JP2004068376A - 作業現場用ドームテント - Google Patents
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Abstract
【課題】取付、取り外しが簡単で、たるみの少ない工事現場用のドームテントを提供する。
【解決手段】この発明は、作業現場用ドームテントに関し、作業スペース2を囲う仮設構造物3の上部開口端側を覆うシートと、上記仮設構造物とシートを着脱自在に連結してシートを伸展保持せしめるシート連結具12とからなるテント4を改良するものである。先ず仮設構造物3に囲まれるシート上面に、内部に気体を注入することにより上方に膨出するドーム部6を設ける。該ドーム部6が気体を注入することにより上方に膨出してドームを形成するドームシート6aと、該ドームシート6の下端を覆ってドーム内を密閉空間に形成する底部シート6bとから構成され、上記ドーム部6の周縁部にはテント4を仮設構造物3側に連結するシート連結部12を備えた周縁シート7を突出させて設けている。仮設構造物3内には、空気注入状態で張設されるテント4の底部シート6b又は底部シート6bと周縁シート7を上向きに支持するロープ又はネット等からなるテント支持部材13を張設する。
【選択図】 図1
【解決手段】この発明は、作業現場用ドームテントに関し、作業スペース2を囲う仮設構造物3の上部開口端側を覆うシートと、上記仮設構造物とシートを着脱自在に連結してシートを伸展保持せしめるシート連結具12とからなるテント4を改良するものである。先ず仮設構造物3に囲まれるシート上面に、内部に気体を注入することにより上方に膨出するドーム部6を設ける。該ドーム部6が気体を注入することにより上方に膨出してドームを形成するドームシート6aと、該ドームシート6の下端を覆ってドーム内を密閉空間に形成する底部シート6bとから構成され、上記ドーム部6の周縁部にはテント4を仮設構造物3側に連結するシート連結部12を備えた周縁シート7を突出させて設けている。仮設構造物3内には、空気注入状態で張設されるテント4の底部シート6b又は底部シート6bと周縁シート7を上向きに支持するロープ又はネット等からなるテント支持部材13を張設する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は建築現場等の作業現場で、雨天時に使用するドームテントに関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
従来建築工事現場で雨天時等に使用するテントとしては、建物の位置の外周に仮設した足場内にロープを張設してテントを張るもの(特開平7−127274号)が知られているが、ロープを水平に張る場合はテントの広さに対してロープ本数が少ない場合は、ロープ間のテントのたるみ部分に雨水が溜まってロープや足場による支持では耐えられなくなり、あるいはテントの裂損や水洩れを招く等の問題がある。また上記例ではロープ自体を屋根型に張るための独自の構造物を必要とし、作業スペースの形状や大きさの変動に対応できない等の欠点がある。
【0003】
このほかテント支持用の支柱や梁等の構造物を足場とは別に設ける場合が多く、この場合もコスト的にも高くなるほか、クレーンを用いる現場ではその都度支柱等の骨組を除去する必要がある等の欠点がある。
【0004】
また屋根材の浮上支持をヘリウム等の低比重ガスを充填した気球の浮力によるもの(特開平6−307126号)や、防水シート自体を低比重ガス封入型のものにして浮上させるもの(特開平5−106369号)等が知られているが、テントの屋根部分を屋根形状に保持しながら浮上支持させるためには、多量の低比重ガスを必要とし、工事に対するコスト負担の過大化を免れない。
