JP2004065476A - 吻合器具の先端部材及び吻合器具 - Google Patents
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Abstract
【課題】組織同士を吻合した針等にアンビルが干渉することを回避し、腸組織同士等の吻合後におけるアンビルの抜き出し作業を容易にすること。
【解決手段】本体11と、この本体11の先端側に着脱自在に取り付けられる先端部材12とを備えて吻合器具10が構成されている。先端部材12は、本体11側に着脱される支持体35と、この支持体35の先端側に連なるアンビル36と、これら支持体35とアンビル36とを連結する連結部材37とを備えている。支持体35は、外筒39と、この外筒39に対して軸線方向に相対移動可能なねじ軸40とにより構成されており、このねじ軸40の先端側にアンビル36が係合される。連結部材37は、アンビル36とねじ軸40とが略垂直に交差する状態から当該ねじ軸40を移動したときに、アンビル36の略全域を本体11側から次第に離間させるようにアンビル36の姿勢を変化させる。
【選択図】 図2
【解決手段】本体11と、この本体11の先端側に着脱自在に取り付けられる先端部材12とを備えて吻合器具10が構成されている。先端部材12は、本体11側に着脱される支持体35と、この支持体35の先端側に連なるアンビル36と、これら支持体35とアンビル36とを連結する連結部材37とを備えている。支持体35は、外筒39と、この外筒39に対して軸線方向に相対移動可能なねじ軸40とにより構成されており、このねじ軸40の先端側にアンビル36が係合される。連結部材37は、アンビル36とねじ軸40とが略垂直に交差する状態から当該ねじ軸40を移動したときに、アンビル36の略全域を本体11側から次第に離間させるようにアンビル36の姿勢を変化させる。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、吻合器具の先端部材及び吻合器具に係り、更に詳しくは、腸組織同士等の吻合後におけるアンビルの抜き出し作業を容易にすることのできる吻合器具の先端部材及び吻合器具に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、患部を切除するために切断された腸同士を針で再結合するステイプラー状の吻合器具が知られており、この吻合器具としては、例えば、特開平8−66406号公報に開示されたものがある(図9参照)。この吻合器具70は、先端側に筒状の軸接続部材72が設けられた本体73と、軸接続部材72に取り付けられる先端部材75(アンビル組立体)と、本体73の後端側に位置する握りレバー77(把手部)及び回転摘み78(アンビル調整部材)とを備えて構成されている。本体73の先端面73Aには、略コ字状の針を収容する針収容溝79が周方向に多数形成されており、当該針収容溝79の内側の凹部80には、前記軸接続部材72と、先端が刃先となる円筒状のカッター81とが設けられている。ここで、軸接続部材72は、回転摘み78の回転操作によって軸方向(前後方向)に進退可能になっている。また、針収容溝79に収容された針とカッター81の刃先は、握りレバー77の握り操作によって本体73の先端面73Aよりも前方に突出するようになっている。
【0003】
前記先端部材75は、軸接続部材72内に挿入される軸83と、この軸83の先端側に回転可能に取り付けられるアンビル84とを備えており、軸83とアンビル84との間には、図示しないコイルばねが配置されている。アンビル84は、その外周部分がフランジ状をなし、当該フランジ部分の図9中裏側に位置する端面84Aで、本体73側の針収容溝79から突出した針を受けるようになっている。
【0004】
このように構成された吻合器具70を用いて、切断後の腸組織の吻合が次のように行われる。先ず、図10(A)に示されるように、アンビル84側を一方の腸B1内に挿入し、当該腸B1の切断側の組織を軸83の基部側に巻き付けて糸で縛る。また、本体73を他方の腸B2内に挿入し、当該腸B2の切断側の組織を本体73の先端面73Aよりも外側に突出した状態の軸接続部材72に巻き付けて糸で縛る。そして、軸接続部材72内に軸83を挿入して相互に接続し、回転摘み78(図9参照)を操作することで、図10(B)に示されるように、アンビル84を本体73に接近させる。この際、アンビル84は、軸83に対して略垂直に係止しており、アンビル84の端面84Aと本体73の先端面73Aとが相対する位置となる。そして、アンビル84がこのまま姿勢を変えずに本体73に最も接近したときに、握りレバー77(図9参照)を強く握ることで、図10(C)に示されるように、本体73側からアンビル84の端面84Aに向かって針Sが突出し、本体73とアンビル84との間で重合した腸組織が針Sで止着される。また、略同時に、本体73側からカッター81がアンビル84に向かって突出し、針Sによる腸B1,B2の止着部分の内側の腸組織を切断する。そして、前述と逆方向に回転摘み78(図9参照)を操作することで、本体73からアンビル84を離間させる。このとき、アンビル84は、軸83との係止が解除された状態となっており、前記コイルばねの付勢により、軸83の基端側(図10(C)中上端側)を支点として回転する。そして、当該アンビル84の回転後、図10(D)に示されるように、先端部材75を本体73に取り付けたまま、それらが他方の腸B2側から体外に抜き出される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記吻合器具70にあっては、図10(C)に示されるように、アンビル84が回転するときに、当該アンビル84の端面84Aのうち同図中左端側が腸B2の止着部分に接触して腸組織に打ち込まれた針Sに引っ掛かる虞がある。このようにアンビル84の一部が針Sに引っ掛かると、前記回転摘み78の操作感が悪化する等、腸B2内から吻合器具70を抜き出すための作業をスムーズに行えなくなるという問題を招来する。
【0006】
【発明の目的】
本発明は、このような問題に着目して案出されたものであり、その目的は、組織同士を吻合した針等にアンビルが干渉することを回避し、腸組織同士等の吻合後におけるアンビルの抜き出し作業を容易にすることができる吻合器具の先端部材及び吻合器具を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、本発明に係る先端部材は、吻合器具の本体側に接続されて軸線方向に移動可能な移動軸と、この移動軸に係合するアンビルとを備え、前記移動軸とアンビルとが略垂直に交差する状態から前記移動軸を移動したときに、前記アンビルの姿勢が変化する先端部材において、
前記アンビルの姿勢変化を一定範囲に制限する規制手段を備え、
