JP2004064977A - 無停電電源装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】交流入力電圧が正常である場合は、バッテリ充電電圧制御回路30によりバッテリ16を充電する。交流入力電圧が低下若しくは停電すると、バッテリ16から負荷に電力を供給する。バッテリ16はリチウムイオン電池からなり、バッテリ16を充電する際に、バッテリ16若しくはその周辺の温度が低くなる程、バッテリ16の充電電圧を高く設定するバッテリ充電電圧制御回路30を備えている。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、停電バックアップ用のバッテリと、このバッテリを充電する充電器を内蔵した無停電電源装置に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】
最近のOA機器の普及に伴い、例えば情報処理装置(パーソナル・コンピュータ等)及び情報記憶装置(磁気ディスク装置等)においては、作動中の商用電源の停電発生は、処理中または記憶中のデータの致命的な喪失につながり、大きな作業損失を招く結果となる。このような問題に対処するために使用されるバッテリ内蔵の無停電電源装置が、従来から知られている。
【0003】
無停電電源装置による停電時のバックアップ継続時間は、内蔵するバッテリの放電持続時間により決定され、この放電持続時間が長いほど無停電電源装置としての利用価値が高くなる。放電持続時間は、使用するバッテリの種類により決定されるが、無停電電源装置においては従来から鉛蓄電池が使用されてきた。
【0004】
鉛蓄電池は放電時における環境特性が悪く、低温時においてはその放電持続時間が高温時に比較して短時間となって、放電特性が低下する。それに対して放電持続時間に関しては、放電終了近くで放電電圧が急峻に降下する特性を有するため、放電開始時におけるバッテリ電圧すなわち充電電圧がある程度変動しても、放電持続時間はさほど差を生じない。
【0005】
また、鉛蓄電池はそもそも特性的に充電電流が小さく(約0.25C以下)、急速充電を行なうことができないため、充電時間の関係から充電電圧を高く設定する必要があるが、充電電圧を高く設定すると、その分だけ鉛蓄電池の寿命が短くなる。鉛蓄電池としての寿命を延ばすには、充電電圧を低く設定すればよいが、その場合でも結局は3,4年程度の寿命で鉛蓄電池の交換が必要となり、充電電圧の制御機能を付加したとしても、無停電電源装置としてバッテリの交換を不要にするメンテナンスフリー化を図ることができなかった。
【0006】
そこで本発明は、低温時における放電特性を改善すると共に、バッテリの交換を不要にするメンテナンスフリー化を確実に達成できる無停電電源装置を提供することをその目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の無停電電源装置は、入力電圧が正常である場合は、充電器によりバッテリを充電し、前記入力電圧が低下若しくは停電すると、前記バッテリから負荷に電力を供給する無停電電源装置において、前記バッテリはリチウムイオン電池からなると共に、前記バッテリまたはバッテリの周囲温度を検出する温度検出素子と、前記温度検出素子の検出温度が低い程、前記バッテリの充電電圧を高く設定するバッテリ充電電圧制御回路とを備えて構成される。
【0008】
この場合、リチウムイオン電池も鉛蓄電池の場合と同様に、低温時における放電持続時間が高温時に比べて短くなるが、リチウムイオン電池においては、放電時間の経過に伴ないバッテリ電圧が緩やかに低下して行く比較的フラットな放電特性を有しているので、充電電圧を高く設定すれば、鉛蓄電池では殆ど得られなかった顕著な放電時間の延長効果が得られる。
【0009】
しかも、バッテリ若しくはバッテリの温度が低い程、バッテリの充電電圧を高く設定しているので、放電時間が短くなる低温時には、前述のような放電時間の延長効果を得ることができると共に、比較的放電時間の長い高温時には充電電圧を低くして電池寿命の短命化への影響を少なくすることができる。これにより、低温時における放電特性を改善すると共に、バッテリの交換を不要にするメンテナンスフリー化を確実に達成できる。さらには、リチウムイオン電池の高エネルギー密度により装置の小型軽量化をも図ることができるので、より利用性の高い無停電電源装置を提供することができる。
【0010】
【発明の実施形態】
以下、本発明における好ましい実施形態について、添付図を参照して詳細に説明する。
【0011】
