JP2004065600A - パンツ型の使い捨て着用物品 - Google Patents

Abstract

【課題】着用者がその両脚を脚周り開口に容易にとおすことができるパンツ型の使い捨て着用物品を提供する。
【解決手段】物品１Ａには、一対の縦方向第１折曲線１５と一対の縦方向第２折曲線１６とが形成されている。物品１Ａでは、第１折曲線１５の間に延びる第１部位１７が第１折曲線１５を介して物品１Ａの内側へ向かって折り込まれ、第２折曲線１６の間に延びる第２部位１８が第２折曲線１６を介して物品１Ａの内側へ向かって折り込まれている。物品１Ａは、脚周り開口１４がその口を常に開けた状態にある。
【選択図】　　　図１

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、排泄物を吸収、保持するパンツ型の使い捨て着用物品に関する。
【０００２】
【従来の技術】
互いに対向する前胴周り域および後胴周り域と、それら胴周り域の間に位置する股下域とを備え、透液性表面シートおよび不透液性裏面シートと、それらシートの間に介在して股下域から前後胴周り域へ向かって延びる吸液性コアとから構成され、胴周り開口とその下方に一対の脚周り開口とが形成されたパンツ型の使い捨て着用物品は公知である。そのような着用物品としては、特開平１１−１０４１７７号公報や特開平１１−１５５９０４号公報に開示されている。
【０００３】
前記公知の物品は、股下域が二つ折りにされ、前後胴周り域の内面どうしが互いに当接するように畳まれている。そのように畳まれた物品は、概ね１６〜４８個のそれらがパッケージの内部に稠密に収納され、パッケージ毎に販売されている。物品１６個が収納されたパッケージの内部では、それら物品の８個ずつが前後方向へ重なり合って列を形成し、２つの列が上下または左右に並んでいる。列において前後方向へ隣り合う物品どうしは、それらの前後胴周り域と股下域との外面の略全域が互いに当接した状態にある。パッケージから物品を取り出すには、パッケージの頂面を破った後、列から物品１個を摘持し、それをパッケージの上方へ引き抜けばよい。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
前記公知の物品は、前後胴周り域の内面が互いに当接するように畳まれているので、脚周り開口の脚周り側部どうしが重なり合い、脚周り開口がその口を閉じた状態にある。この物品では、脚周り開口が閉じたままなので、物品を着用するときに、脚周り開口を広げながら着用者がその両脚を脚周り開口にとおさなければならず、着用に手間を要する。
【０００５】
また、前記公知の物品の多数が収納されたパッケージの内部では、それら物品が前後方向へ圧縮された状態で収納され、それら物品が形成する列の両端から前後方向内方へ概ね１５〜７０Ｎの圧がかかっているので、列から物品を引き抜くときに所定の力を必要とする。このパッケージでは、それら物品の前後胴周り域と股下域との外面の略全域が互いに当接しているので、前後方向へ隣り合う物品どうしの接触面積が大きく、物品どうしの摩擦力が列から物品を引き抜くときの抵抗となり、列から最初の物品１個を引き抜くときに２０〜２２Ｎの力を必要とする。
【０００６】
本発明の課題は、着用者がその両脚を脚周り開口に容易にとおすことができ、パッケージの内部に収納された物品の列から物品１個を簡単に引き抜くことができるパンツ型の使い捨て着用物品を提供することにある。
【０００７】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するための本発明の前提は、互いに対向する前胴周り域および後胴周り域と、それら胴周り域の間に位置する股下域とを備え、それら胴周り域の縦方向へ延びる胴周り側部が連結され、胴周り開口と一対の脚周り開口とを有するパンツ型の使い捨て着用物品である。
【０００８】
