JP2004260978A - ステッピングモータ制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ステッピングモータの制御回路が簡素であり、また、回転速度検出器を設ける必要がないステッピングモータ制御装置を提供することを目的とするものである。
【解決手段】ステッピングモータを駆動する駆動回路への入力電流検出手段と、相または巻線電流を検出する相または巻線電流検出手段と、基準電圧発生手段と、上記基準電圧発生手段が出力した電圧レベルに応じて、半導体スイッチ素子の導通期間を制御することによって、上記相または巻線電流を、所定の電流に制御する制御手段と、上記入力電流検出手段が検出した駆動回路への入力電流と、上記相または巻線電流検出回路が検出した相または巻線電流との比率を算出する電流比率算出手段とを有し、上記電流比率算出手段の出力信号に応じて、上記基準電圧発生手段の出力電圧を変更する。
【選択図】 図1
【解決手段】ステッピングモータを駆動する駆動回路への入力電流検出手段と、相または巻線電流を検出する相または巻線電流検出手段と、基準電圧発生手段と、上記基準電圧発生手段が出力した電圧レベルに応じて、半導体スイッチ素子の導通期間を制御することによって、上記相または巻線電流を、所定の電流に制御する制御手段と、上記入力電流検出手段が検出した駆動回路への入力電流と、上記相または巻線電流検出回路が検出した相または巻線電流との比率を算出する電流比率算出手段とを有し、上記電流比率算出手段の出力信号に応じて、上記基準電圧発生手段の出力電圧を変更する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真式の複写機、プリンタ、ファクシミリ等の画像記録装置内部の給紙・搬送装置等に係り、特に、ステッピングモータを使用して駆動する場合におけるステッピングモータ制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ステッピングモータは、デジタル制御に適したモータであり、外部入力信号に同期して回転するので、回転子位置を検出し、制御回路にフィードバックする必要が無いオープンループ制御で駆動することができ、したがって、位置制御に適しているモータである。
【0003】
上記ステッピングモータの駆動方式としては、主に
・1相励磁方式
・2相励磁方式
・1−2相励磁方式
が知られている。また、これらの駆動方式において安定した出力トルクが得られる制御方法として、励磁する相または巻線に流れる電流を一定とする定電流制御回路を用いた駆動回路が知られている。
【0004】
図10は、従来のステッピングモータ制御装置300を示す回路図である。
【0005】
従来のステッピングモータ制御装置300は、図10に示す相または巻線に流れる電流を検出し、この検出された電流が、規定の電流値となるように、オン・オフ比率を制御するPWM制御を用いている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従来のステッピングモータ制御装置300によれば、上記定電流制御によって、低速領域において、定トルク駆動が可能になり、定電圧制御に比べて、高速回転が可能である。
【0007】
しかし、従来のステッピングモータ制御装置300において、巻線のインダクタンスによる電流抑制作用によって、高速領域では、定電流動作から定電圧動作になるので、回転数が高くなる程、発生トルクが減少する。
【0008】
このために、使用範囲が広い場合に、必要トルクを確保しようとすると、安全率と称する電流設定係数を、1.3〜1.5倍にすることが要求される。高速回転時に、必要なトルクが得られるように電流値を設定すると、低速回転時には、過剰トルクによってモータが振動し、騒音が発生しやすいという問題があり、また、半導体スイッチ素子として、大きな電流容量の素子を必要とするという問題がある。
【0009】
この問題を解決する方法として、従来は、回転数に応じて異なる電流値が設定できるようにする方法や、モータの回転数を検出するエンコーダを用い、回転速度指令値との誤差が大きくなった場合にモータ脱調を検出し、電流値を変更または回転指令値を低下させる方法が知られている。
【0010】
しかし、上記従来方法では、ステッピングモータを制御する制御回路が複雑になるという問題があり、また、駆動するモータに回転速度検出器を取り付ける必要があるという問題がある。
【0011】
本発明は、ステッピングモータの制御回路が簡素であり、また、回転速度検出器を設ける必要がないステッピングモータ制御装置を提供することを目的とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は、ステッピングモータの巻線(励磁)電流が定電流制御されている場合でも、その入力電流が負荷トルクに応じて変化する特性を利用し、巻線電流検出回路以外に、駆動回路への入力電流を検出する手段を設けたステッピングモータ制御装置である。
【0013】
【発明の実施の形態および実施例】
[第1の実施例]
図1は、本発明の第1の実施例であるステッピングモータ制御装置100を示すブロック図である。
【0014】
ステッピングモータ制御装置100は、入力電流検出回路10と、相励磁パターン生成回路20と、定電流制御回路30と、電流比率算出回路40とを有する。
【0015】
入力電流検出回路10は、ステッピングモータSMを駆動する駆動回路への入力電流検出手段の例である。
【0016】
定電流制御回路30は、電流検出回路31と、基準電圧発生回路32と、PWM制御回路33、34とを有する。
【0017】
相または巻線電流検出回路31は、相または巻線電流を検出する相または巻線電流検出手段の例である。
【0018】
PWM制御回路33、34は、基準電圧発生回路32が出力した電圧レベルに応じて、半導体スイッチ素子の導通期間を制御することによって、上記相電流を、所定の電流に制御する制御手段の例である。
