JP2004068936A - 無段変速機構の変速比制御装置 - Google Patents

無段変速機構の変速比制御装置 Download PDF

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JP2004068936A JP2002229593A JP2002229593A JP2004068936A JP 2004068936 A JP2004068936 A JP 2004068936A JP 2002229593 A JP2002229593 A JP 2002229593A JP 2002229593 A JP2002229593 A JP 2002229593A JP 2004068936 A JP2004068936 A JP 2004068936A
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メンスレ ミシェル
Shinichiro Jo
城 新一郎
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Abstract

【課題】低車速域であっても変速比を精度良く検出することで、変速アクチュエータのフィードバック制御を達成することが可能な無段変速機の変速制御装置を提供すること。
【解決手段】変速比を無段階に変速可能な無段変速機構と、無段変速機構への入力回転と同期した入力回転信号周期に基づいて入力回転数を検出する入力回転数検出手段と、無段変速機構の出力回転に同期した出力回転信号周期に基づいて出力回転数を検出する出力回転数検出手段とを備え、前記入力回転信号周期と前記出力回転信号周期のどちらか一方の信号の更新タイミングに入力回転数及び出力回転数から変速比を算出し、算出された変速比に基づいて無段変速機構の変速比を制御することとした。
【選択図】    図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、無段変速機の変速制御装置、特に低車速域における変速比を精度良く検出する変速制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の無段変速機の変速制御装置としては、例えば特開2000−283285号公報に記載の技術が知られている。この公報に記載の技術では、発進や停止時等の低車速域において変速比を検出する際、変速機への入力回転数又は出力回転数の回転周期が変速比を演算する制御周期よりも長いかどうかを判断する。そして、制御周期が長い場合等には変速比を演算せず、最大変速比に固定することで、変速比に基づく駆動力制御を行う技術が開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来技術には、下記に示す問題があった。すなわち、無段変速機の通常制御時において、現在の変速比である実変速比を検出し、この実変速比が目標変速比に追従するよう、フィードバック制御により変速アクチュエータの駆動を制御している。しかしながら、上記従来技術にあっては、低車速時等に正確な変速比を検出できないため、フィードバック制御を行うことができないという問題があった。
【0004】
また、従来技術のように低車速時において、フィードバック制御を行うことなく、変速比を最大値に固定する場合、定常偏差を取り除くことができないため、変速比のズレを考慮しなければならず、例えばトロイダル型無段変速機においてはトラニオン傾転角度限界位置での、トラニオンと機械的ストッパーとのクリアランスを大きめに取っておく必要がある。よって、変速機の小型化を図る阻害要因となってしまうという問題があった。
【0005】
本発明は、上記問題点に着目してなされたもので、その目的とするところは、低車速域であっても変速比を精度良く検出することで、変速アクチュエータのフィードバック制御を達成することが可能な無段変速機の変速制御装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明は変速比を無段階に変速可能な無段変速機構と、無段変速機構への入力回転と同期した入力回転信号周期に基づいて入力回転数を検出する入力回転数検出手段と、無段変速機構の出力回転に同期した出力回転信号周期に基づいて出力回転数を検出する出力回転数検出手段と、を備え、前記入力回転信号周期と前記出力回転信号周期のどちらか一方の信号の更新タイミングに入力回転数及び出力回転数から変速比を算出し、算出された変速比に基づいて無段変速機構の変速比を制御することで上記課題を解決するに至った。
【0007】
【発明の効果】
