JP2005337272A - Frp製圧力容器 - Google Patents

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Abstract

【課題】 圧力容器を強化繊維でブレイディング組成する際に、十分な最高充てん圧力や最小破裂圧力を満足する強度を備える組成構造のFRP製圧力容器を提供することである。
【解決手段】 シリンダ部の両側にドーム部を備えて、前記ドーム部の中心部にそれぞれ口金を有する形状の圧力容器であって、前記シリンダ部と前記ドーム部とを、樹脂製ライナーの外側を共に強化繊維である、組角度が0°の軸方向繊維と所定の組角度で組成する周方向繊維とで連続的にブレイディング組成し被覆して強化繊維層を形成すると共に、前記周方向繊維の組角度θ°を下記の数式1を満足する組角度で組成する構成とした。
【数1】
Figure 2005337272

ここで、Dはライナーの円筒部の径(mm)であり、nは組糸本数であり、Sは組糸のストランド面積(mm2)である。
【選択図】 図1

Description

本発明は、液化石油ガス(以下LPGという)などを圧縮した状態で収容する圧力容器に係り、特に強化繊維により心体となるライナーの外周をブレイディング組成して被覆したFRP製圧力容器に関するものである。
従来、周知のように、LPGなどを圧縮した状態で収容する所謂圧力容器は、耐圧性や耐衝撃性を確保する目的で、一般的には、金属製の容器が採用されてきている。しかし、この金属製の容器は、高重量のものであることから、運搬並びに取り扱いに多大な労力を要するものであり、且つコスト高という問題点を有している。
さらに、収容するガスの種類や、使用する環境、例えば海の近辺などの塩分の影響が大きい場所等では、容器が腐蝕するという問題がある。
この種の圧力容器に見られる問題点を解消する目的において、ガラス繊維や炭素繊維、あるいはナイロン繊維等の高強力糸条よりなる組物構造体で樹脂製のライナーを被覆した繊維強化プラスチック(Fiber Reinforced Plastics:以下、FRPという。)で圧力容器を作成する試みがある。このFRPによる圧力容器は、耐腐食性に優れ、さらに、軽量化とコストダウンが図れ、運搬並びに取り扱いが容易で、しかも、安価に提供し得る点において極めて有利なものである。
ブレイダーにより繊維強化圧力容器を製造するブレイダーシステムが既に知られており、シリンダ部とドーム部とを備える形状のFRP製の圧力容器を、一体的に自動的にブレイディングする方法は既に本出願人より出願されている。(例えば、特許文献1参照)。
また、FRP製の圧力容器を連続的に生産するとした繊維強化圧力容器の連続生産シズテムも本出願人より既に出願されている。(例えば、特許文献2参照)。
さらには、円筒部(シリンダ部)とドーム部との境目の肩部が薄くならないように衝撃緩衝層を形成する繊維束を配列するとした圧力容器も出願されている。(例えば、特許文献3参照)。
特開平11−262955号公報(第1−6頁、第1図) 特開2000−334853号公報(第1−7頁、第1図) 特開2001−21099号公報(第1−7頁、第1図)
ブレイダーにより組成されるFRP製圧力容器の管強度を高めるには、組成する組糸同士が隙間なく密着して組み合わされた状態で糸の乱れが発生しにくく、安定した一様な組成構造となることが肝要である。
そのためには、組成する組糸(強化繊維)の形状と太さによりその組角度を適当な範囲とする必要がある。
また、圧力容器の性能として、最高充てん圧力、最小破裂圧力が定められており、また、容器が破裂するまで昇圧する破裂試験を行うことが義務付けられている。
上記の各種の性能を確認する性能試験として、最高充てん圧力以上の圧力を毎分10回以下の割合で1万回以上加圧して破裂しないことを確認する耐圧試験や、破裂する圧力が最小破裂圧力以上であることを確認する破裂試験等が実施され、特に、破裂の際に、その破裂が胴部にて生じると共に、2つ以上に分離しないことが義務付けられている。
そのために、圧力容器をFRP製とする際には、十分な最高充てん圧力や最小破裂圧力を満足する組成構造としたブレイディング組成体とすることが肝要である。
