9bは、周期的に並ぶ光学パターン3によって集光されながら反射され、エンコーダヘッド2に集光スポット12を形成する。
【0058】
集光スポット12は、可干渉光源5を基準にして、スケール1の移動方向に直交する方向に関して、第二の光検出器8の側のみに形成される。従って、スケール1の移動方向に直交する方向に沿った不所望なスケール1の移動がなければ、集光スポット12は、可干渉光源5の光ビーム射出窓にかかることはない。つまり、基準位置パターン4が可干渉光源5に対して、スケール1の移動方向に直交する方向に対して互いにずれていることにより、基準位置パターン4で反射された光が可干渉光源5に戻り難い設計となっている。
【0059】
このように、本実施形態の光学式エンコーダでは、第一実施形態の光学式エンコーダと同様に可干渉光源5と第二の光検出器8とがスケール移動方向に対してずれて位置していることにより、可干渉光源5の光強度の安定化が図られている。
【0060】
このため、本実施形態の光学式エンコーダは、スケール1の基準位置の検出を正確に行なえる。また、これに伴い、スケール1の移動量を高い精度で求めることができる。
【0061】
第四実施形態
本発明の第四実施形態に関する光学式エンコーダを図7に示す。
【0062】
この光学式エンコーダ300は、移動つまり回転検出のための光学系を含むエンコーダヘッド302と、エンコーダヘッド302に対して回転可能あるいは回動可能なロータリースケール304とを備えている。
【0063】
ロータリースケール304は、円形の光学的に透明な基板310の表面に形成された、ロータリースケール304の回転検出用の周期的に並ぶ光学パターン312を備えている。この光学パターン312は、放射状に周期的に並んで配置された多数の扇形の反射部を有しており、反射部は、それと同じ大きさの扇形の隙間を置いて並んでいる。
【0064】
また、ロータリースケール304は、透明な基板310の中央部分すなわち回転中心近傍に、扇形のホログラム集光パターンである、ロータリースケール304の回転基準位置検出用の基準位置パターン4を有している。この基準位置パターン4を除いて、この領域は反射率が低い領域あるいは反射率がほぼ0に等しい領域を備えている。
【0065】
基準位置パターン4は、これに照射される光ビームを、ロータリースケール304の回転方向に関して集光しながら反射し、エンコーダヘッド302に集光スポット12を形成する。
【0066】
エンコーダヘッド302は、可干渉な光ビームを放射する光源すなわち可干渉光源322と、スケールの回転検出用の光検出器324とを備えている。光検出器324は、複数の受光エリア330を備えている。これらの受光エリア330は、可干渉光源322を中心とする円周上に、一定の角度ピッチで並んでいる。
【0067】
また、エンコーダヘッド302は更に、基準位置検出用の基準位置パターン4によってエンコーダヘッド302上に形成されるで集光スポット12を検出するための第二の光検出器8を有している。
【0068】
第二の光検出器8は、可干渉光源322に対して、ロータリースケール304の移動方向すなわち回転方向に対してずれて位置している。つまり、第二の光検出器8と可干渉光源322は、可干渉光源322の中心を中心とする円の円周に沿って、互いにずれた位置に配置されている。
【0069】
エンコーダヘッド302とロータリースケール304は、ロータリースケール304の回転軸とエンコーダヘッド302から射出される光ビームの主軸328とが近い位置になるように、一定の間隔を置いて互いに平行に配置されている。
【0070】
ロータリースケール304の表面に対して、半径r1の円周342上に入射する光は、エンコーダヘッド302の表面に対して、半径r2の円周344上に照射される。ここに、半径r1と半径r2は、r2=r1(z1+z2)/z1の関係を満たしており、z1は可干渉光源322とロータリースケール304の間隔、z2はロータリースケール304と光検出器324の間隔である。
【0071】
可干渉光源322から射出された所定の広がりを有する光ビームは、ロータリースケール304に略垂直に照射される。この光ビームの主軸近傍の一部は、ロータリースケール304の中心付近に形成された低反射領域および基準位置パターン4を照明し、その外側の一部は、周期的に並ぶ光学パターン312を照明する。
【0072】
低反射領域に形成された基準位置パターン4に照射された光ビームは、集光されてエンコーダヘッド302上に集光スポット12を形成する。前述したように、第二の光検出器8は可干渉光源322に対してロータリースケール304の移動つまり回転方向に対してずれて位置しているため、戻り光の影響が抑制されており、可干渉光源322の光強度の安定化が図られている。
