JP2004066462A - 金型交換装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】拡張収縮自在であり、収縮した状態で成形装置の下方に収納可能となることによって、作業者の肉体的な負担がなく、作業者の安全を確保することができ、スペースを必要とせず、コストが低く、摩耗粉が発生せず、床が損傷を受けず、クリーンルーム等の環境に適するようにする。
【解決手段】移動可能な移動支持台と、金型が載置される金型支持台とを有し、拡張した状態で前記金型支持台上に金型が載置され、収縮した状態で金型使用装置の下方に収納される。
【選択図】 図1
【解決手段】移動可能な移動支持台と、金型が載置される金型支持台とを有し、拡張した状態で前記金型支持台上に金型が載置され、収縮した状態で金型使用装置の下方に収納される。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、金型交換装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、連続した樹脂シートを成形して、食品、飲料、電気部品、日用品、医薬品等を収容する容器、該容器の蓋(ふた)等の樹脂製の成形品を成形するための樹脂シート成形ラインにおいては、加熱装置において加熱された樹脂シートをシート成形機に送り込むようになっている。そして、該シート成形機は、連続した樹脂シート上に熱成形方法によって成形品を成形する装置であり、前記樹脂シートは、搬送装置によって1ショットの成形に要する長さずつ間欠的に搬送された樹脂シートを上金型と下金型とによって挟み込み、成形品を成形する。また、シート成形機の樹脂シート搬送方向における下流側にはトリミング装置のような打抜装置が配設され、該打抜装置において、金型に取り付けられた打抜刃やトムソン刃によって、前記成形品は樹脂シートから切断、分離され、集積された後、包装、箱詰め等の後工程に送り出される。
【0003】
ところで、樹脂シート成形ラインにおいて成形する成形品の種類を変更する場合には、成形品の形状が変更されるので、前記シート成形機や打抜装置の金型を交換する必要がある。この場合、金型を交換する前に、新しく使用する金型を金型保管場所から前記シート成形機や打抜装置の側まで運搬し、また、金型を交換した後に、従来使用されていた金型を前記シート成形機や打抜装置の側から金型保管場所まで運搬する必要がある。一般に、金型は重量物なので、台車に載せて運搬するようになっている。
【0004】
図2は、従来の金型交換用の台車の構成を示す図である。
【0005】
図において、101は樹脂シート成形ラインにおけるシート成形機であり、工場等の床107上に配設され、下金型108aが取り付けられる下テーブル102、及び、上金型108bが取り付けられる上テーブル104を有する。ここで、前記下テーブル102は、油圧シリンダ装置、空圧シリンダ装置等から成る駆動装置103によって上下方向に移動させられるようになっている。また、前記上テーブル104も、油圧シリンダ装置、空圧シリンダ装置等から成る図示されない駆動装置によって上下方向に移動させられるようになっている。
【0006】
そして、前記下金型108a及び上金型108bを下テーブル102及び上テーブル104にそれぞれ取り付ける場合には、前記下金型108a及び上金型108bを互いに組み合わせた金型組体108を台車105上に載置して、図示されない金型保管場所から前記シート成形機101の側まで運搬する。この場合、前記台車105には車輪106が取り付けられ、床107上を転動するようになっているので、作業者の人手によって、前記台車105を金型保管場所から、図に示されるように、シート成形機101の側まで移動させる。
【0007】
ここで、前記台車105の上面の高さは、下降させた状態における下テーブル102の上面の高さと等しくなっている。そして、前記台車105の上面にはローラやボールから成る複数の転動部材105aが取り付けられ、また、下テーブル102の上面にもローラやボールから成る複数の転動部材102aが取り付けられている。そのため、台車105上に載置された金型組体108を、矢印Aで示される方向に押し込むことによって、容易に下テーブル102上に移載することができる。
【0008】
そして、金型組体108を下テーブル102上において位置決めした後、下金型108aを下テーブル102の上面に取り付ける。続いて、駆動装置103を作動させて下テーブル102を上方に移動させ、また、必要に応じて、上テーブル104を下方に移動させて、上金型108bを上テーブル104の下面に取り付ける。これにより、下金型108a及び上金型108bが下テーブル102及び上テーブル104にそれぞれ取り付けられる。
【0009】
また、下金型108a及び上金型108bを下テーブル102及び上テーブル104から取り外す場合、前述した動作と逆の動作を行って、金型組体108を台車105上に載置する。そして、作業者の人手によって、前記台車105を図に示される位置から、金型保管場所にまで移動させる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来の台車105による成形機の金型交換装置は、重量物である金型組体108を載置した状態で床107上を作業者の人手によって移動させるようになっているので、作業者の肉体的な負担が大きくなってしまう。そして、比較的高い位置にある台車105の上面に重量物である金型組体108を載置するので、重心位置が高く、転倒の可能性があるので、作業者の安全上も好ましくない。
【0011】
また、重量物である金型組体108を載置した状態で台車105の車輪106が床107上を転動するので、前記車輪106が摩耗して摩耗粉が発生してしまう。そのため、薬品容器のような清浄度を要求される成形品を成形する樹脂シート成形ライン、例えば、クリーンルーム等の清浄な環境に配設された樹脂シート成形ラインにおける金型の交換には、前記台車105は不適切である。さらに、床107も損傷を受けてしまう。
【0012】
もっとも、作業者の肉体的な負担をなくし、作業者の安全を確保するために、人手によって移動させる前記台車105に代えて、自動搬送台車を利用することも考えられるが、該自動搬送台車を走行させるために専用通路を確保する必要があるためスペースを必要とし、また、設備投資が必要となってしまい、樹脂シート成形ラインのコストが増大してしまう。さらに、自動搬送台車であっても車輪を有しているので、該車輪が摩耗して摩耗粉が発生し、また、床107も損傷を受けてしまう。
【0013】
本発明は、前記従来の金型交換装置の問題点を解決して、拡張収縮自在であり、収縮した状態で成形装置の下方に収納可能となることによって、作業者の肉体的な負担がなく、作業者の安全を確保することができ、スペースを必要とせず、コストが低く、摩耗粉が発生せず、床が損傷を受けず、クリーンルーム等の環境に適した金型交換装置を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
そのために、本発明の金型交換装置においては、金型使用装置内に収納可能に移動する移動支持台と、該移動支持台に支持され金型が載置される金型支持台とを有し、拡張した状態で前記金型支持台上に前記金型が載置され、収縮した状態で前記金型使用装置内に収納される。
【0015】
本発明の他の金型交換装置においては、さらに、前記金型支持台を移動支持台に対して昇降させる昇降装置を有する。
【0016】
本発明の更に他の金型交換装置においては、さらに、前記移動支持台は、前記金型使用装置の下方に出入り可能である。
【0017】
本発明の更に他の金型交換装置においては、さらに、前記移動支持台は、前記金型使用装置の下方に取り付けられたガイド部材に沿ってスライドする。
【0018】
本発明の更に他の金型交換装置においては、さらに、前記昇降装置は、前記移動支持台が前記金型使用装置の下方から出た状態で金型支持台を上昇させ、拡張した状態とする。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0020】
図1は本発明の実施の形態における金型交換装置の使用状態を示す側面図であり図3のC−C矢視図、図3は本発明の実施の形態における金型交換装置の収納状態を示す正面図、図4は本発明の実施の形態における金型交換装置の使用状態を示す平面図であり図1のB−B矢視図である。
【0021】
図3において、20は加熱装置であり、図示されない連続した樹脂シートに、カップ麺(めん)、刺身、ゼリー等の食品、果汁、炭酸水等の飲料、電気部品、日用品、医薬品等を収容する容器、該容器の蓋等の樹脂製の成形品を成形する樹脂シート成形ラインにおいて、前記樹脂シートの搬送方向における金型使用装置としてのシート成形機10の上流側に配設され、該シート成形機10に送り込まれる前記樹脂シートを成形に適した温度にまで加熱する。
