JP2004069265A - 焼結鉱点火炉 - Google Patents
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Abstract
【課題】バ−ナが熱的損傷を受けない焼結鉱点火炉を得る。
【解決手段】一端が開放された管状の燃焼室1と、ノズル噴射口が前記燃焼室1の内面に開口した燃料吹き込み用ノズル及び酸素含有ガス吹き込み用ノズル2を備え、前記燃料吹き込み用ノズル及び酸素含有ガス吹き込み用ノズル2の噴射方向が燃焼室1内周面の略接線方向と一致している管状火炎バ−ナが、燒結鉱原料ベッド表面のコ−クスに点火させるバ−ナとして配置されている焼結鉱点火炉。
【選択図】 図1
【解決手段】一端が開放された管状の燃焼室1と、ノズル噴射口が前記燃焼室1の内面に開口した燃料吹き込み用ノズル及び酸素含有ガス吹き込み用ノズル2を備え、前記燃料吹き込み用ノズル及び酸素含有ガス吹き込み用ノズル2の噴射方向が燃焼室1内周面の略接線方向と一致している管状火炎バ−ナが、燒結鉱原料ベッド表面のコ−クスに点火させるバ−ナとして配置されている焼結鉱点火炉。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【産業上の利用分野】
この発明は、焼結鉱を製造する際に、焼結鉱原料ベッド表面のコ−クスに点火するための焼結鉱点火炉に関する。
【0002】
【従来の技術】
焼結鉱は天然に存在する粉鉱石、鉄鉱石の予備処理過程で発生する粉鉱あるいは工場内で発生する含鉄原料(ミルスケ−ル、高炉ダスト、転炉ダスト)を主原料、造滓材としての粉石灰石等を副原料とし、これらに溶融させるためのコ−クスが加えられた焼結鉱配合原料を、焼結機に装入して製造される。
【0003】
図4は焼結機の一例を示す焼結機系統図である。原料槽21に貯蔵された焼結鉱配合原料は、1次ミキサ22および2次ミキサ23を経由して、ホッパ24から底部がスノコ状になっているパレット25に装入される。パレット25は複数の小パレット25aが無端状に連結された構造となっており、各小パレット25aは垂直面内で上段側から下段側へと移行するル−プ回路を循環するようになっている。小パレット25aに一定のベッド高さとなるように装入された配合原料は、小パレット25aの移動にともなって点火炉26を通過する。
【0004】
点火炉26の天井には、小パレット25aの進行方向と直交する方向に沿って複数のバ−ナが設けられており、このバ−ナにより配合原料ベッド表面のコ−クスに点火される。バ−ナに供給される燃料には、鉄鋼製造工程で副生されるコ−クス炉ガス、コ−クス炉ガスと高炉ガスと転炉ガスを混合したMIXガスが使用される。これは、使用されているバ−ナが、バ−ナの先端から燃料の燃焼により発生する火炎を噴き出すバッフルタイプのバ−ナであり、燃焼を安定的に継続させるためには、燃料としてある程度高カロリ−のものを使用する必要があるからであり、例えば高炉ガス単体ではカロリ−が低くすぎて使用できない。
【0005】
上段側の小パレット25a移動経路の下側には排風管27が配置されており、小パレット25aの底部のスノコを通して、ファン29により空気を吸引するようになっている。このため、配合原料には常に新しい空気が供給されることになり、点火されたコ−クスの燃焼が促進され、焼結が進行する。排風管27に吸引された排ガスは、集塵機28により集塵された後、煙突30から大気中に放散される。
【0006】
小パレット25a内で焼結の完了した焼結鉱は、パレット25の上段側移動経路の末端で、小パレット25aが反転することにより、小パレット25aから排出される。
【0007】
そして、1次クラシャ−31で適度の大きさに粉砕された後ク−ラ−32で冷却され、さらに2次クラシャ−33で高炉に装入できる大きさになるように粉砕される。
【0008】
