JP2004068104A - マイナスイオン発生体及びその製造方法 - Google Patents

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松尾 勇一郎
Takayasu Ikeda
池田 孝保
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Abstract

【課題】アルミニウム又はその合金を母材とする表面からマイナスイオンを発生させるマイナスイオン発生体及びその製造方法を提供する。
【解決手段】アルミニウム又はその合金から形成された母材12の表面に、陽極酸化被膜22と、陽極酸化被膜22にジルコニウム塩等の希元素溶液中から析出形成した希元素金属30と、から構成したマイナスイオン発生体。陽極酸化被膜22の多孔質層26内に希元素金属30が析出されるので、マイナスイオン発生面積が増大し、多量のマイナスイオンを発生させることができる。マイナスイオン発生体は、硫酸浴等にリチウム塩等の希元素金属塩を添加した電解液中にて母材を電解処理し、母材の表面に陽極酸化被膜を形成すると共に、この陽極酸化被膜に希元素金属を析出させることによって形成される。
【選択図】   図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、アルミニウム又はその合金を母材とする表面からマイナスイオンを発生(放出)させるマイナスイオン発生体及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、特に都会における日常生活の中で酸性雨や排気ガスなどによる空気中のプラスイオンが増大し、マイナスイオンが少なくなり、生活環境や人間を含む動植物に悪影響を及ぼしていると言われている。プラスイオンがマイナスイオンに比べ増大すると、酸化腐敗、体内異常、老化が進むといわれ、また動植物や水まで弱酸性化するようになる。そこで、不足しているマイナスイオンを作り出し、弱酸性化しているものを中性に還元していくのがマイナスイオン効果である。マイナスイオンは自然界では水分の多い森林や滝壺、海岸線などに多く発生しており、鎮静、リフレッシュ効果など癒し効果にも役立っている。
【0003】
一方、自然界においてマイナスイオンを発生するものとしてトルマリン、麦飯石、斑紋石等の原石が知られている。そしてこの原石を粉末にして樹脂でかためたマイナスイオンを発生する発生体が提案されている(例えば、特開2001−161414号公報、特開2001−295105号公報参照)。また、マイナスイオンを発生する繊維も提案されている(例えば、特開2001−2888679号公報参照)。さらに電気的な放電などを利用したマイナスイオンを発生するエアコンや空気清浄機も提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特開2001−161414号公報及び特開2001−295105号公報のマイナスイオン発生体は、元々マイナスイオンの発生量の少ない原石をそのまま粉末にして利用しているだけであるので、多量のマイナスイオンの発生が期待できない。また電気的な放電によりマイナスイオンを発生させるものは大型化且つ複雑化し、これによってコストも高くなるという問題がある。
【0005】
本発明は、アルミニウム又はその合金から形成された母材を用いて安価で、かつ多量のマイナスイオンを発生することができるマイナスイオン発生体を提供することである。
【0006】
本発明の他の目的は、アルミニウム又はその合金から形成された母材を用いてマイナスイオンを発生するマイナスイオン発生体を製造する製造方法を提供することである。
【0007】
本発明の更に他の目的は、簡単な表面処理でもって、母材に抗菌性、脱臭性を持たせることができるマイナスイオン発生体の製造方法を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明のマイナスイオン発生体は、アルミニウム又はその合金から形成された母材の表面に設けた陽極酸化被膜と、前記陽極酸化被膜にマイナスイオン発生金属塩を添加した溶液中から析出形成したマイナスイオン発生金属と、から構成したことを特徴とする。
【0009】
本発明に従えば、マイナスイオン発生金属塩の溶液中のマイナスイオン発生金属が母材の陽極酸化被膜に析出しているので、このマイナスイオン発生金属からマイナスイオンが発生(放出)する。陽極酸化被膜は多数の細孔を有するいわゆる多孔質層になっており、この多孔質層内にマイナスイオン発生金属が析出するので、マイナスイオンの発生面積が増大し、多量のマイナスイオンを発生させることができる。
【0010】
また、本発明のマイナスイオン発生体では、前記マイナスイオン発生金属は、ジルコニウム、パナジウム、リチウム、イットリウム、トリウム、ウラン、ラジウム及びラドンから選ばれた一つ又は複数の金属であることを特徴とする。
【0011】
本発明に従えば、マイナスイオン発生金属はジルコニウム、パナジウム、リチウム、イットリウム、トリウム、ウラン、ラジウム及びラドンから選ばれた一つ又は複数の金属であり、この一つ又は複数の金属が母材の陽極酸化被膜に析出され、析出した金属からマイナスイオンが発生(放出)する。