【0073】
このため、本実施形態の光学式エンコーダは、ロータリースケール304の基準位置の検出を正確に行なえる。また、これに伴い、ロータリースケール304の移動量すなわち回転量を高い精度で求めることができる。
【0074】
これまで、図面を参照しながら本発明の実施の形態を述べたが、本発明は、これらの実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において様々な変形や変更が施されてもよい。
【0075】
【発明の効果】
本発明の光学式エンコーダによれば、光源と基準位置検出手段とが被検体の移動方向に対してずれているため、被検体からの不所望な光が光源に戻ることが効果的に防止される。これにより、本発明の光学式エンコーダは、高い安定性で基準位置の検出を行なえ、これに伴い高い精度で移動量を測定できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一実施形態に関する光学式エンコーダを示している。
【図2】スケール移動方向に沿って好適なずれ量を伴って位置している可干渉光源と光検出器を示している。
【図3】スケール移動方向に沿って別の好適なずれ量を伴って位置している可干渉光源と光検出器を示している。
【図4】図1の光学式エンコーダの基準位置検出用の光検出器で検出される光強度の信号と、それに従って得られる基準位置信号とを示している。
【図5】本発明の第二実施形態に関する光学式エンコーダを示している。
【図6】本発明の第三実施形態に関する光学式エンコーダを示している。
【図7】本発明の第四実施形態に関する光学式エンコーダを示している。
【図8】従来例のひとつである特開2002−48602号公報に開示されている光学式リニアエンコーダを示している。
【図9】光学式リニアエンコーダにおいて広く知られているいわゆるA相信号とB相信号を示している。
【図10】図9に示されたA相信号とB相信号に基づいて得られるリサージュ図形を示している。
【図11】戻り光の影響を受けた可干渉光源の光強度を示している。
【図12】図8の光学式リニアエンコーダにおいて、図11に示された光強度の可干渉光源に対して、基準位置検出用の光検出器で検出される光強度の信号と、それに従って得られる基準位置信号とを示している。
【符号の説明】
1 スケール
2 エンコーダヘッド
3 光学パターン
4 光学パターン
5 可干渉光源
6 可干渉光源
7 光検出器
8 光検出器
Claims (16)
- 可干渉光源と、
前記可干渉光源に設けられた光ビーム射出窓部と、
前記可干渉光源に対して相対的に移動することが可能なように設けられ、表面に前記光ビーム射出窓部から射出される光ビームを集光させる基準位置パターンを持つ、前記可干渉光源から前記光ビームを照射されるスケールと、
前記光ビームを受けた前記スケールによる、前記光ビームの反射光または回折光または散乱光を検出する受光面をもつ光検出手段と、
を備えた光学式エンコーダであって、
前記光検出手段は、少なくとも基準位置検出手段を含んでおり、
前記基準位置検出手段と前記光ビーム射出窓部とは、前記スケールの移動方向に相対的にずれた位置に配置されていることを特徴とする光学式エンコーダ。 - 前記スケールは、平行移動が可能なリニア型のスケールであることを特徴とする、請求項1に記載の光学式エンコーダ。
- 前記反射光または前記回折光または前記散乱光は、前記基準位置パターンによって集光された光ビームとして前記受光面に照射されることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の光学式エンコーダ。
- 前記基準位置パターンは、前記光ビーム射出窓部から射出された光ビームにおける所定の領域を、前記スケールの移動方向に対して集光する特性を持つホログラムレンズであることを特徴とする、請求項1乃至請求項3の何れか1つに記載の光学式エンコーダ。
- 前記基準位置パターンは、前記可干渉光源に対して、それぞれ前記スケールの移動方向に直交する方向に相対的にずれて配置されていることを特徴とする、請求項1乃至請求項4の何れか1つに記載の光学式エンコーダ。
- 前記可干渉光源と前記光検出手段は、同一の基板上に設けられていることを特徴とする、請求項1乃至請求項5の何れか1つに記載の光学式エンコーダ。
- 前記集光された光ビームが、前記光検出手段の受光面に対して照射されるとき、前記光ビーム射出窓部に照射されないように設定されていることを特徴とする、請求項1乃至請求項6の何れか1つに記載の光学式エンコーダ。