本発明の目的は、圧力容器を強化繊維でブレイディング組成する際に、十分な最高充てん圧力や最小破裂圧力を満足する強度を備える組成構造のFRP製圧力容器を提供することである。
上記の目的を達成するために請求項1に係る発明は、円筒形状のシリンダ部を有する樹脂製ライナーと該ライナーの外側を被覆する強化繊維層から構成されるFRP製圧力容器であって、前記強化繊維層を、共に強化繊維である組角度が0°の軸方向繊維と、所定の組角度で組成する周方向繊維とで、前記シリンダ部の外周をブレイディング組成する際に、前記周方向繊維の組角度θ°を下記の数式1を満足する組角度としたことを特徴としている。
Figure 2005337272
ここで、Dはライナーの円筒部の径(mm)であり、nは組糸本数であり、Sは組糸のストランド面積(mm2)である。
上記の構成を有する請求項1に係る発明によれば、周方向繊維の組角度を、組糸同士がピッタリと密着して配列される組成構造となり、組糸に乱れが生じずに、FRPの体積含有率を上げることができ、強度の安定したFRP製圧力容器を得ることができる。
請求項2に係る発明は、軸方向繊維と周方向繊維との繊維強度が同程度の場合は、前記軸方向繊維の繊維量を前記周方向繊維の繊維量の3倍程度とし、前記軸方向繊維の繊維強度が前記周方向繊維の繊維強度の3倍程度である場合は、前記軸方向繊維の繊維量と前記周方向繊維の繊維量とをほぼ同じとして、前記軸方向繊維と前記周方向繊維との強度の割合を3:1としたことを特徴としている。
上記の構成を有する請求項2に係る発明によれば、軸方向繊維の強度が周方向繊維の強度の3倍となる強化繊維で円筒形状に組成するので、軸方向および周方向の剛性を略同等とし、シリンダ部の軸方向と周方向との応力のバランスに優れた組成構造とすることができる。
請求項3に係る発明は、前記ライナーがシリンダ部の両側にドーム部を備える樽型形状であって、前記シリンダ部と前記ドーム部とを連続的にブレイディング組成すると共に、前記シリンダ部の組角度が70°±5°の時に、前記ドーム部の周方向繊維の組角度を85°±5°(80〜90°)としたことを特徴としている。
上記の構成を有する請求項3に係る発明によれば、ドーム部で周方向繊維の組角度をシリンダ部での組角度より大きくしてブレイディング組成することで、ドーム部の繊維密度が高くなり強度を向上することができる。そのために、容器が破裂する際にはシリンダ部で破裂する組成構造とすることができる。
本発明によれば、円筒形状のシリンダ部を有する樹脂製ライナーと該ライナーの外側を被覆する強化繊維層から構成されるFRP製圧力容器において、組角度が0°の軸方向繊維と所定の組角度で組成する周方向繊維とで連続的にブレイディング組成し被覆して強化繊維層を形成する際に、前記シリンダ部を組糸同士をピッタリ密着する組角度で組成する構成としたので、前記シリンダ部の周方向繊維の締め付け力が向上し、FRPの体積含有率を上げることができ、強度の高いFRP製圧力容器を製造することができる。
圧力容器を強化繊維でブレイディング組成する際に、十分な最高充てん圧力や最小破裂圧力を満足する強度を備えるFRP製圧力容器を得るという目的を、円筒形状のシリンダ部を有する樹脂製ライナーと該ライナーの外側を被覆する強化繊維層から構成されるFRP製圧力容器において、組角度が0°の軸方向繊維と所定の組角度で組成する周方向繊維とで連続的にブレイディング組成し被覆して強化繊維層を形成する際に、前記シリンダ部の強化繊維の体積含有率を高める組角度で組成する構成とすることで実現した。
以下、本発明に係るFRP製圧力容器の実施例について、図1から図7に基づいて説明する。
本発明に係るFRP製圧力容器1は図1に示すように、樹脂製のライナー2の外周を、熱可塑性樹脂あるいは熱硬化性樹脂を含浸してある紐状の強化繊維をブレイダーによりブレイディング成形し、ブレイディング成形後に加熱処理して、互いの層を溶融一体化して極めて強固なFRP層3を形成したものである。
前記強化繊維としては、ガラス繊維や炭素繊維、あるいはナイロン繊維等の高強力糸条が一般に用いられているが、本実施例ではガラス繊維を使用している。
ここで、図4および図5にもとづき、ブレイダーの一構成例について説明する。ブレイダーBRは、ブレイダー本体Bbと多関節のロボットハンド装置RHから構成されている。この発明の適用例において、前記ロボットハンド装置RHは、ライナーLAを移動可能に支受するよう構成されており、レイナーLAの外周に沿って強化繊維の糸状Yをブレイディング組成する際に、前記ライナーLAを適宜移動させながら組成していく構成である。
