JP2004067235A - 複合容器の製造方法及び複合容器 - Google Patents

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Hiroshi Kawasaki
河▲崎▼ 浩志
Katsuo Tsurusawa
鶴澤 勝男
Kimihiro Ono
小野 公裕
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Abstract

【課題】外装繊維構造容器の内面に沿ってプラスチックシートを延伸させつつ成形する際に、プラスチックシートの局部的な薄肉化によりピンホールが発生するのを防止する。
【解決手段】外装繊維構造容器2を成形型Mのキャビティに入れ、次いで、外装繊維構造容器2の上方に、加熱したプラスチックシート3を張設し、これをプラグ35を用いて外装繊維構造容器2の中に押し下げて延伸させつつ真空引きすることにより、プラスチックシート3を外装繊維構造容器2の内面に沿った形状に成形する。プラグ35が外装繊維構造容器2の開口から下降ストローク端までのストローク距離は、外装繊維構造容器2の高さ寸法に対して約0.60〜約0.90である。
【選択図】   図4

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、典型的には紙からなる外側容器の内側にプラスチックシートを接着した複合容器の製造方法及び複合容器に関する。
【0002】
【従来の技術】
環境問題や省資源化という社会的な関心に応じるために、特開2001−270511号公報は、耐熱水性などの機能性を付加した複合容器に関する発明を提案している。この新規の複合容器は、典型的には紙からなる外装容器の内側に、プラスチックシート又はプラスチック成形体を接着した構造を有する。
【0003】
この複合容器によれば、レトルト食品を製造する過程で行う熱水処理、つまり容器を熱水殺菌する処理や、レトルト食品を食べる前に容器ごと熱水で加熱する行為に耐えることができることから、この耐熱水性複合容器は、レトルト食品の包装材料として好適であるとして、その実用化が急がれている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、典型的には紙容器の内側に極力薄いプラスチックシートを成形しつつ接着させることにより複合容器を製造する複合容器の製造方法を提供するものであり、このプラスチックシートを延伸させつつ成形する際に、プラスチックシートの局部的な薄肉化によりピンホールが発生するのを防止することのできる複合容器の製造方法及び複合容器を提供することにある。
【0005】
本発明の他の目的は、内側に薄いプラスチックシートを成形しつつ接着した比較的深い複合容器を製造するのに適した複合容器の製造方法及び複合容器を提供することにある。
【0006】
本発明の更なる目的は、レトルト食品の包装に適した複合容器を製造するのに適した複合容器及びその製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
かかる技術的課題は、本発明の一つの観点によれば、
外装繊維構造容器の内面にプラスチックシートを接着した複合容器の製造方法であって、
前記外装繊維構造容器を成形型のキャビティに入れる第1工程と、
前記外装繊維構造容器の上方に、加熱したプラスチックシートを張設し、これをプラグを用いて前記外装繊維構造容器の中に押し下げて延伸させつつ真空引きすることにより前記プラスチックシートを前記外装繊維構造容器の内面に沿った形状に成形し且つ該外装繊維構造容器の内面に接着させる第2工程とを含み、
前記外装繊維構造容器の開口から下降ストローク端まで前記プラグのストローク距離が、前記外装繊維構造容器の高さ寸法に対して約0.60〜約0.90であることを特徴とする複合容器の製造方法を提供することにより達成される。
【0008】
上記の技術的課題は、本発明の他の観点によれば、
底と側壁とを備えた有底の外装繊維構造容器の内面の全面にプラスチックシートを延伸させて成形しつつ接着させてなる複合容器であって、
前記プラスチックシートの成形前の厚みが、約200μm〜約250μmであり、
前記プラスチックシートの成形延伸率が約160%〜約210%であり、