【0019】
電流比率算出回路40は、入力電流検出手段10が検出した駆動回路への入力電流と、相または巻線電流検出回路31が検出した相または巻線電流との比率を算出する電流比率算出手段の例である。
【0020】
そして、ステッピングモータ制御装置100は、電流比率算出回路40の出力信号に応じて、基準電圧発生回路32の出力電圧を変更するステッピングモータ制御装置である。
【0021】
図2は、定電流制御領域において、トルクと入力電流/巻線電流比率との関係を示す図である。
【0022】
図3は、トルクと巻線電流との関係を示す図である。
【0023】
図3に示すように、回転数が一定である場合、定電流制御領域では、各巻線の電流値が一定である。
【0024】
ところで、図2に示す入力電流と巻線電流との比率は、負荷トルクにほぼ比例して増加していることが分かる。
【0025】
次に、図2、図3に示す関係が成立する理由について、簡単に説明する。
【0026】
モータの回転動作を行う場合、次のような過程で回転が行われる。
【0027】
(1)供給される電流に応じて、固定子の各ポールに巻かれているモータ巻線によって、磁界が発生する(電気エネルギー→磁気エネルギー変換)。
【0028】
(2)上記(1)で発生した磁界は、透磁率の高い各ポールの歯を通る磁束を発生させ、回転子の各磁極に対し、吸引または反発力を生成する(磁気エネルギー→機械エネルギー変換)。
【0029】
(3)上記(2)と同時に、回転子側の磁極から発生する磁束によって、各巻線コイルに電圧誘起される(磁気エネルギー→電気エネルギー変換)。
【0030】
(4)電流供給遮断によって、巻線コイルに残留しているエネルギーは、相対巻線(A相に対しA*相、またはB相に対してB*相)によってFETの寄生ダイオードを介して、電源側へ回生される。
【0031】
上記一連の動作において、上記(3)は、回転数が同じ条件であれば、磁束鎖交数は一定であり、誘起される電力レベルも一定である。さらに、上記(1)において供給される励磁エネルギーが一定であり、上記(2)によって、負荷トルクに応じて機械エネルギーとして消費されるが、その残留分は、上記(4)において、電源側へ回生される。
【0032】
すなわち、入力電流は、トルクとほぼ比例関係である。ここで、「ほぼ比例」であるのは、上記エネルギー消費以外に、巻線・スイッチ素子等での損失分があるためである。
【0033】
なお、入力電流と自己発電効果とによって供給されるエネルギー以上には、モータは、トルクを発生しないので、トルク不足になると、ステッピングモータの特徴として、『脱調』を生じる。
【0034】
以上によって、供給されたエネルギーと負荷駆動に消費されたエネルギーとの関係は、入力電流と巻線電流との比率を算出することによって、検出が可能である。つまり、定電流駆動において、所定の負荷トルクをもつ駆動装置を駆動する場合に、上記比率がほぼ1以下であれば、負荷を駆動するために十分なエネルギーを持っていることを示し、逆に、上記比率がほぼ1以上になれば、トルク不足による脱調の発生を推測できる。
【0035】
「ほぼ1」とした理由は、上記(3)で説明したようにモータ自身の回転運動によって発生するエネルギー分(回転数によって変化するため、回転速度指令値から推測可能)と、上記巻線・スイッチ素子での損失等の分が存在しているためである。
【0036】
次に、上記第1の実施例の動作について説明する。
【0037】
以下では、二相ハイブリット型ステッピングモータSMの二相励磁駆動の動作について詳しく説明する。
【0038】
ステッピングモータ制御装置100は、駆動回路への入力電流検出回路10と、その入力電流と巻線電流との比率を算出する電流比率算出回路40とが設けられている点が、従来例とは異なる。
【0039】
ステッピングモータ制御装置100は、複写機本体の制御装置等の上位装置から駆動パルス信号Dpが出力され、この出力された駆動パルス信号Dpに従って、ステッピングモータSMの巻線が励磁され、この励磁される順序を決定する相励磁パルス信号(A、A*、B、B*)を発生する相励磁パターン生成回路20と、この相励磁パターン生成回路20からの上記相励磁パルス信号に応じて巻線電流(励磁電流)ia、ia*、ib、ib*をモータSMに供給する駆動回路とによって構成されている。
【0040】
上記駆動装置は、モータSMの巻線に流す電流値を決めるための基準電圧を発生する基準電圧発生回路32と、この基準電圧に比例した電流をモータの巻線に供給するように駆動回路を制御するPWM制御方式による定電流制御回路30とを有している。電流比率算出回路40からの出力信号Ri/mによって、基準電圧発生回路32による基準電圧Vrefのレベルを可変する構成としている。
【0041】
次に、上記実施例の動作について説明する。
【0042】
図4は、上記実施例において、二相励磁方式時の動作タイミングチャートを示す図である。
【0043】
ステッピングモータSMは、固定子巻線LA,LA*、LB、LB*で構成されている。相励磁パターン生成回路20から出力される相励磁パルスと、電流比率算出回路40の出力信号Ri/mと、基準電圧発生回路32の出力電圧Vrefと、ステッピングモータSMの各相の巻線を流れる相電流とが、図4に示されている。
【0044】
駆動パルスDpが入力されると、相励磁パターン生成回路20において、予め決められた回転方向、または回転方向指示信号(不図示)によって、ステッピングモータSMの各相に対する相励磁パターン信号(A、A*、B、B*)が生成される。
【0045】
この相励磁パターン信号によって指定される巻線に対して、定電流制御回路30によって半導体スイッチ素子Q1〜Q4のオン/オフが制御されることによって、基準電圧Vrefに応じた一定電流(従来同様)になるように、巻線電流が制御される。
【0046】
