JP2020142418A - 圧力容器の製造方法及び圧力容器 - Google Patents

圧力容器の製造方法及び圧力容器 Download PDF

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Abstract

【課題】耐圧性能を維持しながら、軽量化及び低コスト化を達成できる圧力容器の製造方法及び圧力容器を提供する。【解決手段】円筒形状を有する円筒部と、ドーム形状を有し円筒部の両端に位置するドーム部とを有するライナーの外周面に、硬化性樹脂を付着させた炭素繊維束を巻回し、フープ層及びヘリカル層を交互に積層して補強層を形成する補強層形成工程を備える圧力容器の製造方法であって、補強層形成工程において、最内に位置するフープ層の厚みが補強層の厚みの10〜28%となるように補強層を形成する、圧力容器の製造方法、並びに圧力容器。【選択図】図3

Description

本発明は、圧力容器の製造方法及び圧力容器に関する。
自動車等の移動体に搭載する天然ガス又は水素ガスの貯蔵タンクには、その軽量性からライナーの外周にフープ層及びヘリカル層が交互に積層された補強層を備える圧力容器が利用されている。ライナーは、天然ガス又は水素ガスの透過を防いで気密に貯蔵する部材として機能し、補強層は、高い内圧に耐える強度を付与する部材として機能する。
圧力容器は、一般的にフィラメントワインディング成形(以下「FW成形」という。)によって製造される。FW成形とは、1本又は複数本引き揃えた強化繊維束に硬化性樹脂組成物を供給して付着させたものを、回転するライナーへ所望の張力及び角度で巻きつけた後、硬化性樹脂組成物を硬化させる成形法である。この場合は、強化繊維束に硬化性樹脂組成物を供給して付着(含浸)させる工程(含浸工程)に引き続き、FW成型を行う工程(FW工程)を連続して行うことになる。
また、FW工程の直前で強化繊維束に硬化性樹脂組成物を供給して付着させるのではなく、予め強化繊維束に硬化性樹脂組成物を付着させたトウプリプレグを用いることもできる。トウプリプレグを用いる場合は、トウプリプレグを回転するライナーへ所望の張力及び角度で巻きつけた後、硬化性樹脂組成物を硬化させる。
例えば、特許文献1には、当該タンクの中心のタンク軸に対する巻き角度が0°を超え30°未満となる範囲でライナーの外周に繊維を巻回して軸方向繊維層を形成し、前記タンク軸に対する巻き角度が30°以上90°未満となる範囲で前記繊維を巻回して周方向繊維層を形成し、FRP層を形成するタンクの製造方法において、前記周方向繊維層を形成する際、当該周方向繊維層の前記タンク軸方向における繊維折返し端部により、前記繊維層の積層方向内側から外側に向けて狭まる軌跡を描かせる、タンクの製造方法が記載されている(請求項11)。また、この製造方法においては、フープ層を内層部分に多く配置していわば内層化するとフープ層による高い繊維強度を発現させやすく、周方向繊維層の内層化は、例えばFRP層の厚さの内層側75%にフープ層を集約することにより、実現できる旨が記載されている([0042]段落)。
国際公開第2010/116526号
近年、圧力容器には耐圧性能を維持しながら、軽量化及び低コスト化が要求されるようになってきた。
しかし、本発明者が特許文献1に記載されたタンク(圧力容器)の製造方法に基づいて、炭素繊維の使用量を減らして圧力容器の軽量化を図ったところ、耐圧性能が所望の水準に達しないことが知見された。
そこで、本発明は、耐圧性能を維持しながら、軽量化及び低コスト化を達成できる圧力容器の製造方法及び圧力容器を提供することを課題とする。
上記課題は以下の構成により解決される。
[1] 円筒形状を有する円筒部と、ドーム形状を有し前記円筒部の両端に位置するドーム部とを有するライナーの外周面に、硬化性樹脂を付着させた炭素繊維束を巻回し、フープ層及びヘリカル層を交互に積層して補強層を形成する補強層形成工程を備える圧力容器の製造方法であって、前記補強層形成工程において、最内に位置するフープ層の厚みが前記補強層の厚みの10〜28%となるように前記補強層を形成する、圧力容器の製造方法。
