JP2004064932A - ステッピングモータの閉ループパルス列制御方法とその装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ステッピングモータのロータ位置を示すロータ位置パルスと、ステッピングモータ駆動用の駆動制御部に向けて出力された指令パルス発生器からの1次指令パルスを受け取り、ステッピングモータの駆動制御を行う駆動制御部に2次指令パルスを出力し、前記2次指令パルスに同期してステッピングモータの励磁シーケンスを切り替えるようにしたステッピングモータの閉ループパルス列制御方法において、2次指令パルスとロータ位置パルスとの偏差を検出し、両者の偏差を検出し、これを常時適切な範囲に維持する事ことを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
【産業上の利用分野】
本発明は、ステッピングモータの閉ループ駆動において、慣性負荷に対して最も適切な状態でステッピングモータを回転駆動させることができ、脱調や振動のない滑らかな駆動を実現できるステッピングモータの閉ループパルス列制御方法とその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ステッピングモータは、内周面に所定間隔で交互にN・Sに励磁される励磁歯が形成されている円筒状のステータと、その中を回転し、その外周面にN・Sが交互に励磁されているロータ歯を有するロータとを主構成とするもので、近接するロータ歯と励磁歯との極性が異なる場合は互いに吸引し、同極の場合には互いに反発し合う性質を利用し、励磁歯の極性を次々と切り替えていくことによりロータを連続的にステップ回転させるものである。
【0003】
このようなステップ駆動において、回転トルクは励磁コイルによって励磁されたステータの励磁歯とロータのロータ歯間に発生する磁気エネルギによって生じる。そして、ロータを連続的にステップ回転させるためには、ロータ歯を連続的に引っ張るように回転方向において前記ロータ歯に近接する励磁歯の極性をロータの回転に先行して切り替えて行かねばならない。このロータ歯の位置と先行する励磁歯との角度が偏差である。即ち、ステッピングモータがステップ回転を続けるには、ステータの励磁位置とロータ位置の間に「励磁の進み角度」が必要であり、この「励磁の進み角度」が前記偏差である。減速の場合は逆に前記ロータ歯が近接する励磁歯の極性をロータの回転速度に対して遅らせるように切り替え、ロータのブレーキを掛けていくことになる。換言すれば進み角を減少させることによってロータを減速する。
【0004】
さて、一般的にステッピングモータは、それに接続される負荷をA地点からB地点に移動させるために使用される。この場合、ステッピングモータは一定の回転速度に達するまで加速され、一定の回転速度に達した後、その回転速度を維持し、B地点直前で減速される所謂台形駆動がなされる。このような台形駆動において、ステッピングモータのロータは、停止状態からステップ回転を始め、一定の回転速度に達し、この速度を維持した後、減速して停止する。起動時にはロータを回転させるために大きな回転トルクが必要であり、減速時にはブレーキをかけるために大きな減速トルクが必要となる。このようなトルクは前述のようにステータ・ロータ間の磁気エネルギによって生ずる。
【0005】
前述のように、ステータの各励磁歯は励磁コイルに流れる巻線電流によってN又はSに励磁されるが、励磁コイルのインダクタンスによって生じる「巻線電流の立ち上がり/立ち下がり時間」は励磁の切り替わりを遅らせるものである。高速回転になればなるほど励磁サイクルに占める「巻線電流の立ち上がり/立ち下がり時間」の割合は大きくなる。巻線電流の立ち上がりが1サイクルの励磁に占める時間が長ければ、回転トルクの立ち上がりに時間を要する。また、励磁切り替わり後の残留電流(これは、駆動制御部のスイッチングが切り変わって励磁コイルに流れる励磁電流の方向が切り変わったにも拘わらず、極微小時間、励磁コイルに同じ方向に流れ続けようとする電流のことで、図1(a)の(i3)で示す。)は、ロータの回転に減速トルクとして作用し、回転トルクを減少させる方向に働く。
【0006】
さて、ステッピングモータを回転させる場合、特に起動時或いは加減速時に駆動制御部からの励磁切替に対してロータが追従できなかったり、或いはステッピングモータを含む駆動系や装置の固有振動数と励磁周波数が略一致すると共振を生じ、励磁切替に対するロータの回転位置の偏差が大きくなりすぎて脱調(ロータが振動して正常に回転しなくなる現象)したり振動する。
【0007】
ステッピングモータを脱調させたり振動させることなく起動あるいは加減速させるには、ロータの回転位置がロータの励磁に同期追従できる範囲に保たれるようにステッピングモータの励磁巻線の励磁切り替え速度を制御しなければならない。
【0008】
そこで、従来の方式では慣性負荷が大きいほど、指令パルス発生器側では起動速度を低く設定する、又は加減速レートを下げる、或いは加減速に必要なトルクを下げるような駆動形態を用いることにより脱調を解消している。その他、電流容量の大きなステッピングモータと駆動装置(換言すればよりパワーの大きなステッピングモータ)を選択して加速トルクに余裕を持たせるようなことも行われていた。
【0009】
換言すれば、従来方式では慣性負荷に対してステッピングモータのパワーが十分大きくない場合には脱調を回避するためには過度に加速度(減速度)を小さくしてゆっくり加減速しなければならず、1サイクルの時間を長くせざるを得ないという問題があった。これに対して1サイクルの時間を短くするためには必要以上に大きなパワーのステッピングモータを使用する必要があった。