前記外装繊維構造容器の内面に接着された成形後のプラスチックシートの厚みの最小値が、最大値の約50%以上の値を有することを特徴とする複合容器を提供することにより達成される。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明を適用するのに、好ましい実施の形態として、外装繊維構造容器の材料としては、100%バージンパルプを材料とした紙、100%再生紙、再生紙とバージンパルプとを材料とした紙、NBKPやLBKPを材料とした紙、木材パルプ以外のケナフ、バンブーなどの植物繊維材料からなる紙、クレーコート処理した紙などを例示的に挙げることができる。また、これらの紙材料に、湿潤時の紙力増強剤や耐水化剤、撥水剤を含浸させた加工紙であってもよい。また、外装繊維構造容器の材料として、上述した紙材料の抄紙段階あるいは抄紙後に、剛性、耐水性、耐熱水性を付与できる樹脂を含浸させる二次加工を施した紙であってもよく、例えば、ラミネート用接着剤の硬化剤を約5%程度含浸させることによりパルプと樹脂との結合組織(構造式:R−NCO、ここにRは樹脂)を含む含浸紙を採用するのが耐熱水性を確保する上で好ましい。
【0010】
また、外装繊維構造容器は、例えば一枚のボードを折り込み、糊代を糊付けすることにより容器の形状に成形したものであってもよく、或いは、金型を用いて容器の形状に成形したものであってもよい。
【0011】
典型的には紙からなる外装繊維構造容器に含浸することのできる樹脂、つまり乾燥強度や耐水性、湿潤強度を付与できる樹脂としては、ポリビニルアルコール樹脂、ポリアクリルアミド、でんぷん等を挙げることができ、また、湿潤時の紙力増強剤としては、尿素ホルムアルデヒド樹脂、メラミンホルムアルデヒド樹脂、でんぷん、ポリアミドアミン、そのエピクロルヒドリン変性体、各種ラテックスを挙げることができる。ここに、各種ラテックスとしては、天然ゴムラテックス、SBR、NBR、ポリクロロプレンなどの剛性ゴムラテックス、ポリ酢酸ビニル、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、これらの共重合体の樹脂ラテックスなどを例示することができる。
【0012】
外装繊維構造容器に耐熱水性を付与するのに適した樹脂として、シラン系樹脂、メラミン系樹脂、ウレタン系樹脂、イソシアネート系樹脂などの熱硬化性樹脂を例示することができるが、この他に、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂などの熱可塑性樹脂なども、要求耐熱水温度によっては選択可能である。
【0013】
外装繊維構造容器としては、紙の片面又は両面に樹脂層をラミネートしたものであってもよい。容器の形状の繊維構造物の外側の面に例えばポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂をラミネートしたものであってもよく、また、これに代えて又はこれに加えて、容器の内側の面に、ポリエチレンやポリプロピレンのようなポリオレフィン系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、エチレン−ビニルアルコール共重合体のようなバリア性樹脂の単体又はこれらの樹脂を組み合わせた複合シートをラミネートしたものであってもよい。
【0014】
外装繊維構造容器の内側に貼着するプラスチックシートの材料としては、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂などのポリオレフィン系樹脂、環状オレフィン樹脂の他に、ポリエチレンテレフタート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂などのポリエステル系樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂などを挙げることができる。また、これらの成形可能な樹脂と、ポリアミド樹脂やエチレン−ビニルアルコール共重合体のようなバリア性樹脂との積層構造を含む材料であってもよい。このような積層構造のプラスチック材料を用いることにより、酸素バリア性、水蒸気バリア性、保香性を付与することができる。
【0015】
外装繊維構造容器の内側にプラスチックシートを成形しつつ貼着するのに、従来から既知の真空引きプラグアシスト成形法を採用するのがよい。また、必要に応じて、圧空成形プラグアシスト成型法を付加してもよい。これにより、プラスチックシート材料はプラグで押し下げられて延伸し、真空引きにより外装繊維構造容器の内面に密着した状態になる。
【0016】
外装繊維構造容器の深さを実質的に意味するプラスチックシートの成形延伸率は、約160%〜約210%、より好ましくは、約180%〜約210%であるのがよい。約210%を超えた延伸率では、ピンホールの発生を抑えるのが難しくなる。
【0017】
