JP2004068721A - 内燃機関用点火装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】点火コイル頭部を覆う意匠カバーに放熱孔を設けることにより良好な放熱性を確保した内燃機関用点火装置を提供する。
【解決手段】意匠カバー4は、コイル収納部2aに収納された点火コイル3の頭部3aを覆うように取付けられ、意匠カバー4には、点火コイル頭部3a側と外部空間とを連通する放熱孔4aが形成されている。よって、意匠カバー4に形成された放熱孔4aを通して点火コイル頭部3aから外部空間へ良好に放熱が行われるため、点火コイル3の寿命低下を防止することができる。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車等の内燃機関に使用される内燃機関用点火装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、図7に示す内燃機関用点火装置51のように、エンジンヘッドカバー52に形成されたコイル収納部52a内にスティック型点火コイル53を搭載するようにした構成のものがある。このような点火装置51では、点火コイル53の頭部53a側面より水平に張り出したフランジ部54においてネジ56を用いてネジ止めすることにより、点火コイル53をエンジンヘッドカバー52に対して固定する構造となっている。
【0003】
また、点火コイル53外周にはシールラバー55が設けられ、点火コイル53がエンジンヘッドカバー52にネジ止めにより押圧固定されると同時にシールラバー55がエンジンヘッドカバー52との隙間を塞ぎ、エンジンヘッド21のプラグホール22内への水の浸入を防止するようになっている。そして、シールラバー55には迷路状の換気孔55aが形成されており、燃焼室23内からプラグホール22内に微量に漏れ出すブローバイガスを前記換気孔55aを介して外部に排出するようになっている。
【0004】
一方、点火コイル53の頭部53aにはコネクタ部57が設けられるとともに、そのコネクタ部57が図示しないエンジン制御装置と電気的に接続されている防水型コネクタ付きサブハーネス61と接続されて、エンジン制御装置から発せられる点火信号等が点火コイル53に入力されるようになっている。
【0005】
しかしながら、前記従来の点火装置51では、点火コイル53の取り付け又は取外しに際して、ネジ56の締結若しくは弛緩作業が必要となり、特に多気筒内燃機関のように多数の点火コイル53が装着される場合にあっては、多数のネジ56を締結若しくは弛緩する必要があり、多くの作業時間を要してしまうという問題があった。
【0006】
また、エンジンルーム内に防水型コネクタ付きサブハーネス61等、各部品の接続用サブハーネスを這い巡らす構造となっているため、エンジンのコンパクト化、軽量化を図ることが困難であるとともに、見栄えも悪いという問題があった。
【0007】
そこで、従来技術における上述した問題点に鑑みて、本願出願人は、図6に示すような内燃機関用点火装置101を提案している。すなわち、内燃機関用点火装置101は、上面に凹状のコイル収納部102aが設けられると共にそのコイル収納部102aの底面にエンジンヘッド21のプラグホール22に連通するようにコイル挿通孔102bが形成され、エンジンヘッド21上部を覆うように取り付けられるエンジンヘッドカバー102と、プラグホール22及びこれに連通するコイル挿通孔102b内に挿通される筒部103bと、その筒部103bの上端に設けられその筒部103bよりも大径の頭部103aとを有し、コイル収納部102b内に収納された状態でエンジンヘッドカバー102に装着される点火コイル103と、コイル収納部102aに収納された点火コイル103の頭部103aを押圧付勢する意匠カバー104とを備えたことを特徴とする。
【0008】
そして、この内燃機関用点火装置101によれば、意匠カバー104が点火コイル103の頭部103aを押圧付勢するので、点火コイル103をネジを用いて固定する必要が無く、点火コイル103の取り付け又は取外しの際にネジを締結又は弛緩する等の作業が不要となり、点火コイル103の取り付けや取外し作業の効率が大幅に向上するという効果が奏される。さらに、意匠カバー104下面の点火コイル頭部103aに当接する部分に防振部材141が設けられているため、防振部材141により点火コイル103が強固に押圧付勢されるとともに、点火コイル頭部103aが弾力的に押圧されることにより点火コイル103の振動が防止される。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した内燃機関用点火装置101においては、意匠カバー104が点火コイル103の頭部103aを覆う構造であるために、点火コイル頭部103aにおける放熱が行われにくいという問題点があった。特に、意匠カバー104と点火コイル頭部103aとの間には、点火コイル103の振動を防止するための防振部材104aが設けられているため、この防振部材104aによっても点火コイル頭部103aの放熱が妨げられる。さらに、点火コイル頭部103a内にイグナイタ回路が設けられている場合には、イグナイタ回路における発熱によって点火コイル頭部103aが高温となり易いため、放熱性の確保が特に重要となる。