[2] 前記補強層形成工程は、1プライ以上のフープ巻きにより単数又は複数のフープ巻き層を形成するフープ層形成工程と、1プライ以上のヘリカル巻きにより単数又は複数のヘリカル巻き層を形成するヘリカル層形成工程とを交互に繰り返す工程である、[1]に記載の圧力容器の製造方法。
[3] 前記フープ層形成工程において、前記ライナーの中心軸に対する巻き角度が81〜90°の範囲で前記ライナーの外周面に前記硬化性樹脂を付着させた炭素繊維束を巻き回す、[2]に記載の圧力容器の製造方法。
[4] 前記フープ層形成工程において、隣接するフープ巻き層の間では巻き角度が異なるように複数のフープ巻き層を形成する、[3]に記載の圧力容器の製造方法。
[5] 前記ヘリカル層形成工程において、前記ライナーの中心軸に対する巻き角度が0〜80°の範囲で前記ライナーの外周面に前記硬化性樹脂を付着させた炭素繊維束を巻き回す、[2]〜[4]のいずれか1つに記載の圧力容器の製造方法。
[6] 前記ヘリカル層形成工程において、隣接するヘリカル巻き層の間では巻き角度が異なるように複数のヘリカル巻き層を形成する、[5]に記載の圧力容器の製造方法。
[7] 前記ヘリカル層形成工程において、前記巻き角度は、0〜20°の範囲、21〜60°の範囲、及び61〜80°の範囲から選択される、[5]または[6]に記載の圧力容器の製造方法。
[8] 前記補強層形成工程において、フープ層を最初に形成する、[1]〜[6]のいずれか1つに記載の圧力容器の製造方法。
[9] 円筒形状を有する円筒部と、ドーム形状を有し前記円筒部の両端に位置するドーム部とを有するライナーと、前記ライナーの外周面に位置し、フープ層及びヘリカル層が交互に積層された補強層とを有する圧力容器であって、最内に位置するフープ層の厚みが前記補強層の厚みの10〜28%である、圧力容器。
[10] 前記補強層の最内層がフープ層である、[9]に記載の圧力容器。
本発明によれば、耐圧性能を維持しながら、軽量化及び低コスト化を達成できる圧力容器の製造方法及び圧力容器を提供できる。
図1Aは、本発明の圧力容器の製造方法において、ライナーの中心軸に対する巻き角度θ(81°≦θ≦90°)でフープ巻きをしている状態を示す概略図である。 図1Bは、本発明の圧力容器の製造方法において、ライナーの中心軸に対する巻き角度θ(0°≦θ≦80°)でヘリカル巻きをしている状態を示す概略図である。 図2Aは、本発明の製造方法により製造した圧力容器の外観の一例を示す概略図である。 図2Bは、本発明の製造方法により製造した圧力容器の断面の一例を示す概略図である。 図3は、本発明の圧力容器の製造方法に用いるフィラメントワイヤリング装置の一例を示す概略図である。
以下、本発明の圧力容器の製造方法及び圧力容器について詳細に説明する。
[圧力容器の製造方法]
本発明の圧力容器の製造方法は、円筒形状を有する円筒部と、ドーム形状を有し上記円筒部の両端に位置するドーム部とを有するライナーの外周面に、硬化性樹脂を付着させた炭素繊維束を巻回し、フープ層及びヘリカル層を交互に積層して補強層を形成する補強層形成工程を備える圧力容器の製造方法であって、上記補強層形成工程において、最内に位置するフープ層の厚みが上記補強層の厚みの10〜28%となるように上記補強層を形成する、圧力容器の製造方法である。
本発明の圧力容器の製造方法によって製造される圧力容器の一例として、外観図(図2A)及び断面図(図2B)を示す圧力容器21(22)が挙げられる。圧力容器21(22)、ライナー6の外周面に、フィラメントワインディング成形によってフープ層及びヘリカル層を積層して補強層を形成したものである。図2Bに示すように、補強層20は、最内に位置するフープ層20aと、補強層のうち最内に位置するフープ層を除く部分20bとに分けられる。本発明の圧力容器の製造方法では、最内に位置するフープ層20aの厚みが、補強層20の厚みの10〜28%となるように、フープ層及びヘリカル層を積層して補強層20を形成する。
最内に位置するフープ層20aの厚みは、補強層20の厚みの10〜28%であれば特に限定されないが、10%以上が好ましく、22〜28%がより好ましい。
