JP2004064668A - 画像処理装置および画像処理方法ならびにプログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】複数のデバイス間で共通の色再現が可能であり、出力条件を変更しても同じ色味を実現できる画像処理装置を提供することを目的とする。
【解決手段】モニタと画像出力装置3との間のカラーマッチングを行う画像処理装置1であって、画像出力装置3の出力条件を設定する設定手段(18)と、出力条件ごとにあらかじめ格納された色域を取得する取得手段(6)と、モニタにおける所定の色に対してあらかじめ設定された、画像出力装置3の焦点色を読み込む読込手段(8)と、各目標色の色相角に基づいて、共通の色相角を算出する色相角算出手段(7)と、前記所定の色に対する、共通の色相角における制御色を、前記取得手段により取得した色域と、前記各目標色とに基づいて算出する制御色算出手段(9)と、を備え、前記制御色を用いて、色域圧縮によるカラーマッチングを行うことを特徴とする。
【選択図】 図1
【解決手段】モニタと画像出力装置3との間のカラーマッチングを行う画像処理装置1であって、画像出力装置3の出力条件を設定する設定手段(18)と、出力条件ごとにあらかじめ格納された色域を取得する取得手段(6)と、モニタにおける所定の色に対してあらかじめ設定された、画像出力装置3の焦点色を読み込む読込手段(8)と、各目標色の色相角に基づいて、共通の色相角を算出する色相角算出手段(7)と、前記所定の色に対する、共通の色相角における制御色を、前記取得手段により取得した色域と、前記各目標色とに基づいて算出する制御色算出手段(9)と、を備え、前記制御色を用いて、色域圧縮によるカラーマッチングを行うことを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、色再現範囲(以下、色域という)の異なるデバイス間で色変換を行うための画像処理方法及び該画像処理方法を用いた画像処理装置に関するものである。例えば、色域の大きいモニタ上のカラー画像信号を色域の小さいプリンタによりハードコピーする場合のように、異なるデバイス間におけるカラー画像データの入出力を行う場合に用いられる。
【0002】
【従来の技術】
近年、インターネット等のネットワークが広く普及し、多くのユーザが、様々なデバイスをネットワークに接続する状況にある。そこで、異なるデバイス間においても同じような色で色再現しようという、デバイスに依存しない色再現技術が要求されるようになってきた。このデバイスに依存しない色再現技術を実現するためのシステムのことを一般的にカラーマネージメントシステム(CMS)と呼んでいる。
【0003】
このCMSは、例えば、図20に示すように、カメラ、プリンタ、モニタなどが接続されている場合において、入力系の色信号を出力系の色信号へ変換するときに、プロファイルとよばれる変換式もしくは変換テーブルにより、デバイスに依存しない色空間(CIE−XYZ,CIE−L*a*b*等)に一度変換することによって実現される。
【0004】
図21は、CMSの基本的な構成を説明するブロック図である。5201はCMSにおける画像処理装置、5202はカメラなど画像を入力するための画像入力装置、5203はモニタなど画像を表示するための画像表示装置、5204はプリンタなど画像を出力するための画像出力装置、5205は画像入力装置5202より入力される信号を受信する画像入力部、5206は画像表示装置5203で表示するための信号を生成する画像表示部、5207は画像入力装置5202で入力され、画像表示装置5203で表示する色と、画像出力装置5204にて出力される色とのカラーマッチングを行うカラーマッチング処理部、5208は画像出力装置5204に出力するための階調変換処理や色変換処理などを行う画像処理部、5209は画像出力装置5204で出力するための信号を生成する画像出力部、5210は画像入力装置5202などのカメラプロファイルを記憶してあるカメラプロファイル、5211は画像表示装置5203などのモニタプロファイルを記憶してあるモニタプロファイル、5212は画像出力装置5204などのプリンタプロファイルを記憶してあるプリンタプロファイルである。
【0005】
一般に、カラー画像を扱うデバイスの色域形状は、デバイス毎に異なる。例えば、モニタは、赤(R)、緑(G)、青(B)の3原色の蛍光体の発色により加法混色で色再現を行うため、モニタの色域は、使用する蛍光体の種類に依存する。一方、プリンタの色域は、減法混色で色再現を行うため、使用するインクの種類に依存する。例えば、sRGBモニタの色域とインクジェットプリンタの色域とを示したものが図22である。図22は、CIE−L*a*b*色空間から以下の式(1)、(2)を用いて変換される、L*C*平面上での2つの色域を比較したものである。
L*=L* (1)
C*=((a*)2+(b*)2)1/2 (2)
図22に示す色相の場合、インクジェットプリンタの色域は、モニタ色域に比べ彩度のピークが明度方向で低明度側にずれている。このため、モニタからプリンタへの色変換を行った場合、高明度、高彩度領域での色再現性が良くない。
【0006】
このように、出力系の色域が入力系の色域より小さい場合には、画像によっては入力系の色を出力系において正確に色再現することが不可能となる。例えば、モニタ上の画像をプリンタで出力する場合、モニタ色域よりもプリンタ色域の方が小さいため、プリンタ色域外の色はそのまま再現できない。従ってこのような場合には、元の画像の色をなるべく保ちつつ、色域外の色を色域内に持ってくるような色変換が必要になる。このように、物理的に再現不可能な色を、何らかの処理により色域内に押し込むことを一般的に色域圧縮と呼んでいる。
【0007】
従来、色域圧縮の手法としては、図18(a)に示すように、▲1▼明度L*を一定にして彩度C*だけを圧縮するアルゴリズムや、図18(b)に示すように、▲2▼L軸上の固定された1点(例えば、L*=50、このような‘点’で表現される色を焦点色と呼ぶ)に向かって引いた補助線上の点に圧縮するアルゴリズム、図18(c)に示すように、▲3▼出力系の最大彩度における明度軸上の点に向かって引いた補助線上の点に圧縮するアルゴリズムなどが知られている。
【0008】
また、特開平9−46537号公報には、明度を優先しつつ、彩度の低下も大きくならないように考慮したアルゴリズムが開示されている。
【0009】
さらに、最近では、このような明度彩度方向のみ圧縮する2次元圧縮だけでなく、ある程度色相を変化させることで、より色再現性を高めるべく、明度彩度色相方向への3次元圧縮が提案されてきている。
【0010】
このように現在では様々な色域圧縮の手法が提案され、画像処理装置に組み込まれており、接続された各デバイスの色域(例えば、入力系の色域であるモニタ色域と、出力系の色域であるプリンタ色域と)の違いに応じて、各デバイスごとに最適な色域圧縮が行われている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述のように従来の色域圧縮は、一般に、出力系のデバイスの色域ごとにそれぞれ最適な色域圧縮を行っていたため、同じモニタ色を複数の出力系のデバイスで色再現しても、出力系のデバイスの色域がそれぞれ異なっている場合には、異なる色再現となってしまう。
【0012】
さらに、色域の異なる出力系のデバイスにおいても、同じ色味が再現できるように調整を行ったとしても、各デバイスの色域は、出力用紙等の各種出力条件によっても変わってくるため、ユーザがデバイスの出力条件の設定を変更してしまうと、当該デバイスについては同じ色味の色再現ができなくなってしまうという問題があった。
【0013】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、各デバイスの色域の違いによらず、複数のデバイス間で共通の色再現が可能であり、出力条件を変更しても同じ色味を実現できる画像処理装置および画像処理方法を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために本発明に係る画像処理方法は以下のような構成を備える。即ち、
所定の色域を有する第1の画像機器と、該第1の画像機器と異なる色域を有し、かつ相互に異なる色域を有する第2の複数の画像機器との間における色域圧縮によるカラーマッチングを行う画像処理方法であって、
前記第2の画像機器において色再現する際の条件である出力条件を設定する設定工程と、
前記出力条件ごとにあらかじめ格納された前記第2の画像機器の色域を取得する取得工程と、
前記第1の画像機器における所定の色に対してあらかじめ設定された、前記第2の各々の画像機器の目標色を読み込む読込工程と、
前記読み込まれた各目標色の色相角に基づいて、共通の色相角を算出する色相角算出工程と、
前記所定の色に対する、前記共通の色相角における色域圧縮の方向が等しくなるように、前記取得工程により取得された前記第2の各々の画像機器の色域と、前記各目標色とに基づいて、前記第2の各々の画像機器ごとに色域圧縮後の色である制御色を算出する制御色算出工程と、を備え、
前記制御色を用いて、色域圧縮によるカラーマッチングを行うことを特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】
はじめに本発明の概略について説明する。本発明は、各デバイスの色域の違いを考慮して、複数のデバイス間で共通の色再現を実現するものであり、共通の色再現を実現するにあたっては、各デバイスごとの色域を最大限に利用する。
【0016】
つまり、同じモニタ色を色域圧縮する場合、各デバイス毎に異なる色域を有するため、従来であれば、色域圧縮後の明度、彩度、色相がそれぞれのデバイスごとに異なっていたところ、本発明によれば、同じモニタ色を色域圧縮する場合、各デバイス間の色相が共通になるように(同一色相面上で)色域圧縮することで、各デバイス間の色味の同一性が増す。
【0017】
また、同一色相面上において、同一の2次元圧縮線上(詳細は後述)に色域圧縮することで、異なるデバイス間における、色味の同一性を更に増すことが可能となる。
【0018】
さらに、あらかじめ各種出力条件ごとの色域を格納しておき、ユーザが出力条件を変更した場合であっても、当該出力条件に対応した色域を読み込み、上述の色域圧縮に用いることで、出力条件が変更されても、色味の同一性を保つことが可能となる。以下に、添付図面を参照しながら、本発明の実施形態を詳細に説明する。
【0019】
【第1の実施形態】
図1は本発明の実施形態にかかる画像処理装置を備えるシステムの構成を示したブロック図である。1は本発明の第1の実施形態である画像処理装置であり持ち運びが可能なハンディタイプでかつ色測定のためのセンサが付属している。
【0020】