【0010】
加えて既設の装置において前記問題が発生した場合、駆動部分そのものを取り替える必要がありその対応が非常に困難であった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はこのような従来の問題点に鑑みてなされたもので、慣性負荷に対するステッピングモータの制御を自動的に調整することができて脱調や振動のない滑らかな駆動を実現できるステッピングモータの閉ループパルス列制御方法を開発することをその課題とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
「請求項1」は本発明に係るステッピングモータ(1)の閉ループパルス列制御方法に関し「ステッピングモータ(1)のロータ位置を示すロータ位置パルス(ENCP)と、ステッピングモータ駆動用の駆動制御部(2)に向けて出力された指令パルス発生器(4)からの1次指令パルス(PGP)を受け取り、前記駆動制御部(2)に2次指令パルス(OUTP)を出力し、前記2次指令パルス(OUTP)に同期してステッピングモータ(1)の励磁シーケンスを切り替えるようにしたステッピングモータ(1)の閉ループパルス列制御方法において、
(a)2次指令パルス(OUTP)とロータ位置パルス(ENCP)との偏差を検出し、ロータ位置パルス(ENCP)に対して前記2次指令パルス(OUTP)が進んだ状態にある進み角側の偏差所定値と、ロータ位置パルス(ENCP)に対して前記2次指令パルス (OUTP)が遅れた状態にある遅れ角側の偏差所定値とによって定められる偏差所定範囲と、2次指令パルス(OUTP)とロータ位置パルス(ENCP)との偏差を比較し、
(b)当該偏差が所定範囲より小さい場合は、1次指令パルス(PGP)をそのまま2 次指令パルス(OUTP)として駆動制御部(2)に出力し、
(c)当該偏差が、ロータ位置パルス(ENCP)に対して前記2次指令パルス(OUTP)が進んだ状態に進み角側偏差所定値まで拡大した場合は、指令パルス発生(4)からの1次指令パルス(PGP)を保留すると共に、前記1次指令パルス(PGP)と逆方向の高速パルスを2次指令パルス(OUTP)として駆動制御部(2)に出力することによって、2次指令パルス(OUTP)とロータ位置パルス(ENCP)との偏差が所定量に縮小するまで駆動制御部(2)の励磁シーケンスを一時的に引き戻し、
(d)当該偏差が、ロータ位置パルス(ENCP)に対して前記2次指令パルス(OUTP)が遅れた状態にある遅れ角側偏差所定値まで拡大した場合は、指令パルス発生器(4)からの1次指令パルス(PGP)を保留すると共に、前記1次指令パルス(PGP)と同方向の高速パルスを2次指令パルス(OUTP)として駆動制御部(2)に出力することによって2次指令パルスとロータ位置パルスとの偏差が所定量に縮小するまで駆動制御部(2)の励磁シーケンスを一時的に進ませる」ことを特徴とす
る。
【0013】
本発明方法では指令パルス発生器(4)からの1次指令パルス(PGP)とロータ位置パルス(ENCP)との偏差が所定範囲を保つようにステッピングモータ(1)を駆動するものである。従来例のようにロータにかかる負荷に対して駆動制御部に入力する指令パルスの入力スピードが早過ぎてロータが追従できない場合、あるいはその逆の場合、脱調を起こすことになるが、本発明方法では前記偏差を所定範囲に維持する事で脱調や振動のない滑らかな駆動を実現できる。
【0014】
「請求項2」は「請求項1」の改良に関し、
(a)ロータ位置パルス(ENCP)に対して2次指令パルス(OUTP)が遅れた状態にある遅れ角側の偏差所定値の絶対値を、ロータ位置パルス(ENCP)に対して2次指令パルス(OUTP)が進んだ状態にある進み角側の偏差所定値より小さく設定することにより、ロータ位置パルス(ENCP)に対して2次指令パルス(OUTP)が進んだ状態にある進み角側の偏差所定値と、
(b)ロータ位置パルス(ENCP)に対して2次指令パルス(OUTP)が進んだ状態にある進み角側の偏差所定値と、ロータ位置パルス(ENCP)に対して前記2次指令パルス(OUTP)が遅れた状態にある遅れ角側の偏差所定値とによって定められる偏差所定範囲を偏差0に対して非対称にすると共に、
(c)偏差の変動範囲を狭めてステッピングモータ(1)のロータ(1a)の振動を制限 する」ことを特徴とするもので、このように処理することで加速時或いは減 速時の脱調或いは定速駆動時の振動を抑制して滑らかな加速や定速駆動を実 現することができる。
【0015】
「請求項3」は「請求項1」の更なる改良に関し、
(a)1次指令パルス(PGP)の急激な速度変化や、ロータ(1a)の振動発生時に生じ るロータ位置パルス(ENCP)の速度ムラによって、ロータ位置パルス(ENCP)と 2次指令パルス(OUTP)の偏差が所定範囲の限界値に達した場合、
(b)偏差が縮小する方向に、ロータ(1a)の回転数よりも十分高速な2次指令パルス(OUTP)を駆動制御部(2)に所定量出力し、一時的に励磁シーケンスを実際 のロータ位置に引き寄せて、偏差変動がもたらすトルクリップルを低減し、 ステッピングモータ(1)の振動を抑制する」ことを特徴とするもので、この ように処理することで加速時或いは減速時の脱調或いは定速駆動時の振動を 抑制して滑らかな加速や定速駆動を実現することができる。
【0016】