この発明はこれらの問題点を解消又は改善するドームテントを提供せんとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するこの発明のテントは、第1に作業スペース2を囲う仮設構造物3の上部開口端側を覆うシートと、上記仮設構造物とシートを着脱自在に連結してシートを伸展保持せしめるシート連結具12とからなるテント4において、前記仮設構造物3に囲まれるシート上面に、内部に気体を注入することにより上方に膨出するドーム部6を設け、該ドーム部6が気体を注入することにより上方に膨出してドームを形成するドームシート6aと、該ドームシート6の下端を覆ってドーム内を密閉空間に形成する底部シート6bとから構成され、上記ドーム部6の周縁部にはテント4を仮設構造物3側に連結するシート連結部12を備えた周縁シート7を突出させて設けたことを特徴としている。
【0006】
第2に、仮設構造物3内に張設され、空気注入状態で張設されるテント4の底部シート6b又は底部シート6bと周縁シート7を上向きに支持するテント支持部材13を設けてなることを特徴としている。
【0007】
第3に、ドーム部6の下部側周縁の所定高さ部分を覆うようにドーム部6に被せられてドーム部6の下半部の膨出を所定形状に規制するドームネット16と、該ドームネット16の下端周縁とドーム部6の下端側周縁位置とを着脱可能に連結固定するネット取付具17とを設けてなることを特徴としている。
【0008】
第4に、仮設構造物3の上部開口空間を覆うように仮設構造物3に張設され、底部シート6b又は底部シート6bと周縁シート7を下面側より平坦面上で支持するテント支持部材13としてのテント支持ネット13と、該テント支持ネット13を仮設構造物3に着脱可能に連結するネット連結具14とを設けてなることを特徴としている。
【0009】
第5に、ドーム部6が周縁シート7の中央に設けられ、少なくともシートの中央部が球面状又はかまぼこ型に突出してドームを形成することを特徴としている。
【0010】
第6に、ドーム部6への気体注入時にドームシート6aが上方に膨出し底部シート6bが下方に膨出するのを抑制するように上下端がそれぞれドームシート6aと底部シート6bとに固着又は連結される内部規制部材6cを設けてなることを特徴としている。
【0011】
第7に、仮設構造物3の上部に張設したテント4の一端のみを残して取り外した状態で、該取り外し端に連結され、低比重ガスを封入することによりテント4を連結取付側上方に浮上支持させるバルーン18を設けてなることを特徴としている。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下図示する本発明の実施の形態につき詳述する。図1〜図4は本発明の1実施例を示し、この例では家屋1(図4)等の建築現場における作業(工事)スペース2のまわりに公知の足場3からなる仮設構造物が角筒状に組み立てられ、その上部開放端を塞ぐようにテント4が張設されている。
【0013】
このテント4は半球状のドーム部6を付設し、その周縁部には全体として長方形の周縁シート7が外周方向に突出するように一体的に設けられている。そしてドーム部6は球面状に上方に突出するビニール等の合成樹脂材等からなるドームシート6aと、該ドームシート6aの下部開放端を塞ぐように付着される平坦な合成樹脂シートからなる底部シート6bとで構成され、その内部は空気等の気体を注入する密閉空間を形成している。
【0014】
上記ドーム部6はドームシート6aが半球状に形成されているのに対し、底部シート6bが平坦な円形シートなので、内部に空気等を注入すると上面側は半球状に膨らむが、それ自体の形状により、又は底部シート6bを厚めのシートとし、又は内部や裏面にネット状の補強材(図示しない)等を設けることにより、底部シート6bは下方への膨らみを抑制することができる。
【0015】
ドーム部6には例えば底部シート6bの一部に気体導入口8(図3)が設けられ、下部の作業スペース2に設置したポンプ又はファン等の送風機9との間をホース11と接続して、ドーム部6内に空気注入が行われる機構となっている。
【0016】
前記周縁シート7はその外周縁に所定ピッチで多数の連結孔12が設けられ、この連接孔12と図示しないフック,紐等とでシート連結具を構成し、その連結具によってシート端を足場3の上端側に連結し、テント4が伸展状態で緊張され張設される。
【0017】
