JP2004068826A - 炭素繊維強化炭素複合材製ディスクロータおよびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】必要強度を満足しつつ、充分な開口部容量を確保できるベンチレーションの構造を有するディスクロータおよびその製造方法を提供することを課題とする。
【解決手段】炭素繊維強化炭素複合材からなるディスクロータDであって、前記ディスクロータDの厚さ方向で分割した素形材1,2を接着してなるように構成する。素形材1,2には、あらかじめ複雑な形状の溝部1aを設けて、組み合わせたときの開口部容量(通風孔H)を大きくする。これにより、ディスクロータDが取り込む冷却風風量を増加させ、その温度上昇をおさえることができる。
【選択図】 図1
【解決手段】炭素繊維強化炭素複合材からなるディスクロータDであって、前記ディスクロータDの厚さ方向で分割した素形材1,2を接着してなるように構成する。素形材1,2には、あらかじめ複雑な形状の溝部1aを設けて、組み合わせたときの開口部容量(通風孔H)を大きくする。これにより、ディスクロータDが取り込む冷却風風量を増加させ、その温度上昇をおさえることができる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、乗物用のディスクブレーキのディスクロータに関し、とくに炭素繊維強化炭素複合材製ディスクロータおよびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ディスクブレーキは、パッドとディスクロータの間に摩擦力を発生させ、この摩擦力により乗物の制動を行う装置である。摩擦により乗物の制動を行うディスクブレーキのパッドおよびディスクロータは高温になりやすく、このような温度上昇は、フェード現象の発生を招き、ブレーキ能力の低下が懸念される。そのため、ディスクロータは、内部にベンチレーション(通風)の構造を成形するなどして温度上昇を抑えられるようになっている。
【0003】
ところで、たとえば、鋳鉄製やアルミニウム合金製のディスクロータは、中子を用いて成形される。そのため、比較的自由なベンチレーションの構造を成形でき、ベンチレーション開口部容量を大きくすることが可能である。
しかし、F−1レース用や航空機用のディスクブレーキのディスクロータなどは、高速状態の車両や機体を制動する摩擦力により、温度が1000℃弱にも達する。そのため、融点の低い鋳鉄やアルミニウム合金では耐え難く、高温に耐えうる材料を用いることを必要とする。そこで、熱特性がよい炭素繊維強化炭素複合材(以下、「C/Cコンポジット」という。)が用いられている。C/Cコンポジット製ディスクロータによれば、軽量化・耐摩耗性も向上する。
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来のC/Cコンポジット製ディスクロータでは材料の性質上中子を使えず、ドリルなどによる機械加工で通風孔をあけていた。そのため、図5(a)に示すように、ディスクロータ100の中心100aに向かう直線状の通風孔101しか設けられず、充分な開口部容量を確保することが難しいという問題があった。
開口部容量を確保すべく、ディスクロータの中央に向かって斜めに通風孔(開口部)をあけることも考えられるが、こうした場合、図5(a),(b)に示すのと同じ本数の通風孔をあけると中央付近の通風孔間の間隔が狭くなるため、強度が落ちる。また、通風孔の本数を少なくすると、少なくなった通風孔の本数分の開口部容量が得られなくなるため、一本一本の通風孔の放熱性はあがっても一枚のディスクロータとしてみるとトータル的には放熱性は変わらない。
【0005】
このようなC/Cコンポジット製ディスクロータをさらなる軽量化を目的として薄肉化しようとすると、従来のドリル加工のみでは、開口部容量が不足し、充分な冷却効果が得られなくなるという問題もあった。
【0006】
そこで、本発明は、前記問題を解決するためになされたものであり、必要強度を満足しつつ、充分な開口部容量を確保可能なベンチレーションの構造を有することのできるディスクロータおよびその製造方法を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記課題を解決すべく構成されるものであり、請求項1に記載の発明は、炭素繊維強化炭素複合材からなるディスクロータであって、前記ディスクロータの厚さ方向で分割した素形材を接着してなることを特徴とする。
【0008】
