JP2004069640A - ヘモグロビンA1cの測定方法 - Google Patents

ヘモグロビンA1cの測定方法 Download PDF

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Tetsuo Hamafuji
濱藤 徹郎
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Abstract

【課題】新規なHbA1cの検定法ならびにその試薬を提供する。
【解決手段】ヘモグロビンに結合部位をもつプロテアーゼ、特に、Porphyromonas gingivalis由来のプロテアーゼをHbA1cに作用させ、生成したペプチドをHPLC等を用いて定量することにより、ヘモグロビンA1cの測定が可能となった。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は試料中のヘモグロビンA1c(以下「HbA1c」と略称する)を簡便かつ正確に測定する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ヘモグロビン分子のβ鎖のN末端のバリン残基にグルコースが結合したものを「HbA1c」といい、臨床的には過去1〜2ヶ月の平均の血糖値を反映しており、糖尿病管理の指標として重要である。
このHbA1cを測定する方法としては、通常、HPLCを用いた方法が行われている。しかし、この方法はアセトアルデヒドがヘモグロビンに結合したacetylated Hb、腎不全患者では尿素から生成されるシアン酸によるcarbamylated Hb、胎児型ヘモグロビン(HbF)などがHbA1cと同じ画分に溶出し見かけ上HbA1cが高値になる問題がある。
また、HbA1cを測定する方法としてHbA1cに特異的な抗体を用いて測定する方法がある。しかし、この方法は抗体を用いた方法であり、操作が煩雑でありまた特殊な装置が必要である。
さらに、特開平5−192193ではHbA1cのようなグリコシル化タンバク質をプロテアーゼで処理し、プロテアーゼ処理液をケトアミンオキシダーゼで処理しその反応生成物を測定する方法が開示されている。しかし、フルクトシルバリン残基を特異的に切り出すことができるプロテアーゼの例示も開示もされておらず特異的に切り出す方法も全く不明である。また、トリプシン、ProteinaseKあるいはセリンカルボキシペプチダーゼ(EC 3.4.16.1)、ロイシンカルボキシペプチダーゼを用いた方法が一般に知られている。これらはいずれも選択性が低く、HbA1cのβ鎖のN末端のフルクトシルバリンを遊離させようとするとき、試料中に夾雑するタンパク質にも作用するという問題があり、そのためにプロテアーゼを作用させる前に試料中から夾雑するタンパク質を除去する必要があった。
【0003】
【発明が解決しょうとする課題】
本発明の目的は、HbA1cを簡便かつ正確に定量できる方法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
ヘモグロビンに結合部位をもつプロテアーゼを用いることにより、上記問題を解決することを見出し、本発明を完成させた。
つまり、本発明は、
1.ヘモグロビンに結合部位をもつプロテアーゼを用いることを特徴とするヘモグロビンA1cの測定方法。
2.ヘモグロビンに結合部位をもつプロテアーゼが、
Porphyromonas gingivalis由来のプロテアーゼである前記1に記載のヘモグロビンA1cの測定方法。
3.Porphyromonas gingivalis由来のプロテアーゼがリジン残基のカルボシキシル基側を水解できる酵素またはアルギニン残基のカルボシキシル基側を水解できる酵素である前記1または2に記載のヘモグロビンA1cの測定方法。
4.前記1〜3のいずれか1に記載の測定方法を用いたヘモグロビンA1c測定用試薬。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明に用いられるヘモグロビンに結合部位をもつプロテアーゼとしては、ヘモグロビンに結合できさらに、プロテアーゼ活性を示すものであれば特に限定されないが、一つのタンパク質にプロテアーゼ活性部位およびヘモグロビン結合部位を有するものがあげられ、Porphyromonas gingivalis由来のリジン残基カルボシキシル基側を水解できる酵素(KGP)あるいはアルギニン残基のカルボシキシル基側を水解できる酵素(RGP)を例示することができる。また、処理条件としては、これらプロテアーゼの活性量としては、0.01〜1000U/mL、特に1〜200U/mLが好ましい。また、処理温度は10〜50℃、処理時間は1分〜1時間を例示することができる。これら処理条件はこれらに限定されるものではなく、適宜調整可能である。
【0006】