「請求項4」は本発明方法を実施するためのステッピングモータ(1)の閉ループパルス列制御装置に関し「ステッピングモータ(1)の駆動用の1次指令パルス(PGP)を発生する指令パルス発生器(4)と、ステッピングモータ(1)の駆動制御を行う駆動制御部(2)と、ステッピングモータ(1)に設置され、ロータ位置をロータ位置パルス(ENCP)として出力するエンコーダ(3)と、指令パルス発生器(4)と駆動制御部(2)との間に設置され、指令パルス発生器(4)からの1次指令パルス(PGP)を取り込むと共に前記駆動制御部(2)に2次指令パルス(OUTP)を出力するたパルス列インターフェイス部(5)とで構成されたステッピングモータのパルス列制御装置であって、
パルス列インターフェイス部(5)は、
(a)2次指令パルス(OUTP)とロータ位置パルス(ENCP)との偏差を検出し、ロータ位置パルス(ENCP)に対して前記2次指令パルス(OUTP)が進んだ状態にある進み角側の偏差所定値と、ロータ位置パルス(ENCP)に対して前記2次指令パルス (OUTP)が遅れた状態にある遅れ角側の偏差所定値とによって定められる偏差所定範囲と、2次指令パルス(OUTP)とロータ位置パルス(ENCP)との偏差を比較し、
(b)当該偏差が所定範囲より小さい場合は、1次指令パルス(PGP)をそのまま2 次指令パルス(OUTP)として駆動制御部(2)に出力し、
(c)当該偏差が、ロータ位置パルス(ENCP)に対して前記2次指令パルス(OUTP)が進んだ状態に進み角側偏差所定値まで拡大した場合は、指令パルス発生器(4)からの1次指令パルス(PGP)を保留すると共に、前記1次指令パルス(PGP)と逆方向の高速パルスを2次指令パルス(OUTP)として駆動制御部(2)に出力することによって、2次指令パルス(OUTP)とロータ位置パルス(ENCP)との偏差が所定量に縮小するまで駆動制御部(2)の励磁シーケンスを一時的に引き戻し、
(d)当該偏差が、ロータ位置パルス(ENCP)に対して前記2次指令パルス(OUTP)が遅れた状態にある遅れ角側偏差所定値まで拡大した場合は、指令パルス発生器(4)からの1次指令パルス(PGP)を保留すると共に、前記1次指令パルス(PGP)と同方向の高速パルスを2次指令パルス(OUTP)として駆動制御部(2)に出力することによって2次指令パルスとロータ位置パルスとの偏差が所定量に縮小するまで駆動制御部(2)の励磁シーケンスを一時的に進ませる機能を備えている」ことを特徴とする。
【0017】
さて、本発明では加速時における前記偏差維持方法として、1次指令パルス(PGP)の駆動制御部(2)へのパルス入力を一時的に遮断して前記1次指令パルス(PGP)と逆方向のパルスを駆動制御部(2)に入力してロータ位置パルス(ENCP)と2次指令パルス(OUTP)との偏差を一時的に縮小し、当該偏差が所定範囲内になれば指令パルス発生器(4)からの1次指令パルス(PGP)を駆動制御部(2)に出力し、そのままステッピングモータ(1)を回転させる。この時、前述の偏差縮小のために出力が抑制された1次指令パルス(PGP)は「溜まりパルス」として保持されている。
【0018】
このようにして加速時にはロータ(1a)の回転に合わせて2次指令パルス(OUTP)を駆動制御部(2)に出力してやるのであるが、まだロータ(1a)が加速不足で偏差が広がれば再び前述の操作により逆方向のパルスで偏差を縮める。このパルスのループ操作を繰り返すことで慣性負荷に応じた無理のない加速となり、加速時の脱調を回避することができる。(図4参照)
【0019】
逆に回転中のステッピングモータ(1)に対して指令パルス発生器(4)からの1次指令パルス(PGP)が急激な減速に入った場合、慣性負荷やロータ慣性によってロータ(1a)が指令通りの減速に追従できず、ロータ(1a)が2次指令パルス(OUTP)[この2次指令パルス(OUTP)は1次指令パルス(PGP)がパルス列インターフェイス部(5)をそのまま通過して2次指令パルス(OUTP)として出力されている。]を追い越す場合がある。
【0020】
このような場合、一時的にロータ(1a)の回転方向(1次指令パルスの方向)と同一方向に高速パルスを出力して2次指令パルス(OUTP)とロータ位置パルス(ENCP)との偏差を縮める。これにより加速と同様にパルスのループ操作を繰り返すことで脱調すること無理のない減速を行うことができる。(図5参照)
【0021】
また、回転中の振動によって1次指令パルス(PGP)とロータ位置パルス(ENCP)との間で偏差が所定値以上広がった場合でも、同様のループ操作が機能し偏差を縮めることができる。その結果、振動の振幅を低減させることができる。
【0022】
ロータ(1a)が振動することなく回転している状態では、励磁とロータ(1a)は一様が偏差を維持しているが、1次指令パルス(PGP)の急激な速度変化や外乱で一度偏差が変動すると、本来、釣り合うべき偏差位置を中心に偏差が増減し、その結果、回転に必要なトルクに「加速方向に働くトルクリップル」と「減速方向に働くトルクリップル」が重畳した状態となる。
【0023】
本発明では振動によって偏差が所定値に達した場合、高速パルスによってトルクリップルの元となる偏差の変動幅を縮小し、振動を収縮させている。更に、本発明では偏差0に対する進み角偏差所定値(絶対値)より遅れ側偏差所定値(絶対値)を小さくすることにより「即ち、偏差0を中心にして進み角偏差所定値を遅れ側偏差所定値より大きくして非対称とすることにより」偏差変動幅を狭めて振動抑制効果を向上させている。
【0024】
図3は前記偏差と偏差所定範囲(A)〜(−B)の関係を示す説明図である。図3の(A)は進み角側偏差所定値、(−B)は遅れ角側偏差所定値であり、その内側の(a)は逆方向高速パルスにより進み角側偏差所定値(A)以下に引き戻された状態を示し、(b)は順方向高速パルスにより遅れ角側偏差所定値(−B)以下(図中(−B)より右側)に引き戻された状態を示す。
【0025】