前記前提における本発明の特徴として、前記物品には、前記股下域の略幅方向中央部から二股に分かれて前記前胴周り域の幅方向中央部を縦断する一対の縦方向第１折曲線と、前記股下域の略幅方向中央部から二股に分かれて前記後胴周り域の幅方向中央部を縦断する一対の縦方向第２折曲線とが形成され、前記第１折曲線の間に延びる第１部位が、該第１折曲線を介して前記物品の内側へ向かって折り込まれ、前記第２折曲線の間に延びる第２部位が、該第２折曲線を介して前記物品の内側へ向かって折り込まれていることにある。
【０００９】
本発明の実施の態様の一例としては、前記物品が、肌当接側に位置する透液性表面シートと、肌非当接側に位置する不透液性裏面シートと、それらシートの間に介在する吸液性コアとから形成され、前記コアが前記股下域から前記前後胴周り域へ向かって延びている。
【００１０】
本発明の実施の態様の他の一例としては、前記コアが前記第１および第２部位に位置する縦方向折曲部を有し、前記折曲部における前記コアの剛性が該折曲部を除く前記コアの残余の部位のそれよりも低い。
【００１１】
本発明の実施の態様の他の一例としては、前記物品の多数がパッケージの内部に稠密に収納され、前記パッケージの内部では、前記第１および第２部位を除く前記物品の残余の部位が互いに当接するとともに、多数の前記物品が一方向へ重なり合って列を形成し、前記パッケージでは、前記列の両端から一方向内方へ１０〜７５Ｎの圧がかかり、前記列から前記物品１個を引き抜くときの力が１８Ｎ以下である。ここで、多数の物品とは、概ね８個以上の物品をいう。
【００１２】
【発明の実施の形態】
添付の図面を参照し、本発明に係るパンツ型の使い捨て着用物品の詳細を説明すると、以下のとおりである。
【００１３】
図１，２は、一例として示す着用物品１Ａの斜視図と、胴周り側部１０の連結を解除した物品１Ａの部分破断展開平面図とである。図１，２では、幅方向を矢印Ｌ、縦方向を矢印Ｍで示し、脚周り方向を矢印Ｎ（図１のみ）で示す。なお、表面シート２と裏面シート３との内面とは、コア４に対向する面をいい、それらシート２，３の外面とは、コア４に非対向の面をいう。
【００１４】
物品１Ａは、肌当接側に位置する透液性表面シート２と、肌非当接側に位置する不透液性裏面シート３と、表裏面シート２，３の間に介在してそれらシート２，３のうちの少なくとも一方の内面に固着された吸液性コア４とから構成されている。
【００１５】
物品１Ａは、互いに対向する前胴周り域５および後胴周り域７と、それら胴周り域５，７の間に位置する股下域６とを有する。コア４は、股下域６から前後胴周り域５，７へ向かって延びている。物品１Ａは、コア４の両端縁４ａの外側に位置して前後胴周り域５，７を幅方向へ延びる胴周り端部８，９と、コア４の両側縁４ｂの外側に位置して前後胴周り域５，７を縦方向へ延びる胴周り側部１０と、コア４の両側縁４ｂの外側に位置して股下域６を脚周り方向へ延びる脚周り側部１１とを有する。
【００１６】
物品１Ａでは、前後胴周り域５，７の胴周り側部１０が合掌状に重なり合い、胴周り側部１０が縦方向へ間欠的に並ぶ多数の熱融着線１２を介して連結されている。物品１Ａには、胴周り開口１３とその下方に一対の脚周り開口１４とが形成されている。股下域６の脚周り側部１１は、物品１Ａの幅方向内方へ向かって弧を画いている。物品１Ａは、その展開平面形状が実質的に砂時計型を呈する。
【００１７】
物品１Ａには、図２に示すように、２条の縦方向第１折曲線１５と２条の縦方向第２折曲線１６とが形成されている。第１折曲線１５は、股下域６の幅方向中央部６ａから二股に分かれ、前胴周り域５の幅方向中央部５ａを互いに離間並行して縦方向へ延びている。第１折曲線１５は、股下域６から前胴周り域５の幅方向中央部５ａを縦断し、前胴周り域５の胴周り端部８に達している。第２折曲線１６は、股下域６の幅方向中央部６ａから二股に分かれ、後胴周り域７の幅方向中央部７ａを互いに離間並行して縦方向へ延びている。第２折曲線１６は、股下域６から後胴周り域７の幅方向中央部７ａを縦断し、後胴周り域７の胴周り端部９に達している。第１折曲線１５と第２折曲線１６とは、股下域６の幅方向中央部６ａでつながっている。
