JP2004066816A - 印刷版の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】平版印刷に適した印刷版の製造方法を提供する。
【解決手段】少なくとも1層の親水性層を表面に有する支持体を含む印刷版の基体上に親油性画像を形成することを含んでなる印刷版の製造方法であって、前記支持体の表面に、アニオン性親油化試薬の水性溶液または水性コロイド分散物をインクジェット印刷し、そして乾燥の際に前記溶液または前記分散物が適用された表面の領域が、平版印刷インク受容性となるように、前記適用した溶液または分散物を乾燥することによって、前記親油性画像を形成し、前記親水性層が架橋カチオン性ポリマーを含むことを特徴とする印刷版の製造方法。
【選択図】 なし
【解決手段】少なくとも1層の親水性層を表面に有する支持体を含む印刷版の基体上に親油性画像を形成することを含んでなる印刷版の製造方法であって、前記支持体の表面に、アニオン性親油化試薬の水性溶液または水性コロイド分散物をインクジェット印刷し、そして乾燥の際に前記溶液または前記分散物が適用された表面の領域が、平版印刷インク受容性となるように、前記適用した溶液または分散物を乾燥することによって、前記親油性画像を形成し、前記親水性層が架橋カチオン性ポリマーを含むことを特徴とする印刷版の製造方法。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、平版印刷に適した印刷版の製造方法および印刷版の基体に関する。
【0002】
【従来の技術】
オフセット平版印刷に適当な印刷版は公知であり、親水性の非画像領域および疎水性でインク受容性の画像領域を有する支持体を含む。
【0003】
平版印刷の技術は、油と水の非混和性に基づき、油性材料またはインクが画像領域により優先的に保持され、水またはファウンテン溶液が非画像領域により優先的に保持される。適当に製造された表面が水で湿らされ、次いでインクが適用されると、背景または非画像領域は水を保持してインクをはじき、一方、画像領域はインクを受け入れて水をはじく。次に、画像領域上のインクは、画像が再生されるべき材料、例えば紙もしくは布の表面に移される。
【0004】
一般にインクはブランケットと呼ばれる中間材料に移され、これは今度は、画像が再生されるべき材料の表面にインクを移す。
インクジェット法は、デジタル信号に応答した、インク滴の基体へ付着によって画像を生じる非衝撃的方法である。
【0005】
特開昭53−015,905号公報は、有機溶媒中のアルコール可溶性樹脂をアルミニウムの印刷版上にインクジェットすることによる印刷版の製造を記載する。
特開昭56−105,960号公報は、支持体、例えば陽極酸化処理したアルミニウム版上に、親油性の画像を形成することができ、硬化物質例えば過酸化ベンゾイルと共にエポキシ大豆油、または光硬化物質例えば不飽和ポリエステルを含むことができるインクをインクジェットすることによる印刷版の形成を記載する。
【0006】
欧州特許出願公開EP−A−0,882,584号明細書は、疎水性の有機酸、例えばオレイン酸の水性溶液もしくは塩の水性溶液を用いて、画像を表面上にインクジェット印刷することによって親油性画像を支持体表面上に生成することを含む印刷版の製造方法を記載する。
【0007】
米国特許第6,131,514号明細書は、水可溶化基を有するポリマーの水性溶液もしくは水性コロイド分散物を用いて、画像を表面上にインクジェット印刷することによって親油性画像を支持体の表面上に生成することを含み、水可溶化基が支持体の表面と相互作用し、それによってポリマーを支持体に結合し、ポリマーを不溶性にする印刷版の製造方法を記載する。
【0008】
【特許文献1】
特開昭53−015905号公報
【特許文献2】
特開昭56−105960号公報
【特許文献3】
欧州特許出願公開0882584号明細書
【特許文献4】
米国特許第5,217,813号明細書
【特許文献5】
米国特許第6,131,514号明細書
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
インクジェット印刷は、コンピュータのデジタル情報から直接印刷版を製造する迅速で簡単な方法を提供し、これは、コンピュータ−印刷版システムで通常使用されるより簡単で非常に安価な装置を使用し、熱効果プレートセッター(thermal effect platesetter)の場合には高出力レーザーを使用するか、または可視光プレートセッターの場合には湿式現像工程と一緒に低出力レーザーを使用する。
【0010】
インクジェットのライティング流体は、環境および健康の理由のために、また、適度に揮発性の有機溶媒に生じる場合がある噴射時の過剰の蒸発および乾きを避けるために、水性であるのが好ましい。
【0011】
しかし、砂目立てして、陽極酸化処理したアルミニウムを印刷版基体として用いるとき、インクジェットによって親油性試薬の水溶液を適用する印刷版を製造する既知の方法は単に良好な結果を与えるだけであり、いくつかの用途ではアルミニウムより安価で、軽量で、インクジェットプリンタ内の搬送が容易なポリエステルフィルムまたは紙基体のような基体を用いることが望ましい。
【0012】
また、砂目立てして、陽極酸化処理したアルミニウムを印刷版基体として用いるとき、アルミにム基体を本発明にしたがって親水性層で被覆すると、いくつかの親油性試薬が印刷時に改良された性能を示すこともわかった。
【0013】
【課題を解決しようとする手段】
本発明は、少なくとも1層の親水性層を表面に有する支持体を含む印刷版の基体上に親油性画像を形成することを含んでなる印刷版の製造方法であって、前記支持体の表面に、アニオン性親油化試薬の水性溶液または水性コロイド分散物をインクジェット印刷し、そして乾燥の際に前記溶液または前記分散物が適用された表面の領域が、平版印刷インク受容性となるように、前記適用した溶液または分散物を乾燥することによって、前記親油性画像を形成し、前記親水性層が架橋カチオン性ポリマーを含むことを特徴とする印刷版の製造方法を提供する。
【0014】
本発明は、また、少なくとも1層の親水性層を表面に有する支持体を含む印刷版用の基体であって、前記親水性層が架橋カチオン性ポリマーを含む基体も提供する。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明の前記基体用の支持体は、平版印刷機上の印刷版としての使用に好適な厚みと機械特性とを有する任意の材料となることができる。好適な支持体には、金属およびポリマー、および紙系支持体、例えば、シートもしくは箔が含まれる。支持体の具体例には、シートアルミニウム(砂目立て、そして陽極酸化することができる)、ポリエステルフィルム、および適当な樹脂またはポリマーで結合された繊維状材料を含む支持体が含まれる。
【0016】
この支持体を、ポリマー鎖に結合した正電荷基を有するポリマーであるカチオン性ポリマーを含む層で被覆する。好ましくは、当該ポリマーは、第一級、第二級、第三級または第四級アミノ基を有する。
【0017】
好適なカチオン性ポリマーには、ポリアルキレンポリアミンおよびそれらのアルキル化誘導体、アルキルカルボン酸およびポリアルキレンポリアミンの付加生成物、ケトンおよびポリアルキレンポリアミンの付加生成物、アルデヒドおよびポリアルキレンポリアミンの付加生成物、イソシアネートおよびポリアルキレンポリアミンの付加生成物、イソチオシアネートおよびポリアルキレンポリアミンの付加生成物、アルキレンオキシドおよびポリアルキレンポリアミンの付加生成物、アルキレンオキシドブロックコポリマーおよびポリアルキレンポリアミンの付加生成物が含まれる。