周縁シート7は図3に示すように底部シート6bの延長端であっても、また底部シート6bとは別部材としてドーム部6と一体的に取り付けてもよい。そして上述した底部シート6bと同様にシートの厚みを厚くし又は繊維ネット等による補強を行ってもよい。
【0018】
またドーム部6に空気を導入したテント張設状態におけるシート6a,7の平坦状態又は水平状態を保持するためにテント張設に先立ち、足場3の上部開放端内にテント支持用の部材としてのネット13を予め張設しておくことができ、このテント支持ネット13を張設することにより、底部シート6bの下方への膨らみを抑制するとともに、テント表面(特に周縁シート7の表面)の垂れ下がりを防止し、雨水溜まり等による水漏れやテント,足場等への荷重負荷が防止でき、雨水のスムースな排水が実現できる。テントが大型化する場合等には特に効果がある。
【0019】
またこのテント支持部材13は、空気注入時に下方にも膨出し勝ちなドーム部6の底部シート6bを、下側から上向きに押し上げて支えることにより、周縁シート7の内端部を上方に持ち上げ、周縁シート7の外側方への下降傾斜を促進し、雨水の外側へのスムースな流出に効果的である、このためテント支持部材13は必ずしもネットである必要はなく、底部シート6b部分を上向きに押し上げて支持するロープ等を足場3に張設することによって代用することも可能である。
【0020】
このネット13の外周にも、ネット13を足場3に連結固定し且つネットを張設するための紐やフック,バンド等のネット連結具(図示しない。但し図5には符号14として表示)が設けられる。
【0021】
上記ドーム部6の少なくとも下部外周には、空気注入時にドームシート6aに過大な圧力が作用したり、ドーム形状が変形したりするのを防止するためのドーナツ状のドームネット16が被覆されており、該ドームネット16の下端周縁とドーム部6の外周縁には、ネット16をドーム部6又は周縁シート7側に着脱可能に連結固定するフック17aと係止リング17bとからなるネット取付具17が設けられている。
【0022】
上記の構造により、ドーム部6内に空気等を注入すると、ドーム部6の適正な形状が保持されるほか、ネット16によってその周辺のシートが上方に向かって引き上げられる作用があり、周辺部シートの垂れ下がりを防止する効果がある。
【0023】
テント4は上記のように比較的簡単に取り外しが可能なので、例えば作業スペース2内に建材等を持ち込む場合のようにクレーンを使用する場合は、テントを取り外してクレーンによる昇降スペースを確保することができるが、この時図4に示すように足場3の一辺のみテント4やネット13の連結を残しておき、その取り外し端に対し、ヘリウムガス等のような低比重ガスを封入したバルーン18をロープ19等で接続することにより、取り外し状態のテント4を上方に浮上させて保持し、クレーン作業終了時に再度簡単にテント4,ネット13を張設復元することができる。
【0024】
図5はこの発明の他の実施例を示し、前述したものに比して足場3及びテント4の平面視形状が長方形であり、他の部分もこれに対応している点に特徴がある。またドーム部6内には、内部を十字形に仕切るように、その周縁がドームシート6aと底部シート6bに付着固定される仕切壁状のシートからなる内部規制部材6cが設けられ、該内部規制部材6cには仕切られた各室を連通せしめる連通孔6dが設けられている。
【0025】
上記の例では、ドーム部6の平面視サイズが足場3の上部開口部と略一致しているためテント4の屋根部全体がドームになり、周縁シート7は足場3に取り付けた状態ではその上端側外周を壁状に覆う構造になる。そして周縁シート7の周縁には取付孔と連結紐からなる足場3側への連結部12が設けられており、テント支持ネット13の外周にもロープ等からなるネット連結具14が設けられている。
【0026】
上記以外の点は図1〜図4に示すドームテントと略共通の構成となっており、これらの共通部分の符号はすべて図1〜図4に用いた符号と共通であり、詳細な構造等の説明を割愛する。
【0027】
ドーム部6内の内部規制部材6aは、空気等の注入時に、ドームシート6aがドーム状に膨らむのに対し、底部シート6bをできるだけ平坦な状態に維持させるのに効果的であり、連通孔6dは空気注入時に内部に空気を均一に行きわたらせるためのものである内部規制部材6cは必ずしも壁状である必要はなく、紐状又は帯状のものであってもよい。