前記規制手段は、前記アンビルが姿勢変化する際に、前記アンビルの略全域を前記本体側から次第に離間させる、という構成を採っている。このような構成によれば、規制手段により、本体側からアンビルの略全域を離間させるように当該アンビルの姿勢が変化するため、アンビルの抜き取りに際して当該アンビルの姿勢を変えたときに、組織同士を吻合した針等にアンビルの一部が干渉することを回避でき、ひいては、腸組織同士等の吻合後におけるアンビルの抜き出し作業を容易にすることができる。
【0008】
また、本発明におけるアンビルは、前記移動軸との係合位置を変位可能に設けられ、前記移動軸の移動に伴って、前記係合位置が前記アンビルの外周側に移動する、という構成を採ることが好ましい。このような構成により、アンビルの姿勢変化をよりコンパクトに行うことができる。
【0009】
更に、前記アンビルの姿勢を調整可能に設けるとよい。このように構成することで、吻合器具の抜き出し作業の自由度を一層高めることができる。
【0010】
また、本発明は、吻合器具の本体側に接続されて軸線方向に移動可能な移動軸と、この移動軸に係合するアンビルとを備え、前記移動軸とアンビルとが略垂直に交差する状態から前記移動軸を移動したときに、前記アンビルの姿勢が変化する先端部材において、
前記移動軸の軸線に沿って相対移動可能に係合する相対軸と、前記アンビルの姿勢変化を一定範囲に制限する規制手段とを備え、
前記規制手段は、前記相対軸とアンビルとを連結する連結部材からなり、前記アンビルが姿勢変化する際に、当該アンビルの略全域を前記本体側から次第に離間させる、という構成を採ることによっても、前述した目的を達成することができる。また、比較的単純な構造で、アンビルの略全域を本体側から離間させながら姿勢変化させることが可能となる。
【0011】
本発明に係る吻合器具は、前記先端部材を取り付けてなり、前記移動軸を移動させる操作部を備え、この操作部は、前記アンビルと前記本体との相対位置が吻合時の位置にあるときに略全域が表出する一方、それ以外は、少なくとも一部分が隠蔽される、という構成を採っている。このような構成によれば、前述した目的を達成できるとともに、本体とアンビルとの相対関係が吻合時の状態になる前に、医師等の使用者が操作部を操作してアンビルの姿勢を変化させないように注意を喚起することができ、使用者による誤操作を防止できる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0013】
図1には、本実施形態に係る先端部材が取り付けられた状態の吻合器具の概略斜視図が示されている。この図において、吻合器具10は、切断された腸同志を針で再結合(吻合)するステイプラー状の器具であり、先端側(図1中左端側)が腸組織の吻合部位となる一方、後端側(同図中右端側)が使用者の操作部位となる。なお、以下の説明における「先」、「前」は、特に明示しない限り、前記吻合部位側を意味する一方、「後」は、前記操作部位側を意味する。
【0014】
前記吻合器具10は、サーベル状の本体11と、この本体11の先端側に着脱自在に取り付けられる先端部材12とを備えて構成されている。
【0015】
前記本体11は、その先端側に位置する略円筒状の頭部14と、この頭部14の後端側に連なるシャフト15と、このシャフト15の後端側に位置するとともに、二股状の把持部16A,16Aを有する握りレバー16と、把持部16A,16A間に位置するとともに、シャフト15の軸線Lを略中心として回転可能に取り付けられた回転摘み18とを備えている。
【0016】
前記頭部14は、図1及び図2に示されるように、先端側が開放する丸穴状の凹部20と、この凹部20の先端側に位置する円環状の先端面21と、この先端面21から後方に凹んで針Sが収容される針収容溝22と、凹部20内の内壁部分に沿って配置された円筒状のカッター23と、このカッター23の内側となる凹部20の略中央で前後方向に延びる棒状体24とを備えて構成されている。
【0017】
前記針収容溝22は、先端面21の周方向二列に多数形成されており、略コ字状の針Sがその開放部分を前向きに収容されるようになっている。また、図2に示されるように、針収容溝22の同図中右側には、前記握りレバー16の握り操作により前方(図2中左方)に移動するプッシャ26が設けられ、このプッシャ26の移動により、針収容溝22内の針Sが先端面21から前方に押し出されるようになっている。前記カッター23の底部にも、握りレバー16の握り操作で前方に移動するプッシャ(図示省略)が設けられており、これによって、針Sの突出と略同一のタイミングで刃先23Aが先端面21よりも前方に突出することになる。なお、これら針S及びカッター23の突出構造は、前述した公知の構造に限らず、同様の作用を奏する他の構造を採用することも可能である。
【0018】
前記棒状体24は、図2に示されるように、両端側が開放する外筒28と、この外筒28の内周面に形成されたねじ溝(図示省略)に係合するねじ軸29とにより構成されており、後述する先端部材12の支持体35側に接続される。
【0019】
前記外筒28は、図3に示されるように、前記回転摘み18の内部に形成された通路31にねじ係合している。これによって、回転摘み18を回転操作すると、外筒28が回転摘み18に対して前後方向(図3中左右方向)に移動することになる。また、外筒28は、特に限定されるものではないが、図4に示されるように、その後端28A(同図中右端)が回転摘み18の後端18Aに揃った状態で、先端28Aが前記先端面21よりも後退する長さに設定されている。
【0020】
前記ねじ軸29は、図2に示されるように、その先端側が先細部29Aとなる段付棒状に形成されており、特に限定されるものではないが、外筒28よりも長く設定されている(図4参照)。
【0021】
また、図3及び図4に示されるように、ねじ軸29の後端側には、当該ねじ軸29を回転させる操作部を構成する棒状のねじ操作部33が連設されており、当該ねじ操作部33の回転操作により、ねじ軸29は、外筒28に対して前後方向(図3、図4中左右方向)に移動可能となる。
【0022】
以上により、回転摘み18を回転操作すると、外筒28とねじ軸29とが前後方向に一体的に移動する一方、ねじ操作部33を回転操作すると、ねじ軸29が外筒28に対して前後方向に移動することになる。ここで、ねじ操作部33は、図4に示される状態、すなわち、回転摘み18の後端18Aと外筒28の後端28Aとが揃った状態で、当該後端28Aから全領域が表出するようになっており、この状態で、ねじ操作部33の回転操作が行われるようになっている。つまり、ねじ操作部33は、本体11と先端部材12との相対位置が吻合時の位置にあるときに略全域が表出する一方、それ以外は、本体11内に少なくとも一部分が収容されることで隠蔽されるようになっている。
【0023】
前記先端部材12は、図2に示されるように、本体11側の棒状体24に着脱自在に連なる丸棒状の支持体35と、この支持体35の先端側に連なるとともに、略円形の外周形状となる帽子状のアンビル36と、これら支持体35とアンビル36とを連結する規制手段としての連結部材37とを備えて構成されている。
