JP2004068470A - 仮設用グラウンドアンカー - Google Patents
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Abstract
【課題】グラウチングを不要にして工期を短縮するとともに軟弱地盤でも十分に掛止効果を発揮し、しかも再使用できる仮設用グラウンドアンカーを提供する。
【解決手段】削孔中に挿入される軸体4先端のアンカー頭部2に複数の羽根3を構造物側へ略直角度に展開できるように基端部で枢着し、各羽根3の先端部に長いワイヤ5の先端を係止し、羽根3を閉じた状態で削孔に挿入後、ワイヤ5を構造物側に引張することで羽根3を地中で展開させて定着でき、軸体4を構造物側に引張することで羽根3が閉じて回収できるようにした。
【選択図】 図2
【解決手段】削孔中に挿入される軸体4先端のアンカー頭部2に複数の羽根3を構造物側へ略直角度に展開できるように基端部で枢着し、各羽根3の先端部に長いワイヤ5の先端を係止し、羽根3を閉じた状態で削孔に挿入後、ワイヤ5を構造物側に引張することで羽根3を地中で展開させて定着でき、軸体4を構造物側に引張することで羽根3が閉じて回収できるようにした。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、主として擁壁工に用いられる仮設用のグラウンドアンカーに関し、詳しくは軟弱地盤に適する再使用可能なアンカーの構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のグラウンドアンカーは、地中に形成した削孔にアンカー体を挿入後グラウトを注入し、固化後アンカーの基端部を緊張定着させることで形成している。ところで、前記構成のグラウンドアンカーは、形成時にグラウチングが必要であるから、それに伴うグラウトポンプ及びグラウトミキサーの準備,グラウトの練り手間及び注入手間,グラウト注入後の養生期間等を要し、作業時間や工期が長くなる問題があった。また、形成されるアンカーの形状は挿入方向に沿った円柱状となるから、軟弱地盤に対してはアンカー体の掛止力が発揮し難く地盤の状態に左右される問題があった。さらに、使用後のアンカー体は再使用できず、廃棄物の問題もあった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明が解決しようとする課題は、従来のこれらの問題点を解消し、グラウチングを不要にして工期を短縮するとともに軟弱地盤でも十分に掛止効果を発揮し、しかも再使用できる仮設用グラウンドアンカーを提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
かかる課題を解決した本発明の構成は、
1) 構造物の構築時に地中に仮設されるグラウンドアンカーであって、削孔中に挿入される長尺の軸体の先端部に複数の羽根を構造物側へ所定角度に展開できるようにその基端部で枢着し、各羽根の先端部に長いワイヤの先端を係止し、羽根を閉じた状態で羽根及び軸体を削孔に挿入し、挿入後ワイヤを構造物側に引張することで羽根を地中で展開させて定着でき、軸体を構造物側に引張することで羽根が閉じて回収できるようにしたことを特徴とする仮設用グラウンドアンカー
2) 羽根の先端部にV字状のエッジを形成し、展開時にエッジ部分を地盤に食い込ませることで小さな引張力で展開できるようにした前記1)記載の仮設用グラウンドアンカー
3) 羽根にワイヤが挿通できるワイヤ孔を形成し、ワイヤの先端を拡径し、羽根のワイヤ孔にワイヤを後端から挿通して拡径部分で掛止し、引張方向では外れず且つ脱着自在に係止した前記1)又は2)記載の仮設用グラウンドアンカー
4) 軸体の先端部外周及び羽根の外面にワイヤを挿入できる溝を長手方向に沿って形成し、ワイヤを溝に挿入してワイヤの突出を少なくすることで挿入引抜抵抗を低減できるようにした前記1)〜3)いずれか記載の仮設用グラウンドアンカー
5) 各羽根を軸体の前後方向にそれぞれ位置を異ならせて設け、展開時の羽根に作用する応力を分散させて強度を保持できるようにした前記1)〜4)いずれか記載の仮設用グラウンドアンカー
6) 羽根の展開限度角が軸体に対して略直角となるように羽根の基端部にストッパを設けた前記1)〜5)いずれか記載の仮設用グラウンドアンカー