2は画像出力装置3に付属の画像処理装置、3はプリンタなど画像を出力するための画像出力装置、4は画像処理装置1に付属したハンディタイプの色測定のためのセンサ部、5は画像処理装置2とデータのやりとりなどの通信を行う通信インタフェース部、6はセンサ部4にて測定したデータを保持しておく測定データ保持部、7は色域圧縮する際の色相変換に用いる色相角設定部、8は2次元色域圧縮を行う際にグレー軸上に設ける焦点色を設定する焦点色設定部、9は色域圧縮する際に使用する制御点の設定を行う制御点設定部、10は画像表示装置(不図示)に表示される色と画像出力装置3にて出力される色とのカラーマッチングLUTを作成するカラーマッチングLUT作成部、11は色相値と焦点色とを記憶しておく色相値・焦点色記憶部、12はオリジナル色を記憶するオリジナル色記憶部、13はセンサ部4を制御するセンサ制御部、14は各種データ処理を行うために一時的にデータを保存するデータバッファ、15は画像表示装置(不図示)などのモニタプロファイルを記憶しておくモニタプロファイル、16は画像出力装置3などのプリンタプロファイルを記憶してあるプリンタプロファイル、17はユーザが画像処理装置1を用いて操作を行うためのUI部、18は画像出力装置3で用いる出力用紙、出力機器等の出力条件を設定する出力条件設定部、19はユーザが指定した目標色を設定する目標色設定部である。
【0021】
<全体処理>
ここで図2は、画像処理装置1にて行われる画像処理の流れを示すフローチャートであり、図14は、ユーザがその処理を操作するユーザインタフェース(UI)である。では、図2のフローチャートと図14のUIを用い、画像処理装置1にて行われる色域圧縮処理について詳細に説明する。
【0022】
ステップS201では、パッチ出力ボタン1412を押下することで画像出力装置3を用い、ユーザによって出力機器設定領域1403、出力用紙設定領域1404及び色再現モード設定領域1405のプルダウン形式で選択された、画像出力装置3で出力する時の出力条件(出力機器、出力用紙、色再現モード)での色域データGonを作成するためのパッチを出力する。
【0023】
ここで出力機器として、画像出力装置3のみ示してあるが、一つに限定しない。複数の出力機器を画像処理装置2に接続させておき、それぞれの機器を用い出力してもよい。具体的には、RGB各9段階のデータ(計729色)のパッチを用いる。
【0024】
ステップS202では、センサ部4を用い、ステップS201で出力した各カラーパッチの色を測定し測定データ保持部6で測定データRを保持する。色を測定する値は多々あるが、ここではCIE−L*a*b*色空間のL*a*b*値を測定することとする。ステップS203では、データ読込みボタン1413を押下することでステップS202で測定した測定データRをデータバッファ14に書き込む。
【0025】
ステップS204では、ユーザによって出力機器設定領域1403、出力用紙設定領域1404及び色再現モード設定領域1405のプルダウン形式で選択された、画像出力装置3で出力する時の出力条件(出力機器、出力用紙、色再現モード)の情報を取得する。
【0026】
ステップS205では、目標色設定の有無を判別する。目標色入力ボタン1406を押下し目標色設定領域1402において目標色Refを設定する場合は、ステップS206へ進み、目標色Refを指定しない場合はステップS209へ進む。目標色Refとは、たとえばユーザが色味を一致させて出力したいプリンタまたはモニタがある場合、このプリンタの出力した色またはモニタ色とマッチングする色のCIE−L*C*h色空間上のL*C*hデータN色をさしている。目標色Refは、図15に示すようなテーブルデータとして目標色設定部19にあらかじめ記憶しておくものとする。目標色Refをユーザの要求に従い追加できるよう構成してもよい。
【0027】
ステップS206では、目標色に設定するファイル名を入力し目標色設定ボタン1410を押下することで目標色設定部19より目標色Refデータを取得する。ステップS207では、色相角の設定を行う。色相角設定の詳細は、図3のフローチャートを用い後述する。ステップS208では、焦点色Lstを設定する。焦点色設定の詳細は、図4のフローチャートを用い後述する。
【0028】
ステップS209では、ステップS204で取得した出力条件における色相値Ghを色相値・焦点色記憶部11から読み出し、色域変換後の色相角Havに設定し、データバッファ14へ書き込む。
【0029】
ステップS210では、ステップS204で取得した出力条件における焦点色Lstを色相値・焦点色記憶部11から読出しデータバッファへ書き込む。ここで、色相値Ghと焦点色Lstは、出力条件ごとに色相値・焦点色記憶部11にテーブルデータとして記憶しておくものとする。
【0030】
ステップS211では、制御点設定を行う。制御点設定の詳細は図5のフローチャートを用い後述する。ステップS212では、ステップS211にて設定された制御点を使用してカラーマッチングLUTを作成する。カラーマッチングLUT作成の詳細は、図8のフローチャ−トを用い後述する。ステップS213では、ステップS212で作成したカラーマッチングLUTを画像処理装置2へ送付する。
【0031】
<色相角設定>
次に図3を用い、ステップS207の色相角Hav設定の詳細を説明する。ステップS301では、制御点に設定する制御点数N(Nは整数)を初期化する。制御点とは、本実施形態における色域圧縮において、補間演算を制御する色度点のことであり、本実施形態では制御点数Nを18としている。
【0032】
ステップS302では、目標色設定部19で取得した複数(または1つ)の目標色Refデータを入力する。ステップS303では、ステップS302において入力した目標色Refの平均色相角H’を計算する。ここで、図11を用いてステップS303を詳細に説明する。
【0033】
図11は、CIE−L*a*b*色空間のa*b*平面である。図11に示す通り、本実施形態では、色相角H’を目標色(Ref1、Ref2、Ref3)の色相角平均を算出して求めているが、マンセル空間上でマンセルHueの平均を計算する等、他の計算方法でも構わない(つまり、入力された複数の目標色間で、共通の色相角H’が定義されればよい)。
【0034】
ステップS304では、ステップS303において算出した目標色Refの平均色相角H’を色域圧縮後の色相角Havに設定する。ステップS305では、テーブルデータとして一時保存するために、色相角Havをデータバッファ14に書き込む。
【0035】
ステップS306では、Nが制御点数分ループを行っていない場合はステップS307へ進みNに1を加えてステップS302へ進み、N値が制御点数分(本実施形態では、制御点数は18)に達した場合は、処理を終了する。本実施形態では、Nを18(RGBCMY各々についてBright,Dark,Primary)としているが、18色に限定しないのはもちろん、色の成分についても限定しないのは言うまでもない。
【0036】
<焦点色設定>
次に図4を用い、ステップS208である焦点色Lst設定の詳細を説明する。ステップS401では、制御点に設定する制御点数Nを初期化する。ステップS402では、目標色設定部19で取得した複数(または1つ)の目標色Refデータを入力する。
【0037】
ステップS403では、データバッファ14から色相角Havを読み出す。ステップS404では、オリジナル色記憶部12からオリジナル色ORcを読み出す。ここで、オリジナル色ORcは、モニタである画像表示装置(不図示)に表示されている色を示し、図10のようなテーブルデータとしてオリジナル色記憶部12に保存しておく。図10において、Nは制御点数、R,G,Bは画像表示装置(不図示)へ入力するデジタルデータ、Lm,Cm,hmは画像表示装置(不図示)にて表示される測色値(CIE−L*C*h色空間における値)である。
【0038】
ステップS405では、オリジナル色ORcに色相変換を施したORmを算出する。ここで、オリジナル色ORcとオリジナル色ORmとの関係について図9を用いて詳細に説明する。図9は、CIE−L*a*b*色空間におけるa*b*平面である。図9は、オリジナル色ORc(○印)を色相角Havへと色相変換した色ORm(△印)を表している。
【0039】
ステップS406では、目標色Refと最短距離となる直線(かかる直線を2次元圧縮線と呼ぶ)を算出する。ここで、ステップS406について図12を用いて詳細に説明する。図12は、CIE−L*C*h色空間上のL*C*平面である。図12に示す通り、色相変換後のオリジナル色ORmを通り、目標色Ref1、Ref2、Ref3との距離が最短である、グレー軸上の一点(焦点色)Lstに向かって引く直線Lを算出する。当該方向がオリジナル色ORmに対する色域圧縮の方向である。なお、本実施形態では、2次元圧縮線Lの算出にあたり、目標色との距離が最短である直線(最小二乗近似による直線)を求めているが、他の近似曲線などでも構わない。
【0040】
ステップS407では、ステップS406で算出した2次元圧縮線Lの切片L’stを焦点色Lstに設定する。ステップS408では、ステップS407で求めた焦点色Lstをデータバッファ14に書き込む。ステップS409では、制御点数N色分ループが回っていない場合、ステップS410へ進み、Nに1を加えてステップS402へ進み,N色分ループが回った場合はこの処理を終える。
【0041】
<制御点設定>
次に図5を用い、ステップS211である制御点設定の詳細を説明する。ステップS501では、制御点に設定する制御点数Nを初期化する。ステップS502では、データバッファ14から焦点色Lst、オリジナル色ORmを読み出す。ステップS503では、プリンタプロファイルから色変換処理を行うプリンタの色域データGonを読み出す。上述のように、色域データGonは、プリンタに送られるデジタルデータRGBを出力した結果の測色データLabのデータであり、具体的には、RGB各9段階のデータ(計729色)の出力結果のL*a*b*値である。
【0042】
ステップS504では、色相変換後のオリジナル色ORmと焦点色Lstを結ぶ直線(2次元圧縮線)Lを算出する。ここで、2次元圧縮線Lと焦点色Lstの詳細な説明を図13を用いて説明する。図13は、CIE−L*a*b*色空間から変換されるL*C*平面である。上述のように2次元圧縮線Lは、色相変換後のオリジナル色ORmからL*軸上のLstへ向けて引いた直線である。ただし、ここでも2次元圧縮線Lを直線としているが、直線に限定しないのは言うまでもない。
【0043】
ステップS505では、色域データGonと2次元圧縮線Lとの交点Xlabを算出する(図13参照)。このようにして求められた交点Xlabが、オリジナル色ORmに対する、色域データGonを有するプリンタへの色域圧縮後の色となる(かかる色が制御色である)。
【0044】
図12と対応付けて説明すると、2次元圧縮線Lと各プリンタの色域1201乃至1203との交点が各プリンタに対する制御色となる。このように、各プリンタごとの目標色(Ref1〜Ref3)に基づいて2次元圧縮線Lを求め、該2次元圧縮線Lにより制御点を算出することで、オリジナル色ORmに対する色域圧縮の方向は等しくなる。なお、色域データGonと2次元圧縮線Lとの交点Xlab算出の詳細な説明は、図6のフローチャートを用い後述する。
