JP2004066241A - 軽合金射出成形機用シリンダ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明の軽合金射出成形機用シリンダは、中空円筒状のシリンダ母材の内面に耐溶損性材料からなる被覆層を形成した軽合金射出成形機用シリンダにおいて、シリンダ母材は、射出出口側に配置した前部のシリンダ母材と、その後方に配置した後部のシリンダ母材とを長手方向に接合してなり、後部のシリンダ母材の外径が前部のシリンダ母材の外径より小さいことを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、マグネシウム、アルミニウムなどの軽合金を射出成形するため、材料を加熱攪拌溶融し、溶湯状態もしくは半溶融状態にして金型内に射出して製品を成形する射出成形機に用いられるシリンダに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
マグネシウム合金の射出成形機に用いられるシリンダは、使用中に約650℃の高温に達するため耐熱性が要求されるとともに、溶融マグネシウム合金に対する耐溶損性が要求される。この種のマグネシウムなどの軽合金を射出する射出成形機用シリンダとして、例えば特許第2862799号公報には、ニッケル基耐熱合金でシリンダ母材を構成すると共に、シリンダ母材の内面にコバルト基耐熱合金を被覆したシリンダが開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
シリンダ母材であるニッケル基耐熱合金は、溶解・鋳造などの製造プロセスが精巧に管理されているため品質上の信頼性が高く、耐熱性、高温強度に優れるものである。しかしながら、高価な元素であるニッケルを多量に用いているので材料費が高く、また難削材であるため機械加工に要するコストも高くなりやすい。したがって、特許第2862799号公報のように、シリンダ製品の全長に亘って、シリンダ母材をニッケル基耐熱合金で構成するとシリンダ製品の製造コストが高くなるという問題がある。
【0004】
したがって、本発明の目的は、シリンダ母材の耐熱性、高温強度を確保するとともに、従来に比べ製造コストを低減できる軽合金射出成形機用シリンダを提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
軽合金用射出成形機用シリンダでは、シリンダの射出出口側先端に近い前方の部分ほど、それよりも後方の部分に比べ高温領域となりしかも高い射出内圧がかかるので、十分な耐熱性、強度が必要である。そこで本発明者らは、シリンダの後方の部分がシリンダの前方の部分よりも強度が多少劣っても十分に耐用できるという知見を得て本発明を完成した。
【0006】
本発明の軽合金射出成形機用シリンダは、中空円筒状のシリンダ母材の内面に耐溶損性材料からなる被覆層を形成した軽合金射出成形機用シリンダにおいて、シリンダ母材は、射出出口側に配置した前部のシリンダ母材と、その後方に配置した後部のシリンダ母材とを長手方向に接合してなり、後部のシリンダ母材の外径が前部のシリンダ母材の外径より小さいことを特徴とする。
【0007】
本発明において、前記前部のシリンダ母材および後部のシリンダ母材がニッケル基耐熱合金からなることを特徴とする。また、シリンダ母材の内面に形成した被覆層が、コバルト基合金、鉄基合金、コバルト基合金にセラミックスを分散させたサーメット系材料、および鉄基合金にセラミックスを分散させたサーメット系材料のいずれかからなることを特徴とする。また、前部のシリンダ母材と後部のシリンダ母材とをHIP法により接合したことを特徴とする。さらに、被覆層をシリンダ母材の内面にHIP法により接合したことを特徴とする。
【0008】
本発明に係るシリンダは、シリンダ母材を長手方向に2個以上の領域に分けて構成し、すなわちシリンダの前方に設けられる射出用ノズルに隣接し、射出内圧が高い領域に配置される前部のシリンダ母材は十分な強度が必要であるが、前部のシリンダ母材の後方に配置される後部のシリンダ母材は、前部のシリンダ母材よりも強度が小さくても十分耐用できる。すなわち、後部のシリンダ母材の外径を前部のシリンダ母材のそれより小さくする、いいかえれば後部のシリンダ母材のシリンダ軸と直交する面の断面積を前部のシリンダ母材のそれより小さくしても耐用できる。この構成により、材料費の嵩むシリンダ母材の量を削減することができる。シリンダ母材を材料費、加工費の高価なニッケル基耐熱合金で形成する場合、その効果は格段に大きくなる。
【0009】
本発明のシリンダ母材の基本的な形態は、1個の前部のシリンダ母材と1個の後部のシリンダ母材からなる。ただし、例えば1個の前部のシリンダ母材と、2個の後部のシリンダ母材を接合してシリンダ母材全体を製作するように、前部および後部のシリンダ母材をそれぞれ長手方向に複数個に分けて構成してもよい。
【0010】
前部および後部のシリンダ母材のニッケル基耐熱合金としては、例えばインコネル718、インコネル706、インコネルX−750などに代表される合金が望ましい。
【0011】
前部のシリンダ母材と後部のシリンダ母材とを長手方向に接合する場合、後述の実施例のように、前部のシリンダ母材と後部のシリンダ母材を長手方向に積み重ねて、両母材の端面同士を突き合わせて接合させる。また、前部のシリンダ母材に雄ねじ(あるいは雌ねじ)を刻設し、後部のシリンダ母材に雌ねじ(あるいは雄ねじ)を刻設し、予め両母材を長手方向にねじ締結した後、接合させてもよい。後者のほうがより強固に両母材を接合できるので望ましい。
【0012】