【0012】
また、本発明のマイナスイオン発生体の製造方法は、アルミニウム又はその合金から形成された母材を、硫酸浴、シュウ酸浴、リン酸浴又はこれらの二つ若しくは三つの混合浴中にマイナスイオン発生金属塩を添加した電解液中にて電解処理し、これによって前記母材の表面に陽極酸化被膜を形成すると共に、添加したマイナスイオン発生金属塩のマイナスイオン発生金属を前記陽極酸化被膜に析出させることを特徴とする。
【0013】
本発明に従えば、硫酸浴、シュウ酸浴、リン酸浴又はこれらの二つ若しくは三つの混合浴にて電解処理することによって、1回の電解処理でもって、アルミニウム又はその合金から形成された母材の表面に陽極酸化被膜を形成すると共に、マイナスイオンを発生するマイナスイオン発生金属を析出することができる。従って、マイナスイオン発生金属を析出させるための電解処理工程の簡略化及び短縮化を図り、またその処理コストの低減を図ることができる。
【0014】
また、本発明のマイナスイオン発生体の製造方法は、アルミニウム又はその合金の表面に陽極酸化皮膜を形成した母材を硫酸浴、シュウ酸浴、リン酸浴又はこれらの二つ若しくは三つの混合浴中に金属の硝酸塩として硝酸銀及び硝酸銅のいずれか一つ又は二つ、或いは金属の硫酸塩としての硫酸銀及び硫酸銅のいずれか一つ又は二つを添加すると共に、マイナスイオン発生金属塩を添加した電解液中にて電解処理し、これによって前記硝酸塩又は硫酸塩の金属と、前記マイナスイオン発生金属塩のマイナスイオン発生金属と、を前記陽極酸化被膜にそれぞれ析出させることを特徴とする。
【0015】
本発明に従えば、硫酸浴、シュウ酸、リン酸浴又はこれら二つ若しくは三つの混合浴中に金属の硝酸塩(硝酸銀及び/又は硝酸銅)又は金属の硫酸塩(硫酸銀及び/又は硫酸銅)を添加するとともに、マイナスイオン発生金属塩を添加して電解処理することによって、1回の電解処理でもって、母材の陽極酸化被膜に金属(銀及び/又は銅)とマイナスイオン発生金属を析出させることができる。陽極酸化被膜に析出したマイナスイオン発生金属からはマイナスイオンが発生し、マイナスイオン効果が得られるとともに、陽極酸化被膜に析出した金属(銀及び/又は銅)により抗菌性が保持される。尚、母材への陽極酸化皮膜の形成は常法により行うことができる。
【0016】
また、本発明のマイナスイオン発生体の製造方法は、アルミニウム又はその合金の表面に陽極酸化被膜を形成し、その後リン酸浴で電解処理して前記陽極酸化被膜の形態を変化させ、次いで硫酸浴、シュウ酸浴又はこれらの混合浴中にマイナスイオン発生金属塩を添加した電解液中にて電解処理し、これによって前記マイナスイオン発生金属塩のマイナスイオン発生金属を形態変化した前記陽極酸化被膜に析出させることを特徴とする。
【0017】
本発明に従えば、母材に陽極酸化被膜を形成した後にリン酸浴で電解処理するので、陽極酸化被膜の多孔質層の細孔の奥部が広がるようになる。そして、このようなリン酸浴による電解処理の後に、硫酸浴、シュウ酸浴又はこれらの混合浴中にマイナスイオン発生金属塩を添加して電解処理を行うので、陽極酸化被膜の多孔質層の広がった細孔の奥部にマイナスイオン発生金属が析出され、従って、細孔内に多くのマイナスイオン発生金属を析出させることができ、析出したマイナスイオン発生金属からより多くのマイナスイオンを発生させることができる。
【0018】
また、本発明のマイナスイオン発生体の製造方法は、アルミニウム又はその合金から形成された母材の表面の少なくとも一部に粒子状樹脂被膜を形成した後、硫酸浴、シュウ酸浴、リン酸浴又はこれらの二つ若しくは三つの混合浴中にマイナスイオン発生金属塩を添加した電解液中にて電解処理し、これによって前記母材の表面に陽極酸化被膜を形成すると共に、添加したマイナスイオン発生金属塩のマイナスイオン発生金属を前記陽極酸化被膜及び前記粒子状樹脂被膜に析出させることを特徴とする。
【0019】
本発明に従えば、母材の表面の少なくとも一部に粒子状樹脂被膜を形成した後に、硫酸浴、シュウ酸浴、リン酸浴又はこれらの二つ若しくは三つの混合浴中にマイナスイオン発生金属塩を添加して電解処理が行われ、このように電解処理することによって、1回の電解処理でもって母材の表面に陽極酸化被膜を形成することができるとともに、この陽極酸化被膜及び粒子状樹脂被膜にマイナスイオン発生金属塩のマイナスイオン発生金属を析出させることができる。
【0020】
また、本発明のマイナスイオン発生体の製造方法は、前記粒子状樹脂被膜が、フッ素樹脂被膜、フェノール樹脂被膜又はアクリル樹脂被膜であることを特徴とする。
【0021】
本発明に従えば、粒子状樹脂被膜がフッ素樹脂被膜、フェノール樹脂被膜又はアクリル樹脂被膜であるので、これら多孔質の樹脂被膜を通して母材の表面に陽極酸化被膜を形成することができるとともに、この陽極酸化被膜及び樹脂被膜にマイナスイオン発生金属を析出することができる。
【0022】
また、本発明のマイナスイオン発生体の製造方法は、アルミニウム又はその合金から形成された母材の表面の少なくとも一部に粒子状樹脂被膜を形成した後、前記母材の表面に陽極酸化被膜を形成し、その後硫酸浴、シュウ酸浴、リン酸浴又はこれらの二つ若しくは三つの混合浴中にマイナスイオン発生金属塩を添加した電解液中にて電解処理し、これによって添加したマイナスイオン発生金属塩のマイナスイオン発生金属を前記陽極酸化被膜及び前記粒子状樹脂被膜に析出させることを特徴とする。