本発明では、無段変速機の入出力回転数の回転周期が制御周期よりも長い場合であっても、回転周期の更新タイミングに入出力信号の少なくとも一方を更新することで、安定した変速比を得ることができる。これにより、低車速時においても変速比のフィードバック制御を行うことが可能となり、車速によって制御内容を変更することなく正確な変速比制御を達成することができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1におけるトロイダル型無段変速機10(以下TCVTと記載する)のスケルトン図を示し、図2はTCVT10の断面、および変速制御系の構成を示すものである。
【0009】
図1中左側に設けられる動力源としての図外のエンジン回転が、トルクコンバータ12を介してTCVT10に入力される。このトルクコンバータ12は、一般によく知られるように、ポンプインペラ12a、タービンランナ12bおよびステータ12cを備え、特に本実施の形態1のトルクコンバータ12ではロックアップクラッチ12dが設けられている。また、トルクコンバータ12の出力回転軸14と同軸上に配置されるトルク伝達軸16が設けられ、該トルク伝達軸16に第1トロイダル変速部18と第2トロイダル変速部20とがタンデム配置されている。
【0010】
これら第1,第2トロイダル変速部18,20は、それぞれの対向面がトロイド曲面に形成される一対の第1入力ディスク18a,第1出力ディスク18bおよび第2入力ディスク20a,第2出力ディスク20bと、これら第1入出力ディスク18a,18bおよび第2入出力ディスク20a,20bのそれぞれの対向面間に摩擦接触されるパワーローラ18c,18dおよび20c,20dとによって構成される。
【0011】
第1トロイダル変速部18は、トルク伝達軸16の図中左方に配置されると共に、第2トロイダル変速部20は、トルク伝達軸16の図中右方に配置され、かつ、それぞれの第1入力ディスク18aおよび第2入力ディスク20bは互いに内側に配置されている。
【0012】
一方、第1,第2出力ディスク18b,20bは、トルク伝達軸16に相対回転可能に嵌合された出力ギア28にスプライン嵌合され、第1,第2出力ディスク18b,20bに伝達された回転力は、この出力ギア28及びこれに噛合される入力ギア30aを介してカウンターシャフト30に伝達され、更に、回転力出力経路を介して図外の出力軸に伝達される。
【0013】
第1入力ディスク18aの外側にはローディングカム装置34が設けられている。このローディングカム装置34には、前後進切換装置40を介してトルクコンバータ12の出力回転が入力され、この入力トルクに応じた押付力がローディングカム装置34によって発生されるようになっている。尚、ローディングカム装置34のローディングカム34aは、トルク伝達軸16に相対回転可能に嵌合されると共に、スラストベアリング36を介してトルク伝達軸16に係止される。
【0014】
また、第2入力ディスク20aとトルク伝達軸16の図中右方端部との間に皿ばね38が設けられている。従って、ローディングカム装置34で発生される押圧力は、第1入力ディスク18aに作用すると共に、トルク伝達軸16及び皿ばね38を介して第2入力ディスク20aにも作用し、かつ、皿ばね38によって発生される予圧力は、第2入力ディスク20aに作用すると共に、トルク伝達軸16およびローディングカム装置34を介して第1入力ディスク18aにも作用するようになっている。
【0015】
前後進切換装置40は、ダブルピニオン方式の遊星歯車機構42と、この遊星歯車機構42のキャリア42aを出力回転軸14に締結可能なフォワードクラッチ44と、遊星歯車機構42のリングギア42bをハウジング22に締結可能なリバースブレーキ46とによって構成されている。
【0016】
前後進切換装置40では、フォワードクラッチ44を締結すると共に、リバースブレーキ46を解放することにより、エンジン回転と同方向の回転がTCVT10に入力され、かつ、フォワードクラッチ44を解放してリバースブレーキ46を締結することにより、逆方向の回転が入力されるようになっている。
【0017】
第1トロイダル変速部18および第2トロイダル変速部20に設けられたパワーローラ18c,18d及び20c,20dは、中心軸Cに対称に配置されている。そして、それぞれのパワーローラは変速制御装置としての変速制御弁56及び油圧アクチュエータ50を介して、車両運転条件に応じて傾転され、これにより第1,第2入力ディスク18a,20aの回転を無段階に変速して第1,第2出力ディスク18b,20bに伝達する。
【0018】