【0010】
本発明は、上述した問題点に鑑みてなされたものであり、点火コイル頭部を覆う意匠カバーに放熱孔を設けることにより良好な放熱性を確保した内燃機関用点火装置を提供することを解決すべき課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するために、請求項1に記載の内燃機関用点火装置は、上面に凹状のコイル収納部が設けられると共にそのコイル収納部の底面にエンジンヘッドのプラグホールに連通するようにコイル挿通孔が形成され、前記エンジンヘッド上部を覆うように取り付けられるエンジンヘッドカバーと、前記プラグホール及びこれに連通する前記コイル挿通孔内に挿通される筒部と、その筒部の上端に設けられその筒部よりも大径の頭部とを有し、前記コイル収納部内に収納された状態で前記エンジンヘッドカバーに装着される点火コイルと、前記コイル収納部に収納された前記点火コイルの頭部を覆うように取付けられる意匠カバーと、を備え、前記意匠カバーには、前記点火コイル頭部側と外部空間とを連通する少なくとも一つの放熱孔が形成されたことを特徴とする。
【0012】
従って、エンジンヘッドカバーは、上面に凹状のコイル収納部が設けられると共にそのコイル収納部の底面にエンジンヘッドのプラグホールに連通するようにコイル挿通孔が形成され、前記エンジンヘッド上部を覆うように取り付けられ、点火コイルは、前記プラグホール及びこれに連通する前記コイル挿通孔内に挿通される筒部と、その筒部の上端に設けられその筒部よりも大径の頭部とを有し、前記コイル収納部内に収納された状態で前記エンジンヘッドカバーに装着され、意匠カバーは、前記コイル収納部に収納された前記点火コイルの頭部を覆うように取付けられ、前記意匠カバーには、前記点火コイル頭部側と外部空間とを連通する少なくとも一つの放熱孔が形成されている。よって、意匠カバーに形成された放熱孔を通して点火コイル頭部から外部空間へ良好に放熱が行われるため、点火コイルの寿命低下を防止することができる。
【0013】
また、請求項2に記載の内燃機関用点火装置は、前記意匠カバー下面の少なくとも前記点火コイル頭部に当接する部分に防振部材が設けられ、その防振部材の少なくとも一部に放熱孔が形成されていることを特徴とする。
【0014】
従って、防振部材により点火コイルが強固に押圧付勢されるとともに、点火コイル頭部が弾力的に押圧されることにより点火コイルの振動が防止される。さらに、防振部材の少なくとも一部には放熱孔が形成されているので、防振部材の設けられた放熱孔及び意匠カバーに設けられた放熱孔を通して、点火コイル頭部から外部空間へ良好に放熱が行われるため、点火コイルの寿命低下を防止することができる。
【0015】
また、請求項3に記載の内燃機関用点火装置は、前記点火コイルの頭部内には、電気回路が内蔵されていることを特徴とする。
【0016】
従って、点火コイルの頭部内に内蔵された電気回路から発生する熱が、意匠カバーに設けられた放熱孔を通して外部空間へ良好に放熱される。
【0017】
また、請求項4に記載の内燃機関用点火装置は、前記放熱孔が、車両フロント側からリア側に向かって空気の流動が可能な構造を有することを特徴とする。
【0018】
従って、車両の走行に伴って、意匠カバーに設けられた放熱孔において車両フロント側からリア側に向かって空気が流動するため、より積極的に点火コイル頭部の放熱を図ることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体化した内燃機関用点火装置の各実施形態について図面を参照しつつ説明する。
【0020】
まず、本発明の第一の実施形態について、図1乃至図4を参照しつつ説明する。
【0021】
例えば、4気筒の内燃機関用点火装置1は、図1及び図2に示すように、エンジンヘッドカバー2と、エンジンの各気筒に対応する4つの点火コイル3と、意匠カバー4とから構成されている。
【0022】