【００１８】
第１折曲線１５の間には、第１部位１７が縦方向へ延びている。第２折曲線１６の間には、第２部位１８が縦方向へ延びている。第１部位１７は、第１折曲線１５を介して折曲され、部位１７における裏面シート３の外面どうしが互いに当接するように、後胴周り域７の側に向かって物品１Ａの内側へ折り込まれている。第２部位１８は、第２折曲線１６を介して折曲され、部位１８における裏面シート３の外面どうしが互いに当接するように、前胴周り域５の側に向かって物品１Ａの内側へ折り込まれている。第１および第２部位１７，１８には、それら部位１７，１８の幅寸法を二分する仮想折曲線１９が形成されている。
【００１９】
胴周り端部８，９には、幅方向へ延びる帯状の胴周り用弾性部材２０が収縮可能に取り付けられている。脚周り側部１１には、脚周り方向へ延びる複数条の脚周り用弾性部材２１が収縮可能に取り付けられている。それら弾性部材２０，２１は、表面シート２と裏面シート３との間に介在し、それらシート２，３のうちの少なくとも一方の内面に間欠的に固着されている。胴周り端部８，９や胴周り側部１０、脚周り側部１１では、表面シート２と裏面シート３とが互いに重なり合った状態で、それらシート２，３の内面どうしが間欠的に固着されている。
【００２０】
物品１Ａは、第１および第２部位１７，１８が第１および第２折曲線１５，１６を介して物品１Ａの内側へ折り込まれているので、それら部位１７，１８を折り込む以前と比較し、物品１Ａをコンパクトにすることができる。第１および第２部位１７，１８が折り込まれた物品１Ａは、図１に示すように、脚周り側部１１どうしが重なり合うことはなく、脚周り開口１４がその口を常に開けた状態となる。この物品１Ａは、脚周り開口１４が口を開けているので、着用者がその両脚を脚周り開口１４にとおすときに、脚周り開口１４を広げる必要はなく、物品１Ａの着用に手間取ることはない。
【００２１】
図３，４は、図１の物品１Ａが収納されたパッケージ３０の部分破断斜視図と、パッケージ３０から物品１Ａを取り出すときの状態を示す図とである。図３，４では、横方向を矢印Ｘ、縦方向を矢印Ｙで示し、前後方向を矢印Ｚで示す。図４では、パッケージ３０を仮想線で示している。
【００２２】
パッケージ３０は、プラスチックフィルムから形成され、頂底面３０ａ，３０ｂおよび４つの側面３０ｃを有し、前後方向へ長い直方体を呈する。パッケージ３０の頂面３０ａには、手提げ用の取っ手３１が形成されている。パッケージ３０には、その内部に１６個の物品１Ａが稠密に収納されている。
【００２３】
パッケージ３０の内部では、８個の物品１Ａが前後方向（一方向）へ重なり合って列３２を形成し、２つの列３２が横方向に並んでいる。列３２において前後方向へ隣り合う物品１Ａどうしは、第１および第２部位１７，１８を除く残余の部位２２が互いに当接している。部位２２では、それら物品１Ａの裏面シート３の外面どうしが当接している。
【００２４】
パッケージ３０では、それら物品１Ａが前後方向へ圧縮された状態で収納され、列３２の両端３２ａ，３２ｂから前後方向内方（一方向内方）へ１０〜７５Ｎの圧がかかっている。パッケージ３０では、列３２の両端３２ａ，３２ｂから前後方向内方へかかる圧が２０〜４５Ｎの範囲にあることが好ましい。このパッケージ３０の内部から物品１Ａを取り出すには、図４に示すように、パッケージ３０の頂面３０ａを破った後、列３２から物品１Ａ１個を摘持し、それをパッケージ３０の上方へ引き抜けばよい。あるいは、パッケージ３０の側面３０ｃを破った後、列３２から物品１Ａ１個を摘持し、それをパッケージ３０の横方向へ引き抜いてもよい。
【００２５】
前記圧が１０Ｎ未満では、列３２がパッケージ３０の内部において前後方向のいずれかに傾き易く、多数のパッケージ３０を上下方向へ積み重ねたときに、それらパッケージ３０が不用意に崩れてしまう場合がある。前記圧が７５Ｎを超過すると、列３２から物品１Ａを円滑に引き抜くことができない。