【0024】
前記支持体35は、両端側が開放する相対軸としての外筒39と、この外筒39の内周面にねじ係合する移動軸としてのねじ軸40とにより構成されており、これによって、外筒39及びねじ軸40は、軸線方向(図2中左右方向)に相対移動可能になる。
【0025】
前記外筒39は、図5に示されるように、その先端側に、一例として、周方向略180度間隔で外周面から外向きに突設された回り止め用の突片42を備えている。
【0026】
前記ねじ軸40には、図2に示されるように、その先端側に位置してアンビル36に係合する球状の膨出部44と、後端側略中央に形成されるとともに、前記棒状体24の先細部29Aに係合するねじ溝45とが形成されている。このねじ溝45を先細部29Aに係合すると、ねじ軸40が棒状体24側のねじ軸29に接続され、当該棒状体24と支持体35とが相互に連結されることになる。このため、前述したように、回転摘み18(図3参照)を回転操作すると、各外筒28,39と各ねじ軸29,40とが前後方向(図2中左右方向)に一体的に移動する一方、ねじ操作部33(図3参照)を回転操作すると、各ねじ軸29,40が各外筒28,39に対して前後方向に移動することになる。なお、特に限定されるものではないが、ねじ軸40は、先細部29Aとねじ溝45とを係合したときに、図3に示されるように、各外筒28,39の相対する端面同士が相互に略ぴったりと突き合わされるサイズに設けられている。
【0027】
前記アンビル36は、図5に示されるように、その外周領域を構成するフランジ部47と、このフランジ部47の内側に位置する凹部48とを備えている。
【0028】
前記フランジ部47は、図5中手前側に表出する円環状の端面49を備え、この端面49は、図2に示されるように、棒状体24及び支持体35を連結した状態で、本体11側の先端面21に相対可能に設けられている。また、端面49には、公知の針折曲溝51が周方向に多数形成されており、この針折曲溝51は、前記針収容溝22にそれぞれ対応した位置に形成され、且つ、当該針収容溝22から押し出された針Sの先端を折り曲げ可能な形状となっている。
【0029】
前記凹部48は、凹凸状の内側壁53と、この内側壁53の頂部側(図2中左側)に連なる内頂壁54とにより構成されている。内側壁53には、断面視凸状の刃受けリング56が固定されている。この刃受けリング56は、本体11側から突出したカッター23の刃先23Aを当接させることのできる位置に設けられ、且つ、突部分が図2中右側に延びる向きで取り付けられている。
【0030】
前記内頂壁53は、図5に示されるように、略中央部分に形成された丸穴58と、この丸穴58から外周側に向かって延びる一条の移動溝59と、丸穴58に連通する二本の回り止め溝60とを備えている。
【0031】
前記丸穴58及び移動溝59は、開放側の内寸法が前記膨出部44の直径よりも僅かに小さく設定されており、当該膨出部44を脱落不能に係合できるようになっている。また、丸穴58及び移動溝59は、膨出部44の移動路となっており、これによって、ねじ軸40とアンビル36との係合位置が変位可能となる。すなわち、外筒39に対してねじ軸40が前方(図5中矢印方向)に移動するに伴い、前記係合位置が次第にアンビル36の外周側に移動するようになっており、これによって、後述するように、ねじ軸40に対するアンビル36の姿勢が変化することになる。なお、移動溝59の底部(図2中左端側)の形状は、後述するアンビル36の姿勢変化を実現可能な湾曲形状とされている。
【0032】
前記回り止め溝60は、膨出部44が外筒39の先端側に近接しているときに、支持体35の突片42に係合するようになっており、この場合に、アンビル36が支持体35に対して回り止めされることになる。一方、ねじ軸40が移動して、膨出部44が外筒39の先端側からある程度離間すると、回り止め溝60と突片42との係合が解除されることになる。
【0033】
前記連結部材37は、図2に示されるように、L字状の棒状体となっており、同図中上下方向に延びる長寸部62と、この長寸部62の同図中上端側から同右向きに屈曲する短寸部63とにより構成されている。長寸部62の図2中下端側は、外筒39の外周部分のうち先端よりも同図中やや右側となる部分に回転可能に連結されている。また、短寸部63の図2中右端側は、前記刃受けリング56の同図中左方となる内側壁53の部分に回転可能に連結されている。
【0034】
以上のように構成された連結部材37は、ねじ軸40に対するアンビル36の姿勢変化を一定範囲に制限するようになっている。具体的に、図6に示されるように、ねじ軸40とアンビル36とが略垂直に交差する同図(A)中一点鎖線の状態から、ねじ軸40のみを同図中上方に移動させたときに、同図(A)〜(C)の順でアンビル36の姿勢が変化する。すなわち、この姿勢変化に際しては、連結部材37により、アンビル36の全域が次第に本体11側から離間するようにアンビル36の変位が規制される。なお、図2に示されるように、長寸部62及び短寸部63の境界となる屈曲部分に相対する内側壁53の部分は、短寸部63が連結される内側壁53の部分よりも外側に凹んでおり、これによって、前述したアンビル36の姿勢の変化が可能となる。
【0035】
なお、吻合器具10における前記以外の構成については、公知の構成が採用されており、ここでは詳細な説明を省略する。
【0036】
次に、吻合器具10の作用を説明する。
【0037】
先ず、図7(A)に示されるように、一方の腸B1側に先端部材12を挿入するとともに、他方の腸B2側に本体11を挿入する。すなわち、支持体35に対してアンビル36が略垂直に交差する状態の先端部材12を、腸B1の切断部位からアンビル36側を頭にして腸B1内に挿入し、切断側の腸組織を支持体35の基部側に巻き付けて糸で縛り、当該支持体35を表出させる。一方、本体11は、他方の腸B2の切断部位側に頭部14が位置するように他方の腸B2内に挿入される。このとき、棒状体24の先端側を前記先端面21の位置よりも外側に突出させた状態とする。この状態から、切断側の腸組織を棒状体24に巻き付けて糸で縛り、当該棒状体24の先端側を表出させる。そして、棒状体24の先細部29Aと支持体35のねじ溝45とを係合し、これら棒状体24及び支持体35を相互に連結する。この状態では、本体11の先端面21とアンビル36の端面49とが相対している。
【0038】
次に、回転摘み18(図3参照)を回転操作して、棒状体24及び支持体35を一体的に回転させると、図7(B)に示されるように、アンビル36が支持体35に対する姿勢を変えずに本体11側に接近する。この状態では、図4に示されるように、回転摘み18の後端18A側からねじ操作部33が略完全に表出した状態となる。そして、握りレバー16(図1参照)を強く握ると、図7(C)に示されるように、本体11側から針Sが腸組織の重合部位に打ち込まれるとともに、当該打ち込まれた針Sの内側の腸組織が、頭部14の外側に突出したカッター23(図2参照)で切断されることになる。