にある。
【0005】
【作用】
本発明では、地中に削孔を形成後羽根及び軸体を挿入し、ワイヤを後方に引張して羽根を展開させる。羽根は削孔周囲の地盤に食い込んで掛止され、この緊張状態でワイヤを固定して定着させる。
除去する際は、軸体を後方に引張すると展開している羽根が地盤の土圧で展開前の閉じた状態に戻り、ワイヤとともに削孔から引き抜くことで回収される。
従って、グラウチングが一切不要となるから従来と比較して工期が著しく短縮され、展開した羽根が地盤にしっかり食い込むから軟弱な地盤でも掛止力が十分に発揮され、回収後もアンカーは何ら痛みやグラウトの付着等が無いため容易に再使用できる。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明の羽根は、先端部にV字状のエッジを外周に形成すると、地盤に効果的に食い込んで小さな引張力で展開できるので好ましい。
羽根にはワイヤが挿通できるワイヤ孔を形成し、ワイヤの先端を拡径し、羽根のワイヤ孔にワイヤを後端から挿通して拡径部分で掛止すると、引張方向では外れず且つ現場で脱着自在に容易に係止できる。
軸体の先端部外周及び羽根の外面にはワイヤを挿入できる溝を長手方向に沿って形成すると、ワイヤを溝に挿入後ワイヤの突出が少なくなり、挿入引抜抵抗を低減できる。
各羽根は軸体の前後方向にそれぞれ位置を異ならせて設けると、展開時の羽根に作用する応力が分散されて強度が保持され、変形や破損を防止できる。
羽根の基端部には、羽根の展開限度角が軸体に対して略直角となるようにストッパを設けると、地盤への定着力が最大に発揮できて好ましい。
以下、本発明の実施例を図面に基づいて具体的に説明する。
【0007】
【実施例】
図1〜6に示す実施例は、土留工に本発明のグラウンドアンカーを使用した例である。
図1は、実施例のグラウンドアンカーの斜視図である。
図2は、実施例のグラウンドアンカーの羽根を展開した状態を示す斜視図である。
図3は、図1のA−A半断面図である。
図4は、実施例のグラウンドアンカーの挿入を示す説明図である。
図5は、実施例のグラウンドアンカーの使用状態を示す説明図である。
図6は、実施例のグラウンドアンカーの回収を示す説明図である。
【0008】
図中、1はグラウンドアンカー、2はアンカー頭部、2aは凹所、2bは軸体を取り付ける軸孔、3は羽根、3aはワイヤを通すワイヤ孔、3bは刃部、3cは羽根を展開自在に軸支する枢着部、3dは羽根の格納時に羽根部分の外径を所定径に保持する当接板、3eは羽根の展開限度角を軸体に対して略直角にさせるストッパ、4は軸体、5はワイヤ、5aはワイヤ先端を羽根のワイヤ孔に掛止する拡径した掛止部、6は台座、7は定着具、8は腹起し、9は土台、10は油圧ジャッキ、Cは擁壁、Dは裏込土砂、Gは地盤、Hは削孔である。
【0009】
本実施例では、図1〜3に示すように長尺の軸体5の先端に拡径したアンカー頭部2の軸孔2aに取り付け、同アンカー頭部2の前後異なる位置に4体の羽根3をコンクリート壁C側へ略直角に展開できるように枢着部3cで枢着している。各羽根3の先端には断面略V字状に形成したエッジ状の刃部3bをそれぞれ形成し、その後方にワイヤ孔3aを形成して先端に掛止部5aを備えたワイヤ5を後端から挿通し、引張方向へは外れないように脱着自在に係止している。アンカー頭部2の後方外周にはワイヤ5を挿置できる溝2aを4体分形成し、溝2aにワイヤ5を挿置することで突出部分を少なくしている。
【0010】
本実施例では、図5に示すように地盤Gの側壁面にコンクリート製の擁壁Cを立設後、擁壁Cから地中に削孔Hを形成する。図4(a)に示すように、削孔Hにグラウンドアンカー1を所定深さに挿入後、擁壁Cの削孔口に土台9を設置するとともに腹起し8を介して台座6を軸体4と各ワイヤ5を突出させるように取り付ける。
次に、図5に示すように台座6に油圧ジャッキ10を据え付け、各ワイヤ5の後端部を掛止して擁壁C側に引張する。各羽根3はワイヤ5に引張されて擁壁C側に展開するが、このとき各羽根3の刃部3bが地盤Gに食い込んで小さな引張力で羽根3を展開できる。展開された羽根3は削孔H周囲の地盤Gに掛止し、ストッパ3eにより軸体2に対して略直角の位置で制止する。