2次クラシャ−33で粉砕された焼結鉱は、コ−ルドスクリ−ン34で篩い分けされ、粒径5mm程度以上のものが高炉に装入され、5mm未満の粒径のものは原料槽21に戻されて、再度焼結される。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来の焼結機における焼結鉱点火炉には、次のような問題点がある。図5(a)および(b)に示すように、点火炉26に使用されているバ−ナ40には、バッフルタイプのバ−ナを使用しているので、火炎41が焼結鉱原料ベッド42の表面に向かって噴き出される。そして、このタイプのバ−ナの場合、燃料としてMIXガスやコ−クス炉ガス等の高カロリ−燃料43を使用する必要があり、そのため火炎41の温度が上がり、火炎41からの熱放射によりバ−ナ40そのものの温度が局所的に2000℃以上に上昇して、バ−ナ自体の母材や溶接部のクリ−プ強度が下がることや、組織変化により脆化が増すこと等で損傷されやすく、バ−ナ40の寿命が短くなる。
【0010】
この発明は、従来技術の上述のような問題点を解消するためになされたものであり、バ−ナに低カロリ−の燃料を使用することができるので、バ−ナそのものの温度が上昇せず、バ−ナの寿命を延ばすことのできる焼結鉱点火炉を提供することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る焼結鉱点火炉は、一端が開放された管状の燃焼室と、ノズル噴射口が前記燃焼室の内面に開口した燃料吹き込み用ノズル及び酸素含有ガス吹き込み用ノズルを備え、前記燃料吹き込み用ノズル及び酸素含有ガス吹き込み用ノズルの噴射方向が燃焼室内周面の略接線方向と一致している管状火炎バ−ナが、焼結鉱原料ベッド表面のコ−クスに点火させるバ−ナとして配置されているものである。
【0012】
この発明に係る焼結鉱点火炉においては、点火用バ−ナとして管状火炎バ−ナを使用しているので、高炉ガスのような低カロリ−燃料を使用することができ、火炎温度も1500℃程度に低くすることができる。
【0013】
したがって、火炎からの熱放射によりバ−ナ自体の温度が上昇することはなく、バ−ナの寿命を延ばすことができる。
【0014】
なお、燃料とは、気体燃料、液体燃料を予めガス化したもの、液体燃料を空気又は蒸気で霧化したもの、窒素等で気送される微粒の固体燃料等である。
【0015】
また、酸素含有ガスとは、空気、酸素、酸素富化空気、酸素・排ガス混合ガス等の燃焼用の酸素を供給するガスを指すものである。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。図1は、本発明の焼結鉱点火炉に配置される管状火炎バ−ナの説明図であり、(a)は管状火炎バ−ナの構成図、(b)は(a)のA−A矢視図である。
【0017】
この管状火炎バ−ナは、管状の燃焼室1を有しており、一端は開放端で燃焼排ガスの排出口になっている。そして、他端部は閉塞端であり、他端部近傍には管軸方向に沿って長いスリットが形成されており、このスリットに接続させて燃料ガスと酸素含有ガスを別々に吹き込むノズル2が設けられている。
【0018】
ノズル2は燃焼室1の内壁面の略接線方向に向けて設けられており、燃料ガスと酸素含有ガスの吹き込みによって、燃焼室1内に旋回流が形成されるようになっている。又、ノズル2は先端部の形状が偏平で、かつその開口面積が縮小されており、燃料ガスおよび酸素含有ガスが高速で吹き込まれるようなになっている。3は点火プラグである。
【0019】
上記の構成によるバーナにおいて、ノズル2から吹き込まれて旋回流が形成された燃料ガスと酸素含有ガスとの混合気に点火すると、燃焼室1内のガスが密度差によって、遠心力により成層化され、密度の異なる同心軸のガス層ができる。すなわち、燃焼室1の軸心側には密度の小さい高温の燃焼排ガスが存在し、燃焼室1の内壁側(軸心から離れた側)には密度の高い未燃焼のガスが存在するようになる。このような状態は、流体力学的に非常に安定である。火炎は管状に形成されるが、流れ場が安定成層化されているため、膜状に安定な火炎となる。
【0020】
火炎の形成位置は、中心へ向かう速度と火炎伝播速度が釣り合う位置におのずと決まる。図1において4は管状の火炎を示す。
【0021】
又、燃焼室の内壁付近には未燃焼の低温ガスが境界層の状態で存在しているので、燃焼室1の壁面が直接的な伝熱により高温に加熱されることはなく、壁外への熱ロスを防ぐ。すなわち、断熱効果が大きいことに他ならず、それ故燃焼場の熱的安定が保たれる。
【0022】
燃焼室1内のガスは旋回しながら下流側へ流れるが、その間、内壁側の混合ガスが継続的に燃焼して管状火炎を形成し、発生した排ガスは軸心側へ移動し、開放端部から排出される。