図4では、簡単化のために、半導体スイッチング素子Q1〜Q4のスイッチング周波数は、駆動パルスに対し、数倍程度しかないが、実際には、図5に示すように、十分速い周波数(20kHz前後)で、スイッチング動作している。
【0047】
図5は、上記実施例における実電流波形を示す図である。
【0048】
基準電圧発生回路32に対して電流比率算出回路40は、次のように、その基準電圧レベルVrefを変更する。
【0049】
1.入力電流検出回路10によって、駆動回路への入力電流を検出する。ここでは、その後段に、ローパスフィルタを構成するコイルLinとコンデンサCinとを備え、入力電流検出回路10で検出された電流は、駆動回路へ入力される平均電流になる。
【0050】
2.巻線電流検出回路31が検出した巻線電流の検出値を、電流比率算出回路40へ入力する。
【0051】
3.電流比率算出回路40において、入力電流検出回路10からの入力電流の平均値と、巻線電流の実効値とを比較し、入力電流に対する巻線電流の比率を割り算回路によって算出する。
【0052】
4.比率が0.9以下であれば、比率出力Ri/mを、1とし、上記比率が0.9以上であれば、上記比率が0.9になるように、比率出力Ri/mをA倍とし、基準電圧VrefをA倍とする。
【0053】
上記動作によって、駆動対象の必要トルクが機械的な劣化等によって初期値に対して増加する方向へ変動したとしても、入力電流に対するモータの使用電流量の比率が所定のレベルを超えた場合に、基準電圧レベルを補正するので、定電流制御値を変化させることができ、必要に応じてモータの出力トルクを補正することが可能にとなる。
【0054】
また、経時変化だけでなく、突発的な負荷変動に対しても、出力トルクの増加によって対応できるので、ステッピングモータSMの脱調を抑制することができる。
【0055】
なお、上記説明では、巻線電流を実効値で検出しているが、平均値で検出するようにしてもよい。
【0056】
[第2の実施例]
図6は、本発明の第2の実施例であるステッピングモータ制御装置200を示すブロック図である。
【0057】
ステッピングモータ制御装置200は、ステッピングモータ制御装置100において、周波数補正係数設定回路50が付加されている装置である。
【0058】
つまり、ステッピングモータ制御装置200は、定電流および定電圧動作領域によって予め設定される第1の周波数、第2の周波数によって補正係数を決定する周波数補正係数設定回路50が追加されている点が、ステッピングモータ制御装置100と異なる点である。
【0059】
ステッピングモータ制御装置100では、駆動周波数の全領域が定電流制御領域にある場合であるが、駆動条件によっては、より高速回転が要求される場合もあり、この場合には、定電流制御領域だけでなく定電圧制御領域にも渡る動作であり。
【0060】
図7は、ステッピングモータ制御装置200において、定電流制御領域だけでなく定電圧制御領域にも動作が渡ることを示す図である。
【0061】
ステッピングモータ制御装置200において、定電流制御領域だけでなく定電圧制御領域にも動作が渡るのは、固定子の巻線自身のインダクタンス(LA〜LB*)によって電流が抑制され、これによって、図7に示すように、駆動パルス周波数の場合に、第1の周波数以下では、定電流動作領域になり、第2の周波数以上では、定電圧動作領域になり、第1の周波数と第2の周波数との間では、定電流から定電圧への遷移領域になる。
【0062】
つまり、定電圧制御領域においては、モータSMの回転動作を行う場合、次のような過程で回転が行われる。
【0063】
(1)供給される電流に応じて、固定子の各ポールに巻かれているモータ巻線によって、磁界が発生する(電気エネルギー→磁気エネルギー変換)。
【0064】
(2)上記(1)で発生した磁界は、透磁率の高い各ポールの歯を通る磁束を発生させ、回転子の各磁極に対し、吸引または反発力を生成する(磁気エネルギー→機械エネルギー変換)。
【0065】
(3)上記(2)と同時に、回転子側の磁極から発生する磁束によって、各巻線コイルに電圧が誘起される(磁気エネルギー→電気エネルギー変換)。
【0066】
この回転では、第1の実施例と比較すると、電源側へ回生するエネルギー分がなくなっており、2相励磁で運転させる場合においては、A相+B相(またはB*相)、または、A*相+B相(またはB*相)の電流が、駆動回路への入力電流になる。また、電圧に比例した電流しか供給されないので、必要トルクに応じた電流が供給できる入力電圧と巻線のインピーダンスとを考慮する必要がある。
【0067】
図8は、ステッピングモータ制御装置200における入力電流と巻線電流との特性を示す図である。
【0068】
図9は、ステッピングモータ制御装置200におけるトルクと巻線電流との変化率を示す図である。
【0069】
図8、図9に示すように、定電圧動作領域においても、トルクと電流との関係は、ほぼ比例関係を示すが、上記のように、ステッピングモータ制御装置200では、エネルギーの回生が行われないので、比率が1以上になる。また、これは上記のように、2相励磁時の電流特性として、入力電流が巻線電流(ここではA+A*相分)の約2倍にならないのは、回転子の磁極による電圧誘起分による影響である。
【0070】
ここで、この比率の変化は、使用するステッピングモータSM毎に異なる特性を持つが、図8、図9に示す特性を把握し、定電流動作領域の第1の周波数と、定電圧動作領域の第2の周波数と、補正比率とを求めることによって、周波数に応じた補正比率を設定することができる。
【0071】
つまり、ステッピングモータ制御装置200は、ステッピングモータ制御装置100と同様に、定電圧動作領域までの駆動パターンであっても、駆動パルス周波数に応じた電流比率の補正が行われるので、適切な電流設定を行うことができる。
【0072】
なお、ステッピングモータ制御装置200において、巻線電流を、実効値で検出しているが、ステッピングモータ制御装置100と同様に、巻線電流を、平均値で検出するようにしてもよい。