図1は、装置の全体構成を示す回路図であり、負荷の所望の交流電圧を供給する無停電電源装置を対象としている。ここでは、従来から使用されていた無停電電源装置と比較して、充電器を兼用する新規なバッテリ充電電圧制御回路30を備えていることと、停電バックアップ時の電源であるバッテリ16が従来の鉛蓄電池に代わりリチウムイオン電池を使用していることが注目される。このリチウムイオン電池は、性能や信頼性の面で改良進歩を遂げていると共に経済性も改善されて、次第に普及の途上にある。リチウムイオン電池は、従来の鉛蓄電池に対して優れた高エネルギー密度を有しており、小型軽量,長寿命であり、無停電電源装置用のバッテリとしての有用性は高い。
【0012】
さて、先ず本実施例で取り上げた無停電電源装置の主回路部分についての動作を説明する。図1において、1は装置に交流入力電圧を給電する例えばAC100Vの交流電源、2は負荷(図示せず)への給電を切換える切換スイッチであって、交流電源1からの交流入力電圧を直接負荷に供給するためのバイパスライン3が、交流電源1と切換スイッチ2の一つの入力端子との間に設けられている。また、このバイパスライン3とは別に、安定化した交流電圧を負荷に供給するために、交流電源1からの交流入力電圧を整流して交流電圧を直流に変換する整流器4と、整流器4もしくは後述するバッテリ16からの直流電圧を交流に変換するインバータ5とを直列接続したものが、交流電源1と切換スイッチ2の他の入力端子との間に設けられる。これにより、切換スイッチ2の接点を一方の入力端子に接続すると、交流電源1からの交流入力電圧がそのまま切換えスイッチ2を通して負荷に送られる。また、切換えスイッチ2の接点を他方の入力端子に接続すると、インバータ5からの交流電圧が切換えスイッチ2を通して負荷に送られるようになっている。
【0013】
16は停電バックアップ用の電源であるバッテリで、これは一般に複数のセルを直列および並列に積み重ねた充放電可能なリチウムイオン電池により構成される。そして、このバッテリ16を充電するために、充電器を兼用するバッテリ充電電圧制御回路30の出力端子51から、ダイオード23を介してバッテリ16に所定の充電電圧が供給される。ダイオード23は、バッテリ16からバッテリ充電電圧制御回路30への逆流を防止するためのものである。さらに、前記整流器4からインバータ5に至る直流電圧ライン7と、バッテリ充電電圧制御回路30からバッテリ16に至る直流電圧ライン13との間に、直流切換スイッチ14が接続される。
【0014】
そして、交流電源1からの交流入力電圧が通常の電圧レベルであれば、直流切換スイッチ14をオフにして、交流入力電圧をそのまま負荷に供給するか、さもなければ、図1の実線矢印に示すように、交流入力電圧を整流器4により整流して直流電圧Vccに変換し、この直流電圧をインバータ5で所望の交流電圧に(例えばAC100V)に変換して負荷に供給する。一方、交流入力電圧が例えば停電などで所定の電圧レベルを下回ると、直流切換スイッチ14をオンに切換え、図1の点線矢印で示すように、バッテリ16からの直流電圧をインバータ5により所望の交流電圧に変換して、この交流電圧を負荷に供給するようになっている。
【0015】
次に、バッテリ16の充電電圧を温度に応じて設定する充電電圧制御回路30の構成を説明する。図1において、31は一次側と二次側とを絶縁するトランス,32は例えばMOS型FETで構成されるスイッチング素子であり、トランス31の一次巻線31Aとスイッチング素子32とからなる直列回路に、前記整流器4からの直流入力電圧Vccが供給される。またトランス31の二次巻線31Bには、整流ダイオード35,転流ダイオード36,チョークコイル37及び平滑コンデンサ38からなる整流平滑回路が接続され、スイッチング素子32のスイッチングに伴い二次巻線31Bに誘起した電圧を平滑整流し、平滑コンデンサ38の両端間ひいては出力端子51にバッテリ16を充電するための直流電圧(充電電圧)Voを得るようにしている。
【0016】
そして、スイッチング素子32をオンすると、トランス31の二次巻線31Bのドット側端子に正極性の電圧が誘起されるので、整流ダイオード35がオンし、転流ダイオード6がオフする。これにより、整流ダイオード35を介してチョークコイル37にエネルギーが供給され、平滑コンデンサ38の両端間ひいては出力端子51にバッテリ16の充電電圧Voが発生する。一方、スイッチング素子32がオフすると、今度は二次巻線31Bの非ドット側端子に正極性の電圧が誘起され、整流ダイオード35がオフし、転流ダイオード36がオンする。従って、この場合はそれまでチョークコイル37に蓄えられていたエネルギーが、転流ダイオード36を通して平滑コンデンサ38の両端間ひいては出力端子51に与えられる。
