JP2004066637A - Frp製容器の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】従来の方法でしばしば発生した、外層側の巻き付け時の強化繊維の張力を下げすぎることで外層の強化繊維が内層から絞り出された樹脂により横方向に蛇行し、実際には強度利用率を下げることなく、高性能なFRP製容器を得るために好適なFRP製容器の製造方法を提供する。
【解決手段】樹脂を含浸した強化繊維束をライナー上に巻き付けて、ライナー上にFRP中間体層を形成し、そのFRP中間体を硬化するFRP製容器の製造方法において、FRP中間体の質量R2(kg)と巻き付け中にFRP中間体から除去された樹脂の質量R1(kg)がR1/R2≦0.05を満足するFRP製容器の製造方法である。
【選択図】 なし
【解決手段】樹脂を含浸した強化繊維束をライナー上に巻き付けて、ライナー上にFRP中間体層を形成し、そのFRP中間体を硬化するFRP製容器の製造方法において、FRP中間体の質量R2(kg)と巻き付け中にFRP中間体から除去された樹脂の質量R1(kg)がR1/R2≦0.05を満足するFRP製容器の製造方法である。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高性能なFRP(本明細書において、単にFRPという。)製容器の製造方法に関する。
なお、圧力容器等に用いるFRP製容器において、その内容物の物性によって、内層に樹脂製ライナーや金属製ライナーを用いる。本明細書においては、特に断らない限り、内層の樹脂製ライナーや金属製ライナーとFRPからなる部分を含めて、FRP製容器という。
【0002】
【従来の技術】
従来、高圧ガスの貯蔵容器として鋼鉄製の容器が用いられている。しかしながら、この鋼鉄製の貯蔵容器は、その材質が鋼鉄製であるがため重量が大きく、移動や輸送等に労力を費やすものであった。
【0003】
例えば、気体燃料を用いる自動車の燃料貯蔵容器として鋼鉄製のものを用いる場合には、燃料消費量を減らすべく車体重量を小さくするために、燃料貯蔵容器の重量をも軽量化することが求められている。また、スキューバダイビングのエア容器等の人間が担ぐような用途のガス貯蔵容器でも、人間への負担を減らすために容器の軽量化が求められている。
【0004】
そこで、高圧ガスの貯蔵容器として、従来の鋼鉄製のものに替えて、樹脂や金属製のライナーに繊維強化樹脂を巻き付けて補強したFRP製容器が用いられるようになっている。このFRP製容器は、ガスの高い充填圧力を維持しつつ軽量化がなされたものである。
【0005】
このFRP製容器を製造する工程において、強化繊維を巻き付けるための代表的な方法としては、フィラメントワインディング法(以下、FW法という。)がある。この方法は、樹脂を含浸した連続強化繊維を鉄芯、樹脂製ライナーまたは金属製ライナーに巻き付け、その後、樹脂を硬化することによりFRP製容器を製造する方法である。
【0006】
これらFW法によるFRP製容器の製造は、容易に製品を製造できる反面、例えば破裂圧力が65MPaを超える高圧の圧力容器のような円筒形状のものを製造すると強化繊維の強度の発現率が低くなる傾向があり、必要以上に強化繊維を厚く巻く必要があった。
【0007】
そのため、特開昭56−34425号公報には、巻き付け時の繊維への樹脂含有容積率を25〜80体積%の範囲に管理することで高強度化を図っている方法が記載されている。しかしながら、実際には、巻き付け体での樹脂の巻き絞りにより樹脂が流れ出して、外径が小さくなり巻きつけ長さに比して強化繊維長が余ってしまい強化繊維が蛇行することが抑えられず強度が低下し、工程前の強化繊維への樹脂含有率だけの管理では強度が必ずしも理論的なレベルまで向上しなかった。
【0008】
また、特開2002−046937号公報には、巻き付け時の強化繊維の張力を内層よりも外層の方を低くすることで、上述したような樹脂の巻き絞りによる強度低下を抑制することが開示されている。しかしながら、実際には強化繊維と樹脂の比率も考慮する必要があることから、必ずしも外層側の巻き付け時の強化繊維の張力を内層側のそれよりも小さくしても実効は上がらず、外層側の巻き付け時の強化繊維の張力を下げすぎることで外層の強化繊維が内層から絞り出された樹脂により横方向に蛇行し、実際には強度利用率を下げることがしばしば発生した。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上述した問題を解決するためになされたものであり、高性能なFRP製容器を得るために好適なFRP製容器の製造方法を提供することを目的としている。
【0010】
かかる目的を達成すべく種々検討した結果、強度低下を抑制し、必要以上に強化繊維を巻き付けることなく軽量で高性能なFRP製容器の製造方法を発明するに至った。
【0011】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明は、樹脂を含浸した強化繊維束をライナー上に巻き付けて、ライナー上にFRP中間体層を形成し、そのFRP中間体を硬化するFRP製容器の製造方法において、FRP中間体の質量R2(kg)と巻き付け中にFRP中間体から除去された樹脂の質量R1(kg)が、以下の式(1)を満足するFRP製容器の製造方法を要旨とする。
R1/R2≦0.05・・・(1)
【0012】
【発明の実施形態】
本発明のFRP製容器の製造方法においては、従来行なわれているように樹脂を含浸した強化繊維束をライナー上に巻き付けて、ライナー上にFRP中間体層を形成し、そのFRP中間体を硬化する。
【0013】
(強化繊維束)
本発明のFRP製容器の製造方法に用いる強化繊維としては、炭素繊維やアラミド繊維,ガラス繊維やPBO繊維等が挙げられるが、特に規定はしない。特に強化繊維として、JIS R 7601に準拠したストランド強度が4000MPa以上の強化繊維を用いることが高充填圧と軽量性を併せ持たせる点から好ましい。
【0014】
(マトリックス樹脂)
本発明のFRP製容器の製造方法に用いる樹脂としては、特に限定はしないが、エポキシ樹脂、ビニルエステル樹脂、フェノール樹脂、アクリル樹脂等が挙げられる。強化繊維との接着性からエポキシ樹脂が最も好ましいものとして挙げられる。本発明の製造方法に用いる樹脂として、強化繊維に含浸する樹脂として、50℃での粘度が10ポイズ以上の樹脂を用いることがFW工程中に高い張力を繊維に与えることができる点、巻きつけ後の成形体の取り扱い性が容易である点から好ましい。
【0015】
(FRP中間体層)
本発明のFRP製容器の製造方法において、形成されるFRP中間体は、その異方性材料としての特質を生かすため層構造を形成する。本発明においては、その層構造の構成は特に限定しないが、容器の内側から周方向/軸方向/周方向に強化繊維が配向している層構成とするのが強度発現および外観の点で好ましい。各層の厚みは容器の用途、内容物の種類、大きさ等によって自由に選択することができる。
【0016】
(ライナー)
本発明のFRP製容器の製造方法に用いるライナーは、用途によって樹脂製、金属製を選んで用いることができる。樹脂製ライナーとしては、高密度ポリエチレン等の熱可塑性樹脂を回転成形やブロー成形にて容器形状に賦形されたものに、金属製の口金をつけているものが一般的である。又、金属製のライナーは、アルミニウム合金製や鋼鉄製等からできているパイプ形状や板形状からスピニング加工等により容器形状に賦形したあとで、口金形状を付与して得られる.