- 前記可干渉光源において、前記光ビーム射出窓部の前記スケールの移動方向の幅を2W、
前記基準位置パターンにより集光された前記光ビームの前記光検出手段上に形成されたスポットの、前記スケールの移動方向の幅を2Wsps、
前記基準位置検出手段の受光部における、前記スケールの移動方向で前記可干渉光源寄りの縁部と、前記光ビーム射出窓部の中心との前記スケールの移動方向のずれ量をLzとすると、
W<LzまたはWsps<Lz
の関係が成り立つことを特徴とする請求項1乃至請求項7の何れか1つに記載の光学式エンコーダ。 - 前記可干渉光源において、前記光ビーム射出窓部の前記スケールの移動方向の幅を2W、
前記基準位置パターンにより集光された前記光ビームの前記光検出手段上に形成されたスポットの、前記スケールの移動方向の幅を2Wsps、
前記基準位置検出手段の受光部における、前記スケールの移動方向で前記可干渉光源寄りの縁部と、前記光ビーム射出窓部の中心との前記スケールの移動方向のずれ量をLzとすると、
W+2Wsps<Lz
の関係が成り立つことを特徴とする請求項8に記載の光学式エンコーダ。 - 可干渉光源と、
前記可干渉光源に設けられた光ビーム射出窓部と、
前記可干渉光源に対して相対的に移動することが可能なように設けられ、表面に前記光ビーム射出窓部から射出される光ビームを集光させる基準位置パターンと、周期的に並ぶ光学パターンをそれぞれ持つ、前記可干渉光源から前記光ビームを照射されるスケールと、
前記光ビームを受けた前記スケールによる、前記光ビームの反射光または回折光または散乱光を検出する受光面をもつ光検出手段と、
を備えた光学式エンコーダであって、
前記光検出手段は、基準位置検出手段と、複数の受光部で構成された受光面からなる相対移動量検出手段と、を含んでおり、
前記基準位置検出手段と前記光ビーム射出窓部とは、前記スケールの移動方向に相対的にずれた位置に配置されていることを特徴とする光学式エンコーダ。 - 前記スケールは、回転が可能な円盤状のスケール、もしくは前記可干渉光源に対して、前記光学パターンの並ぶ周期方向に平行移動する、リニア型のスケールであることを特徴とする、請求項10に記載の光学式エンコーダ。
- 前記可干渉光源は、前記スケールに設けられた周期的に並ぶ前記光学パターンに対して回折干渉する光ビームを射出する光源であることを特徴とする、請求項10または請求項11に記載の光学式エンコーダ。
- 前記可干渉光源と前記光検出手段は、同一の基板上に設けられていることを特徴とする、請求項10乃至請求項12の何れか1つに記載の光学式エンコーダ。
- 前記可干渉光源から周期的に並ぶ前記光学パターンに至る光ビームについて、
前記光ビーム射出窓部と周期的に並ぶ前記光学パターンとの間隔をz1、
周期的に並ぶ前記光学パターンと前記光検出手段の受光面の間隔をz2、
周期的に並ぶ前記光学パターンのピッチをp1とした場合、
前記光検出手段の受光面は、前記スケールの移動方向に対して平行に、略
p1(z1十z2)/z1
の周期を有する光強度パターンの所定の位相部分を検出可能な、複数の受光部を有する受光面から構成されていることを特徴とする、請求項10乃至請求項13の何れか1つに記載の光学式エンコーダ。 - 前記集光された光ビームが、前記基準位置検出手段の受光面に対して照射されるとき、前記光ビーム射出窓部に照射されないように設定されていることを特徴とする、請求項10乃至請求項14の何れか1つに記載の光学式エンコーダ。
- 前記相対的移動量検出手段は、タルボットイメージによる拡大投影パターンの移動を検出することを特徴とする、請求項10乃至請求項15の何れか1つに記載の光学式エンコーダ。
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JP2005265855A (ja) * | 2004-03-16 | 2005-09-29 | Wai-Hon Lee | 光学式位置エンコーダ装置 |
KR100900873B1 (ko) | 2005-08-29 | 2009-06-04 | 캐논 가부시끼가이샤 | 광학식 인코더 및 상기 광학식 인코더를 이용한 장치 |
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-
2002
- 2002-08-09 JP JP2002233057A patent/JP2004069654A/ja not_active Withdrawn
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