エンジンヘッドカバー2は、エンジンヘッド21の上部を覆うように取り付けられる樹脂又は金属製部材である。エンジンヘッドカバー2の上面には凹状のコイル収納部2aが設けられている。また、そのコイル収納部2aの底面には、エンジンの燃焼室23内に電極25を露出させた状態で点火プラグ24を収納するエンジンヘッド21のプラグホール22に連通するように、コイル挿通孔2bが形成されている。コイル収納部2aは、点火コイル3の頭部3aを収納するように大径となっており、一方、コイル挿通孔2bは、コイル収納部2aよりも小径であり、点火コイル3の筒部3bを挿通可能となっている。
【0023】
また、平面視略四角形状をなすコイル収納部2a内周面の一つの面には、上方に向かって拡大するテーパ形状をなすエンジン側接触部2cが形成され、エンジン側接触部2cには通電用の板バネ状端子5の一部が露出するように設けられている。エンジン側接触部2cには、板バネ状端子5の周囲を取り囲むゴム等からなら閉曲線状のシール部材5aが設けられている。また、板バネ状端子5は、金属製の板バネ部材からなり、図示しないエンジン制御装置と電気的に接続されて点火信号及び電源の供給を行う端子部材である。板バネ状端子5は、細長状の金属板の長手方向一端から他端に向かって巻回するように折り曲げ加工して形成されたものである。
【0024】
さらに、エンジンヘッドカバー2には、図2に示すように、コイル挿通孔2b内周面と、コイル収納部2aの上縁に形成された凹溝2f底部とでそれぞれ開口し、コイル挿通孔2bを介してプラグホール22と外部空間とをコイル収納部2aとは別室で連通させる換気孔2eが形成されている。
【0025】
凹溝2fは、コイル収納部2a上縁の換気孔2e開口部から外側面に通じるように水平方向に延びるように形成され、その幅及び深さは、換気孔2eの内径とほぼ同一若しくはそれ以上に設定されている。そして、エンジンヘッドカバー2が意匠カバー4によって覆われることにより、凹溝2fと意匠カバー4の内面(下側面)との間で外部空間に連通する換気導入通路2gが形成される。換気導入通路2gは、コイル収納部2aの外周面と意匠カバー4の側面部4bとの間で上下に屈曲する迷路構造を形成しているため、雨水等による外部からの被水時に、換気導入通路2gに水が浸入して換気孔2eに至ることを防止することができる。
【0026】
点火コイル3は、絶縁性樹脂等により形成されたケース内に点火プラグ24へ供給する高電圧を発生する電気回路であるイグナイタ回路31を内蔵したスティック形状の部材である。点火コイル3は、図2に示すように、プラグホール22及びこれに連通するコイル挿通孔2b内に挿通される円柱状の筒部3bと、その筒部3bの上端に同軸に設けられその筒部3bよりも大径の略立方体状をなす頭部3aとから構成されている。頭部3aの下側外周近傍にはエンジンヘッドカバー2のコイル収納部2a底面に設けられた軸方向位置決め2dが当接することにより、点火コイル3の軸方向挿入量が規制されて位置決めされている。また、筒部3bはその下端において点火プラグ24の上端部と接続される構造となっている。
【0027】
点火コイル頭部3aの一側面には、エンジン側接触部2cのテーパ形状に対して相補的関係をなす下向きのテーパ形状を有するコイル側接触部7が設けられている。コイル側接触部7には、長方形状の金属板からなる通電用の板状端子7aが4個並置されている。また、点火コイル頭部3aのコイル側接触部7が設けられた側面に隣接する両側面には、図2に示すように、上下方向に延びる位置決め用突起3d、3dが形成されている。
【0028】
そして、位置決め用突起3d、3dをエンジンヘッドカバー2のコイル収納部2a内周に形成された係合溝2h、2h(図1参照)にそれぞれ係合させ、点火コイル3を水平方向に位置決めした状態でプラグホール22及びコイル挿通孔2bへ挿通すると、互いに相補的なテーパ形状をなすエンジン側接触部2cとコイル側接触部7とがシール部材5aを介して密着状に当接した状態で、点火コイル頭部3aがコイル収納部2a内周に収納される。同時に、エンジン側接触部2cの板バネ状端子5とコイル側接触部7の板状端子7aとが当接して両端子5,7aが電気的に接続された状態となる。また、この時、エンジン側接触部2cが上方に拡大するテーパ形状をなしているので、エンジン側接触部2cが障害物となることなく点火コイル3を円滑に挿入してエンジン側へ組付けることができる。また、位置決め用突起3d、3dが係合溝2h、2hに係合して点火コイル頭部3aが水平方向に固定されることにより、板バネ状端子5と板状端子7aとが圧接するので、両端子5,7a間の端子圧が十分に確保され、接触不良となることが防止される。また、点コイル3の挿入量は、軸方向位置決め2dが点火コイル頭部3aの下面に当接して規制されることにより、シール部材5aの締め代が確保される。