本発明によれば、ディスクロータは厚さ方向で分割したものを一体に接着して構成されるので、分割された状態で内部の形状を加工することができる。したがってベンチレーションの構造を成形するのに、ドリル加工等により通風孔を側面から直線状にあけていた従来のディスクロータと異なり、手作業による切削など様々な手法を用いることができる。したがって、スパイラルフィン形状など複雑な形状も成形することができ、開口部容量を大きくすることができる。ここで素形材とは後記する発明の実施の形態のように、グラファイト粉末、PAN系、またはピッチ系などの炭素繊維(短繊維)、バインダ等を混合して(混合したものを「C/Cコンポジット」という)高温高圧下で円板状にされたものに、その後、機械加工によって、溝部およびピン孔を形成したものである。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明の構成において、前記素形材は、炭素繊維強化炭素複合材からなるピンを介して接着されていることを特徴とする。
【0010】
本発明によれば、分割された素形材の間にC/Cコンポジット製ピンを挟んで一体のディスクロータとしていることから、素形材の接着をより強固にすることができる。C/Cコンポジット製ピンは、ディスクロータの熱処理加工などにより、素形材と一体となりうるためである。また、両素形材を組み合わせるときの位置合わせもピンを指標とできるため、容易に行うことができる。
【0011】
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の発明の構成において、前記素形材は、無機系接着材で接着されていることを特徴とする。
【0012】
本発明によれば、素形材が無機系接着材で接着されていることから、無機物からなるC/Cコンポジットの素形材の接着に適している。とくに、接着されたディスクロータをさらに熱処理することにより、接着材の余分な成分は揮発するため、無機系接着材が素形材と一体化して、強度を高めることができる。
【0013】
請求項4に記載の発明は、炭素繊維強化炭素複合材からなるディスクロータの製造方法であって、分割成形された素形材の接着面に接着材を塗布する工程と、シリカビーズを接着面に均一に分布させる工程と、接着面を貼り合わせ、加圧保持しながら乾燥させる工程と、熱処理する工程と、をもつことを特徴とする。
【0014】
本発明によれば、ディスクロータは、分割成形された素形材が接着により一体化されるものであるため、素形材の段階で内部の形状を加工成形することができる。したがってベンチレーションの構造を成形するのに、手作業による切削などにより複雑な形状を成形することができ、開口部容量を大きくすることができる。また、シリカビーズを接着面に均一に分布させるため、素形材同士を接着する接着材が侵入できる隙間がほどよくできて、接着材膜厚を均一に保つことができる。さらに、加圧保持して乾燥させ、その後熱処理することにより、接着材の余分な成分を揮発させるため、強固な構造とすることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について詳細に説明する。
参照する図面において、図1(a)は本発明の実施形態に係るディスクロータの斜視図、(b)は本実施形態に係る側面図である。
【0016】
図1に示す本実施形態のディスクロータDは、厚さ方向で二つに分割されたC/Cコンポジット製素形材1,2を一体に組み合わせてなるものである。ディスクロータDは中央部D1に空隙を設けたドーナッツ状をしており、素形材1,2の間は、ピン3を介して、接着剤(接着材)4により接着されている(図3参照)。
図1(b)に示すように、ディスクロータDの側面には、温度上昇を抑えるための通風孔Hが中央部D1に向かって貫通している。
【0017】
図2はディスクロータの素形材の平面図である。
図1の素形材1,2はそれぞれ個別に成形される。素形材1と素形材2は同一の構成であるため、素形材1について図2を参照して以下に説明し、素形材2についての同一の構成要素については同じ符号を付して説明を省略する。
【0018】
素形材1は、ドーナッツ状に焼成された素材に加工を施したものである。
具体的には、素形材1は、グラファイト粉末、PAN系、またはピッチ系などの炭素繊維(短繊維)、バインダ等を混合して(混合したものを「C/Cコンポジット」という)高温高圧下で円板状にされたものに、その後、機械加工によって、溝部1aおよびピン孔1bを形成したものである。
溝部1aおよびピン孔1bは、素形材2に対向する面に設けられる。また、この面の溝部1aおよびピン孔1b以外の部分は、接着材4を塗布される接着面1cとなる。
ちなみに、C/Cコンポジットは線膨張係数が小さく、寸法安定性に優れており、高温下における機械的性質の低下が小さいという特性を有している。もちろん、PAN系およびピッチ系にこだわらず、レーヨン系の炭素繊維を用いてもよい。
【0019】
溝部1aは、外周部から中央に向かうスパイラルフィン形状に形成されている。溝部1aは、素形材2に形成される溝部1aと一対となって通風孔H(図1参照)を構成し、温度上昇を抑える機能を有する。