【0023】
本発明に従えば、粒子状樹脂被膜が形成された母材に陽極酸化被膜を形成し、その後硫酸浴、シュウ酸浴、リン酸浴又はこれら二つ若しくは三つの混合浴中にマイナスイオン発生金属塩を添加して電解処理するので、2回の処理でもって、陽極酸化被膜及び粒子状樹脂被膜にマイナスイオン発生金属を析出させることができる。
【0024】
また、本発明のマイナスイオン発生体の製造方法では、前記マイナスイオン発生金属は、ジルコニウム、パナジウム、リチウム、イットリウム、トリウム、ウラン、ラジウム及びラドンから選ばれた一つ又は複数の金属であることを特徴とする。
【0025】
本発明に従えば、マイナスイオン発生金属はジルコニウム、パナジウム、リチウム、イットリウム、トリウム、ウラン、ラジウム及びラドンから選ばれた一つ又は複数の金属であり、この一つ又は複数の金属が母材の陽極酸化被膜に析出される。
【0026】
更に、本発明のマイナスイオン発生体の製造方法は、前記電解処理が、商用交流電流、交直重畳電流、マイナス波を流すPR電流又はマイナス波を流すパルス波電流の選ばれた一つ又は複数によって行なわれることを特徴とする。
【0027】
本発明に従えば、商用交流電流、交直重畳電流、マイナス波を有するPR電流、マイナス波を有するパルス波電流を用いて電解処理するので、マイナスイオン発生金属を所要の通りに析出させることができる。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、図1及び図2を参照して、本発明に従うマイナスイオン発生体の実施形態について説明する。図1は、本発明に従うマイナスイオン発生体の製造方法の実施例を実施するための処理装置の一例を簡略的に示す簡略図であり、図2は、図1の処理装置によって製造されたマイナスイオン発生体の一部を拡大するとともに簡略化して示す部分拡大断面図である。
【0029】
図1において、図示の処理装置は、直方体状の電解槽2を備え、この電解槽2内の両側部に電極4、6が配設されている。この形態では、電極4、6は、長手方向(図1において左右方向)に間隔をおいて配設された4個のプレート状電極8、10から構成され、これらプレート状電極8、10がカーボンから形成されている。電極4、6は電気的に並列に配置され、一方の電極4の4個のプレート状電極8は電気的に直列に接続され、他方の電極6の4個のプレート状電極10は電気的に直列に接続されている。
【0030】
一対の電極4、6の間に、マイナスイオンを発生するための表面処理(以下、単に「表面処理」という)すべき母材12、14が配設される。一方の母材12は電極4に対向してその内側に配設され、他方の母材14は電極6に対向してその内側に配設される。母材12、14は、例えばプレート状部材から構成され、かかる母材12、14はアルミニウム又はアルミニウム合金から形成される。この処理装置は、アルミニウム又はその合金から形成された母材12、14に後述する如くして表面処理を行う。
【0031】
この電解槽2内には、表面処理するための電解液が充填され、処理すべき母材12、14はこの電解液中に浸漬される。電解液としては、硫酸浴、シュウ酸浴、リン酸浴又はこれら二つ若しくは三つの混合浴が用いられる。また、このような浴にマイナスイオン発生金属塩が添加される。マイナスイオン発生金属は、単にマイナスイオンを発生させる金属と、マイナスイオンを発生させるとともに放射性を有する放射性金属とを含み、単なるマイナスイオン発生金属として、例えばジルコニウム、パナジウム、リチウム及びイットリウムがあり、放射性マイナスイオン発生金属として、例えばトリウム、ウラン、ラジウム及びラドンがある。これらマイナスイオン発生金属の塩の一種又は複数種が電解液に添加され、例えば2〜10g/リットルの割合で電解液に加えられる。マイナスイオン発生金属塩の添加量が2g/リットルより少なくなると、表面処理を行ったときのマイナスイオン発生金属の析出量が少なくなり、またマイナスイオン発生金属塩の添加量が10g/リットルを超えると、表面処理を行ったときに陽極酸化被膜にピット(孔食)が発生して被膜欠陥が発生し易くなる。
【0032】
母材12、14に表面処理を施す際、母材12、14に交直重畳波形の電流、即ち交流電流と直流のプラス側電流とを重畳させた電流が加えられ、このような電流を加えて母材12、14に電解処理を施す。この形態では、直流電源16のプラス側がリアクタ18に電気的に接続され、またこの直流電源16のマイナス側が電極4、6(プレート状電極8、10)に電気的に接続される。更に、交流電源20がリアクタ18に電気的に接続され、リアクタ18は直流電源16のプラス側の電流を交流電源20からの交流電流に重畳し、重畳した交直重畳電流を処理すべき母材12、14に送給する。
【0033】
表面処理時には、電流密度が例えば1〜10A/dmの範囲になるように選定され、この電流密度が設定所定時間継続して通電される。電流密度が10A/dmを超えると、表面処理によって形成される陽極酸化被膜にヤケ等の変色が発生し易く、また母材12,14とこれを保持する治具との接触部に放電による損傷が発生し易くなる。一方、電流密度が1A/dmより小さくなると、電解液中を流れる電流が小さく、表面処理の処理効率が悪くなる。