図2はTCVT10の変速制御を行う油圧系の機械的構成図である。パワーローラ20cはトラニオン23により背面から支持されている。トラニオン23は油圧サーボ50のサーボピストン51と連結しており、油圧サーボ50内のシリンダ50a内の油と50b内の油の差圧により軸方向に変位する。
【0019】
シリンダ50a,50bは、それぞれシフトコントロールバルブ56のHi側ポート56HiとLow側ポート56Lowに接続されている。このシフトコントロールバルブ56はバルブ内のスプール56Sが変位することにより、ライン圧をHi側ポート56Hi又はLow側ポート56Lowに流し、他方のポートからドレーン56Dへ油を流出させることで油圧サーボ内の差圧を変化させる。スプール56Sは、ステップモータ52及び後述するプリセスカム55とリンク構造で連結している。
【0020】
プリセスカム55は、4体のトラニオンのうちの1体に取り付けられており、パワーローラ20aの上下方向変位とパワーローラの傾転角度をリンクの変位に変換する。スプール56Sの変位は、ステップモータ変位とプリセスカム55で伝えられる(フィードバックされる)変位により決定される。
【0021】
TCVT10は、トラニオン23を平衡点から上下に変位させることにより、パワーローラ20cと入出力ディスク20a,20bの回転方向ベクトルに差異が発生し、このベクトル差によって傾転することで変速する。変速の定常時には、パワーローラ20c及びトラニオン23の変位は平衡点に戻り、スプール56Sの変位も中立点でバルブが閉じた状態となっている。また、複数のトラニオン23には、それぞれ傾転角を規制する傾転ストッパ24が設けられている。これにより、パワーローラの過度の傾転を防止している。
【0022】
プリセスカム55は、パワーローラ20cの傾転角度をスプール56Sの変位に負帰還し、傾転角度の目標値とのズレを補償する。また、同時にパワーローラ20c及びトラニオン23の平衡点からの変位もスプール56Sの変位に負帰還する。これにより、変速過渡状態においてダンピングの効果を与え、変速のハンチングを抑制している。ここで、変速の到達点はステップモータ52の変位で決まるものであり、その一連の変速過程を以下に示す。ステップモータ変位を変化させることでスプール56Sが変位してバルブが開く。これによりサーボピストン51の差圧が変化することでトラニオン23が平衡点から軸方向に変位することでパワーローラが傾転する。パワーローラの傾転角度がステップモータ変位に対応した時点でスプール56Sは中立点に戻り変速が終了する。
【0023】
図3は、本実施の形態におけるTCVT10の変速比を目標値に制御する変速制御コントローラ60を含む構成図である。TCVT10は、ステップモータ駆動速度指令値vに応じて傾転角度φが変化するもので、この動特性をブロック図で表現したものである。
【0024】
〔ステップモータ及びTCVT〕
図3において、ステップモータ52は、ステップモータ駆動速度vを積分してステップモータ駆動位置uにする作用があり、ステップ数に比例して変位する。図4には、スプールバルブの変位量x,ステップモータ駆動位置u(t),トラニオンの軸方向変位y(t),パワーローラの傾転角度φ(t)の関係を示す。
【0025】
トロイダル型無段変速機の変速比は、変速機への入力ディスクの回転数ωinと出力ディスクの回転数ωoutの回転数比G(=ωin/ωout)から算出する。この変速比Gと現在の傾転角度φの間には下記の関係が成立する。
【数式1】
Figure 2004068936
ここで、θ,ηはトロイダル型無段変速機の構造によって決定される定数である。
【0026】
トロイダル型無段変速機の変速制御においては、パワーローラの傾転角度φを検出する必要があるため、検出された変速比から上記式1を用いて傾転角度を算出する。このとき、入出力ディスクの回転数は、入出力ディスクと共に回転する歯車の凹凸を検出する回転数センサによって検出している。回転数センサの詳細については後述する。
【0027】
ステップモータ駆動速度vとステップモータ駆動位置uには、
【数式2】
Figure 2004068936
の関係がある。
【0028】
ステップモータ駆動位置uに応じて傾転角度φが変化する動特性は、次の式に表現できる。
【数式3】
Figure 2004068936
ここで、aはトラニオン23の軸方向変位によってリンク53,54を介してバルブ56位置にフィードバックされるときの、プリセスカム55とリンク比によって定まる定数である。aはパワーローラ20cの傾転によってプリセスカム55が回転し、リンク53,54を介してバルブ56位置にフィードバックされるときの、プリセスカム55とリンク比によって定まる定数である。bはリンク比とステップモータ52のねじリードによって定まる定数である。gはバルブゲインである。