【0022】
そして、前記シート成形機10は、例えば、真空成形、圧空成形、絞り成形、プレス成形、マッチドモールド成形等の熱成形方法によって前記樹脂シート上に前記成形品を成形する。また、前記シート成形機10の下方には、金型交換装置30が収縮した状態で収納されている。
【0023】
なお、本実施の形態における金型使用装置は、シート成形機10だけでなく、成形品を樹脂シートから打ち抜くトリミング装置のような打抜装置、射出成形機、圧縮成形機、プレス成形機、板材折曲機、型打ち機、穴抜き機等各種の成形機や装置の金型を使用する装置であれば、いかなる装置であってもよいが、本実施の形態においては、説明の都合上、樹脂シート成形ラインにおけるシート成形機10である場合について説明する。
【0024】
ここで、前記加熱装置20は前記シート成形機10と離して配設してもよいが、その場合、加熱装置20から送り出された樹脂シートの温度が低下してしまうので、熱効率の観点から、加熱装置20と前記シート成形機10とは、互いに近接して配設することが望ましく、本実施の形態においては、共通のフレーム11に取り付けられる。
【0025】
また、前記樹脂シートは、ピンやクランプを備えたチェーン等の図示されない搬送装置によって両端を把持され、図示されない駆動装置によって1ショットの成形に要する長さずつ間欠的に搬送され、前記シート成形機10に送り込まれる。そして、該シート成形機10の樹脂シートの搬送方向における下流側には図示されないトリミング装置が配設され、該トリミング装置において、前記成形品は樹脂シートから切断、分離され、集積された後、包装、箱詰め等の後工程に送り出される。
【0026】
なお、前記樹脂シートとしては、いかなるものであってもよいが、例えば、PVC(ポリ塩化ビニル)、PS(ポリスチレン)、発泡ポリスチレン、PP(ポリプロピレン)、PE(ポリエチレン)、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PC(ポリカーボネイト)、ABS樹脂、メタクリル樹脂、生分解性樹脂等が使用される。また、耐水性、ガスバリヤー性等を考慮して、複数種類の樹脂を積層したシートを使用することもできる。
【0027】
そして、21は前記加熱装置20内において、樹脂シートの搬送路の上方に配設された上ヒータ装置、22は前記加熱装置20内において、樹脂シートの搬送路の下方に配設された下ヒータ装置であり、前記上ヒータ装置21及び下ヒータ装置22は同期して上方向及び下方向にそれぞれ移動させられる。この場合、鋼製の歯車等から成る回転部材25の回りに架け回された鋼製のチェーン等から成るヒータ装置連結吊下部材23の両端が、前記上ヒータ装置21及び下ヒータ装置22のそれぞれに取り付けられている。そして、アクチュエータ24によって鋼製のチェーン等から成る伝動部材24aを作動させて、前記回転部材25を回転させることによって、前記上ヒータ装置21及び下ヒータ装置22を上方向及び下方向に同期して移動させることができる。
【0028】
この場合、前記上ヒータ装置21及び下ヒータ装置22は、それぞれ、ヒータユニットを有する。ここで、該ヒータユニットは、シーズヒータ、磁器製ヒータ、赤外線電球ヒータ等から成る単位ヒータを同一面上に複数配設することによって全体として1枚の面状のヒータとしたものであり、輻(ふく)射により前記樹脂シートを上方及び下方から加熱する。
【0029】
なお、前記シーズヒータ、磁器製ヒータ、赤外線電球ヒータ等のうちからどれが選択されるかは、加熱温度、ヒータの性能、樹脂シートの材質等を考慮してなされる事項であるが、一般的には、樹脂シートがPP、PE、PS、ABS樹脂の場合はシーズヒータが選択され、発砲ポリスチレンや厚肉シートの場合は磁器製ヒータが選択されるのが望ましい。また、前記ヒータユニットの温度は、前記単位ヒータがシーズヒータから成る場合は500〜700〔℃〕程度、磁器製ヒータから成る場合は300〜500〔℃〕程度とするのが望ましい。
【0030】
ここで、前記シート成形機10は、前記フレーム11の床フレーム部材11aに取り付けられた下テーブル駆動アクチュエータ13、及び、天井フレーム部材11bに取り付けられた上テーブル駆動アクチュエータ15を有する。そして、下テーブル12は、前記下テーブル駆動アクチュエータ13に取り付けられ、該下テーブル駆動アクチュエータ13を作動させることによって、上下方向に移動させられる。また、上テーブル14は、前記上テーブル駆動アクチュエータ15に取り付けられ、該上テーブル駆動アクチュエータ15を作動させることによって、上下方向に移動させられる。
【0031】
そして、前記下テーブル12の上面には、図1に示されるような金型としての下金型45aが取り付けられ、前記上テーブル14の下面には金型としての上金型45bが取り付けられる。ここで、前記下金型45a及び上金型45bは、通常、一方が雌型であり他方が雄型であるが、前記シート成形機10が真空成形機である場合、例えば、雄型に代えてプラグを使用することもできる。また、成形品が食品、飲料、電気部品、日用品、医薬品等を収容する容器や該容器の蓋のような、小型の容器である場合、通常、前記下金型45a及び上金型45bはそれぞれ複数の成形型を有し、1回の成形動作、すなわち、1ショットで複数の成形品が樹脂シート上に成形される。例えば、成形品が小型の容器である場合、前記下金型45a及び上金型45bは、前記樹脂シートの幅方向(図1における左右方向)に複数個、樹脂シート搬送方向(図3における左右方向)に複数列の成形型を有する。
【0032】
本実施の形態において、前記金型交換装置30は拡張収縮自在であり、収縮した状態で、図3に示されるように、シート成形機30内、すなわち、シート成形機10の下方としての床フレーム部材11aのさらに下方における支持脚部材11cの間の位置に収納可能となっている。そして、前記金型交換装置30は、移動可能な移動支持台としてのスライド部材31、金型が載置される金型支持台としての昇降テーブル32、及び、該昇降テーブル32をスライド部材31に対して、図1における矢印Dで示されるように、昇降させることによって、金型交換装置30全体を拡張又は収縮させる昇降装置としての昇降ユニット33を有する。なお、該昇降ユニット33は、油圧シリンダ装置、空圧シリンダ装置、パルスモータ等から成る図示されないアクチュエータを備え、該アクチュエータの発生する駆動力をボールねじ機構、リンク機構等を介して、又は、直接に前記昇降テーブル32に伝動して昇降させる。
【0033】
また、前記スライド部材31は、図4に示されるように、両側に回転可能に取り付けられた複数、例えば、左右2個ずつの車輪42を備え、前記支持脚部材11cに取り付けられたガイド部材としてのレール部材41に沿って、樹脂シートの幅方向(図1における左右方向)にスライドし、前記シート成形機10の下方に出入り可能となっている。この場合、前記レール部材41は、略コ字状の断面を備え、前記車輪42を上下から挟み込んで、該車輪42が上下方向に移動しないように規制する。
【0034】
そして、金型交換装置30を使用する場合、前記スライド部材31をレール部材41に沿ってスライドさせて、床フレーム部材11aの下方から引き出し、昇降ユニット33を作動させて昇降テーブル32を上死点位置にまで上昇させると、図1に示される状態となる。この状態において、すなわち、昇降テーブル32が上死点位置にある時、昇降テーブル32の上面の高さは、前記下テーブル12の上面の高さと等しくなる。なお、前記昇降テーブル32の上死点位置は、昇降ユニット33の動作ストロークを調整することによって調整することができるようになっている。そのため、金型交換装置30は各種の成形機や装置に適用することができ、それぞれの成形機や装置に適合する上死点位置となるように、昇降ユニット33の動作ストロークを調整することができる。また、前記下テーブル12の上面の高さも、下テーブル駆動アクチュエータ13の動作ストロークを調整することによって調整することができることが望ましい。
【0035】
この場合、下金型45a及び上金型45b互いに組み合わせて一体的にした金型としての金型組体45は、天井走行クレーン等の図示されない搬送装置によって、金型保管場所から搬送されて昇降テーブル32上に載置され、また、該昇降テーブル32上から取り除かれて金型保管場所まで搬送される。なお、図1において、51は前記搬送装置の吊り下げ部材であり、例えば、ワイヤーロープの先端に取り付けられたフックである。また、上金型45bの上面には、取り外し可能な引掛金具53が取り付けられ、前記吊り下げ部材51に架け回されたワイヤーロープ等から成る線状体52の両端が引っ掛けられている。これにより、前記金型組体45は、搬送装置によって矢印Eで示されるように昇降させられ、昇降テーブル32の上面に載置されたり、該昇降テーブル32の上面から持ち上げられるようになっている。