溝部1aは素形材1の表面に設けられるため、手作業などによる切削加工ができる。このため、従来のようにディスクロータの外周面から内周面へ向けてのドリル加工のような非効率的かつ自由度のない加工によらず、さまざまな加工を行うことができる。
【0020】
ピン孔1bは、素形材1および素形材2を組み合わせるときに用いるピン3(図1参照)を嵌め込む孔である。
【0021】
ピン3は、素形材1,2と同様にC/Cコンポジットからなる。このピン3は柱状に形成され、一端が素形材1のピン孔1bに、他端が素形材2のピン孔1bに嵌め込まれる(図3(a)、(c)参照)。ピン3は、素形材1および素形材2を接合する機能を有し、また、位置合わせの指標とすることもできる。
【0022】
接着剤4には、無機系接着材が用いられるが、とくに、グラファイトからなる接着剤が好適に用いられる。グラファイトからなる接着剤は、耐熱衝撃性があり、また、C/Cコンポジットの膨張係数とほぼ同じであるため、これを接着するのに適している。
【0023】
次に、ディスクロータDの組立工程について説明する。
図3は、ディスクロータの組立工程について説明する図である。
(a)は、素形材1,2と10本のピン3の斜視図である。まず、必要な構成部品として、これらのものが必要である。接着材4を塗布する前処理として、素形材1,2の接着面1cを、完全に脱脂洗浄し、アンカー効果を高めるための処理(荒し)を行っておく。とくに、無機系接着材は極端に平滑な面には密着させることが難しいので、荒し処理は重要である。ちなみに、アンカー効果とは、接着剤が被着材たる素形材1,2の表面にある空隙に侵入硬化し、釘又はくさびのような働きをすることをいう。
【0024】
図3(b)は、素形材1,2の接着面1c,1cに接着剤4を塗布する図である。接着剤4の塗布は手作業による。手作業によるのは、接着剤4の粘度が高いためである。また、接着剤4の膜厚を均一に保つため、たとえば、150μmのシリカビーズを接着面1c,1cに均一に少量分布させることが好ましい。このようにすることで、素形材1,2をはり合わせて出来上がったディスクロータDの厚さ方向の寸法精度を高めることができる。
【0025】
図3(c)は、一方にピンを嵌め込まれた素形材の斜視図、図3(d)は、素形材1,2を組み合わせる図、図3(e)は組み合わされたディスクロータの側面図である。
図3(c)に示すように、素形材1のピン孔1bに、ピン3を嵌め込む。そして、ピン3を指標として位置合わせを行いながら、素形材1と素形材2を組み合わせ接着する(図3(d)、(e)参照)。素形材1および素形材2の間からはみ出た接着剤4は拭き取り、加圧保持しながら乾燥させた後、熱処理する。
【0026】
以上のように製造された本実施形態にかかるディスクロータによれば、次のような効果を得ることができる。
ディスクロータDは厚さ方向で分割した素形材1,2を一体に接着して構成されるので、分割された状態で内部の形状を加工することができる。したがってベンチレーションの構造を成形するのに、ドリル加工等により通風孔を側面から直線状にあけていた従来のディスクロータと異なり、手作業による切削など様々な手法を用いることができる。したがって、スパイラルフィン形状など複雑な形状も成形することができ、開口部容量を大きくすることができる。
【0027】
また、分割された素形材1,2の間にC/Cコンポジット製ピン3を挟んで一体のディスクロータDとしていることから、素形材1,2の接着をより強固にすることができる。ピン3は、ディスクロータDの熱処理加工などにより、素形材1,2と一体となりうるためである。また、接着剤4による接着が万一剥がれた場合でも、ピン3がバースト防止の機能を果たす。さらに、両素形材1,2を組み合わせるときの位置合わせもピン3を指標とできるため、容易に行うことができる。
【0028】
さらに、素形材1,2がグラファイトからなる接着剤4で接着されていることから、無機物からなるC/Cコンポジットの素形材1,2の接着に適している。とくに、接着されたディスクロータDをさらに熱処理することにより、接着剤4の余分な成分は揮発するため、接着剤4が素形材1,2と一体化して、強度を高めることができる。
【0029】
ディスクロータDは、分割成形された素形材1,2が接着により一体化されるものであるため、素形材1,2の段階で内部の形状を加工成形することができる。したがってベンチレーションの構造を成形するのに、手作業による切削などにより複雑な形状を成形することができ、開口部容量を大きくすることができる。また、シリカビーズを接着面に均一に分布させるため、接着剤4膜厚を均一に保つことができる。したがって、接着を強固にすることができる。さらに、加圧保持して乾燥させ、その後熱処理することにより、接着剤4の炭素以外の余分な成分を揮発させるため、強固な構造とすることができる。