特に好ましいポリマーはポリエチレンイミンである。
【0018】
このポリマーを水溶液として支持体に適用することができ、この水溶液のpHを、pH3〜pH10、好ましくはpH5〜pH9の値に調節することができる。
このカチオン性ポリマーは、0.01〜10g/m2の量、好ましくは、0.05〜1.0g/m2の量で存在することができる。
【0019】
他の適合可能なポリマー、例えば、ポリビニルアルコールまたはポリビニルピロリドンも、前記カチオン性ポリマーに追加して存在することができる。
この塗布層を好適な架橋剤で架橋して、それを水に不溶性とし、十分な機械的強度をもたせる。
【0020】
アミノ基と反応する架橋剤の例には、ホルムアルデヒド、ジアルデヒド(例えば、グルタルアルデヒドおよびスクシンアルデヒド、エポキシ化合物ならびに活性化ビニル化合物(例えば、ビス(ビニルスルホニル)メタンおよびビス(ビニルスルホニルメチル)エーテル)が含まれる。
【0021】
架橋剤の追加の例は、T. H. James 編の The theory of the Photographic Process、第4版(Eastman Kodak Company1977年発行)、第2章に記載されている。
使用する架橋剤の量は、カチオン性ポリマーの質量に対して、1〜100w/w%、好ましくは、3〜30w/w%となることができる。
この塗布された親水性層に、無機粒子、例えばシリカ、アルミナ、二酸化チタンまたはカオリンを含むことができる。無機粒子は、0.1〜30g/m2の量、好ましくは、0.5〜10g/m2の量で存在することができる。
【0022】
例えば、カチオン性ポリマー層と支持体との間のゼラチンのような接着促進層を含めた追加の層を、このカチオン性ポリマー層の上または下に塗布することができる。好ましくは、カチオン性ポリマー層が最外部層である。
【0023】
ライティング流体(writing fluids)は、アニオン性親油化試薬の水溶液またはコロイド分散物を構成する。本発明の一つの態様では、アニオン性親油化試薬の水溶液またはコロイド分散物は、分散される顔料粒子をその中に含まない。
【0024】
好ましくは、アニオン性親油化試薬は疎水性有機酸またはそれらの塩である。この疎水性有機酸を、疎水性有機カルボキシレート、スルホネート、スルフェート、ホスホネートおよびホスフェートから選ぶことができる。好適な疎水性有機酸またはそれらの塩には、脂肪酸またはそれらの塩が含まれる。疎水性有機酸またはそれらの塩は、アニオン性界面活性剤であってもよい。
【0025】
親油化試薬として作用する、疎水性基を有する一塩基性カルボン酸および一塩基性スルホン酸が、欧州特許出願公開0882584号明細書に記載されており、オレイン酸、ステアリン酸およびAEROSOL(商標)TR70のような界面活性剤が含まれる。
親油化試薬として作用する、疎水性基を有する一塩基性リン酸およびホス本酸が、欧州特許出願公開1157825号明細書に記載されている。
【0026】
親油化試薬として作用する、疎水性基を有する二塩基性カルボン酸および二塩基性スルホン−カルボン酸が、同時出願の英国特許出願第0217976.0号明細書に記載されている。
疎水性有機酸は重合体となることができる。
【0027】
非常に多数の酸基を有し、親油化試薬として作用する、重合体物質の例が、米国特許第6,131,514号明細書および国際公開公報WO00/37254号および同00/37261号明細書に記載されている。
【0028】
親油化試薬の酸基は、好ましくは、塩形態で少なくとも部分的に中和されており、例えば、ナトリウム、カリウムおよびリチウム等の金属イオンの塩、または第四級アンモニウム化合物の塩を含めたアンモニウム塩またはピリジニウム等の他のカチオンの塩類である。
【0029】
アニオン性親油化試薬は、0.02〜5質量%の量、好ましくは、0.05〜1質量%の量で水溶液または水性コロイド分散物中に存在することができる。
プリンターヘッドの噴射を通過することができるように、前記重合体が、水性溶液または安定なコロイド分散物の形態であることが必要である。
【0030】
水は好ましい水性担体媒体であるが、水性組成物は、1種以上の水混和性の溶媒、例えば多価アルコール、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコールまたはトリメチロールプロパンを含むことができる。水性組成物中の水性担体媒体の量は、30〜99.995質量%、好ましくは50〜95質量%の範囲となることができる。
【0031】
噴射速度、液滴の分離長さ、液滴の大きさおよび流れ安定性は、水性組成物の表面張力および粘度に大きく影響される。インクジェット印刷系と共に使用されるのに適当なインクジェットインクは、0.02〜0.06N/m(20〜60ダイン/cm)、好ましくは0.03〜0.05N/m(30〜50ダイン/cm)の範囲の表面張力を有することができる。水性インクにおける表面張力の調節は、少量の界面活性剤の添加により達成することができる。使用されるべき界面活性剤の濃度は、簡単な試行錯誤の実験によって決定することができる。アニオンおよび非イオン界面活性剤を、米国特許第5,324,349号、第4,156,616号および第5,279,654号に開示されたもの、ならびにインクジェットの技術分野で公知の多くの他の界面活性剤から選択することができる。市販の界面活性剤としては、エア プロダクツ(Air Products)製のSURFYNOL(商標)系列;デュポン(DuPont)製のZONYL(商標)系列;3M製のFLUORAD(商標)系列およびシアナミド(Cyanamid)からのAEROSOL(商標)系列が包含される。
【0032】
インクの粘度は好ましくは、室温で0.02Pa秒(20センチポイズ)以下、例えば0.001〜0.01 Pa秒(1〜10センチポイズ)、好ましくは0.001〜0.005 Pa秒(1〜5センチポイズ)である。
【0033】
インクジェットプリンターに用いられる溶液は他の成分、例えば、実質的に水より高い沸点を有する水溶性流体または固体、例えば、エタンジオールを含むことができる。インクが乾くことを防ぎ、またはプリンターヘッドのオリフィスでインクが固まってつまるのを防ぐのを助けるために、湿潤剤または助溶剤を含むことができる。殺生物剤、例えばゼネカ カラーズ(Zeneca Colours)からのPROXEL(商標)GXLを添加して、期間を過ぎたインクで生じる場合がある望まない微生物の増殖を防ぐことができる。インクに任意的に存在することができるさらなる添加剤としては、増粘剤、pH調節剤、緩衝剤、伝導率上昇剤、アンチコゲーション剤(anti−kogation agent)、乾燥剤および消泡剤が挙げられる。
【0034】
水性組成物は、インクジェットプリンターのプリントヘッドの複数のノズルもしくはオリフィスから液滴を噴出することによって組成物の液滴が制御された方式で支持体の表面に適用される、インクジェット印刷において使用される。
【0035】
市販されていて入手可能なインクジェットプリンターは、インク滴の付着を制御するために、幾つかの異なるスキームを使用する。そのようなスキームは一般に2つのタイプがある:連続流およびオンデマンド滴下(drop−on−demand)。
【0036】