【0036】
また、昇降テーブル32の上面には、図1及び4に示されるように、ローラやボールから成る複数の転動部材32aが取り付けられている。そのため、金型交換のために、金型組体45を図1における矢印Fで示されるように移動させて、昇降テーブル32上から下テーブル12上に移載させたり、逆に該下テーブル12上から昇降テーブル32上に移載させる際に、前記転動部材32aが転動するので、金型組体45を容易に移動させることができるようになっている。さらに、前記昇降テーブル32の上面の周縁部には、図1及び4に示されるように、ストッパ部材34が取り付けられ、金型組体45が昇降テーブル32上から脱落して落下することを防止する。
【0037】
なお、下テーブル12の上面にも、ローラやボールから成る複数の転動部材12aが取り付けられている。そのため、金型交換のために、金型組体45を昇降テーブル32上から下テーブル12上に移載させたり、逆に該下テーブル12上から昇降テーブル32上に移載させる際に、前記転動部材12aが転動するので、金型組体45を容易に移動させることができるようになっている。そして、下テーブル12上に移載された金型組体45は、位置45−1に到達すると停止させられて、下金型45a及び上金型45bが下テーブル12及び上テーブル14にそれぞれ取り付けられる。
【0038】
また、金型交換装置30を収納する場合、昇降ユニット33を作動させて昇降テーブル32を図1に示される下死点位置32−1にまで下降させる。この場合、昇降テーブル32の上面において突出している転動部材32a及びストッパ部材34の上端の高さは、図3に示されるように、床フレーム部材11aの下面の高さよりも低くなる。また、下死点位置32−1において、昇降ユニット33の反成形機側(図1における左側)端部の面と、スライド部材31の反成形機側端部の面とはほぼ同一面上に位置する。すなわち、昇降ユニット33の反成形機側端部のシート成形機10からの突出量と、スライド部材31の反成形機側端部のシート成形機10からの突出量はほぼ等しくなる。これにより、金型交換装置30を収納する場合、前記スライド部材31をレール部材41に沿ってスライドさせて、床フレーム部材11aの下方に押し込んで収納することができる。
【0039】
そして、前記スライド部材31を床フレーム部材11aの下方に完全に押し込んだ状態において、前記スライド部材31は、図4に示される収納位置31−2に到達し、昇降ユニット33は、図1に示される収納位置32−2に到達する。
この場合、昇降ユニット33の反成形機側端部の面は、シート成形機10における金型交換作業側(図1における左側)の側面から突出しないようになっている。また、スライド部材31の反成形機側端部の面も、昇降ユニット33の反成形機側端部の面とほぼ同一面上に位置するので、シート成形機10における金型交換作業側の側面から突出しない。このように、金型交換装置30は、収納した状態において、シート成形機10における金型交換作業側の側面から突出しないので、作業者の邪魔になることがない。
【0040】
ここで、前記スライド部材31は、スライド用アクチュエータとしてのサーボモータ38によってスライドさせられる。該サーボモータ38が作動すると、回転軸の回転が減速機39を介して伝達され、前記スライド部材31のスライド方向に配設されたねじ軸37が回転させられる。これにより、該ねじ軸37に螺(ら)合して、該ねじ軸37とともにボールねじ機構を構成するボールねじナット36が、ねじ軸37に沿って移動させられる。これにより、前記ボールねじナット36が取り付けらているスライド部材31がレール部材41に沿ってスライドする。なお、スライド部材31の進行方向は、前記ボールねじ機構のねじの向きとねじ軸37の回転する方向によって決定される
次に、前記構成の金型交換装置30の動作について説明する。
【0041】
まず、加熱装置20において、図示されない樹脂シートは、図3における左方から右方へ1ショットの成形に要する長さずつ間欠的に搬送される。前記樹脂シートは、前記加熱装置20内において所定時間停止し、その間、前記上ヒータ装置21及び下ヒータ装置22からの輻射熱によって成形に最適な温度範囲、すなわち、成形温度にまで加熱される。
【0042】
なお、該成形温度は、成形条件、前記樹脂シートの種類、厚さ等によって異なるが、熱成形においては、一般的に、前記樹脂シートがPVCの場合は120〜140〔℃〕、PSの場合は110〜150〔℃〕、PPの場合は170〜220〔℃〕、PEの場合は140〜190〔℃〕、ABS樹脂の場合は130〜150〔℃〕、PETの場合は135〜155〔℃〕程度である。
【0043】
前記樹脂シートの加熱温度は、前記上ヒータ装置21及び下ヒータ装置22の出力を調節して輻射熱の量を制御することによって、また、アクチュエータ24を作動させ、前記上ヒータ装置21及び下ヒータ装置22を上方及び下方に移動させて、前記樹脂シートと前記上ヒータ装置21及び下ヒータ装置22との距離をそれぞれ調整することによって、所定の成形温度にすることができる。
【0044】
次に、成形温度にまで加熱された樹脂シートは搬送され、シート成形機10に送り込まれる。そして、樹脂シートが所定位置で停止すると、前記上テーブル駆動アクチュエータ15及び下テーブル駆動アクチュエータ13が作動し、下面に上金型45bが取り付けられた上テーブル14及び上面に下金型45aが取り付けられた下テーブル12が、それぞれ、下方及び上方に移動することによって、上金型45bと下金型45aとによって樹脂シートをクランプして成形品を成形する。ここで、成形品が小型の容器である場合、複数個の成形品が1ショットで成形される。この後、前記上金型45b及び下金型45aはそれぞれ上方及び下方に、すなわち、互いに離れる方向に移動されて型開される。なお、この間に、前記加熱装置20においては、次の1ショット分の長さの樹脂シートが停止して成形温度にまで加熱される。
【0045】
次に、前記樹脂シートは再び搬送され、成形品は樹脂シート搬送方向における下流に搬送され前記シート成形機10から送り出されるとともに、次の1ショット分の長さの樹脂シートが前記シート成形機10に送り込まれる。
【0046】
以上の動作を繰り返すことによって、樹脂シート成形ラインにおいては、多数の成形品が連続的に成形される。
【0047】
ここで、シート成形機10の金型の交換作業を行う前に、まず、樹脂シート成形ラインから樹脂シートの取除き作業を行う。現在使用されている樹脂シートを使い切ってから樹脂シート成形ラインの運転を停止する場合、最後の樹脂シートの端が樹脂シート成形ラインを通過した後で、樹脂シートの搬送装置、加熱装置20及びシート成形機10を停止させる。
【0048】
また、使用している樹脂シートの途中で金型の交換作業を行う場合は、樹脂シートが停止している間に、加熱装置20の上流側で樹脂シートを切断して、切断された樹脂シートの端が樹脂シート成形ラインを通過した後で、樹脂シートの搬送装置、加熱装置20及びシート成形機10を停止させる。
【0049】
次に、該シート成形機10の金型を交換する場合、下テーブル12を上昇させるとともに上テーブル14を下降させて、下金型45aと上金型45bとを接触させて、下金型45a及び上金型45bを組み合わせて一体的に結合させて金型組体45を構成する。そして、下金型45a及び上金型45bをそれぞれ下テーブル12及び上テーブル14から取り外した状態とする。これにより、金型組体45は下テーブル12上に載置された状態となる。そして、下テーブル駆動アクチュエータ13作動させて、下テーブル12を所定の位置にまで下降させる。なお、上テーブル駆動アクチュエータ15作動させて、上テーブル14を上昇させることもできる。
【0050】
本実施の形態において、シート成形機10の金型を交換する際には、シート成形機10の下方に収納されている金型交換装置30を使用する。ここで、前記金型交換装置30は、通常、作業者の邪魔にならないように、床フレーム部材11aの下方に完全に押し込まれた状態で収納され、この状態において、成形機10における金型交換作業側の側面から突出しないようになっている。そして、金型交換装置30を使用するためには、まず、床フレーム部材11aの下方から引き出す必要がある。
【0051】