【0028】
なお上記実施形態では、建築現場用のテントについて述べたが、本発明のテントはその他の工事現場や作業現場又はイベント会場用等の仮設テントとしても使用できる。またテント生地やネット類の素材はその状態に適合する限り自由に選択できるものである。
【0029】
【発明の効果】
この発明は以上のように構成されるので、以下のような作用効果を奏するものである。
ドーム部への空気等の注入によりドームシートが上面側に膨出して雨水を下方に導いて流出させるとともに、周縁シートは緩やかな外方向きの下降傾斜面又は水平面に近い面を保持するので、ドーム屋根より導かれた雨水は常に下方のシート面に沿ってテント周縁側にスムースに導かれて排出される。ドーム部に注入される気体は空気を利用できるので、低比重ガスのように高コストにならない。
【0030】
また上記テント構造によりテント中央が垂れ下がって窪むことによる雨水溜まり、雨水洩れ、さらにその水溜まりによるテントや仮設構造物への過大な負荷、その負荷によるテントや仮設構造物の損傷、崩落等の問題の発生が防止される。
【0031】
ドーム部のまわりに周縁シートを設けることにより、前述したようにドームまわりの上面に大きい水溜まりを形成することがなく、ドーム表面から流れ落ちる雨水を外周側に導いてスムースに排水させるとともに、ドーム底面に対して仮設構造物上部開放端の面積が広い場合も、この周縁シートによってテントの不足面積を補うことができ、仮設構造物の上部開放端面積の大小に対応できる利点がある。
【0032】
ドームネットはドーム周面下半部を覆ってその周縁側に固定することにより、球面形状等のドーム形状を適正に保持し、且つ気体注入によるドームシートへの過大な負荷をカバーし、補強する利点がある。
【0033】
またテント支持部材はテント上面の垂れ下がりと、水溜まりを防止し、このことから派生する諸問題の発生を防止する。
【0034】
さらにこの発明では足場等の仮設構造物にテントを張るだけで、テント張り用の支柱その他の構造物を必要としないので、労力及びコストの面での利点があり、逆に建設現場等でクレーンを使用する場合はテントを取り外すだけでクレーン使用空間が確保できる。
【0035】
そしてテント取り外し状態の保持は、低比重ガスを封入したバルーン等により簡単に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示す全体斜視図である。
【図2】本発明のテントの平面図である。
【図3】同じく本発明のテントの部分拡大断面図である。
【図4】テントを取り外して浮上保持した状態の説明図である。
【図5】他の実施例を示すテント張り状態の全体斜視図である。
【符号の説明】
2 作業スペース
3 足場(仮設構造物)
4 テント
6 ドーム部
6a ドームシート
6b 底部シート
6c 内部規制部材
7 周縁シート
8 気体注入口
9 送風機・ポンプ
12 シート連結具
13 テント支持ネット(テント支持部材)
14 ネット連結具
16 ドームネット
17 ネット取付具
【発明の属する技術分野】
この発明は建築現場等の作業現場で、雨天時に使用するドームテントに関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
従来建築工事現場で雨天時等に使用するテントとしては、建物の位置の外周に仮設した足場内にロープを張設してテントを張るもの(特開平7−127274号)が知られているが、ロープを水平に張る場合はテントの広さに対してロープ本数が少ない場合は、ロープ間のテントのたるみ部分に雨水が溜まってロープや足場による支持では耐えられなくなり、あるいはテントの裂損や水洩れを招く等の問題がある。また上記例ではロープ自体を屋根型に張るための独自の構造物を必要とし、作業スペースの形状や大きさの変動に対応できない等の欠点がある。
【0003】
このほかテント支持用の支柱や梁等の構造物を足場とは別に設ける場合が多く、この場合もコスト的にも高くなるほか、クレーンを用いる現場ではその都度支柱等の骨組を除去する必要がある等の欠点がある。