【0073】
すなわち、上記実施例によれば、入力電流と巻線電流との比率を検出することによって、定電流制御の制御値を変化させ、これによって、過剰トルクによるモータ振動を抑制することができ、また、トルク変動に起因するトルク不足による脱調を予測することによって、モータ振動を抑制することができる。
【0074】
なお、上記実施例を次の実施形態として把握することができる。
【0075】
[実施形態1] ステッピングモータの定電流制御駆動装置において、
上記ステッピングモータを駆動する駆動回路への入力電流検出手段と;
相または巻線電流を検出する相または巻線電流検出手段と;
基準電圧発生手段と;
上記基準電圧発生手段が出力した電圧レベルに応じて、半導体スイッチ素子の導通期間を制御することによって、上記相または巻線電流を、所定の電流に制御する制御手段と;
上記入力電流検出手段が検出した駆動回路への入力電流と、上記相または巻線電流検出回路が検出した相または巻線電流との比率を算出する電流比率算出手段と;
を有し、上記電流比率算出手段の出力信号に応じて、上記基準電圧発生手段の出力電圧を変更することを特徴とするステッピングモータ制御装置。
【0076】
[実施形態2] 実施形態1において、
上記相または巻線電流の定電流制御を行う半導体スイッチ素子は、FETであり、寄生ダイオードによる電流の回生を行うことを特徴とするステッピングモータ制御装置。
【0077】
[実施形態3] 実施形態1において、
上記入力電流検出手段は、電流の実効値を検出する手段であることを特徴とするステッピングモータ制御装置。
【0078】
[実施形態4] 実施形態1において、
上記入力電流検出手段は、電流の平均値を検出する手段であることを特徴とするステッピングモータ制御装置。
【0079】
[実施形態5] 実施形態1において、
上記電流比率算出手段は、割り算回路を備えている手段であることを特徴とするステッピングモータ制御装置。
【0080】
[実施形態6] ステッピングモータの定電流制御駆動装置において、
上記ステッピングモータを駆動する駆動回路への入力電流検出手段と;
相または巻線電流を検出する相または巻線電流検出手段と;
基準電圧発生手段と;
上記基準電圧発生手段が出力した電圧レベルに応じて、半導体スイッチ素子の導通期間を制御することによって、上記相または巻線電流を、所定の電流に制御する制御手段と;
上記入力電流検出手段が検出した駆動回路への入力電流と、上記相または巻線電流検出回路が検出した相または巻線電流との比率を算出する電流比率算出手段と;
定電流および定電圧動作領域によって予め設定される第1の周波数、第2の周波数によって補正係数を決定する周波数補正係数設定手段と;
を有し、上記電流比率算出手段は、上記周波数補正係数設定手段によって、所定の周波数毎に、その算出比率を補正する手段であり、上記電流比率算出手段の出力信号に応じて、上記基準電圧発生手段の出力電圧を変更することを特徴とするステッピングモータ制御装置。
【0081】
[実施形態7] 実施形態6において、
上記周波数係数設定手段を、駆動パルスを供給する複写機本体の上位装置から上記第1の周波数、第2の周波数が供給されることを特徴とするステッピングモータ制御装置。
【0082】
[実施形態8] 実施形態6において、
上記相または巻線電流の定電流制御を行う半導体スイッチ素子は、FETであり、寄生ダイオードによる電流の回生を行うことを特徴とするステッピングモータ制御装置。
【0083】
[実施形態9] 実施形態6において、
上記入力電流検出手段は、電流の実効値を検出する手段であることを特徴とするステッピングモータ制御装置。
【0084】
[実施形態10] 実施形態6において、
上記入力電流検出手段は、電流の平均値を検出する手段であることを特徴とするステッピングモータ制御装置。
【0085】
[実施形態11] 実施形態6において、
上記電流比率算出手段は、割り算回路を備えている手段であることを特徴とするステッピングモータ制御装置。
【0086】
【発明の効果】
本発明によれば、低速域での過剰トルクによる振動・騒音を抑制することができ、また、必要以上の電流供給による半導体スイッチ素子やモータの巻線での損失増加による発熱を抑制することができ、しかも、経時変化によるトルク変動にも対応することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例であるステッピングモータ制御装置100を示すブロック図である。
【図2】定電流制御領域において、トルクと入力電流/巻線電流比率との関係を示す図である。
【図3】トルクと巻線電流との関係を示す図である。
【図4】上記実施例において、二相励磁方式時の動作タイミングチャートを示す図である。
【図5】上記実施例における実電流波形を示す図である。
【図6】本発明の第2の実施例であるステッピングモータ制御装置200を示すブロック図である。
【図7】ステッピングモータ制御装置200において、定電流制御領域だけでなく定電圧制御領域にも動作が渡ることを示す図である。
【図8】ステッピングモータ制御装置200における入力電流と巻線電流との特性を示す図である。
【図9】ステッピングモータ制御装置200におけるトルクと巻線電流との変化率を示す図である。
【図10】従来のステッピングモータ制御装置300を示す回路図である。
【符号の説明】
100、200…ステッピングモータ制御装置、
10…入力電流検出回路、
20…相励磁パターン生成回路、
30…定電流制御回路、
31…電流検出回路、
32…基準電圧発生回路、
33、34…PWM制御回路、
40…電流比率算出回路、
50…周波数補正係数設定回路。