そして、各ワイヤ5の緊張状態で軸体4と各ワイヤ5の後端部を定着具7で定着後油圧ジャッキ10を撤去し、地盤Gと擁壁Cの間に裏込土砂Dを充填して施工を完了する。
撤去時は、定着具7を取り外して定着を解除し、図6(a),(b)に示すように軸体4を擁壁C側に引張すると、展開している各羽根3が土圧で展開前の閉じた状態に戻り、ワイヤ5とともに削孔Hから引き抜くことで回収される。
【0011】
本実施例ではこのように構成したから、グラウチングが一切不要となることで従来と比較して工期が著しく短縮され、展開した羽根は地盤にしっかり食い込むから軟弱な地盤でも掛止力が十分に発揮され、しかも回収後アンカー自身は何ら痛みやグラウトの付着等が無いから、特段の処置をすることなく容易に再使用できる。
また、定着時にワイヤの引張具合で地中の羽根の掛止確認が容易に判断できるから、アンカーのトラブルの対応が迅速且つ的確に行うことができる。
【0012】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によればグラウチングを不要にして工期を短縮するとともに軟弱な地盤でも十分に掛止効果を発揮し、しかも再使用可能な仮設用グラウンドアンカーを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例のグラウンドアンカーの斜視図である。
【図2】実施例のグラウンドアンカーの羽根を展開させた状態の斜視図である。
【図3】図1のA−A半断面図である。
【図4】実施例のグラウンドアンカーの挿入を示す説明図である。
【図5】実施例のグラウンドアンカーの使用状態を示す説明図である。
【図6】実施例のグラウンドアンカーの回収を示す説明図である。
【符号の説明】
1 グラウンドアンカー
2 アンカー頭部
2a 凹所
2b 軸孔
3 羽根
3a ワイヤ孔
3b 刃部
3c 枢着部
3d 当接板
3e ストッパ
4 軸体
5 ワイヤ
5a 掛止部
6 台座
7 定着具
8 腹起し
9 土台
10 油圧ジャッキ
C 擁壁
D 裏込土砂
G 地盤
H 削孔
【発明の属する技術分野】
本発明は、主として擁壁工に用いられる仮設用のグラウンドアンカーに関し、詳しくは軟弱地盤に適する再使用可能なアンカーの構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のグラウンドアンカーは、地中に形成した削孔にアンカー体を挿入後グラウトを注入し、固化後アンカーの基端部を緊張定着させることで形成している。ところで、前記構成のグラウンドアンカーは、形成時にグラウチングが必要であるから、それに伴うグラウトポンプ及びグラウトミキサーの準備,グラウトの練り手間及び注入手間,グラウト注入後の養生期間等を要し、作業時間や工期が長くなる問題があった。また、形成されるアンカーの形状は挿入方向に沿った円柱状となるから、軟弱地盤に対してはアンカー体の掛止力が発揮し難く地盤の状態に左右される問題があった。さらに、使用後のアンカー体は再使用できず、廃棄物の問題もあった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明が解決しようとする課題は、従来のこれらの問題点を解消し、グラウチングを不要にして工期を短縮するとともに軟弱地盤でも十分に掛止効果を発揮し、しかも再使用できる仮設用グラウンドアンカーを提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
かかる課題を解決した本発明の構成は、
1) 構造物の構築時に地中に仮設されるグラウンドアンカーであって、削孔中に挿入される長尺の軸体の先端部に複数の羽根を構造物側へ所定角度に展開できるようにその基端部で枢着し、各羽根の先端部に長いワイヤの先端を係止し、羽根を閉じた状態で羽根及び軸体を削孔に挿入し、挿入後ワイヤを構造物側に引張することで羽根を地中で展開させて定着でき、軸体を構造物側に引張することで羽根が閉じて回収できるようにしたことを特徴とする仮設用グラウンドアンカー
2) 羽根の先端部にV字状のエッジを形成し、展開時にエッジ部分を地盤に食い込ませることで小さな引張力で展開できるようにした前記1)記載の仮設用グラウンドアンカー