【0045】
ステップS506では、ステップS505で計算した交点Xlabを制御点に設定する。ステップS507では、N値が規定値に達していれば(本実施形態の場合、規定値は18)この処理を終え、達していなければステップS508へ進み、制御点数Nに1を加えステップS502に戻る。
【0046】
<カラーマッチングLUT作成>
次に図8を用い、ステップS208であるカラーマッチングLUT作成処理の詳細を説明する。ステップS801では、制御点数Nが格子点データM3を含む場合は、ステップS810へ進み、格子点データM3を含まない場合はステップS802に進む。
【0047】
ステップS802では、変数Colを1に初期化している。ここで、Colは次ステップである、ループ内処理をRGBCMYの6色行うための変数である。ステップS803では、写像元(入力系色域)White−Primary−Blackライン上の色相補間処理を行う。本実施形態(制御点数N=18、格子点グリット数M=9)では、写像元のWhite−Primary−Blackライン上には、5色(Primary,Bright,Dark+White,Black)のオリジナル色しか存在していないため、残りの12色の色度を算出し、補間により色相線を設定する。ステップS804では、前記ステップS803で補間演算により算出したWhite−Primary−Black線上の12色に対応した、色域圧縮するための焦点色L’stを算出する。残り12色の焦点色L’stは、5色のオリジナル色ORcとそれに対応する5色の焦点色Lstの関係を用いて補間演算を行うことで算出する。
【0048】
ステップS805では、ステップS803及びステップS804で算出したオリジナル色OR’cと焦点色L’stを用いて2次元圧縮線Lを算出する。ステップS806では、色数Col値が6以上であればステップS807へ進み、Col値が5以下ならばステップS812へ進み、変数Colに1を加えステップS803へ進む。
【0049】
ステップS807では、色域データGonと2次元圧縮線Lとの交点Xlabを算出する。ステップS808では、ステップS603で求めたオリジナル色OR’cとステップS607で算出した交点XlabとステップS605で算出した2次元圧縮線Lを用い、残りの全ての格子点データM3に対して、対応する写像先を求める。ここでは、入力系色域とプリンタ色域との関係(体積比など)によって、線形(または非線形)の色域圧縮を行う。
【0050】
ステップS809では、ステップS808で行った写像先をM3格子点データの制御点に設定する。ステップS810では、N色の中からM3の格子点データ分を取り出す。ステップS811では、ステップS809で設定した制御点及び、ステップS810で取り出したデータからMグリットのカラーマッチングLUTを作成する。ここで、本実施形態では格子点グリット数Mを9としているが、格子点グリット数Mは9に限定しないのは言うまでもない。
【0051】
<色域データと2次元圧縮線との交点算出>
次に図6、図7、図19を用い、ステップS507である色域データGonと2次元圧縮線Lとの交点Xlab算出処理の詳細を説明する。図19は色域データGonをRGB色空間で表現したものである(つまり、交点Xlabは常に図19の色立体の表面に存在することになる)。
【0052】
ステップS601では、変数Colを1に初期化する。Colは、RGBCMYの6色分のループを回すための変数で、6回のループで、RGB座標における色立体(図19参照) を構成する6平面(R=0,G=0,B=0,R=255,G=255,B=255)の全平面において、2次元圧縮線Lと色域データGonとの交点検索を行っている。
【0053】
ステップS602では、変数iを0に初期する。ステップS603では、変数jを0に初期化する。ここで、図7を用いて、変数i,jの詳細な説明を行う。図7に示す通り、変数i,jはRGB座標における色立体平面上の格子点上を動く変数である。
【0054】
ステップS604では、ある色立体のある平面上の(i,j),(i+1,j),(i,j+1)の三点(図7(a)参照)におけるCIE−L*a*b*値から3点を通る平面Hnを計算する。ステップS605では、ステップS604で作成した平面Hnと2次元圧縮線Lとの交点を算出する。ステップS606では、ステップS605で計算した交点が、ステップS604の三点で作る三角形内に入っているかの判定を行い、交点が三角形内に存在すればステップS617へ、交点が三角形内に存在しなければステップS607へ進む。
【0055】
ステップS607では、変数jの判定を行いjが格子点数M−1より小さい時はステップS618へ進みステップS618でjに1を加えてステップS604へ進み、jがM−1以上の時はステップS608へ進む。
【0056】
ステップS608では、変数iの判定を行い、iがM−1より小さいときはステップS619へ進みステップS619でiに1を加えてS603へ進み、iがM−1以上の時はステップS609へ進む(ここまでの処理で、図7(a)の領域の交点検索終了)。
【0057】
ステップS609では、iの初期化を行う。ステップS610では、jの初期化を行う。ステップS611では、色立体のある平面上の(i,j),(i−1,j),(i,j−1)の三点(図7(b)参照)におけるCIE−L*a*b*値から平面Hnを作成する。
【0058】
ステップS612では、2次元圧縮線LとステップS611で作成した平面Hnとの交点を算出する。ステップS613では、ステップS612で算出した交点がステップS611での三点で囲まれる三角形内に含まれるかの判定を行い、含まれる時はステップS617へ、交点が三角形内に含まれない時はステップS614へ進む。
【0059】
ステップS614では、jの判定を行い、jがMより小さい時はステップS620へ進みステップS620でjに1を加えてステップS611へ進み、jがM以上の時はステップS615へ進む。
【0060】
ステップS615は、iの判定を行い、iがMより小さいときはステップS621へ進みステップS621でiに1を加えてステップS610、iがM以上のときはステップS616へ進む。
【0061】
ステップS616では、変数Colの判定を行い、Colが6以外の時はステップS622にてColに1を加えてステップS602へ進み、Colが6の時はステップS617へ進む(ここまでの処理で図7(b)の領域の交点検索終了)。ステップS617では、ステップS606もしくはS613にて判定をし、三角形の内部に存在した交点を、色域データGonと2次元圧縮線Lの交点Xlabに決定する。
【0062】
以上、本実施形態によれば、目標とする1つまたは複数のデバイスの目標色を用い、色相別に色変換のための焦点色を算出し、2次元圧縮線Lを設定し制御点Xlabを求めることで、複数のデバイス間で共通の色再現を実現する色域圧縮を行うことができる。
【0063】
また、制御点Xlabを求めるにあたっては、あらかじめ出力条件ごとに色域を測定しておき、ユーザが設定した出力条件(出力機器、出力用紙、色再現モード等)に応じた色域を用いることで、出力条件を変更しても、共通の色再現を実現することができる。
【0064】
【第2の実施形態】
上記第1の実施形態では、接続された複数のデバイスにおいて、共通の色再現を実現すべく、1つの画像処理装置で処理を行うこととしたが、これに限らず、クライアント側画像処理装置とサーバ側画像処理装置とにわけて、処理を行うようにしてもよい。以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態を説明する。
【0065】
図16は本発明の第2の実施形態にかかる画像処理装置を備えるシステムの構成を示したブロック図である。1601は本発明の第2の実施形態にかかる画像処理装置でありネットワークで接続されている画像処理サーバである。
【0066】
1602は画像出力装置1603に付属のクライアント側の画像処理装置、1603はプリンタなどの画像を出力するためのクライアント側の画像出力装置である。
【0067】
サーバ側の画像処理装置1601において、1604はネットワーク上のクライアント側の機器との通信を行う通信インタフェース部、1605はネットワーク上のクライアント側の画像処理装置1602からの色域データを登録する色域データ登録部、1606は色域圧縮する際の色相変換に用いる色相角設定部、1607は2次元色域圧縮を行う際にグレー軸上に設ける焦点色を設定する焦点色設定部、1608はモニタなどの画像表示装置(不図示)に表示される色と画像出力装置1603にて出力される色とのカラーマッチングを作成するカラーマッチングLUT作成部、1609は出力目的別に色相値・焦点色を記憶しておく色相値・焦点色記憶部、1610はオリジナル色を記憶するオリジナル色記憶部、1611は、カラーマッチングLUTを登録するカラーマッチングLUT登録部、1612はユーザが指定した目標色を設定する目標色設定部、1613は画像表示装置(不図示)などのモニタプロファイルを記憶しておくモニタプロファイル、1614は画像出力装置1603などのプリンタプロファイルを記憶してあるプリンタプロファイル、1615は各種データ処理を行うために一時的にデータを保存するデータバッファ、1616はユーザが画像処理装置1601を用いて操作を行うためのUI部、1626は画像処理装置1602からの出力条件を登録する出力条件登録部である。
【0068】
また、クライアント側の画像処理装置1602において、1617は画像出力装置1603で出力するための信号を生成する画像出力部、1618は画像表示装置(不図示)に表示される色と画像出力装置1603にて出力される色とのカラーマッチングを行うカラーマッチング処理部、1619は画像出力装置1603に出力するための階調変換処理や色変換処理などを行う画像処理部、1620は画像表示装置(不図示)に表示される色を画像出力装置1603で出力する時の出力条件を設定する出力条件設定部、1621はユーザが画像処理装置1602を用いて操作を行うためのUI部、1622はネットワーク上のサーバ側の画像処理装置1601との通信を行う通信インタフェース部、1623は画像表示装置(不図示)などのモニタプロファイルを記憶してあるモニタプロファイル、1624は画像出力装置1603などのプリンタプロファイルを記憶してあるプリンタプロファイル、1625は画像出力装置1603にて出力する画像を一時的に保存しておく画像バッファである。
【0069】
<全体処理>
ここで図17は、画像処理装置1601にて行われる画像処理の流れを示すフローチャートである。なお、図17に示すフローチャートはサーバ側、クライアント側それぞれの画像処理装置(1601、1602)において、それぞれの通信インタフェースを介してやり取りする様子を示したものである。では、図17のフローチャートを用い、サーバ側画像処理装置1601及びクライアント側画像処理装置1602にて行われる色域圧縮について詳細に説明する。なお、UI部にて表示される内容は上記第1の実施形態で示した図14と同様である。