【0004】
また屋根材の浮上支持をヘリウム等の低比重ガスを充填した気球の浮力によるもの(特開平6−307126号)や、防水シート自体を低比重ガス封入型のものにして浮上させるもの(特開平5−106369号)等が知られているが、テントの屋根部分を屋根形状に保持しながら浮上支持させるためには、多量の低比重ガスを必要とし、工事に対するコスト負担の過大化を免れない。
この発明はこれらの問題点を解消又は改善するドームテントを提供せんとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するこの発明のテントは、第1に作業スペース2を囲う仮設構造物3の上部開口端側を覆うシートと、上記仮設構造物とシートを着脱自在に連結してシートを伸展保持せしめるシート連結具12とからなるテント4において、前記仮設構造物3に囲まれるシート上面に、内部に気体を注入することにより上方に膨出するドーム部6を設け、該ドーム部6が気体を注入することにより上方に膨出してドームを形成するドームシート6aと、該ドームシート6の下端を覆ってドーム内を密閉空間に形成する底部シート6bとから構成され、上記ドーム部6の周縁部にはテント4を仮設構造物3側に連結するシート連結部12を備えた周縁シート7を突出させて設けたことを特徴としている。
【0006】
第2に、仮設構造物3内に張設され、空気注入状態で張設されるテント4の底部シート6b又は底部シート6bと周縁シート7を上向きに支持するテント支持部材13を設けてなることを特徴としている。
【0007】
第3に、ドーム部6の下部側周縁の所定高さ部分を覆うようにドーム部6に被せられてドーム部6の下半部の膨出を所定形状に規制するドームネット16と、該ドームネット16の下端周縁とドーム部6の下端側周縁位置とを着脱可能に連結固定するネット取付具17とを設けてなることを特徴としている。
【0008】
第4に、仮設構造物3の上部開口空間を覆うように仮設構造物3に張設され、底部シート6b又は底部シート6bと周縁シート7を下面側より平坦面上で支持するテント支持部材13としてのテント支持ネット13と、該テント支持ネット13を仮設構造物3に着脱可能に連結するネット連結具14とを設けてなることを特徴としている。
【0009】
第5に、ドーム部6が周縁シート7の中央に設けられ、少なくともシートの中央部が球面状又はかまぼこ型に突出してドームを形成することを特徴としている。
【0010】
第6に、ドーム部6への気体注入時にドームシート6aが上方に膨出し底部シート6bが下方に膨出するのを抑制するように上下端がそれぞれドームシート6aと底部シート6bとに固着又は連結される内部規制部材6cを設けてなることを特徴としている。
【0011】
第7に、仮設構造物3の上部に張設したテント4の一端のみを残して取り外した状態で、該取り外し端に連結され、低比重ガスを封入することによりテント4を連結取付側上方に浮上支持させるバルーン18を設けてなることを特徴としている。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下図示する本発明の実施の形態につき詳述する。図1〜図4は本発明の1実施例を示し、この例では家屋1(図4)等の建築現場における作業(工事)スペース2のまわりに公知の足場3からなる仮設構造物が角筒状に組み立てられ、その上部開放端を塞ぐようにテント4が張設されている。
【0013】
このテント4は半球状のドーム部6を付設し、その周縁部には全体として長方形の周縁シート7が外周方向に突出するように一体的に設けられている。そしてドーム部6は球面状に上方に突出するビニール等の合成樹脂材等からなるドームシート6aと、該ドームシート6aの下部開放端を塞ぐように付着される平坦な合成樹脂シートからなる底部シート6bとで構成され、その内部は空気等の気体を注入する密閉空間を形成している。
【0014】