【0034】
この表面処理時、電解液の浴の温度は例えば−10〜25℃の範囲になるように選定される。電解液の浴の温度が25℃を超えると、母材12、14の表面に生成される陽極酸化被膜が軟質化し、場合によっては平坦な被膜が得られなくなる。一方、電解液の浴の温度が−10℃より低くなると、表面処理の処理効率が悪くなり、処理コストが増大する。
【0035】
上述した処理装置でもって母材12、14に表面処理を施すと、母材12、14の表面は図2に示す通りに形成される。図2を参照して、アルミニウム又はその合金から形成された母材12(14)の表面に陽極酸化被膜22(所謂アルマイト被膜)が形成される。この陽極酸化被膜22は、母材12の表面に形成されるバリヤ層24と、このバリヤ層24の表面に形成される多孔質層26とから構成され、バリヤ層24の厚さは約0.01〜0.1μm程度に、また多孔質層26の厚さは約10〜200μm程度に形成される。
上述した表面処理方法で処理すると、多孔質層26に多数存在する細孔28内にマイナスイオン発生金属塩のマイナスイオン発生金属、例えば、ジルコニウム塩を添加したときにはジルコニウム、例えばパナジウム塩を添加したときにはパナジウム、例えばリチウム塩を添加したときにはリチウム、例えばイットリウム塩を添加したときにはイットリウム、例えばトリウム塩を添加したときにはトリウムが析出し、これら細孔28の底部にマイナスイオン発生金属30が形成される。マイナスイオン発生金属としてはジルコニウム、パナジウム、リチウム、イットリウム、トリウム、ウラン、ラジウム及びラドンであり、これらマイナスイオン発生金属の塩の1種又は複数種を添加することができ、このように添加することによって、多孔質層26の細孔28内にマイナスイオン発生金属塩のマイナスイオン発生金属が析出する。そして、かくマイナスイオン発生金属が析出するので、母材12(14)にマイナスイオン発生機能が付与され、マイナスイオンが放出される。また、母材12(14)の表面に陽極酸化被膜22が形成されるので、母材12(14)の表面の硬度が大きくなり、耐摩耗性も向上し、特に硬質の陽極酸化被膜22を形成するようにすることによって、充分な耐摩耗性、高硬度を持たせることができる。
【0036】
尚、上述した実施形態では、表面処理する際に交直重畳波形の電流を加えて電解処理しているが、交直重畳波形の電流に代えて、マイナス波を流すPR電流又はマイナス波を流すパルス波電流を加えるようにしてもよく、上述したと同様に、1回の電解処理でもって所定の電解処理を行い、母材12、14の表面に陽極酸化被膜22を形成するとともに、形成した陽極酸化被膜22にマイナスイオン発生金属を析出させることができる。
【0037】
上述した例では、アルミニウム又はその合金から形成された母材12、14に陽極酸化被膜22を形成するのに適用して説明したが、これに限定されず、アルミニウム又はその合金製の母材の表面に粒子状樹脂被膜、例えばフッ素樹脂被膜を形成し、この粒子状樹脂被膜を有する母材に陽極酸化被膜を形成するとともに、形成した陽極酸化被膜にマイナスイオン発生金属を析出させるのにも適用することができる。
【0038】
上述した処理装置を用いて上述したと同様にして表面処理を施す、即ち上述した電解液に粒子状樹脂被膜としてのフッ素樹脂被膜を有する母材を浸漬し、この浸漬状態にて上述したと同様の電流を加えると、粒子状被膜を有する母材は、図3に示すように形成される。粒子状樹脂被膜40を有する母材32では、母材32の表面に陽極酸化被膜34が形成され、この陽極酸化被膜34は母材32の表面のバリア層36と、バリア層36の表面の多孔質層38から構成される。この場合、母材32の表面にフッ素樹脂被膜40が存在するので、母材32の表面に作用する電解液の量が少なく、母材32の表面に形成される陽極酸化被膜34の膜厚は薄く、例えば2〜4μm程度となり、かかる2〜4μmの被膜にバリア層36及び多孔質層38が含まれる。
【0039】
このように処理すると、陽極酸化被膜34の表面側の多孔質層38に多数存在する細孔42内にマイナスイオン発生金属塩のマイナスイオン発生金属(ジルコニウム、パナジウム、リチウム、イットリウム、トリウム、ウラン、ラジウム及びラドンの1つ又は複数の金属)が析出し、加えて、フッ素樹脂被膜40にもかかるマイナスイオン発生金属が析出し、この析出は陽極酸化被膜34からフッ素樹脂被膜40の表面に向けて進行する。フッ素樹脂被膜40は、図3に示すように、微細な球状粒子の集合であり、その樹脂被膜40の内部には相互に連通する空隙が存在しており、電解処理するための電解液は、これら空隙を通して母材32の表面に作用する。そして、このことに関連して、母材32表面に形成される陽極酸化被膜34の膜厚は薄くなるとともに、電解液中のマイナスイオン発生金属はフッ素樹脂被膜40の空隙を通して陽極酸化被膜34の多孔質層38の細孔42に析出するとともに、フッ素樹脂被膜40の空隙にも析出する。
【0040】
このようにフッ素樹脂被膜40を有していても母材32の表面に陽極酸化被膜34が形成されるので、その母材32の表面の硬度を高めて耐摩耗性を付与することができるとともに、生成された陽極酸化被膜34及びフッ素樹脂被膜40にマイナスイオン発生金属44が析出するので、母材32にマイナスイオン効果を持たせ、マイナスイオンを放出させることができる。