【0017】
(強化繊維の樹脂含有率)
強化繊維に含浸する樹脂の量、すなわち、樹脂含有率は、下限値として15質量%以上が好ましく、20質量%以上がより好ましい。また上限値としては、40質量%以下が好ましく、35質量%以下がより好ましい。これらは、高い強度利用率を発現させる点から好ましい。
【0018】
強化繊維に樹脂を含浸する方法としては、ドラムに一定厚みの樹脂をのせて、その上に繊維を接触させて樹脂をつけたあと、ローラー等により樹脂を内部に含浸させる方法(以下、ドラム方式)、樹脂の浴に繊維を漬けた後、バーやガイド等により不要な樹脂を殺ぎ落とす方法(ディップ方式)、ディスペンサーのようなもので定量的に樹脂を送液して塗布する方法(ディスペンサー方式)等が挙げられるが特に限定しない。強化繊維に余分な樹脂を与えず目標量に正確に管理して塗布する方法としては、ドラム方式やディスペンサー方式の方法が特に好ましい。
【0019】
(FW法)
本発明で用いるFW機は従来公知のものでよく。ただ1本の強化繊維束を芯金または芯金に固定したライナーに巻き付けることができるものであっても、複数本の強化繊維束を同時に巻き付けられるものであってもかまわない。
【0020】
(FRP中間体から除去された樹脂)
本発明のFRP製容器の製造方法では、FRP中間体の質量R2(kg)と巻き付け中にFRP中間体から除去された樹脂の質量R1(kg)が、以下の式(1)を満足することが必要である。
R1/R2≦0.05・・・(1)
すなわち、R1/R2を0.05以下に抑えることにより強化繊維の強度利用率の高い強化複合材料製容器を得ることを可能にしたものである。
本発明において、R1およびR2は、それぞれ以下のようにして測定される値である。
【0021】
(R1の測定方法)
本発明では、巻き付け中にFRP中間体から除去された樹脂の質量R1(kg)(例えば、ライナー上から自然落下により排除された樹脂、スクレーパー等の除去具を用いてマンドレル上の樹脂を除去したりした樹脂等)は、FRP中間体の巻付け開始から巻き付け終了までに除去される樹脂をためその総量を天秤等により測定し得られた値である。
【0022】
(R2の測定方法)
FRP中間体層の形成前に、予めライナーの質量Mを測定する。次に中間体の巻き付け後に、ライナー+FRP中間体の質量Tの測定を行い、R2は次式で算出する。
R2=T−M
ただし、この質量測定の過程で自然落下等により除去された樹脂は、上記R1に含めるものとする。
【0023】
(硬化直後の容器中の繊維強化樹脂層の質量R3)
本発明のFRP製容器の製造方法では、更に
FRP中間体の質量R2(kg)と、そのFRP中間体を硬化して得られるFRPの質量R3(kg)とを強化繊維と樹脂の保持性、FW工程中の樹脂量等を調整して、以下の式(2)の範囲に制御することが好ましい。これによって得られるFRP製容器は、強化繊維を巻き付けた後の樹脂の絞り出しによって生じる強化繊維の蛇行を防ぐことができる。
0.001≦(R2−R3)/R2≦0.05・・・(2)
ここでFRP中間体を硬化して得られるFRPの質量R3(kg)とは、成形後表面の研磨等の後処理を行う前の容器であり、硬化直後の成形体に含まれる繊維強化樹脂の質量R3は、以下の方法によって測定したものである。
【0024】
(R3の測定方法)
硬化工程を終了した直後に、得られたFRP製容器を、ライナーを含んだ状態で質量T2を測定し、次式にてR3を算出する。
R3=T2−M
もし、不要な樹脂硬化物、即ち、FRPから垂れ下がった樹脂のみの硬化物やFRP表面にできた樹脂のみの硬化物がある場合はそれを排除して得られるFRP製容器の質量を測定する。
【0025】
(強化繊維の巻き付け張力)
本発明の製造方法では、強化繊維が蛇行しやすい容器の周方向に巻く際に、以下の式を満足する張力Tx(N/mm2)をかけることが強化繊維の蛇行を防ぐ上で好ましい。強化繊維を周方向に巻きつける際には、強化繊維の単位断面積当たり20N/mm2以上とすることが繊維配向を乱さず並べる点で好ましい。
0.7≦Tx/[(Vf/65)×(r1/rx)×T1]≦1.3
T1≧ 20
Tx≧20・・・(4)
Tx(N/mm2)及びT1(N/mm2)は、それぞれ、半径rx(mm)の位置での強化繊維束にかける張力、及び、円周巻き層の巻き始め位置(半径r1(mm))での強化繊維束にかける張力である。又、Vf(体積%)は、半径r1〜rxまでにある繊維強化樹脂の繊維含有率である。ただし、円周巻き層の巻き始め位置(半径r1(mm))ではVf=90〜50体積%間の任意の値を選択する。特になければ、巻きつけようとするVfを入れると良い。]
【0026】
【実施例】
以下、本発明の実施形態について具体的な実施例及び比較例を挙げて説明する。
<強化繊維1>
強化繊維1として、三菱レイヨン株式会社製炭素繊維TR50S ALA 12Lを用意した。この炭素繊維は、単繊維直径 7μm、フィラメント数12000本でストランド強度4980MPa、同弾性率 238GPa(JIS R7601準拠、含浸樹脂:三菱レイヨン株式会社製エポキシ樹脂#8NB)を有するものである。
【0027】
<強化繊維2>
強化繊維2として、三菱レイヨン株式会社製炭素繊維TRH50 12Lを用意した。この炭素繊維は、単繊維直径 7μm、フィラメント数12000本でストランド強度 4900MPa、同弾性率 255GPa(JIS R 7601準拠、含浸樹脂:三菱レイヨン株式会社製エポキシ樹脂#8NB)を有するものである。
【0028】
<樹脂1>
強化繊維に含浸する樹脂1として三菱レイヨン株式会社製#700Bを用意した。
【0029】
<樹脂2>
強化繊維に含浸する樹脂1として三菱レイヨン株式会社製#710Bを用意した。
【0030】
<トウプリプレグ1>
1本のトウからなるプリプレグとして、Newport Adhesivesand Composites inc.製WDE−3D−1(TRH50 12L)を用意した。このトウプリプレグは、三菱レイヨン株式会社製炭素繊維TRH50 12Lに、予めエポキシ樹脂(50℃で約30ポイズ)を含浸したもので、幅約3.5mm、樹脂含有率 約28質量%の形状を有する。用いられた炭素繊維は、単繊維直径 7μm、フィラメント数12000本でストランド強度5080MPa、同弾性率 255GPa(JIS R 7601準拠:含浸樹脂はトウプリプレグに含浸したエポキシ樹脂)を有するものである。