また、所定の組角度で組成される周方向繊維である糸条Yに加えて、組角度0°の軸方向繊維である中央糸yを組合わせて組成するとさらに強固な組成体を構成することができる。
前記ブレイダー本体Bbは、軸線が水平で一側に開口eを有するほぼ円筒状の機台Fb内に配置された曲率半径Rの曲面状の上板Uと、上板Uの周方向に穿設された軌道に沿って走行するボビンキャリアCと、該ボビンキャリアCを軌道に沿って走行させるための駆動装置CDと、糸条案内装置Gを有している。
そして、ボビンキャリアCに載置されたボビンからボビンの軸線方向に引き出される糸条Y(樹脂が含まれたガラス繊維)が上板Uのほぼ中心に集合し、また、ロボットハンド装置RHに支持されたライナーLAの位置は、該ライナーLA上に形成される組物の組み上げ点Pが上板Uの中心に位置するようになっている。ロボットハンド装置RHは、前記ライナーLAを一次元、二次元あるいは三次元的に位置制御することができる。
ブレイディングする際には、ボビンキャリアCは軌道面上を移動しながらブレイディング組成を行うが、前記駆動装置CDは、前記ボビンキャリアCの移動速度を個々に自在に変化可能に構成しており、例えば、ライナーLAの小径先端部(ドーム部)と中央の大径円筒部(シリンダ部)とでブレイド角度(組角度)を変化させたり、各層で変化させたりすることができ、完成する中空容器の物理特性を自由に設定可能にしている。
ここで組角度αについて説明する。組角度とは軸方向に対する組糸のなす角度をいい、組角度小とは組物が軸方向と平行に近い角度(0°に近い)をいい、組角度大とは軸方向と直交する方向に近づく角度であることをいう。中央糸yは軸と平行であり組角度は0°である。また、本実施例では、シリンダ部Aとドーム部Bとでは、その組角度を変化して組成する構成とした。
こうして、ボビンキャリアCが駆動装置CDによって軌道に沿って走行させられるとともに、ライナーLAの位置がロボットハンド装置RHによって制御され、その結果、多数の糸条Yが所定の組角度にて交錯し、また、必要に応じて、機台FbのフレームFb'にほぼ水平に配置されたボビンキャリアCから中央糸yが、軌道に沿って走行するボビンキャリアCから引き出され組み上げられる糸条Yに交絡することにより、ブレイディングが行われてライナー2の外周に沿って(所定形状のライナー上に)、ブレイディング成形体(つまり圧力容器の原型)として組み上げられる。
図3にはブレイディング組成時の概要を示すが、ボビンキャリアCから引き出された糸条Yまたは中央糸yが環状ガイド11、12を介して組成点まで案内され、圧力容器用のライナー2の外周に安定したブレイディング層を組成している。
前記環状ガイド11(12も同様である)は、その開口の大きさを変化することができるので、前記ライナー2が円筒形状のシリンダ部Aと、該シリンダ部Aから徐々に縮径しているドーム部Bとを備える樽型のライナー(図1参照)であっても、前記ドーム部の先端小径部に案内するまで移動したガイド位置11bと、円筒形状のシリンダ部に案内するまで拡径したガイド位置11aまでを自在に変位自在としている。
また、前記環状ガイド11,12の間にこれらの環状ガイドより大きな径の樹脂含浸用リング13を配設する構成とし、該リング13に接触しながら走行する前記糸条Y、中央糸yに樹脂を含浸しながらブレイディングする構成とすることもできる。
前記環状ガイド11,12や樹脂含浸用リング13はいずれも、図示しない適当な部材によりブレイダーBRのフレームに装着される構成である。
つまり、心体となる樽型のライナー2の径に応じて前記環状ガイド11、12の開口径を調整すると共に、ブレイディング組成する糸条Yの組角度を変化させることで、ストレートなシリンダ部であっても径が変化するドーム部であっても、一様に一体的に積層していくことができる。
ブレイディングによる組物作製が完了した後、適当な切断装置によって糸条Yおよび中央糸yが切断され、上記のブレイディング成形体は径方向に切断されると共に、切断開口部にプラグ等を溶接し、単体のブレイディング成形体として取り出されることになる。