<ライナー>
本発明の圧力容器の製造方法に用いるライナーは、円筒形状を有する円筒部と、ドーム形状を有し上記円筒部の両端に位置するドーム部とを有するものであれば特に限定されない。
本発明の圧力容器の製造方法に用いるライナーは、用途によって樹脂製ライナーまたは金属製ライナーを選んで用いることができる。圧力容器を水素貯蔵用又は自動車等の移動体に搭載する圧力容器として用いる場合には、より軽量化できるため樹脂製ライナーを使用することが好ましい。
樹脂製ライナーとしては、例えば、高密度ポリエチレン等の熱可塑性樹脂を回転成形又はブロー成形にて容器形状に賦形したものに、金属製の口金をつけたものが使用できる。
金属製ライナーとしては、例えば、アルミニウム合金製又は鋼鉄製のパイプ形状又は板形状の部材からスピニング加工等により容器形状に賦形した後で、口金形状を付与したものが使用できる。
<補強層の形成方法>
本発明の圧力容器の製造方法において補強層は、ライナーの外周面に、硬化性樹脂を付着させた炭素繊維束を巻回し、フープ層及びヘリカル層を交互に積層して補強層を形成する補強層形成工程によって形成する。
本発明の圧力容器の製造方法において、上記補強層形成工程は、1プライ以上のフープ巻きにより単数又は複数のフープ巻き層を形成するフープ層形成工程と、1プライ以上のヘリカル巻きにより単数又は複数のヘリカル巻き層を形成するヘリカル層形成工程とを交互に繰り返す工程であることが好ましい。
フープ層形成工程において、1プライとは、硬化性樹脂を付着させた炭素繊維束のフープ巻きにより形成された1層を意味し、フープ巻き層は、ライナーの中心軸に対する巻き角度が同じ1プライ以上のフープ巻きにより形成された層を意味し、フープ層は単数又は複数のフープ巻き層からなる層を意味する。フープ層が複数のフープ巻き層からなる場合、隣接するフープ巻き層の巻き角度は異なるように形成される。
同様に、ヘリカル層形成工程において、1プライとは、硬化性樹脂を付着させた炭素繊維束のヘリカル巻きにより形成された1層を意味し、ヘリカル巻き層は、ライナーの中心軸に対する巻き角度が同じ1プライ以上のヘリカル巻きにより形成された層を意味し、ヘリカル層は単数又は複数のヘリカル巻き層からなる層を意味する。フープ層が複数のフープ巻き層からなる場合、隣接するフープ巻き層の巻き角度は異なるように形成される。ヘリカル層が複数のヘリカル巻き層からなる場合、隣接するヘリカル巻き層の巻き角度は異なるように形成される。
炭素繊維束は特に限定されず、従来公知のものを用いることができる。炭素繊維束としては、例えば、繊維径3〜12μmの炭素繊維(フィラメント)を1000〜70000本まとめた炭素繊維束を用いることができる。繊維径が3〜12μmであると取り扱い性が良好であり、製造上の困難性も少ない。
上記炭素繊維の、JIS R 7601に準拠したストランド強度は、特に限定されないが、3500MPa以上が好ましく、4500MPa以上がより好ましく、5000MPa以上がさらに好ましい。ストランド強度は、大きいほど好ましい。
硬化性樹脂は特に限定されず、従来公知のものを用いることができる。硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、変性エポキシ樹脂又は不飽和ポリエステル樹脂を用いることができる。
上記炭素繊維束に付着する硬化性樹脂の量は、樹脂重量含有率(RC:Resin Content)で、20〜30wt%が好ましく、20〜25wt%がより好ましい。RCがこの範囲内であると、圧力容器の耐圧性能が高く、かつ、ライナー6に巻き付けられた硬化性樹脂を付着させた炭素繊維束が蛇行しない。
硬化性樹脂の硬化方法は、硬化性樹脂の種類によって適切な方法を採用できる。硬化性樹脂としてエポキシ樹脂を用いる場合、好ましい硬化温度及び硬化時間は、エポキシ樹脂の種類及び硬化剤の種類により異なるが、通常、110〜135℃で2時間程度の加熱をすることにより、硬化できる。