また、プラスチックシートは、成形前の厚みが約200μm〜約250μm、より好ましくは約225μm〜約250μmであるのがピンホールの発生を抑えるのに好ましい。このような成形延伸率やプラスチックシート材料を厚みを選択的に設定することにより、比較的深い約30mm〜約40mmの深さを有する外装繊維構造容器の内面に沿って延伸させつつ成形したとしても、ピンホールの発生を効果的に防止することができる。なお、約30mmを超える深さを有する容器であれば、肉や野菜などの比較的大きな固形物を含む食品を収容することが可能になる。また、このような成形延伸率及びプラスチックシート材料の厚みを選択的に設定した場合、側壁における該プラスチックシートの成形後の厚みは、約90μm〜約200μmとなり、特に、側壁下端における該プラスチックシートの成形後の厚みは、約100μm〜約130μmとなる。
【0018】
外装繊維構造容器として、最も好適には、矩形の底と該底の各側縁から起立する側壁とを有する打ち抜き材料を折り込むことにより作られた容器であるのがよい。このような打ち抜き材料を折り込むことにより作られる外装繊維構造容器を採用したときには、容器の底の4つの角に必然的にできる隙間を通じて真空引きを行うことができる。また、真空引きによるプラスチックシートの成形を確実にするのに必要で有れば、外装繊維構造容器の底の角隅部に小孔を形成するようにしてもよい。
【0019】
外装繊維構造容器の厚みは、特に制限するものではないが、レトルト食品用の複合容器であれば、実用的な観点から、約200g/m〜約350g/m、より好ましくは、約200g/m〜約300g/mであるのがよい。
【0020】
プラスチックシートを延伸させるのに使用するプラグは、プラスチックシートからの吸熱を調整して、当該プラグと当接するプラスチックシートの部位が適度に延伸するようにするのが好ましい。具体的には、略矩形の底を備えた外装繊維構造容器に関して、この底の角隅部に対応するプラグの隆起部の表面に吸熱調整材を設けるのがよい。この吸熱調整材は、より好ましくは、プラグからのプラスチックシートの剥離性を向上することのできる機能を更に含むのがよい。このような吸熱調整材として適した材料としては、ネルや不織布などの繊維構造物を挙げることができる。ネルや不織布でプラグの隆起部を覆うことにより、この隆起部と当接するプラスチックシートの部位からの吸熱の程度を調整することができ、また、プラスチックシートを真空引きする際のプラグの隆起部からのプラスチックシートの剥離性を向上することができる。
【0021】
【実施例】
添付の図面を参照して本発明の好ましい実施例を以下に詳しく説明する。
【0022】
図1は、実施例の複合容器を示す。図示の複合容器1はレトルト食品の包装材として好適に適用される。複合容器1は、外側に位置する有底の外装繊維構造容器2と、その内側面の全域に接着された内装プラスチックシート3とからなり、内装プラスチックシート3は四層構造のシート材料から作られている。
【0023】
外装繊維構造容器2は、パルプにラミネート用接着剤の硬化剤を約5%含浸させてパルプと樹脂を結合させた、構造式R−NCOで表される耐熱水性含浸紙から作られている。この外装繊維構造容器2は、約290g/mの厚みを有する。
【0024】
内装プラスチックシート3の材料は、最も外側に位置する接着性樹脂層7、その内側にポリプロピレン樹脂からなる外側樹脂層4、最も内側に位置して食品と接することになる内側樹脂層5(ポリプロピレン樹脂)と、これら内外の樹脂層4と5との間に挟まれた中間樹脂層6との四層構造を有し、中間層6は、ガスバリア性樹脂(具体的には「EVOH」(登録商標))で構成されている。
【0025】
内装プラスチックシート3の材料は、接着性樹脂層7として、外側樹脂層4の外側面に予め塗布された接着剤で構成してもよい。接着性樹脂層7は、比較的高温の融点、例えば130℃以上の融点を有するマレイン酸変性ポリプロピレンなどの樹脂で構成するのがよい。
【0026】
外装繊維構造容器2は、図2に示す打ち抜き含浸紙材料10を折り込んで、フラップ11及び後に説明する側壁14の端部を糊付けすることのより作られる。すなわち、打ち抜き含浸紙材料10は、矩形の平らな底13の各側縁から独立した各側壁14を含む片が延びており、この片によって各側壁14が形成される。含浸紙材料10は、フラップ11が外装容器2の内面に露出するようにして折り込むことにより、図3に示す外装繊維構造容器2が作られる。
【0027】
この外装容器2は、図3から理解できるように、矩形の底13の各側縁から斜め外方に起立する傾斜側壁14とを有する。外装容器2は、また、側壁14の上端縁から外方に向けて広がる水平フランジ15を有し、この水平フランジ15は全周に亘って延びている。