【0070】
ステップS1701では、クライアント側のプリントプロファイル1624から色域データGonを取り出しサーバ側画像処理装置1601へ送付する。なお、プリンタプロファイル1624に該当する色域データGonがない場合は、画像出力装置1603を用いカラーパッチを出力、測色することで色域データGonを作成するものとする。
【0071】
ステップS1702では、サーバ側画像処理装置1602の色域データ登録部1605にステップS1701で送付された色域データGonを登録する。ステップS1703では、クライアント側画像処理装置1602の出力条件設定部1620で設定された出力条件をサーバ側画像処理装置1601へ送付する。ステップS1704では、サーバ側画像処理装置1601の出力条件登録部1626にステップS1703にて送付された出力条件を登録する。
【0072】
ステップS1705では、ステップS1702にて登録した色域データGonをデータバッファ1615へ書き込む。ステップS1706では、ステップS1704にて登録した出力条件をデータバッファ1615へ書き込む。ステップS1707は目標色設定の有無を判別する。ここで目標設定有無の判別は、第1の実施形態のステップS205と同様の処理のためここでは説明を省略する。
【0073】
ステップS1708では、クライアント側の画像処理装置1602の目標色設定部にて設定された目標色Refデータをサーバ側の画像処理装置1601へ送付する。ステップS1709では、サーバ側の画像処理装置1601の目標色設定部1612にステップS1708にて送付された目標色Refデータを登録する。
【0074】
ステップS1710では、ステップS1709にて登録した目標色Refデータをデータバッファ1615へ書き込む。ステップS1711からステップS1716までの処理は、第1の実施形態のステップS207からステップS212の処理と同様のためここでは省略する。
【0075】
ステップS1717では、サーバ側の画像処理装置1601のカラーマッチングLUT登録部1611にステップS1716で作成したカラーマッチングLUTをプリンタプロファイル1614に書き込むことによって登録する。ステップS1718では、ステップS1716で作成したカラーマッチングLUTをクライアント側画像処理装置1602が受理する。
【0076】
以上のように本実施形態によれば、クライアント側での出力条件に応じたカラーマッチングLUTをサーバ側が作成し、クライアント側に送付することでクライアント側であるユーザの条件に適したカラーマッチングのためのLUTをユーザが獲得することができる。
【0077】
【第3の実施形態】
上記第1および第2の実施形態では、ユーザが入力する目標色数を、R,G,B,C,M,Y各々Primary,Bright,Darkの18色としたがこれに限定しない。求める精度、目的に応じ変化させてよいことは言うまでもない。
【0078】
【第4の実施形態】
上記第1の実施形態におけるステップS211、上記第2の実施形態におけるステップS1713では、色域圧縮を行う際使用する制御点数を、R,G,B,C,M,Y各々Primary,Bright,Darkの18色としたがこれに限定しない。求める精度、目的に応じ変化させてよいことは言うまでもない。
【0079】
【第5の実施形態】
上記第1の実施形態におけるステップS212、上記第2の実施形態におけるステップS1716では、作成するカラーマッチングLUTの格子点グリット数を9としたがこれに限定しない。求める精度、目的に応じて変化させてよいことは言うまでもない。
【0080】
【第6の実施形態】
前記実施形態では、図14のユーザインタフェース(以下UI)の例として、ボタンによる選択方法とプルダウン形式による選択方法を示したが、これに限定されないことは、言うまでもない。メニュー形式にして、ユーザに選択させるようなUIでも構わない。また、キーワードを直接入力させるようなUI形式でも構わない。つまり、ユーザの所望の設定ができるようなUI構成であればよい。
【他の実施形態】
なお、本発明は、複数の機器(例えばホストコンピュータ、インタフェイス機器、リーダ、プリンタなど)から構成されるシステムに適用しても、一つの機器からなる装置(例えば、複写機、ファクシミリ装置など)に適用しても良い。
また、本発明の目的は、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体を、システムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUまたはMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出し実行することによっても達成されることは言うまでもない。
【0081】
この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【0082】
プログラムコードを供給するための記憶媒体としては、例えば、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROMなどを用いることが出来る。
【0083】
また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOS(オペレーティングシステム)などが実際の処理の一部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0084】
さらに、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0085】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、各デバイスの色域の違いによらず、複数のデバイス間で共通の色再現が実現でき、出力条件を変更しても同じ色味を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態にかかる画像処理装置を備えるシステムのブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施形態にかかる画像処理装置の全体処理の流れを説明するフローチャートである。
【図3】本発明の第1の実施形態にかかる画像処理装置における色相角設定処理を説明するフローチャートである。
【図4】本発明の第1の実施形態にかかる画像処理装置における焦点色設定処理を説明するフローチャートである。
【図5】本発明の第1の実施形態にかかる画像処理装置における制御点設定処理を説明するフローチャートである。
【図6】本発明の第1の実施形態にかかる画像処理装置における、色域データと2次元圧縮線との交点の計算方法を説明するフローチャートである。
【図7】本発明の第1の実施形態にかかる画像処理装置における、色域データと2次元圧縮線との交点の計算方法を説明する図である。
【図8】本発明の第1の実施形態にかかる画像処理装置におけるカラーマッチングLUT作成方法を説明するフローチャートである。
【図9】オリジナル色の色相変換をa*−b*平面上で説明する図である。
【図10】オリジナル色の一例を示す図である。
【図11】本発明の第1の実施形態にかかる画像処理装置における色相角設定処理を説明する図である。
【図12】本発明の第1の実施形態にかかる画像処理装置における焦点色設定処理を説明する図である。
【図13】本発明の第1の実施形態にかかる画像処理装置における、最も基本的な2次元圧縮を説明する図である。
【図14】本発明の第1に実施形態にかかる画像処理装置におけるユーザインタフェースの一例を示す図である。
【図15】目標色の一例を示す図である。
【図16】本発明の第2に実施形態にかかる画像処理装置を備えるシステムのブロック図である。
【図17】本発明の第2の実施形態にかかる画像処理装置におけるカラーマッチングLUT作成方法を説明するフローチャートである。
【図18】従来の色域圧縮方法を説明する図である。
【図19】色立体を説明する図である。
【図20】カラーマネージメントシステムの構成図である。
【図21】カラーマネージメントシステムの基本的な構成を説明するブロック図である。
【図22】モニタの色域とプリンタの色域の相違をL*−C*平面上で説明する図である。
【符号の説明】
1・・・画像処理装置
2・・・画像処理装置
3・・・画像出力装置
4・・・センサ部
5・・・通信インタフェース部
6・・・測定データ保持部
7・・・色相角設定部
8・・・焦点色設定部
9・・・制御点設定部
10・・・カラーマッチングLUT作成部
11・・・色相値・焦点色記憶部
12・・・オリジナル色記憶部
13・・・センサ制御部
14・・・データバッファ
15・・・モニタプロファイル
16・・・プリンタプロファイル
17・・・UI部
18・・・出力条件設定部
19・・・目標色記憶部
【発明の属する技術分野】
本発明は、色再現範囲(以下、色域という)の異なるデバイス間で色変換を行うための画像処理方法及び該画像処理方法を用いた画像処理装置に関するものである。例えば、色域の大きいモニタ上のカラー画像信号を色域の小さいプリンタによりハードコピーする場合のように、異なるデバイス間におけるカラー画像データの入出力を行う場合に用いられる。
【0002】
【従来の技術】
近年、インターネット等のネットワークが広く普及し、多くのユーザが、様々なデバイスをネットワークに接続する状況にある。そこで、異なるデバイス間においても同じような色で色再現しようという、デバイスに依存しない色再現技術が要求されるようになってきた。このデバイスに依存しない色再現技術を実現するためのシステムのことを一般的にカラーマネージメントシステム(CMS)と呼んでいる。
【0003】
このCMSは、例えば、図20に示すように、カメラ、プリンタ、モニタなどが接続されている場合において、入力系の色信号を出力系の色信号へ変換するときに、プロファイルとよばれる変換式もしくは変換テーブルにより、デバイスに依存しない色空間(CIE−XYZ,CIE−L*a*b*等)に一度変換することによって実現される。
【0004】
図21は、CMSの基本的な構成を説明するブロック図である。5201はCMSにおける画像処理装置、5202はカメラなど画像を入力するための画像入力装置、5203はモニタなど画像を表示するための画像表示装置、5204はプリンタなど画像を出力するための画像出力装置、5205は画像入力装置5202より入力される信号を受信する画像入力部、5206は画像表示装置5203で表示するための信号を生成する画像表示部、5207は画像入力装置5202で入力され、画像表示装置5203で表示する色と、画像出力装置5204にて出力される色とのカラーマッチングを行うカラーマッチング処理部、5208は画像出力装置5204に出力するための階調変換処理や色変換処理などを行う画像処理部、5209は画像出力装置5204で出力するための信号を生成する画像出力部、5210は画像入力装置5202などのカメラプロファイルを記憶してあるカメラプロファイル、5211は画像表示装置5203などのモニタプロファイルを記憶してあるモニタプロファイル、5212は画像出力装置5204などのプリンタプロファイルを記憶してあるプリンタプロファイルである。