上記ドーム部6はドームシート6aが半球状に形成されているのに対し、底部シート6bが平坦な円形シートなので、内部に空気等を注入すると上面側は半球状に膨らむが、それ自体の形状により、又は底部シート6bを厚めのシートとし、又は内部や裏面にネット状の補強材(図示しない)等を設けることにより、底部シート6bは下方への膨らみを抑制することができる。
【0015】
ドーム部6には例えば底部シート6bの一部に気体導入口8(図3)が設けられ、下部の作業スペース2に設置したポンプ又はファン等の送風機9との間をホース11と接続して、ドーム部6内に空気注入が行われる機構となっている。
【0016】
前記周縁シート7はその外周縁に所定ピッチで多数の連結孔12が設けられ、この連接孔12と図示しないフック,紐等とでシート連結具を構成し、その連結具によってシート端を足場3の上端側に連結し、テント4が伸展状態で緊張され張設される。
【0017】
周縁シート7は図3に示すように底部シート6bの延長端であっても、また底部シート6bとは別部材としてドーム部6と一体的に取り付けてもよい。そして上述した底部シート6bと同様にシートの厚みを厚くし又は繊維ネット等による補強を行ってもよい。
【0018】
またドーム部6に空気を導入したテント張設状態におけるシート6a,7の平坦状態又は水平状態を保持するためにテント張設に先立ち、足場3の上部開放端内にテント支持用の部材としてのネット13を予め張設しておくことができ、このテント支持ネット13を張設することにより、底部シート6bの下方への膨らみを抑制するとともに、テント表面(特に周縁シート7の表面)の垂れ下がりを防止し、雨水溜まり等による水漏れやテント,足場等への荷重負荷が防止でき、雨水のスムースな排水が実現できる。テントが大型化する場合等には特に効果がある。
【0019】
またこのテント支持部材13は、空気注入時に下方にも膨出し勝ちなドーム部6の底部シート6bを、下側から上向きに押し上げて支えることにより、周縁シート7の内端部を上方に持ち上げ、周縁シート7の外側方への下降傾斜を促進し、雨水の外側へのスムースな流出に効果的である、このためテント支持部材13は必ずしもネットである必要はなく、底部シート6b部分を上向きに押し上げて支持するロープ等を足場3に張設することによって代用することも可能である。
【0020】
このネット13の外周にも、ネット13を足場3に連結固定し且つネットを張設するための紐やフック,バンド等のネット連結具(図示しない。但し図5には符号14として表示)が設けられる。
【0021】
上記ドーム部6の少なくとも下部外周には、空気注入時にドームシート6aに過大な圧力が作用したり、ドーム形状が変形したりするのを防止するためのドーナツ状のドームネット16が被覆されており、該ドームネット16の下端周縁とドーム部6の外周縁には、ネット16をドーム部6又は周縁シート7側に着脱可能に連結固定するフック17aと係止リング17bとからなるネット取付具17が設けられている。
【0022】
上記の構造により、ドーム部6内に空気等を注入すると、ドーム部6の適正な形状が保持されるほか、ネット16によってその周辺のシートが上方に向かって引き上げられる作用があり、周辺部シートの垂れ下がりを防止する効果がある。
【0023】
テント4は上記のように比較的簡単に取り外しが可能なので、例えば作業スペース2内に建材等を持ち込む場合のようにクレーンを使用する場合は、テントを取り外してクレーンによる昇降スペースを確保することができるが、この時図4に示すように足場3の一辺のみテント4やネット13の連結を残しておき、その取り外し端に対し、ヘリウムガス等のような低比重ガスを封入したバルーン18をロープ19等で接続することにより、取り外し状態のテント4を上方に浮上させて保持し、クレーン作業終了時に再度簡単にテント4,ネット13を張設復元することができる。
【0024】
図5はこの発明の他の実施例を示し、前述したものに比して足場3及びテント4の平面視形状が長方形であり、他の部分もこれに対応している点に特徴がある。またドーム部6内には、内部を十字形に仕切るように、その周縁がドームシート6aと底部シート6bに付着固定される仕切壁状のシートからなる内部規制部材6cが設けられ、該内部規制部材6cには仕切られた各室を連通せしめる連通孔6dが設けられている。