この場合、サーボモータ38を作動させると、該サーボモータ38の回転軸の回転が減速機39を介して伝達され、ねじ軸37が回転させられる。そして、該ねじ軸37に螺合するボールねじナット36が、ねじ軸37に沿って移動させられ、スライド部材31が支持脚部材11cに取り付けられたレール部材41に沿って図1における左方へスライドし、床フレーム部材11aの下方から引き出される。続いて、昇降ユニット33を作動させ、昇降テーブル32をスライド部材31に対して上昇させ、図1に示されるように、上死点位置にまで上昇させて、金型交換装置30全体を拡張させる。これにより、昇降テーブル32の上面の高さは、下テーブル12の上面の高さと等しくなる。
【0052】
続いて、下テーブル12上に載置されている金型組体45を作業者の手作業によって、昇降テーブル32の方向に移動させて該昇降テーブル32上に移載させる。この場合、下テーブル12の上面には転動部材12aが取り付けられ、昇降テーブル32の上面には転動部材32aが取り付けられていて、前記転動部材12a及び転動部材32aが転動するので、金型組体45を容易に移動させることができる。また、前記昇降テーブル32の上面の周縁部にはストッパ部材34が取り付けられているので、金型組体45が昇降テーブル32上から脱落して落下することもない。
【0053】
続いて、上金型45bの上面に引掛金具53を取り付け、天井走行クレーン等の搬送装置の吊り下げ部材51に架け回された線状体52の両端を前記引掛金具53に引っ掛ける。そして、前記吊り下げ部材51を上昇させて、金型組体45を昇降テーブル32の上方に上昇させる。続いて、前記搬送装置を移動させて、金型組体45を金型保管場所へ搬送する。
【0054】
次に、交換して新しく使用する金型組体45を、前記搬送装置を移動させて、金型保管場所から前記昇降テーブル32の上方にまで搬送する。そして、前記吊り下げ部材51を下降させて、金型組体45を昇降テーブル32上に載置する。
そして、線状体52の両端を引掛金具53から取り外した後、該引掛金具53を上金型45bの上面から取り外す。
【0055】
続いて、昇降テーブル32上に載置されている金型組体45を作業者の手作業によって、下テーブル12の方向に移動させて該下テーブル12上に移載させる。この場合、転動部材12a及び転動部材32aが転動するので、金型組体45を容易に移動させることができる。
【0056】
続いて、昇降ユニット33を作動させ、昇降テーブル32を図1に示される下死点位置32−1にまで下降させて、金型交換装置30全体を収縮させる。これにより、昇降テーブル32の上面において突出している転動部材32a及びストッパ部材34の上端の高さは、床フレーム部材11aの下面の高さよりも低くなる。
【0057】
続いて、サーボモータ38を作動させると、ねじ軸37が回転させられ、スライド部材31がレール部材41に沿って図1における右方へスライドし、床フレーム部材11aの下方に完全に押し込まれて収納される。この場合、前記スライド部材31は、図4に示される収納位置31−2に到達し、昇降ユニット33は、図1に示される収納位置32−2に到達する。この状態において、昇降ユニット33及びスライド部材31の反成形機側端部の面は、シート成形機10における金型交換作業側の側面から突出しない。そのため、作業の邪魔になることがない。
【0058】
そして、金型組体45を下テーブル12上において位置決めした後、下金型45aを下テーブル12の上面に取り付ける。続いて、下テーブル駆動アクチュエータ13作動させて、下テーブル12を所定の位置にまで上昇させて上金型45bを上テーブル14に接触させる。なお、上テーブル駆動アクチュエータ15作動させて、上テーブル14を下降させることもできる。そして、上金型45bを上テーブル14の下面に取り付けた後、下金型45a及び上金型45bの結合を解除する。これにより、交換して新しく使用する下金型45a及び上金型45bが下テーブル12及び上テーブル14にそれぞれ取り付けられ、シート成形機10の金型の交換が完了する。
【0059】
このように、本実施の形態においては、拡張収縮自在な金型交換装置30を収縮した状態でシート成形機10の下方に収納し、シート成形機10の金型を交換する場合に、金型交換装置30をシート成形機10の下方から引き出して拡張させ、金型を載置するようになっている。
【0060】
そのため、金型の交換をしない時に金型交換装置30を保管するためのスペースを特段必要としない。また、金型を台車に載置して作業者の人手によって運搬する必要がないので、作業者の肉体的な負担がなく、かつ、作業者の安全を確保できる。さらに、台車の車輪や床が損傷を受けず、摩耗粉が発生することもないので、周囲の環境を汚染することがない。そのため、クリーンルーム等の清浄な環境で使用される場合に特に適している。
【0061】
また、サーボモータ38を作動させることによって、金型交換装置30を容易に出し入れすることができ、かつ、昇降ユニット33を作動させることによって、金型交換装置30を容易に拡張収縮させることができるので、操作が容易で、金型交換のために必要な作業時間を短縮することができる。
【0062】
さらに、金型交換装置30は、収納状態において、シート成形機10における金型交換作業側の側面から突出しないので、作業の邪魔になることがない。
【0063】
なお、本発明における金型交換装置は、シート成形機だけでなく、成形品を樹脂シートから打ち抜くトリミング装置のような打抜装置、射出成形機、圧縮成形機、プレス成形機、板材折曲機、型打ち機、穴抜き機等各種の成形機や装置の金型を交換するために適用することができるものである。
【0064】
また、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
【0065】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明によれば、金型交換装置においては、金型使用装置内に収納可能に移動する移動支持台と、該移動支持台に支持され金型が載置される金型支持台とを有し、拡張した状態で前記金型支持台上に前記金型が載置され、収縮した状態で前記金型使用装置内に収納される。
【0066】
この場合、金型の交換をしない時に金型交換装置を保管するためのスペースを特段必要としない。また、金型を台車に載置して作業者の人手によって運搬する必要がないので、作業者の肉体的な負担がなく、かつ、作業者の安全を確保できる。さらに、台車の車輪や床が損傷を受けず、摩耗粉が発生することもないので、周囲の環境を汚染することがない。そのため、クリーンルーム等の清浄な環境で使用される場合に特に適している。
【0067】
他の金型交換装置においては、さらに、前記金型支持台を移動支持台に対して昇降させる昇降装置を有する。
【0068】
この場合、金型交換装置を容易に拡張収縮させることができるので、操作が容易で、金型交換のために必要な作業時間を短縮することができる。
【0069】
更に他の金型交換装置においては、さらに、前記移動支持台は、前記金型使用装置の下方に出入り可能である。
【0070】
この場合、金型交換装置は、収納した状態において、金型使用装置の側面から突出しないので、作業者の邪魔になることがない。
【0071】
更に他の金型交換装置においては、さらに、前記移動支持台は、前記金型使用装置の下方に取り付けられたガイド部材に沿ってスライドする。
【0072】
この場合、金型交換装置は、姿勢を乱すことなく、滑らかに移動するので、操作が容易である。
【0073】
更に他の金型交換装置においては、さらに、前記昇降装置は、前記移動支持台が前記金型使用装置の下方から出た状態で金型支持台を上昇させ、拡張した状態とする。
【0074】
この場合、金型交換の時だけ金型交換装置が拡張した状態となるので、金型の交換をしない時に前記金型交換装置を保管するためのスペースを特段必要としない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態における金型交換装置の使用状態を示す側面図である。
【図2】従来の金型交換用の台車の構成を示す図である。
【図3】本発明の実施の形態における金型交換装置の収納状態を示す正面図である。
【図4】本発明の実施の形態における金型交換装置の使用状態を示す平面図であり図1のB−B矢視図である。
【符号の説明】
10 シート成形機
30 金型交換装置
31 スライド部材
32 昇降テーブル
33 昇降ユニット
41 レール部材
45 金型組体
【発明の属する技術分野】