【0005】
一般に、カラー画像を扱うデバイスの色域形状は、デバイス毎に異なる。例えば、モニタは、赤(R)、緑(G)、青(B)の3原色の蛍光体の発色により加法混色で色再現を行うため、モニタの色域は、使用する蛍光体の種類に依存する。一方、プリンタの色域は、減法混色で色再現を行うため、使用するインクの種類に依存する。例えば、sRGBモニタの色域とインクジェットプリンタの色域とを示したものが図22である。図22は、CIE−L*a*b*色空間から以下の式(1)、(2)を用いて変換される、L*C*平面上での2つの色域を比較したものである。
L*=L* (1)
C*=((a*)2+(b*)2)1/2 (2)
図22に示す色相の場合、インクジェットプリンタの色域は、モニタ色域に比べ彩度のピークが明度方向で低明度側にずれている。このため、モニタからプリンタへの色変換を行った場合、高明度、高彩度領域での色再現性が良くない。
【0006】
このように、出力系の色域が入力系の色域より小さい場合には、画像によっては入力系の色を出力系において正確に色再現することが不可能となる。例えば、モニタ上の画像をプリンタで出力する場合、モニタ色域よりもプリンタ色域の方が小さいため、プリンタ色域外の色はそのまま再現できない。従ってこのような場合には、元の画像の色をなるべく保ちつつ、色域外の色を色域内に持ってくるような色変換が必要になる。このように、物理的に再現不可能な色を、何らかの処理により色域内に押し込むことを一般的に色域圧縮と呼んでいる。
【0007】
従来、色域圧縮の手法としては、図18(a)に示すように、▲1▼明度L*を一定にして彩度C*だけを圧縮するアルゴリズムや、図18(b)に示すように、▲2▼L軸上の固定された1点(例えば、L*=50、このような‘点’で表現される色を焦点色と呼ぶ)に向かって引いた補助線上の点に圧縮するアルゴリズム、図18(c)に示すように、▲3▼出力系の最大彩度における明度軸上の点に向かって引いた補助線上の点に圧縮するアルゴリズムなどが知られている。
【0008】
また、特開平9−46537号公報には、明度を優先しつつ、彩度の低下も大きくならないように考慮したアルゴリズムが開示されている。
【0009】
さらに、最近では、このような明度彩度方向のみ圧縮する2次元圧縮だけでなく、ある程度色相を変化させることで、より色再現性を高めるべく、明度彩度色相方向への3次元圧縮が提案されてきている。
【0010】
このように現在では様々な色域圧縮の手法が提案され、画像処理装置に組み込まれており、接続された各デバイスの色域(例えば、入力系の色域であるモニタ色域と、出力系の色域であるプリンタ色域と)の違いに応じて、各デバイスごとに最適な色域圧縮が行われている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述のように従来の色域圧縮は、一般に、出力系のデバイスの色域ごとにそれぞれ最適な色域圧縮を行っていたため、同じモニタ色を複数の出力系のデバイスで色再現しても、出力系のデバイスの色域がそれぞれ異なっている場合には、異なる色再現となってしまう。
【0012】
さらに、色域の異なる出力系のデバイスにおいても、同じ色味が再現できるように調整を行ったとしても、各デバイスの色域は、出力用紙等の各種出力条件によっても変わってくるため、ユーザがデバイスの出力条件の設定を変更してしまうと、当該デバイスについては同じ色味の色再現ができなくなってしまうという問題があった。
【0013】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、各デバイスの色域の違いによらず、複数のデバイス間で共通の色再現が可能であり、出力条件を変更しても同じ色味を実現できる画像処理装置および画像処理方法を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために本発明に係る画像処理方法は以下のような構成を備える。即ち、
所定の色域を有する第1の画像機器と、該第1の画像機器と異なる色域を有し、かつ相互に異なる色域を有する第2の複数の画像機器との間における色域圧縮によるカラーマッチングを行う画像処理方法であって、
前記第2の画像機器において色再現する際の条件である出力条件を設定する設定工程と、
前記出力条件ごとにあらかじめ格納された前記第2の画像機器の色域を取得する取得工程と、
前記第1の画像機器における所定の色に対してあらかじめ設定された、前記第2の各々の画像機器の目標色を読み込む読込工程と、
前記読み込まれた各目標色の色相角に基づいて、共通の色相角を算出する色相角算出工程と、
前記所定の色に対する、前記共通の色相角における色域圧縮の方向が等しくなるように、前記取得工程により取得された前記第2の各々の画像機器の色域と、前記各目標色とに基づいて、前記第2の各々の画像機器ごとに色域圧縮後の色である制御色を算出する制御色算出工程と、を備え、
前記制御色を用いて、色域圧縮によるカラーマッチングを行うことを特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】
はじめに本発明の概略について説明する。本発明は、各デバイスの色域の違いを考慮して、複数のデバイス間で共通の色再現を実現するものであり、共通の色再現を実現するにあたっては、各デバイスごとの色域を最大限に利用する。
【0016】
つまり、同じモニタ色を色域圧縮する場合、各デバイス毎に異なる色域を有するため、従来であれば、色域圧縮後の明度、彩度、色相がそれぞれのデバイスごとに異なっていたところ、本発明によれば、同じモニタ色を色域圧縮する場合、各デバイス間の色相が共通になるように(同一色相面上で)色域圧縮することで、各デバイス間の色味の同一性が増す。
【0017】
また、同一色相面上において、同一の2次元圧縮線上(詳細は後述)に色域圧縮することで、異なるデバイス間における、色味の同一性を更に増すことが可能となる。
【0018】
さらに、あらかじめ各種出力条件ごとの色域を格納しておき、ユーザが出力条件を変更した場合であっても、当該出力条件に対応した色域を読み込み、上述の色域圧縮に用いることで、出力条件が変更されても、色味の同一性を保つことが可能となる。以下に、添付図面を参照しながら、本発明の実施形態を詳細に説明する。
【0019】
【第1の実施形態】
図1は本発明の実施形態にかかる画像処理装置を備えるシステムの構成を示したブロック図である。1は本発明の第1の実施形態である画像処理装置であり持ち運びが可能なハンディタイプでかつ色測定のためのセンサが付属している。
【0020】
2は画像出力装置3に付属の画像処理装置、3はプリンタなど画像を出力するための画像出力装置、4は画像処理装置1に付属したハンディタイプの色測定のためのセンサ部、5は画像処理装置2とデータのやりとりなどの通信を行う通信インタフェース部、6はセンサ部4にて測定したデータを保持しておく測定データ保持部、7は色域圧縮する際の色相変換に用いる色相角設定部、8は2次元色域圧縮を行う際にグレー軸上に設ける焦点色を設定する焦点色設定部、9は色域圧縮する際に使用する制御点の設定を行う制御点設定部、10は画像表示装置(不図示)に表示される色と画像出力装置3にて出力される色とのカラーマッチングLUTを作成するカラーマッチングLUT作成部、11は色相値と焦点色とを記憶しておく色相値・焦点色記憶部、12はオリジナル色を記憶するオリジナル色記憶部、13はセンサ部4を制御するセンサ制御部、14は各種データ処理を行うために一時的にデータを保存するデータバッファ、15は画像表示装置(不図示)などのモニタプロファイルを記憶しておくモニタプロファイル、16は画像出力装置3などのプリンタプロファイルを記憶してあるプリンタプロファイル、17はユーザが画像処理装置1を用いて操作を行うためのUI部、18は画像出力装置3で用いる出力用紙、出力機器等の出力条件を設定する出力条件設定部、19はユーザが指定した目標色を設定する目標色設定部である。
【0021】
<全体処理>
ここで図2は、画像処理装置1にて行われる画像処理の流れを示すフローチャートであり、図14は、ユーザがその処理を操作するユーザインタフェース(UI)である。では、図2のフローチャートと図14のUIを用い、画像処理装置1にて行われる色域圧縮処理について詳細に説明する。
【0022】
ステップS201では、パッチ出力ボタン1412を押下することで画像出力装置3を用い、ユーザによって出力機器設定領域1403、出力用紙設定領域1404及び色再現モード設定領域1405のプルダウン形式で選択された、画像出力装置3で出力する時の出力条件(出力機器、出力用紙、色再現モード)での色域データGonを作成するためのパッチを出力する。
【0023】
ここで出力機器として、画像出力装置3のみ示してあるが、一つに限定しない。複数の出力機器を画像処理装置2に接続させておき、それぞれの機器を用い出力してもよい。具体的には、RGB各9段階のデータ(計729色)のパッチを用いる。
【0024】
ステップS202では、センサ部4を用い、ステップS201で出力した各カラーパッチの色を測定し測定データ保持部6で測定データRを保持する。色を測定する値は多々あるが、ここではCIE−L*a*b*色空間のL*a*b*値を測定することとする。ステップS203では、データ読込みボタン1413を押下することでステップS202で測定した測定データRをデータバッファ14に書き込む。
【0025】
ステップS204では、ユーザによって出力機器設定領域1403、出力用紙設定領域1404及び色再現モード設定領域1405のプルダウン形式で選択された、画像出力装置3で出力する時の出力条件(出力機器、出力用紙、色再現モード)の情報を取得する。
【0026】
ステップS205では、目標色設定の有無を判別する。目標色入力ボタン1406を押下し目標色設定領域1402において目標色Refを設定する場合は、ステップS206へ進み、目標色Refを指定しない場合はステップS209へ進む。目標色Refとは、たとえばユーザが色味を一致させて出力したいプリンタまたはモニタがある場合、このプリンタの出力した色またはモニタ色とマッチングする色のCIE−L*C*h色空間上のL*C*hデータN色をさしている。目標色Refは、図15に示すようなテーブルデータとして目標色設定部19にあらかじめ記憶しておくものとする。目標色Refをユーザの要求に従い追加できるよう構成してもよい。