【0029】
また、hは下記の式により算出される。
【数式4】
Figure 2004068936
尚、θ,η,RはTCVT10の構造によって決定される定数である。すなわち、パワーローラが単位時間当たりにどの程度傾転するかは、その時点での傾転角度φと出力ディスクの回転数ωoutによって決定される。
【0030】
〔変速制御コントローラ〕
次に変速制御コントローラ60について説明する。変速制御コントローラ60は、高車速時にステップモータ駆動速度指令値vを演算する高車速時制御部61と、低車速時にステップモータ駆動速度指令値vを演算する低車速時制御部62と、高車速時制御部61と低車速時制御部62を切り換える切換部63と、車速が低車速かどうかを判断する車速判断部65と、変速比算出部70と、アクセル開度及び車速から目標変速比Grefを算出する目標変速比算出部64から構成されている。
【0031】
高車速時制御部61は数式1〜4で示されるTCVTモデルを用いてPID制御を行うことで変速比を制御するもので、目標変速比Grefに追従するようにステップモータ駆動速度vを出力する。尚、駆動速度指令に限らず、ステップモータ52に対してステップ数を指令する構成としても良い。
【0032】
低車速時制御部62は、数式1〜4で示されるTCVTモデルを用いてPI制御を行う。ここで、低車速時制御では、時間に関する関数ではなく、回転センサの回転角度に関する関数に基づいて変速比を制御する。よって、低車速領域で車速が変化したとしても、パルス信号の更新周期に基づいて制御するため、安定した変速比を得ることができるものである(請求項1〜3に対応)。PI制御はステップモータに対してステップ数(u)を出力する。制御内容については後述する。
【0033】
切換部63は、車速判断部65によって高車速と判断されたときは、上記高車速時制御部61により演算されたステップモータ駆動速度vを選択し、低車速と判断されたときは低車速時制御部62により演算されたステップモータ駆動速度vを選択する。ここで、図6に示すように、車速判断部65はヒステリシスを有しており、車速が増速側ではvT1を判断基準とし、減速側ではvT1より小さなvT2を判断基準とする。これにより、制御ハンチングを防止している(請求項4に対応)。
【0034】
変速比算出部70は入出力回転数センサ57a,58aから回転数を演算する。図5は入力回転数センサ57aと出力回転数センサ58aのモデル図である。図5に示すように、入力ディスク20aと一体に回転する入力側歯車57の凹凸を入力回転数センサ57aで読み込むことで入力側パルス信号を出力し、パルス数から単位時間あたりの入力回転数ωinを算出する。また、同様に出力ディスク20bの回転を減速ギアを介して出力軸に伝達し、この出力軸と一体に回転する出力側歯車58の凹凸を出力回転数センサ58aで読み込むことで、出力側パルス信号を出力し、パルス数から単位時間あたりの出力回転数ωoutを算出する。尚、出力ディスク58の回転数は減速ギア等の減速比iから換算することで算出する。
【0035】
図7は変速制御コントローラ60の制御内容を表すフローチャートである。
【0036】
ステップ101では、各制御器を初期化する。
【0037】
ステップ102では、エンジンが停止しているかどうかを判断し、エンジンが停止しているときは本制御を終了し、エンジンが駆動しているときはステップ103へ進む。
【0038】
ステップ103では、車速が増速側に変化しているかどうかを判断し、増速側であればステップ104へ進み、それ以外は減速側に変化していると判断してステップ105へ進む。
【0039】
ステップ104では、車速が判断車速vT1より大きいかどうかを判断し、大きいときはステップ106へ進み、小さいときはステップ107へ進む。
【0040】
ステップ105では、車速が判断車速vT2より大きいかどうかを判断し、大きいときはステップ106へ進み、小さいときはステップ107へ進む。
【0041】
ステップ106では、高車速時制御(PID制御)を実行する。
【0042】
ステップ107では、低車速時制御(PI制御)を実行する。
【0043】
図8は、実施の形態1の低車速時制御を行った場合のシミュレーション結果を表すタイムチャートである。図8(a)は変速比、図8(b)は比例要素の出力値、図8(c)は積分要素の出力値を表す。このように、低車速領域において、時間による制御周期ではなく、パルス信号の更新周期に合わせた変速制御を行うことで、安定した変速比を得ることができる。