【0023】
上記の構成によるバーナには、次のような利点がある。回転場で成層化され、流体力学的にも、熱的にも安定しており、燃料ガス成分が非常に希薄または過濃の状態になる条件でも燃焼させることができるので、バーナ自身の安定燃焼範囲が広がる。すなわち、燃料種が変わり、火炎伝搬速度が変わっても、火炎伝搬速度と中心へ向かう速度とが釣り合う位置に、火炎面の位置がおのずと移り、これこそが安定する位置であることから、安定燃焼範囲が広いのである。
【0024】
火炎面が安定なため、温度のバラツキが小さく、燃焼時に局部的な高温部が発生しないことや、燃料と酸素含有ガスとの混合ガスは一瞬のうちに火炎面を通過するため、反応時間が非常に短くなる等の理由により、NOxなどの有害物質の生成量が少ない。
【0025】
反応時間が非常に短くなること、かつ局所的な低温領域ができないことから、炭化水素などの未燃焼分の残留量が極めて少なくなく、ススの生成も抑制される。
【0026】
図2は、本発明の焼結鉱点火炉の実施の形態の説明図であり、(a)は焼結鉱点火炉の縦断面図、(b)は焼結鉱点火炉の平面図である。この焼結鉱点火炉11の入側天井部11aには、焼結鉱点火炉11を通過する焼結鉱原料ベッド12の上面に含まれているコ−クスに点火するための管状火炎バ−ナ13が、焼結鉱原料ベッド12の進行方向と直交する方向に沿って複数設けられている。各管状火炎バ−ナ13には燃焼用の空気配管14と、発熱量800kcal/m3の高炉ガス燃料配管15が接続され、この低カロリ−な高炉ガス燃料を燃焼させて、低温の管状火炎を発生させ、この管状火炎によりコ−クスに点火するようになっている。
【0027】
そして、管状火炎バ−ナ13を使用しているので、低カロリ−燃料でも安定して燃焼を継続させることができ、必要以上に火炎温度を上昇させることはない。かつ、火炎の形成は管状火炎バ−ナ13の燃焼室16内で一部が形成され、一部の火炎17が燃焼室16から飛び出して、焼結鉱原料ベッド12の表面に到達して点火する。
【0028】
上述したように、管状火炎バ−ナ13で発生する管状火炎の温度は低いので、火炎からの放射によるバ−ナの表面温度は、図3のグラフに示すように、従来のバッフルバ−ナの表面温度よりも低下する。
【0029】
したがって、バ−ナが高温により損傷されることがなくなり、本発明の焼結鉱点火炉においては、バ−ナの寿命を延ばすことができる。
【0030】
【発明の効果】
本発明により、火炎温度を低温にすることのできる低カロリ−燃料を、点火用として使用することができるので、焼結鉱点火炉のバ−ナの寿命を延ばすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の焼結鉱点火炉に配置される管状火炎バ−ナの説明図であり、(a)は管状火炎バ−ナの構成図、(b)は(a)のA−A矢視図である。
【図2】本発明の焼結鉱点火炉の実施の形態の説明図であり、(a)は焼結鉱点火炉の一部縦断面図、(b)は焼結鉱点火炉の平面図である。
【図3】本発明の焼結鉱点火炉のバ−ナ表面温度と、従来の焼結鉱点火炉のバ−ナ表面温度とを比較したグラフである。
【図4】焼結機の一例を示す系統図である。
【図5】従来の焼結鉱点火炉の説明図であり、(a)は焼結鉱点火炉の一部縦断面図、(b)は焼結鉱点火炉の平面図である。
【符号の説明】
1 燃焼室
2 ノズル
3 点火プラグ
4 管状火炎
11 焼結鉱点火炉
12 焼結鉱原料ベッド
13 管状火炎バ−ナ
14 空気配管
15 低カロリ−燃料配管
16 燃焼室
【産業上の利用分野】
この発明は、焼結鉱を製造する際に、焼結鉱原料ベッド表面のコ−クスに点火するための焼結鉱点火炉に関する。
【0002】
【従来の技術】
焼結鉱は天然に存在する粉鉱石、鉄鉱石の予備処理過程で発生する粉鉱あるいは工場内で発生する含鉄原料(ミルスケ−ル、高炉ダスト、転炉ダスト)を主原料、造滓材としての粉石灰石等を副原料とし、これらに溶融させるためのコ−クスが加えられた焼結鉱配合原料を、焼結機に装入して製造される。
【0003】