【0041】
上述した実施形態では、母材32の表面にフッ素樹脂被膜40を設けたものに適用して説明したが、これに限定されず、フェノール樹脂被膜又はアクリル樹脂被膜等の粒子状樹脂被膜(樹脂被膜層に連続した空隙を有するもの)を有する母材にも同様に適用することができ、このような場合でも、粒子状樹脂被膜を有する母材に電解処理を施すことによって、母材の表面に陽極酸化被膜を形成するとともに、この形成した陽極酸化被膜、また、その表面を覆う粒子状樹脂被膜にマイナスイオン発生金属を析出させることができる。
【0042】
また、上述した例では、一回の電解処理でもって粒子状樹脂被膜を有する母材の表面に陽極酸化被膜を形成すると同時に、この陽極酸化被膜にマイナスイオン発生金属を析出させているが、陽極酸化被膜の形成と、マイナスイオン発生金属の析出とを別の工程で行うようにしてもよい。この場合、粒子状樹脂被膜を形成した母材を硫酸浴、シュウ酸浴、リン酸浴又はこれら二つ若しくは三つの混合浴に浸漬して陽極酸化処理を施し、その後、マイナスイオン発生金属塩(例えばジルコニウム塩、パナジウム塩、リチウム塩、イットリウム塩、トリウム塩など)を添加した電解液でもって電解処理すればよく、このようにしても同様の陽極酸化被膜の形成、この陽極酸化被膜へのマイナスイオン発生金属の析出を行うことができる。尚、この場合、電解処理の電流としては種々の電流、例えば商用交流電流、交直重畳電流、マイナス波を流すPR電流又はマイナス波を流すパルス波電流等の電流を加えることによって所定の電解処理を行うことができる。
【0043】
また、上述した製造方法に代えて、アルミニウム又はその合金から形成された母材の表面に、周知の常法手段により陽極酸化皮膜を形成し、その後マイナスイオン発生金属塩を添加した電解液でもって電解処理してマイナスイオン発生金属を析出させるようにしてもよい。
【0044】
更に、アルミニウム又はその合金の表面に陽極酸化被膜を形成した後に、リン酸浴に浸漬させて電解処理を施し、その後マイナスイオン発生金属の析出処理を行うようにしてもよい。アルミニウム又はその合金に常法により陽極酸化被膜55を形成すると、図4(A)に示すように、母材52の表面に、バリア層53と多孔質層54からなる陽極酸化被膜55が例えば約20μmの厚さに形成される。次に、このようにして陽極酸化被膜55が形成された母材52を、例えばリン酸50g/リットルの電解液にて電解処理を行うと、図4(B)で示すように、陽極酸化被膜55の多孔質層54の各細孔56にて、その奥部が周囲に広くなった広域部57が形成される。リン酸浴による電解処理の後に上述したマイナスイオン発生金属の析出処理を行うと、多孔質層54の各細孔56の広域部57にマイナスイオン発生金属(ジルコニウム、パナジウム、リチウム、イットリウム、トリウム、ウランラジウム及びラドンの1つ又は複数のマイナスイオン発生金属)が析出されるので、その析出量が多くなり、これによって、マイナスイオンの放出を多くすることができる。
【0045】
上述した実施形態では、いずれも、母材表面の陽極酸化被膜(加えて粒子状樹脂被膜)にマイナスイオン発生金属を析出させているが、このマイナスイオン発生金属に加えて銀及び/又は銅を析出させて抗菌性を持たせるようにしてもよい。この場合、母材の表面に陽極酸化被膜を形成し、その後、硫酸浴、シュウ酸浴、リン酸浴又はこれら二つ若しくは三つの混合浴中に硝酸塩として硝酸銀及び/又は硝酸銅を添加するとともに、上述したマイナスイオン発生金属塩(ジルコニウム塩、パナジウム塩、リチウム塩、イットリウム塩などの1つまたは複数のマイナスイオン発生金属塩)を添加して上述したと同様にして電解処理を行えばよく、このように電解処理することによって、添加した金属塩の金属(銀及び又は銅)と、添加したマイナスイオン発生金属塩のマイナスイオン発生金属(ジルコニウム、パナジウム、リチウム、イットリウム、トリウム、ウラン、ラジウム及びラドンの1つまたは複数のマイナスイオン発生金属)とを陽極酸化被膜に析出させることができる。尚、硝酸塩に代えて硫酸塩、即ち硫酸銀及び/又は硫酸銅を添加するようにしてもよく、このようにしても銀及び/又は銅を析出させて抗菌性を持たせることができる。
【0046】
尚、ジリコニウム塩、パナジュウム塩、イットリウム塩等のマイナスイオン発生金属塩の溶液は、硫酸等の強酸浴100ミリリットルにジリコン石、イットリア石、ゼノタイム、コルンブ石等の原石約20g(粒状または粉状)を溶解させて作製することができる。
【0047】
〔実施例及び比較例〕
実施例1
実施例1として、図1に示す処理装置を用い、硫酸250g/リットルの硫酸浴に硝酸ジルコニウム溶液5g/リットルを添加した電解液を用いて電解処理を行った。母材としてアルミニウム(材質:A5052)製プレート(縦100mm×横50mm×厚さ1mm)を用い、このプレートを陽極(プラス)側とし、カーボン電極を陰極(マイナス)側とした。電解処理時の電解温度は5℃であり、電解中の交流と直流の電流比率を1:1とした交直重畳の電流を加え、その電流密度は2A/dmであった。電解処理を30分行い、その電解処理後の被膜厚さは20μmであった。
【0048】