また、本実施例の場合、遅れ角側偏差所定値(−B)側に偏差0(遅れ角の引き戻し位置又はその近傍)が存在し、前記偏差0に対して進み角側偏差所定値(A)と遅れ角側偏差所定値(−B)は非対称に位置する。
【0026】
前記偏差が偏差所定範囲(即ち、進み角側偏差所定値(A)或いは遅れ角側偏差所定値(−B))を越えると脱調する。そこで、前記偏差が偏差所定範囲(A)〜(−B)をの進み角側所定値(A)を越えようとすると1次指令パルス(PGP)をそのまま2次指令パルス(OUTP)として駆動制御部(2)にそのまま出力することを一時中断して偏差が縮小する方向の逆方向高速パルスを2次指令パルス(OUTP)として駆動制御部(2)に出力し、偏差を縮小させる。
【0027】
偏差が偏差所定範囲(A)〜(−B)の十分内側(a)〜(−b)に戻れば再度1次指令パルス(PGP)をそのまま2次指令パルス(OUTP)として駆動制御部(2)にそのまま出力する。前記逆方向高速パルスのパルス数が「溜まりパルス」=1次指令パルス(PGP)−2次指令パルス(OUTP)としてカウントされる。
【0028】
逆に偏差0より左側は2次指令パルス(OUTP)がロータ位置パルス(ENCP)より若干遅れている場合(=減速時で、偏差が小さい)で、前記同様偏差が偏差所定範囲内に収まっている場合には偏差が加速側の所定値に達するまでは1次指令パルス(PGP)をそのまま2次指令パルス(OUTP)として駆動制御部(2)にそのまま出力する。前記偏差が偏差所定範囲を越えると脱調する。
【0029】
そこで、前記偏差が遅れ角側偏差所定値(−B)を越えた(=偏差が過小になったり、更にロータ(1a)が、1次指令パルス(PGP)がそのまま出力された2次指令パルス(OUTP)を追い越した)場合、1次指令パルス(PGP)をそのまま2次指令パルス(OUTP)として駆動制御部(2)にそのまま出力することを一時中断して偏差が縮小する方向の順方向高速パルスを2次指令パルス(OUTP)として駆動制御部(2)に出力し、偏差を縮小させる。
【0030】
偏差が遅れ角側偏差所定値(−B)より十分内側(−b)に戻れば再度1次指令パルス(PGP)をそのまま2次指令パルス(OUTP)として駆動制御部(2)にそのまま出力する。前述の順方向高速パルスは「溜まりパルス」が存在する場合、この「溜まりパルス」を解消する方向に出力される。
【0031】
「遅れ角側偏差」の設定値を「進み角側」にするほどブレーキ作用はソフトになると共に「溜まりパルス」の吐き出しが早く完了する。これに対して偏差を「遅れ角側」にすれば、換言すれば遅れ角側偏差の大きさを小さくすればそれだけブレーキ作用が強くなる。
【0032】
【発明の実施の態様】
以下、本発明を図示実施例に従って説明する。図1(b)は本発明の概念図で、指令パルス発生器(4)、駆動制御部(2)、ステッピングモータ(1)で構成される基本的なシステム上において、ステッピングモータ(1)にステッピングモータ(1)のロータ位置を検出するエンコーダ(3)[一般的には、回転軸を接続して同軸としたロータリエンコーダが使用される]を接続し、且つ指令パルス発生器(4)と駆動制御部(2)の間のパルス列インターフェイス部(5)に本発明にかかるパルス列制御回路(5a)を設けたもので、エンコーダ(3)が出力したロータ位置検出パルス(ENCP)を本発明のパルス列制御回路(5a)にフィードバックすることによって閉ループを構成する。
【0033】
前記パルス列制御回路(5a)を有するパルス列インターフェイス部(5)は、それ自体独立した回路として従来の指令パルス発生器(4)と駆動制御部(2)との間に設置してもよいし、指令パルス発生器(4)或いは駆動制御部(2)内に一体的に組み込んでもよい。また、適用されるステッピングモータ(1)は5相モータに限られるものではないが、ここでは5相モータをその代表例として説明する。
【0034】
指令パルス発生器(4)は、ステッピングモータ(1)を正転方向に回転させる順方向1次指令パルス(CWPGP)または逆転方向に回転させる逆方向1次指令出力パルス(CCWPGP)を台形駆動に合わせて出力するもので、起動初期ではパルス出力スピードは遅く、ステッピングモータ(1)の回転が加速するにつれて次第に高速になり、回転スピードが一定になった場合、該高速出力を維持し、減速時には次第に出力速度が低下する。なお、1次指令パルスの方向を特に指定する必要のない場合、単に(PGP)とする。
【0035】
図2は前記パルス列インターフェイス部(5)に組み込まれているパルス列制御回路(5a)のブロック回路図で、出力方向判別部(51)、出力セレクト部(52)、補正スタート判別部(53)、PG−OUT偏差カウンタ(54)、ENC周期計測回路(55)、OUT−ENC偏差カウンタ(56)、高速パルス発生回路(57)、補正パルス発生回路(58)、方向セレクト部(59)とOUTP周期タイマ(60)とで構成されている。各パーツの機能は順次説明していく。
【0036】
出力セレクト部(52)は、1次指令パルス(PGP)が入力し、これをそのまま2次指令パルス(OUTP)として或いは高速パルス発生回路(57)の入力を受け、偏差適正化処理するための2次指令パルス(OUTP)を出力したり、補正パルス発生回路(58)の入力を受け、「溜まりパルス」解消のための補正パルスを2次指令パルス(OUTP)として出力する機能を有する。
【0037】
高速パルス発生回路(57)は高速パルスを発生させ、前記出力セレクト部(52)に過剰に拡大又は縮小した偏差を適正化するための高速パルスを供給する働きを有する。同様に補正パルス発生回路(58)は「溜まりパルス」を解消するための補正パルスを発生させ、前記出力セレクト部(52)に補正パルスを供給する働きを有する。
【0038】