【0025】
上記の例では、ドーム部6の平面視サイズが足場3の上部開口部と略一致しているためテント4の屋根部全体がドームになり、周縁シート7は足場3に取り付けた状態ではその上端側外周を壁状に覆う構造になる。そして周縁シート7の周縁には取付孔と連結紐からなる足場3側への連結部12が設けられており、テント支持ネット13の外周にもロープ等からなるネット連結具14が設けられている。
【0026】
上記以外の点は図1〜図4に示すドームテントと略共通の構成となっており、これらの共通部分の符号はすべて図1〜図4に用いた符号と共通であり、詳細な構造等の説明を割愛する。
【0027】
ドーム部6内の内部規制部材6aは、空気等の注入時に、ドームシート6aがドーム状に膨らむのに対し、底部シート6bをできるだけ平坦な状態に維持させるのに効果的であり、連通孔6dは空気注入時に内部に空気を均一に行きわたらせるためのものである内部規制部材6cは必ずしも壁状である必要はなく、紐状又は帯状のものであってもよい。
【0028】
なお上記実施形態では、建築現場用のテントについて述べたが、本発明のテントはその他の工事現場や作業現場又はイベント会場用等の仮設テントとしても使用できる。またテント生地やネット類の素材はその状態に適合する限り自由に選択できるものである。
【0029】
【発明の効果】
この発明は以上のように構成されるので、以下のような作用効果を奏するものである。
ドーム部への空気等の注入によりドームシートが上面側に膨出して雨水を下方に導いて流出させるとともに、周縁シートは緩やかな外方向きの下降傾斜面又は水平面に近い面を保持するので、ドーム屋根より導かれた雨水は常に下方のシート面に沿ってテント周縁側にスムースに導かれて排出される。ドーム部に注入される気体は空気を利用できるので、低比重ガスのように高コストにならない。
【0030】
また上記テント構造によりテント中央が垂れ下がって窪むことによる雨水溜まり、雨水洩れ、さらにその水溜まりによるテントや仮設構造物への過大な負荷、その負荷によるテントや仮設構造物の損傷、崩落等の問題の発生が防止される。
【0031】
ドーム部のまわりに周縁シートを設けることにより、前述したようにドームまわりの上面に大きい水溜まりを形成することがなく、ドーム表面から流れ落ちる雨水を外周側に導いてスムースに排水させるとともに、ドーム底面に対して仮設構造物上部開放端の面積が広い場合も、この周縁シートによってテントの不足面積を補うことができ、仮設構造物の上部開放端面積の大小に対応できる利点がある。
【0032】
ドームネットはドーム周面下半部を覆ってその周縁側に固定することにより、球面形状等のドーム形状を適正に保持し、且つ気体注入によるドームシートへの過大な負荷をカバーし、補強する利点がある。
【0033】
またテント支持部材はテント上面の垂れ下がりと、水溜まりを防止し、このことから派生する諸問題の発生を防止する。
【0034】
さらにこの発明では足場等の仮設構造物にテントを張るだけで、テント張り用の支柱その他の構造物を必要としないので、労力及びコストの面での利点があり、逆に建設現場等でクレーンを使用する場合はテントを取り外すだけでクレーン使用空間が確保できる。
【0035】
そしてテント取り外し状態の保持は、低比重ガスを封入したバルーン等により簡単に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示す全体斜視図である。
【図2】本発明のテントの平面図である。
【図3】同じく本発明のテントの部分拡大断面図である。
【図4】テントを取り外して浮上保持した状態の説明図である。
【図5】他の実施例を示すテント張り状態の全体斜視図である。
【符号の説明】
2 作業スペース
3 足場(仮設構造物)
4 テント
6 ドーム部
6a ドームシート
6b 底部シート
6c 内部規制部材
7 周縁シート
8 気体注入口
9 送風機・ポンプ
12 シート連結具
13 テント支持ネット(テント支持部材)
14 ネット連結具
16 ドームネット
17 ネット取付具
Claims (7)