オンデマンド滴下系においては、インクの液滴が、例えばデジタル信号に従って制御された圧電装置、音響装置またはサーマルプロセスによって作られる圧力によって、オリフィスからインク受容層の位置へ直接噴出される。インク滴は、必要とされなければ、プリントヘッドのオリフィスを通して生成されず、噴出されない。インクジェット印刷法および関連するプリンターは市販されていて入手可能であり、詳細に記載する必要はないであろう。
【0037】
水性組成物は、広範囲の噴出条件、例えばサーマルインクジェットプリンターについては運転電圧およびパルス幅、オンデマンド滴下装置または連続装置については圧電素子の運転周波数ならびに、ノズルの形状および大きさと適合性の特性を有することができる。
【0038】
画像を印刷版に書いた後は、印刷版は、通常のやり方で印刷インクでインク付けされ、版は印刷機上で使用される。インク付け前に、版は、印刷の技術分野でよく知られているような、天然ゴム例えばアラビアゴムまたは合成ゴム例えばカルボキシメチルセルロースの水性溶液で処理することができる。例えば「平版工便覧(The Lithographer’s Manual)」、チャールズ シャピロ(Charles Shapiro)編、ザ グラフィック アーツ テクニカル ファウンデーション社(The Graphic Arts Technical Foundation, Inc.)発行、ピッツバーグ、ペンシルバニア(1966年)参照されたい。
【0039】
本発明をさらに、以下の例によって説明する。特に断らないかぎり、パーセンテージは全て質量基準である。
【0040】
【実施例】
例1
本発明にしたがう平版印刷版基体を、以下の被覆量の記載物質を有する水性溶液からポリエチレンテレフタレート写真用フィルムベースを塗布することによって調製した。
【0041】
カチオンコロイドシリカLudox CL(商標) 5.0g/m2
ポリエチレンイミン(5%w/wの溶液として使用し、硫酸でpH6.5に調整した) 0.8 g/m2
ビス(ビニルスルホニル)メタン(硬化剤) 0.05 g/m2
【0042】
インクジェットライティング流体を次のようにして調製した:
11.5mlの水に、2.5mlのAEROSOL(商標)22の4%w/w水性溶液、2mlのエタンジオールおよび4mlの染料PHLOXINE(商標)Bの2%w/w水性溶液を添加した(AEROSOL(商標)22は、親油化化合物であり、エタンジオールは湿潤剤であり、染料は、版上で流体を見えるようにするために存在した)。
【0043】
Lexmark Z43インクジェットプリンターの黒カートリッジを空にし、プラスチックフォームを除去し、残留インクを洗い流した。上記のライティング流体を満たし、フォームの代わりに脱脂綿の塊を入れた。カートリッジをプリンターに戻し、上述したフィルムのシートにテストパターンを印刷した。
【0044】
第二のテストパターンを、砂目立てして陽極酸化処理したアルミニウム印刷版基体(従来技術の比較用基体として)のシート上に印刷した。
テストパターンが乾燥したら、得られた印刷版をハイデルベルグ T−オフセット印刷機(Heidelberg T−Offset printing press)の版シリンダーに取り付け、ファウンテン溶液(Varn International(商標)ユニバーサル ピンク フォントソリューション(Universal Pink Fount Solution)、水で1+15に希釈した)およびK&E(商標)Novaquick 123W油性黒インクを用いて、プレスローラーにインクを入れ、印刷を開始した。最初の刷りからきれいなプリントが得られた。印刷されたこのテストパターンの刷りの品質を、印刷を続けながらモニタした。
500刷り後、アルミニウム版からの印刷物が、ディテールを失ったことが認められ、この版を用いた印刷を止めた。本発明の被覆されたフィルム基体からの印刷物は高品質のままであり、2500刷り後、依然として高品質であった。これは本発明の優れた印刷性能を実証する。
【0045】
例2
この例は種々の親油化化合物を含むライティング流体を用いた本発明の基体を具体的に説明する。
0.5%w/wの濃度で水に溶かすことによって、親油化化合物の溶液を調製した。親油化化合物が遊離の酸の形態である場合、十分な水酸化ナトリウム溶液を添加して、全ての酸をナトリウム塩に転化した。各溶液を、リス毛のペイントブラシにて親水性基体の一部に適用し、乾燥させた。
【0046】
親水性基体を、以下の被覆量の記載物質を有する水性溶液からポリエチレンテレフタレート写真用フィルムベースを塗布することによって調製した。
カチオンコロイドシリカLudox CL(商標) 3.0g/m2
ポリエチレンイミン(5%w/wの溶液として使用し、硫酸でpH6.5に調整した) 0.6 g/m2
ビス(ビニルスルホニル)メタン(硬化剤) 0.05 g/m2
【0047】
親水性基体の一部を、水で湿らせた1片の脱脂綿でやさしく拭いた。次に、わずかに黒い平版印刷用インクを脱脂綿に適用し、インクを付けた脱脂綿で基体をやさしくこすった。次に、脱脂綿を平版印刷用ファウンテン溶液(Varn International(商標)ユニバーサル ピンク フォント ソリューション(Universal Pink Fount Solution)、水で1+15に希釈した)で湿らせたこと以外は、この試験を繰り返した。
【0048】
本発明に従う以下の化合物を用いてこの試験を行った:AEROSOL(商標)22、AEROSOL(商標)18、EMCOL(商標)K8300および化合物2、3、4、5、7、14、16および18。
【0049】
【化1】
【0050】
を有する界面活性剤AEROSOL(商標)22、
構造:
【0051】
【化2】
【0052】
を有する界面活性剤AEROSOL(商標)18、
構造:
【0053】
【化3】
【0054】
を有する界面活性剤EMCOL(商標)K8300、
化合物2〜5ならびに化合物5、7、14、16および18は以下の構造を有する:
【0055】
【化4】
【0056】
脱脂綿を水で湿らせた場合、また脱脂綿をファウンテン溶液で湿らせた場合で、各親油化化合物の溶液が適用された基体の領域において、付着する平版印刷用インクの明確な黒いマークが観察されたが、基体の背景領域はマークがつかず、水またはファウンテン溶液で濡れたままであった。このことは、本発明の化合物が、使用した基体に親油化効果を示し、それでインクジェット適用によって平版印刷用の印刷版を作るのに潜在的に有用であることを証明した。
【0057】
また、以下の追加の親油化化合物を用いて、試験を行った:
ドデシル硫酸ナトリウム;
ベンゼンドデシル硫酸ナトリウム;
ナフタレンスルホン酸トリ−イソプロピル;
スルホコハク酸ジオクチル、ナトリウム塩;
ステアリン酸ナトリウム;
および
【0058】
【化5】
【0059】
すべての追加の化合物について、湿潤液体として水を用いて試験を行ったときには、試験化合物の溶液が適用された基体の領域において、付着する平版印刷用インクの明確な黒いマークが観察されたが、基体の背景領域はマークがつかず、水で濡れたままであった。
【0060】
例3
この例は種々の親油化化合物を含むライティング流体を用いる本発明の基体を具体的に示す。
以下の被覆量の記載物質を有する水性溶液からコーティングされた、ポリエチレンテレフタレート写真用フィルムベースからなる親水性基体を使用して、多数の親油化化合物を用いて、例2に記載した試験を行った:
【0061】
カチオンコロイドシリカLudox CL(商標) 4.0g/m2
ポリエチレンイミン(5%w/wの溶液として使用し、硫酸でpH6.5に調整した) 0.4 g/m2
ビス(ビニルスルホニル)メタン(硬化剤) 0.033 g/m2
【0062】
例2に使用した親油化化合物に加えて、以下の化合物を用いた:
【0063】
【化6】
【0064】
次に、吸着された平版印刷用インクの得られたマークを、湿式摩耗試験にかけて、その堅牢さを評価した。柔かい綿布の綿棒を重りに付け、表面上を前後に動かした。吸着された平版印刷用インクのマークの中心を除去するのに要した摩耗ストロークの数を記録した。結果を、以下のように表に示した。
【0065】
【表1】
【0066】
化合物2、9、11、12、14、16および18は、疎水性の基に結合された結合基が、窒素原子を介して酸基間の炭素原子と結合する好ましい化合物の例である。これらのすべてが、そのような構造を有していない物質より良好な摩耗抵抗性を示した。
【0067】
例4
インクジェットライティング流体を次のようにして調製した:
11.5mlの水に、2.5mlのAEROSOL(商標)22の4%質量/質量水性溶液、2mlのエタンジオールおよび4mlの染料PHLOXINE(商標)Bの2%質量/質量水性溶液を添加した(AEROSOL(商標)22は、親油化化合物であり、エタンジオールは湿潤剤であり、染料は、版上で流体を見えるようにするために存在した)。
【0068】
Lexmark Z43インクジェットプリンターの黒カートリッジを空にし、プラスチックフォームを除去し、残留インクを洗い流した。上記のライティング流体を満たし、フォームの代わりに脱脂綿の塊を入れた。カートリッジをプリンターに戻し、例1に記載した親水性基体のシートにテストパターンを印刷した。
【0069】
テストパターンが乾燥したら、得られたポリエステルフィルム印刷版をハイデルベルグ T−オフセット印刷機(Heidelberg T−Offset printing press)の版シリンダーに取り付け、例1に記載したファウンテン溶液およびK&E(商標)Novaquick 123W油性黒インクを用いて、プレスローラーにインクを入れ、印刷を開始した。最初の刷りからきれいなプリントが得られ、目立った劣化なしにテストパターンの2000枚複写を印刷した。
【0070】
例5
この例は、微細分散顔料の存在下で、負電荷を有するポリマー(アニオン性ポリマーAQ55S、スルホン化ポリエステル、Eastman Chemical Corporation製)を含むライティング流体を用いる本発明の基体を具体的に示す。
【0071】
イエロー顔料分散物 :
本発明のライティング流体に用いたイエロー顔料を以下のように調製した。
以下の組成を有する混合物を調製した:
8000g、ポリマービーズ、平均径50μm(粉砕媒体)、
1600g、ピグメントイエロー155 (Clariant Corp.)、
400g、オレオイルメチルタウリン(OMT)カリウム塩、および
4880g、脱イオン水。
【0072】
上記組成物を、BYK−Gardner製の40L二重壁容器で、高エネルギー媒体ミル(Morehouse−Cowles Hochmeyer製)を用いて粉砕した。この粉砕処理を室温で約8時間行った。このミル粉砕物を4〜8μmのKIMAX(商標)ブフナーロート(VWR Scientific Products製)を通して濾過して、粉砕媒体と分離した。濾過した分散物にさらに8000gの希釈水を加え、次いで殺生剤、PROXEL(商標)GXL(Zeneca Corp.)を添加した。この顔料は最終の全分散物の約9.91質量%であり、殺生剤は最終の全分散物の質量基準で、約230ppmであった。MICROTRAC II超微粒子分析計(UPA)(Leeds & Northrup製)で測定すると、顔料粒径の中央値は約38nmである。
【0073】
ピグメントイエロー155の代わりにピグメントブルー15:3(Clariant Corp.)を用いた以外は、イエロー顔料分散物と同様に、シアン顔料分散物を調製した。OMTカリウム塩の量は、顔料に対して25質量%であった。この顔料は最終の全分散物の約9.97質量%であった。MICROTRAC II超微粒子分析計(UPA)(Leeds & Northrup製)で測定すると、顔料粒径の中央値は約32nmであった。
【0074】
イエローライティング流体
イエローライティング流体を調製するために、24.97gイエロー顔料分散物(上記のもの、9.91%活性)、0.2gSURFYNOL(商標)465(Air Products Inc.)、8.40gグリセロール、14.5gトリエチレングリコールならびに3.00gジ(プロピレングリコール)メチルエーテル(DOWANOL(商標)DPM)および9.52gのAQ55(商標)(10.5%活性)を、蒸留水と一緒に加えて、インクの最終量を100.0gとした。最終インクは、ピグメントイエロー155 を2.48%、SURFYNOL(商標)465を0.50%、グリセロールを8.40%、トリエチレングリコールを14.5%、ジ(プロピレングリコール)メチルエーテルを3%、そしてAQ55(商標)を1%含んでいた。この溶液を3μmポリテトラフルオロエチレンフィルターを通して濾過した。
【0075】
シアンライティング流体
シアンライティング流体を調製するために、16.55gシアン顔料分散物(上記のもの、9.97%活性)、0.2gSURFYNOL(商標)465(Air Products Inc.)、6.50gグリセロール、18.7gトリエチレングリコールならびに3.50gジ(プロピレングリコール)メチルエーテル(DOWANOL(商標)DPM)および9.52gのAQ55(商標)(10.5%活性)を、蒸留水と一緒に加えて、インクの最終量を100.0gとした。最終インクは、ピグメントブルー15:3 を1.65%、SURFYNOL(商標)465を0.50%、グリセロールを6.50%、トリエチレングリコールを18.70%、ジ(プロピレングリコール)メチルエーテルを3.50%、そしてAQ55(商標)を1.0%含んでいた。この溶液を3μmポリテトラフルオロエチレンフィルターを通して濾過した。
【0076】
Lexmark Z43インクジェットプリンターの黒カートリッジを空にし、プラスチックフォームを除去し、残留インクを洗い流した。上記のライティング流体を満たし、フォームの代わりに脱脂綿の塊を入れた。カートリッジをプリンターに戻し、上述した親水性基体のシートにテストパターンを印刷した。この基体は、以下の被覆量の記載物質を有する水性溶液から塗布されたポリエチレンテレフタレート写真用フィルムベースを含む。
【0077】
カチオンコロイドシリカLudox CL(商標) 4.0g/m2
ポリエチレンイミン(5%w/wの溶液として使用し、硫酸でpH6.5に調整した) 0.4 g/m2
ビス(ビニルスルホニル)メタン(硬化剤) 0.024 g/m2
【0078】
得られた画像形成された印刷版を例1に記載したように印刷機に取付けた。各ライティング流体を用いて作製された版では、優れた解像度を有する良好なシャープな印刷が得られ、テストパターンの損失または退色もなく4500枚を印刷した。
【0079】
本発明を、特にある好ましい実施態様によって詳細に記載したが、本発明の意図および範囲内で種々の変更および変形を行うことができることが理解されよう。
【発明の属する技術分野】