【0029】
さらに、両端子5,7aがシール部材5aによってシールされるため、燃焼室23内からプラグホール22乃至コイル挿通孔2b内に微量に漏れ出すブローバイガスによる汚染を防止することができる。また、万が一、意匠カバー4とエンジンヘッドカバー2との間の空間に水が浸入した場合にも、シール部材5aにより両端子5,7aへの浸水を防止することができる。
【0030】
意匠カバー4は、図1又は図2に示すように、エンジンヘッドカバー2上面部全体を覆うように嵌着されると共に、コイル収納部2aに収納された点火コイル頭部3aを押圧付勢する樹脂又は金属製部材である。意匠カバー4の下面は、エンジンヘッドカバー2の上面部及びこれに装着された点火コイル頭部3aの外形形状に略適合するように成形されており、エンジンヘッドカバー2の上面部に略密着するように嵌着される。また、意匠カバー4下面の点火コイル頭部3aに当接する部分には防振ゴム41が取り付けられ、点火コイル頭部3a上面の周縁部を弾力的に押圧付勢することにより点火コイル3の振動を抑制するようになっている。
【0031】
また、意匠カバー4には、図に示すように、各点火コイル頭部3a上面部に対向する部分に点火コイル頭部3a上面部よりも一回り小さい正方形状の放熱孔4aが形成されている。また、防振ゴム41にも意匠カバー4の放熱孔4aと略同一の大きさの放熱孔41aが形成されている。従って、意匠カバー4及び防振ゴム41がヘッドカバー2に取付けられた状態において、意匠カバー4の放熱孔4a及び防振ゴム41の放熱孔41aを通して点火コイル頭部3a上面の中央部分付近が外部空間に露出する構造となっている。
【0032】
尚、上記の実施形態において、防振ゴム4aが本発明の防振部材に相当するものである。
【0033】
以上詳述したことから明らかなように、本実施形態によれば、意匠カバー4が、コイル収納部2aに収納された点火コイル3の頭部3aを覆うように取付けられ、意匠カバー4には、点火コイル頭部3a側と外部空間とを連通する放熱孔4aが形成されている。よって、意匠カバー4に形成された放熱孔4aを通して点火コイル頭部3aから外部空間へ良好に放熱が行われるため、点火コイル3の寿命低下を防止することができる。
【0034】
また、防振部材41により点火コイル3が強固に押圧付勢されるとともに、点火コイル頭部3aが弾力的に押圧されることにより点火コイル3の振動が防止される。さらに、防振部材41には放熱孔41aが形成されているので、防振部材41に設けられた放熱孔41a及び意匠カバー4に設けられた放熱孔4aを通して、点火コイル頭部3aから外部空間へ良好に放熱が行われるため、点火コイル3の寿命低下を防止することができる。
【0035】
また、点火コイル頭部3a内に内蔵された電気回路であるイグナイタ回路31から発生する熱が、意匠カバー4に設けられた放熱孔4aを通して外部空間へ良好に放熱される。
【0036】
また、位置決め用突起3dと係合溝2hとが係合しているので、点火コイル3装着作業時における位置決めが容易であるだけでなく、点火コイル3の水平方向における振動が防止されるので、板状端子7a及び板バネ状端子5の摩耗をも防止される。
【0037】
次に、本発明の第二の実施形態である内燃機関用点火装置11について、図4を参照しつつ説明する。尚、上述した第一の実施形態と同様の構成については同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
【0038】
本実施形態は、意匠カバーに設けた放熱孔を、車両フロント側からリア側に向かって空気の流動が可能な構造としたものである。
【0039】
すなわち、本実施形態の意匠カバー14には、下面にて開口する平面視略正方形状の下側放熱孔14aが形成され、その下側放熱孔14aの上方を覆うように凸部14bが上方突出状に設けられている。また、意匠カバー14には、凸部14bの車両フロント側において開口し且つ下側放熱孔14aに連通するフロント側放熱孔14cと、凸部14bの車両リア側において開口し且つ下側放熱孔14aに連通するリア側放熱孔14dとが形成されている。
【0040】
従って、車両走行時には、フロント側放熱孔14cより空気が流入し、下側放熱孔14aを介して点火コイル頭部3a上面に空気が導かれ、点火コイル頭部3aより吸熱して暖まった空気がリア側放熱孔14dより排出される。よって、車両走行時における空気の流れが点火コイル頭部3a上面に強制的に導かれる構造となっているため、より効率的に点火コイル3の放熱を行うことができる。
