JP2004067236A - コンクリート部材の支承構造及び地下タンク - Google Patents

コンクリート部材の支承構造及び地下タンク Download PDF

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Abstract

【課題】経済的で現場施工が可能な、コンクリート部材の支承構造を提供すること。
【解決手段】側壁13と底版15との接合部113において、側壁13の表面に鋼板3を、底版15の表面に鋼板5を設ける。また、鋼板3と鋼板5との間隙に、これらの鋼板より一回り小さいテフロン(登録商標)板7、テフロン(登録商標)板9を互いに接触するように設ける。さらに、鋼板3と鋼板5との外周をコーキング11する。テフロン(登録商標)板7、テフロン(登録商標)板9の鋼板3、鋼板5との接触面は、摩擦力に、側壁13と鋼板3、底版15と鋼板5>鋼板3とテフロン(登録商標)板7、鋼板5とテフロン(登録商標)板9>テフロン(登録商標)板7とテフロン(登録商標)板9という関係が成り立つように目荒らしされる。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、2つのコンクリート部材を接合する支承構造及び地下タンクに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、地下タンクの側壁と底版の接合部では、水平方向には相対変形が自由で、鉛直方向には相対変形を生じないヒンジ結合とするのが一般的である。図3は、従来の地下タンク101の全体構造を示す断面図である。地下タンク101は、地盤103の内部に、連続地中壁105を設けた後、内部を掘削し、側壁107、底版109を設け、上部を屋根111で覆って形成される。側壁107と底版109の接合部113は、ヒンジ結合115で接合される。
【0003】
図4は、従来多く用いられたヒンジ結合115の断面図である。側壁107と底版109の間の間隙に、表面にテフロン(登録商標)コーティング121を施した鋼板117と、テフロン(登録商標)コーティング123を施した鋼板119とが、お互いのテフロン(登録商標)コーティング面が合うように設置される。鋼板117と鋼板119の裏面には複数のスタッドボルト125、スタッドボルト126が溶接127され、このスタッドボルト125、スタッドボルト126は、側壁107、底版109に埋めこまれる。スタッドボルト125、スタッドボルト126は、鋼板117と側壁107、鋼板119と底版109とのスタッドジベルとして機能する。
【0004】
テフロン(登録商標)同士の摩擦係数が非常に小さく、水平方向の滑りに対して抵抗力を生じないため、ヒンジ結合115は、テフロン(登録商標)コーティング121とテフロン(登録商標)コーティング123の間で、水平方向129に自由に変形する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、鋼板117、鋼板119へのテフロン(登録商標)コーティング121、テフロン(登録商標)コーティング123は工場作業であるため、高価である。また、スタッドボルト125、スタッドボルト126の溶接127を行う際の熱歪みにより上下の鋼板間に隙間ができると、テフロン(登録商標)コーティング面の接触が困難となるため、熱歪みを除去する必要がある。
【0006】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、経済的で現場施工が可能な、コンクリート部材の支承構造を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前述した目的を達成するための第1の発明は、2つのコンクリート部材をヒンジ接合する支承構造であって、前記2つのコンクリート部材の間隙に設置された2枚の鋼板と、前記2枚の鋼板の間隙に設置された、前記鋼板より摩擦抵抗の少ない素材の2枚のプレートとを具備し、前記2枚のプレートの接触面が水平方向に自由に変位することを特徴とする支承構造である。
【0008】
第1の発明では、接合する2つの部材の間に2枚の鋼板を設け、さらにその間に鋼板より摩擦抵抗の少ない素材の2枚のプレートとして、例えばテフロン(登録商標)等のフッ素樹脂製のプレートを設ける。なお、2枚のテフロン(登録商標)板と2枚の鋼板との接触面の摩擦抵抗は、2枚のプレート同士の接触面の摩擦抵抗より大きくなるようにする。この支承構造に水平方向の力が働いた場合、接合する部材と鋼板の接触面や、鋼板とテフロン(登録商標)板の接触面で生じる摩擦力に比べ、テフロン(登録商標)板同士の接触面で生じる摩擦力(摩擦抵抗)は非常に小さいため、テフロン(登録商標)板同士の接触面で水平方向の変位が生じる。
【0009】
第2の発明は、第1の発明の支承構造を地下タンクの底版と側壁との間に設けることを特徴とする地下タンクである。