本発明は、平版印刷に適した印刷版の製造方法および印刷版の基体に関する。
【0002】
【従来の技術】
オフセット平版印刷に適当な印刷版は公知であり、親水性の非画像領域および疎水性でインク受容性の画像領域を有する支持体を含む。
【0003】
平版印刷の技術は、油と水の非混和性に基づき、油性材料またはインクが画像領域により優先的に保持され、水またはファウンテン溶液が非画像領域により優先的に保持される。適当に製造された表面が水で湿らされ、次いでインクが適用されると、背景または非画像領域は水を保持してインクをはじき、一方、画像領域はインクを受け入れて水をはじく。次に、画像領域上のインクは、画像が再生されるべき材料、例えば紙もしくは布の表面に移される。
【0004】
一般にインクはブランケットと呼ばれる中間材料に移され、これは今度は、画像が再生されるべき材料の表面にインクを移す。
インクジェット法は、デジタル信号に応答した、インク滴の基体へ付着によって画像を生じる非衝撃的方法である。
【0005】
特開昭53−015,905号公報は、有機溶媒中のアルコール可溶性樹脂をアルミニウムの印刷版上にインクジェットすることによる印刷版の製造を記載する。
特開昭56−105,960号公報は、支持体、例えば陽極酸化処理したアルミニウム版上に、親油性の画像を形成することができ、硬化物質例えば過酸化ベンゾイルと共にエポキシ大豆油、または光硬化物質例えば不飽和ポリエステルを含むことができるインクをインクジェットすることによる印刷版の形成を記載する。
【0006】
欧州特許出願公開EP−A−0,882,584号明細書は、疎水性の有機酸、例えばオレイン酸の水性溶液もしくは塩の水性溶液を用いて、画像を表面上にインクジェット印刷することによって親油性画像を支持体表面上に生成することを含む印刷版の製造方法を記載する。
【0007】
米国特許第6,131,514号明細書は、水可溶化基を有するポリマーの水性溶液もしくは水性コロイド分散物を用いて、画像を表面上にインクジェット印刷することによって親油性画像を支持体の表面上に生成することを含み、水可溶化基が支持体の表面と相互作用し、それによってポリマーを支持体に結合し、ポリマーを不溶性にする印刷版の製造方法を記載する。
【0008】
【特許文献1】
特開昭53−015905号公報
【特許文献2】
特開昭56−105960号公報
【特許文献3】
欧州特許出願公開0882584号明細書
【特許文献4】
米国特許第5,217,813号明細書
【特許文献5】
米国特許第6,131,514号明細書
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
インクジェット印刷は、コンピュータのデジタル情報から直接印刷版を製造する迅速で簡単な方法を提供し、これは、コンピュータ−印刷版システムで通常使用されるより簡単で非常に安価な装置を使用し、熱効果プレートセッター(thermal effect platesetter)の場合には高出力レーザーを使用するか、または可視光プレートセッターの場合には湿式現像工程と一緒に低出力レーザーを使用する。
【0010】
インクジェットのライティング流体は、環境および健康の理由のために、また、適度に揮発性の有機溶媒に生じる場合がある噴射時の過剰の蒸発および乾きを避けるために、水性であるのが好ましい。
【0011】
しかし、砂目立てして、陽極酸化処理したアルミニウムを印刷版基体として用いるとき、インクジェットによって親油性試薬の水溶液を適用する印刷版を製造する既知の方法は単に良好な結果を与えるだけであり、いくつかの用途ではアルミニウムより安価で、軽量で、インクジェットプリンタ内の搬送が容易なポリエステルフィルムまたは紙基体のような基体を用いることが望ましい。
【0012】
また、砂目立てして、陽極酸化処理したアルミニウムを印刷版基体として用いるとき、アルミにム基体を本発明にしたがって親水性層で被覆すると、いくつかの親油性試薬が印刷時に改良された性能を示すこともわかった。
【0013】
【課題を解決しようとする手段】
本発明は、少なくとも1層の親水性層を表面に有する支持体を含む印刷版の基体上に親油性画像を形成することを含んでなる印刷版の製造方法であって、前記支持体の表面に、アニオン性親油化試薬の水性溶液または水性コロイド分散物をインクジェット印刷し、そして乾燥の際に前記溶液または前記分散物が適用された表面の領域が、平版印刷インク受容性となるように、前記適用した溶液または分散物を乾燥することによって、前記親油性画像を形成し、前記親水性層が架橋カチオン性ポリマーを含むことを特徴とする印刷版の製造方法を提供する。
【0014】
本発明は、また、少なくとも1層の親水性層を表面に有する支持体を含む印刷版用の基体であって、前記親水性層が架橋カチオン性ポリマーを含む基体も提供する。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明の前記基体用の支持体は、平版印刷機上の印刷版としての使用に好適な厚みと機械特性とを有する任意の材料となることができる。好適な支持体には、金属およびポリマー、および紙系支持体、例えば、シートもしくは箔が含まれる。支持体の具体例には、シートアルミニウム(砂目立て、そして陽極酸化することができる)、ポリエステルフィルム、および適当な樹脂またはポリマーで結合された繊維状材料を含む支持体が含まれる。
【0016】
この支持体を、ポリマー鎖に結合した正電荷基を有するポリマーであるカチオン性ポリマーを含む層で被覆する。好ましくは、当該ポリマーは、第一級、第二級、第三級または第四級アミノ基を有する。
【0017】
好適なカチオン性ポリマーには、ポリアルキレンポリアミンおよびそれらのアルキル化誘導体、アルキルカルボン酸およびポリアルキレンポリアミンの付加生成物、ケトンおよびポリアルキレンポリアミンの付加生成物、アルデヒドおよびポリアルキレンポリアミンの付加生成物、イソシアネートおよびポリアルキレンポリアミンの付加生成物、イソチオシアネートおよびポリアルキレンポリアミンの付加生成物、アルキレンオキシドおよびポリアルキレンポリアミンの付加生成物、アルキレンオキシドブロックコポリマーおよびポリアルキレンポリアミンの付加生成物が含まれる。
特に好ましいポリマーはポリエチレンイミンである。
【0018】
このポリマーを水溶液として支持体に適用することができ、この水溶液のpHを、pH3〜pH10、好ましくはpH5〜pH9の値に調節することができる。
このカチオン性ポリマーは、0.01〜10g/m2の量、好ましくは、0.05〜1.0g/m2の量で存在することができる。
【0019】
他の適合可能なポリマー、例えば、ポリビニルアルコールまたはポリビニルピロリドンも、前記カチオン性ポリマーに追加して存在することができる。
この塗布層を好適な架橋剤で架橋して、それを水に不溶性とし、十分な機械的強度をもたせる。
【0020】
アミノ基と反応する架橋剤の例には、ホルムアルデヒド、ジアルデヒド(例えば、グルタルアルデヒドおよびスクシンアルデヒド、エポキシ化合物ならびに活性化ビニル化合物(例えば、ビス(ビニルスルホニル)メタンおよびビス(ビニルスルホニルメチル)エーテル)が含まれる。
【0021】
架橋剤の追加の例は、T. H. James 編の The theory of the Photographic Process、第4版(Eastman Kodak Company1977年発行)、第2章に記載されている。