【0028】
すなわち、外装繊維構造容器2は、矩形の底13から徐々に拡開する傾斜側壁14によって広口の矩形の開口16を有し、また、側壁14の上端には、外方に広がる水平の全周フランジ15を有する。ちなみに、外装繊維構造構造容器2は、寸法は次のとおりである。
【0029】
底13:横90mm×縦60mm;
深さ :約33mm(側壁14の縦寸法:35mm)
フランジ15の幅:13mm
【0030】
外装繊維構造容器2は、打ち抜き含浸紙材料10を折り込むことにより作られていることから、底13の4つの角には、隣接する側壁14、14間に隙間が必然的にでき、この隙間を利用して、後に説明する真空引きが可能であるが、この真空引きの作用を確実なものにする必要が有れば、底13の4つの角隅部の各々に小孔18を設けるようにしてもよい。
【0031】
複合容器1は、そのフランジ15に、一枚の矩形の蓋体20を接着することにより密封される。蓋体20は、図3に示すように、フランジ15の外縁で規定される矩形とほぼ同じ大きさの矩形の形状を有する。蓋体20は、図示を省略したが、上側(外側)に含浸紙層を有し、下側(内側)に二層構造のプラスチックシート(アルミナ蒸着ポリエチレンテレフタレート樹脂/ポリプロピレン樹脂)を有し、これらは比較的高温の融点を有する接着層で互いに結合されている。
【0032】
複合容器1及び/又は蓋体20は、その外側に位置する含浸紙の表面に商標などを印刷して、その上にニスを塗布するようにしてもよいし(図1参照)、又は、蓋体20で密封した複合容器1を、商標などを印刷したシュリンクシートで覆うようにしてもよい。
【0033】
複合容器1の製造方法を図4を参照して説明すると、打ち抜き含浸紙材料10を上下に積み重ねた含浸紙スタックから一枚ずつ取り出して、これを組み立てて外装繊維構造容器2を作り、この容器2を成形型Mのキャビティに装着する。
【0034】
成形型Mは、キャビティの底の角部、つまり外装繊維構造容器2の底13の4つの角隅部、つまり底13の4つの角及び/又は小孔18にほぼ対向する部位に開口する透孔30を有する。外装繊維構造容器2を成形型Mに装着した後、ロール31に巻回されているプラスチックシート3を引っ張り出して加熱し、この加熱されたプラスチックシート3を一定の張力をかけた状態で容器2の上に位置決めし、この状態で、プラグアシスト真空成形法に従い、プラグ35で押し下げてシート3を延伸させると共に、成形型Mの透孔30を通じて真空引きを行う。
【0035】
この真空引きにより、プラスチックシート3は、外装容器2の内面に密着した状態となるまで成形される。変形例として、この真空成形に加えて、加圧エアでプラスチックシート3を加圧する(例えばプラグ35から加圧エアを吐出させる)圧空成形を行うようにしてもよい。
【0036】
プラグ35の押し下げストローク距離、つまり外装容器2の開口から下降ストローク端までの距離は、容器2の高さ寸法を「1」とすると、約0.60〜約0.90であるのがよく、好ましは0.65〜0.90、最も好ましくは0,70〜0.86であるのがよい。
【0037】
これにより、プラスチックシート3はほぼ均一の肉厚を保ちながら延伸され、外装繊維構造容器2の内面及びフランジ15に沿った形状に成形されつつ、高融点接着性樹脂層7によって外装容器2の内面に結合されて一体化する。そして、次の工程で、カッタ32により、プラスチックシート3が切断され、供給ロール31から切り離されて、複合容器1の製造が完了し、この複合容器1は、成形型Mから取り出される。このようにして製造した複合容器1は、プラスチックシート3の材料が、外装容器2の内表面の全面積まで拡張する成形延伸率は約200%であった。
【0038】
プラグアシスト真空成形法により、プラスチックシート3を成形しつつ外装繊維構造容器2の内面に接着させることから、容器2の底13の角隅部に対応するプラスチックシート3の部位の薄肉化によって、当該部位にピンホールなどの不都合が発生するのを防止することができる。
【0039】
ちなみに、プラグ35は、図5から理解できるように、4つの隆起部36を有し、各隆起部36は、外装繊維構造容器2の底13の4つの角隅部に対応して配置されている。プラグ35は、テフロン(登録商標)材料から作られており、その表面は、ネルからなる吸熱調整材(図示せず)で覆われている。この吸熱調整材は、プラグ35の表面全域に設けてもよいが、隆起部36だけに設けるようにしてもよい。
【0040】