【００２６】
なお、列３２の両端３２ａ，３２ｂから前後方向内方（一方向内方）にかかる圧は、以下の方法により測定した。（１）第１および第２部位１７，１８が折り込まれた８個の物品１Ａを前後方向（一方向）へ並べて列３２を作り、列３２の両端３２ａ，３２ｂから前後方向内方（一方向内方）へ圧をかけることなく、自然状態で２４時間放置する。このとき、列３２では、第１および第２部位１７，１８を除く物品１Ａの残余の部位２２が互いに当接した状態にある。また、前後方向内方へ圧がかかっていない状態にある列３２では、その前後方向の寸法がパッケージ３０の前後方向の寸法よりも大きい。（２）列３２を２４時間放置した後、列３２の両端３２ａ，３２ｂに２枚の板を位置させてそれら板で列３２を挟み、列３２の前後方向の寸法とパッケージ３０の前後方向の寸法とが同一になるまで、それら板によって多数の物品１Ａを前後方向内方（一方向内方）へ圧縮する。（３）列３２の前後方向の寸法がパッケージ３０の前後方向の寸法と同一になったときの板にかかる圧力を圧力試験機で測定する。（４）圧力試験機には、インストロン５５６４型（インストロン社製）を使用した。圧力試験機の測定速度は、１０ｍｍ／ｍｉｎである。なお、前記板は、物品１Ａの残余の部位２２全域を押さえられるように物品１Ａよりも大きな面積のアクリル板を使用した。また、前記列３２の前後方向の寸法がパッケージ３０の前後方向の寸法と同一になったときのその寸法とは、前記アクリル板間の寸法をいう。
【００２７】
このパッケージ３０は、その内部に収納された物品１Ａの列３２から物品１Ａ１個を引き抜くときの力が１８Ｎ以下であり、列３２から最初の物品１Ａ１個を引き抜くときの力が１８〜１５Ｎの範囲にある。列３２から物品１Ａ１個を引き抜くときの力が１８Ｎを超過すると、列３２から強い力でなければ物品１Ａを引き抜くことができず、パッケージ３０から物品１Ａを円滑に取り出すことができない。さらに、物品１Ａ１個を引き抜いたときに、その物品１Ａに引き連れられて隣接する物品１Ａも一緒に列３２から引き抜かれてしまう場合がある。
【００２８】
なお、列３２から物品１Ａを引き抜くときの力は、以下の方法で測定した。（１）パッケージ３０の内部に第１および第２部位１７，１８が折り込まれた８個の物品１Ａを前後方向（一方向）へ重ね合わせた状態で収納する。このとき、パッケージ３０の内部では、図３，４に示す状態と同様に、第１および第２部位１７，１８を除く物品１Ａの残余の部位２２が互いに当接した状態にあり、８個の物品１Ａが前後方向へ重なり合って列３２を形成する。パッケージ３０では、列３２の両端３２ａ，３２ｂから前後方向内方（一方向内方）へ１０〜７５Ｎの圧がかかっている。（２）列３２の中から物品１Ａ１個を選び、引っ張り試験機のチャックでその物品１Ａの胴周り端部８，９をつかむ。（３）引っ張り試験機を介して列３２からチャックにつかまれた物品１Ａをパッケージ３０の上方へ引き抜き、そのときの力を引っ張り試験機で測定する。（４）引っ張り試験機には、インストロン５５６４型（インストロン社製）を使用した。引っ張り試験機の測定速度は、１０ｍｍ／ｍｉｎである。なお、列３２から物品１Ａを引き抜くときの力とは、前記測定条件における最大強力の値である。
【００２９】
パッケージ３０では、その内部に第１および第２部位１７，１８を折り込んだ物品１Ａが収納されているので、それら部位１７，１８を折り込む以前の物品がパッケージ３０に収納された場合と比較し、前後方向へ隣り合う物品１Ａどうしの接触面積を少なくすることができ、物品１Ａどうしの摩擦力を低減させることができる。このパッケージ３０は、物品１Ａが形成する列３２の両端３２ａ，３２ｂから前後方向内方へ１０〜７５Ｎの圧がかかっているにもかかわらず、列３２から１８Ｎ以下の力で物品１Ａを引き抜くことができ、特に最初の物品１Ａ１個を列３２から簡単に取り出すことができる。