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真式の複写機、プリンタ、ファクシミリ等の画像記録装置内部の給紙・搬送装置等に係り、特に、ステッピングモータを使用して駆動する場合におけるステッピングモータ制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ステッピングモータは、デジタル制御に適したモータであり、外部入力信号に同期して回転するので、回転子位置を検出し、制御回路にフィードバックする必要が無いオープンループ制御で駆動することができ、したがって、位置制御に適しているモータである。
【0003】
上記ステッピングモータの駆動方式としては、主に
・1相励磁方式
・2相励磁方式
・1−2相励磁方式
が知られている。また、これらの駆動方式において安定した出力トルクが得られる制御方法として、励磁する相または巻線に流れる電流を一定とする定電流制御回路を用いた駆動回路が知られている。
【0004】
図10は、従来のステッピングモータ制御装置300を示す回路図である。
【0005】
従来のステッピングモータ制御装置300は、図10に示す相または巻線に流れる電流を検出し、この検出された電流が、規定の電流値となるように、オン・オフ比率を制御するPWM制御を用いている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従来のステッピングモータ制御装置300によれば、上記定電流制御によって、低速領域において、定トルク駆動が可能になり、定電圧制御に比べて、高速回転が可能である。
【0007】
しかし、従来のステッピングモータ制御装置300において、巻線のインダクタンスによる電流抑制作用によって、高速領域では、定電流動作から定電圧動作になるので、回転数が高くなる程、発生トルクが減少する。
【0008】
このために、使用範囲が広い場合に、必要トルクを確保しようとすると、安全率と称する電流設定係数を、1.3〜1.5倍にすることが要求される。高速回転時に、必要なトルクが得られるように電流値を設定すると、低速回転時には、過剰トルクによってモータが振動し、騒音が発生しやすいという問題があり、また、半導体スイッチ素子として、大きな電流容量の素子を必要とするという問題がある。
【0009】
この問題を解決する方法として、従来は、回転数に応じて異なる電流値が設定できるようにする方法や、モータの回転数を検出するエンコーダを用い、回転速度指令値との誤差が大きくなった場合にモータ脱調を検出し、電流値を変更または回転指令値を低下させる方法が知られている。
【0010】
しかし、上記従来方法では、ステッピングモータを制御する制御回路が複雑になるという問題があり、また、駆動するモータに回転速度検出器を取り付ける必要があるという問題がある。
【0011】
本発明は、ステッピングモータの制御回路が簡素であり、また、回転速度検出器を設ける必要がないステッピングモータ制御装置を提供することを目的とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は、ステッピングモータの巻線(励磁)電流が定電流制御されている場合でも、その入力電流が負荷トルクに応じて変化する特性を利用し、巻線電流検出回路以外に、駆動回路への入力電流を検出する手段を設けたステッピングモータ制御装置である。
【0013】
【発明の実施の形態および実施例】
[第1の実施例]
図1は、本発明の第1の実施例であるステッピングモータ制御装置100を示すブロック図である。
【0014】
ステッピングモータ制御装置100は、入力電流検出回路10と、相励磁パターン生成回路20と、定電流制御回路30と、電流比率算出回路40とを有する。
【0015】
入力電流検出回路10は、ステッピングモータSMを駆動する駆動回路への入力電流検出手段の例である。
【0016】
定電流制御回路30は、電流検出回路31と、基準電圧発生回路32と、PWM制御回路33、34とを有する。
【0017】
相または巻線電流検出回路31は、相または巻線電流を検出する相または巻線電流検出手段の例である。
【0018】
PWM制御回路33、34は、基準電圧発生回路32が出力した電圧レベルに応じて、半導体スイッチ素子の導通期間を制御することによって、上記相電流を、所定の電流に制御する制御手段の例である。
【0019】
電流比率算出回路40は、入力電流検出手段10が検出した駆動回路への入力電流と、相または巻線電流検出回路31が検出した相または巻線電流との比率を算出する電流比率算出手段の例である。
【0020】
そして、ステッピングモータ制御装置100は、電流比率算出回路40の出力信号に応じて、基準電圧発生回路32の出力電圧を変更するステッピングモータ制御装置である。
【0021】
図2は、定電流制御領域において、トルクと入力電流/巻線電流比率との関係を示す図である。
【0022】
図3は、トルクと巻線電流との関係を示す図である。
【0023】
図3に示すように、回転数が一定である場合、定電流制御領域では、各巻線の電流値が一定である。
【0024】
ところで、図2に示す入力電流と巻線電流との比率は、負荷トルクにほぼ比例して増加していることが分かる。
【0025】
次に、図2、図3に示す関係が成立する理由について、簡単に説明する。
【0026】
モータの回転動作を行う場合、次のような過程で回転が行われる。
【0027】
(1)供給される電流に応じて、固定子の各ポールに巻かれているモータ巻線によって、磁界が発生する(電気エネルギー→磁気エネルギー変換)。
【0028】
(2)上記(1)で発生した磁界は、透磁率の高い各ポールの歯を通る磁束を発生させ、回転子の各磁極に対し、吸引または反発力を生成する(磁気エネルギー→機械エネルギー変換)。
【0029】
(3)上記(2)と同時に、回転子側の磁極から発生する磁束によって、各巻線コイルに電圧誘起される(磁気エネルギー→電気エネルギー変換)。
【0030】
(4)電流供給遮断によって、巻線コイルに残留しているエネルギーは、相対巻線(A相に対しA*相、またはB相に対してB*相)によってFETの寄生ダイオードを介して、電源側へ回生される。