【0031】
<トウプリプレグ2>
Newport Adhesives and Composites inc.製WDE−3D−1(TR50S 12L)を用意した。このトウプリプレグは、三菱レイヨン株式会社製炭素繊維TR50S 12Lに、予めエポキシ樹脂(50℃で約30ポイズ)を含浸したもので、幅約3.5mm、樹脂含有率 約28質量%の形状を有する。用いられた炭素繊維は、単繊維直径7μm、フィラメント数12000本でストランド強度5010MPa、同弾性率 238GPa(JIS R 7601準拠:含浸樹脂はトウプリプレグに含浸したエポキシ樹脂)を有するものである。
【0032】
<ライナー>
ライナーとして、容器容量9リットルのアルミニウム製ライナー(全長540mm、直胴部長さ415mm、その外径は163mmφ、肉厚直胴部中央で3mmを用意した。
【0033】
<破壊圧力の測定方法>
三菱レイヨン社製水圧破壊試験機にFRP製容器をセットし、昇圧速度1.4MPa以下で水圧を負荷して破裂したときの破裂圧力を測定した。破壊圧力は容器3個の測定値の平均値で示した。
【0034】
(実施例1)
Entec Composite Machines,Inc社製フィラメントワインディング機を用いて、強化繊維1に樹脂1を樹脂含有率が約30質量%となるよう含浸しながら、強化繊維束1本をライナーの周方向に強化繊維断面積当たりの張力65N/mm2(Tx/[(Vf/65)×(r1/rx)×T1]=1、Vf=62体積%、r1=81.5mm、rx=83.1mm、T1=70N/mm2)で巻きつけ、約1.6mm厚の繊維強化樹脂層を形成した。
【0035】
次にその上から、同様に樹脂を含浸した強化繊維1本をライナーの軸方向に強化繊維断面積当たりの張力32.5N/mm2で巻きつけ(強化繊維の配向角度:約13度)、約2.0mm厚の繊維強化樹脂層を形成した。
【0036】
更にその上から、同様に樹脂を含浸した強化繊維1本をライナーの周方向に強化繊維断面積当たりの張力65N/mm2(Tx/[(Vf/65)×(r1/rx)×T1]=1.033、Vf=62体積%、r1=81.5mm、rx=86.5mm、T1=70N/mm2)で巻きつけ、1.4mm厚の繊維強化樹脂層を形成し、ライナー上に繊維強化樹脂層を形成した中間体を得た。この中間体の直胴部の中央部で繊維強化樹脂層の厚みを測定したところ、約5.0mmであった。
【0037】
R1=13g、R2=2278.5gであった。式(2)で計算されるR1/R2は0.0057であった。
【0038】
ライナー上に形成した繊維強化樹脂を硬化炉に入れ、炉内の温度を室温から135℃まで1℃/分で昇温した。繊維強化樹脂の表面温度が135℃に到達したことを確認した後1時間放置した。その後、炉内温度を1℃/分で60℃まで降温し、繊維強化樹脂成形体を取り出した。更に室温まで自然冷却し、FRP製容器を得た。
硬化直後の成形体に含まれる繊維強化樹脂の質量R3は2266.2gであった。式(3)で計算される(R2−R3)/R2は0.0054であった。又、最終的に得られたFRP製容器の強化繊維の体積含有率で約62体積%であった。容器の破壊水圧は111.3MPaであった。
【0039】
(比較例1)
強化繊維1に樹脂1を樹脂含有率が約35質量%となるよう含浸しながら巻きつけ、余分な樹脂量を除去するほかは、実施例1と同様に操作してライナー上に繊維強化樹脂層を形成した中間体を得た。この中間体の直胴部の中央部で繊維強化樹脂層の厚みを測定したところ、約5.0mmであった。
R1=127g、R2=2338gであった。式(2)で計算されるR1/R2は0.054であった。
【0040】
その後実施例1と同様に加熱成形し、FRP製容器を得た。
R3=2293gであった。式(2)で計算される(R2−R3)/R2は0.019であった。又、最終的に得られたFRP製容器の強化繊維の体積含有率で約61.4体積%であった。容器の破壊水圧は98.1MPaであった。
【0041】
(実施例2)
強化繊維1に樹脂2を樹脂含有率が約33質量%となるよう含浸しながら巻きつけるほかは実施例1と同様に操作してライナー上に繊維強化樹脂層を形成した中間体を得た。この中間体の直胴部の中央部で繊維強化樹脂層の厚みを測定したところ、約5.1mmであった。
R1=8g、R2=2382gであった。式(2)で計算されるR1/R2は0.003であった。
【0042】
その後、昇温速度を1℃/分から2℃/分に変更したほかは実施例1と同様に加熱成形し、FRP製容器を得た。
R3は2260gであった。式(2)で計算される(R2−R3)/R2は0.051であった。又、最終的に得られたFRP製容器の強化繊維の体積含有率で約62.6体積%であった。容器の破壊水圧は101.2MPaであった。
【0043】
(実施例3)
ライナーの周方向に強化繊維を巻きつける層のうち外層側の強化繊維束の巻きつけ張力を強化繊維断面積当たり17.5N/mm2(Tx/[(Vf/65)×(r1/rx)×T1]=1、Vf=0.62、r1=81.3mm、rx=86.5mm、T1=19.5N/mm2)とするほかは実施例1と同様に操作してライナー上に繊維強化樹脂層を形成した中間体を得た。この中間体の直胴部の中央部で繊維強化樹脂層の厚みを測定したところ、約5.0mmであった。
R1=約3g、R2=2286gであった。式(2)で計算されるR1/R2は0.001であった。
【0044】
その後は、実施例1と同様に加熱成形し、FRP製容器を得た。
R3は2260gであった。式(2)で計算される(R2−R3)/R2は0.011であった。又、最終的に得られたFRP製容器の強化繊維の体積含有率で約62.6体積%であった。容器の破壊水圧は104.5MPaであった。
【0045】
(実施例4)
Entec Composite Machines,Inc社製フィラメントワインディング機を用いて、樹脂を含浸した強化繊維束として上記トウプリプレグ1本をライナーの周方向に強化繊維断面積当たりの張力88.1N/mm2(Tx/[(Vf/65)×(r1/rx)×T1]=1、Vf=0.63、r1=81.5mm、rx=83.1mm、T1=92.7N/mm2)で巻きつけ、1.6mm厚の繊維強化樹脂層を形成した。