ここで、本発明の圧力容器の製造方法に用いることができるフィラメントワインディング装置の一例を、図3を参照しながら説明しておく。
図3に示すフィラメントワインディング装置は、レジンバス2、レジンバス2に取り付けられたタッチロール3及びブレード4、ファイバーアイ5、並びにガイドロール7を備える。
クリールスタンドから供給された炭素繊維束1は、ガイドロール7にガイドされてレジンバス2に到達する。
レジンバス2には、タッチロール3及びブレード4が備え付けられている。タッチロール3が回転することによりレジンバス2に収容された硬化性樹脂がタッチロール3に付着する。タッチロール3とブレード4との間隔を変更することにより、タッチロール3に付着する硬化性樹脂の厚みを調節できる。炭素繊維束1は、タッチロール3の上面で硬化性樹脂と接触し、硬化性樹脂を付着させた炭素繊維束となる。
硬化性樹脂を付着させた炭素繊維束は、ガイドロール7にガイドされてファイバーアイ5に到達する。ファイバーアイ5は、硬化性樹脂を付着させた炭素繊維束のトウ幅を調整する機構を有しており、硬化性樹脂を付着させた炭素繊維束をライナー6に巻き付け易くする。ファイバーアイ5は、さらに、ライナー6の中心軸に対する硬化性樹脂を付着させた炭素繊維束の巻き角度を変化させる機能も有している。トウ幅を調節することにより、硬化性樹脂を付着させた炭素繊維束をライナー6へ巻き付ける際に、トウとトウの間の隙間をなくし、圧力容器の耐圧性能を高くできる。トウ幅(トウとトウの間隔)は、特に限定されず、ライナー6のサイズに応じて適宜設定できる。
クリールスタンドは、炭素繊維束1に掛かる張力を制御できる構造となっている。
フープ層を巻く時の炭素繊維束1に掛かる張力は、特に限定されないが、1.5〜5.0kg/錘が好ましく、1.5〜3.0kg/錘がより好ましい。
低角度ヘリカル巻き、中角度ヘリカル巻き及び高角度ヘリカル巻きの際の炭素繊維束1に掛かる張力は、特に限定されないが、0.5〜3.0kg/錘が好ましく、0.5〜2.0kg/錘がより好ましい。
炭素繊維束1に掛かる張力をこの範囲内とすると、炭素繊維束1及び硬化性樹脂を付着させた炭素繊維束に緩みが発生せず、かつ、硬化性樹脂を付着させた炭素繊維束をライナー6に巻き付け易い。
以下、図1A及び図1Bを参照しながら、フープ層及びヘリカル層の形成方法を説明する。
本発明の圧力容器の製造方法は、硬化性樹脂を付着させた炭素繊維束17をライナー6に巻き付け、硬化性樹脂を硬化させることにより、フープ層及びヘリカル層が交互に積層された補強層を形成するものである。
なお、ライナーの中心軸に対する巻き角度は、コイルスプリングのように巻かれた硬化性樹脂を付着させた炭素繊維束17の弦巻(つるまき)線(ネジにおけるネジ山の線)と、ライナーの中心軸16とのなす角度θをいう(図1A、図1Bを参照)。
フープ層は、1プライ以上のフープ巻きにより単数又は複数のフープ巻き層を形成するフープ層形成工程により形成できる。
フープ層形成工程においては、ライナーの中心軸16に対する巻き角度θが81〜90°の範囲でライナー6の外周面に硬化性樹脂を付着させた炭素繊維束17を巻き回すことが好ましい。
フープ層形成工程における、硬化性樹脂を付着させた炭素繊維束17のライナーの中心軸16に対する巻き角度θは、特に限定されず、81〜90°が好ましく、87〜90°がより好ましい。
フープ層はライナー6の円筒部に対し略直角にカバーすることから、円筒部にかかる圧力を抑えることに寄与する。
また、ヘリカル層は、1プライ以上のヘリカル巻きにより単数又は複数のヘリカル巻き層を形成するヘリカル層形成工程により形成できる。
ヘリカル層形成工程においては、ライナーの中心軸16に対する巻き角度θが0〜80°の範囲でライナー6の外周面に硬化性樹脂を付着させた炭素繊維束17を巻き回すことが好ましい。
ヘリカル層形成工程における、硬化性樹脂を付着させた炭素繊維束17のライナーの中心軸16に対する巻き角度は、特に限定されず、0〜80°が好ましく、8〜80°がより好ましい。
フープ層を形成する際には、ライナーの中心軸16に対する巻き角度θを変更して、複数のフープ巻き層からなるフープ層を形成してもよい。