出力方向判別部(51)は、指令パルス発生器(4)からの順方向1次指令パルス(CWPGP)又は逆方向1次指令パルス(CCWPGP)を受け取り、その方向を認識して方向セレクト部(59)から出力される2次指令パルス(OUTP)の方向[即ち、順方向(=正転方向)か逆方向(逆転方向)か]を方向セレクト部(59)に指示する働きや、過剰に拡大又は縮小した偏差を適正化するための高速パルスを元にして出力された2次指令パルス(OUTP)の方向を方向セレクト部(59)に指示する働きを有する。
【0039】
方向セレクト部(59)は、前記出力セレクト部(52)からの2次指令パルス(OUTP)を受け取り、出力方向判別部(51)の出力方向指示に従って2次指令パルス(OUTP)を出力する働きとPG−OUT偏差カウンタ(54)、OUT−ENC偏差カウンタ(56)及びOUTP周期タイマ(60)に対して2次指令パルス(OUTP)を分岐出力する働きを有する。
【0040】
ENC周期計測回路(55)は、ロータ位置パルス(ENCP)の入力を受け、ロータ位置パルス(ENCP)のパルス発生周期を計測する働きを有し、偏差所定範囲をOUT−ENC偏差カウンタ(56)に指令する働きを有する。
【0041】
OUT−ENC偏差カウンタ(56)は、ロータ位置パルス(ENCP)と方向セレクト部(59)からの2次指令パルス(OUTP)の入力を受け、両者(OUTP)(ENCP)の偏差をカウントし、前記ENC周期計測回路(55)からの指令に基づく偏差所定範囲に前記偏差が入っているかそれともそれを越える状態にあるのかを検出し、偏差が偏差所定範囲限或いは偏差所定範囲を越えた場合、高速パルスフラグを出力セレクト部(52)に出力して前記偏差所定範囲を超えた状態を解消させ、偏差所定範囲内になるように出力セレクト部(52)を制御する働きを有する。
【0042】
OUTP周期タイマ(60)は、常時方向セレクト部(59)から出力される2次指令パルス(OUTP)の周期を計測している。
【0043】
PG−OUT偏差カウンタ(54)は、1次指令パルス(PGP)と2次指令パルス(OUTP)の入力を受け、「溜まりパルス」をカウントする働きを有する。
【0044】
補正スタート判別部(53)はOUTP周期タイマ(60)の計測結果を受け、PG−OUT偏差カウンタ(54)から送られてきた「溜まりパルス」のパルス数に合わせて補正パルスフラグを出力セレクト部(52)に出力する働きを有する。また、補正パルスフラグの出力中に1次指令パルス(PGP)が補正スタート判別部(53)に入力すると直ちに補正パルスモードを停止し偏差制御モードに復帰する。
【0045】
方向セレクト部(59)からの2次指令パルス(OUTP)が入力される駆動制御部(2)は、直流電源電圧から供給される直流電流をパルス幅変調制御するパルス幅変調回路(21)、前記パルス幅変調回路(21)によって直流電流をチョッピング制御する例えばトランジスタあるいはFETで構成されたチョッパ(22)、前記チョッパ(22)に直列接続されたリアクトル(23)、駆動制御部(2)の(+)側と接地側(GND)との間に接続され、前記リアクトル(23)と協働してチョッピング制御された駆動電流を平滑化する平滑コンデンサ(C1)、ステッピングモータ(1)を駆動制御する出力段トランジスタ(Tr1)(Tr2)〜(Tr9)(Tr10)にて構成されるパワー回路(P)、励磁シーケンスに従って出力段トランジスタ(Tr1)(Tr2)〜(Tr9)(Tr10)のベースにスイッチング信号を入力するカウンタ・励磁シーケンス発生回路(24)、及び接地側(GND)に接続され、駆動電流を検出する一対のセンス抵抗(R1)(R2)とで構成されている。
【0046】
前記カウンタ・励磁シーケンス発生回路(24)には前記インターフェイス部(5)からの2次指令パルス(OUTP)が入力しており、同回路(24)のカウンタ(図示せず)が前記2次指令パルス(OUTP)をカウントして励磁シーケンスを実行するようになっている。
【0047】
ステッピングモータ(1)の動作時には、指令パルス発生器(4)から正転或いは逆転方向の1次指令パルス(CWPGP)又は(CCWPGP)が出力される。以下、正転の場合を代表例として説明し、以下単に(PGP)と表記する。
【0048】
ステッピングモータ(1)の立ち上がり時には指令パルス発生器(4)から出力される1次指令パルス(PGP)の発生周期は遅く、時間の経過と共に加速される。一定時間経過後、定速となり、停止位置近くになると減速され、最後に停止するように出力される(図6の破線参照)。
【0049】
指令パルス発生器(4)から出力された1次指令パルス(PGP)は、前述のようにインターフェイス部(5)のパルス列制御回路(5a)の出力方向判別部(51)と出力セレクト部(52)に入力され、出力方向判別部(51)にて入力した1次指令パルス(PGP)の方向が判別され、その情報が方向セレクト部(59)に出力され、出力セレクト部(52)から方向セレクト部(59)を通って駆動制御部(2)に出力される2次指令パルス(OUTP)の方向を定める。
【0050】
前記出力セレクト部(52)からの2次指令パルス(OUTP)は、前述のように前記方向セレクト部(59)に入力し、方向セレクト部(59)から駆動制御部(2)に出力されると共にPG−OUT偏差カウンタ(54)、OUT−ENC偏差カウンタ(56)とOUTP周期タイマ(60)に分岐入力される。
【0051】