図4は焼結機の一例を示す焼結機系統図である。原料槽21に貯蔵された焼結鉱配合原料は、1次ミキサ22および2次ミキサ23を経由して、ホッパ24から底部がスノコ状になっているパレット25に装入される。パレット25は複数の小パレット25aが無端状に連結された構造となっており、各小パレット25aは垂直面内で上段側から下段側へと移行するル−プ回路を循環するようになっている。小パレット25aに一定のベッド高さとなるように装入された配合原料は、小パレット25aの移動にともなって点火炉26を通過する。
【0004】
点火炉26の天井には、小パレット25aの進行方向と直交する方向に沿って複数のバ−ナが設けられており、このバ−ナにより配合原料ベッド表面のコ−クスに点火される。バ−ナに供給される燃料には、鉄鋼製造工程で副生されるコ−クス炉ガス、コ−クス炉ガスと高炉ガスと転炉ガスを混合したMIXガスが使用される。これは、使用されているバ−ナが、バ−ナの先端から燃料の燃焼により発生する火炎を噴き出すバッフルタイプのバ−ナであり、燃焼を安定的に継続させるためには、燃料としてある程度高カロリ−のものを使用する必要があるからであり、例えば高炉ガス単体ではカロリ−が低くすぎて使用できない。
【0005】
上段側の小パレット25a移動経路の下側には排風管27が配置されており、小パレット25aの底部のスノコを通して、ファン29により空気を吸引するようになっている。このため、配合原料には常に新しい空気が供給されることになり、点火されたコ−クスの燃焼が促進され、焼結が進行する。排風管27に吸引された排ガスは、集塵機28により集塵された後、煙突30から大気中に放散される。
【0006】
小パレット25a内で焼結の完了した焼結鉱は、パレット25の上段側移動経路の末端で、小パレット25aが反転することにより、小パレット25aから排出される。
【0007】
そして、1次クラシャ−31で適度の大きさに粉砕された後ク−ラ−32で冷却され、さらに2次クラシャ−33で高炉に装入できる大きさになるように粉砕される。
【0008】
2次クラシャ−33で粉砕された焼結鉱は、コ−ルドスクリ−ン34で篩い分けされ、粒径5mm程度以上のものが高炉に装入され、5mm未満の粒径のものは原料槽21に戻されて、再度焼結される。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来の焼結機における焼結鉱点火炉には、次のような問題点がある。図5(a)および(b)に示すように、点火炉26に使用されているバ−ナ40には、バッフルタイプのバ−ナを使用しているので、火炎41が焼結鉱原料ベッド42の表面に向かって噴き出される。そして、このタイプのバ−ナの場合、燃料としてMIXガスやコ−クス炉ガス等の高カロリ−燃料43を使用する必要があり、そのため火炎41の温度が上がり、火炎41からの熱放射によりバ−ナ40そのものの温度が局所的に2000℃以上に上昇して、バ−ナ自体の母材や溶接部のクリ−プ強度が下がることや、組織変化により脆化が増すこと等で損傷されやすく、バ−ナ40の寿命が短くなる。
【0010】
この発明は、従来技術の上述のような問題点を解消するためになされたものであり、バ−ナに低カロリ−の燃料を使用することができるので、バ−ナそのものの温度が上昇せず、バ−ナの寿命を延ばすことのできる焼結鉱点火炉を提供することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る焼結鉱点火炉は、一端が開放された管状の燃焼室と、ノズル噴射口が前記燃焼室の内面に開口した燃料吹き込み用ノズル及び酸素含有ガス吹き込み用ノズルを備え、前記燃料吹き込み用ノズル及び酸素含有ガス吹き込み用ノズルの噴射方向が燃焼室内周面の略接線方向と一致している管状火炎バ−ナが、焼結鉱原料ベッド表面のコ−クスに点火させるバ−ナとして配置されているものである。
【0012】
この発明に係る焼結鉱点火炉においては、点火用バ−ナとして管状火炎バ−ナを使用しているので、高炉ガスのような低カロリ−燃料を使用することができ、火炎温度も1500℃程度に低くすることができる。
【0013】
したがって、火炎からの熱放射によりバ−ナ自体の温度が上昇することはなく、バ−ナの寿命を延ばすことができる。
【0014】
なお、燃料とは、気体燃料、液体燃料を予めガス化したもの、液体燃料を空気又は蒸気で霧化したもの、窒素等で気送される微粒の固体燃料等である。
【0015】