本発明は、金型交換装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、連続した樹脂シートを成形して、食品、飲料、電気部品、日用品、医薬品等を収容する容器、該容器の蓋(ふた)等の樹脂製の成形品を成形するための樹脂シート成形ラインにおいては、加熱装置において加熱された樹脂シートをシート成形機に送り込むようになっている。そして、該シート成形機は、連続した樹脂シート上に熱成形方法によって成形品を成形する装置であり、前記樹脂シートは、搬送装置によって1ショットの成形に要する長さずつ間欠的に搬送された樹脂シートを上金型と下金型とによって挟み込み、成形品を成形する。また、シート成形機の樹脂シート搬送方向における下流側にはトリミング装置のような打抜装置が配設され、該打抜装置において、金型に取り付けられた打抜刃やトムソン刃によって、前記成形品は樹脂シートから切断、分離され、集積された後、包装、箱詰め等の後工程に送り出される。
【0003】
ところで、樹脂シート成形ラインにおいて成形する成形品の種類を変更する場合には、成形品の形状が変更されるので、前記シート成形機や打抜装置の金型を交換する必要がある。この場合、金型を交換する前に、新しく使用する金型を金型保管場所から前記シート成形機や打抜装置の側まで運搬し、また、金型を交換した後に、従来使用されていた金型を前記シート成形機や打抜装置の側から金型保管場所まで運搬する必要がある。一般に、金型は重量物なので、台車に載せて運搬するようになっている。
【0004】
図2は、従来の金型交換用の台車の構成を示す図である。
【0005】
図において、101は樹脂シート成形ラインにおけるシート成形機であり、工場等の床107上に配設され、下金型108aが取り付けられる下テーブル102、及び、上金型108bが取り付けられる上テーブル104を有する。ここで、前記下テーブル102は、油圧シリンダ装置、空圧シリンダ装置等から成る駆動装置103によって上下方向に移動させられるようになっている。また、前記上テーブル104も、油圧シリンダ装置、空圧シリンダ装置等から成る図示されない駆動装置によって上下方向に移動させられるようになっている。
【0006】
そして、前記下金型108a及び上金型108bを下テーブル102及び上テーブル104にそれぞれ取り付ける場合には、前記下金型108a及び上金型108bを互いに組み合わせた金型組体108を台車105上に載置して、図示されない金型保管場所から前記シート成形機101の側まで運搬する。この場合、前記台車105には車輪106が取り付けられ、床107上を転動するようになっているので、作業者の人手によって、前記台車105を金型保管場所から、図に示されるように、シート成形機101の側まで移動させる。
【0007】
ここで、前記台車105の上面の高さは、下降させた状態における下テーブル102の上面の高さと等しくなっている。そして、前記台車105の上面にはローラやボールから成る複数の転動部材105aが取り付けられ、また、下テーブル102の上面にもローラやボールから成る複数の転動部材102aが取り付けられている。そのため、台車105上に載置された金型組体108を、矢印Aで示される方向に押し込むことによって、容易に下テーブル102上に移載することができる。
【0008】
そして、金型組体108を下テーブル102上において位置決めした後、下金型108aを下テーブル102の上面に取り付ける。続いて、駆動装置103を作動させて下テーブル102を上方に移動させ、また、必要に応じて、上テーブル104を下方に移動させて、上金型108bを上テーブル104の下面に取り付ける。これにより、下金型108a及び上金型108bが下テーブル102及び上テーブル104にそれぞれ取り付けられる。
【0009】
また、下金型108a及び上金型108bを下テーブル102及び上テーブル104から取り外す場合、前述した動作と逆の動作を行って、金型組体108を台車105上に載置する。そして、作業者の人手によって、前記台車105を図に示される位置から、金型保管場所にまで移動させる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来の台車105による成形機の金型交換装置は、重量物である金型組体108を載置した状態で床107上を作業者の人手によって移動させるようになっているので、作業者の肉体的な負担が大きくなってしまう。そして、比較的高い位置にある台車105の上面に重量物である金型組体108を載置するので、重心位置が高く、転倒の可能性があるので、作業者の安全上も好ましくない。
【0011】
また、重量物である金型組体108を載置した状態で台車105の車輪106が床107上を転動するので、前記車輪106が摩耗して摩耗粉が発生してしまう。そのため、薬品容器のような清浄度を要求される成形品を成形する樹脂シート成形ライン、例えば、クリーンルーム等の清浄な環境に配設された樹脂シート成形ラインにおける金型の交換には、前記台車105は不適切である。さらに、床107も損傷を受けてしまう。
【0012】
もっとも、作業者の肉体的な負担をなくし、作業者の安全を確保するために、人手によって移動させる前記台車105に代えて、自動搬送台車を利用することも考えられるが、該自動搬送台車を走行させるために専用通路を確保する必要があるためスペースを必要とし、また、設備投資が必要となってしまい、樹脂シート成形ラインのコストが増大してしまう。さらに、自動搬送台車であっても車輪を有しているので、該車輪が摩耗して摩耗粉が発生し、また、床107も損傷を受けてしまう。
【0013】
本発明は、前記従来の金型交換装置の問題点を解決して、拡張収縮自在であり、収縮した状態で成形装置の下方に収納可能となることによって、作業者の肉体的な負担がなく、作業者の安全を確保することができ、スペースを必要とせず、コストが低く、摩耗粉が発生せず、床が損傷を受けず、クリーンルーム等の環境に適した金型交換装置を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
そのために、本発明の金型交換装置においては、金型使用装置内に収納可能に移動する移動支持台と、該移動支持台に支持され金型が載置される金型支持台とを有し、拡張した状態で前記金型支持台上に前記金型が載置され、収縮した状態で前記金型使用装置内に収納される。
【0015】
本発明の他の金型交換装置においては、さらに、前記金型支持台を移動支持台に対して昇降させる昇降装置を有する。
【0016】
本発明の更に他の金型交換装置においては、さらに、前記移動支持台は、前記金型使用装置の下方に出入り可能である。
【0017】
本発明の更に他の金型交換装置においては、さらに、前記移動支持台は、前記金型使用装置の下方に取り付けられたガイド部材に沿ってスライドする。
【0018】
本発明の更に他の金型交換装置においては、さらに、前記昇降装置は、前記移動支持台が前記金型使用装置の下方から出た状態で金型支持台を上昇させ、拡張した状態とする。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0020】
図1は本発明の実施の形態における金型交換装置の使用状態を示す側面図であり図3のC−C矢視図、図3は本発明の実施の形態における金型交換装置の収納状態を示す正面図、図4は本発明の実施の形態における金型交換装置の使用状態を示す平面図であり図1のB−B矢視図である。
【0021】
図3において、20は加熱装置であり、図示されない連続した樹脂シートに、カップ麺(めん)、刺身、ゼリー等の食品、果汁、炭酸水等の飲料、電気部品、日用品、医薬品等を収容する容器、該容器の蓋等の樹脂製の成形品を成形する樹脂シート成形ラインにおいて、前記樹脂シートの搬送方向における金型使用装置としてのシート成形機10の上流側に配設され、該シート成形機10に送り込まれる前記樹脂シートを成形に適した温度にまで加熱する。
【0022】
そして、前記シート成形機10は、例えば、真空成形、圧空成形、絞り成形、プレス成形、マッチドモールド成形等の熱成形方法によって前記樹脂シート上に前記成形品を成形する。また、前記シート成形機10の下方には、金型交換装置30が収縮した状態で収納されている。
【0023】
なお、本実施の形態における金型使用装置は、シート成形機10だけでなく、成形品を樹脂シートから打ち抜くトリミング装置のような打抜装置、射出成形機、圧縮成形機、プレス成形機、板材折曲機、型打ち機、穴抜き機等各種の成形機や装置の金型を使用する装置であれば、いかなる装置であってもよいが、本実施の形態においては、説明の都合上、樹脂シート成形ラインにおけるシート成形機10である場合について説明する。
【0024】