【0027】
ステップS206では、目標色に設定するファイル名を入力し目標色設定ボタン1410を押下することで目標色設定部19より目標色Refデータを取得する。ステップS207では、色相角の設定を行う。色相角設定の詳細は、図3のフローチャートを用い後述する。ステップS208では、焦点色Lstを設定する。焦点色設定の詳細は、図4のフローチャートを用い後述する。
【0028】
ステップS209では、ステップS204で取得した出力条件における色相値Ghを色相値・焦点色記憶部11から読み出し、色域変換後の色相角Havに設定し、データバッファ14へ書き込む。
【0029】
ステップS210では、ステップS204で取得した出力条件における焦点色Lstを色相値・焦点色記憶部11から読出しデータバッファへ書き込む。ここで、色相値Ghと焦点色Lstは、出力条件ごとに色相値・焦点色記憶部11にテーブルデータとして記憶しておくものとする。
【0030】
ステップS211では、制御点設定を行う。制御点設定の詳細は図5のフローチャートを用い後述する。ステップS212では、ステップS211にて設定された制御点を使用してカラーマッチングLUTを作成する。カラーマッチングLUT作成の詳細は、図8のフローチャ−トを用い後述する。ステップS213では、ステップS212で作成したカラーマッチングLUTを画像処理装置2へ送付する。
【0031】
<色相角設定>
次に図3を用い、ステップS207の色相角Hav設定の詳細を説明する。ステップS301では、制御点に設定する制御点数N(Nは整数)を初期化する。制御点とは、本実施形態における色域圧縮において、補間演算を制御する色度点のことであり、本実施形態では制御点数Nを18としている。
【0032】
ステップS302では、目標色設定部19で取得した複数(または1つ)の目標色Refデータを入力する。ステップS303では、ステップS302において入力した目標色Refの平均色相角H’を計算する。ここで、図11を用いてステップS303を詳細に説明する。
【0033】
図11は、CIE−L*a*b*色空間のa*b*平面である。図11に示す通り、本実施形態では、色相角H’を目標色(Ref1、Ref2、Ref3)の色相角平均を算出して求めているが、マンセル空間上でマンセルHueの平均を計算する等、他の計算方法でも構わない(つまり、入力された複数の目標色間で、共通の色相角H’が定義されればよい)。
【0034】
ステップS304では、ステップS303において算出した目標色Refの平均色相角H’を色域圧縮後の色相角Havに設定する。ステップS305では、テーブルデータとして一時保存するために、色相角Havをデータバッファ14に書き込む。
【0035】
ステップS306では、Nが制御点数分ループを行っていない場合はステップS307へ進みNに1を加えてステップS302へ進み、N値が制御点数分(本実施形態では、制御点数は18)に達した場合は、処理を終了する。本実施形態では、Nを18(RGBCMY各々についてBright,Dark,Primary)としているが、18色に限定しないのはもちろん、色の成分についても限定しないのは言うまでもない。
【0036】
<焦点色設定>
次に図4を用い、ステップS208である焦点色Lst設定の詳細を説明する。ステップS401では、制御点に設定する制御点数Nを初期化する。ステップS402では、目標色設定部19で取得した複数(または1つ)の目標色Refデータを入力する。
【0037】
ステップS403では、データバッファ14から色相角Havを読み出す。ステップS404では、オリジナル色記憶部12からオリジナル色ORcを読み出す。ここで、オリジナル色ORcは、モニタである画像表示装置(不図示)に表示されている色を示し、図10のようなテーブルデータとしてオリジナル色記憶部12に保存しておく。図10において、Nは制御点数、R,G,Bは画像表示装置(不図示)へ入力するデジタルデータ、Lm,Cm,hmは画像表示装置(不図示)にて表示される測色値(CIE−L*C*h色空間における値)である。
【0038】
ステップS405では、オリジナル色ORcに色相変換を施したORmを算出する。ここで、オリジナル色ORcとオリジナル色ORmとの関係について図9を用いて詳細に説明する。図9は、CIE−L*a*b*色空間におけるa*b*平面である。図9は、オリジナル色ORc(○印)を色相角Havへと色相変換した色ORm(△印)を表している。
【0039】
ステップS406では、目標色Refと最短距離となる直線(かかる直線を2次元圧縮線と呼ぶ)を算出する。ここで、ステップS406について図12を用いて詳細に説明する。図12は、CIE−L*C*h色空間上のL*C*平面である。図12に示す通り、色相変換後のオリジナル色ORmを通り、目標色Ref1、Ref2、Ref3との距離が最短である、グレー軸上の一点(焦点色)Lstに向かって引く直線Lを算出する。当該方向がオリジナル色ORmに対する色域圧縮の方向である。なお、本実施形態では、2次元圧縮線Lの算出にあたり、目標色との距離が最短である直線(最小二乗近似による直線)を求めているが、他の近似曲線などでも構わない。
【0040】
ステップS407では、ステップS406で算出した2次元圧縮線Lの切片L’stを焦点色Lstに設定する。ステップS408では、ステップS407で求めた焦点色Lstをデータバッファ14に書き込む。ステップS409では、制御点数N色分ループが回っていない場合、ステップS410へ進み、Nに1を加えてステップS402へ進み,N色分ループが回った場合はこの処理を終える。
【0041】
<制御点設定>
次に図5を用い、ステップS211である制御点設定の詳細を説明する。ステップS501では、制御点に設定する制御点数Nを初期化する。ステップS502では、データバッファ14から焦点色Lst、オリジナル色ORmを読み出す。ステップS503では、プリンタプロファイルから色変換処理を行うプリンタの色域データGonを読み出す。上述のように、色域データGonは、プリンタに送られるデジタルデータRGBを出力した結果の測色データLabのデータであり、具体的には、RGB各9段階のデータ(計729色)の出力結果のL*a*b*値である。
【0042】
ステップS504では、色相変換後のオリジナル色ORmと焦点色Lstを結ぶ直線(2次元圧縮線)Lを算出する。ここで、2次元圧縮線Lと焦点色Lstの詳細な説明を図13を用いて説明する。図13は、CIE−L*a*b*色空間から変換されるL*C*平面である。上述のように2次元圧縮線Lは、色相変換後のオリジナル色ORmからL*軸上のLstへ向けて引いた直線である。ただし、ここでも2次元圧縮線Lを直線としているが、直線に限定しないのは言うまでもない。
【0043】
ステップS505では、色域データGonと2次元圧縮線Lとの交点Xlabを算出する(図13参照)。このようにして求められた交点Xlabが、オリジナル色ORmに対する、色域データGonを有するプリンタへの色域圧縮後の色となる(かかる色が制御色である)。
【0044】
図12と対応付けて説明すると、2次元圧縮線Lと各プリンタの色域1201乃至1203との交点が各プリンタに対する制御色となる。このように、各プリンタごとの目標色(Ref1〜Ref3)に基づいて2次元圧縮線Lを求め、該2次元圧縮線Lにより制御点を算出することで、オリジナル色ORmに対する色域圧縮の方向は等しくなる。なお、色域データGonと2次元圧縮線Lとの交点Xlab算出の詳細な説明は、図6のフローチャートを用い後述する。
【0045】
ステップS506では、ステップS505で計算した交点Xlabを制御点に設定する。ステップS507では、N値が規定値に達していれば(本実施形態の場合、規定値は18)この処理を終え、達していなければステップS508へ進み、制御点数Nに1を加えステップS502に戻る。
【0046】
<カラーマッチングLUT作成>
次に図8を用い、ステップS208であるカラーマッチングLUT作成処理の詳細を説明する。ステップS801では、制御点数Nが格子点データM3を含む場合は、ステップS810へ進み、格子点データM3を含まない場合はステップS802に進む。
【0047】
ステップS802では、変数Colを1に初期化している。ここで、Colは次ステップである、ループ内処理をRGBCMYの6色行うための変数である。ステップS803では、写像元(入力系色域)White−Primary−Blackライン上の色相補間処理を行う。本実施形態(制御点数N=18、格子点グリット数M=9)では、写像元のWhite−Primary−Blackライン上には、5色(Primary,Bright,Dark+White,Black)のオリジナル色しか存在していないため、残りの12色の色度を算出し、補間により色相線を設定する。ステップS804では、前記ステップS803で補間演算により算出したWhite−Primary−Black線上の12色に対応した、色域圧縮するための焦点色L’stを算出する。残り12色の焦点色L’stは、5色のオリジナル色ORcとそれに対応する5色の焦点色Lstの関係を用いて補間演算を行うことで算出する。
【0048】
ステップS805では、ステップS803及びステップS804で算出したオリジナル色OR’cと焦点色L’stを用いて2次元圧縮線Lを算出する。ステップS806では、色数Col値が6以上であればステップS807へ進み、Col値が5以下ならばステップS812へ進み、変数Colに1を加えステップS803へ進む。
【0049】
ステップS807では、色域データGonと2次元圧縮線Lとの交点Xlabを算出する。ステップS808では、ステップS603で求めたオリジナル色OR’cとステップS607で算出した交点XlabとステップS605で算出した2次元圧縮線Lを用い、残りの全ての格子点データM3に対して、対応する写像先を求める。ここでは、入力系色域とプリンタ色域との関係(体積比など)によって、線形(または非線形)の色域圧縮を行う。
【0050】
ステップS809では、ステップS808で行った写像先をM3格子点データの制御点に設定する。ステップS810では、N色の中からM3の格子点データ分を取り出す。ステップS811では、ステップS809で設定した制御点及び、ステップS810で取り出したデータからMグリットのカラーマッチングLUTを作成する。ここで、本実施形態では格子点グリット数Mを9としているが、格子点グリット数Mは9に限定しないのは言うまでもない。
【0051】
<色域データと2次元圧縮線との交点算出>
次に図6、図7、図19を用い、ステップS507である色域データGonと2次元圧縮線Lとの交点Xlab算出処理の詳細を説明する。図19は色域データGonをRGB色空間で表現したものである(つまり、交点Xlabは常に図19の色立体の表面に存在することになる)。
【0052】