HbA1cを含む検体に作用させることによりHbA1cのリジン残基あるいはアルギニン残基のカルボシキシル基側で加水分解されフルクトシル化されたペプチドであるfructosyl−Val−His−Leu−The−Pro−Glu−Glu−Lysまたはfructosyl−Val−His−Leu−Thr−Pro−Glu−Glu−Lys−Ser−Ala−Val−Thr−Ala−Leu−Trp−Gly−Lys−Val−Asn−Val−Asp−Glu−Val−Gly−Gly−Glu−Ala−Leu−Gly−Argが生成する。生成したこれらペプチドはHPLC、電気泳動、免疫学的な方法により定量することが可能である。
【0007】
HPLCを用いた分析方法としては、疎水クロマトグラフィー、逆相クロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、ゲル濾過クロマトグラフィーを挙げることができる。特に好もしいものとしてイオン交換クロマトグラフィー、逆相クロマトグラフィーを挙げることが出来る。逆相クロマトグラフィーに用いるカラムとしてはシリカゲルにオクタデシル(ODS)基、オクチル基、フェニル基などを結合させたものが例示され、特に好ましいものとしてODS基を挙げることができる。また、溶離液としてはアセトニトリル−水の混合溶媒を挙げることができる。これらの条件はこれらに限定されるものではなく、適宜選択可能である。
【0008】
また、上記処理により生じたfructosyl−Val−His−Leu−The−Pro−Glu−Glu−Lysまたはfructosyl−Val−His−Leu−Thr−Pro−Glu−Glu−Lys−Ser−Ala−Val−Thr−Ala−Leu−Trp−Gly−Lys−Val−Asn−Val−Asp−Glu−Val−Gly−Gly−Glu−Ala−Leu−Gly−Argにさらにプロテアーゼを作用させ、フルクトシルバリンを生成させた後、当該生成したフルクトシルバリンを定量することにより、HbA1cの定量が可能である。つまり、ヘモグロビンに結合部位をもつプロテアーゼをHbA1cに作用させ、生成したfructosyl−Val−His−Leu−The−Pro−Glu−Glu−Lysまたはfructosyl−Val−His−Leu−Thr−Pro−Glu−Glu−Lys−Ser−Ala−Val−Thr−Ala−Leu−Trp−Gly−Lys−Val−Asn−Val−Asp−Glu−Val−Gly−Gly−Glu−Ala−Leu−Gly−Arg適当なエンドプロテアーゼ又はエキソプロテアーゼ等を用いて処理することによりフルクトシルバリンを生成することが出来る。これらプロテアーゼとしては、例えばエラスターゼ、プロテイナーゼK、ペプシン、アルカリプロテアーゼ、トリプシン、プロリン特異エンドプロテアーゼ、V8プロテアーゼ、カルボキシペプチダーゼA、カルボキシペプチダーゼB等を挙げることができ、これらを一または二以上用いてもよい。また、処理条件としては、これらプロテアーゼの活性量としては、0.01〜1000U/mL、特に1〜200U/mLが好ましい。また、処理温度は10〜50℃、処理時間は1分〜1時間などが例示される。条件はこれらに限定されるものではなく、適宜調整可能である。
次ぎにフルクトシルバリンの定量方法について説明する。本発明の定量方法は、上記操作により生成したフルクトシルバリンをケトアミンオキシダーゼで処理し、生成した過酸化水素を測定することにより、フルクトシルバリンを定量することができる。ケトアミンオキシダーゼとしては、フルクトシルバリンを基質として過酸化水素を生成するものであれば特に限定されないが、フルクトシルリジンに対して特異性の低いものが好ましい。かかるケトアミンオキシダーゼとしては、例えばコリネバクテリウム属(Corynebacterium)由来の酵素、または当該菌株由来の遺伝子組換えフルクトシルアミノ酸オキシダーゼが挙げられる。また、処理条件としては、これらプロテアーゼの活性量としては、0.01〜1000U/mL、特に1〜200U/mLが好ましい。また、処理温度は10〜50℃、処理時間は1分〜1時間などが例示される。処理条件はこれらに限定されるものではなく、適宜調整可能である。
【0009】
フルクトシルバリンをケトアミンオキシダーゼで処理することによって生成する酸化水素の測定方法は、特に限定されないが、反応系に色原体及びぺルオキシダーゼ(POD)を添加し、当該色原体を酸化して発色物質を生成させ、これを測定する方法が好適である。この色原体としては、4−アミノアンチピリンと、フェノール系化合物、ナフトール化合物又はアニリン系化合物との組み合わせ、3−ベゾチアゾリノンヒドラゾン(MBTH)とアニリン系化合物との組み合わせ、ロイコメチレンブルー等が用いられる。また、過酸化水素を検出する試薬として、高感度に測定可能なTPM−PS(N,N,N’,N’,N”,N”−ヘキサ(3−スルフォプロピル)−4,4’,4”−トリアミノトリフェニルメタン)(同仁化学社製)等も利用できる。