【0031】
上記一連の動作において、上記(3)は、回転数が同じ条件であれば、磁束鎖交数は一定であり、誘起される電力レベルも一定である。さらに、上記(1)において供給される励磁エネルギーが一定であり、上記(2)によって、負荷トルクに応じて機械エネルギーとして消費されるが、その残留分は、上記(4)において、電源側へ回生される。
【0032】
すなわち、入力電流は、トルクとほぼ比例関係である。ここで、「ほぼ比例」であるのは、上記エネルギー消費以外に、巻線・スイッチ素子等での損失分があるためである。
【0033】
なお、入力電流と自己発電効果とによって供給されるエネルギー以上には、モータは、トルクを発生しないので、トルク不足になると、ステッピングモータの特徴として、『脱調』を生じる。
【0034】
以上によって、供給されたエネルギーと負荷駆動に消費されたエネルギーとの関係は、入力電流と巻線電流との比率を算出することによって、検出が可能である。つまり、定電流駆動において、所定の負荷トルクをもつ駆動装置を駆動する場合に、上記比率がほぼ1以下であれば、負荷を駆動するために十分なエネルギーを持っていることを示し、逆に、上記比率がほぼ1以上になれば、トルク不足による脱調の発生を推測できる。
【0035】
「ほぼ1」とした理由は、上記(3)で説明したようにモータ自身の回転運動によって発生するエネルギー分(回転数によって変化するため、回転速度指令値から推測可能)と、上記巻線・スイッチ素子での損失等の分が存在しているためである。
【0036】
次に、上記第1の実施例の動作について説明する。
【0037】
以下では、二相ハイブリット型ステッピングモータSMの二相励磁駆動の動作について詳しく説明する。
【0038】
ステッピングモータ制御装置100は、駆動回路への入力電流検出回路10と、その入力電流と巻線電流との比率を算出する電流比率算出回路40とが設けられている点が、従来例とは異なる。
【0039】
ステッピングモータ制御装置100は、複写機本体の制御装置等の上位装置から駆動パルス信号Dpが出力され、この出力された駆動パルス信号Dpに従って、ステッピングモータSMの巻線が励磁され、この励磁される順序を決定する相励磁パルス信号(A、A*、B、B*)を発生する相励磁パターン生成回路20と、この相励磁パターン生成回路20からの上記相励磁パルス信号に応じて巻線電流(励磁電流)ia、ia*、ib、ib*をモータSMに供給する駆動回路とによって構成されている。
【0040】
上記駆動装置は、モータSMの巻線に流す電流値を決めるための基準電圧を発生する基準電圧発生回路32と、この基準電圧に比例した電流をモータの巻線に供給するように駆動回路を制御するPWM制御方式による定電流制御回路30とを有している。電流比率算出回路40からの出力信号Ri/mによって、基準電圧発生回路32による基準電圧Vrefのレベルを可変する構成としている。
【0041】
次に、上記実施例の動作について説明する。
【0042】
図4は、上記実施例において、二相励磁方式時の動作タイミングチャートを示す図である。
【0043】
ステッピングモータSMは、固定子巻線LA,LA*、LB、LB*で構成されている。相励磁パターン生成回路20から出力される相励磁パルスと、電流比率算出回路40の出力信号Ri/mと、基準電圧発生回路32の出力電圧Vrefと、ステッピングモータSMの各相の巻線を流れる相電流とが、図4に示されている。
【0044】
駆動パルスDpが入力されると、相励磁パターン生成回路20において、予め決められた回転方向、または回転方向指示信号(不図示)によって、ステッピングモータSMの各相に対する相励磁パターン信号(A、A*、B、B*)が生成される。
【0045】
この相励磁パターン信号によって指定される巻線に対して、定電流制御回路30によって半導体スイッチ素子Q1〜Q4のオン/オフが制御されることによって、基準電圧Vrefに応じた一定電流(従来同様)になるように、巻線電流が制御される。
【0046】
図4では、簡単化のために、半導体スイッチング素子Q1〜Q4のスイッチング周波数は、駆動パルスに対し、数倍程度しかないが、実際には、図5に示すように、十分速い周波数(20kHz前後)で、スイッチング動作している。
【0047】
図5は、上記実施例における実電流波形を示す図である。
【0048】
基準電圧発生回路32に対して電流比率算出回路40は、次のように、その基準電圧レベルVrefを変更する。
【0049】
1.入力電流検出回路10によって、駆動回路への入力電流を検出する。ここでは、その後段に、ローパスフィルタを構成するコイルLinとコンデンサCinとを備え、入力電流検出回路10で検出された電流は、駆動回路へ入力される平均電流になる。
【0050】
2.巻線電流検出回路31が検出した巻線電流の検出値を、電流比率算出回路40へ入力する。
【0051】
3.電流比率算出回路40において、入力電流検出回路10からの入力電流の平均値と、巻線電流の実効値とを比較し、入力電流に対する巻線電流の比率を割り算回路によって算出する。
【0052】
4.比率が0.9以下であれば、比率出力Ri/mを、1とし、上記比率が0.9以上であれば、上記比率が0.9になるように、比率出力Ri/mをA倍とし、基準電圧VrefをA倍とする。
【0053】
上記動作によって、駆動対象の必要トルクが機械的な劣化等によって初期値に対して増加する方向へ変動したとしても、入力電流に対するモータの使用電流量の比率が所定のレベルを超えた場合に、基準電圧レベルを補正するので、定電流制御値を変化させることができ、必要に応じてモータの出力トルクを補正することが可能にとなる。
【0054】
また、経時変化だけでなく、突発的な負荷変動に対しても、出力トルクの増加によって対応できるので、ステッピングモータSMの脱調を抑制することができる。
【0055】
なお、上記説明では、巻線電流を実効値で検出しているが、平均値で検出するようにしてもよい。