【0017】
さて、以上の動作回路に対して、本発明ではさらに、出力端子51に発生する充電電圧Voの安定化を図りつつ、バッテリ16若しくはバッテリ16の周囲温度に応じて充電電圧Voを可変させる帰還回路50(図1の点線で囲んだ範囲)を備えている。
【0018】
次にこの回路の構成について説明する。47は、バッテリ16またはバッテリ16の周囲温度を測定するための温度検出素子で、サーミスタ或いは他の温度検出素子を利用する。この温度検出素子47の設置位置はバッテリ16本体に直接取り付けるのが最良であるが、例えばバッテリ16に直接取り付け難い等の問題が在る場合は、バッテリ16自体の温度にできるだけ近い温度が測定できるバッテリ16の周辺位置を選択して、バッテリ16以外の場所に適宜取り付けてもよい。本実施例では、温度検出素子47として温度変化に敏感で一般性の高いサーミスタを利用している。サーミスタによる温度検出の利用法は抵抗との組み合わせにより種々あるが、本例ではサーミスタの温度検出特性として容易に温度−抵抗値の直線特性が得られる回路、すなわちサーミスタに並列に抵抗45を入れて、符号48,49を温度検出端子とした並列回路を使用する。そして、この抵抗45の両側にそれぞれ分圧抵抗44と46を直列に接続する。
【0019】
バッテリ16の充電電圧ラインの両端間に接続する抵抗44,45,46の直列回路には、フォトカプラ41の発光素子41aと分圧抵抗42とシャントレギュレータ43とからなる直列回路が並列に接続する。このシャントレギュレータ43は抵抗45,46の接続点がリファレンスに接続され、内蔵する基準電圧とリファレンス電圧との差異に応じて、カソードからアノードを流れる電流が変化するようになっている。なお、シャントレギュレータ43に代わり、分圧用抵抗45,46の接続点の電位と基準電圧とを比較して、その比較結果に基づきフォトカプラ41の発光素子41aを流れる電流を可変させるコンパレータを利用しても良い。そして、フォトカプラ41の発光素子41aの発光量に応じた電流が受光素子41bを流れ、これを受けたPWM制御回路33が、スイッチング素子32に供給するパルス駆動信号の導通幅を可変設定することで、バッテリ16若しくはバッテリ16の周辺温度に応じて変化する充電電圧Voの安定化を、帰還回路50が図るようにしている。
【0020】
次に、上記構成についてその作用を説明する。先ず交流電源1が投入され、通常の交流入力電圧が無停電電源装置に印加されると、PWM制御回路33によりスイッチング素子32をスイッチングすることにより、整流器4で整流された直流入力電圧Vccがトランス31の一次巻線31Aに断続的に供給される。そして、トランス31の二次巻線31Bに誘起された電圧を、整流ダイオード35,転流ダイオード36,チョークコイル37及び平滑コンデンサ38からなる整流平滑回路により整流平滑することで、バッテリ充電電圧制御回路30の出力端子51には、バッテリ16の充電電圧Voが発生する。この場合、交流電源1からの交流入力電圧が通常の電圧レベルであるので、直流切換スイッチ14はオフになり、前記充電電圧Voがダイオード23を通してバッテリ16に供給される。それと共に、交流電源1からの交流入力電圧は、バイパスライン3を経由してそのまま負荷に供給されるか、さもなければ、整流器4により直流入力電圧Vccに変換され、さらにはインバータ5で所望の交流電圧に変換して負荷に供給される。
【0021】
一方、帰還回路50は、温度検出素子47によりバッテリ16の温度を検出し、その検出温度に基づき、PWM制御回路33がスイッチング素子32へのパルス駆動信号の導通幅を変えることで、バッテリ16の充電電圧Voを最適な値に設定する制御が行われる。この場合の温度−充電電圧の特性を、図2のグラフに示す。
【0022】
とりわけ本実施例では、温度検出素子47であるサーミスタに抵抗45を並列接続した構成を採用したので、温度−抵抗値特性の直線性が良く、バッテリ16の充電電圧Voは、このバッテリ16の温度変化に対して直線的な特性が得られる。この結果、例えば図2に示す特性では、バッテリ16の温度が50℃のときに単位セル当たりの充電電圧Voが3.8Vとなり、バッテリ16の温度が25℃ときに単位セル当たりの充電電圧Voが4.0Vとなり、バッテリ16の温度が0℃のときに単位セル当たりの充電電圧Voが4.2Vとなって、バッテリ16の温度が上昇するにしたがって、充電電圧Voが直線的に降下する特性となる。なお、このバッテリ16の温度による充電電圧Voの設定は、使用するリチウムイオン電池の個々の特性や、無停電電源装置の利用条件などに従って種々選定がされるのがよい。
【0023】