【0010】
また、ヘモグロビンに結合部位をもつプロテアーゼおよび/またはエンドプロテアーゼ又はエキソプロテアーゼ等を用いて処理する際に、タンパク質変性剤を用いることが可能である。タンパク質を用いることにより、HbA1cの三次構造が変化することによりプロテアーゼが作用しやすくなるためである。変性剤の種類としては尿素、SDS、テトラデシルトリメチルアンモニウムブロマイドが挙げられる。また、処理条件としては、これら変性剤の濃度としては、0.1〜20mM、特に1〜10mMが好ましい。また、処理温度は10〜50℃、処理時間は0.5分〜1時間などが例示される。処理条件はこれらに限定されるものではなく、適宜調整可能である。
【0011】
かかるヘモグロビンに結合部位をもつプロテアーゼの定量方法を用いれば、N末端のバリンがフルクトシル化されているペプチド、蛋白質、蛋白質のサブユニット等、例えばHbA1cを極めて高精度で定量することができる。
【0012】
HbA1cの定量に使用される被験試料としては、例えば全血、赤血球等が挙げられる。
【0013】
【実施例】
次に実施例を示して本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0014】実施例1
KGPの取得
KGPはKuboniwa M, Amano A, Shizukuishi S. 1998, Biochem.Biophys.Res.Commun, 249, 38−43の方法に従いPorphyromonas gingivalis ATCC33277株から抽出した。
つまりヒツジ血球寒天培地上にコロニーを形成させた後、0.1% Yeast Extract, 1μg/ml Menadione, 5μg/ml heminを含む100mlのTrypticase Soy Broth (BBL Microbiology System, Cockeysville, MD)に植菌し、嫌気的に37℃、3日間培養した。
遠心分離により菌体を回収した後、3%の界面活性剤(CHAPS;3−[3−cholamidopropyl]−dimethyl−ammonio)−1−propanesulfonateを含む10mMリン酸緩衝液(pH7.4)に懸濁し、室温で3時間攪拌した後、遠心分離(20000g×60分)して上清を回収した。
この上清に50%飽和硫安を添加し、沈殿物を4M尿素を含むリン酸緩衝液で透析した。
これを同緩衝液で平衡化したSepharose CL−6Bゲルろ過により分画した。
この活性化画分をプールしKGPとして以下の試験に供試した。
【0015】実施例2
HbA1cの測定
ヒト血液を精製水で5倍に希釈したものに実施例1で抽出精製したKGPを5単位を添加し、37℃、8時間インキュベートし後、昭和電工 Asahipak GS−220 HQに20μLアプライし、溶離液50mM アンモニウムアセテートを用いて生成した糖化ペプチドを分別定量した。なお、検出は210nmで行った。その結果、あらかじめ免疫比濁阻害法試薬キット(リキテックHbA1c−II、ロシュ)を用いて定量した試料中のHbA1c濃度と相関する結果が得られた。(図1)
【0016】
【発明の効果】
本発明のヘモグロビンに結合部位をもつプロテアーゼを用いることにより、高精度でHbA1cの定量が可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来法との相関を示す図である(実施例2)

Claims (4)

  1. ヘモグロビンに結合部位をもつプロテアーゼを用いることを特徴とするヘモグロビンA1cの測定方法。
  2. ヘモグロビンに結合部位をもつプロテアーゼが、
    Porphyromonas gingivalis由来のプロテアーゼである請求項1に記載のヘモグロビンA1cの測定方法。
  3. Porphyromonas gingivalis由来のプロテアーゼがリジン残基のカルボシキシル基側を水解できる酵素またはアルギニン残基のカルボシキシル基側を水解できる酵素である請求項1または2に記載のヘモグロビンA1cの測定方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか1に記載の測定方法を用いたヘモグロビンA1c測定用試薬。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015219226A (ja) * 2014-05-21 2015-12-07 三栄源エフ・エフ・アイ株式会社 コチニール色素中のタンパク質の定量分析方法
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