【0056】
[第2の実施例]
図6は、本発明の第2の実施例であるステッピングモータ制御装置200を示すブロック図である。
【0057】
ステッピングモータ制御装置200は、ステッピングモータ制御装置100において、周波数補正係数設定回路50が付加されている装置である。
【0058】
つまり、ステッピングモータ制御装置200は、定電流および定電圧動作領域によって予め設定される第1の周波数、第2の周波数によって補正係数を決定する周波数補正係数設定回路50が追加されている点が、ステッピングモータ制御装置100と異なる点である。
【0059】
ステッピングモータ制御装置100では、駆動周波数の全領域が定電流制御領域にある場合であるが、駆動条件によっては、より高速回転が要求される場合もあり、この場合には、定電流制御領域だけでなく定電圧制御領域にも渡る動作であり。
【0060】
図7は、ステッピングモータ制御装置200において、定電流制御領域だけでなく定電圧制御領域にも動作が渡ることを示す図である。
【0061】
ステッピングモータ制御装置200において、定電流制御領域だけでなく定電圧制御領域にも動作が渡るのは、固定子の巻線自身のインダクタンス(LA〜LB*)によって電流が抑制され、これによって、図7に示すように、駆動パルス周波数の場合に、第1の周波数以下では、定電流動作領域になり、第2の周波数以上では、定電圧動作領域になり、第1の周波数と第2の周波数との間では、定電流から定電圧への遷移領域になる。
【0062】
つまり、定電圧制御領域においては、モータSMの回転動作を行う場合、次のような過程で回転が行われる。
【0063】
(1)供給される電流に応じて、固定子の各ポールに巻かれているモータ巻線によって、磁界が発生する(電気エネルギー→磁気エネルギー変換)。
【0064】
(2)上記(1)で発生した磁界は、透磁率の高い各ポールの歯を通る磁束を発生させ、回転子の各磁極に対し、吸引または反発力を生成する(磁気エネルギー→機械エネルギー変換)。
【0065】
(3)上記(2)と同時に、回転子側の磁極から発生する磁束によって、各巻線コイルに電圧が誘起される(磁気エネルギー→電気エネルギー変換)。
【0066】
この回転では、第1の実施例と比較すると、電源側へ回生するエネルギー分がなくなっており、2相励磁で運転させる場合においては、A相+B相(またはB*相)、または、A*相+B相(またはB*相)の電流が、駆動回路への入力電流になる。また、電圧に比例した電流しか供給されないので、必要トルクに応じた電流が供給できる入力電圧と巻線のインピーダンスとを考慮する必要がある。
【0067】
図8は、ステッピングモータ制御装置200における入力電流と巻線電流との特性を示す図である。
【0068】
図9は、ステッピングモータ制御装置200におけるトルクと巻線電流との変化率を示す図である。
【0069】
図8、図9に示すように、定電圧動作領域においても、トルクと電流との関係は、ほぼ比例関係を示すが、上記のように、ステッピングモータ制御装置200では、エネルギーの回生が行われないので、比率が1以上になる。また、これは上記のように、2相励磁時の電流特性として、入力電流が巻線電流(ここではA+A*相分)の約2倍にならないのは、回転子の磁極による電圧誘起分による影響である。
【0070】
ここで、この比率の変化は、使用するステッピングモータSM毎に異なる特性を持つが、図8、図9に示す特性を把握し、定電流動作領域の第1の周波数と、定電圧動作領域の第2の周波数と、補正比率とを求めることによって、周波数に応じた補正比率を設定することができる。
【0071】
つまり、ステッピングモータ制御装置200は、ステッピングモータ制御装置100と同様に、定電圧動作領域までの駆動パターンであっても、駆動パルス周波数に応じた電流比率の補正が行われるので、適切な電流設定を行うことができる。
【0072】
なお、ステッピングモータ制御装置200において、巻線電流を、実効値で検出しているが、ステッピングモータ制御装置100と同様に、巻線電流を、平均値で検出するようにしてもよい。
【0073】
すなわち、上記実施例によれば、入力電流と巻線電流との比率を検出することによって、定電流制御の制御値を変化させ、これによって、過剰トルクによるモータ振動を抑制することができ、また、トルク変動に起因するトルク不足による脱調を予測することによって、モータ振動を抑制することができる。
【0074】
なお、上記実施例を次の実施形態として把握することができる。
【0075】
[実施形態1] ステッピングモータの定電流制御駆動装置において、
上記ステッピングモータを駆動する駆動回路への入力電流検出手段と;
相または巻線電流を検出する相または巻線電流検出手段と;
基準電圧発生手段と;
上記基準電圧発生手段が出力した電圧レベルに応じて、半導体スイッチ素子の導通期間を制御することによって、上記相または巻線電流を、所定の電流に制御する制御手段と;
上記入力電流検出手段が検出した駆動回路への入力電流と、上記相または巻線電流検出回路が検出した相または巻線電流との比率を算出する電流比率算出手段と;
を有し、上記電流比率算出手段の出力信号に応じて、上記基準電圧発生手段の出力電圧を変更することを特徴とするステッピングモータ制御装置。
【0076】
[実施形態2] 実施形態1において、
上記相または巻線電流の定電流制御を行う半導体スイッチ素子は、FETであり、寄生ダイオードによる電流の回生を行うことを特徴とするステッピングモータ制御装置。
【0077】
[実施形態3] 実施形態1において、
上記入力電流検出手段は、電流の実効値を検出する手段であることを特徴とするステッピングモータ制御装置。
【0078】
[実施形態4] 実施形態1において、
上記入力電流検出手段は、電流の平均値を検出する手段であることを特徴とするステッピングモータ制御装置。
【0079】
[実施形態5] 実施形態1において、