【0030】
以上、本発明は、前記実施形態に限定されることなく、様々な形態で実施される。
本実施形態では、溝部1aの形状をスパイラルフィン形状としたが、本発明はこれに限定されず、通風効率があがる様々な形状の溝部を形成することができる。
【0031】
また、本実施形態では、バースト防止等のため、両素形材1,2間にピン3を介する構成としたが、本発明はこれに限定されず、ピン3は必ずしも設ける必要があるものではない。シリカビーズの有無やシリカビーズの大きさなども適宜変更可能である。
【0032】
以下、本発明の実施形態に係るディスクロータDを用いて具体的に実験した計測結果を説明する。
本実験においては、素形材1,2にはPAN系カーボンファイバをピッチ含浸法で緻密化したC/Cコンポジットを採用し、溝部1aの形状は一般的な機械加工によりスパイラルフィン形状とした。また、使用接着材には、株式会社オーデック製 グラフィボンド551Rを用い、最大粒径150μmのシリカビーズも接着面に分布させた。
また、接着面1c,1cを貼り合わせ両素形材1,2を組み合わせたあとは、2.94×104Pa程度で加圧保持しながら室温で4時間程度乾燥させ、その後、130℃で4時間熱処理したディスクロータDを用いた。
【0033】
前記した方法で素形材1,2を接着したディスクロータDの接着強度は、表1に示すとおりである。
【0034】
【表1】
【0035】
表1によれば、接着強度は7.6MPaであり、素形材1,2自体の剪断強度の7.5MPaとほぼ同じ強度を示した。
【0036】
また、表2は、前記した方法で素形材1,2を接着したディスクロータDの従来との比較における冷却風風量比とディスクロータDの温度を計測した結果である。本計測においては、ブレーキダイナモ試験機を使用した。
【0037】
【表2】
【0038】
表2によれば、従来のディスクロータを使用した場合の風量を100とすると、本発明の実施形態に係るディスクロータDでは106.4の風量となる。したがって、風量が増えていることがわかる。
また、負荷をかけた場合のディスクロータの温度については、低負荷をかけた場合、従来のディスクロータが480℃であるのに対し、本発明の実施形態に係るディスクロータDでは390℃であった。高負荷をかけた場合、従来のディスクロータが530℃であるのに対し、本発明に係るディスクロータDは465℃となった。したがって、それぞれの場合において、−90℃、−65℃の温度変化があり、冷却効果があったことがわかった。
【0039】
図4は、ディスクロータDの従来と比較した冷却風風量比との温度の関係をグラフに示したものである。グラフは、ブレーキを13回かけた後の計測結果である。
ディスクロータDに高負荷または低負荷をかけた場合は、ともに冷却風風量比が高くなるほど、ディスクロータDの温度が下がることがわかった。すなわち、冷却風風量が増加すれば温度は下がるという密接な関係があることがわかった。
【0040】
したがって、溝部1aをスパイラルフィン形状として、開口部容量を大きくし、冷却風風量を増加させた本発明の実施形態に係るディスクロータDは優れたベンチレーション構造であることがわかった。
【0041】
【発明の効果】
本発明によれば、ディスクロータは厚さ方向で分割したものを一体に接着して構成されるので、分割された状態で内部の形状(ベンチレーションの構造)を加工するのに、手作業による切削など様々な手法を用いることができる。したがって、スパイラルフィン形状など複雑な形状も極めて容易に成形することができ、開口部容量を大きくすることができる。その結果、ディスクロータの温度上昇を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明の実施形態に係るディスクロータの斜視図、(b)は本実施形態に係る側面図である。
【図2】本実施形態に係るディスクロータの素形材の平面図である。
【図3】ディスクロータの組立工程について説明する図であり、(a)は素形材1,2と10本のピン3の斜視図、(b)は素形材1,2の接着面1c,1cに接着剤4を塗布する図、(c)は、一方にピンを嵌め込まれた素形材の斜視図、(d)は、素形材1,2を組み合わせる図、(e)は組み合わされたディスクロータの側面図である。
【図4】本発明の実施形態に係るディスクロータDの従来と比較した冷却風風量比との温度の関係を示したグラフである。
【図5】(a)は従来のディスクロータ100の切り欠き平面図、(b)は従来のディスクロータ100の側面図である。
【符号の説明】
D ディスクロータ
H 通風孔
1,2 素形材
1a 溝部
1b ピン孔
1c 接着面
3 ピン
4 接着剤
【発明の属する技術分野】