【0039】
その後、ねじ操作部33を回転すると、図6に示されるように、ねじ軸40が外筒39に対して同図中上方に移動し、これに伴い、連結部材37が同図中半時計方向に回転しながら、アンビル36とねじ軸40との係合位置が移動溝59に沿ってアンビル36の外周側にシフトし、本体11に対するアンビル36の姿勢がスライドするように変化する。すなわち、アンビル36は、その端面49の略全域が本体11側の先端面21から次第に離間しながら、ねじ軸40側に倒伏した状態となる(図6(C)参照)。そして、この状態となったときに、吻合器具10を他方の腸B2内から抜き出す。
【0040】
なお、ねじ操作部33の回転量を調整することで、ねじ軸40に対するアンビル36の姿勢が調整可能になる。
【0041】
従って、このような実施形態によれば、腸B1,B2の切断部位同士を針Sで吻合した後、支持体35に対するアンビル36の姿勢を変化させたときに、アンビル36の端面49の略全域が本体11側の先端面21に対して次第に離間するため、アンビル36の姿勢変化時において、アンビル36の一部が腸組織間に止着された針Sに干渉する虞を確実に回避できるという効果を得る。
【0042】
また、ねじ操作部33は、図3に示されるように、アンビル36が本体11側に最も接近したときに全領域が表出するようになっているため、ねじ操作部33全体が表出したことを目印に、握りレバー16を操作することができ、握りレバー16の操作タイミングを医師等の使用者に確実に認知させることができる。また、針Sの止着前にねじ操作部33の回転操作をしてはいけないことを使用者に喚起でき、針Sの止着前にアンビル36をねじ軸40に対して倒伏させてしまう誤操作を防止できる。なお、常時、ねじ操作部33を回転摘み18の外側に表出させてもよいが、この場合には、ねじ操作部33に目印等を付け、この目印の位置により、握りレバー16やねじ操作部33の操作の可否を判断できるようにしてもよい。
【0043】
なお、先端部材12としては、図8に示される構造とすることもできる。ここでの先端部材12は、前記実施形態に対して、移動溝59を設けずに、アンビル36の穴58内に掛け渡されたピン65に対して、膨出部44を回転可能に支持したものである。その他の構成は、前記実施形態の先端部材12と実質的に同一の構成となっている。この変形例の場合は、ねじ軸40が外筒39に対して図8中左方に移動すると、ねじ軸40の先端を支点としてアンビル36が回転する。ところが、当該アンビル36と外筒39とが連結部材37で連結されているため、アンビル36の回転が一定範囲に規制され、前記実施形態と実質的に同一となる作用を奏することになる。つまり、この変形例によっても、外筒39とねじ軸40との相対移動に伴い、アンビル36は、その略全域が本体11側から次第に離間しながら相互に略垂直に交差した状態から前記倒伏状態となるように姿勢変化する。但し、前記実施形態の構成の方が、アンビル36の姿勢変化をコンパクトに行えるという利点がある。
【0044】
また、アンビル36の姿勢変化を一定範囲に制限する規制手段としては、前記実施形態の形状や構造に限定されず、前述したアンビル36の姿勢変化を行える限りにおいて、種々の形状及び構造を採用することができ、例えば、片状の可撓性部材からなる連結部材37としてもよい。
【0045】
更に、本発明における装置各部の構成は図示構成例に限定されるものではなく、前記実施形態と実質的に同様の作用を奏する限りにおいて、種々の変更が可能である。
【0046】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、アンビルの姿勢変化を一定範囲に制限する規制手段を備え、当該規制手段を、前記アンビルが姿勢変化する際に、前記アンビルの略全域を前記本体側から次第に離間させる構成としたから、アンビルの姿勢を変えたときに、組織同士を吻合した針等にアンビルの一部が干渉することを回避でき、腸組織同士等の吻合後におけるアンビルの抜き出し作業を容易にすることができる。
【0047】
また、前記アンビルと前記移動軸との係合位置を変位可能に設け、前記移動軸の移動に伴って、前記係合位置が前記アンビルの外周側に移動するようにしたから、アンビルの姿勢変化をよりコンパクトに行うことができる。
【0048】
更に、前記アンビルの姿勢を調整可能に設けたから、吻合器具の抜き出し作業の自由度を一層高めることができる。
【0049】
また、前記移動軸と、当該移動軸の軸線に沿って相対移動可能に係合する相対軸とを連結する連結部材により、前記規制手段を構成したから、比較的単純な装置構成で、アンビルの姿勢変化の際に、組織に打ち込まれた針が干渉し難い構造とすることができる。
【0050】
更に、前記移動軸を移動させる操作部を備え、この操作部は、前記アンビルと前記本体との相対位置が吻合時の位置にあるときに略全域が表出する一方、それ以外は、少なくとも一部分が隠蔽される吻合器具の構成としたから、アンビルの姿勢変化のタイミングを使用者により確実に遵守させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態に係る吻合器具の概略斜視図。
【図2】図1の要部を拡大した断面図。
【図3】図2の構成とともに後部付近の構成を示した断面図。
【図4】アンビルと本体とが接近した状態を示す図3と同様の断面図。
【図5】先端部材の拡大分解斜視図。
【図6】(A)〜(C)は、ねじ軸の移動に伴ってアンビルの姿勢が変化する状態を順に示した断面図である。
【図7】(A)は、先端部材を本体に取り付ける前の状態を示す断面図であり、(B)は、(A)の状態から先端部材が本体に接近した状態を示す断面図であり、(C)は、重合した腸組織に対する針の打ち込み時の状態を示す断面図である。
【図8】変形例に係る先端部分の概略断面図。
【図9】従来例に係る吻合器具の概略斜視図。
【図10】(A)は、図9の先端部材を本体に取り付ける前の状態を示す断面図であり、(B)は、(A)の状態から先端部材が本体に接近した状態を示す断面図であり、(C)は、重合した腸組織に対する針の打ち込み時の状態を示す断面図であり、(D)は、吻合器具を腸内から抜き出す様子を示す断面図である。
【0001】
【符号の説明】
10 吻合器具
11 本体
12 先端部材
33 ねじ操作部(操作部)
36 アンビル
37 連結部材(規制手段)
39 外筒(相対軸)
40 ねじ軸(移動軸)
【発明の属する技術分野】