シリンダ母材の内面に被覆する合金は、コバルト基合金、鉄基合金、コバルト基合金にセラミックスを分散させたサーメット系材料、鉄基合金にセラミックスを分散させたサーメット系材料のいずれかが望ましい。これらの材料はマグネシウムなどの溶融金属に対する耐溶損性に優れ、耐摩耗性、高温強度などを兼ね備えたものであり、射出成形機用部材の寿命を延ばすことができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の実施例を図面に基づき詳細に説明する。図1は、本発明の軽合金射出成形機用シリンダの概略断面図を示す。図1において、シリンダ本体1は、前部のシリンダ母材2と後部のシリンダ母材3とを同心軸上に接合してなる中空円筒状のシリンダ母材4と、シリンダ母材4の溶融金属と接触する内周表面に耐溶損性材料からなる被覆層5を形成して構成される。
【0014】
まず、重量%でCr:19%、Mo:3%、Fe:19%、Nb:5%、Ti:0.8%、Al:0.5%、Ni:残部のニッケル基耐熱鋼を用いて、外径200mm、内径45mm、長さ300mmの中空円筒状の前部のシリンダ母材2を作製した。前部のシリンダ母材2は常温から650℃までの平均熱膨張係数が15.0×10−6/℃である。
【0015】
次に、前部のシリンダ母材2と同じニッケル基耐熱鋼を用いて、外径140mm、内径45mm、長さ300mmの中空円筒状の後部のシリンダ母材3を作製した。後部のシリンダ母材3の外径が前部のシリンダ母材2の外径より小さいことが特徴である。
【0016】
次いで、HIP缶の中央に芯金を設置し、その芯金の外周に前部のシリンダ母材2と後部のシリンダ母材3を嵌挿し、長手方向に積み重ねて、同心軸上に位置決めした。そして、芯金の外面と、前部のシリンダ母材2および後部のシリンダ母材3の内面との間に形成された約3mm幅の空隙に、被覆層5として重量%でSi:1%、Mn:1%、Cr:20%、B:3%、Co:残部からなるコバルト基合金粉末を充填させた。
【0017】
このようにセットした状態でHIP処理を実施した。HIP処理後、芯金を除去して、前部のシリンダ母材2と後部のシリンダ母材3とが同心軸上に接合してなるシリンダ母材4の内面にコバルト基合金からなる被覆層5を形成したシリンダ本体1を取り出し、所定の機械加工を施すことにより、本発明の軽合金射出成形機用シリンダを得た。
【0018】
前部のシリンダ母材2と後部のシリンダ母材3の接合面、また、シリンダ母材4と被覆層5の接合面を浸透探傷にて検査した結果、クラックなどの欠陥は認められず健全に接合されていた。また、本発明の軽合金射出成形機用シリンダは、シリンダ母材の全長に亘って、材料費および加工費の高価なニッケル基耐熱合金で構成した従来のシリンダに比べて製造コストを大幅に低減できた。
【0019】
この本発明の軽合金射出成形機用シリンダを用いて、使用中の温度がシリンダの射出出口側先端面から約200mmの範囲では600〜650℃、それより後方の領域では600℃未満であるマグネシウム合金の射出成形を実機試験したところ、長期間使用において溶損、摩耗の発生などは認められず耐久性に優れることが確認できた。
【0020】
【発明の効果】
本発明の軽合金射出成形機用シリンダによれば、マグネシウムなどの溶融金属の射出成形機用部材として要求される耐熱性、高温強度、耐溶損性、耐摩耗性などの特性を具備するとともに、従来に比べ製造コストを低減できる軽合金射出成形機用シリンダを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の軽合金射出成形機用シリンダの概略断面図である。
【符号の説明】
1 シリンダ本体、 2 前部のシリンダ母材、 3 後部のシリンダ母材、
4 シリンダ母材、 5 被覆層
Claims (5)
- 中空円筒状のシリンダ母材の内面に耐溶損性材料からなる被覆層を形成した軽合金射出成形機用シリンダにおいて、シリンダ母材は、射出出口側に配置した前部のシリンダ母材と、その後方に配置した後部のシリンダ母材とを長手方向に接合してなり、後部のシリンダ母材の外径が前部のシリンダ母材の外径より小さいことを特徴とする軽合金射出成形機用シリンダ。
- 前記前部のシリンダ母材および後部のシリンダ母材がニッケル基耐熱合金からなることを特徴とする請求項1に記載の軽合金射出成形機用シリンダ。
- シリンダ母材の内面に形成した被覆層が、コバルト基合金、鉄基合金、およびコバルト基合金または鉄基合金にセラミックスを分散させたサーメット系材料のいずれかからなることを特徴とする請求項1または2に記載の軽合金射出成形機用シリンダ。
- 前部のシリンダ母材と後部のシリンダ母材とをHIP法により接合したことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の軽合金射出成形機用シリンダ。
- 前記被覆層をシリンダ母材の内面にHIP法により接合したことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の軽合金射出成形機用シリンダ。
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Cited By (1)
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2002
- 2002-08-01 JP JP2002224308A patent/JP2004066241A/ja active Pending
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