【００３０】
図５，６は、前胴周り域５の一部を切除した状態で示す他の一例の着用物品１Ｂの斜視図と、胴周り側部１０の連結を解除した物品１Ｂの部分破断展開平面図とであり、図７は、図６のＶＩＩ−ＶＩＩ線端面図である。図５，６では、幅方向を矢印Ｌ、縦方向を矢印Ｍで示し、脚周り方向を矢印Ｎ（図５のみ）で示す。
【００３１】
この物品１Ｂは、透液性表面シート２と、不透液性裏面シート３と、表裏面シート２，３の間に介在する吸液性コア４とから構成され、互いに対向する前胴周り域５および後胴周り域７と、それら胴周り域５，７の間に位置する股下域６とを有する。物品１Ｂには、図６に示すように、２条の縦方向第１折曲線１５と２条の縦方向第２折曲線１６とが形成されている。物品１Ｂは、第１および第２折曲線１５，１６で折曲され、第１折曲線１５の間に延びる第１部位１７と第２折曲線１６の間に延びる第２部位１８とが物品１Ｂの内側へ向かって折り込まれている。
【００３２】
この物品１Ｂが図１のそれと異なる点は、コア４が縦方向折曲部２３を有することにある。折曲部２３は、第１および第２部位１７，１８の幅寸法を二分する仮想折曲線１９上に位置し、それら部位１７，１８を縦方向へ延びている。折曲部２３では、コア４の坪量が折曲部２３を除くコア４の残余の部位２４のそれよりも低く、コア４の剛性が折曲部２３を除くコア４の残余の部位２４のそれよりも低い。
【００３３】
この物品１Ｂは、第１および第２部位１７，１８を物品１Ｂの内側に折り込むときに、コア４が折曲部２３を介して折れ曲がるので、第１および第２部位１７，１８の折り込みが容易であるとともに、第１および第２部位１７，１８が簡単に折り込みが回復してしまうことがない。
【００３４】
物品１Ｂは、第１および第２部位１７，１８が第１および第２折曲線１５，１６を介して物品１Ｂの内側へ折り込まれているので、物品１Ｂをコンパクトにすることができる。第１および第２部位１７，１８が折り込まれた物品１Ｂは、図５に示すように、脚周り開口１４がその口を常に開けた状態にあり、着用者が脚周り開口１４に両脚をとおすときに、脚周り開口１４を広げる必要はなく、物品１Ｂの着用に手間取ることはない。
【００３５】
図８は、図５の物品１Ｂが収納されたパッケージ３０の部分破断斜視図である。図８では、横方向を矢印Ｘ、縦方向を矢印Ｙで示し、前後方向を矢印Ｚで示す。パッケージ３０には、その内部に１６個の物品１Ｂが稠密に収納されている。
【００３６】
パッケージ３０の内部では、８個の物品１Ｂが前後方向（一方向）へ重なり合って列３２を形成し、２つの列３２が横方向に並んでいる。列３２において前後方向へ隣り合う物品１Ｂどうしは、第１および第２部位１７，１８を除く残余の部位２２が互いに当接している。
【００３７】
パッケージ３０では、列３２の両端３２ａ，３２ｂから前後方向内方（一方向内方）へ１０〜７５Ｎの圧がかかっており、その内部に収納された物品１Ｂの列３２から物品１Ｂ１個を引き抜くときの力が１８Ｎ以下、列３２から最初の物品１Ｂ１個を引き抜くときの力が１８〜１５Ｎの範囲にある。なお、パッケージ３０の内部における列３２の両端３２ａ，３２ｂから前後方向内方（一方向内方）にかかる圧や列３２から物品１Ｂ１個を引き抜くときの力は、上述した方法で測定した。
【００３８】
パッケージ３０では、その内部に第１および第２部位１７，１８を折り込んだ物品１Ｂが収納されているので、それら部位１７，１８を折り込む以前の物品がパッケージ３０に収納された場合と比較し、前後方向へ隣り合う物品１Ｂどうしの接触面積を少なくすることができ、物品１Ｂどうしの摩擦力を低減させることができる。このパッケージ３０は、物品１Ｂが形成する列３２の両端３２ａ，３２ｂから前後方向内方へ１０〜７５Ｎの圧がかかっているにもかかわらず、列３２から１８Ｎ以下の力で物品１Ｂを引き抜くことができ、特に最初の物品１Ｂ１個を列３２から簡単に取り出すことができる。
【００３９】