このOUT−ENC偏差カウンタ(56)にはエンコーダ(3)からのロータ位置パルス(ENCP)が入力をしており、前記2次指令パルス(OUTP)とロータ位置パルス(ENCP)との偏差をカウントしている。偏差については前述の通りである。前記偏差が所定範囲内の場合は、OUT−ENC偏差カウンタ(56)から高速パルスフラグ(偏差が所定範囲を越えて拡大或いは縮小した場合に出力セレクト部(52)に出力される信号である。内容は後に説明する。)が出力されず、1次指令パルス(PGP)はそのまま2次指令パルス(OUTP)として方向セレクト部(59)に出力され、前記出力方向判別部(51)の指示に従って出力される。この場合は正転であるから正転方向の2次指令パルス(OUTP)が駆動制御部(2)に出力される。
【0052】
ステッピングモータ(1)のロータ(1a)にはエンコーダ(3)が直結されているので、ロータ(1a)の回転角度はエンコーダ(3)にて時間遅れなくロータ位置パルス(ENCP)として出力される。このロータ位置パルス(ENCP)は前述のようにOUT−ENC偏差カウンタ(56)に入力されている。
【0053】
立ち上がり時のようにステッピングモータ(1)のロータ(1a)にかかる慣性負荷がステッピングモータ(1)のパワーと比較して大きく、前記2次指令パルス(OUTP)に対してロータ(1a)が追従できなくなると、その遅れはエンコーダ(3)のロータ位置パルス(ENCP)の遅れとなって現れる。そして両者の差違はOUT−ENC偏差カウンタ(56)にてその偏差がカウントされ、その偏差が所定範囲限或いはそれ以上となったとき、OUT−ENC偏差カウンタ(56)から出力セレクト部(52)に高速パルスフラグが出力される(図6実線参照)。
【0054】
また、ロータ位置パルス(ENCP)はENC周期計測回路(55)に入力しており、ロータ位置パルス(ENCP)の出力周期を検出し偏差の所定範囲をOUT−ENC偏差カウンタ(56)に出力するようになっており、偏差所定範囲にて比較が行われている。
【0055】
OUT−ENC偏差カウンタ(56)から高速パルスフラグが出力セレクト部(52)に出力されると、それまで遮断していた高速パルス発生回路(57)から出力された高速パルスを取り込むと同時に指令パルス発生器(4)からの1次指令パルス(PGP)がそのまま出力セレクト部(52)を通過して1次指令パルス(PGP)と同一の2次指令パルス(OUTP)となって出力されるのを遮断し、前記高速パルスを2次指令パルス(OUTP)として方向セレクト部(59)に出力する。
【0056】
OUT−ENC偏差カウンタ(56)には出力方向判別部(51)に方向セレクト部(59)から出力される2次指令パルス(OUTP)として出力された高速パルスの方向を指令する信号(2次指令パルス出力方向指令信号)が出力されており、前記方向セレクト部(59)から2次指令パルス(OUTP)として出力される高速パルスは、前記2次指令パルス出力方向指令信号に従って出力された出力方向判別部(51)の出力に従って前記偏差が縮小する方向(逆方向)に出力される。
【0057】
そして、前述のように偏差が所定範囲内に収まれば高速パルスの入力を遮断し、再度1次指令パルス(PGP)を出力セレクト部(52)、方向セレクト部(59)を通してそのまま2次指令パルス(OUTP)として駆動制御部(2)に出力することになる。以上のようにして偏差が所定範囲内に収まる状態を保持して加速していく(図6の進み角制御部分の実線部分参照)。図7(a)(b)は前記逆方向の高速パルスを繰り返し出力して偏差が所定範囲内に収まるようにしつつロータ(1a)を円滑に加速している状態を示す。従って、パルス出力の位置は段状の線で示される。
【0058】
一方、出力セレクト部(52)から分岐出力された2次指令パルス(OUTP)は前述のようにPG−OUT偏差カウンタ(54)に入力しており、2次指令パルス(OUTP)として出力された高速パルスの数をカウントし、これを「溜まりパルス」として記憶している。
【0059】
ロータ(1a)が一定の回転速度に達すると、その状態を保持し定速回転を行う。この定速回転において、何らかの原因によりロータ(1a)の振動が発生し回転ムラを起こした場合、2次指令パルス(OUTP)に対してロータ(1a)が遅れ(又は進み)、2次指令パルス(OUTP)とロータ位置パルス(ENCP)との偏差が所定範囲限或いはこれを越えて拡大(又は縮小)する場合がある。拡大する場合、前述したように1次指令パルス(PGP)がそのまま出力セレクト部(52)を通過して2次指令パルス(OUTP)として出力されることを停止し、2次指令パルス(OUTP)に対して遅れを生じたロータ(1a)の位置に合うように高速パルスを方向セレクト部(59)から逆方向2次指令パルス(OUTP)として出力し、2次指令パルス(OUTP)とロータ位置パルス(ENCP)との偏差が一定範囲内に入るように制御する。
【0060】
逆にロータ(1a)が進みすぎて2次指令パルス(OUTP)とロータ位置パルス(ENCP)との偏差が所定範囲限又は遅れ角側に拡大した場合、前記偏差を所定範囲内に入れるために、前述同様、1次指令パルス(PGP)がそのまま出力セレクト部(52)を通過して2次指令パルス(OUTP)として出力されることを停止し、2次指令パルス(OUTP)に対して進み過ぎたロータ(1a)の位置に合うように高速パルスを出力セレクト部(52)に出力しこれを2次指令パルス(OUTP)として方向セレクト部(59)に出力し、方向セレクト部(59)においてこの高速パルスを順方向の2次指令パルス(OUTP)として出力し、2次指令パルス(OUTP)とロータ位置パルス(ENCP)との偏差が一定範囲内に戻るように制御する。
【0061】
このとき、前記順方向の2次指令パルス(OUTP)がPG−OUT偏差カウンタ(54)に入力し、前述の「溜まりパルス=逆方向の2次指令パルス(OUTP)をカウントしたもの」が存在する場合には減算されることになり、PG−OUT偏差カウンタ(54)にはその差が記憶されることになる。このようにして、「溜まりパルス」の吐き出しが行われる。定速駆動においてこのような偏差維持制御が行われるで、ロータ(1a)の回転ムラが抑制され振動がなくなる。