第2の発明では、地下タンクの底版と側壁との接合に、第1の発明の支承構造を使用する。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて、本発明の実施の形態を地下タンクを例にして詳細に説明する。図1は、支承構造1の平面図、図2は支承構造1の断面図である。図1および図2に示すように、支承構造1は、鋼板3、鋼板5、テフロン(登録商標)板7、テフロン(登録商標)板9、コーキング11で構成され、コンクリート部材である側壁13と底版15の間隙に設置される。
この支承構造1は、図3に示す接合部113の位置に設けられ、側壁13、底版15は、それぞれ側壁107、底版109に相当する。
【0011】
側壁13の表面には鋼板3が、底版15の表面には鋼板5が設けられる。鋼板3と鋼板5との間隙には、これらの鋼板より一回り小さいテフロン(登録商標)板7およびテフロン(登録商標)板9が設けられ、テフロン(登録商標)板の外側17は目荒らしされている。テフロン(登録商標)板7とテフロン(登録商標)板9とは互いに接触しており、テフロン(登録商標)板の接触面19は滑らかである。さらに、テフロン(登録商標)板7とテフロン(登録商標)板9とを囲い込むように、鋼板3と鋼板5との外周がコーキング材でコーキング11される。
【0012】
支承構造1に水平方向の力が働いた場合、鋼板3と側壁13、鋼板5と底版15の接触面には大きな摩擦力が生じる。また、テフロン(登録商標)板の外側17が目荒らしされているため、テフロン(登録商標)板7と鋼板3、テフロン(登録商標)板9と鋼板5の接触面にも中程度の摩擦力が生じる。しかし、テフロン(登録商標)同士の摩擦係数は非常に小さいため、テフロン(登録商標)板の接触面19ではほとんど摩擦力が生じない。すなわち、本発明の支承構造において、摩擦力には、コンクリート部材(側壁、底版)と鋼板>鋼板とテフロン(登録商標)板>テフロン(登録商標)板同士という関係が生じる。その結果、テフロン(登録商標)板の接触面19で水平方向21の変位が生じる。
【0013】
このように、本実施の形態によれば、素材の接触面での摩擦力を利用するため、鋼板3と鋼板5にアンカーボルトを取付けなくてよい。また、テフロン(登録商標)板7と鋼板3およびテフロン(登録商標)板9と鋼板5の貼り付けも不要である。そのため、現場で施工ができ、材料費、工事費が非常に安価になる。
【0014】
なお、支承構造1は、地下タンクにおける側壁13と底版15の接合部以外にも使用できる。また、鋼板およびテフロン(登録商標)板は矩形でなくてもよい。またテフロン(登録商標)板の代わりに、例えば摩擦係数の小さい他のフッ素樹脂等のプレートを用いてもよい。さらに、テフロン(登録商標)板の外側17は、目荒らしに限定されるものではなく、他の方法で中程度の摩擦力が生じるようにする(摩擦力に、コンクリート部材(側壁、底版)と鋼板>鋼板とテフロン(登録商標)板>テフロン(登録商標)板同士という関係が成り立つようにする)場合もある。
【0015】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、本発明によれば、経済的で現場施工が可能な、コンクリート部材の支承構造を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】支承構造1の平面図
【図2】支承構造1の断面図
【図3】従来の地下タンク101の全体構造を示す断面図
【図4】従来多く用いられたヒンジ結合115の断面図
【符号の説明】
1………支承構造
3………鋼板
5………鋼板
7………テフロン(登録商標)板
9………テフロン(登録商標)板
11………コーキング
17………テフロン(登録商標)板の外側
19………テフロン(登録商標)板の接触面
101………地下タンク
107………側壁
109………底版
115………ヒンジ結合

Claims (5)

  1. 2つのコンクリート部材をヒンジ接合する支承構造であって、
    前記2つのコンクリート部材の間隙に設置された2枚の鋼板と、
    前記2枚の鋼板の間隙に設置された、前記鋼板より摩擦抵抗の少ない素材の2枚のプレートと、
    を具備し、
    前記2枚のプレートの接触面が水平方向に自由に変位することを特徴とする支承構造。
  2. 前記2枚のプレートは、前記2枚の鋼板と接触する面の摩擦抵抗が前記2枚のプレートの接触面の摩擦抵抗より大きいことを特徴とする請求項1記載の支承構造。
  3. 前記プレートはフッ素樹脂製であることを特徴とする請求項1または請求項2記載の支承構造。
  4. 前記2枚の鋼板の外周に沿って、前記2枚の鋼板の間隙にコーキングを施すことを特徴とする請求項1記載の支承構造。
  5. 請求項1から請求項4のいずれかに記載された支承構造を地下タンクの底版と側壁との間に設けることを特徴とする地下タンク。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2019019604A (ja) * 2017-07-20 2019-02-07 株式会社竹中工務店 仕上げ材付き成形板

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