それらパッケージ３０の内部には、１６個の物品１Ａ，１Ｂが収納されているが、パッケージ３０に収納する物品１Ａ，１Ｂの個数を１６個に限定するものではなく、パッケージ３０の内部で多数の物品１Ａ，１Ｂ（８個以上の物品１Ａ，１Ｂ）が一方向へ列３２を形成する条件を満たせば、パッケージ３０に収納される物品１Ａ，１Ｂの個数について特に限定はない。
【００４０】
なお、列３２から物品１Ａ，１Ｂを引き抜くときの力は、引っ張り試験機を介してチャックにつかまれた物品１Ａ，１Ｂをパッケージ３０の上方へ引き抜き、そのときの力を引っ張り試験機で測定したものであるが、列３２の中から物品１Ａ，１Ｂ１個を選び、引っ張り試験機のチャックでその物品１Ａ，１Ｂの前後胴周り域５，７をつかみ、引っ張り試験機を介して列３２からチャックにつかまれた物品１Ａ，１Ｂをパッケージ３０の横方向へ引き抜き、そのときの力を引っ張り試験機で測定してもよい。この場合でも、パッケージ３０の内部に収納された物品１Ａ，１Ｂの列３２から物品１Ａ，１Ｂ１個を引き抜くときの力が１８Ｎ以下であり、列３２から最初の物品１Ａ，１Ｂ１個を引き抜くときの力が１８〜１５Ｎの範囲にあることはいうまでもない。
【００４１】
表面シート２には、親水性繊維不織布や多数の開孔を有する疎水性繊維不織布、微細な多数の開孔を有するプラスチックフィルムのいずれかを使用することができる。裏面シート３には、疎水性繊維不織布や通気不透液性プラスチックフィルム、疎水性繊維不織布を重ね合わせた複合不織布、疎水性繊維不織布と通気不透液性プラスチックフィルムとを重ね合わせた複合シートのいずれかを使用することができる。裏面シート３には、高い耐水性を有するメルトブローン法による繊維不織布の両面を、高い強度と優れた柔軟性とを有するスパンボンド法による繊維不織布で挟んだ複合不織布を使用することもできる。
【００４２】
不織布としては、スパンレース、ニードルパンチ、メルトブローン、サーマルボンド、スパンボンド、ケミカルボンド、エアースルー、の各製法により製造されたものを使用することができる。不織布の構成繊維としては、ポリオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系、の各繊維、ポリエチレン／ポリプロピレンやポリエチレン／ポリエステルからなる芯鞘型複合繊維または並列型複合繊維を使用することができる。
【００４３】
コア４は、フラッフパルプと高吸収性ポリマー粒子との混合物、または、フラッフパルプと高吸収性ポリマー粒子と熱可塑性合成樹脂繊維との混合物であり、所与厚みに圧縮されている。コア４は、それの型崩れやポリマー粒子の脱落を防止するため、全体がティッシュペーパーや親水性繊維不織布等の透液性シートに包被されていることが好ましい。ポリマー粒子としては、デンプン系、セルロース系、合成ポリマー系のものを使用することができる。なお、折曲部２３におけるコア４の坪量を低下させるには、コア４を形成するフラッフパルプまたは熱可塑性合成樹脂繊維の坪量を折曲部２３を除く残余の部位２４よりも減らせばよい。
【００４４】
表面シート２と裏面シート３との固着、シート２，３に対するコア４の固着、シート２，３に対する弾性部材２０，２１の固着には、ホットメルト型接着剤、または、ヒートシールやソニックシール等の熱による融着手段を利用することができる。
【００４５】
【発明の効果】
本発明にかかるパンツ型の使い捨て着用物品によれば、第１および第２部位が第１および第２折曲線を介して物品の内側へ向かって折り込まれているので、物品をコンパクトにすることができるのみならず、脚周り開口がその口を常に開けた状態にあり、着用者が脚周り開口に両脚をとおすときに、脚周り開口を広げる必要はなく、物品の着用に手間取ることはない。
【００４６】
コアが縦方向折曲部を有する物品では、第１および第２部位を物品の内側へ折り込むときに、コアが折曲部を介して折れ曲がるので、第１および第２部位の折り込みが容易であるとともに、第１および第２部位が簡単に折り返されてしまうことはない。