次にその上から、同様に樹脂を含浸した強化繊維1本をライナーの軸方向に強化繊維断面積当たりの張力88.1N/mm2で巻きつけ(強化繊維の配向角度:約13度)、2.0mm厚の繊維強化樹脂層を形成した。
更にその上から、同様に樹脂を含浸した強化繊維1本をライナーの周方向に強化繊維断面積当たりの張力88.1N/mm2(Tx/[(Vf/65)×(r1/rx)×T1]=1.041、Vf=63体積%、r1=81.5mm、rx=86.5mm、T1=92.7N/mm2)で巻きつけ、1.4mm厚の繊維強化樹脂層を形成し、ライナー上に繊維強化樹脂層を形成した中間体を得た。この中間体の直胴部の中央部で繊維強化樹脂層の厚みを測定したところ、約5mmであった。
【0046】
R1=約0g、R2=2278gであった。式(2)で計算されるR1/R2は0であった。
【0047】
ライナー上に形成した繊維強化樹脂を硬化炉に入れ、炉内の温度を室温から135℃まで1℃/分で昇温した。繊維強化樹脂の表面温度が135℃に到達したことを確認した後1.5時間放置した。その後、炉内温度を1℃/分で60℃まで降温し、繊維強化樹脂成形体を取り出した。更に室温まで自然冷却し、FRP製容器を得た。
R3は2265gであった。式(3)で計算される(R2−R3)/R2は0.006であった。又、最終的に得られたFRP製容器の強化繊維の体積含有率で約62.4体積%であった。容器の破壊水圧は118.3MPaであった。
【0048】
(実施例5)
ライナーの周方向にトウプリプレグを巻きつける層のうち内層側のトウプリプレグの巻きつけ張力を強化繊維断面積当たり61.7N/mm2(Tx/[(Vf/65)×(r1/rx)×T1]=0.7、Vf=63体積%、r1=81.5mm、rx=83.1mm、T1=92.7N/mm2)とするほかは、実施例2と同様に操作してライナー上に繊維強化樹脂層を形成した中間体を得た。この中間体の直胴部の中央部で繊維強化樹脂層の厚みを測定したところ、約5mmであった。
R1=約0g、R2=2272gであった。式(2)で計算されるR1/R2は0であった。
その後は、実施例2と同様に加熱成形し、FRP製容器を得た。
R3は2259gであった。式(3)で計算される(R2−R3)/R2は約0.6%であった。又、最終的に得られたFRP製容器の強化繊維の体積含有率で約62.4体積%であった。容器の破壊水圧は118.6MPaであった。
【0049】
(実施例6)
ライナーの周方向にトウプリプレグを巻きつける層のうち外層側のトウプリプレグの巻きつけ張力を強化繊維断面積当たり110N/mm2(Tx/[(Vf/65)×(r1/rx)×T1]=1.3、Vf=63体積%、r1=81.5mm、rx=86.5mm、T1=92.7N/mm2)とするほかは、実施例2と同様に操作してライナー上に繊維強化樹脂層を形成した中間体を得た。この中間体の直胴部の中央部で繊維強化樹脂層の厚みを測定したところ、約5mmであった。
R1=約0g、R2=2269gであった。式(2)で計算されるR1/R2は0であった。その後は、実施例2と同様に加熱成形し、FRP製容器を得た。
R3は2261gであった。式(3)で計算される(R2−R3)/R2は約0.004%であった。又、最終的に得られたFRP製容器の強化繊維の体積含有率で約62.4体積%であった。容器の破壊水圧は116.1MPaであった。
【0050】
(実施例7)
トウプリプレグの巻きつけ張力を
内側周方向巻き付け層 21.0N/mm2(Tx/[(Vf/65)×(r1/rx)×T1]=1、Vf=63体積%、r1=81.5mm、rx=83.1mm、T1=22.1N/mm2)
周方向巻き付け層 21.0N/mm2
外側の周方向巻き付け層 14.1N/mm2(Tx/[(Vf/65)×(r1/rx)×T1]=0.7、Vf=63体積%,r1=81.5mm、rx=86.5mm、T1=22.1N/mm2)としたほかは、実施例2と同様に操作してライナー上に繊維強化樹脂層を形成した中間体を得た。この中間体の直胴部の中央部で繊維強化樹脂層の厚みを測定したところ、約5mmであった。
【0051】
R1=約0g、R2=2271gであった。式(2)で計算されるR1/R2は0であった。
【0052】
その後は、実施例2と同様に加熱成形し、FRP製容器を得た。
R3は2260gであった。式(3)で計算される(R2−R3)/R2は約0.005であった。又、最終的に得られたFRP製容器の強化繊維の体積含有率で約62.6体積%であった。容器の破壊水圧は108.9MPaであった。
【0053】
(実施例8)
トウプリプレグの巻きつけ張力を
内側周方向巻き付け層 18.1N/mm2(Tx/[(Vf/65)×(r1/rx)×T1]=1、Vf=63体積%、r1=81.5mm、rx=83.1mm、T1=19.0N/mm2)
周方向巻き付け層 18.1N/mm2
外側の周方向巻き付け層 17.4N/mm2(Tx/[(Vf/65)×(r1/rx)×T1]=1,Vf=63体積%,r1=81.5mm、rx=86.5mm、T1=19.0N/mm2)
としたほかは、実施例2と同様に操作してライナー上に繊維強化樹脂層を形成した中間体を得た。この中間体の直胴部の中央部で繊維強化樹脂層の厚みを測定したところ、約5mmであった。
【0054】
R1=約0g、R2=2275gであった。式(2)で計算されるR1/R2は0であった。その後は、実施例2と同様に加熱成形し、FRP製容器を得た。
R3=2256gであった。式(3)で計算される(R2−R3)/R2は約0.008であった。又、最終的に得られたFRP製容器の強化繊維の体積含有率で約62.7体積%であった。容器の破壊水圧は105.2MPaであった
【0055】
【表1】
【0056】
【発明の効果】
従来の方法でしばしば発生した、外層側の巻き付け時の強化繊維の張力を下げすぎることで外層の強化繊維が内層から絞り出された樹脂により横方向に蛇行し、実際には強度利用率を下げることなく、高性能なFRP製容器を得るために好適なFRP製容器の製造方法を提供するものである。
【発明の属する技術分野】