【0044】
(実施例)
次に、本発明の実施例である低車速時制御部62の変速比制御について説明する。
まず、上記式1〜4に示されるTCVT10の時間に関する数学モデルを、出力回転数センサ58aの回転角度に関する数学モデルに置き換える。
【0045】
出力回転数センサ58aと、出力ディスク20bの回転には減速ギア等の減速比iから次の関係が成立する。
【数式5】
Figure 2004068936
ここで、σoutは出力ディスクの回転角度、σosは出力回転数センサ58aの回転角度である。
この式5の両辺を時間tで微分すると
【数式6】
Figure 2004068936
の関係を得る。ここで、単位時間あたりの回転角度σosは出力回転数ωoutであるため下記の式を得る。
【数式7】
Figure 2004068936
よって、式6と式7から下記の関係を得る。
【数式8】
Figure 2004068936
【0046】
次に、式3を下記のように記述しなおすと、式9〜式11得られる。
【数式9】
Figure 2004068936
【数式10】
Figure 2004068936
【数式11】
Figure 2004068936
【0047】
式8を式9に代入すると、
【数式12】
Figure 2004068936
から、
【数式13】
Figure 2004068936
を得る。
【0048】
同様に式8を式10に代入すると、
【数式14】
Figure 2004068936
を得る。
【0049】
次に、式13の両辺を更にσosで微分すると、
【数式15】
Figure 2004068936
を得る。式15に式14を代入し、更に式13を代入すると、
【数式16】
Figure 2004068936
を得る。
【0050】
ここで、xをラプラス変換すると、
【数式17】
Figure 2004068936
となる。
よって、式16は
【数式18】
Figure 2004068936
となる。
よって、
【数式19】
Figure 2004068936
を得る。
【0051】
上述したように、σosはあくまで連続的な値として捉えている。しかしながら、実際のセンサの検出値は離散値であるため、離散値に基づく式に変換する必要がある。ここで、σosに基づく式をタスティン近似により離散値ζに基づく式に変換する。
【0052】
時間tに基づく式の場合は−を考える必要がないが、回転角度に基づく場合は図9に示すように、前進時は+,後退時は−の離散値として扱う必要があるため、差分方程式を下記式のように設定する。
【数式20】
Figure 2004068936
ここで、δは車両の進行方向を表す関数で、前進時はδ=+1,後退時はδ=−1とする。
【0053】
ここで、Z変換を行うと、
【数式21】
Figure 2004068936
から、
【数式22】
Figure 2004068936
となり、これを級数展開すると、
【数式23】
Figure 2004068936
を得る。この式を第一項のみで近似し、
【数式24】
Figure 2004068936
を得る。
【0054】
この関係を式19に代入し、まとめると
【数式25】
Figure 2004068936
を得る。ここで、低車速時制御では、出力回転数ωoutをほぼ0とみなすことができるため、ωout≒0とすると、式25はZが一次の項のみの関数として表現できる。
【数式26】
Figure 2004068936
この関係を用いて、ステップ数uを演算し、ステップモータ52に指令信号を出力することで変速比を制御する。
【0055】
図10〜図13は上記低車速時制御を備えた変速制御装置を用いた実験結果を表す図である。図10は車速、図11は変速比、図12は変速比の拡大図、図13は低車速時制御部の出力値であるステップ数である。図10に示すように、低車速領域において車速が変動したとしても、変速比の振動が少ない。また、積分要素によって定常偏差が取り除かれているのが分かる。また、図13に示すように、出力する指令値であるステップ数が非常に少ないステップ数であることがわかる。
【0056】
以上説明したように、本実施の形態の構成を用いることで、低車速時にあっても安定した変速比を算出することが可能となり、広範な車速領域において変速比のフィードバック制御を実行することができる。
【0057】
(他の実施例)
実施例では、低車速時制御においてPI制御によるステップ数指令を出力したが、式26に示す関数から、例えば、センサからの離散値を変数とするPID制御コントローラとして、例えば下記の示す式のように設計してもよい。
【数式27】
Figure 2004068936