本発明は、乗物用のディスクブレーキのディスクロータに関し、とくに炭素繊維強化炭素複合材製ディスクロータおよびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ディスクブレーキは、パッドとディスクロータの間に摩擦力を発生させ、この摩擦力により乗物の制動を行う装置である。摩擦により乗物の制動を行うディスクブレーキのパッドおよびディスクロータは高温になりやすく、このような温度上昇は、フェード現象の発生を招き、ブレーキ能力の低下が懸念される。そのため、ディスクロータは、内部にベンチレーション(通風)の構造を成形するなどして温度上昇を抑えられるようになっている。
【0003】
ところで、たとえば、鋳鉄製やアルミニウム合金製のディスクロータは、中子を用いて成形される。そのため、比較的自由なベンチレーションの構造を成形でき、ベンチレーション開口部容量を大きくすることが可能である。
しかし、F−1レース用や航空機用のディスクブレーキのディスクロータなどは、高速状態の車両や機体を制動する摩擦力により、温度が1000℃弱にも達する。そのため、融点の低い鋳鉄やアルミニウム合金では耐え難く、高温に耐えうる材料を用いることを必要とする。そこで、熱特性がよい炭素繊維強化炭素複合材(以下、「C/Cコンポジット」という。)が用いられている。C/Cコンポジット製ディスクロータによれば、軽量化・耐摩耗性も向上する。
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来のC/Cコンポジット製ディスクロータでは材料の性質上中子を使えず、ドリルなどによる機械加工で通風孔をあけていた。そのため、図5(a)に示すように、ディスクロータ100の中心100aに向かう直線状の通風孔101しか設けられず、充分な開口部容量を確保することが難しいという問題があった。
開口部容量を確保すべく、ディスクロータの中央に向かって斜めに通風孔(開口部)をあけることも考えられるが、こうした場合、図5(a),(b)に示すのと同じ本数の通風孔をあけると中央付近の通風孔間の間隔が狭くなるため、強度が落ちる。また、通風孔の本数を少なくすると、少なくなった通風孔の本数分の開口部容量が得られなくなるため、一本一本の通風孔の放熱性はあがっても一枚のディスクロータとしてみるとトータル的には放熱性は変わらない。
【0005】
このようなC/Cコンポジット製ディスクロータをさらなる軽量化を目的として薄肉化しようとすると、従来のドリル加工のみでは、開口部容量が不足し、充分な冷却効果が得られなくなるという問題もあった。
【0006】
そこで、本発明は、前記問題を解決するためになされたものであり、必要強度を満足しつつ、充分な開口部容量を確保可能なベンチレーションの構造を有することのできるディスクロータおよびその製造方法を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記課題を解決すべく構成されるものであり、請求項1に記載の発明は、炭素繊維強化炭素複合材からなるディスクロータであって、前記ディスクロータの厚さ方向で分割した素形材を接着してなることを特徴とする。
【0008】
本発明によれば、ディスクロータは厚さ方向で分割したものを一体に接着して構成されるので、分割された状態で内部の形状を加工することができる。したがってベンチレーションの構造を成形するのに、ドリル加工等により通風孔を側面から直線状にあけていた従来のディスクロータと異なり、手作業による切削など様々な手法を用いることができる。したがって、スパイラルフィン形状など複雑な形状も成形することができ、開口部容量を大きくすることができる。ここで素形材とは後記する発明の実施の形態のように、グラファイト粉末、PAN系、またはピッチ系などの炭素繊維(短繊維)、バインダ等を混合して(混合したものを「C/Cコンポジット」という)高温高圧下で円板状にされたものに、その後、機械加工によって、溝部およびピン孔を形成したものである。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明の構成において、前記素形材は、炭素繊維強化炭素複合材からなるピンを介して接着されていることを特徴とする。
【0010】
本発明によれば、分割された素形材の間にC/Cコンポジット製ピンを挟んで一体のディスクロータとしていることから、素形材の接着をより強固にすることができる。C/Cコンポジット製ピンは、ディスクロータの熱処理加工などにより、素形材と一体となりうるためである。また、両素形材を組み合わせるときの位置合わせもピンを指標とできるため、容易に行うことができる。
【0011】
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の発明の構成において、前記素形材は、無機系接着材で接着されていることを特徴とする。