3) 羽根にワイヤが挿通できるワイヤ孔を形成し、ワイヤの先端を拡径し、羽根のワイヤ孔にワイヤを後端から挿通して拡径部分で掛止し、引張方向では外れず且つ脱着自在に係止した前記1)又は2)記載の仮設用グラウンドアンカー
4) 軸体の先端部外周及び羽根の外面にワイヤを挿入できる溝を長手方向に沿って形成し、ワイヤを溝に挿入してワイヤの突出を少なくすることで挿入引抜抵抗を低減できるようにした前記1)〜3)いずれか記載の仮設用グラウンドアンカー
5) 各羽根を軸体の前後方向にそれぞれ位置を異ならせて設け、展開時の羽根に作用する応力を分散させて強度を保持できるようにした前記1)〜4)いずれか記載の仮設用グラウンドアンカー
6) 羽根の展開限度角が軸体に対して略直角となるように羽根の基端部にストッパを設けた前記1)〜5)いずれか記載の仮設用グラウンドアンカー
にある。
【0005】
【作用】
本発明では、地中に削孔を形成後羽根及び軸体を挿入し、ワイヤを後方に引張して羽根を展開させる。羽根は削孔周囲の地盤に食い込んで掛止され、この緊張状態でワイヤを固定して定着させる。
除去する際は、軸体を後方に引張すると展開している羽根が地盤の土圧で展開前の閉じた状態に戻り、ワイヤとともに削孔から引き抜くことで回収される。
従って、グラウチングが一切不要となるから従来と比較して工期が著しく短縮され、展開した羽根が地盤にしっかり食い込むから軟弱な地盤でも掛止力が十分に発揮され、回収後もアンカーは何ら痛みやグラウトの付着等が無いため容易に再使用できる。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明の羽根は、先端部にV字状のエッジを外周に形成すると、地盤に効果的に食い込んで小さな引張力で展開できるので好ましい。
羽根にはワイヤが挿通できるワイヤ孔を形成し、ワイヤの先端を拡径し、羽根のワイヤ孔にワイヤを後端から挿通して拡径部分で掛止すると、引張方向では外れず且つ現場で脱着自在に容易に係止できる。
軸体の先端部外周及び羽根の外面にはワイヤを挿入できる溝を長手方向に沿って形成すると、ワイヤを溝に挿入後ワイヤの突出が少なくなり、挿入引抜抵抗を低減できる。
各羽根は軸体の前後方向にそれぞれ位置を異ならせて設けると、展開時の羽根に作用する応力が分散されて強度が保持され、変形や破損を防止できる。
羽根の基端部には、羽根の展開限度角が軸体に対して略直角となるようにストッパを設けると、地盤への定着力が最大に発揮できて好ましい。
以下、本発明の実施例を図面に基づいて具体的に説明する。
【0007】
【実施例】
図1〜6に示す実施例は、土留工に本発明のグラウンドアンカーを使用した例である。
図1は、実施例のグラウンドアンカーの斜視図である。
図2は、実施例のグラウンドアンカーの羽根を展開した状態を示す斜視図である。
図3は、図1のA−A半断面図である。
図4は、実施例のグラウンドアンカーの挿入を示す説明図である。
図5は、実施例のグラウンドアンカーの使用状態を示す説明図である。
図6は、実施例のグラウンドアンカーの回収を示す説明図である。
【0008】
図中、1はグラウンドアンカー、2はアンカー頭部、2aは凹所、2bは軸体を取り付ける軸孔、3は羽根、3aはワイヤを通すワイヤ孔、3bは刃部、3cは羽根を展開自在に軸支する枢着部、3dは羽根の格納時に羽根部分の外径を所定径に保持する当接板、3eは羽根の展開限度角を軸体に対して略直角にさせるストッパ、4は軸体、5はワイヤ、5aはワイヤ先端を羽根のワイヤ孔に掛止する拡径した掛止部、6は台座、7は定着具、8は腹起し、9は土台、10は油圧ジャッキ、Cは擁壁、Dは裏込土砂、Gは地盤、Hは削孔である。
【0009】
本実施例では、図1〜3に示すように長尺の軸体5の先端に拡径したアンカー頭部2の軸孔2aに取り付け、同アンカー頭部2の前後異なる位置に4体の羽根3をコンクリート壁C側へ略直角に展開できるように枢着部3cで枢着している。各羽根3の先端には断面略V字状に形成したエッジ状の刃部3bをそれぞれ形成し、その後方にワイヤ孔3aを形成して先端に掛止部5aを備えたワイヤ5を後端から挿通し、引張方向へは外れないように脱着自在に係止している。アンカー頭部2の後方外周にはワイヤ5を挿置できる溝2aを4体分形成し、溝2aにワイヤ5を挿置することで突出部分を少なくしている。