ここで、前記加熱装置20は前記シート成形機10と離して配設してもよいが、その場合、加熱装置20から送り出された樹脂シートの温度が低下してしまうので、熱効率の観点から、加熱装置20と前記シート成形機10とは、互いに近接して配設することが望ましく、本実施の形態においては、共通のフレーム11に取り付けられる。
【0025】
また、前記樹脂シートは、ピンやクランプを備えたチェーン等の図示されない搬送装置によって両端を把持され、図示されない駆動装置によって1ショットの成形に要する長さずつ間欠的に搬送され、前記シート成形機10に送り込まれる。そして、該シート成形機10の樹脂シートの搬送方向における下流側には図示されないトリミング装置が配設され、該トリミング装置において、前記成形品は樹脂シートから切断、分離され、集積された後、包装、箱詰め等の後工程に送り出される。
【0026】
なお、前記樹脂シートとしては、いかなるものであってもよいが、例えば、PVC(ポリ塩化ビニル)、PS(ポリスチレン)、発泡ポリスチレン、PP(ポリプロピレン)、PE(ポリエチレン)、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PC(ポリカーボネイト)、ABS樹脂、メタクリル樹脂、生分解性樹脂等が使用される。また、耐水性、ガスバリヤー性等を考慮して、複数種類の樹脂を積層したシートを使用することもできる。
【0027】
そして、21は前記加熱装置20内において、樹脂シートの搬送路の上方に配設された上ヒータ装置、22は前記加熱装置20内において、樹脂シートの搬送路の下方に配設された下ヒータ装置であり、前記上ヒータ装置21及び下ヒータ装置22は同期して上方向及び下方向にそれぞれ移動させられる。この場合、鋼製の歯車等から成る回転部材25の回りに架け回された鋼製のチェーン等から成るヒータ装置連結吊下部材23の両端が、前記上ヒータ装置21及び下ヒータ装置22のそれぞれに取り付けられている。そして、アクチュエータ24によって鋼製のチェーン等から成る伝動部材24aを作動させて、前記回転部材25を回転させることによって、前記上ヒータ装置21及び下ヒータ装置22を上方向及び下方向に同期して移動させることができる。
【0028】
この場合、前記上ヒータ装置21及び下ヒータ装置22は、それぞれ、ヒータユニットを有する。ここで、該ヒータユニットは、シーズヒータ、磁器製ヒータ、赤外線電球ヒータ等から成る単位ヒータを同一面上に複数配設することによって全体として1枚の面状のヒータとしたものであり、輻(ふく)射により前記樹脂シートを上方及び下方から加熱する。
【0029】
なお、前記シーズヒータ、磁器製ヒータ、赤外線電球ヒータ等のうちからどれが選択されるかは、加熱温度、ヒータの性能、樹脂シートの材質等を考慮してなされる事項であるが、一般的には、樹脂シートがPP、PE、PS、ABS樹脂の場合はシーズヒータが選択され、発砲ポリスチレンや厚肉シートの場合は磁器製ヒータが選択されるのが望ましい。また、前記ヒータユニットの温度は、前記単位ヒータがシーズヒータから成る場合は500〜700〔℃〕程度、磁器製ヒータから成る場合は300〜500〔℃〕程度とするのが望ましい。
【0030】
ここで、前記シート成形機10は、前記フレーム11の床フレーム部材11aに取り付けられた下テーブル駆動アクチュエータ13、及び、天井フレーム部材11bに取り付けられた上テーブル駆動アクチュエータ15を有する。そして、下テーブル12は、前記下テーブル駆動アクチュエータ13に取り付けられ、該下テーブル駆動アクチュエータ13を作動させることによって、上下方向に移動させられる。また、上テーブル14は、前記上テーブル駆動アクチュエータ15に取り付けられ、該上テーブル駆動アクチュエータ15を作動させることによって、上下方向に移動させられる。
【0031】
そして、前記下テーブル12の上面には、図1に示されるような金型としての下金型45aが取り付けられ、前記上テーブル14の下面には金型としての上金型45bが取り付けられる。ここで、前記下金型45a及び上金型45bは、通常、一方が雌型であり他方が雄型であるが、前記シート成形機10が真空成形機である場合、例えば、雄型に代えてプラグを使用することもできる。また、成形品が食品、飲料、電気部品、日用品、医薬品等を収容する容器や該容器の蓋のような、小型の容器である場合、通常、前記下金型45a及び上金型45bはそれぞれ複数の成形型を有し、1回の成形動作、すなわち、1ショットで複数の成形品が樹脂シート上に成形される。例えば、成形品が小型の容器である場合、前記下金型45a及び上金型45bは、前記樹脂シートの幅方向(図1における左右方向)に複数個、樹脂シート搬送方向(図3における左右方向)に複数列の成形型を有する。
【0032】
本実施の形態において、前記金型交換装置30は拡張収縮自在であり、収縮した状態で、図3に示されるように、シート成形機30内、すなわち、シート成形機10の下方としての床フレーム部材11aのさらに下方における支持脚部材11cの間の位置に収納可能となっている。そして、前記金型交換装置30は、移動可能な移動支持台としてのスライド部材31、金型が載置される金型支持台としての昇降テーブル32、及び、該昇降テーブル32をスライド部材31に対して、図1における矢印Dで示されるように、昇降させることによって、金型交換装置30全体を拡張又は収縮させる昇降装置としての昇降ユニット33を有する。なお、該昇降ユニット33は、油圧シリンダ装置、空圧シリンダ装置、パルスモータ等から成る図示されないアクチュエータを備え、該アクチュエータの発生する駆動力をボールねじ機構、リンク機構等を介して、又は、直接に前記昇降テーブル32に伝動して昇降させる。
【0033】
また、前記スライド部材31は、図4に示されるように、両側に回転可能に取り付けられた複数、例えば、左右2個ずつの車輪42を備え、前記支持脚部材11cに取り付けられたガイド部材としてのレール部材41に沿って、樹脂シートの幅方向(図1における左右方向)にスライドし、前記シート成形機10の下方に出入り可能となっている。この場合、前記レール部材41は、略コ字状の断面を備え、前記車輪42を上下から挟み込んで、該車輪42が上下方向に移動しないように規制する。
【0034】
そして、金型交換装置30を使用する場合、前記スライド部材31をレール部材41に沿ってスライドさせて、床フレーム部材11aの下方から引き出し、昇降ユニット33を作動させて昇降テーブル32を上死点位置にまで上昇させると、図1に示される状態となる。この状態において、すなわち、昇降テーブル32が上死点位置にある時、昇降テーブル32の上面の高さは、前記下テーブル12の上面の高さと等しくなる。なお、前記昇降テーブル32の上死点位置は、昇降ユニット33の動作ストロークを調整することによって調整することができるようになっている。そのため、金型交換装置30は各種の成形機や装置に適用することができ、それぞれの成形機や装置に適合する上死点位置となるように、昇降ユニット33の動作ストロークを調整することができる。また、前記下テーブル12の上面の高さも、下テーブル駆動アクチュエータ13の動作ストロークを調整することによって調整することができることが望ましい。
【0035】
この場合、下金型45a及び上金型45b互いに組み合わせて一体的にした金型としての金型組体45は、天井走行クレーン等の図示されない搬送装置によって、金型保管場所から搬送されて昇降テーブル32上に載置され、また、該昇降テーブル32上から取り除かれて金型保管場所まで搬送される。なお、図1において、51は前記搬送装置の吊り下げ部材であり、例えば、ワイヤーロープの先端に取り付けられたフックである。また、上金型45bの上面には、取り外し可能な引掛金具53が取り付けられ、前記吊り下げ部材51に架け回されたワイヤーロープ等から成る線状体52の両端が引っ掛けられている。これにより、前記金型組体45は、搬送装置によって矢印Eで示されるように昇降させられ、昇降テーブル32の上面に載置されたり、該昇降テーブル32の上面から持ち上げられるようになっている。
【0036】
また、昇降テーブル32の上面には、図1及び4に示されるように、ローラやボールから成る複数の転動部材32aが取り付けられている。そのため、金型交換のために、金型組体45を図1における矢印Fで示されるように移動させて、昇降テーブル32上から下テーブル12上に移載させたり、逆に該下テーブル12上から昇降テーブル32上に移載させる際に、前記転動部材32aが転動するので、金型組体45を容易に移動させることができるようになっている。さらに、前記昇降テーブル32の上面の周縁部には、図1及び4に示されるように、ストッパ部材34が取り付けられ、金型組体45が昇降テーブル32上から脱落して落下することを防止する。
【0037】