このような吸熱調整材付きプラグ35を用いることにより、プラグ35によりプラスチックシート3を押し下げてシート3を延伸させた後に、真空引きによりシート3を成形する際に、シート3がプラグ35から容易に離脱することができる。つまり、プラグ35の吸熱調整材によってプラスチックシート3の剥離性を良好なものにすることができる。
【0041】
また、吸熱調整材付きプラグ35により、プラスチックシート3を押し下げてシート3を延伸させるときに、プラグ35が当接するシート3の部位から熱を吸収して、当該部位を必要以上に冷やしてしまい、プラグ35が当接する部位及びその隣接領域の延伸が適度に行われない現象の発生を防止することができる。これにより、プラグ35の隆起部36が当接する部位、つまり外装容器2の底13の4つの角隅部に対応するプラスチックシート3の部位の必要以上の延伸を抑えつつプラスチックシート3を全体的に延伸させることにより、複合容器1の内装プラスチックシート3の層の厚みを均一化することができる。当業者であれば容易に分かるように、このような作用効果を実現するために、プラグ35の表面に貼着する吸熱調整材つまり繊維構造物の素材、その厚み、貼着する部位や大きさなどは、実施の段階で最適なものを選択すればよい。
【0042】
上記の手法を用いて製造した複合容器1の各部位A〜E(図1参照)のプラスチックシート3の層の厚みを測定した結果は、次のとおりであった。
【0043】
(1)外装容器2の内面に突出して位置するフラップ11に対応する部位A:119μm以上
(2)短尺の傾斜側壁14に対応する部位B:120μm以上
(3)底13の中央部分に対応する部位C:158μm以上
(4)長尺の傾斜側壁14に対応する部位D:112μm以上
(5)底13の角に対応する部位E:119μm以上
【0044】
上記の結果から、成形後のプラスチックシート3の最小値(112μm)が、最大値(158μm)の約70%以上の厚みに収まっていることが分かるであろう。なお、ここでは、フランジ15の厚みを除外して延伸部分だけに注目して約70%の数値を計算してある。
【0045】
以上の結果から、成形後のプラスチックシート3の局部的な極端な薄肉化が防止されていることが理解できるであろう。なお、成型後のプラスチックシート3の厚みの最小値は、フランジ15の部分を除いた最大値の約50%以上、より好ましくは約60%以上、最も好ましくは約70%以上の厚みに収まっているのがよい。ここに、外装容器2の内面の全域に貼着されたプラスチックシート3の成形延伸率、つまりプラスチックシート3の材料が外装容器2の内面の面積まで拡張される率は約200%であった。
【0046】
複合容器1をレトルト食品の包装用に使用する場合、例えば複合容器1の中に、例えば肉や野菜などの固形物を含む食品を充填し、この食品入り複合容器1を蓋20で密封した後、レトルト殺菌処理を施すことにより、複合容器入りレトルト食品を製造することができる。
【0047】
複合容器1は、上述のように、プラスチックシートの成形延伸率が約160%〜約210%である場合、つまり成形延伸率が比較的高い場合において、成形前の厚みが約200μm〜約250μmであるプラスチックシートを選択することにより、側壁14における該プラスチックシートの成形後の厚みが約90μm〜約200μm(特に、側壁14の下端における該プラスチックシートの成形後の厚みが約100μm〜約130μm)となり、これにより、レトルト殺菌処理によって、フランジ15及び/又は蓋20の反り返り又はしわが発生するのを効果的に防止することができ、また、容器1の側壁14が外方に向けて膨出してしまう、いわゆる「容器の胴膨れ」現象を効果的に抑えることができる。
【0048】
ちなみに、上述のように、プラスチックシートの成形延伸率が比較的高い場合において、仮に、成形前の厚みが250μmよりも厚いプラスチックシートを使用すると、レトルト殺菌処理の際の熱水を外装繊維構造容器2が吸収して軟化したときに、延伸したプラスチックシートが収縮し、これにより、フランジ15及び/又は蓋20の反り又はしわが発生し、また、「容器の胴膨れ」現象が発生し易くなる。これに対して、250μm以下の厚みのプラスチックシートを使用することで、このような問題の発生を極力抑えることが可能になる。
【0049】
以上、本発明の好ましい実施例を説明したが、外装繊維構造容器2として打ち抜き材料を折り込むことにより外装容器2を作る代わりに、繊維構造の材料を成形することにより外装容器2を作るようにしてもよい。また、外装容器2は、上述した角ばった底13ではなくて、丸まったコーナ部分を有する形状を有していてもよい。このような丸まったコーナ部分を含む外装繊維構造容器2の場合には、その角隅部に小孔18を設け、この小孔18を通じて、上述した真空引きを行うようにするのがよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の複合容器の構造を説明するための図である。