また、酸素含有ガスとは、空気、酸素、酸素富化空気、酸素・排ガス混合ガス等の燃焼用の酸素を供給するガスを指すものである。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。図1は、本発明の焼結鉱点火炉に配置される管状火炎バ−ナの説明図であり、(a)は管状火炎バ−ナの構成図、(b)は(a)のA−A矢視図である。
【0017】
この管状火炎バ−ナは、管状の燃焼室1を有しており、一端は開放端で燃焼排ガスの排出口になっている。そして、他端部は閉塞端であり、他端部近傍には管軸方向に沿って長いスリットが形成されており、このスリットに接続させて燃料ガスと酸素含有ガスを別々に吹き込むノズル2が設けられている。
【0018】
ノズル2は燃焼室1の内壁面の略接線方向に向けて設けられており、燃料ガスと酸素含有ガスの吹き込みによって、燃焼室1内に旋回流が形成されるようになっている。又、ノズル2は先端部の形状が偏平で、かつその開口面積が縮小されており、燃料ガスおよび酸素含有ガスが高速で吹き込まれるようなになっている。3は点火プラグである。
【0019】
上記の構成によるバーナにおいて、ノズル2から吹き込まれて旋回流が形成された燃料ガスと酸素含有ガスとの混合気に点火すると、燃焼室1内のガスが密度差によって、遠心力により成層化され、密度の異なる同心軸のガス層ができる。すなわち、燃焼室1の軸心側には密度の小さい高温の燃焼排ガスが存在し、燃焼室1の内壁側(軸心から離れた側)には密度の高い未燃焼のガスが存在するようになる。このような状態は、流体力学的に非常に安定である。火炎は管状に形成されるが、流れ場が安定成層化されているため、膜状に安定な火炎となる。
【0020】
火炎の形成位置は、中心へ向かう速度と火炎伝播速度が釣り合う位置におのずと決まる。図1において4は管状の火炎を示す。
【0021】
又、燃焼室の内壁付近には未燃焼の低温ガスが境界層の状態で存在しているので、燃焼室1の壁面が直接的な伝熱により高温に加熱されることはなく、壁外への熱ロスを防ぐ。すなわち、断熱効果が大きいことに他ならず、それ故燃焼場の熱的安定が保たれる。
【0022】
燃焼室1内のガスは旋回しながら下流側へ流れるが、その間、内壁側の混合ガスが継続的に燃焼して管状火炎を形成し、発生した排ガスは軸心側へ移動し、開放端部から排出される。
【0023】
上記の構成によるバーナには、次のような利点がある。回転場で成層化され、流体力学的にも、熱的にも安定しており、燃料ガス成分が非常に希薄または過濃の状態になる条件でも燃焼させることができるので、バーナ自身の安定燃焼範囲が広がる。すなわち、燃料種が変わり、火炎伝搬速度が変わっても、火炎伝搬速度と中心へ向かう速度とが釣り合う位置に、火炎面の位置がおのずと移り、これこそが安定する位置であることから、安定燃焼範囲が広いのである。
【0024】
火炎面が安定なため、温度のバラツキが小さく、燃焼時に局部的な高温部が発生しないことや、燃料と酸素含有ガスとの混合ガスは一瞬のうちに火炎面を通過するため、反応時間が非常に短くなる等の理由により、NOxなどの有害物質の生成量が少ない。
【0025】
反応時間が非常に短くなること、かつ局所的な低温領域ができないことから、炭化水素などの未燃焼分の残留量が極めて少なくなく、ススの生成も抑制される。
【0026】
図2は、本発明の焼結鉱点火炉の実施の形態の説明図であり、(a)は焼結鉱点火炉の縦断面図、(b)は焼結鉱点火炉の平面図である。この焼結鉱点火炉11の入側天井部11aには、焼結鉱点火炉11を通過する焼結鉱原料ベッド12の上面に含まれているコ−クスに点火するための管状火炎バ−ナ13が、焼結鉱原料ベッド12の進行方向と直交する方向に沿って複数設けられている。各管状火炎バ−ナ13には燃焼用の空気配管14と、発熱量800kcal/m3の高炉ガス燃料配管15が接続され、この低カロリ−な高炉ガス燃料を燃焼させて、低温の管状火炎を発生させ、この管状火炎によりコ−クスに点火するようになっている。
【0027】
そして、管状火炎バ−ナ13を使用しているので、低カロリ−燃料でも安定して燃焼を継続させることができ、必要以上に火炎温度を上昇させることはない。かつ、火炎の形成は管状火炎バ−ナ13の燃焼室16内で一部が形成され、一部の火炎17が燃焼室16から飛び出して、焼結鉱原料ベッド12の表面に到達して点火する。