なお、下テーブル12の上面にも、ローラやボールから成る複数の転動部材12aが取り付けられている。そのため、金型交換のために、金型組体45を昇降テーブル32上から下テーブル12上に移載させたり、逆に該下テーブル12上から昇降テーブル32上に移載させる際に、前記転動部材12aが転動するので、金型組体45を容易に移動させることができるようになっている。そして、下テーブル12上に移載された金型組体45は、位置45−1に到達すると停止させられて、下金型45a及び上金型45bが下テーブル12及び上テーブル14にそれぞれ取り付けられる。
【0038】
また、金型交換装置30を収納する場合、昇降ユニット33を作動させて昇降テーブル32を図1に示される下死点位置32−1にまで下降させる。この場合、昇降テーブル32の上面において突出している転動部材32a及びストッパ部材34の上端の高さは、図3に示されるように、床フレーム部材11aの下面の高さよりも低くなる。また、下死点位置32−1において、昇降ユニット33の反成形機側(図1における左側)端部の面と、スライド部材31の反成形機側端部の面とはほぼ同一面上に位置する。すなわち、昇降ユニット33の反成形機側端部のシート成形機10からの突出量と、スライド部材31の反成形機側端部のシート成形機10からの突出量はほぼ等しくなる。これにより、金型交換装置30を収納する場合、前記スライド部材31をレール部材41に沿ってスライドさせて、床フレーム部材11aの下方に押し込んで収納することができる。
【0039】
そして、前記スライド部材31を床フレーム部材11aの下方に完全に押し込んだ状態において、前記スライド部材31は、図4に示される収納位置31−2に到達し、昇降ユニット33は、図1に示される収納位置32−2に到達する。
この場合、昇降ユニット33の反成形機側端部の面は、シート成形機10における金型交換作業側(図1における左側)の側面から突出しないようになっている。また、スライド部材31の反成形機側端部の面も、昇降ユニット33の反成形機側端部の面とほぼ同一面上に位置するので、シート成形機10における金型交換作業側の側面から突出しない。このように、金型交換装置30は、収納した状態において、シート成形機10における金型交換作業側の側面から突出しないので、作業者の邪魔になることがない。
【0040】
ここで、前記スライド部材31は、スライド用アクチュエータとしてのサーボモータ38によってスライドさせられる。該サーボモータ38が作動すると、回転軸の回転が減速機39を介して伝達され、前記スライド部材31のスライド方向に配設されたねじ軸37が回転させられる。これにより、該ねじ軸37に螺(ら)合して、該ねじ軸37とともにボールねじ機構を構成するボールねじナット36が、ねじ軸37に沿って移動させられる。これにより、前記ボールねじナット36が取り付けらているスライド部材31がレール部材41に沿ってスライドする。なお、スライド部材31の進行方向は、前記ボールねじ機構のねじの向きとねじ軸37の回転する方向によって決定される
次に、前記構成の金型交換装置30の動作について説明する。
【0041】
まず、加熱装置20において、図示されない樹脂シートは、図3における左方から右方へ1ショットの成形に要する長さずつ間欠的に搬送される。前記樹脂シートは、前記加熱装置20内において所定時間停止し、その間、前記上ヒータ装置21及び下ヒータ装置22からの輻射熱によって成形に最適な温度範囲、すなわち、成形温度にまで加熱される。
【0042】
なお、該成形温度は、成形条件、前記樹脂シートの種類、厚さ等によって異なるが、熱成形においては、一般的に、前記樹脂シートがPVCの場合は120〜140〔℃〕、PSの場合は110〜150〔℃〕、PPの場合は170〜220〔℃〕、PEの場合は140〜190〔℃〕、ABS樹脂の場合は130〜150〔℃〕、PETの場合は135〜155〔℃〕程度である。
【0043】
前記樹脂シートの加熱温度は、前記上ヒータ装置21及び下ヒータ装置22の出力を調節して輻射熱の量を制御することによって、また、アクチュエータ24を作動させ、前記上ヒータ装置21及び下ヒータ装置22を上方及び下方に移動させて、前記樹脂シートと前記上ヒータ装置21及び下ヒータ装置22との距離をそれぞれ調整することによって、所定の成形温度にすることができる。
【0044】
次に、成形温度にまで加熱された樹脂シートは搬送され、シート成形機10に送り込まれる。そして、樹脂シートが所定位置で停止すると、前記上テーブル駆動アクチュエータ15及び下テーブル駆動アクチュエータ13が作動し、下面に上金型45bが取り付けられた上テーブル14及び上面に下金型45aが取り付けられた下テーブル12が、それぞれ、下方及び上方に移動することによって、上金型45bと下金型45aとによって樹脂シートをクランプして成形品を成形する。ここで、成形品が小型の容器である場合、複数個の成形品が1ショットで成形される。この後、前記上金型45b及び下金型45aはそれぞれ上方及び下方に、すなわち、互いに離れる方向に移動されて型開される。なお、この間に、前記加熱装置20においては、次の1ショット分の長さの樹脂シートが停止して成形温度にまで加熱される。
【0045】
次に、前記樹脂シートは再び搬送され、成形品は樹脂シート搬送方向における下流に搬送され前記シート成形機10から送り出されるとともに、次の1ショット分の長さの樹脂シートが前記シート成形機10に送り込まれる。
【0046】
以上の動作を繰り返すことによって、樹脂シート成形ラインにおいては、多数の成形品が連続的に成形される。
【0047】
ここで、シート成形機10の金型の交換作業を行う前に、まず、樹脂シート成形ラインから樹脂シートの取除き作業を行う。現在使用されている樹脂シートを使い切ってから樹脂シート成形ラインの運転を停止する場合、最後の樹脂シートの端が樹脂シート成形ラインを通過した後で、樹脂シートの搬送装置、加熱装置20及びシート成形機10を停止させる。
【0048】
また、使用している樹脂シートの途中で金型の交換作業を行う場合は、樹脂シートが停止している間に、加熱装置20の上流側で樹脂シートを切断して、切断された樹脂シートの端が樹脂シート成形ラインを通過した後で、樹脂シートの搬送装置、加熱装置20及びシート成形機10を停止させる。
【0049】
次に、該シート成形機10の金型を交換する場合、下テーブル12を上昇させるとともに上テーブル14を下降させて、下金型45aと上金型45bとを接触させて、下金型45a及び上金型45bを組み合わせて一体的に結合させて金型組体45を構成する。そして、下金型45a及び上金型45bをそれぞれ下テーブル12及び上テーブル14から取り外した状態とする。これにより、金型組体45は下テーブル12上に載置された状態となる。そして、下テーブル駆動アクチュエータ13作動させて、下テーブル12を所定の位置にまで下降させる。なお、上テーブル駆動アクチュエータ15作動させて、上テーブル14を上昇させることもできる。
【0050】
本実施の形態において、シート成形機10の金型を交換する際には、シート成形機10の下方に収納されている金型交換装置30を使用する。ここで、前記金型交換装置30は、通常、作業者の邪魔にならないように、床フレーム部材11aの下方に完全に押し込まれた状態で収納され、この状態において、成形機10における金型交換作業側の側面から突出しないようになっている。そして、金型交換装置30を使用するためには、まず、床フレーム部材11aの下方から引き出す必要がある。
【0051】
この場合、サーボモータ38を作動させると、該サーボモータ38の回転軸の回転が減速機39を介して伝達され、ねじ軸37が回転させられる。そして、該ねじ軸37に螺合するボールねじナット36が、ねじ軸37に沿って移動させられ、スライド部材31が支持脚部材11cに取り付けられたレール部材41に沿って図1における左方へスライドし、床フレーム部材11aの下方から引き出される。続いて、昇降ユニット33を作動させ、昇降テーブル32をスライド部材31に対して上昇させ、図1に示されるように、上死点位置にまで上昇させて、金型交換装置30全体を拡張させる。これにより、昇降テーブル32の上面の高さは、下テーブル12の上面の高さと等しくなる。
【0052】
続いて、下テーブル12上に載置されている金型組体45を作業者の手作業によって、昇降テーブル32の方向に移動させて該昇降テーブル32上に移載させる。この場合、下テーブル12の上面には転動部材12aが取り付けられ、昇降テーブル32の上面には転動部材32aが取り付けられていて、前記転動部材12a及び転動部材32aが転動するので、金型組体45を容易に移動させることができる。また、前記昇降テーブル32の上面の周縁部にはストッパ部材34が取り付けられているので、金型組体45が昇降テーブル32上から脱落して落下することもない。