【図2】実施例の複合容器の外装含浸紙容器を作るために用意される打ち抜き材料の平面図である。
【図3】打ち抜き材料を折り込むことにより作られた外装含浸紙容器と、複合容器の蓋体の材料とを説明するための図である。
【図4】実施例の複合容器の製造プロセスの概要を説明するための図である。
【図5】実施例の複合容器を製造するときに使用するプラグの斜視図である。
【符号の説明】
1  複合容器
2  内装含浸紙容器
3  プラスチックシート
7  接着層
13  内装含浸紙容器の底
14  内装含浸紙容器の側壁
15  水平フランジ
18  小孔
20  蓋体
35  プラグ
36  プラグの隆起部
M  成形型

Claims (13)

  1. 外装繊維構造容器の内面にプラスチックシートを接着した複合容器の製造方法であって、
    前記外装繊維構造容器を成形型のキャビティに入れる第1工程と、
    前記外装繊維構造容器の上方に、加熱したプラスチックシートを張設し、これをプラグを用いて前記外装繊維構造容器の中に押し下げて延伸させつつ真空引きすることにより前記プラスチックシートを前記外装繊維構造容器の内面に沿った形状に成形し且つ該外装繊維構造容器の内面に接着させる第2工程とを含み、
    前記外装繊維構造容器の開口から下降ストローク端まで前記プラグのストローク距離が、前記外装繊維構造容器の高さ寸法に対して約0.60〜約0.90であることを特徴とする複合容器の製造方法。
  2. 前記プラスチックシートの成形延伸率が約160%〜約210%である、請求項1に記載の複合容器の製造方法。
  3. 前記プラスチックシートの成形前の厚みが約200μm〜約250μmである、請求項1又は2に記載の複合容器の製造方法。
  4. 前記外装繊維構造容器が約30mm〜約40mmの深さを有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の複合容器の製造方法。
  5. 前記外装繊維構造容器が略矩形の底を有し、該底の角隅部分に前記第2工程の真空引き用の小孔が形成されている、請求項1〜4のいずれか一項に記載の複合容器の製造方法。
  6. 前記外装繊維構造容器が、矩形の底と該底の各側縁から起立する側壁とを有する打ち抜き材料を折り込むことにより作られ、
    前記第2工程の真空引きが、前記外装繊維構造容器の底の4つの角の隙間を通じて行われる、請求項1〜4のいずれか一項に記載の複合容器の製造方法。
  7. 前記外装繊維構造容器の厚みが約200g/m〜約350g/mである、請求項1〜6のいずれか一項に記載の複合容器の製造方法。
  8. 前記第2工程で、真空引きによるプラスチックシートの成形に加えて、プラスチックシートを加圧エアで圧空成形を行う、請求項1〜7のいずれか一項に記載の複合容器の製造方法。
  9. 前記第2工程で、前記プラスチックシートを、前記プラグで前記外装繊維構造容器の底の角隅部に対応する部位だけ冷却しつつ押し下げる、請求項1〜8のいずれか一項に記載の複合容器の製造方法。
  10. 前記プラグが、前記外装繊維構造容器の底の角隅部に対応する隆起部を備え、該隆起部の表面に吸熱調整材が設けられている、請求項5又は6に記載の複合容器の製造方法。
  11. 底と側壁とを備えた有底の外装繊維構造容器の内面の全面にプラスチックシートを延伸させて成形しつつ接着させてなる複合容器であって、
    前記プラスチックシートの成形前の厚みが、約200μm〜約250μmであり、
    前記プラスチックシートの成形延伸率が約160%〜約210%であり、
    前記外装繊維構造容器の内面に接着された成形後のプラスチックシートの厚みの最小値が、最大値の約50%以上の値を有することを特徴とする複合容器。
  12. 底と側壁とを備えた有底の外装繊維構造容器の内面の全面にプラスチックシートを延伸させて成形しつつ接着させてなる複合容器であって、
    前記プラスチックシートの成形延伸率が約160%〜約210%であり、
    前記側壁における前記プラスチックシートの成形後の厚みが約90μm〜約200μmであることを特徴とする複合容器。
  13. 前記複合容器がレトルト食品用である、請求項11又は12に記載の複合容器。
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