帰還回路50の具体的な動作を説明すると、バッテリ16(或いはその周囲温度)が低下したとすると、バッテリ16に設置された温度検出素子47の抵抗値がその負抵抗特性のため上昇し、抵抗45の両端すなわち端子48,49間の分電圧が上昇して抵抗46の分電圧が低下する。これにより抵抗45,46の接続点をリファレンスに接続したシャントレギュレータ43のカソード電流が減少する。この結果、このシャントレギュレータ43と直列に接続されているフォトカプラ41の発光素子41aの電流ひいては発光量が減少し、フォトカプラ41の受光素子41bからPWM制御回路33への帰還電流が減少する。この結果、PWM制御回路33はスイッチング素子32のゲートに供給するパルス駆動信号の導通幅を拡げて、バッテリ充電電圧制御回路30の出力端子51の充電電圧Voを上昇させる。
【0024】
一方、バッテリ16或いはその周辺温度が上昇した場合は、この逆の動作が行なわれる。すなわち温度検出素子47の抵抗値が下降し、抵抗46の分電圧が上昇し、シャントレギュレータ43のカソード電流が増加し、フォトカプラ41の発光素子41aを流れる電流が増加してその発光量が増加し、フォトカプラの受光素子41bからPWM制御回路33への帰還電流が増加する。それにより、PWM制御回路33はスイッチング素子32のゲートに供給するパルス駆動信号の導通幅を狭めて、バッテリ充電電圧制御回路30の出力端子51の充電電圧Voを降下させる。
【0025】
以上のバッテリ温度による充電電圧の制御により、バッテリ16の温度の違いによるリチウムイオン電池の充電電圧と放電時間の特性は、図3に示すようになる。同図において、低温時ではバッテリ16に対する充電電圧Vo1が高く設定され、その放電特性は曲線Vc1に示すようになり、中温度時は充電電圧Vo2が中程度に設定され、その放電特性は曲線Vc2に示すようになり、高温時では充電電圧Vo3が低く設定され、その放電特性は曲線Vc3に示すようになる。
【0026】
このような制御を行なう理由を、図4および図5に示す別のグラフで説明する。図4および図5は、それぞれリチウムイオン電池と鉛蓄電池について、放電開始電圧(充電電圧)を低く設定した場合と高く設定した場合に、バッテリ温度の違いにより放電時間がどの程度変わるのかを示したものである。すなわち、VH1は放電開始電圧が高くバッテリ温度が低い場合、VH2は放電開始電圧が高くバッテリ温度が中程度の場合、VH3は放電開始電圧が高くバッテリ温度が高い場合、VL1は放電開始電圧が低くバッテリ温度が低い場合、VL2は放電開始電圧が低くバッテリ温度が中程度の場合、VL3は放電開始電圧が低くバッテリ温度が高い場合をそれぞれ示している。
【0027】
図4に示すように、リチウムイオン電池は、放電開始時における充電電圧の高低に拘らず、バッテリ温度が高温になる程、放電時間が延びて放電特性が向上し、逆にバッテリ温度が低温になる程、放電時間が短くなって放電特性が悪化する。またリチウムイオン電池は、放電時間の経過に伴ないバッテリ電圧が緩やかに低下して行く比較的フラットな放電特性を有しており、同じバッテリ温度では、充電電圧を高く設定した方が、顕著な放電時間の延長効果が得られる(図4に示す時間to参照)。しかし、単純に充電電圧を高く設定するだけでは、電池寿命を短かくすることになり、リチウムイオン電池の長所である寿命の長さを十分に生かせず、結果的に無停電電源装置のメンテナンスフリー化を実現することができない。
【0028】
そこで本実施例では、温度検出素子47で検出されるバッテリ16若しくはバッテリ16の周辺温度が低くなる程、バッテリ16の充電電圧Voを高く設定することで、主に放電時間が短くなる低温時における放電時間延長の改善効果を得ると共に(図3に示す効果)、必要以上に充電電圧Voを高く設定しないことで、リチウムイオン電池の長所である寿命の長さを十分に生かし、無停電電源装置としてのメンテナンスフリー化(10年以上の寿命)を実現している。また、リチウムイオン電池では、急速充電(1C)が可能であるため、充電電圧Voを低く設定しても充電時間には差ほど影響を及ぼさない。
【0029】
因みに、図5に示す鉛蓄電池の場合も、低温時においてはその放電時間が高温時に比較して短時間となり、高温時に比較して低温時においては無停電電源装置による停電時のバックアップ継続時間が短くなる。しかし、鉛蓄電池においては図5に示すように放電特性曲線がフラットではなく、放電終了近くでは急峻な電圧降下特性を有するため、バッテリ温度に応じて放電開始電圧(充電電圧)の設定を変える制御を行っても、放電持続時間の延長効果は極めて少ない(図5に示す時間to参照)。さらに、充電電圧を高く設定すればその寿命はさらに短くなり、逆に充電電圧を低く設定すれば、リチウムイオン電池とは異なり急速充電ができないので、充電完了までに時間がかかるといった問題がある。つまり鉛蓄電池を利用した無停電電源装置では、温度の如何にかかわらず常に一定の充電電圧により充電を行なわざるを得なかった。