図1に示すFRP製圧力容器1は、上記のブレイディングシステムにより成形される中空の圧力容器で、円筒状のシリンダ部Aと円弧状のドーム部Bとを備える樽型形状であって、糸条として樹脂が含有されたガラス繊維が使用されている。
前記FRP製圧力容器1は、中空の容器である樹脂製のライナー2の外周をFRP層3が被覆した積層構成とされていて、熱可塑性樹脂(例えば高密度ポリエチレン)の成形処理によって形成される前記ライナー2の外周囲に、熱可塑性樹脂あるいは熱硬化性樹脂を含浸してある紐状の強化繊維であるガラス繊維をブレイダーによりブレイディング成形し、ブレイディング成形後に加熱処理して、互いの層を溶融一体化して極めて強固な容器を形成したものである。
4は封止用のプラグであり、上部に配設された5は口金プラグである。該口金プラグ5は、ネジ5aを切ったメタル部材5bを予め樹脂5cにインサートして形成されたものからなっており、開栓バルブ6を装着する構成となっている。
また、図2に示すように、シリンダ部Aの組角度α1を70〜80°(75°±5°)程度とした。一般に計算上では、組角度78°で周方向繊維を円筒形に組成した際に、軸方向繊維の強度が周方向繊維の3倍の強度であれば、軸方向と周方向との剛性(引張強さ)が釣り合うことが知られている。そのために、本実施例においては、同種のガラス繊維を用いる場合には、軸方向繊維の繊維量を周方向繊維の繊維量の3倍にすると共に、前記組角度を78°より若干小さい75°程度とし、容器が破裂する時に周方向繊維が破断され易いような構成とした。
一般にブレイディング組成する際の組角度は±5°として表示するので、良好なFRP製圧力容器を得るには、シリンダ部での組角度を75°±5°とすることが好適であるといえる。つまり、シリンダ部Aの組角度を70〜80°とすることで、周方向繊維の締め付け力が向上し、FRPの体積含有率を上げることができる。
前記組角度α1を80°より大きくしてさらに体積含有率を上げることは可能であるが、圧力容器の性能規格として破裂時に胴部(シリンダ部)にて破裂することが義務付けられているので、80°以上に設定することは好ましくない。
また、容器のドーム部では破裂せずに、シリンダ部で破裂させるために、ドーム部での組角度をシリンダ部の組角度より大きくし、繊維をより密に積層する構成として、ドーム部のFRP層の肉厚を厚くすると共に強度を向上させる構成とした。
そのために、ドーム部Bの組角度α2をそれよりも大きく85°±5°(80〜90°)程度とした。ドーム部Bでの組角度α2を大きくしたので、シリンダ部よりも繊維密度が高くなり肉厚を大きくすることができ、ドーム部の強度を向上することができる。また、85°±5°としているので、繊維間ピッチも狭くなり、組糸が拘束され安定した製品形状と製品特性を得ることができる。
さらに、軸方向の組糸である中央糸yの繊維量を糸条Yの3倍程度とした。これは、糸条Yを大きな組角度(70〜90°)で組成しても、その軸方向の剛性を周方向の剛性と同等に揃えるためである。
繊維量を3倍にするとは、例えば同じ太さの繊維であれば、その数量を3倍にすることであり、数量が同数であれば、その太さを3倍にすることである。このように、同種の強化繊維を用いてもその繊維量を変えることで、軸方向の強度と周方向の強度の割合を調整することができる。
また、繊維の種類が同種でなく繊維強度自身に相違がある場合には、軸方向繊維の強度と周方向繊維の強度の割合が所定の割合となる繊維量とすればよい。例えば、本実施例のように、軸方向の繊維強度を周方向の3倍の強度としたい場合には、周方向繊維強度の3倍の繊維強度を有する強化繊維を軸方向繊維とし、同じ繊維量にてブレイディング組成すればよい。
例えば、同じガラス繊維を用いて、周方向繊維である糸条Yの太さを1150Texとし、軸方向繊維である中央糸yの太さをその3倍の3450Texとしてブレイディング組成してFRP製圧力容器(直径約300mmで長さが約700mm)を製作し、その破裂試験を行った結果を図6に示す。