本発明は、高性能なFRP(本明細書において、単にFRPという。)製容器の製造方法に関する。
なお、圧力容器等に用いるFRP製容器において、その内容物の物性によって、内層に樹脂製ライナーや金属製ライナーを用いる。本明細書においては、特に断らない限り、内層の樹脂製ライナーや金属製ライナーとFRPからなる部分を含めて、FRP製容器という。
【0002】
【従来の技術】
従来、高圧ガスの貯蔵容器として鋼鉄製の容器が用いられている。しかしながら、この鋼鉄製の貯蔵容器は、その材質が鋼鉄製であるがため重量が大きく、移動や輸送等に労力を費やすものであった。
【0003】
例えば、気体燃料を用いる自動車の燃料貯蔵容器として鋼鉄製のものを用いる場合には、燃料消費量を減らすべく車体重量を小さくするために、燃料貯蔵容器の重量をも軽量化することが求められている。また、スキューバダイビングのエア容器等の人間が担ぐような用途のガス貯蔵容器でも、人間への負担を減らすために容器の軽量化が求められている。
【0004】
そこで、高圧ガスの貯蔵容器として、従来の鋼鉄製のものに替えて、樹脂や金属製のライナーに繊維強化樹脂を巻き付けて補強したFRP製容器が用いられるようになっている。このFRP製容器は、ガスの高い充填圧力を維持しつつ軽量化がなされたものである。
【0005】
このFRP製容器を製造する工程において、強化繊維を巻き付けるための代表的な方法としては、フィラメントワインディング法(以下、FW法という。)がある。この方法は、樹脂を含浸した連続強化繊維を鉄芯、樹脂製ライナーまたは金属製ライナーに巻き付け、その後、樹脂を硬化することによりFRP製容器を製造する方法である。
【0006】
これらFW法によるFRP製容器の製造は、容易に製品を製造できる反面、例えば破裂圧力が65MPaを超える高圧の圧力容器のような円筒形状のものを製造すると強化繊維の強度の発現率が低くなる傾向があり、必要以上に強化繊維を厚く巻く必要があった。
【0007】
そのため、特開昭56−34425号公報には、巻き付け時の繊維への樹脂含有容積率を25〜80体積%の範囲に管理することで高強度化を図っている方法が記載されている。しかしながら、実際には、巻き付け体での樹脂の巻き絞りにより樹脂が流れ出して、外径が小さくなり巻きつけ長さに比して強化繊維長が余ってしまい強化繊維が蛇行することが抑えられず強度が低下し、工程前の強化繊維への樹脂含有率だけの管理では強度が必ずしも理論的なレベルまで向上しなかった。
【0008】
また、特開2002−046937号公報には、巻き付け時の強化繊維の張力を内層よりも外層の方を低くすることで、上述したような樹脂の巻き絞りによる強度低下を抑制することが開示されている。しかしながら、実際には強化繊維と樹脂の比率も考慮する必要があることから、必ずしも外層側の巻き付け時の強化繊維の張力を内層側のそれよりも小さくしても実効は上がらず、外層側の巻き付け時の強化繊維の張力を下げすぎることで外層の強化繊維が内層から絞り出された樹脂により横方向に蛇行し、実際には強度利用率を下げることがしばしば発生した。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上述した問題を解決するためになされたものであり、高性能なFRP製容器を得るために好適なFRP製容器の製造方法を提供することを目的としている。
【0010】
かかる目的を達成すべく種々検討した結果、強度低下を抑制し、必要以上に強化繊維を巻き付けることなく軽量で高性能なFRP製容器の製造方法を発明するに至った。
【0011】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明は、樹脂を含浸した強化繊維束をライナー上に巻き付けて、ライナー上にFRP中間体層を形成し、そのFRP中間体を硬化するFRP製容器の製造方法において、FRP中間体の質量R2(kg)と巻き付け中にFRP中間体から除去された樹脂の質量R1(kg)が、以下の式(1)を満足するFRP製容器の製造方法を要旨とする。
R1/R2≦0.05・・・(1)
【0012】
【発明の実施形態】
本発明のFRP製容器の製造方法においては、従来行なわれているように樹脂を含浸した強化繊維束をライナー上に巻き付けて、ライナー上にFRP中間体層を形成し、そのFRP中間体を硬化する。
【0013】
(強化繊維束)
本発明のFRP製容器の製造方法に用いる強化繊維としては、炭素繊維やアラミド繊維,ガラス繊維やPBO繊維等が挙げられるが、特に規定はしない。特に強化繊維として、JIS R 7601に準拠したストランド強度が4000MPa以上の強化繊維を用いることが高充填圧と軽量性を併せ持たせる点から好ましい。
【0014】
(マトリックス樹脂)
本発明のFRP製容器の製造方法に用いる樹脂としては、特に限定はしないが、エポキシ樹脂、ビニルエステル樹脂、フェノール樹脂、アクリル樹脂等が挙げられる。強化繊維との接着性からエポキシ樹脂が最も好ましいものとして挙げられる。本発明の製造方法に用いる樹脂として、強化繊維に含浸する樹脂として、50℃での粘度が10ポイズ以上の樹脂を用いることがFW工程中に高い張力を繊維に与えることができる点、巻きつけ後の成形体の取り扱い性が容易である点から好ましい。
【0015】
(FRP中間体層)
本発明のFRP製容器の製造方法において、形成されるFRP中間体は、その異方性材料としての特質を生かすため層構造を形成する。本発明においては、その層構造の構成は特に限定しないが、容器の内側から周方向/軸方向/周方向に強化繊維が配向している層構成とするのが強度発現および外観の点で好ましい。各層の厚みは容器の用途、内容物の種類、大きさ等によって自由に選択することができる。
【0016】
(ライナー)
本発明のFRP製容器の製造方法に用いるライナーは、用途によって樹脂製、金属製を選んで用いることができる。樹脂製ライナーとしては、高密度ポリエチレン等の熱可塑性樹脂を回転成形やブロー成形にて容器形状に賦形されたものに、金属製の口金をつけているものが一般的である。又、金属製のライナーは、アルミニウム合金製や鋼鉄製等からできているパイプ形状や板形状からスピニング加工等により容器形状に賦形したあとで、口金形状を付与して得られる.