【0062】
次に減速領域になると、ロータ(1a)にブレーキをかけながら次第にその回転速度を低下させていくことになる。この場合、前述のように慣性負荷のためにロータ(1a)が2次指令パルス(OUTP)に対して早く回転しすぎ、ロータ位置パルス(ENCP)と2次指令パルス(OUTP)との偏差が遅れ角側に拡大することがある。このような状態が生起されると脱調の原因となる。
【0063】
そこで、前述のようにロータ位置パルス(ENCP)と2次指令パルス(OUTP)との偏差を常時監視しているOUT−ENC偏差カウンタ(56)によって偏差が遅れ角側に拡大した場合には、直ちに前述同様高速パルスフラグが出力セレクト部(52)に出力され、1次指令パルス(PGP)の2次指令パルス(OUTP)としての出力を遮断すると共に高速パルス発生回路(57)の高速パルスを方向セレクト部(59)に出力し、順方向2次指令パルス(OUTP)として駆動制御部(2)に出力して前記偏差を所定の偏差範囲に引き戻す(図6の遅れ角制御部分の実線部分参照)。
【0064】
図8(a)(b)は前記順方向の高速パルスを繰り返し出力して偏差が所定範囲内に収まるようにしつつロータ(1a)を円滑に減速している状態を示す。従って、パルス出力の位置は段状の線で示される。
【0065】
OUTP周期タイマ(60)には常時方向セレクト部(59)から2次指令パルス(OUTP)が分岐して入力しており、2次指令パルス(OUTP)の出力周期を監視している。従って、「溜まりパルス」が存在する場合に、停止位置直前のどの時点で解消するかを知ることができる。OUTP周期タイマ(60)の計測結果が「溜まりパルス」解消時点に達すると、補正スタート判別部(53)は「溜まりパルス」解消のため補正パルスフラグを「溜まりパルス」数だけ出力セレクト部(52)に出力する。
【0066】
補正パルスフラグが出力されると、出力セレクト部(52)は1次指令パルス(PGP)のパルス出力を一時的に遮断して補正パルス発生回路(58)から出力されている補正パルスを取り込み、前記「溜まりパルス」に等しい数の補正パルスを2次指令パルス(OUTP)として方向セレクト部(59)に出力し、出力方向判別部(51)の指令に従って(この場合では順方向として)これを駆動制御部(2)に出力し「溜まりパルス」が解消する。(図9「溜まりパルス補正参照」)
【0067】
(実施例‐1)本発明における加速時の脱調防止効果を示す。
図10(a)は本発明を使用しなかった場合で立ち上がりに脱調を生じている。図10(b)は本発明を適用した場合で脱調を起こすことなくスムーズに立ち上がり、定速運転時においても大きな回転ムラを発生せず、スムーズに減速した後、補正パルスが出力し一定位置に停止している。
【0068】
(実施例‐2)本発明における減速時の脱調防止効果を示す。
図11(a)は本発明を使用しなかった場合で減速時に脱調を生じている。図11(b)は本発明を適用した場合で脱調を起こすことなくスムーズに減速している。
【0069】
(実施例‐3)本発明における定速運転時の振動抑制効果を示す。
図12(a)は本発明を使用しなかった場合で定速駆動時に大きな振動を生じている。また減速から停止に至る間まで大きな振動生じている。図12(b)は本発明を適用した場合で定速運転及び停止直前の低速運転において振動が効果的に抑制されている。
【0070】
(実施例‐4)本発明における定速運転時の他の振動抑制効果の例を示す。
図13(a)は本発明を使用しなかった場合で定速駆動時に大きな振動を生じている。図13(b)は本発明を適用した場合で定速運転において振動が効果的に抑制されている。
【0071】
【発明の効果】
本発明はステッピングモータのロータ位置を示すロータ位置パルスと駆動制御部に出力される2次指令パルスとの偏差を検出して当該偏差が所定範囲になるように駆動制御部への2次指令パルスの出力を制御するようにしているので、ロータの慣性負荷の如何に拘わらずステッピングモータの加速時・定速運転時・減速時の駆動制御を自動的に調整することができて脱調や振動のない滑らかな駆動を実現できる。
【0072】
そしてこのように指令パルス発生器と駆動制御部との間にパルス列インターフェイス部を設けているので、指令パルス発生器や駆動制御部と独立して設置することができ、既設の駆動装置にも適用することができるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のブロック回路図
【図2】図1のインターフェース部のパルス列制御回路のブロック回路図
【図3】本発明における偏差所定範囲の説明図面
【図4】図3における進み角側偏差の説明図面
【図5】図3における遅れ角側偏差の説明図面
【図6】従来の台形駆動と本発明方法を採用した場合の台形駆動の比較説明図面
【図7】本発明の加速時におけるパルス発生器の1次指令パルス出力上の位置、2次指令パルス出力上の位置、ロータ位置の関係及び逆方向高速パルスの発生時点との関係を示すグラフ
【図8】本発明の減速時におけるパルス発生器の1次指令パルス出力上の位置、2次指令パルス出力上の位置、ロータ位置の関係及び順方向高速パルスの発生時点との関係を示すグラフ
【図9】一定速駆動において本発明において溜まりパルス補正を行う場合の説明図面
【図10】従来例と本発明の実施例1における駆動波形の比較図面
【図11】従来例と本発明の実施例2における駆動波形の比較図面
【図12】従来例と本発明の実施例3における駆動波形の比較図面