本発明は、吻合器具の先端部材及び吻合器具に係り、更に詳しくは、腸組織同士等の吻合後におけるアンビルの抜き出し作業を容易にすることのできる吻合器具の先端部材及び吻合器具に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、患部を切除するために切断された腸同士を針で再結合するステイプラー状の吻合器具が知られており、この吻合器具としては、例えば、特開平8−66406号公報に開示されたものがある(図9参照)。この吻合器具70は、先端側に筒状の軸接続部材72が設けられた本体73と、軸接続部材72に取り付けられる先端部材75(アンビル組立体)と、本体73の後端側に位置する握りレバー77(把手部)及び回転摘み78(アンビル調整部材)とを備えて構成されている。本体73の先端面73Aには、略コ字状の針を収容する針収容溝79が周方向に多数形成されており、当該針収容溝79の内側の凹部80には、前記軸接続部材72と、先端が刃先となる円筒状のカッター81とが設けられている。ここで、軸接続部材72は、回転摘み78の回転操作によって軸方向(前後方向)に進退可能になっている。また、針収容溝79に収容された針とカッター81の刃先は、握りレバー77の握り操作によって本体73の先端面73Aよりも前方に突出するようになっている。
【0003】
前記先端部材75は、軸接続部材72内に挿入される軸83と、この軸83の先端側に回転可能に取り付けられるアンビル84とを備えており、軸83とアンビル84との間には、図示しないコイルばねが配置されている。アンビル84は、その外周部分がフランジ状をなし、当該フランジ部分の図9中裏側に位置する端面84Aで、本体73側の針収容溝79から突出した針を受けるようになっている。
【0004】
このように構成された吻合器具70を用いて、切断後の腸組織の吻合が次のように行われる。先ず、図10(A)に示されるように、アンビル84側を一方の腸B1内に挿入し、当該腸B1の切断側の組織を軸83の基部側に巻き付けて糸で縛る。また、本体73を他方の腸B2内に挿入し、当該腸B2の切断側の組織を本体73の先端面73Aよりも外側に突出した状態の軸接続部材72に巻き付けて糸で縛る。そして、軸接続部材72内に軸83を挿入して相互に接続し、回転摘み78(図9参照)を操作することで、図10(B)に示されるように、アンビル84を本体73に接近させる。この際、アンビル84は、軸83に対して略垂直に係止しており、アンビル84の端面84Aと本体73の先端面73Aとが相対する位置となる。そして、アンビル84がこのまま姿勢を変えずに本体73に最も接近したときに、握りレバー77(図9参照)を強く握ることで、図10(C)に示されるように、本体73側からアンビル84の端面84Aに向かって針Sが突出し、本体73とアンビル84との間で重合した腸組織が針Sで止着される。また、略同時に、本体73側からカッター81がアンビル84に向かって突出し、針Sによる腸B1,B2の止着部分の内側の腸組織を切断する。そして、前述と逆方向に回転摘み78(図9参照)を操作することで、本体73からアンビル84を離間させる。このとき、アンビル84は、軸83との係止が解除された状態となっており、前記コイルばねの付勢により、軸83の基端側(図10(C)中上端側)を支点として回転する。そして、当該アンビル84の回転後、図10(D)に示されるように、先端部材75を本体73に取り付けたまま、それらが他方の腸B2側から体外に抜き出される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記吻合器具70にあっては、図10(C)に示されるように、アンビル84が回転するときに、当該アンビル84の端面84Aのうち同図中左端側が腸B2の止着部分に接触して腸組織に打ち込まれた針Sに引っ掛かる虞がある。このようにアンビル84の一部が針Sに引っ掛かると、前記回転摘み78の操作感が悪化する等、腸B2内から吻合器具70を抜き出すための作業をスムーズに行えなくなるという問題を招来する。
【0006】
【発明の目的】
本発明は、このような問題に着目して案出されたものであり、その目的は、組織同士を吻合した針等にアンビルが干渉することを回避し、腸組織同士等の吻合後におけるアンビルの抜き出し作業を容易にすることができる吻合器具の先端部材及び吻合器具を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、本発明に係る先端部材は、吻合器具の本体側に接続されて軸線方向に移動可能な移動軸と、この移動軸に係合するアンビルとを備え、前記移動軸とアンビルとが略垂直に交差する状態から前記移動軸を移動したときに、前記アンビルの姿勢が変化する先端部材において、
前記アンビルの姿勢変化を一定範囲に制限する規制手段を備え、
前記規制手段は、前記アンビルが姿勢変化する際に、前記アンビルの略全域を前記本体側から次第に離間させる、という構成を採っている。このような構成によれば、規制手段により、本体側からアンビルの略全域を離間させるように当該アンビルの姿勢が変化するため、アンビルの抜き取りに際して当該アンビルの姿勢を変えたときに、組織同士を吻合した針等にアンビルの一部が干渉することを回避でき、ひいては、腸組織同士等の吻合後におけるアンビルの抜き出し作業を容易にすることができる。
【0008】
また、本発明におけるアンビルは、前記移動軸との係合位置を変位可能に設けられ、前記移動軸の移動に伴って、前記係合位置が前記アンビルの外周側に移動する、という構成を採ることが好ましい。このような構成により、アンビルの姿勢変化をよりコンパクトに行うことができる。
【0009】
更に、前記アンビルの姿勢を調整可能に設けるとよい。このように構成することで、吻合器具の抜き出し作業の自由度を一層高めることができる。
【0010】
また、本発明は、吻合器具の本体側に接続されて軸線方向に移動可能な移動軸と、この移動軸に係合するアンビルとを備え、前記移動軸とアンビルとが略垂直に交差する状態から前記移動軸を移動したときに、前記アンビルの姿勢が変化する先端部材において、
前記移動軸の軸線に沿って相対移動可能に係合する相対軸と、前記アンビルの姿勢変化を一定範囲に制限する規制手段とを備え、
前記規制手段は、前記相対軸とアンビルとを連結する連結部材からなり、前記アンビルが姿勢変化する際に、当該アンビルの略全域を前記本体側から次第に離間させる、という構成を採ることによっても、前述した目的を達成することができる。また、比較的単純な構造で、アンビルの略全域を本体側から離間させながら姿勢変化させることが可能となる。
【0011】
本発明に係る吻合器具は、前記先端部材を取り付けてなり、前記移動軸を移動させる操作部を備え、この操作部は、前記アンビルと前記本体との相対位置が吻合時の位置にあるときに略全域が表出する一方、それ以外は、少なくとも一部分が隠蔽される、という構成を採っている。このような構成によれば、前述した目的を達成できるとともに、本体とアンビルとの相対関係が吻合時の状態になる前に、医師等の使用者が操作部を操作してアンビルの姿勢を変化させないように注意を喚起することができ、使用者による誤操作を防止できる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0013】