例えば、ライナーの中心軸16に対する巻き角度θを81〜90°の範囲で、互いに隣接するフープ巻き層の間では巻き角度θが異なるように設定して、複数のフープ巻き層からなるフープ層を形成できる。
同様に、ヘリカル層を形成する際には、ライナーの中心軸16に対する巻き角度θを変更して、複数のヘリカル巻き層からなるヘリカル層を形成してもよい。
例えば、ライナーの中心軸16に対する巻き角度θが0〜80°の範囲で、互いに隣接するヘリカル巻き層の間では巻き角度θが異なるように設定して、複数のヘリカル巻き層からなるヘリカル層を形成できる。
ここで、ヘリカル層を複数のヘリカル巻き層から形成する場合、ライナーの中心軸16に対する巻き角度θを、0〜20°の範囲、21〜60°の範囲、及び61〜80°の範囲から選択してもよい。
本明細書においては、ライナーの中心軸16に対する巻き角度θが0〜20°の範囲であるヘリカル巻き層を低角度ヘリカル巻き層という場合があり、ライナーの中心軸16に対する巻き角度θが21〜60°の範囲であるヘリカル巻き層を中角度ヘリカル巻き層という場合があり、ライナーの中心軸16に対する巻き角度θが61〜80°の範囲であるヘリカル巻き層を高角度ヘリカル巻き層という場合がある。
上記低角度ヘリカル巻き層のライナーの中心軸に対する巻き角度θは、0〜20°の範囲であれば特に限定されないが、8〜20°が好ましい。
上記中角度ヘリカル巻き層のライナーの中心軸に対する巻き角度θは、21〜60°の範囲であれば特に限定されないが、23〜60°が好ましい。
上記高角度ヘリカル巻き層のライナーの中心軸に対する巻き角度θは、61〜80°の範囲であれば特に限定されないが、65〜80°が好ましい。
低角度ヘリカル巻き層、中角度ヘリカル巻き層及び高角度ヘリカル巻き層は、ライナー6の軸方向からライナー6の肩部をカバーすることから、ライナー6の肩部から中心軸方向の圧力を抑えることに寄与する。
本発明の圧力容器の製造方法では、補強層形成工程において、フープ層を最初に形成することが好ましい。このようにすることで、フープ層及びヘリカル層を交互に積層して形成される補強層の最内層がフープ層となる。
なお、補強層は、ライナーの外周面に近い方を内側といい、ライナーの外周面から遠い方を外側という。
また、本発明の圧力容器の製造方法は、炭素繊維束1に硬化性樹脂を付着させた後、ライナー6に巻き付ける前に、硬化性樹脂を付着させた炭素繊維束をボビンに巻き取ってもよい。ボビンに巻き取られた硬化性樹脂を付着させた炭素繊維束は、ライナー6に巻き付けられるまでトウプリプレグとして保管される。ここで、硬化性樹脂を付着させた炭素繊維束をボビンに巻き取る方法としては特に制限されない。
<作用効果>
本発明の圧力容器の製造方法によって製造した圧力容器(以下「本発明の圧力容器」ともいう。)は、十分な耐圧性能を有し、しかも軽量で、低コストである。
本発明の圧力容器は、特に水素貯蔵用の圧力容器又は自動車等の移動体に搭載する圧力容器として好適に使用される。
[圧力容器]
本発明の圧力容器は、上述した本発明の圧力容器の製造方法によって製造されるものである。
すなわち、本発明の圧力容器は、円筒形状を有する円筒部と、ドーム形状を有し上記円筒部の両端に位置するドーム部とを有するライナーと、上記ライナーの外周面に位置し、フープ層及びヘリカル層が交互に積層された補強層とを有する圧力容器であって、最内に位置するフープ層の厚みが上記補強層の厚みの10〜28%である、圧力容器である。
本発明の圧力容器では、補強層の最内層がフープ層であることが好ましい。
なお、補強層は、ライナーの表面に近い方を内側といい、ライナーの表面から遠い方を外側という。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
[実施例1]
<フィラメントワインディング装置31>
図3に示す態様のフィラメントワインディング装置(EHA社製;以下「FW装置」という。)を用いた。
<ライナー6>
アルミライナー(サムテック社製;内容量9L)を準備し、FW装置の回転軸に取付けた。
<炭素繊維束1>