【0030】
以上のように本実施例では、入力電圧が正常である場合は、充電器を兼用するバッテリ充電電圧制御回路30によりバッテリ16を充電し、入力電圧が低下若しくは停電すると、バッテリ16から負荷に電力を供給する無停電電源装置において、バッテリ16は鉛蓄電池よりも長寿命であるリチウムイオン電池からなると共に、バッテリ16またはバッテリ16の周囲温度を検出する温度検出素子47と、この温度検出素子47の検出温度が低い程、バッテリ16の充電電圧Voを高く設定するバッテリ充電電圧制御回路30とを備えた無停電電源装置を提案している。
【0031】
この場合、リチウムイオン電池も鉛蓄電池の場合と同様に、低温時における放電持続時間が高温時に比べて短くなるが、リチウムイオン電池においては、放電時間の経過に伴ないバッテリ電圧が緩やかに低下して行く比較的フラットな放電特性を有しているので、充電電圧Voを高く設定すれば、鉛蓄電池では殆ど得られなかった顕著な放電時間の延長効果が得られる。
【0032】
しかも、バッテリ16若しくはバッテリ16の温度が低い程、バッテリ16の充電電圧Voを高く設定しているので、放電時間が短くなる低温時には、前述のような放電時間の延長効果を得ることができると共に、逆に比較的放電時間の長い高温時には、充電電圧Voを低くして電池寿命の短命化への影響を少なくすることができる。これにより、低温時における放電特性を改善すると共に、バッテリ16の交換を不要にするメンテナンスフリー化を確実に達成できる。さらには、リチウムイオン電池の高エネルギー密度により装置の小型軽量化をも図ることができるので、より利用性の高い無停電電源装置を提供することができる。
【0033】
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の主旨の範囲内において種々の変形が可能である。
【0034】
例えば、本実施例では交流出力の無停電電源装置を例に説明したが、図1のDC/DCコンバータから直流電圧を負荷に供給する無停電電源装置(DC−UPS)に、本発明を適用してもよい。また、本実施例で使用したバッテリ充電電圧制御回路30は、トランス31とフォトカプラ41とにより一次側と二次側とを絶縁した回路を使用したが、トランス31を介さず直接エネルギー供給を行なう非絶縁型の回路を使用してもよい。また、バッテリ16の温度検出信号を変換する方式も、使用する温度検出素子47の特性に適合した回路構成を採用してよい。
【0035】
その他、フォトカプラ41の帰還電流によるPWM制御回路33の動作に関し、本実施例における帰還電流の増減による充電電圧の変化指令方式はあくまでも一例であり、PWM制御回路33の動作条件を変えることにより適宜変更してもよい。また、帰還回路50を構成するフォトカプラ41の代わりに、絶縁トランスなどの各種絶縁素子を使用してもよい。
【0036】
【発明の効果】
本発明の無停電電源装置は、低温時における放電特性を改善すると共に、バッテリの交換を不要にするメンテナンスフリー化を確実に達成できる。またリチウムイオン電池の高エネルギー密度により電源装置の小型軽量化が可能であり、より利用性の高い無停電電源装置を提供することができる。
【0037】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す無停電電源装置の回路構成図である。
【図2】本実施例におけるバッテリの温度と充電電圧との関係を示すグラフである。
【図3】本実施例におけるリチウムイオン電池の放電特性を示すグラフである。
【図4】リチウムイオン電池の温度の違いによる放電特性を示すグラフである。
【図5】鉛蓄電池の温度の違いによる放電特性を示すグラフである。
【符号の説明】
16 バッテリ
30 バッテリ充電電圧制御回路(充電器)
Claims (1)
- 入力電圧が正常である場合は、充電器によりバッテリを充電し、前記入力電圧が低下若しくは停電すると、前記バッテリから負荷に電力を供給する無停電電源装置において、前記バッテリはリチウムイオン電池からなると共に、前記バッテリまたはバッテリの周囲温度を検出する温度検出素子と、前記温度検出素子の検出温度が低い程、前記バッテリの充電電圧を高く設定するバッテリ充電電圧制御回路とを備えたことを特徴とする無停電電源装置。
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