【0010】
本実施例では、図5に示すように地盤Gの側壁面にコンクリート製の擁壁Cを立設後、擁壁Cから地中に削孔Hを形成する。図4(a)に示すように、削孔Hにグラウンドアンカー1を所定深さに挿入後、擁壁Cの削孔口に土台9を設置するとともに腹起し8を介して台座6を軸体4と各ワイヤ5を突出させるように取り付ける。
次に、図5に示すように台座6に油圧ジャッキ10を据え付け、各ワイヤ5の後端部を掛止して擁壁C側に引張する。各羽根3はワイヤ5に引張されて擁壁C側に展開するが、このとき各羽根3の刃部3bが地盤Gに食い込んで小さな引張力で羽根3を展開できる。展開された羽根3は削孔H周囲の地盤Gに掛止し、ストッパ3eにより軸体2に対して略直角の位置で制止する。
そして、各ワイヤ5の緊張状態で軸体4と各ワイヤ5の後端部を定着具7で定着後油圧ジャッキ10を撤去し、地盤Gと擁壁Cの間に裏込土砂Dを充填して施工を完了する。
撤去時は、定着具7を取り外して定着を解除し、図6(a),(b)に示すように軸体4を擁壁C側に引張すると、展開している各羽根3が土圧で展開前の閉じた状態に戻り、ワイヤ5とともに削孔Hから引き抜くことで回収される。
【0011】
本実施例ではこのように構成したから、グラウチングが一切不要となることで従来と比較して工期が著しく短縮され、展開した羽根は地盤にしっかり食い込むから軟弱な地盤でも掛止力が十分に発揮され、しかも回収後アンカー自身は何ら痛みやグラウトの付着等が無いから、特段の処置をすることなく容易に再使用できる。
また、定着時にワイヤの引張具合で地中の羽根の掛止確認が容易に判断できるから、アンカーのトラブルの対応が迅速且つ的確に行うことができる。
【0012】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によればグラウチングを不要にして工期を短縮するとともに軟弱な地盤でも十分に掛止効果を発揮し、しかも再使用可能な仮設用グラウンドアンカーを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例のグラウンドアンカーの斜視図である。
【図2】実施例のグラウンドアンカーの羽根を展開させた状態の斜視図である。
【図3】図1のA−A半断面図である。
【図4】実施例のグラウンドアンカーの挿入を示す説明図である。
【図5】実施例のグラウンドアンカーの使用状態を示す説明図である。
【図6】実施例のグラウンドアンカーの回収を示す説明図である。
【符号の説明】
1 グラウンドアンカー
2 アンカー頭部
2a 凹所
2b 軸孔
3 羽根
3a ワイヤ孔
3b 刃部
3c 枢着部
3d 当接板
3e ストッパ
4 軸体
5 ワイヤ
5a 掛止部
6 台座
7 定着具
8 腹起し
9 土台
10 油圧ジャッキ
C 擁壁
D 裏込土砂
G 地盤
H 削孔
Claims (6)
- 構造物の構築時に地中に仮設されるグラウンドアンカーであって、削孔中に挿入される長尺の軸体の先端部に複数の羽根を構造物側へ所定角度に展開できるようにその基端部で枢着し、各羽根の先端部に長いワイヤの先端を係止し、羽根を閉じた状態で羽根及び軸体を削孔に挿入し、挿入後ワイヤを構造物側に引張することで羽根を地中で展開させて定着でき、軸体を構造物側に引張することで羽根が閉じて回収できるようにしたことを特徴とする仮設用グラウンドアンカー。
- 羽根の先端部にV字状のエッジを形成し、展開時にエッジ部分を地盤に食い込ませることで小さな引張力で展開できるようにした請求項1記載の仮設用グラウンドアンカー。
- 羽根にワイヤが挿通できるワイヤ孔を形成し、ワイヤの先端を拡径し、羽根のワイヤ孔にワイヤを後端から挿通して拡径部分で掛止し、引張方向では外れず且つ脱着自在に係止した請求項1又は2記載の仮設用グラウンドアンカー。
- 軸体の先端部外周及び羽根の外面にワイヤを挿入できる溝を長手方向に沿って形成し、ワイヤを溝に挿入してワイヤの突出を少なくすることで挿入引抜抵抗を低減できるようにした請求項1〜3いずれか記載の仮設用グラウンドアンカー。
- 各羽根を軸体の前後方向にそれぞれ位置を異ならせて設け、展開時の羽根に作用する応力を分散させて強度を保持できるようにした請求項1〜4いずれか記載の仮設用グラウンドアンカー。