【0017】
(強化繊維の樹脂含有率)
強化繊維に含浸する樹脂の量、すなわち、樹脂含有率は、下限値として15質量%以上が好ましく、20質量%以上がより好ましい。また上限値としては、40質量%以下が好ましく、35質量%以下がより好ましい。これらは、高い強度利用率を発現させる点から好ましい。
【0018】
強化繊維に樹脂を含浸する方法としては、ドラムに一定厚みの樹脂をのせて、その上に繊維を接触させて樹脂をつけたあと、ローラー等により樹脂を内部に含浸させる方法(以下、ドラム方式)、樹脂の浴に繊維を漬けた後、バーやガイド等により不要な樹脂を殺ぎ落とす方法(ディップ方式)、ディスペンサーのようなもので定量的に樹脂を送液して塗布する方法(ディスペンサー方式)等が挙げられるが特に限定しない。強化繊維に余分な樹脂を与えず目標量に正確に管理して塗布する方法としては、ドラム方式やディスペンサー方式の方法が特に好ましい。
【0019】
(FW法)
本発明で用いるFW機は従来公知のものでよく。ただ1本の強化繊維束を芯金または芯金に固定したライナーに巻き付けることができるものであっても、複数本の強化繊維束を同時に巻き付けられるものであってもかまわない。
【0020】
(FRP中間体から除去された樹脂)
本発明のFRP製容器の製造方法では、FRP中間体の質量R2(kg)と巻き付け中にFRP中間体から除去された樹脂の質量R1(kg)が、以下の式(1)を満足することが必要である。
R1/R2≦0.05・・・(1)
すなわち、R1/R2を0.05以下に抑えることにより強化繊維の強度利用率の高い強化複合材料製容器を得ることを可能にしたものである。
本発明において、R1およびR2は、それぞれ以下のようにして測定される値である。
【0021】
(R1の測定方法)
本発明では、巻き付け中にFRP中間体から除去された樹脂の質量R1(kg)(例えば、ライナー上から自然落下により排除された樹脂、スクレーパー等の除去具を用いてマンドレル上の樹脂を除去したりした樹脂等)は、FRP中間体の巻付け開始から巻き付け終了までに除去される樹脂をためその総量を天秤等により測定し得られた値である。
【0022】
(R2の測定方法)
FRP中間体層の形成前に、予めライナーの質量Mを測定する。次に中間体の巻き付け後に、ライナー+FRP中間体の質量Tの測定を行い、R2は次式で算出する。
R2=T−M
ただし、この質量測定の過程で自然落下等により除去された樹脂は、上記R1に含めるものとする。
【0023】
(硬化直後の容器中の繊維強化樹脂層の質量R3)
本発明のFRP製容器の製造方法では、更に
FRP中間体の質量R2(kg)と、そのFRP中間体を硬化して得られるFRPの質量R3(kg)とを強化繊維と樹脂の保持性、FW工程中の樹脂量等を調整して、以下の式(2)の範囲に制御することが好ましい。これによって得られるFRP製容器は、強化繊維を巻き付けた後の樹脂の絞り出しによって生じる強化繊維の蛇行を防ぐことができる。
0.001≦(R2−R3)/R2≦0.05・・・(2)
ここでFRP中間体を硬化して得られるFRPの質量R3(kg)とは、成形後表面の研磨等の後処理を行う前の容器であり、硬化直後の成形体に含まれる繊維強化樹脂の質量R3は、以下の方法によって測定したものである。
【0024】
(R3の測定方法)
硬化工程を終了した直後に、得られたFRP製容器を、ライナーを含んだ状態で質量T2を測定し、次式にてR3を算出する。
R3=T2−M
もし、不要な樹脂硬化物、即ち、FRPから垂れ下がった樹脂のみの硬化物やFRP表面にできた樹脂のみの硬化物がある場合はそれを排除して得られるFRP製容器の質量を測定する。
【0025】
(強化繊維の巻き付け張力)
本発明の製造方法では、強化繊維が蛇行しやすい容器の周方向に巻く際に、以下の式を満足する張力Tx(N/mm2)をかけることが強化繊維の蛇行を防ぐ上で好ましい。強化繊維を周方向に巻きつける際には、強化繊維の単位断面積当たり20N/mm2以上とすることが繊維配向を乱さず並べる点で好ましい。
0.7≦Tx/[(Vf/65)×(r1/rx)×T1]≦1.3
T1≧ 20
Tx≧20・・・(4)
Tx(N/mm2)及びT1(N/mm2)は、それぞれ、半径rx(mm)の位置での強化繊維束にかける張力、及び、円周巻き層の巻き始め位置(半径r1(mm))での強化繊維束にかける張力である。又、Vf(体積%)は、半径r1〜rxまでにある繊維強化樹脂の繊維含有率である。ただし、円周巻き層の巻き始め位置(半径r1(mm))ではVf=90〜50体積%間の任意の値を選択する。特になければ、巻きつけようとするVfを入れると良い。]
【0026】
【実施例】
以下、本発明の実施形態について具体的な実施例及び比較例を挙げて説明する。
<強化繊維1>
強化繊維1として、三菱レイヨン株式会社製炭素繊維TR50S ALA 12Lを用意した。この炭素繊維は、単繊維直径 7μm、フィラメント数12000本でストランド強度4980MPa、同弾性率 238GPa(JIS R7601準拠、含浸樹脂:三菱レイヨン株式会社製エポキシ樹脂#8NB)を有するものである。
【0027】
<強化繊維2>
強化繊維2として、三菱レイヨン株式会社製炭素繊維TRH50 12Lを用意した。この炭素繊維は、単繊維直径 7μm、フィラメント数12000本でストランド強度 4900MPa、同弾性率 255GPa(JIS R 7601準拠、含浸樹脂:三菱レイヨン株式会社製エポキシ樹脂#8NB)を有するものである。
【0028】
<樹脂1>
強化繊維に含浸する樹脂1として三菱レイヨン株式会社製#700Bを用意した。
【0029】
<樹脂2>
強化繊維に含浸する樹脂1として三菱レイヨン株式会社製#710Bを用意した。
【0030】
<トウプリプレグ1>
1本のトウからなるプリプレグとして、Newport Adhesivesand Composites inc.製WDE−3D−1(TRH50 12L)を用意した。このトウプリプレグは、三菱レイヨン株式会社製炭素繊維TRH50 12Lに、予めエポキシ樹脂(50℃で約30ポイズ)を含浸したもので、幅約3.5mm、樹脂含有率 約28質量%の形状を有する。用いられた炭素繊維は、単繊維直径 7μm、フィラメント数12000本でストランド強度5080MPa、同弾性率 255GPa(JIS R 7601準拠:含浸樹脂はトウプリプレグに含浸したエポキシ樹脂)を有するものである。
【0031】
<トウプリプレグ2>
Newport Adhesives and Composites inc.製WDE−3D−1(TR50S 12L)を用意した。このトウプリプレグは、三菱レイヨン株式会社製炭素繊維TR50S 12Lに、予めエポキシ樹脂(50℃で約30ポイズ)を含浸したもので、幅約3.5mm、樹脂含有率 約28質量%の形状を有する。用いられた炭素繊維は、単繊維直径7μm、フィラメント数12000本でストランド強度5010MPa、同弾性率 238GPa(JIS R 7601準拠:含浸樹脂はトウプリプレグに含浸したエポキシ樹脂)を有するものである。
【0032】
<ライナー>