【0012】
本発明によれば、素形材が無機系接着材で接着されていることから、無機物からなるC/Cコンポジットの素形材の接着に適している。とくに、接着されたディスクロータをさらに熱処理することにより、接着材の余分な成分は揮発するため、無機系接着材が素形材と一体化して、強度を高めることができる。
【0013】
請求項4に記載の発明は、炭素繊維強化炭素複合材からなるディスクロータの製造方法であって、分割成形された素形材の接着面に接着材を塗布する工程と、シリカビーズを接着面に均一に分布させる工程と、接着面を貼り合わせ、加圧保持しながら乾燥させる工程と、熱処理する工程と、をもつことを特徴とする。
【0014】
本発明によれば、ディスクロータは、分割成形された素形材が接着により一体化されるものであるため、素形材の段階で内部の形状を加工成形することができる。したがってベンチレーションの構造を成形するのに、手作業による切削などにより複雑な形状を成形することができ、開口部容量を大きくすることができる。また、シリカビーズを接着面に均一に分布させるため、素形材同士を接着する接着材が侵入できる隙間がほどよくできて、接着材膜厚を均一に保つことができる。さらに、加圧保持して乾燥させ、その後熱処理することにより、接着材の余分な成分を揮発させるため、強固な構造とすることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について詳細に説明する。
参照する図面において、図1(a)は本発明の実施形態に係るディスクロータの斜視図、(b)は本実施形態に係る側面図である。
【0016】
図1に示す本実施形態のディスクロータDは、厚さ方向で二つに分割されたC/Cコンポジット製素形材1,2を一体に組み合わせてなるものである。ディスクロータDは中央部D1に空隙を設けたドーナッツ状をしており、素形材1,2の間は、ピン3を介して、接着剤(接着材)4により接着されている(図3参照)。
図1(b)に示すように、ディスクロータDの側面には、温度上昇を抑えるための通風孔Hが中央部D1に向かって貫通している。
【0017】
図2はディスクロータの素形材の平面図である。
図1の素形材1,2はそれぞれ個別に成形される。素形材1と素形材2は同一の構成であるため、素形材1について図2を参照して以下に説明し、素形材2についての同一の構成要素については同じ符号を付して説明を省略する。
【0018】
素形材1は、ドーナッツ状に焼成された素材に加工を施したものである。
具体的には、素形材1は、グラファイト粉末、PAN系、またはピッチ系などの炭素繊維(短繊維)、バインダ等を混合して(混合したものを「C/Cコンポジット」という)高温高圧下で円板状にされたものに、その後、機械加工によって、溝部1aおよびピン孔1bを形成したものである。
溝部1aおよびピン孔1bは、素形材2に対向する面に設けられる。また、この面の溝部1aおよびピン孔1b以外の部分は、接着材4を塗布される接着面1cとなる。
ちなみに、C/Cコンポジットは線膨張係数が小さく、寸法安定性に優れており、高温下における機械的性質の低下が小さいという特性を有している。もちろん、PAN系およびピッチ系にこだわらず、レーヨン系の炭素繊維を用いてもよい。
【0019】
溝部1aは、外周部から中央に向かうスパイラルフィン形状に形成されている。溝部1aは、素形材2に形成される溝部1aと一対となって通風孔H(図1参照)を構成し、温度上昇を抑える機能を有する。
溝部1aは素形材1の表面に設けられるため、手作業などによる切削加工ができる。このため、従来のようにディスクロータの外周面から内周面へ向けてのドリル加工のような非効率的かつ自由度のない加工によらず、さまざまな加工を行うことができる。
【0020】
ピン孔1bは、素形材1および素形材2を組み合わせるときに用いるピン3(図1参照)を嵌め込む孔である。
【0021】
ピン3は、素形材1,2と同様にC/Cコンポジットからなる。このピン3は柱状に形成され、一端が素形材1のピン孔1bに、他端が素形材2のピン孔1bに嵌め込まれる(図3(a)、(c)参照)。ピン3は、素形材1および素形材2を接合する機能を有し、また、位置合わせの指標とすることもできる。
【0022】
接着剤4には、無機系接着材が用いられるが、とくに、グラファイトからなる接着剤が好適に用いられる。グラファイトからなる接着剤は、耐熱衝撃性があり、また、C/Cコンポジットの膨張係数とほぼ同じであるため、これを接着するのに適している。
【0023】
次に、ディスクロータDの組立工程について説明する。
図3は、ディスクロータの組立工程について説明する図である。