ステップS601では、変数Colを1に初期化する。Colは、RGBCMYの6色分のループを回すための変数で、6回のループで、RGB座標における色立体(図19参照) を構成する6平面(R=0,G=0,B=0,R=255,G=255,B=255)の全平面において、2次元圧縮線Lと色域データGonとの交点検索を行っている。
【0053】
ステップS602では、変数iを0に初期する。ステップS603では、変数jを0に初期化する。ここで、図7を用いて、変数i,jの詳細な説明を行う。図7に示す通り、変数i,jはRGB座標における色立体平面上の格子点上を動く変数である。
【0054】
ステップS604では、ある色立体のある平面上の(i,j),(i+1,j),(i,j+1)の三点(図7(a)参照)におけるCIE−L*a*b*値から3点を通る平面Hnを計算する。ステップS605では、ステップS604で作成した平面Hnと2次元圧縮線Lとの交点を算出する。ステップS606では、ステップS605で計算した交点が、ステップS604の三点で作る三角形内に入っているかの判定を行い、交点が三角形内に存在すればステップS617へ、交点が三角形内に存在しなければステップS607へ進む。
【0055】
ステップS607では、変数jの判定を行いjが格子点数M−1より小さい時はステップS618へ進みステップS618でjに1を加えてステップS604へ進み、jがM−1以上の時はステップS608へ進む。
【0056】
ステップS608では、変数iの判定を行い、iがM−1より小さいときはステップS619へ進みステップS619でiに1を加えてS603へ進み、iがM−1以上の時はステップS609へ進む(ここまでの処理で、図7(a)の領域の交点検索終了)。
【0057】
ステップS609では、iの初期化を行う。ステップS610では、jの初期化を行う。ステップS611では、色立体のある平面上の(i,j),(i−1,j),(i,j−1)の三点(図7(b)参照)におけるCIE−L*a*b*値から平面Hnを作成する。
【0058】
ステップS612では、2次元圧縮線LとステップS611で作成した平面Hnとの交点を算出する。ステップS613では、ステップS612で算出した交点がステップS611での三点で囲まれる三角形内に含まれるかの判定を行い、含まれる時はステップS617へ、交点が三角形内に含まれない時はステップS614へ進む。
【0059】
ステップS614では、jの判定を行い、jがMより小さい時はステップS620へ進みステップS620でjに1を加えてステップS611へ進み、jがM以上の時はステップS615へ進む。
【0060】
ステップS615は、iの判定を行い、iがMより小さいときはステップS621へ進みステップS621でiに1を加えてステップS610、iがM以上のときはステップS616へ進む。
【0061】
ステップS616では、変数Colの判定を行い、Colが6以外の時はステップS622にてColに1を加えてステップS602へ進み、Colが6の時はステップS617へ進む(ここまでの処理で図7(b)の領域の交点検索終了)。ステップS617では、ステップS606もしくはS613にて判定をし、三角形の内部に存在した交点を、色域データGonと2次元圧縮線Lの交点Xlabに決定する。
【0062】
以上、本実施形態によれば、目標とする1つまたは複数のデバイスの目標色を用い、色相別に色変換のための焦点色を算出し、2次元圧縮線Lを設定し制御点Xlabを求めることで、複数のデバイス間で共通の色再現を実現する色域圧縮を行うことができる。
【0063】
また、制御点Xlabを求めるにあたっては、あらかじめ出力条件ごとに色域を測定しておき、ユーザが設定した出力条件(出力機器、出力用紙、色再現モード等)に応じた色域を用いることで、出力条件を変更しても、共通の色再現を実現することができる。
【0064】
【第2の実施形態】
上記第1の実施形態では、接続された複数のデバイスにおいて、共通の色再現を実現すべく、1つの画像処理装置で処理を行うこととしたが、これに限らず、クライアント側画像処理装置とサーバ側画像処理装置とにわけて、処理を行うようにしてもよい。以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態を説明する。
【0065】
図16は本発明の第2の実施形態にかかる画像処理装置を備えるシステムの構成を示したブロック図である。1601は本発明の第2の実施形態にかかる画像処理装置でありネットワークで接続されている画像処理サーバである。
【0066】
1602は画像出力装置1603に付属のクライアント側の画像処理装置、1603はプリンタなどの画像を出力するためのクライアント側の画像出力装置である。
【0067】
サーバ側の画像処理装置1601において、1604はネットワーク上のクライアント側の機器との通信を行う通信インタフェース部、1605はネットワーク上のクライアント側の画像処理装置1602からの色域データを登録する色域データ登録部、1606は色域圧縮する際の色相変換に用いる色相角設定部、1607は2次元色域圧縮を行う際にグレー軸上に設ける焦点色を設定する焦点色設定部、1608はモニタなどの画像表示装置(不図示)に表示される色と画像出力装置1603にて出力される色とのカラーマッチングを作成するカラーマッチングLUT作成部、1609は出力目的別に色相値・焦点色を記憶しておく色相値・焦点色記憶部、1610はオリジナル色を記憶するオリジナル色記憶部、1611は、カラーマッチングLUTを登録するカラーマッチングLUT登録部、1612はユーザが指定した目標色を設定する目標色設定部、1613は画像表示装置(不図示)などのモニタプロファイルを記憶しておくモニタプロファイル、1614は画像出力装置1603などのプリンタプロファイルを記憶してあるプリンタプロファイル、1615は各種データ処理を行うために一時的にデータを保存するデータバッファ、1616はユーザが画像処理装置1601を用いて操作を行うためのUI部、1626は画像処理装置1602からの出力条件を登録する出力条件登録部である。
【0068】
また、クライアント側の画像処理装置1602において、1617は画像出力装置1603で出力するための信号を生成する画像出力部、1618は画像表示装置(不図示)に表示される色と画像出力装置1603にて出力される色とのカラーマッチングを行うカラーマッチング処理部、1619は画像出力装置1603に出力するための階調変換処理や色変換処理などを行う画像処理部、1620は画像表示装置(不図示)に表示される色を画像出力装置1603で出力する時の出力条件を設定する出力条件設定部、1621はユーザが画像処理装置1602を用いて操作を行うためのUI部、1622はネットワーク上のサーバ側の画像処理装置1601との通信を行う通信インタフェース部、1623は画像表示装置(不図示)などのモニタプロファイルを記憶してあるモニタプロファイル、1624は画像出力装置1603などのプリンタプロファイルを記憶してあるプリンタプロファイル、1625は画像出力装置1603にて出力する画像を一時的に保存しておく画像バッファである。
【0069】
<全体処理>
ここで図17は、画像処理装置1601にて行われる画像処理の流れを示すフローチャートである。なお、図17に示すフローチャートはサーバ側、クライアント側それぞれの画像処理装置(1601、1602)において、それぞれの通信インタフェースを介してやり取りする様子を示したものである。では、図17のフローチャートを用い、サーバ側画像処理装置1601及びクライアント側画像処理装置1602にて行われる色域圧縮について詳細に説明する。なお、UI部にて表示される内容は上記第1の実施形態で示した図14と同様である。
【0070】
ステップS1701では、クライアント側のプリントプロファイル1624から色域データGonを取り出しサーバ側画像処理装置1601へ送付する。なお、プリンタプロファイル1624に該当する色域データGonがない場合は、画像出力装置1603を用いカラーパッチを出力、測色することで色域データGonを作成するものとする。
【0071】
ステップS1702では、サーバ側画像処理装置1602の色域データ登録部1605にステップS1701で送付された色域データGonを登録する。ステップS1703では、クライアント側画像処理装置1602の出力条件設定部1620で設定された出力条件をサーバ側画像処理装置1601へ送付する。ステップS1704では、サーバ側画像処理装置1601の出力条件登録部1626にステップS1703にて送付された出力条件を登録する。
【0072】
ステップS1705では、ステップS1702にて登録した色域データGonをデータバッファ1615へ書き込む。ステップS1706では、ステップS1704にて登録した出力条件をデータバッファ1615へ書き込む。ステップS1707は目標色設定の有無を判別する。ここで目標設定有無の判別は、第1の実施形態のステップS205と同様の処理のためここでは説明を省略する。
【0073】
ステップS1708では、クライアント側の画像処理装置1602の目標色設定部にて設定された目標色Refデータをサーバ側の画像処理装置1601へ送付する。ステップS1709では、サーバ側の画像処理装置1601の目標色設定部1612にステップS1708にて送付された目標色Refデータを登録する。
【0074】
ステップS1710では、ステップS1709にて登録した目標色Refデータをデータバッファ1615へ書き込む。ステップS1711からステップS1716までの処理は、第1の実施形態のステップS207からステップS212の処理と同様のためここでは省略する。
【0075】
ステップS1717では、サーバ側の画像処理装置1601のカラーマッチングLUT登録部1611にステップS1716で作成したカラーマッチングLUTをプリンタプロファイル1614に書き込むことによって登録する。ステップS1718では、ステップS1716で作成したカラーマッチングLUTをクライアント側画像処理装置1602が受理する。
【0076】
以上のように本実施形態によれば、クライアント側での出力条件に応じたカラーマッチングLUTをサーバ側が作成し、クライアント側に送付することでクライアント側であるユーザの条件に適したカラーマッチングのためのLUTをユーザが獲得することができる。
【0077】
【第3の実施形態】
上記第1および第2の実施形態では、ユーザが入力する目標色数を、R,G,B,C,M,Y各々Primary,Bright,Darkの18色としたがこれに限定しない。求める精度、目的に応じ変化させてよいことは言うまでもない。
【0078】
【第4の実施形態】
上記第1の実施形態におけるステップS211、上記第2の実施形態におけるステップS1713では、色域圧縮を行う際使用する制御点数を、R,G,B,C,M,Y各々Primary,Bright,Darkの18色としたがこれに限定しない。求める精度、目的に応じ変化させてよいことは言うまでもない。
【0079】
【第5の実施形態】