ライナーとして、容器容量9リットルのアルミニウム製ライナー(全長540mm、直胴部長さ415mm、その外径は163mmφ、肉厚直胴部中央で3mmを用意した。
【0033】
<破壊圧力の測定方法>
三菱レイヨン社製水圧破壊試験機にFRP製容器をセットし、昇圧速度1.4MPa以下で水圧を負荷して破裂したときの破裂圧力を測定した。破壊圧力は容器3個の測定値の平均値で示した。
【0034】
(実施例1)
Entec Composite Machines,Inc社製フィラメントワインディング機を用いて、強化繊維1に樹脂1を樹脂含有率が約30質量%となるよう含浸しながら、強化繊維束1本をライナーの周方向に強化繊維断面積当たりの張力65N/mm2(Tx/[(Vf/65)×(r1/rx)×T1]=1、Vf=62体積%、r1=81.5mm、rx=83.1mm、T1=70N/mm2)で巻きつけ、約1.6mm厚の繊維強化樹脂層を形成した。
【0035】
次にその上から、同様に樹脂を含浸した強化繊維1本をライナーの軸方向に強化繊維断面積当たりの張力32.5N/mm2で巻きつけ(強化繊維の配向角度:約13度)、約2.0mm厚の繊維強化樹脂層を形成した。
【0036】
更にその上から、同様に樹脂を含浸した強化繊維1本をライナーの周方向に強化繊維断面積当たりの張力65N/mm2(Tx/[(Vf/65)×(r1/rx)×T1]=1.033、Vf=62体積%、r1=81.5mm、rx=86.5mm、T1=70N/mm2)で巻きつけ、1.4mm厚の繊維強化樹脂層を形成し、ライナー上に繊維強化樹脂層を形成した中間体を得た。この中間体の直胴部の中央部で繊維強化樹脂層の厚みを測定したところ、約5.0mmであった。
【0037】
R1=13g、R2=2278.5gであった。式(2)で計算されるR1/R2は0.0057であった。
【0038】
ライナー上に形成した繊維強化樹脂を硬化炉に入れ、炉内の温度を室温から135℃まで1℃/分で昇温した。繊維強化樹脂の表面温度が135℃に到達したことを確認した後1時間放置した。その後、炉内温度を1℃/分で60℃まで降温し、繊維強化樹脂成形体を取り出した。更に室温まで自然冷却し、FRP製容器を得た。
硬化直後の成形体に含まれる繊維強化樹脂の質量R3は2266.2gであった。式(3)で計算される(R2−R3)/R2は0.0054であった。又、最終的に得られたFRP製容器の強化繊維の体積含有率で約62体積%であった。容器の破壊水圧は111.3MPaであった。
【0039】
(比較例1)
強化繊維1に樹脂1を樹脂含有率が約35質量%となるよう含浸しながら巻きつけ、余分な樹脂量を除去するほかは、実施例1と同様に操作してライナー上に繊維強化樹脂層を形成した中間体を得た。この中間体の直胴部の中央部で繊維強化樹脂層の厚みを測定したところ、約5.0mmであった。
R1=127g、R2=2338gであった。式(2)で計算されるR1/R2は0.054であった。
【0040】
その後実施例1と同様に加熱成形し、FRP製容器を得た。
R3=2293gであった。式(2)で計算される(R2−R3)/R2は0.019であった。又、最終的に得られたFRP製容器の強化繊維の体積含有率で約61.4体積%であった。容器の破壊水圧は98.1MPaであった。
【0041】
(実施例2)
強化繊維1に樹脂2を樹脂含有率が約33質量%となるよう含浸しながら巻きつけるほかは実施例1と同様に操作してライナー上に繊維強化樹脂層を形成した中間体を得た。この中間体の直胴部の中央部で繊維強化樹脂層の厚みを測定したところ、約5.1mmであった。
R1=8g、R2=2382gであった。式(2)で計算されるR1/R2は0.003であった。
【0042】
その後、昇温速度を1℃/分から2℃/分に変更したほかは実施例1と同様に加熱成形し、FRP製容器を得た。
R3は2260gであった。式(2)で計算される(R2−R3)/R2は0.051であった。又、最終的に得られたFRP製容器の強化繊維の体積含有率で約62.6体積%であった。容器の破壊水圧は101.2MPaであった。
【0043】
(実施例3)
ライナーの周方向に強化繊維を巻きつける層のうち外層側の強化繊維束の巻きつけ張力を強化繊維断面積当たり17.5N/mm2(Tx/[(Vf/65)×(r1/rx)×T1]=1、Vf=0.62、r1=81.3mm、rx=86.5mm、T1=19.5N/mm2)とするほかは実施例1と同様に操作してライナー上に繊維強化樹脂層を形成した中間体を得た。この中間体の直胴部の中央部で繊維強化樹脂層の厚みを測定したところ、約5.0mmであった。
R1=約3g、R2=2286gであった。式(2)で計算されるR1/R2は0.001であった。
【0044】
その後は、実施例1と同様に加熱成形し、FRP製容器を得た。
R3は2260gであった。式(2)で計算される(R2−R3)/R2は0.011であった。又、最終的に得られたFRP製容器の強化繊維の体積含有率で約62.6体積%であった。容器の破壊水圧は104.5MPaであった。
【0045】
(実施例4)
Entec Composite Machines,Inc社製フィラメントワインディング機を用いて、樹脂を含浸した強化繊維束として上記トウプリプレグ1本をライナーの周方向に強化繊維断面積当たりの張力88.1N/mm2(Tx/[(Vf/65)×(r1/rx)×T1]=1、Vf=0.63、r1=81.5mm、rx=83.1mm、T1=92.7N/mm2)で巻きつけ、1.6mm厚の繊維強化樹脂層を形成した。
次にその上から、同様に樹脂を含浸した強化繊維1本をライナーの軸方向に強化繊維断面積当たりの張力88.1N/mm2で巻きつけ(強化繊維の配向角度:約13度)、2.0mm厚の繊維強化樹脂層を形成した。
更にその上から、同様に樹脂を含浸した強化繊維1本をライナーの周方向に強化繊維断面積当たりの張力88.1N/mm2(Tx/[(Vf/65)×(r1/rx)×T1]=1.041、Vf=63体積%、r1=81.5mm、rx=86.5mm、T1=92.7N/mm2)で巻きつけ、1.4mm厚の繊維強化樹脂層を形成し、ライナー上に繊維強化樹脂層を形成した中間体を得た。この中間体の直胴部の中央部で繊維強化樹脂層の厚みを測定したところ、約5mmであった。
【0046】
R1=約0g、R2=2278gであった。式(2)で計算されるR1/R2は0であった。
【0047】
ライナー上に形成した繊維強化樹脂を硬化炉に入れ、炉内の温度を室温から135℃まで1℃/分で昇温した。繊維強化樹脂の表面温度が135℃に到達したことを確認した後1.5時間放置した。その後、炉内温度を1℃/分で60℃まで降温し、繊維強化樹脂成形体を取り出した。更に室温まで自然冷却し、FRP製容器を得た。
R3は2265gであった。式(3)で計算される(R2−R3)/R2は0.006であった。又、最終的に得られたFRP製容器の強化繊維の体積含有率で約62.4体積%であった。容器の破壊水圧は118.3MPaであった。
【0048】
(実施例5)