(a)は、素形材1,2と10本のピン3の斜視図である。まず、必要な構成部品として、これらのものが必要である。接着材4を塗布する前処理として、素形材1,2の接着面1cを、完全に脱脂洗浄し、アンカー効果を高めるための処理(荒し)を行っておく。とくに、無機系接着材は極端に平滑な面には密着させることが難しいので、荒し処理は重要である。ちなみに、アンカー効果とは、接着剤が被着材たる素形材1,2の表面にある空隙に侵入硬化し、釘又はくさびのような働きをすることをいう。
【0024】
図3(b)は、素形材1,2の接着面1c,1cに接着剤4を塗布する図である。接着剤4の塗布は手作業による。手作業によるのは、接着剤4の粘度が高いためである。また、接着剤4の膜厚を均一に保つため、たとえば、150μmのシリカビーズを接着面1c,1cに均一に少量分布させることが好ましい。このようにすることで、素形材1,2をはり合わせて出来上がったディスクロータDの厚さ方向の寸法精度を高めることができる。
【0025】
図3(c)は、一方にピンを嵌め込まれた素形材の斜視図、図3(d)は、素形材1,2を組み合わせる図、図3(e)は組み合わされたディスクロータの側面図である。
図3(c)に示すように、素形材1のピン孔1bに、ピン3を嵌め込む。そして、ピン3を指標として位置合わせを行いながら、素形材1と素形材2を組み合わせ接着する(図3(d)、(e)参照)。素形材1および素形材2の間からはみ出た接着剤4は拭き取り、加圧保持しながら乾燥させた後、熱処理する。
【0026】
以上のように製造された本実施形態にかかるディスクロータによれば、次のような効果を得ることができる。
ディスクロータDは厚さ方向で分割した素形材1,2を一体に接着して構成されるので、分割された状態で内部の形状を加工することができる。したがってベンチレーションの構造を成形するのに、ドリル加工等により通風孔を側面から直線状にあけていた従来のディスクロータと異なり、手作業による切削など様々な手法を用いることができる。したがって、スパイラルフィン形状など複雑な形状も成形することができ、開口部容量を大きくすることができる。
【0027】
また、分割された素形材1,2の間にC/Cコンポジット製ピン3を挟んで一体のディスクロータDとしていることから、素形材1,2の接着をより強固にすることができる。ピン3は、ディスクロータDの熱処理加工などにより、素形材1,2と一体となりうるためである。また、接着剤4による接着が万一剥がれた場合でも、ピン3がバースト防止の機能を果たす。さらに、両素形材1,2を組み合わせるときの位置合わせもピン3を指標とできるため、容易に行うことができる。
【0028】
さらに、素形材1,2がグラファイトからなる接着剤4で接着されていることから、無機物からなるC/Cコンポジットの素形材1,2の接着に適している。とくに、接着されたディスクロータDをさらに熱処理することにより、接着剤4の余分な成分は揮発するため、接着剤4が素形材1,2と一体化して、強度を高めることができる。
【0029】
ディスクロータDは、分割成形された素形材1,2が接着により一体化されるものであるため、素形材1,2の段階で内部の形状を加工成形することができる。したがってベンチレーションの構造を成形するのに、手作業による切削などにより複雑な形状を成形することができ、開口部容量を大きくすることができる。また、シリカビーズを接着面に均一に分布させるため、接着剤4膜厚を均一に保つことができる。したがって、接着を強固にすることができる。さらに、加圧保持して乾燥させ、その後熱処理することにより、接着剤4の炭素以外の余分な成分を揮発させるため、強固な構造とすることができる。
【0030】
以上、本発明は、前記実施形態に限定されることなく、様々な形態で実施される。
本実施形態では、溝部1aの形状をスパイラルフィン形状としたが、本発明はこれに限定されず、通風効率があがる様々な形状の溝部を形成することができる。
【0031】
また、本実施形態では、バースト防止等のため、両素形材1,2間にピン3を介する構成としたが、本発明はこれに限定されず、ピン3は必ずしも設ける必要があるものではない。シリカビーズの有無やシリカビーズの大きさなども適宜変更可能である。
【0032】
以下、本発明の実施形態に係るディスクロータDを用いて具体的に実験した計測結果を説明する。
本実験においては、素形材1,2にはPAN系カーボンファイバをピッチ含浸法で緻密化したC/Cコンポジットを採用し、溝部1aの形状は一般的な機械加工によりスパイラルフィン形状とした。また、使用接着材には、株式会社オーデック製 グラフィボンド551Rを用い、最大粒径150μmのシリカビーズも接着面に分布させた。
また、接着面1c,1cを貼り合わせ両素形材1,2を組み合わせたあとは、2.94×104Pa程度で加圧保持しながら室温で4時間程度乾燥させ、その後、130℃で4時間熱処理したディスクロータDを用いた。