このように電解処理した後、母材表面に形成された陽極酸化被膜からのマイナスイオン放出量(マイナスイオンの個数は一立方センチメートル中における放出量である)を、マイナスイオン測定器(株式会社エコホリスティク社製:品番EB−12A使用)を用いて測定した。
【0049】
実施例2
実施例2として、図1に示す処理装置を用い、母材としてアルミニウム(材質:A1050)製プレート(縦100mm×横50mm×厚さ1mm)を用い、常法により陽極酸化被膜10μmを形成し、その後、硫酸100g/リットルの電解浴に酢酸ジルコニウム2g/リットルを添加した電解液を用いて電解処理を行った。処理するプレートとカーボン電極間に交流電流を印加した。そのときの電流密度は1.0A/dm2で、電解処理時の電解液の温度は20℃であった。また、この電解処理を上述した条件で15分行った。そして、この電解処理後に、母材の表面に形成された陽極酸化被膜からのマイナスイオン放出量を実施例1と同じ測定器を用いて測定した。
【0050】
実施例3
実施例3として、図1に示す処理装置を用い、母材として実施例3と同様のものを用い、この母材に常法により陽極酸化被膜20μmを形成し、その後、リン酸50g/リットルの電解浴にて、アルミニウムプレートを陽極側にし、カーボン電極を陰極側として電解処理を行った。電解処理時の電解液の温度は25℃であり、電解処理中、直流電流を印加し、その電流密度は1.5A/dmであり、上述した条件で電解処理を10分行った。更にその後、硫酸100g/リットルの硫酸浴に硝酸ジルコニウム溶液10g/リットルを添加した電解液を用いて電解処理を行った。そして、母材の表面に形成された陽極酸化被膜からのマイナスイオン放出量を実施例1と同じ測定器を用いて測定した。
【0051】
実施例4
実施例4として、図1に示す処理装置を用い、硫酸塩としての硫酸銀を2g/リットルとオキシ塩化ジルコニウム10g/リットルを添加した電解液を用いて電解処理を行った。母材としては実施例1と同様のものを用い、実施例1と同じ条件でもって電解処理を行った。電解処理後の母材に形成された陽極酸化被膜は20μmであった。この処理後、陽極酸化被膜から放出されるマイナスイオン放出量を実施例1と同じ測定器を用いて測定した。
【0052】
実施例5
実施例5として、図1に示す処理装置を用い、母材としては実施例1と同様のものを用い、この母材に常法により陽極酸化被膜10μmを形成し、その後硫酸10g/リットルの液に硝酸銀5g/リットルとオキシ塩化ジリコニウム溶液10g/リットルを添加した電解液を用いて電解処理を行った。電解処理時の電解液の温度は25℃であり、電解処理中、プレートとカーボン電極に交流電流を印加した。その電流密度は1.0A/dmであり、上述した条件で電解処理を10分行った。そして、上述した処理後に、母材表面の陽極酸化被膜から放出されるマイナスイオン放出量を実施例1と同じ測定器を用いて測定した。
【0053】
実施例6
実施例6として、図1に示す処理装置を用い、母材としてアルミニウム(材質:A1050)製プレート(縦100mm×横50mm×厚さ1mm)を用い、この母材に常法により陽極酸化被膜20μmを形成し、その後、リン酸50g/リットルの電解浴にて、プレートを陽極側にし、カーボン電極を陰極側として電解処理を行った。電解処理時の電解液の温度は25℃であり、電解処理中、直流電流を印加し、その電流密度は1.5A/dmであり、上述した条件で電解処理を10分行った。更にその後、硫酸50g/リットルの硫酸浴に硝酸銀5g/リットルと硝酸ジルコニル溶液10g/リットルを添加した電解液を用いて電解処理を行った。 そして、母材に形成された陽極酸化被膜からのマイナスイオン放出量を実施例1と同じ測定器を用いて測定した。
【0054】
実施例7
実施例7として、アルミニウム(A5052)製プレートの一部にフッ素樹脂被膜を形成し、このフッ素樹脂被膜を有するプレートを図1に示す処理装置を用い、実施例4と同じ条件でもって電解処理を施し、その表面(フッ素樹脂被膜が存在しない部分)に陽極酸化被膜を30μm形成した。このように作成したプレートでは、アルミニウム部分(フッ素樹脂被膜が存在しない部分)の表面は黄金色を呈し、これは生成された陽極酸化被膜に銀が析出していることを示しているのに対し、フッ素樹脂被膜部分は、電解処理を施したが無色で外観上変化は見られなかった。この実施例7でも、母材からのマイナスイオン放出量を実施例1と同じ測定器を用いて測定した。
【0055】
これら実施例1〜7の測定結果は、表1に示す通りであった。この表1に示すように、実施例1〜6では、5000〜6500IONS/cmと多量のマイナスイオンが放出されていることが確認でき、また実施例7では、3500IONS/cmのマイナスイオンが放出されていることが確認できた。
【0056】
【表1】
Figure 2004068104
比較例1
比較例1として、図1に示す処理装置を用い、硫酸150g/リットルの硫酸浴(金属の硝酸塩及び硫酸塩の双方と希元素金属塩とを含んでいない)を電解液として電解処理を行った。母材としてアルミニウム(材質:A5052)製プレート(縦100mm×横50mm×厚さ1mm)を用い、このプレートを陽極側とし、カーボン電極を陰極とした。電解温度は5℃であり、電解処理中は、交流と直流の電流比率を1:1とした交直重畳の電流を加え、その電流密度は2.5A/dmであり、上述した条件で電解処理を30分行った。そして、母材に形成された陽極酸化被膜からのマイナスイオン放出量を実施例1と同じ測定器を用いて測定した。