炭素繊維束(TRH50 30M,三菱ケミカル社製;フィラメント径6μm,フィラメント数30,000)を2本用意した。
<硬化性樹脂>
エポキシ樹脂(jER(登録商標) 828,三菱ケミカル社製:A成分)を400gと、テトラヒドロメチル無水フタル酸(HARDENER XN1045,ナガセケムテックス社製:B成分)を320gの比率で混合し、レジンバス2に投入して硬化性樹脂を調製した。
<圧力容器の製造>
図3を参照する。
クリールスタンドに炭素繊維束1を取り付け、ガイドロール7を介して炭素繊維束1を等間隔に並べるように配置した。
クリールスタンドは、FW装置から炭素繊維束1に掛かる張力を最高5.0kg/錘まで制御できる構造となっているが、フープ巻きの最の張力は2kg/錘とし、低角度ヘリカル巻き、中角度ヘリカル巻き及び高角度ヘリカル巻きの際の張力は1.0〜1.5kg/錘とした。
レジンバス2に取り付けてあるタッチロール3はφ200×幅150mmの円筒形状であり、軸を中心として回転する構造になっている。また、ブレード4は、幅180mm×厚み5mmのプレート状の板で一方の先端が45度の鋭利な形状となっている。
また、ブレード4を前後に移動させることにより、タッチロール3との間の隙間を調整することで、回転するタッチロール3に塗布される硬化性樹脂の厚みを調節できる構造になっている。
このブレード4とタッチロール3との隙間を調整してタッチロール3に塗布された硬化性樹脂を炭素繊維束1に付着させる際の樹脂重量含有率(RC)を23〜28wt%の範囲で調節した。
硬化性樹脂を付着させた炭素繊維束は、ファイバーアイ5でトウ幅を12mmになるよう設定した後、ライナー6へ巻き付けて、以下のとおり、圧力容器を製造した。
[実施例1]
FW装置31の回転軸に取り付けたライナー6を回転させ、表1に示す巻付方式(フープ/ヘリカル)、巻き角度及びプライ数で、ライナー6に硬化性樹脂を付着させた炭素繊維束を巻き付けて、フープ層及びヘリカル層交互に積層した。
次いで、硬化性樹脂を付着させた炭素繊維束を巻き付けたライナー6を、135℃で2時間、加熱硬化炉に入れて硬化性樹脂を硬化させて圧力容器を製造した。
各フープ層を構成するフープ巻き層の厚み及び各ヘリカル層を構成するヘリカル巻き層の厚みを表1に示す。
また、製造した圧力容器についての、短繊維使用量、樹脂使用量、樹脂重量含有率(RC)、繊維体積含有率(Vf)、フープ層の合計厚み、ヘリカル層の合計厚み及び最内フープ層の厚みを、表4に示す。
Figure 2020142418
[比較例1]
補強層の形成条件を表2に示すとおり変更した点を除いて、実施例1と同様にした。
各フープ層を構成するフープ巻き層の厚み及び各ヘリカル層を構成するヘリカル巻き層の厚みを表2に示す。
製造した圧力容器についての、短繊維使用量、樹脂使用量、樹脂重量含有率(RC)、繊維体積含有率(Vf)、フープ層の合計厚み、ヘリカル層の合計厚み及び最内フープ層の厚みを、表4に示す。
Figure 2020142418
[比較例2]
補強層の形成条件を表3に示すとおり変更した点を除いて、実施例1と同様にした。
各フープ層を構成するフープ巻き層の厚み及び各ヘリカル層を構成するヘリカル巻き層の厚みを表3に示す。
製造した圧力容器についての、短繊維使用量、樹脂使用量、樹脂重量含有率(RC)、繊維体積含有率(Vf)、フープ層の合計厚み、ヘリカル層の合計厚み及び最内フープ層の厚みを、表4に示す。
Figure 2020142418
フープ層及びヘリカル層の厚みの測定は、圧力容器の中央部の断面を切り出し、断面の研磨仕上げを行ったあと、マイクロスコープVHX−5000(キーエンス社製)を用いて各層の厚みを計測した。
[破裂試験]
実施例1、比較例1及び2で製造した圧力容器を水圧破壊試験機にセットし、圧力容器内に水を満たした後、昇圧速度15MPa/分間で圧力容器に水圧を負荷し、圧力容器が破裂したときの水圧を記録して圧力容器の実測の破裂圧力とした。
測定した破裂圧力を表4の「破裂圧力TB」の欄に示す。
[結果の説明]