図6(a)に示す破裂試験の結果は多数の実験から抜粋された代表例である。図6(b)には組成構成の模式図を示しているが、+αの組角度の糸条YAと−αの組角度の糸条YBと、組角度0°の中央糸yとをブレイディング組成した構成である。つまり、糸条YAとYBが周方向繊維であり、中央糸yが軸方向繊維である。ここでは、前記YAとして1150Texのガラス繊維を72本と、前記YBとして同じく1150Texのガラス繊維72本と、中央糸yとして3450Texのガラス繊維72本とを組合わせてブレイディング組成した。また、その組成層を3層から5層まで変化して、その破裂圧力を計測した。
図6(c)にその積層構成を示しており、ライナー2の外周に第一のブレイディング層3A、第二のブレイディング層3B,第三のブレイディング層3C、第四のブレイディング層3Dを順次積層してFRP製圧力容器を形成したものである。この積層数は図に示すような四層に限定されず、所望される強度や厚みにより適宜選択される。
図6(a)に示す試験結果から、6−1では、74°の組角度で4層のFRP層とした圧力容器の場合に、その破裂圧力が90kg/cm2(8.8MPa:メガパスカル)であり、胴部周方向で破裂が生じたことが判る。6−2では、74°の組角度で5層のFRP層として、その破裂圧力が114kg/cm2(11.2MPa:メガパスカル)であり、胴部周方向で破裂が生じたことが判る。
また、6−3では、76°の組角度で3層のFRP層とした圧力容器の場合に、その破裂圧力が82kg/cm2(8.0MPa:メガパスカル)であり、胴部周方向で破裂が生じたことが判る。また、6−4では4層とし、破裂圧力が94kg/cm2(9.2MPa:メガパスカル)まで増加したが、破裂が肩部で生じていることが判る。
さらに、6−5に示すように、組角度を78°とし、中央糸yを4400Texと太くしたものを用いて4層のFRP層とした圧力容器を製造した場合では、その破裂圧力は115kg/cm2(11.3MPa:メガパスカル)まで増加したが、口金が飛び出す不具合が生じ、胴部にて破裂させるという条件を満足出来なかった。
上記の実験では、樹脂製のライナーの外周に74°の組角度に設定(設定値では74°であるが、実際の組成ピッチから実測した値は75°であった)して5層のFRP層を形成した圧力容器が、その破裂圧力が高く、且つ、胴部周方向にて破裂するという好結果が得られた。つまり、実測値としては組角度75°でシリンダ部をブレイディング組成し、ドーム部では85°程度にまで角度を立てて組成すれば、良好なFRP製圧力容器が得られることが判った。
理論的にも、外径D(mm)のライナーにn本の組糸を組成する時に、隣り合う組糸同士がぴったり密着して組成される組角度を算出することができる。その組角度をθ°とすると、下記に示す数式1が導き出される。
Figure 2005337272
上記数式1は、次のようにして求めたものである。
組糸の面積Sは、直径dのガラス繊維がN本集合している場合には次の数式2として求められる。
Figure 2005337272
また、図7(a)に示すように、多数のフィラメントを集合した形状の組糸YCをライナーの外周にきつく組成すると、その断面形状は楕円形となる。前記1150Texのガラス繊維(単繊維の直径は17μである)を用いて隣り合う組糸同士をぴったり密着して組成した時に、その楕円形の実測値は図に示すように、厚みaに対して幅bが25倍であった。
つまり、多数のフィラメントからなる組糸を組成するとその断面形状は、a:b=1:25の扁平形状となる。また、このことは、数式2から求められる組糸の面積Sと、実測されるa×bの扁平な楕円形状として算出される下記面積Saが等しくなることからほぼ正しいと判断される。また、a×bの扁平な楕円形状の面積Saを求める数式3
Figure 2005337272
と外径D(mm)のライナーの全周にn本の組糸をピッチpで密着して組成する(図7(b)参照)とした組角度θからなる数式4
Figure 2005337272
と、前記ピッチpが楕円形状の幅bに等しいことから、次の数式5が導かれる。
Figure 2005337272
また、
Figure 2005337272
から
Figure 2005337272
となり
Figure 2005337272
が導かれて、該数式8から数式1が算出される。
数式1から求められる組角度θと、実際に、直径約300mmのFRP製圧力容器とし、直径17μのガラス繊維が2000本集合して1150Texの太さとし、72本の組糸とした際の組角度は共に、ほぼ75°となる。そのために、良好なFRP製圧力容器を得るには、シリンダ部での組角度を75°±5°とすることが好適であり、前記周方向繊維の組角度は、70〜80°であることが好ましいといえる。