【0057】
比較例2
比較例2として、比較例1と同じ母材を用い、比較例1と同じ条件で陽極酸化被膜を形成し、更に硫酸100g/リットルの電解浴(希元素金属塩と金属塩の硝酸塩及び硫酸塩の双方とを含んでいない))にて、このプレ−ト(母材)とカーボン電極とに交流電流を加えた。この電解処理は、実施例3と同じ条件で行った。そして、母材に形成された陽極酸化被膜からのマイナスイオン放出量を実施例1と同じ測定器を用いて測定した。
【0058】
比較例3
比較例3として、常法により、実施例4と同じ条件で母材に陽極酸化被膜を形成し、その後、リン酸のみの電解浴で直流電流を流して電解処理し、更にその後、硫酸50g/リットルの電解浴(希元素金属塩と、金属塩の硝酸塩及び硫酸塩の双方とを含んでいない)にて、このプレ−ト(母材)とカーボン電極とに交流の電流を加えた。電解処理は実施例3と同じ条件で行った。そして、母材に形成された陽極酸化被膜からのマイナスイオン放出量を実施例1と同じ測定器を用いて測定した。
【0059】
比較例1〜3の測定結果も、実施例1〜7との対比を容易にするために、上記表1に示す。表1に示すように、比較例1〜3では、母材の表面の陽極酸化被膜からのマイナスイオン放出量は全て0(ゼロ)であり、マイナスイオンの放出が確認できなかった。
【0060】
【発明の効果】
本発明の請求項1のマイナスイオン発生体によれば、マイナスイオン発生金属が母材の陽極酸化被膜に析出しているので、このマイナスイオン発生金属からマイナスイオンが発生(放出)される。また、陽極酸化被膜は多孔質層になっており、この多孔質層内にマイナスイオン発生金属が析出するので、マイナスイオン発生面積が増大し、多量のマイナスイオンを発生させることができる。
【0061】
また、本発明の請求項2のマイナスイオン発生体によれば、母材の陽極酸化被膜に、マイナスイオン発生金属としてのジルコニウム、パナジウム、リチウム、イットリウム、トリウム、ウラン、ラジウム及びラドンの一つ又は複数を析出させることができ、かく析出したマイナスイオン放出金属からマイナスイオンを放出させることができる。
【0062】
また、本発明の請求項3のマイナスイオン発生体の製造方法によれば、1回の電解処理でもって、アルミニウム又はその合金から形成された母材の表面に陽極酸化被膜を形成すると共に、マイナスイオン発生金属を析出することができる。従って、マイナスイオン発生金属を析出させるための電解処理工程の簡略化及び短縮化を図り、またその処理コストの低減を図ることができる。
【0063】
また、本発明の請求項4のマイナスイオン発生体の製造方法によれば、所定の浴中に金属の硝酸塩又は硫酸塩を添加するとともに、所定のマイナスイオン発生金属塩を添加して電解処理することによって、1回の電解処理でもって、母材の陽極酸化被膜に金属とマイナスイオン発生金属をそれぞれ析出させることができる。そして、マイナスイオン発生金属からはマイナスイオンが発生し、マイナスイオン効果が得られるとともに、析出した金属(銀及び/又は銅)により抗菌性が得られる。
【0064】
また、本発明の請求項5のマイナスイオン発生体の製造方法によれば、母材に陽極酸化被膜を形成した後にリン酸浴で電解処理するので、陽極酸化被膜の多孔質層の細孔の奥部が広がるようになる。そして、このようなリン酸浴による電解処理の後に、所定の浴中にマイナスイオン発生金属塩を添加して電解処理を行うので、陽極酸化被膜の多孔質層の広がった細孔の奥部にマイナスイオン発生金属が析出され、従って、細孔内に多くのマイナスイオン発生金属を析出させることができ、析出したマイナスイオン発生金属からより多くのマイナスイオンを発生させることができる。
【0065】
また、本発明の請求項6のマイナスイオン発生体の製造方法によれば、母材の表面の少なくとも一部に粒子状樹脂被膜を形成した後に、所定の浴中にマイナスイオン発生金属塩を添加して電解処理を行うので、1回の電解処理でもって母材の表面に陽極酸化被膜を形成することができるとともに、この陽極酸化被膜及び粒子状樹脂被膜にマイナスイオン発生金属塩のマイナスイオン発生金属を析出させることができる。
【0066】
また、本発明の請求項7のマイナスイオン発生体の製造方法によれば、粒子状樹脂被膜がフッ素樹脂被膜、フェノール樹脂被膜又はアクリル樹脂被膜であるので、これら多孔質の樹脂被膜を通して母材の表面に陽極酸化被膜を形成することができるとともに、この陽極酸化被膜及び樹脂被膜にマイナスイオン発生金属を析出することができる。
【0067】
また、本発明の請求項8のマイナスイオン発生体の製造方法によれば、粒子状樹脂被膜が形成された母材に陽極酸化被膜を形成し、その後硫酸浴、シュウ酸浴、リン酸浴又はこれら二つ若しくは三つの混合浴中にマイナスイオン発生金属塩を添加して電解処理するので、2回の処理でもって、陽極酸化被膜及び粒子状樹脂被膜にマイナスイオン発生金属を析出させることができる。
【0068】