- 作業スペース(2)を囲う仮設構造物(3)の上部開口端側を覆うシートと、上記仮設構造物とシートを着脱自在に連結してシートを伸展保持せしめるシート連結具(12)とからなるテント(4)において、前記仮設構造物(3)に囲まれるシート上面に、内部に気体を注入することにより上方に膨出するドーム部(6)を設け、該ドーム部(6)が気体を注入することにより上方に膨出してドームを形成するドームシート(6a)と、該ドームシート(6)の下端を覆ってドーム内を密閉空間に形成する底部シート(6b)とから構成され、上記ドーム部(6)の周縁部にはテント(4)を仮設構造物(3)側に連結するシート連結部(12)を備えた周縁シート(7)を突出させて設けた作業現場用ドームテント。
- 仮設構造物(3)内に張設され、空気注入状態で張設されるテント(4)の底部シート(6b)又は底部シート(6b)と周縁シート(7)を上向きに支持するテント支持部材(13)を設けてなる請求項1の作業現場用ドームテント。
- ドーム部(6)の下部側周縁の所定高さ部分を覆うようにドーム部(6)に被せられてドーム部(6)の下半部の膨出を所定形状に規制するドームネット(16)と、該ドームネット(16)の下端周縁とドーム部(6)の下端側周縁位置とを着脱可能に連結固定するネット取付具(17)とを設けてなる請求項1又は2の作業現場用ドームテント。
- 仮設構造物(3)の上部開口空間を覆うように仮設構造物(3)に張設され、底部シート(6b)又は底部シート(6b)と周縁シート(7)を下面側より平坦面上で支持するテント支持部材(13)としてのテント支持ネット(13)と、該テント支持ネット(13)を仮設構造物(3)に着脱可能に連結するネット連結具(14)とを設けてなる請求項1,2又は3の作業現場用ドームテント。
- ドーム部(6)が周縁シート(7)の中央に設けられ、少なくともシートの中央部が球面状又はかまぼこ型に突出してドームを形成する請求項1,2,3又は4の作業現場用ドームテント。
- ドーム部(6)への気体注入時にドームシート(6a)が上方に膨出し底部シート(6b)が下方に膨出するのを抑制するように上下端がそれぞれドームシート(6a)と底部シート(6b)とに固着又は連結される内部規制部材(6c)を設けてなる請求項1,2,3,4又は5の作業現場用ドームテント。
- 仮設構造物(3)の上部に張設したテント(4)の一端のみを残して取り外した状態で、該取り外し端に連結され、低比重ガスを封入することによりテント(4)を連結取付側上方に浮上支持させるバルーン(18)を設けてなる請求項1,2,3,4,5又は6の作業現場用ドームテント。
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---|---|---|---|
JP2002228100A JP2004068376A (ja) | 2002-08-06 | 2002-08-06 | 作業現場用ドームテント |
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JP2002228100A JP2004068376A (ja) | 2002-08-06 | 2002-08-06 | 作業現場用ドームテント |
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JP (1) | JP2004068376A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007284943A (ja) * | 2006-04-14 | 2007-11-01 | Akio Kawashima | エアドームの固定構造 |
WO2022193308A1 (zh) * | 2021-03-19 | 2022-09-22 | 嘉善万盈金属结构有限公司 | 一种组合式户外宿营帐篷 |
-
2002
- 2002-08-06 JP JP2002228100A patent/JP2004068376A/ja active Pending
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