【0028】
上述したように、管状火炎バ−ナ13で発生する管状火炎の温度は低いので、火炎からの放射によるバ−ナの表面温度は、図3のグラフに示すように、従来のバッフルバ−ナの表面温度よりも低下する。
【0029】
したがって、バ−ナが高温により損傷されることがなくなり、本発明の焼結鉱点火炉においては、バ−ナの寿命を延ばすことができる。
【0030】
【発明の効果】
本発明により、火炎温度を低温にすることのできる低カロリ−燃料を、点火用として使用することができるので、焼結鉱点火炉のバ−ナの寿命を延ばすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の焼結鉱点火炉に配置される管状火炎バ−ナの説明図であり、(a)は管状火炎バ−ナの構成図、(b)は(a)のA−A矢視図である。
【図2】本発明の焼結鉱点火炉の実施の形態の説明図であり、(a)は焼結鉱点火炉の一部縦断面図、(b)は焼結鉱点火炉の平面図である。
【図3】本発明の焼結鉱点火炉のバ−ナ表面温度と、従来の焼結鉱点火炉のバ−ナ表面温度とを比較したグラフである。
【図4】焼結機の一例を示す系統図である。
【図5】従来の焼結鉱点火炉の説明図であり、(a)は焼結鉱点火炉の一部縦断面図、(b)は焼結鉱点火炉の平面図である。
【符号の説明】
1 燃焼室
2 ノズル
3 点火プラグ
4 管状火炎
11 焼結鉱点火炉
12 焼結鉱原料ベッド
13 管状火炎バ−ナ
14 空気配管
15 低カロリ−燃料配管
16 燃焼室
Claims (1)
- 一端が開放された管状の燃焼室と、ノズル噴射口が前記燃焼室の内面に開口した燃料吹き込み用ノズル及び酸素含有ガス吹き込み用ノズルを備え、前記燃料吹き込み用ノズル及び酸素含有ガス吹き込み用ノズルの噴射方向が燃焼室内周面の略接線方向と一致している管状火炎バ−ナが、焼結鉱原料ベッド表面のコ−クスに点火させるバ−ナとして配置されていることを特徴とする焼結鉱点火炉。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002233071A JP2004069265A (ja) | 2002-08-09 | 2002-08-09 | 焼結鉱点火炉 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002233071A JP2004069265A (ja) | 2002-08-09 | 2002-08-09 | 焼結鉱点火炉 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004069265A true JP2004069265A (ja) | 2004-03-04 |
Family
ID=32018297
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002233071A Pending JP2004069265A (ja) | 2002-08-09 | 2002-08-09 | 焼結鉱点火炉 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004069265A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006336026A (ja) * | 2005-05-31 | 2006-12-14 | Jfe Steel Kk | 焼結装置および焼結方法 |
CN105300103A (zh) * | 2015-11-18 | 2016-02-03 | 胡和萍 | 一种真空双向加压烧结炉煅烧喷嘴 |
CN114930084A (zh) * | 2020-02-05 | 2022-08-19 | 株式会社丰田自动织机 | 燃烧器 |
-
2002
- 2002-08-09 JP JP2002233071A patent/JP2004069265A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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