【0033】
前記した方法で素形材1,2を接着したディスクロータDの接着強度は、表1に示すとおりである。
【0034】
【表1】
【0035】
表1によれば、接着強度は7.6MPaであり、素形材1,2自体の剪断強度の7.5MPaとほぼ同じ強度を示した。
【0036】
また、表2は、前記した方法で素形材1,2を接着したディスクロータDの従来との比較における冷却風風量比とディスクロータDの温度を計測した結果である。本計測においては、ブレーキダイナモ試験機を使用した。
【0037】
【表2】
【0038】
表2によれば、従来のディスクロータを使用した場合の風量を100とすると、本発明の実施形態に係るディスクロータDでは106.4の風量となる。したがって、風量が増えていることがわかる。
また、負荷をかけた場合のディスクロータの温度については、低負荷をかけた場合、従来のディスクロータが480℃であるのに対し、本発明の実施形態に係るディスクロータDでは390℃であった。高負荷をかけた場合、従来のディスクロータが530℃であるのに対し、本発明に係るディスクロータDは465℃となった。したがって、それぞれの場合において、−90℃、−65℃の温度変化があり、冷却効果があったことがわかった。
【0039】
図4は、ディスクロータDの従来と比較した冷却風風量比との温度の関係をグラフに示したものである。グラフは、ブレーキを13回かけた後の計測結果である。
ディスクロータDに高負荷または低負荷をかけた場合は、ともに冷却風風量比が高くなるほど、ディスクロータDの温度が下がることがわかった。すなわち、冷却風風量が増加すれば温度は下がるという密接な関係があることがわかった。
【0040】
したがって、溝部1aをスパイラルフィン形状として、開口部容量を大きくし、冷却風風量を増加させた本発明の実施形態に係るディスクロータDは優れたベンチレーション構造であることがわかった。
【0041】
【発明の効果】
本発明によれば、ディスクロータは厚さ方向で分割したものを一体に接着して構成されるので、分割された状態で内部の形状(ベンチレーションの構造)を加工するのに、手作業による切削など様々な手法を用いることができる。したがって、スパイラルフィン形状など複雑な形状も極めて容易に成形することができ、開口部容量を大きくすることができる。その結果、ディスクロータの温度上昇を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明の実施形態に係るディスクロータの斜視図、(b)は本実施形態に係る側面図である。
【図2】本実施形態に係るディスクロータの素形材の平面図である。
【図3】ディスクロータの組立工程について説明する図であり、(a)は素形材1,2と10本のピン3の斜視図、(b)は素形材1,2の接着面1c,1cに接着剤4を塗布する図、(c)は、一方にピンを嵌め込まれた素形材の斜視図、(d)は、素形材1,2を組み合わせる図、(e)は組み合わされたディスクロータの側面図である。
【図4】本発明の実施形態に係るディスクロータDの従来と比較した冷却風風量比との温度の関係を示したグラフである。
【図5】(a)は従来のディスクロータ100の切り欠き平面図、(b)は従来のディスクロータ100の側面図である。
【符号の説明】
D ディスクロータ
H 通風孔
1,2 素形材
1a 溝部
1b ピン孔
1c 接着面
3 ピン
4 接着剤
Claims (4)
- 炭素繊維強化炭素複合材からなるディスクロータであって、前記ディスクロータの厚さ方向で分割した素形材を接着してなることを特徴とする炭素繊維強化炭素複合材製ディスクロータ。
- 前記素形材は、炭素繊維強化炭素複合材からなるピンを介して接着されていることを特徴とする請求項1に記載の炭素繊維強化炭素複合材製ディスクロータ。
- 前記素形材は、無機系接着材で接着されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の炭素繊維強化炭素複合材製ディスクロータ。
- 炭素繊維強化炭素複合材からなるディスクロータの製造方法であって、
分割成形された素形材の接着面に接着材を塗布する工程と、
シリカビーズを接着面に均一に分布させる工程と、
接着面を貼り合わせ、加圧保持しながら乾燥させる工程と、
熱処理する工程と、
をもつことを特徴とする炭素繊維強化炭素複合材製ディスクロータの製造方法。
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2002
- 2002-08-01 JP JP2002224403A patent/JP2004068826A/ja active Pending
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