- 羽根の展開限度角が軸体に対して略直角となるように羽根の基端部にストッパを設けた請求項1〜5いずれか記載の仮設用グラウンドアンカー。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002230898A JP2004068470A (ja) | 2002-08-08 | 2002-08-08 | 仮設用グラウンドアンカー |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002230898A JP2004068470A (ja) | 2002-08-08 | 2002-08-08 | 仮設用グラウンドアンカー |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004068470A true JP2004068470A (ja) | 2004-03-04 |
Family
ID=32016821
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002230898A Pending JP2004068470A (ja) | 2002-08-08 | 2002-08-08 | 仮設用グラウンドアンカー |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004068470A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101339136B1 (ko) * | 2013-02-12 | 2013-12-09 | 김승관 | 영구형 앵커의 제조방법 |
CN105350587A (zh) * | 2015-11-16 | 2016-02-24 | 陆剑 | 工程桩基静载检测阻力锚锄 |
US9540783B2 (en) | 2008-02-14 | 2017-01-10 | Ioannis Lymberis | Tie rod for structural projects |
KR102142111B1 (ko) * | 2020-04-23 | 2020-08-06 | 주식회사 마성건설 | 제거 가능한 지중 앵커 |
-
2002
- 2002-08-08 JP JP2002230898A patent/JP2004068470A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US9540783B2 (en) | 2008-02-14 | 2017-01-10 | Ioannis Lymberis | Tie rod for structural projects |
KR101339136B1 (ko) * | 2013-02-12 | 2013-12-09 | 김승관 | 영구형 앵커의 제조방법 |
CN105350587A (zh) * | 2015-11-16 | 2016-02-24 | 陆剑 | 工程桩基静载检测阻力锚锄 |
CN105350587B (zh) * | 2015-11-16 | 2017-05-10 | 陆剑 | 工程桩基静载检测阻力锚锄 |
KR102142111B1 (ko) * | 2020-04-23 | 2020-08-06 | 주식회사 마성건설 | 제거 가능한 지중 앵커 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
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A131 | Notification of reasons for refusal |
Effective date: 20050404 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 |
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A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20050728 |