【図13】従来例と本発明の実施例4における駆動波形の比較図面
【符号の説明】
(1)ステッピングモータ
(2)駆動制御部
(3)エンコーダ
(4)指令パルス発生器
(PGP) 1次指令パルス
(OUTP) 2次指令パルス
(ENCP) ロータ位置パルス
Claims (4)
- ステッピングモータのロータ位置を示すロータ位置パルスと、ステッピングモータ駆動用の駆動制御部に向けて出力された指令パルス発生器からの1次指令パルスを受け取り、ステッピングモータの駆動制御を行う駆動制御部に2次指令パルスを出力し、前記2次指令パルスに同期してステッピングモータの励磁シーケンスを切り替えるようにしたステッピングモータの閉ループパルス列制御方法において、
(a)2次指令パルスとロータ位置パルスとの偏差を検出し、ロータ位置パルスに対して前記2次指令パルスが進んだ状態にある進み角側の偏差所定値と、ロータ位置パルスに対して前記2次指令パルスが遅れた状態にある遅れ角側の偏差所定値とによって定められる偏差所定範囲と、2次指令パルスとロータ位置パ
ルスとの偏差を比較し、
(b)当該偏差が所定範囲より小さい場合は、1次指令パルスをそのまま2次指令
パルスとして駆動制御部に出力し、
(c)当該偏差が、ロータ位置パルスに対して前記2次指令パルスが進んだ状態に進み角側偏差所定値まで拡大した場合は、指令パルス発生器からの1次指令パルスを保留すると共に、前記1次指令パルスと逆方向の高速パルスを2次指令パルスとして駆動制御部に出力することによって、2次指令パルスとロータ位置パルスとの偏差が所定量に縮小するまで駆動制御部の励磁シーケンスを一時
的に引き戻し、
(d)当該偏差が、ロータ位置パルスに対して前記2次指令パルスが遅れた状態にある遅れ角側偏差所定値まで拡大した場合は、指令パルス発生器からの1次指令パルスを保留すると共に、前記1次指令パルスと同方向の高速パルスを2次指令パルスとして駆動制御部に出力することによって2次指令パルスとロータ位置パルスとの偏差が所定量に縮小するまで駆動制御部の励磁シーケンスを一時的に進ませることを特徴とするステッピングモータの閉ループパルス列制御
方法。 - (a)ロータ位置パルスに対して2次指令パルスが遅れた状態にある遅れ角側の偏差所定値の絶対値を、ロータ位置パルスに対して2次指令パルスが進んだ状態にある進み角側の偏差所定値より小さく設定することにより、ロータ位置パル
スに対して2次指令パルスが進んだ状態にある進み角側の偏差所定値と、
(b)ロータ位置パルスに対して2次指令パルスが進んだ状態にある進み角側の偏差所定値と、ロータ位置パルスに対して前記2次指令パルスが遅れた状態にある遅れ角側の偏差所定値とによって定められる偏差所定範囲を偏差0に対して
非対称にすると共に、
(c)偏差の変動範囲を狭めてステッピングモータのロータの振動を制限することを特徴とする請求項1に記載のステッピングモータの閉ループパルス列制御方
法。 - (a)1次指令パルスの急激な速度変化や、ロータの振動発生時に生じるロータ位置パルスの速度ムラによって、ロータ位置パルスと2次指令パルスの偏差が所
定範囲の限界値に達した場合、
(b)偏差が縮小する方向に、ロータの回転数よりも十分高速な2次指令パルスを駆動制御部に所定量出力し、一時的に励磁シーケンスを実際のロータ位置に引き寄せて、偏差変動がもたらすトルクリップルを低減し、ステッピングモータの振動を抑制することを特徴とする請求項1に記載のステッピングモータの閉
ループパルス列制御方法。 - ステッピングモータ(1)の駆動用の1次指令パルス(PGP)を発生する指令パルス発生器(4)と、ステッピングモータ(1)の駆動制御を行う駆動制御部(2)と、ステッピングモータ(1)に設置され、ロータ位置をロータ位置パルス(ENCP)として出力するエンコーダ(3)と、指令パルス発生器(4)と駆動制御部(2)との間に設けられ、指令パルス発生器(4)からの1次指令パルス(PGP)を取り込むと共に前記駆動制御部(2)に2次指令パルス(OUTP)を出力するたパルス列インターフェイス部(5)とで構成されたステッピングモータのパルス列制御装置であって、
(a)パルス列インターフェイス部(5)は、2次指令パルスとロータ位置パルスとの偏差を検出し、ロータ位置パルスに対して前記2次指令パルスが進んだ状態にある進み角側の偏差所定値と、ロータ位置パルスに対して前記2次指令パルスが遅れた状態にある遅れ角側の偏差所定値とによって定められる偏差所定範囲
と、2次指令パルスとロータ位置パルスとの偏差を比較し、
(b)当該偏差が所定範囲より小さい場合は、1次指令パルスをそのまま2次指令
パルスとして駆動制御部に出力し、
(c)当該偏差が、ロータ位置パルスに対して前記2次指令パルスが進んだ状態に進み角側偏差所定値まで拡大した場合は、指令パルス発生器からの1次指令パルスを保留すると共に、前記1次指令パルスと逆方向の高速パルスを2次指令パルスとして駆動制御部に出力することによって、2次指令パルスとロータ位置パルスとの偏差が所定量に縮小するまで駆動制御部の励磁シーケンスを一時
的に引き戻し、
(d)当該偏差が、ロータ位置パルスに対して前記2次指令パルスが遅れた状態にある遅れ角側偏差所定値まで拡大した場合は、指令パルス発生器からの1次指令パルスを保留すると共に、前記1次指令パルスと同方向の高速パルスを2次指令パルスとして駆動制御部に出力することによって2次指令パルスとロータ位置パルスとの偏差が所定量に縮小するまで駆動制御部の励磁シーケンスを一時的に進ませる機能を備えていることを特徴とするステッピングモータの閉ル
ープパルス列制御装置。
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