図1には、本実施形態に係る先端部材が取り付けられた状態の吻合器具の概略斜視図が示されている。この図において、吻合器具10は、切断された腸同志を針で再結合(吻合)するステイプラー状の器具であり、先端側(図1中左端側)が腸組織の吻合部位となる一方、後端側(同図中右端側)が使用者の操作部位となる。なお、以下の説明における「先」、「前」は、特に明示しない限り、前記吻合部位側を意味する一方、「後」は、前記操作部位側を意味する。
【0014】
前記吻合器具10は、サーベル状の本体11と、この本体11の先端側に着脱自在に取り付けられる先端部材12とを備えて構成されている。
【0015】
前記本体11は、その先端側に位置する略円筒状の頭部14と、この頭部14の後端側に連なるシャフト15と、このシャフト15の後端側に位置するとともに、二股状の把持部16A,16Aを有する握りレバー16と、把持部16A,16A間に位置するとともに、シャフト15の軸線Lを略中心として回転可能に取り付けられた回転摘み18とを備えている。
【0016】
前記頭部14は、図1及び図2に示されるように、先端側が開放する丸穴状の凹部20と、この凹部20の先端側に位置する円環状の先端面21と、この先端面21から後方に凹んで針Sが収容される針収容溝22と、凹部20内の内壁部分に沿って配置された円筒状のカッター23と、このカッター23の内側となる凹部20の略中央で前後方向に延びる棒状体24とを備えて構成されている。
【0017】
前記針収容溝22は、先端面21の周方向二列に多数形成されており、略コ字状の針Sがその開放部分を前向きに収容されるようになっている。また、図2に示されるように、針収容溝22の同図中右側には、前記握りレバー16の握り操作により前方(図2中左方)に移動するプッシャ26が設けられ、このプッシャ26の移動により、針収容溝22内の針Sが先端面21から前方に押し出されるようになっている。前記カッター23の底部にも、握りレバー16の握り操作で前方に移動するプッシャ(図示省略)が設けられており、これによって、針Sの突出と略同一のタイミングで刃先23Aが先端面21よりも前方に突出することになる。なお、これら針S及びカッター23の突出構造は、前述した公知の構造に限らず、同様の作用を奏する他の構造を採用することも可能である。
【0018】
前記棒状体24は、図2に示されるように、両端側が開放する外筒28と、この外筒28の内周面に形成されたねじ溝(図示省略)に係合するねじ軸29とにより構成されており、後述する先端部材12の支持体35側に接続される。
【0019】
前記外筒28は、図3に示されるように、前記回転摘み18の内部に形成された通路31にねじ係合している。これによって、回転摘み18を回転操作すると、外筒28が回転摘み18に対して前後方向(図3中左右方向)に移動することになる。また、外筒28は、特に限定されるものではないが、図4に示されるように、その後端28A(同図中右端)が回転摘み18の後端18Aに揃った状態で、先端28Aが前記先端面21よりも後退する長さに設定されている。
【0020】
前記ねじ軸29は、図2に示されるように、その先端側が先細部29Aとなる段付棒状に形成されており、特に限定されるものではないが、外筒28よりも長く設定されている(図4参照)。
【0021】
また、図3及び図4に示されるように、ねじ軸29の後端側には、当該ねじ軸29を回転させる操作部を構成する棒状のねじ操作部33が連設されており、当該ねじ操作部33の回転操作により、ねじ軸29は、外筒28に対して前後方向(図3、図4中左右方向)に移動可能となる。
【0022】
以上により、回転摘み18を回転操作すると、外筒28とねじ軸29とが前後方向に一体的に移動する一方、ねじ操作部33を回転操作すると、ねじ軸29が外筒28に対して前後方向に移動することになる。ここで、ねじ操作部33は、図4に示される状態、すなわち、回転摘み18の後端18Aと外筒28の後端28Aとが揃った状態で、当該後端28Aから全領域が表出するようになっており、この状態で、ねじ操作部33の回転操作が行われるようになっている。つまり、ねじ操作部33は、本体11と先端部材12との相対位置が吻合時の位置にあるときに略全域が表出する一方、それ以外は、本体11内に少なくとも一部分が収容されることで隠蔽されるようになっている。
【0023】
前記先端部材12は、図2に示されるように、本体11側の棒状体24に着脱自在に連なる丸棒状の支持体35と、この支持体35の先端側に連なるとともに、略円形の外周形状となる帽子状のアンビル36と、これら支持体35とアンビル36とを連結する規制手段としての連結部材37とを備えて構成されている。
【0024】
前記支持体35は、両端側が開放する相対軸としての外筒39と、この外筒39の内周面にねじ係合する移動軸としてのねじ軸40とにより構成されており、これによって、外筒39及びねじ軸40は、軸線方向(図2中左右方向)に相対移動可能になる。
【0025】
前記外筒39は、図5に示されるように、その先端側に、一例として、周方向略180度間隔で外周面から外向きに突設された回り止め用の突片42を備えている。
【0026】
前記ねじ軸40には、図2に示されるように、その先端側に位置してアンビル36に係合する球状の膨出部44と、後端側略中央に形成されるとともに、前記棒状体24の先細部29Aに係合するねじ溝45とが形成されている。このねじ溝45を先細部29Aに係合すると、ねじ軸40が棒状体24側のねじ軸29に接続され、当該棒状体24と支持体35とが相互に連結されることになる。このため、前述したように、回転摘み18(図3参照)を回転操作すると、各外筒28,39と各ねじ軸29,40とが前後方向(図2中左右方向)に一体的に移動する一方、ねじ操作部33(図3参照)を回転操作すると、各ねじ軸29,40が各外筒28,39に対して前後方向に移動することになる。なお、特に限定されるものではないが、ねじ軸40は、先細部29Aとねじ溝45とを係合したときに、図3に示されるように、各外筒28,39の相対する端面同士が相互に略ぴったりと突き合わされるサイズに設けられている。
【0027】
前記アンビル36は、図5に示されるように、その外周領域を構成するフランジ部47と、このフランジ部47の内側に位置する凹部48とを備えている。
【0028】
前記フランジ部47は、図5中手前側に表出する円環状の端面49を備え、この端面49は、図2に示されるように、棒状体24及び支持体35を連結した状態で、本体11側の先端面21に相対可能に設けられている。また、端面49には、公知の針折曲溝51が周方向に多数形成されており、この針折曲溝51は、前記針収容溝22にそれぞれ対応した位置に形成され、且つ、当該針収容溝22から押し出された針Sの先端を折り曲げ可能な形状となっている。