表4に示すように、実施例1の圧力容器は、比較例1及び比較例2の圧力容器よりも高い破裂圧力を有することが確認できた。
この結果から、比較例と同水準の破裂圧力を有する圧力容器を製造する場合は、炭素繊維の使用量を低減して圧力容器の重量を減少できること、すなわち、耐圧性能を維持しながら、軽量化及び低コスト化を達成できることがわかる。
Figure 2020142418
本発明の圧力容器の製造方法によって製造される圧力容器は、耐圧性能を維持しながら、軽量化及び低コスト化を達成できていることから、特に、自動車等の移動体に搭載する天然ガス又は水素ガスの貯蔵タンク用途に適している。
11、12、21、22 圧力容器
15 口金
16 中心軸
17 硬化性樹脂を付着させた炭素繊維束
18 フープ層
19 ヘリカル層
20 補強層
20a 最内に位置するフープ層
20b 補強層のうち最内に位置するフープ層を除く部分

Claims (10)

  1. 円筒形状を有する円筒部と、ドーム形状を有し前記円筒部の両端に位置するドーム部とを有するライナーの外周面に、硬化性樹脂を付着させた炭素繊維束を巻回し、フープ層及びヘリカル層を交互に積層して補強層を形成する補強層形成工程
    を備える圧力容器の製造方法であって、
    前記補強層形成工程において、最内に位置するフープ層の厚みが前記補強層の厚みの10〜28%となるように前記補強層を形成する、
    圧力容器の製造方法。
  2. 前記補強層形成工程は、1プライ以上のフープ巻きにより単数又は複数のフープ巻き層を形成するフープ層形成工程と、1プライ以上のヘリカル巻きにより単数又は複数のヘリカル巻き層を形成するヘリカル層形成工程とを交互に繰り返す工程である、請求項1に記載の圧力容器の製造方法。
  3. 前記フープ層形成工程において、前記ライナーの中心軸に対する巻き角度が81〜90°の範囲で前記ライナーの外周面に前記硬化性樹脂を付着させた炭素繊維束を巻き回す、
    請求項2に記載の圧力容器の製造方法。
  4. 前記フープ層形成工程において、隣接するフープ巻き層の間では巻き角度が異なるように複数のフープ巻き層を形成する、請求項3に記載の圧力容器の製造方法。
  5. 前記ヘリカル層形成工程において、前記ライナーの中心軸に対する巻き角度が0〜80°の範囲で前記ライナーの外周面に前記硬化性樹脂を付着させた炭素繊維束を巻き回す、
    請求項2〜4のいずれか1項に記載の圧力容器の製造方法。
  6. 前記ヘリカル層形成工程において、隣接するヘリカル巻き層の間では巻き角度が異なるように複数のヘリカル巻き層を形成する、請求項5に記載の圧力容器の製造方法。
  7. 前記ヘリカル層形成工程において、前記巻き角度は、0〜20°の範囲、21〜60°の範囲、及び61〜80°の範囲から選択される、請求項5または6に記載の圧力容器の製造方法。
  8. 前記補強層形成工程において、フープ層を最初に形成する、請求項1〜6のいずれか1項に記載の圧力容器の製造方法。
  9. 円筒形状を有する円筒部と、ドーム形状を有し前記円筒部の両端に位置するドーム部とを有するライナーと、
    前記ライナーの外周面に位置し、フープ層及びヘリカル層が交互に積層された補強層と
    を有する圧力容器であって、
    最内に位置するフープ層の厚みが前記補強層の厚みの10〜28%である、圧力容器。
  10. 前記補強層の最内層がフープ層である、請求項9に記載の圧力容器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2022128055A1 (en) * 2020-12-14 2022-06-23 Toyota Motor Europe Method for producing a carbon fibre reinforced plastic
CN114857483A (zh) * 2022-04-26 2022-08-05 中材科技(成都)有限公司 一种适用于70MPa加气站III型站用储氢气瓶及其加工方法

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