また、本発明の請求項9のマイナスイオン発生体の製造方法によれば、マイナスイオン発生金属としてジルコニウム、パナジウム、リチウム、イットリウム、トリウム、ウラン、ラジウム及びラドンの一つ又は複数を析出させることができる。
【0069】
更に、本発明の請求項10のマイナスイオン発生体の製造方法によれば、商用交流電流、交直重畳電流、マイナス波を流すPR電流、マイナス波を流すパルス波電流を用いて電解処理するので、マイナスイオン発生金属を所要の通りに析出させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従うマイナスイオン発生体及びその製造方法の実施例を実施するための処理装置の一例を簡略的に示す簡略図である。
【図2】図1の処理装置によって処理した母材の一部を拡大するとともに簡略化して示す部分拡大断面図である。
【図3】図1の処理装置によって処理した他の母材の一部を拡大するとともに簡略化して示す部分拡大断面図である。
【図4】図4(a)は、リン酸浴による電解処理前の状態を、また図4(b)はリン酸浴による電解処理後の状態を拡大し且つ簡略化して示す部分拡大断面図である。
【符号の説明】
2 電解槽
4,6 電極
12,14,32,52 母材
16 直流電源
18 交流電源
22,34,55 陽極酸化被膜
24,36,53 バリア層
26,38,56 多孔質層
28,42,56 細孔
30,44 析出マイナスイオン発生金属
57 広域部

Claims (10)

  1. アルミニウム又はその合金から形成された母材の表面に設けた陽極酸化被膜と、前記陽極酸化被膜にマイナスイオン発生金属塩を添加した溶液中から析出形成したマイナスイオン発生金属と、から構成したことを特徴とするマイナスイオン発生体。
  2. 前記マイナスイオン発生金属は、ジルコニウム、パナジウム、リチウム、イットリウム、トリウム、ウラン、ラジウム及びラドンから選ばれた一つ又は複数の金属であることを特徴とする請求項1に記載のマイナスイオン発生体。
  3. アルミニウム又はその合金から形成された母材を、硫酸浴、シュウ酸浴、リン酸浴又はこれらの二つ若しくは三つの混合浴中にマイナスイオン発生金属塩を添加した電解液中にて電解処理し、これによって前記母材の表面に陽極酸化被膜を形成すると共に、添加したマイナスイオン発生金属塩のマイナスイオン発生金属を前記陽極酸化被膜に析出させることを特徴とするマイナスイオン発生体の製造方法。
  4. アルミニウム又はその合金の表面に陽極酸化皮膜を形成した母材を硫酸浴、シュウ酸浴、リン酸浴又はこれらの二つ若しくは三つの混合浴中に金属の硝酸塩として硝酸銀及び硝酸銅のいずれか一つ又は二つ、或いは金属の硫酸塩としての硫酸銀及び硫酸銅のいずれか一つ又は二つを添加すると共に、マイナスイオン発生金属塩を添加した電解液中にて電解処理し、これによって前記硝酸塩又は硫酸塩の金属と、前記マイナスイオン発生金属塩のマイナスイオン発生金属と、を前記陽極酸化被膜にそれぞれ析出させることを特徴とするマイナスイオン発生体の製造方法。
  5. アルミニウム又はその合金の表面に陽極酸化被膜を形成し、その後リン酸浴で電解処理して前記陽極酸化被膜の形態を変化させ、次いで硫酸浴、シュウ酸浴又はこれらの混合浴中にマイナスイオン発生金属塩を添加した電解液中にて電解処理し、これによって前記マイナスイオン発生金属塩のマイナスイオン発生金属を形態変化した前記陽極酸化被膜に析出させることを特徴とするマイナスイオン発生体の製造方法。
  6. アルミニウム又はその合金から形成された母材の表面の少なくとも一部に粒子状樹脂被膜を形成した後、硫酸浴、シュウ酸浴、リン酸浴又はこれらの二つ若しくは三つの混合浴中にマイナスイオン発生金属塩を添加した電解液中にて電解処理し、これによって前記母材の表面に陽極酸化被膜を形成すると共に、添加したマイナスイオン発生金属塩のマイナスイオン発生金属を前記陽極酸化被膜及び前記粒子状樹脂被膜に析出させることを特徴とするマイナスイオン発生体の製造方法。
  7. 前記粒子状樹脂被膜が、フッ素樹脂被膜、フェノール樹脂被膜又はアクリル樹脂被膜であることを特徴とする請求項6記載のマイナスイオン発生体の製造方法。
  8. アルミニウム又はその合金から形成された母材の表面の少なくとも一部に粒子状樹脂被膜を形成した後、前記母材の表面に陽極酸化被膜を形成し、その後硫酸浴、シュウ酸浴、リン酸浴又はこれらの二つ若しくは三つの混合浴中にマイナスイオン発生金属塩を添加した電解液中にて電解処理し、これによって添加したマイナスイオン発生金属塩のマイナスイオン発生金属を前記陽極酸化被膜及び前記粒子状樹脂被膜に析出させることを特徴とするマイナスイオン発生体の製造方法。
  9. 前記マイナスイオン発生金属は、ジルコニウム、パナジウム、リチウム、イットリウム、トリウム、ウラン、ラジウム及びラドンから選ばれた一つ又は複数の金属であることを特徴とする請求項3〜6及び8のいずれかに記載のマイナスイオン発生体の製造方法。
  10. 前記電解処理が、商用交流電流、交直重畳電流、マイナス波を流すPR電流及びマイナス波を流すパルス波電流から選ばれた一つ又は複数によって行なわれることを特徴とする請求項3〜6及び8のいずれかに記載のマイナスイオン発生体の製造方法。
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