【0029】
前記凹部48は、凹凸状の内側壁53と、この内側壁53の頂部側(図2中左側)に連なる内頂壁54とにより構成されている。内側壁53には、断面視凸状の刃受けリング56が固定されている。この刃受けリング56は、本体11側から突出したカッター23の刃先23Aを当接させることのできる位置に設けられ、且つ、突部分が図2中右側に延びる向きで取り付けられている。
【0030】
前記内頂壁53は、図5に示されるように、略中央部分に形成された丸穴58と、この丸穴58から外周側に向かって延びる一条の移動溝59と、丸穴58に連通する二本の回り止め溝60とを備えている。
【0031】
前記丸穴58及び移動溝59は、開放側の内寸法が前記膨出部44の直径よりも僅かに小さく設定されており、当該膨出部44を脱落不能に係合できるようになっている。また、丸穴58及び移動溝59は、膨出部44の移動路となっており、これによって、ねじ軸40とアンビル36との係合位置が変位可能となる。すなわち、外筒39に対してねじ軸40が前方(図5中矢印方向)に移動するに伴い、前記係合位置が次第にアンビル36の外周側に移動するようになっており、これによって、後述するように、ねじ軸40に対するアンビル36の姿勢が変化することになる。なお、移動溝59の底部(図2中左端側)の形状は、後述するアンビル36の姿勢変化を実現可能な湾曲形状とされている。
【0032】
前記回り止め溝60は、膨出部44が外筒39の先端側に近接しているときに、支持体35の突片42に係合するようになっており、この場合に、アンビル36が支持体35に対して回り止めされることになる。一方、ねじ軸40が移動して、膨出部44が外筒39の先端側からある程度離間すると、回り止め溝60と突片42との係合が解除されることになる。
【0033】
前記連結部材37は、図2に示されるように、L字状の棒状体となっており、同図中上下方向に延びる長寸部62と、この長寸部62の同図中上端側から同右向きに屈曲する短寸部63とにより構成されている。長寸部62の図2中下端側は、外筒39の外周部分のうち先端よりも同図中やや右側となる部分に回転可能に連結されている。また、短寸部63の図2中右端側は、前記刃受けリング56の同図中左方となる内側壁53の部分に回転可能に連結されている。
【0034】
以上のように構成された連結部材37は、ねじ軸40に対するアンビル36の姿勢変化を一定範囲に制限するようになっている。具体的に、図6に示されるように、ねじ軸40とアンビル36とが略垂直に交差する同図(A)中一点鎖線の状態から、ねじ軸40のみを同図中上方に移動させたときに、同図(A)〜(C)の順でアンビル36の姿勢が変化する。すなわち、この姿勢変化に際しては、連結部材37により、アンビル36の全域が次第に本体11側から離間するようにアンビル36の変位が規制される。なお、図2に示されるように、長寸部62及び短寸部63の境界となる屈曲部分に相対する内側壁53の部分は、短寸部63が連結される内側壁53の部分よりも外側に凹んでおり、これによって、前述したアンビル36の姿勢の変化が可能となる。
【0035】
なお、吻合器具10における前記以外の構成については、公知の構成が採用されており、ここでは詳細な説明を省略する。
【0036】
次に、吻合器具10の作用を説明する。
【0037】
先ず、図7(A)に示されるように、一方の腸B1側に先端部材12を挿入するとともに、他方の腸B2側に本体11を挿入する。すなわち、支持体35に対してアンビル36が略垂直に交差する状態の先端部材12を、腸B1の切断部位からアンビル36側を頭にして腸B1内に挿入し、切断側の腸組織を支持体35の基部側に巻き付けて糸で縛り、当該支持体35を表出させる。一方、本体11は、他方の腸B2の切断部位側に頭部14が位置するように他方の腸B2内に挿入される。このとき、棒状体24の先端側を前記先端面21の位置よりも外側に突出させた状態とする。この状態から、切断側の腸組織を棒状体24に巻き付けて糸で縛り、当該棒状体24の先端側を表出させる。そして、棒状体24の先細部29Aと支持体35のねじ溝45とを係合し、これら棒状体24及び支持体35を相互に連結する。この状態では、本体11の先端面21とアンビル36の端面49とが相対している。
【0038】
次に、回転摘み18(図3参照)を回転操作して、棒状体24及び支持体35を一体的に回転させると、図7(B)に示されるように、アンビル36が支持体35に対する姿勢を変えずに本体11側に接近する。この状態では、図4に示されるように、回転摘み18の後端18A側からねじ操作部33が略完全に表出した状態となる。そして、握りレバー16(図1参照)を強く握ると、図7(C)に示されるように、本体11側から針Sが腸組織の重合部位に打ち込まれるとともに、当該打ち込まれた針Sの内側の腸組織が、頭部14の外側に突出したカッター23(図2参照)で切断されることになる。
【0039】
その後、ねじ操作部33を回転すると、図6に示されるように、ねじ軸40が外筒39に対して同図中上方に移動し、これに伴い、連結部材37が同図中半時計方向に回転しながら、アンビル36とねじ軸40との係合位置が移動溝59に沿ってアンビル36の外周側にシフトし、本体11に対するアンビル36の姿勢がスライドするように変化する。すなわち、アンビル36は、その端面49の略全域が本体11側の先端面21から次第に離間しながら、ねじ軸40側に倒伏した状態となる(図6(C)参照)。そして、この状態となったときに、吻合器具10を他方の腸B2内から抜き出す。
【0040】
なお、ねじ操作部33の回転量を調整することで、ねじ軸40に対するアンビル36の姿勢が調整可能になる。
【0041】
従って、このような実施形態によれば、腸B1,B2の切断部位同士を針Sで吻合した後、支持体35に対するアンビル36の姿勢を変化させたときに、アンビル36の端面49の略全域が本体11側の先端面21に対して次第に離間するため、アンビル36の姿勢変化時において、アンビル36の一部が腸組織間に止着された針Sに干渉する虞を確実に回避できるという効果を得る。
【0042】
また、ねじ操作部33は、図3に示されるように、アンビル36が本体11側に最も接近したときに全領域が表出するようになっているため、ねじ操作部33全体が表出したことを目印に、握りレバー16を操作することができ、握りレバー16の操作タイミングを医師等の使用者に確実に認知させることができる。また、針Sの止着前にねじ操作部33の回転操作をしてはいけないことを使用者に喚起でき、針Sの止着前にアンビル36をねじ軸40に対して倒伏させてしまう誤操作を防止できる。なお、常時、ねじ操作部33を回転摘み18の外側に表出させてもよいが、この場合には、ねじ操作部33に目印等を付け、この目印の位置により、握りレバー16やねじ操作部33の操作の可否を判断できるようにしてもよい。
【0043】