【００４７】
第１および第２部位を折り込んだ物品の多数が収納されたパッケージでは、第１および第２部位を折り込む以前の物品がパッケージに収納された場合と比較し、一方向へ隣り合う物品どうしの接触面積を少なくすることができ、物品どうしの摩擦力を低減させることができる。このパッケージは、その内部に収納された物品が形成する列の両端から一方向内方へ１０〜７５Ｎの圧がかかっているにもかかわらず、列から１８Ｎ以下の力で物品を引き抜くことができ、特に最初の物品１個を列から簡単に取り出すことができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】一例として示す着用物品の斜視図。
【図２】物品の部分破断展開平面図。
【図３】図１の物品が収納されたパッケージの部分破断斜視図。
【図４】パッケージから物品を取り出すときの状態を示す図。
【図５】前胴周り域の一部を切除した状態で示す他の一例の着用物品の斜視図。
【図６】図５の物品の部分破断展開平面図。
【図７】図６のＶＩＩ−ＶＩＩ線端面図。
【図８】図５の物品が収納されたパッケージの部分破断斜視図。
【符号の説明】
１Ａ　　　　　　パンツ型の使い捨て着用物品
１Ｂ　　　　　　パンツ型の使い捨て着用物品
２　　　　　　　透液性表面シート
３　　　　　　　不透液性裏面シート
４　　　　　　　吸液性コア
５　　　　　　　前胴周り域
５ａ　　　　　　幅方向中央部
６　　　　　　　股下域
６ａ　　　　　　幅方向中央部
７　　　　　　　後胴周り域
７ａ　　　　　　幅方向中央部
８　　　　　　　胴周り端部
９　　　　　　　胴周り端部
１０　　　　　　　胴周り側部
１３　　　　　　　胴周り開口
１４　　　　　　　脚周り開口
１５　　　　　　　縦方向第１折曲線
１６　　　　　　　縦方向第１折曲線
１７　　　　　　　第１部位
１８　　　　　　　第２部位
２２　　　　　　　残余の部位
２３　　　　　　　折曲部
２４　　　　　　　残余の部位
３０　　　　　　　パッケージ
３２　　　　　　　列
３２ａ，３２ｂ　　両端

Claims (4)

1. 互いに対向する前胴周り域および後胴周り域と、それら胴周り域の間に位置する股下域とを備え、それら胴周り域の縦方向へ延びる胴周り側部が連結され、胴周り開口と一対の脚周り開口とを有するパンツ型の使い捨て着用物品において、
   前記物品には、前記股下域の略幅方向中央部から二股に分かれて前記前胴周り域の幅方向中央部を縦断する一対の縦方向第１折曲線と、前記股下域の略幅方向中央部から二股に分かれて前記後胴周り域の幅方向中央部を縦断する一対の縦方向第２折曲線とが形成され、
   前記第１折曲線の間に延びる第１部位が、該第１折曲線を介して前記物品の内側へ向かって折り込まれ、前記第２折曲線の間に延びる第２部位が、該第２折曲線を介して前記物品の内側へ向かって折り込まれていることを特徴とする前記着用物品。
2. 前記物品が、肌当接側に位置する透液性表面シートと、肌非当接側に位置する不透液性裏面シートと、それらシートの間に介在する吸液性コアとから形成され、前記コアが、前記股下域から前記前後胴周り域へ向かって延びている請求項１記載の着用物品。
3. 前記コアが、前記第１および第２部位に位置する縦方向折曲部を有し、前記折曲部における前記コアの剛性が、該折曲部を除く前記コアの残余の部位のそれよりも低い請求項２記載の着用物品。
4. 前記物品の多数が、パッケージの内部に稠密に収納され、前記パッケージの内部では、前記第１および第２部位を除く前記物品の残余の部位が互いに当接するとともに、多数の前記物品が一方向へ重なり合って列を形成し、
   前記パッケージでは、前記列の両端から一方向内方へ１０〜７５Ｎの圧がかかり、前記列から前記物品１個を引き抜くときの力が１８Ｎ以下である請求項１ないし請求項３いずれかに記載の着用物品。

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