【0041】
尚、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を施すことが可能である。
【0042】
例えば、前記第一の実施形態では、放熱孔4aを平面視略正方形状の貫通孔としたが、他の如何なる形状の貫通孔を形成してもよい。例えば、図5(a)に示すように、意匠カバー4において、各点火コイル3に対向する位置に平面視略円形状の放熱孔4bを1つずつ形成してもよい。
【0043】
また、前記第一の実施形態では、意匠カバー4において、各点火コイル3に対向する位置にそれぞれ1つの放熱孔4aを形成した例を示したが、各点火コイル3に対向する位置にそれぞれ複数の放熱孔を形成してもよい。例えば、図5(b)は、意匠カバー4において、各点火コイル3に対向する位置にハニカム構造を有する複数の放熱孔4cをそれぞれ形成した例を示しており、図5(c)は、複数の小円形状の放熱孔4dをそれぞれ形成した例を示している。
【0044】
また、上述した各実施形態では、意匠カバー4をエンジンヘッドカバー2へ嵌着することにより固定する構成としたが、固定用ボルトを用いて意匠カバー4をエンジンヘッドカバー2へ固定する構成としてもよい。
【0045】
【発明の効果】
以上述べたように本発明の内燃機関用点火装置によれば、コイル収納部に収納された点火コイルの頭部を覆うように取付けられる意匠カバーには、点火コイル頭部側と外部空間とを連通する少なくとも一つの放熱孔が形成されているので、放熱孔を通して点火コイル頭部から外部空間へ良好に放熱が行われ、点火コイルの寿命低下を防止することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施形態における内燃機関用点火装置において、意匠カバーをエンジンヘッドカバーから取り外した状態を示す分解斜視図である。
【図2】第一の実施形態の内燃機関用点火装置の要部縦断面図である。
【図3】第一の実施形態の意匠カバーの平面図である。
【図4】第二の実施形態の内燃機関用点火装置の要部縦断面図である。
【図5】意匠カバーに形成される放熱孔の形状の変形例を示す平面図であり、(a)は一つの円形状の放熱孔を、(b)はハニカム構造を有する複数の放熱孔を、(c)は複数の小円形状の放熱孔をそれぞれ意匠カバーに形成した例を示している。
【図6】従来の内燃機関用点火装置の一例を示す要部縦断面図である。
【図7】従来の内燃機関用点火装置の他の一例を示す要部縦断面図である。
【符号の説明】
1,11…内燃機関用点火装置、2…エンジンヘッドカバー、2a…コイル収納部、2b…コイル挿通孔、3…点火コイル、3a…頭部、3b…筒部、4,14…意匠カバー 、4a,4b,4c,4d,14a,14c,14d…放熱孔、41…防振ゴム(防振部材)、41a…放熱孔、31…イグナイタ回路(電気回路)。

Claims (4)

  1. 上面に凹状のコイル収納部が設けられると共にそのコイル収納部の底面にエンジンヘッドのプラグホールに連通するようにコイル挿通孔が形成され、前記エンジンヘッド上部を覆うように取り付けられるエンジンヘッドカバーと、
    前記プラグホール及びこれに連通する前記コイル挿通孔内に挿通される筒部と、その筒部の上端に設けられその筒部よりも大径の頭部とを有し、前記コイル収納部内に収納された状態で前記エンジンヘッドカバーに装着される点火コイルと、
    前記コイル収納部に収納された前記点火コイルの頭部を覆うように取付けられる意匠カバーと、
    を備え、
    前記意匠カバーには、前記点火コイル頭部側と外部空間とを連通する少なくとも一つの放熱孔が形成されたことを特徴とする内燃機関用点火装置。
  2. 前記意匠カバー下面の少なくとも前記点火コイル頭部に当接する部分に防振部材が設けられ、
    その防振部材の少なくとも一部に放熱孔が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関用点火装置。
  3. 前記点火コイルの頭部内には、電気回路が内蔵されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の内燃機関用点火装置。
  4. 前記放熱孔は、車両フロント側からリア側に向かって空気の流動が可能な構造を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の内燃機関用点火装置。
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