ライナーの周方向にトウプリプレグを巻きつける層のうち内層側のトウプリプレグの巻きつけ張力を強化繊維断面積当たり61.7N/mm2(Tx/[(Vf/65)×(r1/rx)×T1]=0.7、Vf=63体積%、r1=81.5mm、rx=83.1mm、T1=92.7N/mm2)とするほかは、実施例2と同様に操作してライナー上に繊維強化樹脂層を形成した中間体を得た。この中間体の直胴部の中央部で繊維強化樹脂層の厚みを測定したところ、約5mmであった。
R1=約0g、R2=2272gであった。式(2)で計算されるR1/R2は0であった。
その後は、実施例2と同様に加熱成形し、FRP製容器を得た。
R3は2259gであった。式(3)で計算される(R2−R3)/R2は約0.6%であった。又、最終的に得られたFRP製容器の強化繊維の体積含有率で約62.4体積%であった。容器の破壊水圧は118.6MPaであった。
【0049】
(実施例6)
ライナーの周方向にトウプリプレグを巻きつける層のうち外層側のトウプリプレグの巻きつけ張力を強化繊維断面積当たり110N/mm2(Tx/[(Vf/65)×(r1/rx)×T1]=1.3、Vf=63体積%、r1=81.5mm、rx=86.5mm、T1=92.7N/mm2)とするほかは、実施例2と同様に操作してライナー上に繊維強化樹脂層を形成した中間体を得た。この中間体の直胴部の中央部で繊維強化樹脂層の厚みを測定したところ、約5mmであった。
R1=約0g、R2=2269gであった。式(2)で計算されるR1/R2は0であった。その後は、実施例2と同様に加熱成形し、FRP製容器を得た。
R3は2261gであった。式(3)で計算される(R2−R3)/R2は約0.004%であった。又、最終的に得られたFRP製容器の強化繊維の体積含有率で約62.4体積%であった。容器の破壊水圧は116.1MPaであった。
【0050】
(実施例7)
トウプリプレグの巻きつけ張力を
内側周方向巻き付け層 21.0N/mm2(Tx/[(Vf/65)×(r1/rx)×T1]=1、Vf=63体積%、r1=81.5mm、rx=83.1mm、T1=22.1N/mm2)
周方向巻き付け層 21.0N/mm2
外側の周方向巻き付け層 14.1N/mm2(Tx/[(Vf/65)×(r1/rx)×T1]=0.7、Vf=63体積%,r1=81.5mm、rx=86.5mm、T1=22.1N/mm2)としたほかは、実施例2と同様に操作してライナー上に繊維強化樹脂層を形成した中間体を得た。この中間体の直胴部の中央部で繊維強化樹脂層の厚みを測定したところ、約5mmであった。
【0051】
R1=約0g、R2=2271gであった。式(2)で計算されるR1/R2は0であった。
【0052】
その後は、実施例2と同様に加熱成形し、FRP製容器を得た。
R3は2260gであった。式(3)で計算される(R2−R3)/R2は約0.005であった。又、最終的に得られたFRP製容器の強化繊維の体積含有率で約62.6体積%であった。容器の破壊水圧は108.9MPaであった。
【0053】
(実施例8)
トウプリプレグの巻きつけ張力を
内側周方向巻き付け層 18.1N/mm2(Tx/[(Vf/65)×(r1/rx)×T1]=1、Vf=63体積%、r1=81.5mm、rx=83.1mm、T1=19.0N/mm2)
周方向巻き付け層 18.1N/mm2
外側の周方向巻き付け層 17.4N/mm2(Tx/[(Vf/65)×(r1/rx)×T1]=1,Vf=63体積%,r1=81.5mm、rx=86.5mm、T1=19.0N/mm2)
としたほかは、実施例2と同様に操作してライナー上に繊維強化樹脂層を形成した中間体を得た。この中間体の直胴部の中央部で繊維強化樹脂層の厚みを測定したところ、約5mmであった。
【0054】
R1=約0g、R2=2275gであった。式(2)で計算されるR1/R2は0であった。その後は、実施例2と同様に加熱成形し、FRP製容器を得た。
R3=2256gであった。式(3)で計算される(R2−R3)/R2は約0.008であった。又、最終的に得られたFRP製容器の強化繊維の体積含有率で約62.7体積%であった。容器の破壊水圧は105.2MPaであった
【0055】
【表1】
【0056】
【発明の効果】
従来の方法でしばしば発生した、外層側の巻き付け時の強化繊維の張力を下げすぎることで外層の強化繊維が内層から絞り出された樹脂により横方向に蛇行し、実際には強度利用率を下げることなく、高性能なFRP製容器を得るために好適なFRP製容器の製造方法を提供するものである。
Claims (5)
- 樹脂を含浸した強化繊維束をライナー上に巻き付けて、ライナー上にFRP中間体層を形成し、そのFRP中間体を硬化するFRP製容器の製造方法において、FRP中間体の質量R2(kg)と巻き付け中にFRP中間体から除去された樹脂の質量R1(kg)が式(1)を満足するFRP製容器の製造方法。
R1/R2≦0.05・・・(1) - FRP中間体の質量R2(kg)と、そのFRP中間体を硬化して得られるFRPの質量R3(kg)とが式(2)を満足する請求項1記載のFRP製容器の製造方法。
0.001≦(R2−R3)/R2≦0.05・・・(2) - 請求項1又は2項記載のFRP製容器の製造方法において、含浸した強化繊維束を容器の円周方向に巻く際の張力Tx(N/mm2)が式(3)を満足するFRP製容器の製造方法。
0.7≦Tx/[(Vf/65)×(r1/rx)×T1]≦1.3
T1≧ 20
Tx≧20・・・(3)
Tx(N/mm2)及びT1(N/mm2)は、それぞれ、半径rx(mm)の位置での強化繊維束にかける張力、及び、円周巻き層の巻き始め位置(半径r1(mm))での強化繊維束にかける張力である。又、Vf(体積%)は、半径r1〜rxまでにある繊維強化樹脂の繊維含有率である。ただし、円周巻き層の巻き始め位置(半径r1(mm))ではVf=90〜50体積%間の任意の値を選択する。 - JIS R 7601に準拠したストランド強度が4000MPa以上の強化繊維を強化繊維として用いる請求項1〜3のいずれか1項記載のFRP製容器の製造方法。
- 強化繊維に含浸する樹脂として、50℃での粘度が10ポイズ以上の樹脂を用いる請求項1〜4のいずれか1項記載のFRP製容器の製造方法。
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US7566376B2 (en) * | 2003-10-01 | 2009-07-28 | Fuji Jukogyo Kabushiki Kaisha | Pressure container manufacturing method |
WO2017110919A1 (ja) * | 2015-12-25 | 2017-06-29 | 東レ株式会社 | エポキシ樹脂組成物、繊維強化複合材料、成形品および圧力容器 |
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2002
- 2002-08-06 JP JP2002229172A patent/JP2004066637A/ja active Pending
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