また、周方向繊維と軸方向繊維とを異種の糸状とする(例えば、ガラス繊維とカーボン繊維とを組合わせる)場合では、その繊維強度が相違しているので、糸条の太さだけでなく、その強力値とを考慮して、前記軸方向繊維と前記周方向繊維との強度の割合を3:1程度とすることが肝要である。
つまり、軸方向繊維の引張強度が周方向の引張強度の3倍程度であれば、軸方向繊維の繊維量と周方向の繊維量とをほぼ同等とすることができる。
上記したように、本発明によれば、シリンダ部の両側にドーム部を備える樹脂製ライナーの外側を被覆するようにブレイディング組成する際に、前記シリンダ部の周方向繊維の組角度を70〜80°としたFRP製圧力容器としたので、シリンダ部の周方向繊維の締め付け力が向上し、FRPの体積含有率を上げることができ、強度の高いFRP製圧力容器を製造することができる。
また、軸方向繊維と周方向繊維との強度の割合を3:1程度として、前記ドーム部の周方向繊維の組角度を85°±5°(80〜90°)としたので、軸方向と周方向との剛性をほぼ同等とし、軸方向と周方向との応力のバランスに優れた組成構造の圧力容器とすることができると共に、ドーム部の繊維密度を高くして強度を向上し、ドーム部での破裂を防止することができる。
さらに、シリンダ部の組角度を70〜80°とし、ドーム部の組角度を80〜90°と変化させながらブレイディング組成することは、ブレイダーBRにより連続的に自動生産することが可能であり、高い生産効率でFRP製圧力容器を製造することができる。
本発明に係るFRPタンクの全体断面図である。 本発明に係るFRPタンクの外観斜視図であって、(a)は車輪が配設されたFRPタンクを示し、(b)は背負子が配設されたFRPタンクを示す。 本発明に係る転動輪の別実施例を示す一部断面図であって、(a)はローラがFRPタンクの外部に固定されている例を示し、(b)は移動自在なローラが配設された例を示す。 ブレイダーの一例を示す概略的な正面図である。 図4に示したブレイダーの概略側断面図である。 本発明に係るFRP製圧力容器の積層構成および破裂試験の結果を示しており、(a)には破裂試験の計測結果を示し,(b)は組成構成を示す模式図であり、(c)は積層構成を示す模式図である。 組糸の断面形状を示しており、(a)は組糸単独の断面図を示し、(b)は隣り合う組糸同士が密着した断面図を示している。
符号の説明
1 FRP製圧力容器
2 ライナー
3 FRP層
A シリンダ部
B ドーム部
BR ブレイダー
LA ライナー
Y 糸条
y 中央糸
α 組角度

Claims (3)

  1. 円筒形状のシリンダ部を有する樹脂製ライナーと該ライナーの外側を被覆する強化繊維層から構成されるFRP製圧力容器であって、
    前記強化繊維層を、共に強化繊維である組角度が0°の軸方向繊維と、所定の組角度で組成する周方向繊維とで、前記シリンダ部の外周をブレイディング組成する際に、前記周方向繊維の組角度θ°を下記の数式1を満足する組角度としたことを特徴とするFRP製圧力容器。
    Figure 2005337272
    ここで、Dはライナーの円筒部の径(mm)であり、nは組糸本数であり、Sは組糸のストランド面積(mm2)である。
  2. 軸方向繊維と周方向繊維との繊維強度が同程度の場合は、前記軸方向繊維の繊維量を前記周方向繊維の繊維量の3倍程度とし、前記軸方向繊維の繊維強度が前記周方向繊維の繊維強度の3倍程度である場合は、前記軸方向繊維の繊維量と前記周方向繊維の繊維量とをほぼ同じとして、前記軸方向繊維と前記周方向繊維との強度の割合を3:1としたことを特徴とする請求項1に記載のFRP製圧力容器。
  3. 前記ライナーがシリンダ部の両側にドーム部を備える樽型形状であって、前記シリンダ部と前記ドーム部とを連続的にブレイディング組成すると共に、前記シリンダ部の組角度が70°±5°の時に、前記ドーム部の周方向繊維の組角度を85°±5°(80〜90°)としたことを特徴とする請求項1または2に記載のFRP製圧力容器。
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