上記第1の実施形態におけるステップS212、上記第2の実施形態におけるステップS1716では、作成するカラーマッチングLUTの格子点グリット数を9としたがこれに限定しない。求める精度、目的に応じて変化させてよいことは言うまでもない。
【0080】
【第6の実施形態】
前記実施形態では、図14のユーザインタフェース(以下UI)の例として、ボタンによる選択方法とプルダウン形式による選択方法を示したが、これに限定されないことは、言うまでもない。メニュー形式にして、ユーザに選択させるようなUIでも構わない。また、キーワードを直接入力させるようなUI形式でも構わない。つまり、ユーザの所望の設定ができるようなUI構成であればよい。
【他の実施形態】
なお、本発明は、複数の機器(例えばホストコンピュータ、インタフェイス機器、リーダ、プリンタなど)から構成されるシステムに適用しても、一つの機器からなる装置(例えば、複写機、ファクシミリ装置など)に適用しても良い。
また、本発明の目的は、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体を、システムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUまたはMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出し実行することによっても達成されることは言うまでもない。
【0081】
この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【0082】
プログラムコードを供給するための記憶媒体としては、例えば、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROMなどを用いることが出来る。
【0083】
また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOS(オペレーティングシステム)などが実際の処理の一部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0084】
さらに、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0085】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、各デバイスの色域の違いによらず、複数のデバイス間で共通の色再現が実現でき、出力条件を変更しても同じ色味を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態にかかる画像処理装置を備えるシステムのブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施形態にかかる画像処理装置の全体処理の流れを説明するフローチャートである。
【図3】本発明の第1の実施形態にかかる画像処理装置における色相角設定処理を説明するフローチャートである。
【図4】本発明の第1の実施形態にかかる画像処理装置における焦点色設定処理を説明するフローチャートである。
【図5】本発明の第1の実施形態にかかる画像処理装置における制御点設定処理を説明するフローチャートである。
【図6】本発明の第1の実施形態にかかる画像処理装置における、色域データと2次元圧縮線との交点の計算方法を説明するフローチャートである。
【図7】本発明の第1の実施形態にかかる画像処理装置における、色域データと2次元圧縮線との交点の計算方法を説明する図である。
【図8】本発明の第1の実施形態にかかる画像処理装置におけるカラーマッチングLUT作成方法を説明するフローチャートである。
【図9】オリジナル色の色相変換をa*−b*平面上で説明する図である。
【図10】オリジナル色の一例を示す図である。
【図11】本発明の第1の実施形態にかかる画像処理装置における色相角設定処理を説明する図である。
【図12】本発明の第1の実施形態にかかる画像処理装置における焦点色設定処理を説明する図である。
【図13】本発明の第1の実施形態にかかる画像処理装置における、最も基本的な2次元圧縮を説明する図である。
【図14】本発明の第1に実施形態にかかる画像処理装置におけるユーザインタフェースの一例を示す図である。
【図15】目標色の一例を示す図である。
【図16】本発明の第2に実施形態にかかる画像処理装置を備えるシステムのブロック図である。
【図17】本発明の第2の実施形態にかかる画像処理装置におけるカラーマッチングLUT作成方法を説明するフローチャートである。
【図18】従来の色域圧縮方法を説明する図である。
【図19】色立体を説明する図である。
【図20】カラーマネージメントシステムの構成図である。
【図21】カラーマネージメントシステムの基本的な構成を説明するブロック図である。
【図22】モニタの色域とプリンタの色域の相違をL*−C*平面上で説明する図である。
【符号の説明】
1・・・画像処理装置
2・・・画像処理装置
3・・・画像出力装置
4・・・センサ部
5・・・通信インタフェース部
6・・・測定データ保持部
7・・・色相角設定部
8・・・焦点色設定部
9・・・制御点設定部
10・・・カラーマッチングLUT作成部
11・・・色相値・焦点色記憶部
12・・・オリジナル色記憶部
13・・・センサ制御部
14・・・データバッファ
15・・・モニタプロファイル
16・・・プリンタプロファイル
17・・・UI部
18・・・出力条件設定部
19・・・目標色記憶部
Claims (6)
- 所定の色域を有する第1の画像機器と、該第1の画像機器と異なる色域を有し、かつ相互に異なる色域を有する第2の複数の画像機器との間における色域圧縮によるカラーマッチングを行う画像処理装置であって、
前記第2の画像機器において色再現する際の条件である出力条件を設定する設定手段と、
前記出力条件ごとにあらかじめ格納された前記第2の画像機器の色域を取得する取得手段と、
前記第1の画像機器における所定の色に対してあらかじめ設定された、前記第2の各々の画像機器の目標色を読み込む読込手段と、
前記読み込まれた各目標色の色相角に基づいて、共通の色相角を算出する色相角算出手段と、
前記所定の色に対する、前記共通の色相角における色域圧縮後の色である制御色を、前記取得手段により取得された前記第2の各々の画像機器の色域と、前記各目標色とに基づいて前記第2の各々の画像機器ごとに算出する制御色算出手段と、を備え、
前記制御色を用いて、色域圧縮によるカラーマッチングを行うことを特徴とする画像処理装置。 - 所定の色域を有する第1の画像機器と、該第1の画像機器と異なる色域を有し、かつ相互に異なる色域を有する第2の複数の画像機器との間における色域圧縮によるカラーマッチングを行う画像処理方法であって、
前記第2の画像機器において色再現する際の条件である出力条件を設定する設定工程と、
前記出力条件ごとにあらかじめ格納された前記第2の画像機器の色域を取得する取得工程と、
前記第1の画像機器における所定の色に対してあらかじめ設定された、前記第2の各々の画像機器の目標色を読み込む読込工程と、
前記読み込まれた各目標色の色相角に基づいて、共通の色相角を算出する色相角算出工程と、
前記所定の色に対する、前記共通の色相角における色域圧縮後の色である制御色を、前記取得工程により取得された前記第2の各々の画像機器の色域と、前記各目標色とに基づいて前記第2の各々の画像機器ごとに算出する制御色算出工程と、を備え、
前記制御色を用いて、色域圧縮によるカラーマッチングを行うことを特徴とする画像処理方法。 - 所定の色域を有する第1の画像機器と、該第1の画像機器と異なる色域を有し、かつ相互に異なる色域を有する第2の複数の画像機器との間における色域圧縮によるカラーマッチングを行う画像処理方法であって、
前記第2の画像機器において色再現する際の条件である出力条件を設定する設定工程と、
前記出力条件ごとにあらかじめ格納された前記第2の画像機器の色域を取得する取得工程と、
前記第1の画像機器における所定の色に対してあらかじめ設定された、前記第2の各々の画像機器の目標色を読み込む読込工程と、
前記読み込まれた各目標色の色相角に基づいて、共通の色相角を算出する色相角算出工程と、
前記所定の色に対する、前記共通の色相角における色域圧縮の方向が等しくなるように、前記取得工程により取得された前記第2の各々の画像機器の色域と、前記各目標色とに基づいて、前記第2の各々の画像機器ごとに色域圧縮後の色である制御色を算出する制御色算出工程と、を備え、
前記制御色を用いて、色域圧縮によるカラーマッチングを行うことを特徴とする画像処理方法。 - 前記共通の色相角は、前記読み込まれた各目標色の色相角の平均値であることを特徴とする請求項2または3に記載の画像処理方法。
- 前記制御色算出工程は、
所定の色空間において、前記所定の色を通る直線であって、前記共通の色相角における前記各目標色との距離の2乗和が最小となる2次元圧縮線を算出し、前記2次元圧縮線と、前記取得工程により取得された前記第2の各々の画像機器が有する色域との交点を求めることにより算出することを特徴とする請求項3に記載の画像処理方法。 - 請求項2乃至5のいずれか1つに記載の画像処理方法をコンピュータによって実現させるための制御プログラム。
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JP2002223585A Withdrawn JP2004064668A (ja) | 2002-07-31 | 2002-07-31 | 画像処理装置および画像処理方法ならびにプログラム |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2004064668A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7986435B2 (en) | 2007-05-28 | 2011-07-26 | Canon Kabushiki Kaisha | Color processing apparatus and color processing method |
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2002
- 2002-07-31 JP JP2002223585A patent/JP2004064668A/ja not_active Withdrawn
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US7986435B2 (en) | 2007-05-28 | 2011-07-26 | Canon Kabushiki Kaisha | Color processing apparatus and color processing method |
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