上記電流比率算出手段は、割り算回路を備えている手段であることを特徴とするステッピングモータ制御装置。
【0080】
[実施形態6] ステッピングモータの定電流制御駆動装置において、
上記ステッピングモータを駆動する駆動回路への入力電流検出手段と;
相または巻線電流を検出する相または巻線電流検出手段と;
基準電圧発生手段と;
上記基準電圧発生手段が出力した電圧レベルに応じて、半導体スイッチ素子の導通期間を制御することによって、上記相または巻線電流を、所定の電流に制御する制御手段と;
上記入力電流検出手段が検出した駆動回路への入力電流と、上記相または巻線電流検出回路が検出した相または巻線電流との比率を算出する電流比率算出手段と;
定電流および定電圧動作領域によって予め設定される第1の周波数、第2の周波数によって補正係数を決定する周波数補正係数設定手段と;
を有し、上記電流比率算出手段は、上記周波数補正係数設定手段によって、所定の周波数毎に、その算出比率を補正する手段であり、上記電流比率算出手段の出力信号に応じて、上記基準電圧発生手段の出力電圧を変更することを特徴とするステッピングモータ制御装置。
【0081】
[実施形態7] 実施形態6において、
上記周波数係数設定手段を、駆動パルスを供給する複写機本体の上位装置から上記第1の周波数、第2の周波数が供給されることを特徴とするステッピングモータ制御装置。
【0082】
[実施形態8] 実施形態6において、
上記相または巻線電流の定電流制御を行う半導体スイッチ素子は、FETであり、寄生ダイオードによる電流の回生を行うことを特徴とするステッピングモータ制御装置。
【0083】
[実施形態9] 実施形態6において、
上記入力電流検出手段は、電流の実効値を検出する手段であることを特徴とするステッピングモータ制御装置。
【0084】
[実施形態10] 実施形態6において、
上記入力電流検出手段は、電流の平均値を検出する手段であることを特徴とするステッピングモータ制御装置。
【0085】
[実施形態11] 実施形態6において、
上記電流比率算出手段は、割り算回路を備えている手段であることを特徴とするステッピングモータ制御装置。
【0086】
【発明の効果】
本発明によれば、低速域での過剰トルクによる振動・騒音を抑制することができ、また、必要以上の電流供給による半導体スイッチ素子やモータの巻線での損失増加による発熱を抑制することができ、しかも、経時変化によるトルク変動にも対応することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例であるステッピングモータ制御装置100を示すブロック図である。
【図2】定電流制御領域において、トルクと入力電流/巻線電流比率との関係を示す図である。
【図3】トルクと巻線電流との関係を示す図である。
【図4】上記実施例において、二相励磁方式時の動作タイミングチャートを示す図である。
【図5】上記実施例における実電流波形を示す図である。
【図6】本発明の第2の実施例であるステッピングモータ制御装置200を示すブロック図である。
【図7】ステッピングモータ制御装置200において、定電流制御領域だけでなく定電圧制御領域にも動作が渡ることを示す図である。
【図8】ステッピングモータ制御装置200における入力電流と巻線電流との特性を示す図である。
【図9】ステッピングモータ制御装置200におけるトルクと巻線電流との変化率を示す図である。
【図10】従来のステッピングモータ制御装置300を示す回路図である。
【符号の説明】
100、200…ステッピングモータ制御装置、
10…入力電流検出回路、
20…相励磁パターン生成回路、
30…定電流制御回路、
31…電流検出回路、
32…基準電圧発生回路、
33、34…PWM制御回路、
40…電流比率算出回路、
50…周波数補正係数設定回路。
Claims (1)
- ステッピングモータの定電流制御駆動装置において、
上記ステッピングモータを駆動する駆動回路への入力電流検出手段と;
相または巻線電流を検出する相または巻線電流検出手段と;
基準電圧発生手段と;
上記基準電圧発生手段が出力した電圧レベルに応じて、半導体スイッチ素子の導通期間を制御することによって、上記相または巻線電流を、所定の電流に制御する制御手段と;
上記入力電流検出手段が検出した駆動回路への入力電流と、上記相または巻線電流検出回路が検出した相または巻線電流との比率を算出する電流比率算出手段と;
を有し、上記電流比率算出手段の出力信号に応じて、上記基準電圧発生手段の出力電圧を変更することを特徴とするステッピングモータ制御装置。
Priority Applications (1)
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JP2003052102A JP2004260978A (ja) | 2003-02-28 | 2003-02-28 | ステッピングモータ制御装置 |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2011257737A (ja) * | 2010-05-11 | 2011-12-22 | Ricoh Co Ltd | 画像形成装置用の駆動装置、及びこれを用いた画像形成装置 |
JP2012047800A (ja) * | 2010-08-24 | 2012-03-08 | Canon Inc | 画像形成装置 |
WO2022249704A1 (ja) * | 2021-05-27 | 2022-12-01 | ミネベアミツミ株式会社 | 通信システム、診断装置、及び、診断方法 |
-
2003
- 2003-02-28 JP JP2003052102A patent/JP2004260978A/ja active Pending
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