【0053】
続いて、上金型45bの上面に引掛金具53を取り付け、天井走行クレーン等の搬送装置の吊り下げ部材51に架け回された線状体52の両端を前記引掛金具53に引っ掛ける。そして、前記吊り下げ部材51を上昇させて、金型組体45を昇降テーブル32の上方に上昇させる。続いて、前記搬送装置を移動させて、金型組体45を金型保管場所へ搬送する。
【0054】
次に、交換して新しく使用する金型組体45を、前記搬送装置を移動させて、金型保管場所から前記昇降テーブル32の上方にまで搬送する。そして、前記吊り下げ部材51を下降させて、金型組体45を昇降テーブル32上に載置する。
そして、線状体52の両端を引掛金具53から取り外した後、該引掛金具53を上金型45bの上面から取り外す。
【0055】
続いて、昇降テーブル32上に載置されている金型組体45を作業者の手作業によって、下テーブル12の方向に移動させて該下テーブル12上に移載させる。この場合、転動部材12a及び転動部材32aが転動するので、金型組体45を容易に移動させることができる。
【0056】
続いて、昇降ユニット33を作動させ、昇降テーブル32を図1に示される下死点位置32−1にまで下降させて、金型交換装置30全体を収縮させる。これにより、昇降テーブル32の上面において突出している転動部材32a及びストッパ部材34の上端の高さは、床フレーム部材11aの下面の高さよりも低くなる。
【0057】
続いて、サーボモータ38を作動させると、ねじ軸37が回転させられ、スライド部材31がレール部材41に沿って図1における右方へスライドし、床フレーム部材11aの下方に完全に押し込まれて収納される。この場合、前記スライド部材31は、図4に示される収納位置31−2に到達し、昇降ユニット33は、図1に示される収納位置32−2に到達する。この状態において、昇降ユニット33及びスライド部材31の反成形機側端部の面は、シート成形機10における金型交換作業側の側面から突出しない。そのため、作業の邪魔になることがない。
【0058】
そして、金型組体45を下テーブル12上において位置決めした後、下金型45aを下テーブル12の上面に取り付ける。続いて、下テーブル駆動アクチュエータ13作動させて、下テーブル12を所定の位置にまで上昇させて上金型45bを上テーブル14に接触させる。なお、上テーブル駆動アクチュエータ15作動させて、上テーブル14を下降させることもできる。そして、上金型45bを上テーブル14の下面に取り付けた後、下金型45a及び上金型45bの結合を解除する。これにより、交換して新しく使用する下金型45a及び上金型45bが下テーブル12及び上テーブル14にそれぞれ取り付けられ、シート成形機10の金型の交換が完了する。
【0059】
このように、本実施の形態においては、拡張収縮自在な金型交換装置30を収縮した状態でシート成形機10の下方に収納し、シート成形機10の金型を交換する場合に、金型交換装置30をシート成形機10の下方から引き出して拡張させ、金型を載置するようになっている。
【0060】
そのため、金型の交換をしない時に金型交換装置30を保管するためのスペースを特段必要としない。また、金型を台車に載置して作業者の人手によって運搬する必要がないので、作業者の肉体的な負担がなく、かつ、作業者の安全を確保できる。さらに、台車の車輪や床が損傷を受けず、摩耗粉が発生することもないので、周囲の環境を汚染することがない。そのため、クリーンルーム等の清浄な環境で使用される場合に特に適している。
【0061】
また、サーボモータ38を作動させることによって、金型交換装置30を容易に出し入れすることができ、かつ、昇降ユニット33を作動させることによって、金型交換装置30を容易に拡張収縮させることができるので、操作が容易で、金型交換のために必要な作業時間を短縮することができる。
【0062】
さらに、金型交換装置30は、収納状態において、シート成形機10における金型交換作業側の側面から突出しないので、作業の邪魔になることがない。
【0063】
なお、本発明における金型交換装置は、シート成形機だけでなく、成形品を樹脂シートから打ち抜くトリミング装置のような打抜装置、射出成形機、圧縮成形機、プレス成形機、板材折曲機、型打ち機、穴抜き機等各種の成形機や装置の金型を交換するために適用することができるものである。
【0064】
また、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
【0065】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明によれば、金型交換装置においては、金型使用装置内に収納可能に移動する移動支持台と、該移動支持台に支持され金型が載置される金型支持台とを有し、拡張した状態で前記金型支持台上に前記金型が載置され、収縮した状態で前記金型使用装置内に収納される。
【0066】
この場合、金型の交換をしない時に金型交換装置を保管するためのスペースを特段必要としない。また、金型を台車に載置して作業者の人手によって運搬する必要がないので、作業者の肉体的な負担がなく、かつ、作業者の安全を確保できる。さらに、台車の車輪や床が損傷を受けず、摩耗粉が発生することもないので、周囲の環境を汚染することがない。そのため、クリーンルーム等の清浄な環境で使用される場合に特に適している。
【0067】
他の金型交換装置においては、さらに、前記金型支持台を移動支持台に対して昇降させる昇降装置を有する。
【0068】
この場合、金型交換装置を容易に拡張収縮させることができるので、操作が容易で、金型交換のために必要な作業時間を短縮することができる。
【0069】
更に他の金型交換装置においては、さらに、前記移動支持台は、前記金型使用装置の下方に出入り可能である。
【0070】
この場合、金型交換装置は、収納した状態において、金型使用装置の側面から突出しないので、作業者の邪魔になることがない。
【0071】
更に他の金型交換装置においては、さらに、前記移動支持台は、前記金型使用装置の下方に取り付けられたガイド部材に沿ってスライドする。
【0072】
この場合、金型交換装置は、姿勢を乱すことなく、滑らかに移動するので、操作が容易である。
【0073】
更に他の金型交換装置においては、さらに、前記昇降装置は、前記移動支持台が前記金型使用装置の下方から出た状態で金型支持台を上昇させ、拡張した状態とする。
【0074】
この場合、金型交換の時だけ金型交換装置が拡張した状態となるので、金型の交換をしない時に前記金型交換装置を保管するためのスペースを特段必要としない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態における金型交換装置の使用状態を示す側面図である。
【図2】従来の金型交換用の台車の構成を示す図である。
【図3】本発明の実施の形態における金型交換装置の収納状態を示す正面図である。
【図4】本発明の実施の形態における金型交換装置の使用状態を示す平面図であり図1のB−B矢視図である。
【符号の説明】
10 シート成形機
30 金型交換装置
31 スライド部材
32 昇降テーブル
33 昇降ユニット
41 レール部材
45 金型組体
Claims (5)
- (a)金型使用装置内に収納可能に移動する移動支持台と、
(b)該移動支持台に支持され金型が載置される金型支持台とを有し、
(c)拡張した状態で前記金型支持台上に前記金型が載置され、収縮した状態で前記金型使用装置内に収納されることを特徴とする金型交換装置。 - 前記金型支持台を移動支持台に対して昇降させる昇降装置を有する請求項1に記載の金型交換装置。
- 前記移動支持台は、前記金型使用装置の下方に出入り可能である請求項1又は2に記載の金型交換装置。
- 前記移動支持台は、前記金型使用装置の下方に取り付けられたガイド部材に沿ってスライドする請求項3に記載の金型交換装置。
- 前記昇降装置は、前記移動支持台が前記金型使用装置の下方から出た状態で金型支持台を上昇させ、拡張した状態とする請求項3又は4に記載の金型交換装置。
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-
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- 2002-08-01 JP JP2002224763A patent/JP2004066462A/ja not_active Withdrawn
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