なお、先端部材12としては、図8に示される構造とすることもできる。ここでの先端部材12は、前記実施形態に対して、移動溝59を設けずに、アンビル36の穴58内に掛け渡されたピン65に対して、膨出部44を回転可能に支持したものである。その他の構成は、前記実施形態の先端部材12と実質的に同一の構成となっている。この変形例の場合は、ねじ軸40が外筒39に対して図8中左方に移動すると、ねじ軸40の先端を支点としてアンビル36が回転する。ところが、当該アンビル36と外筒39とが連結部材37で連結されているため、アンビル36の回転が一定範囲に規制され、前記実施形態と実質的に同一となる作用を奏することになる。つまり、この変形例によっても、外筒39とねじ軸40との相対移動に伴い、アンビル36は、その略全域が本体11側から次第に離間しながら相互に略垂直に交差した状態から前記倒伏状態となるように姿勢変化する。但し、前記実施形態の構成の方が、アンビル36の姿勢変化をコンパクトに行えるという利点がある。
【0044】
また、アンビル36の姿勢変化を一定範囲に制限する規制手段としては、前記実施形態の形状や構造に限定されず、前述したアンビル36の姿勢変化を行える限りにおいて、種々の形状及び構造を採用することができ、例えば、片状の可撓性部材からなる連結部材37としてもよい。
【0045】
更に、本発明における装置各部の構成は図示構成例に限定されるものではなく、前記実施形態と実質的に同様の作用を奏する限りにおいて、種々の変更が可能である。
【0046】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、アンビルの姿勢変化を一定範囲に制限する規制手段を備え、当該規制手段を、前記アンビルが姿勢変化する際に、前記アンビルの略全域を前記本体側から次第に離間させる構成としたから、アンビルの姿勢を変えたときに、組織同士を吻合した針等にアンビルの一部が干渉することを回避でき、腸組織同士等の吻合後におけるアンビルの抜き出し作業を容易にすることができる。
【0047】
また、前記アンビルと前記移動軸との係合位置を変位可能に設け、前記移動軸の移動に伴って、前記係合位置が前記アンビルの外周側に移動するようにしたから、アンビルの姿勢変化をよりコンパクトに行うことができる。
【0048】
更に、前記アンビルの姿勢を調整可能に設けたから、吻合器具の抜き出し作業の自由度を一層高めることができる。
【0049】
また、前記移動軸と、当該移動軸の軸線に沿って相対移動可能に係合する相対軸とを連結する連結部材により、前記規制手段を構成したから、比較的単純な装置構成で、アンビルの姿勢変化の際に、組織に打ち込まれた針が干渉し難い構造とすることができる。
【0050】
更に、前記移動軸を移動させる操作部を備え、この操作部は、前記アンビルと前記本体との相対位置が吻合時の位置にあるときに略全域が表出する一方、それ以外は、少なくとも一部分が隠蔽される吻合器具の構成としたから、アンビルの姿勢変化のタイミングを使用者により確実に遵守させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態に係る吻合器具の概略斜視図。
【図2】図1の要部を拡大した断面図。
【図3】図2の構成とともに後部付近の構成を示した断面図。
【図4】アンビルと本体とが接近した状態を示す図3と同様の断面図。
【図5】先端部材の拡大分解斜視図。
【図6】(A)〜(C)は、ねじ軸の移動に伴ってアンビルの姿勢が変化する状態を順に示した断面図である。
【図7】(A)は、先端部材を本体に取り付ける前の状態を示す断面図であり、(B)は、(A)の状態から先端部材が本体に接近した状態を示す断面図であり、(C)は、重合した腸組織に対する針の打ち込み時の状態を示す断面図である。
【図8】変形例に係る先端部分の概略断面図。
【図9】従来例に係る吻合器具の概略斜視図。
【図10】(A)は、図9の先端部材を本体に取り付ける前の状態を示す断面図であり、(B)は、(A)の状態から先端部材が本体に接近した状態を示す断面図であり、(C)は、重合した腸組織に対する針の打ち込み時の状態を示す断面図であり、(D)は、吻合器具を腸内から抜き出す様子を示す断面図である。
【0001】
【符号の説明】
10 吻合器具
11 本体
12 先端部材
33 ねじ操作部(操作部)
36 アンビル
37 連結部材(規制手段)
39 外筒(相対軸)
40 ねじ軸(移動軸)
Claims (5)
- 吻合器具の本体側に接続されて軸線方向に移動可能な移動軸と、この移動軸に係合するアンビルとを備え、前記移動軸とアンビルとが略垂直に交差する状態から前記移動軸を移動したときに、前記アンビルの姿勢が変化する先端部材において、
前記アンビルの姿勢変化を一定範囲に制限する規制手段を備え、
前記規制手段は、前記アンビルが姿勢変化する際に、前記アンビルの略全域を前記本体側から次第に離間させることを特徴とする吻合器具の先端部材。 - 前記アンビルは、前記移動軸との係合位置を変位可能に設けられ、前記移動軸の移動に伴って、前記係合位置が前記アンビルの外周側に移動することを特徴とする請求項1記載の吻合器具の先端部材。
- 前記アンビルの姿勢を調整可能に設けたことを特徴とする請求項1又は2記載の吻合器具の先端部材。
- 吻合器具の本体側に接続されて軸線方向に移動可能な移動軸と、この移動軸に係合するアンビルとを備え、前記移動軸とアンビルとが略垂直に交差する状態から前記移動軸を移動したときに、前記アンビルの姿勢が変化する先端部材において、
前記移動軸の軸線に沿って相対移動可能に係合する相対軸と、前記アンビルの姿勢変化を一定範囲に制限する規制手段とを備え、
前記規制手段は、前記相対軸とアンビルとを連結する連結部材からなり、前記アンビルが姿勢変化する際に、当該アンビルの略全域を前記本体側から次第に離間させることを特徴とする吻合器具の先端部材。 - 請求項1ないし4記載の先端部材が取り付けられた吻合器具において、
前記移動軸を移動させる操作部を備え、この操作部は、前記アンビルと前記本体との相対位置が吻合時の位置にあるときに略全域が表出する一方、それ以外は、少なくとも一部分が隠蔽されることを特徴とする吻合器具。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2011101812A (ja) * | 2004-02-23 | 2011-05-26 | Tyco Healthcare Group Lp | 外科用の切断およびステープル留めの装置 |
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-
2002
- 2002-08-06 JP JP2002228084A patent/JP2004065476A/ja active Pending
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