これにより、安定した変速制御を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態におけるトロイダル型無段変速機を表すスケルトン図である。
【図2】実施の形態におけるトロイダル型無段変速機の断面、および変速制御系の構成を表す概略図である。
【図3】実施の形態におけるトロイダル型無段変速機の変速比を目標値に制御する変速制御コントローラ60を含む構成図である。
【図4】スプールバルブの変位量x,ステップモータ駆動位置u(t),トラニオンの軸方向変位y(t),パワーローラの傾転角度φ(t)の関係を示すモデル図である。
【図5】実施の形態における入出力回転数センサの構成を表すモデル図である。
【図6】実施の形態における車速判断部のヒステリシスを表す図である。
【図7】実施の形態における変速制御コントローラの制御を表すフローチャートである。
【図8】実施の形態における変速制御の表すタイムチャートである。
【図9】実施例における回転角度に基づくタスティン近似を表す図である。
【図10】実施例の実験結果を表す図である。
【図11】実施例の実験結果を表す図である。
【図12】実施例の実験結果を表す図である。
【図13】実施例の実験結果を表す図である。
【符号の説明】
10 トロイダル型無段変速機
12 トルクコンバータ
12a ポンプインペラ
12b タービンランナ
12c ステータ
12d ロックアップクラッチ
14 出力回転軸
16 トルク伝達軸
18,20 トロイダル変速部
22 ハウジング
23 トラニオン
24 傾転ストッパ
28 出力ギア
30 カウンターシャフト
30a 入力ギア
34 ローディングカム装置
36 スラストベアリング
40 前後進切換装置
42 遊星歯車機構
44 フォワードクラッチ
46 リバースブレーキ
50 油圧サーボ
51 サーボピストン
52 ステップモータ
53,54 リンク
55 プリセスカム
56 シフトコントロールバルブ
56S スプール
56D ドレーン
60 変速制御コントローラ
61 高車速時制御部
62 低車速時制御部
63 切換部
64 目標変速比算出部
65 車速判断部
70 変速比算出部

Claims (4)

  1. 変速比を無段階に変速可能な無段変速機構と、
    無段変速機構への入力回転と同期した入力回転信号周期に基づいて入力回転数を検出する入力回転数検出手段と、
    無段変速機構の出力回転に同期した出力回転信号周期に基づいて出力回転数を検出する出力回転数検出手段と、
    を備え、
    前記入力回転信号周期と前記出力回転信号周期のどちらか一方の信号の更新タイミングに入力回転数及び出力回転数から変速比を算出し、算出された変速比に基づいて無段変速機構の変速比を制御することを特徴とする無段変速機構の変速比制御装置。
  2. 請求項1に記載の無段変速機構の変速比制御装置において、
    前記入力回転信号周期と前記出力回転信号周期のどちらの周期が長いかを判断する周期判断手段と、
    前記長いと判断された信号周期の更新タイミングのときに前記入出力回転信号に基づいて変速比を算出する第1変速比算出手段と、
    算出された変速比に基づいて無段変速機構の変速制御を行う変速制御手段と、
    を備えたことを特徴とする無段変速機構の変速比制御装置。
  3. 請求項1または2に記載の無段変速機構の変速比制御装置において、
    車速を検出する車速検出手段と、
    検出された車速が所定車速より低いかどうかを判断する車速判断手段と、
    予め設定された制御周期の更新タイミングのときに前記入出力回転信号に基づいて変速比を算出する第2変速比算出手段と、
    を設け、
    前記変速制御手段を、車速が所定車速より低いと判断されたときは前記第1変速比算出手段により算出された変速比に基づいて変速制御を行い、高いと判断されたときは前記第2変速比算出手段により算出された変速比に基づいて変速制御を行う手段としたことを特徴とする無段変速機構の変速比制御装置。
  4. 請求項3に記載の無段変速機構の変速比制御装置において、
    前記車速判断手段は、
    車速が増加方向もしくは減速方向かどうかを判断する車速増減方向判断部と、
    車速増加方向と判断されたときの前記所定車速として第1所定車速を設定し、車速減速方向と判断されたときの前記所定車速として前記第1所定車速よりも低い第2所定車速を設定する所定車速設定部と、
    を備えた手段としたことを特徴とする無段変速機構の変速比制御手段。
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