使用する架橋剤の量は、カチオン性ポリマーの質量に対して、1〜100w/w%、好ましくは、3〜30w/w%となることができる。
この塗布された親水性層に、無機粒子、例えばシリカ、アルミナ、二酸化チタンまたはカオリンを含むことができる。無機粒子は、0.1〜30g/m2の量、好ましくは、0.5〜10g/m2の量で存在することができる。
【0022】
例えば、カチオン性ポリマー層と支持体との間のゼラチンのような接着促進層を含めた追加の層を、このカチオン性ポリマー層の上または下に塗布することができる。好ましくは、カチオン性ポリマー層が最外部層である。
【0023】
ライティング流体(writing fluids)は、アニオン性親油化試薬の水溶液またはコロイド分散物を構成する。本発明の一つの態様では、アニオン性親油化試薬の水溶液またはコロイド分散物は、分散される顔料粒子をその中に含まない。
【0024】
好ましくは、アニオン性親油化試薬は疎水性有機酸またはそれらの塩である。この疎水性有機酸を、疎水性有機カルボキシレート、スルホネート、スルフェート、ホスホネートおよびホスフェートから選ぶことができる。好適な疎水性有機酸またはそれらの塩には、脂肪酸またはそれらの塩が含まれる。疎水性有機酸またはそれらの塩は、アニオン性界面活性剤であってもよい。
【0025】
親油化試薬として作用する、疎水性基を有する一塩基性カルボン酸および一塩基性スルホン酸が、欧州特許出願公開0882584号明細書に記載されており、オレイン酸、ステアリン酸およびAEROSOL(商標)TR70のような界面活性剤が含まれる。
親油化試薬として作用する、疎水性基を有する一塩基性リン酸およびホス本酸が、欧州特許出願公開1157825号明細書に記載されている。
【0026】
親油化試薬として作用する、疎水性基を有する二塩基性カルボン酸および二塩基性スルホン−カルボン酸が、同時出願の英国特許出願第0217976.0号明細書に記載されている。
疎水性有機酸は重合体となることができる。
【0027】
非常に多数の酸基を有し、親油化試薬として作用する、重合体物質の例が、米国特許第6,131,514号明細書および国際公開公報WO00/37254号および同00/37261号明細書に記載されている。
【0028】
親油化試薬の酸基は、好ましくは、塩形態で少なくとも部分的に中和されており、例えば、ナトリウム、カリウムおよびリチウム等の金属イオンの塩、または第四級アンモニウム化合物の塩を含めたアンモニウム塩またはピリジニウム等の他のカチオンの塩類である。
【0029】
アニオン性親油化試薬は、0.02〜5質量%の量、好ましくは、0.05〜1質量%の量で水溶液または水性コロイド分散物中に存在することができる。
プリンターヘッドの噴射を通過することができるように、前記重合体が、水性溶液または安定なコロイド分散物の形態であることが必要である。
【0030】
水は好ましい水性担体媒体であるが、水性組成物は、1種以上の水混和性の溶媒、例えば多価アルコール、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコールまたはトリメチロールプロパンを含むことができる。水性組成物中の水性担体媒体の量は、30〜99.995質量%、好ましくは50〜95質量%の範囲となることができる。
【0031】
噴射速度、液滴の分離長さ、液滴の大きさおよび流れ安定性は、水性組成物の表面張力および粘度に大きく影響される。インクジェット印刷系と共に使用されるのに適当なインクジェットインクは、0.02〜0.06N/m(20〜60ダイン/cm)、好ましくは0.03〜0.05N/m(30〜50ダイン/cm)の範囲の表面張力を有することができる。水性インクにおける表面張力の調節は、少量の界面活性剤の添加により達成することができる。使用されるべき界面活性剤の濃度は、簡単な試行錯誤の実験によって決定することができる。アニオンおよび非イオン界面活性剤を、米国特許第5,324,349号、第4,156,616号および第5,279,654号に開示されたもの、ならびにインクジェットの技術分野で公知の多くの他の界面活性剤から選択することができる。市販の界面活性剤としては、エア プロダクツ(Air Products)製のSURFYNOL(商標)系列;デュポン(DuPont)製のZONYL(商標)系列;3M製のFLUORAD(商標)系列およびシアナミド(Cyanamid)からのAEROSOL(商標)系列が包含される。
【0032】
インクの粘度は好ましくは、室温で0.02Pa秒(20センチポイズ)以下、例えば0.001〜0.01 Pa秒(1〜10センチポイズ)、好ましくは0.001〜0.005 Pa秒(1〜5センチポイズ)である。
【0033】
インクジェットプリンターに用いられる溶液は他の成分、例えば、実質的に水より高い沸点を有する水溶性流体または固体、例えば、エタンジオールを含むことができる。インクが乾くことを防ぎ、またはプリンターヘッドのオリフィスでインクが固まってつまるのを防ぐのを助けるために、湿潤剤または助溶剤を含むことができる。殺生物剤、例えばゼネカ カラーズ(Zeneca Colours)からのPROXEL(商標)GXLを添加して、期間を過ぎたインクで生じる場合がある望まない微生物の増殖を防ぐことができる。インクに任意的に存在することができるさらなる添加剤としては、増粘剤、pH調節剤、緩衝剤、伝導率上昇剤、アンチコゲーション剤(anti−kogation agent)、乾燥剤および消泡剤が挙げられる。
【0034】
水性組成物は、インクジェットプリンターのプリントヘッドの複数のノズルもしくはオリフィスから液滴を噴出することによって組成物の液滴が制御された方式で支持体の表面に適用される、インクジェット印刷において使用される。
【0035】
市販されていて入手可能なインクジェットプリンターは、インク滴の付着を制御するために、幾つかの異なるスキームを使用する。そのようなスキームは一般に2つのタイプがある:連続流およびオンデマンド滴下(drop−on−demand)。
【0036】
オンデマンド滴下系においては、インクの液滴が、例えばデジタル信号に従って制御された圧電装置、音響装置またはサーマルプロセスによって作られる圧力によって、オリフィスからインク受容層の位置へ直接噴出される。インク滴は、必要とされなければ、プリントヘッドのオリフィスを通して生成されず、噴出されない。インクジェット印刷法および関連するプリンターは市販されていて入手可能であり、詳細に記載する必要はないであろう。
【0037】
水性組成物は、広範囲の噴出条件、例えばサーマルインクジェットプリンターについては運転電圧およびパルス幅、オンデマンド滴下装置または連続装置については圧電素子の運転周波数ならびに、ノズルの形状および大きさと適合性の特性を有することができる。
【0038】
画像を印刷版に書いた後は、印刷版は、通常のやり方で印刷インクでインク付けされ、版は印刷機上で使用される。インク付け前に、版は、印刷の技術分野でよく知られているような、天然ゴム例えばアラビアゴムまたは合成ゴム例えばカルボキシメチルセルロースの水性溶液で処理することができる。例えば「平版工便覧(The Lithographer’s Manual)」、チャールズ シャピロ(Charles Shapiro)編、ザ グラフィック アーツ テクニカル ファウンデーション社(The Graphic Arts Technical Foundation, Inc.)発行、ピッツバーグ、ペンシルバニア(1966年)参照されたい。
【0039】
本発明をさらに、以下の例によって説明する。特に断らないかぎり、パーセンテージは全て質量基準である。
【0040】
【実施例】
例1
本発明にしたがう平版印刷版基体を、以下の被覆量の記載物質を有する水性溶液からポリエチレンテレフタレート写真用フィルムベースを塗布することによって調製した。
【0041】
カチオンコロイドシリカLudox CL(商標) 5.0g/m2
ポリエチレンイミン(5%w/wの溶液として使用し、硫酸でpH6.5に調整した) 0.8 g/m2
ビス(ビニルスルホニル)メタン(硬化剤) 0.05 g/m2
【0042】
インクジェットライティング流体を次のようにして調製した:
11.5mlの水に、2.5mlのAEROSOL(商標)22の4%w/w水性溶液、2mlのエタンジオールおよび4mlの染料PHLOXINE(商標)Bの2%w/w水性溶液を添加した(AEROSOL(商標)22は、親油化化合物であり、エタンジオールは湿潤剤であり、染料は、版上で流体を見えるようにするために存在した)。
【0043】
Lexmark Z43インクジェットプリンターの黒カートリッジを空にし、プラスチックフォームを除去し、残留インクを洗い流した。上記のライティング流体を満たし、フォームの代わりに脱脂綿の塊を入れた。カートリッジをプリンターに戻し、上述したフィルムのシートにテストパターンを印刷した。
【0044】
第二のテストパターンを、砂目立てして陽極酸化処理したアルミニウム印刷版基体(従来技術の比較用基体として)のシート上に印刷した。
テストパターンが乾燥したら、得られた印刷版をハイデルベルグ T−オフセット印刷機(Heidelberg T−Offset printing press)の版シリンダーに取り付け、ファウンテン溶液(Varn International(商標)ユニバーサル ピンク フォントソリューション(Universal Pink Fount Solution)、水で1+15に希釈した)およびK&E(商標)Novaquick 123W油性黒インクを用いて、プレスローラーにインクを入れ、印刷を開始した。最初の刷りからきれいなプリントが得られた。印刷されたこのテストパターンの刷りの品質を、印刷を続けながらモニタした。
500刷り後、アルミニウム版からの印刷物が、ディテールを失ったことが認められ、この版を用いた印刷を止めた。本発明の被覆されたフィルム基体からの印刷物は高品質のままであり、2500刷り後、依然として高品質であった。これは本発明の優れた印刷性能を実証する。
【0045】
例2
この例は種々の親油化化合物を含むライティング流体を用いた本発明の基体を具体的に説明する。
0.5%w/wの濃度で水に溶かすことによって、親油化化合物の溶液を調製した。親油化化合物が遊離の酸の形態である場合、十分な水酸化ナトリウム溶液を添加して、全ての酸をナトリウム塩に転化した。各溶液を、リス毛のペイントブラシにて親水性基体の一部に適用し、乾燥させた。
【0046】
親水性基体を、以下の被覆量の記載物質を有する水性溶液からポリエチレンテレフタレート写真用フィルムベースを塗布することによって調製した。
カチオンコロイドシリカLudox CL(商標) 3.0g/m2
ポリエチレンイミン(5%w/wの溶液として使用し、硫酸でpH6.5に調整した) 0.6 g/m2
ビス(ビニルスルホニル)メタン(硬化剤) 0.05 g/m2
【0047】
親水性基体の一部を、水で湿らせた1片の脱脂綿でやさしく拭いた。次に、わずかに黒い平版印刷用インクを脱脂綿に適用し、インクを付けた脱脂綿で基体をやさしくこすった。次に、脱脂綿を平版印刷用ファウンテン溶液(Varn International(商標)ユニバーサル ピンク フォント ソリューション(Universal Pink Fount Solution)、水で1+15に希釈した)で湿らせたこと以外は、この試験を繰り返した。
【0048】
本発明に従う以下の化合物を用いてこの試験を行った:AEROSOL(商標)22、AEROSOL(商標)18、EMCOL(商標)K8300および化合物2、3、4、5、7、14、16および18。
【0049】
【化1】
【0050】
を有する界面活性剤AEROSOL(商標)22、
構造:
【0051】
【化2】
【0052】
を有する界面活性剤AEROSOL(商標)18、
構造:
【0053】
【化3】
【0054】
を有する界面活性剤EMCOL(商標)K8300、
化合物2〜5ならびに化合物5、7、14、16および18は以下の構造を有する:
【0055】
【化4】
【0056】
脱脂綿を水で湿らせた場合、また脱脂綿をファウンテン溶液で湿らせた場合で、各親油化化合物の溶液が適用された基体の領域において、付着する平版印刷用インクの明確な黒いマークが観察されたが、基体の背景領域はマークがつかず、水またはファウンテン溶液で濡れたままであった。このことは、本発明の化合物が、使用した基体に親油化効果を示し、それでインクジェット適用によって平版印刷用の印刷版を作るのに潜在的に有用であることを証明した。
【0057】
また、以下の追加の親油化化合物を用いて、試験を行った:
ドデシル硫酸ナトリウム;
ベンゼンドデシル硫酸ナトリウム;
ナフタレンスルホン酸トリ−イソプロピル;
スルホコハク酸ジオクチル、ナトリウム塩;
ステアリン酸ナトリウム;
および
【0058】
【化5】
【0059】
すべての追加の化合物について、湿潤液体として水を用いて試験を行ったときには、試験化合物の溶液が適用された基体の領域において、付着する平版印刷用インクの明確な黒いマークが観察されたが、基体の背景領域はマークがつかず、水で濡れたままであった。
【0060】
例3
この例は種々の親油化化合物を含むライティング流体を用いる本発明の基体を具体的に示す。
以下の被覆量の記載物質を有する水性溶液からコーティングされた、ポリエチレンテレフタレート写真用フィルムベースからなる親水性基体を使用して、多数の親油化化合物を用いて、例2に記載した試験を行った:
【0061】
カチオンコロイドシリカLudox CL(商標) 4.0g/m2
ポリエチレンイミン(5%w/wの溶液として使用し、硫酸でpH6.5に調整した) 0.4 g/m2
ビス(ビニルスルホニル)メタン(硬化剤) 0.033 g/m2
【0062】
例2に使用した親油化化合物に加えて、以下の化合物を用いた:
【0063】
【化6】
【0064】
次に、吸着された平版印刷用インクの得られたマークを、湿式摩耗試験にかけて、その堅牢さを評価した。柔かい綿布の綿棒を重りに付け、表面上を前後に動かした。吸着された平版印刷用インクのマークの中心を除去するのに要した摩耗ストロークの数を記録した。結果を、以下のように表に示した。
【0065】
【表1】
【0066】
化合物2、9、11、12、14、16および18は、疎水性の基に結合された結合基が、窒素原子を介して酸基間の炭素原子と結合する好ましい化合物の例である。これらのすべてが、そのような構造を有していない物質より良好な摩耗抵抗性を示した。
【0067】
例4
インクジェットライティング流体を次のようにして調製した:
11.5mlの水に、2.5mlのAEROSOL(商標)22の4%質量/質量水性溶液、2mlのエタンジオールおよび4mlの染料PHLOXINE(商標)Bの2%質量/質量水性溶液を添加した(AEROSOL(商標)22は、親油化化合物であり、エタンジオールは湿潤剤であり、染料は、版上で流体を見えるようにするために存在した)。
【0068】
Lexmark Z43インクジェットプリンターの黒カートリッジを空にし、プラスチックフォームを除去し、残留インクを洗い流した。上記のライティング流体を満たし、フォームの代わりに脱脂綿の塊を入れた。カートリッジをプリンターに戻し、例1に記載した親水性基体のシートにテストパターンを印刷した。
【0069】
テストパターンが乾燥したら、得られたポリエステルフィルム印刷版をハイデルベルグ T−オフセット印刷機(Heidelberg T−Offset printing press)の版シリンダーに取り付け、例1に記載したファウンテン溶液およびK&E(商標)Novaquick 123W油性黒インクを用いて、プレスローラーにインクを入れ、印刷を開始した。最初の刷りからきれいなプリントが得られ、目立った劣化なしにテストパターンの2000枚複写を印刷した。
【0070】
例5
この例は、微細分散顔料の存在下で、負電荷を有するポリマー(アニオン性ポリマーAQ55S、スルホン化ポリエステル、Eastman Chemical Corporation製)を含むライティング流体を用いる本発明の基体を具体的に示す。
【0071】
イエロー顔料分散物 :
本発明のライティング流体に用いたイエロー顔料を以下のように調製した。
以下の組成を有する混合物を調製した:
8000g、ポリマービーズ、平均径50μm(粉砕媒体)、
1600g、ピグメントイエロー155 (Clariant Corp.)、
400g、オレオイルメチルタウリン(OMT)カリウム塩、および
4880g、脱イオン水。
【0072】
上記組成物を、BYK−Gardner製の40L二重壁容器で、高エネルギー媒体ミル(Morehouse−Cowles Hochmeyer製)を用いて粉砕した。この粉砕処理を室温で約8時間行った。このミル粉砕物を4〜8μmのKIMAX(商標)ブフナーロート(VWR Scientific Products製)を通して濾過して、粉砕媒体と分離した。濾過した分散物にさらに8000gの希釈水を加え、次いで殺生剤、PROXEL(商標)GXL(Zeneca Corp.)を添加した。この顔料は最終の全分散物の約9.91質量%であり、殺生剤は最終の全分散物の質量基準で、約230ppmであった。MICROTRAC II超微粒子分析計(UPA)(Leeds & Northrup製)で測定すると、顔料粒径の中央値は約38nmである。
【0073】
ピグメントイエロー155の代わりにピグメントブルー15:3(Clariant Corp.)を用いた以外は、イエロー顔料分散物と同様に、シアン顔料分散物を調製した。OMTカリウム塩の量は、顔料に対して25質量%であった。この顔料は最終の全分散物の約9.97質量%であった。MICROTRAC II超微粒子分析計(UPA)(Leeds & Northrup製)で測定すると、顔料粒径の中央値は約32nmであった。
【0074】
イエローライティング流体
イエローライティング流体を調製するために、24.97gイエロー顔料分散物(上記のもの、9.91%活性)、0.2gSURFYNOL(商標)465(Air Products Inc.)、8.40gグリセロール、14.5gトリエチレングリコールならびに3.00gジ(プロピレングリコール)メチルエーテル(DOWANOL(商標)DPM)および9.52gのAQ55(商標)(10.5%活性)を、蒸留水と一緒に加えて、インクの最終量を100.0gとした。最終インクは、ピグメントイエロー155 を2.48%、SURFYNOL(商標)465を0.50%、グリセロールを8.40%、トリエチレングリコールを14.5%、ジ(プロピレングリコール)メチルエーテルを3%、そしてAQ55(商標)を1%含んでいた。この溶液を3μmポリテトラフルオロエチレンフィルターを通して濾過した。
【0075】
シアンライティング流体
シアンライティング流体を調製するために、16.55gシアン顔料分散物(上記のもの、9.97%活性)、0.2gSURFYNOL(商標)465(Air Products Inc.)、6.50gグリセロール、18.7gトリエチレングリコールならびに3.50gジ(プロピレングリコール)メチルエーテル(DOWANOL(商標)DPM)および9.52gのAQ55(商標)(10.5%活性)を、蒸留水と一緒に加えて、インクの最終量を100.0gとした。最終インクは、ピグメントブルー15:3 を1.65%、SURFYNOL(商標)465を0.50%、グリセロールを6.50%、トリエチレングリコールを18.70%、ジ(プロピレングリコール)メチルエーテルを3.50%、そしてAQ55(商標)を1.0%含んでいた。この溶液を3μmポリテトラフルオロエチレンフィルターを通して濾過した。
【0076】
Lexmark Z43インクジェットプリンターの黒カートリッジを空にし、プラスチックフォームを除去し、残留インクを洗い流した。上記のライティング流体を満たし、フォームの代わりに脱脂綿の塊を入れた。カートリッジをプリンターに戻し、上述した親水性基体のシートにテストパターンを印刷した。この基体は、以下の被覆量の記載物質を有する水性溶液から塗布されたポリエチレンテレフタレート写真用フィルムベースを含む。
【0077】
カチオンコロイドシリカLudox CL(商標) 4.0g/m2
ポリエチレンイミン(5%w/wの溶液として使用し、硫酸でpH6.5に調整した) 0.4 g/m2
ビス(ビニルスルホニル)メタン(硬化剤) 0.024 g/m2
【0078】
得られた画像形成された印刷版を例1に記載したように印刷機に取付けた。各ライティング流体を用いて作製された版では、優れた解像度を有する良好なシャープな印刷が得られ、テストパターンの損失または退色もなく4500枚を印刷した。
【0079】
本発明を、特にある好ましい実施態様によって詳細に記載したが、本発明の意図および範囲内で種々の変更および変形を行うことができることが理解されよう。
Claims (6)
- 少なくとも1層の親水性層を表面に有する支持体を含む印刷版の基体上に親油性画像を形成することを含んでなる印刷版の製造方法であって、前記支持体の表面に、アニオン性親油化試薬の水性溶液または水性コロイド分散物をインクジェット印刷し、そして乾燥の際に前記溶液または前記分散物が適用された表面の領域が、平版印刷インク受容性となるように、前記適用した溶液または分散物を乾燥することによって、前記親油性画像を形成し、前記親水性層が架橋カチオン性ポリマーを含むことを特徴とする印刷版の製造方法。
- 前記基体が、架橋カチオン性ポリマーを含む層で被覆された金属、ポリマーまたは紙系支持体である請求項1記載の方法。
- 前記カチオン性ポリマーが、第一級、第二級、第三級および第四級アミノ基から選ばれるアミノ基を含む請求項1または2記載の方法。
- 前記カチオン性ポリマーがポリエチレンイミンである請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
- 前記カチオン性ポリマーを含む層が、粒状のシリカ、アルミナ、二酸化チタンおよびカオリンからなる群より選ばれる無機粒状材料をさらに含む請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
- 少なくとも1層の親水性層を表面に有する支持体を含む印刷版用の基体であって、前記親水性層が架橋カチオン性ポリマーを含む基体。
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